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「家を売りたいけど、どうすれば良い? 手順は?」

家の売却でお悩みですね。

確かに家を売るなんて一生に一度あるかないかで、どうすれば良いか分からないもの。

だからといって何も知らずに間違った手順で売ると、相場より2割以上の安値で手放す恐れもあります。

大切な家を売るなら、正しい手順と最低限の知識を知っておきましょう。

この記事では、初めて家を売るあなたのために、不動産投資歴8年でマンション20戸以上を売却した筆者が、家を売る手順と注意点をまとめました。

この『家を売る7つの手順と応用技』を知れば、初めてでも楽々簡単に家が売れるでしょう。

家を高く売って資産を増やせば、豊かで安心できる暮らしに役立ちます。

あなたの家の売却が成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。

家を売る7つの手順

家を高くスムーズに売る7つの手順はこちら。

ハウスハウス

なんか難しそう…


家博士家博士

今はなんとなく雰囲気だけ知っておけば大丈夫。
作業を進めながら読み返すと良いよ。


それぞれ順番に分かりやすく解説します。

手順1. 複数の不動産会社に無料査定を依頼

見積もり査定イメージ
まず不動産会社に無料査定を依頼します。

このとき1社だけでなく、必ず複数(3社〜6社程度)の不動産会社に査定を依頼すること。

理由として次の3つがあります。

複数に査定を依頼する理由

  1. 家の相場を正確に知るため
  2. 幅広い意見と情報を集めるため
  3. 優秀で信頼できる不動産会社を探すため

ハウスハウス

不動産会社1社だと、査定が正確じゃないの?


家博士家博士

今は不動産価格が高騰して、専門家でも予想が難しいんだ。
不動産会社によって10〜20%、立地や競合次第ではそれ以上に差がでることもある。

不動産価格が高騰してプロでも査定が難しい環境

2013年から日銀の金融緩和の影響で、都心部を中心に不動産価格が高騰しています。

不動産価格指数(全国)

不動産価格指数(全国202412)

不動産価格指数とは

不動産相場の価格変動が純粋に分かる指数。国土交通省がアンケートで集めた年間30万件の成約価格を元に、ヘドニック法という統計計算でまとめたもの。3ヶ月前までのデータが毎月末頃に公表される。2010年の平均を100として算出。

中古マンションは約11年で102%も値上がりしています。


戸建ては上昇していないように見えますが、これは都心部の値上がりを、地方の値下がりが打ち消しているため。
戸建ては立地によって、価格の2極化が進んでいます。

さらにコロナの影響もあり、今は不動産のプロでも査定が難しい相場。
正確な相場を知るためには、複数の不動産会社に査定を依頼した方が良いでしょう。

家博士家博士

さらに不動産会社によって、意見が違うケースもある。
幅広い意見を聞いておくと、売り出した後に不安にならずに済むんだ

不動産会社からなるべく多くの情報を聞き出す

不動産会社や担当者の当たり外れもあるので、複数の不動産会社の話を聞いておきましょう。

例えばリフォームの必要性や高く売る方法など、不動産会社によって判断やノウハウが違うことも。

複数の不動産会社から意見を聞いておくと、売却を進めるときに不安にならずに済みます。

売却前のリフォームは不動産会社の意見を聞いてから

特に売却前のリフォームは、不動産会社の意見を聞いてからにしましょう。

なぜなら売却前にリフォームをしても、多くは費用を上乗せできずトータルで損するため。
リフォームで家の売却に失敗するイメージ

国土交通省の調査でも明らかになっています。

解体すると売れなくなる土地もある

また家を解体すると、場合によっては再建築不可だったり、既存不適格で元の大きさの家を建てられない恐れがあります。

擁壁が古いと土地を売ることもできなくなる恐れも。

複数の不動産会社に意見を聞いておくと、売却を成功するために最適な選択肢が確実に分かります。

ハウスハウス

なるほど複数の不動産会社に話を聞けば安心だね。


家博士家博士

そして一番優秀な不動産会社(担当者)を選ぶことが大切だよ。

家の売却は不動産会社選びで8割決まる

家の売却は、不動産会社選びで8割決まります。


ハウスハウス

いきなり8割も決まっちゃうの!?


家博士家博士

家を売るといっても、作業のほとんどは不動産会社にお任せなんだ。
だから優秀で信頼できる不動産会社(担当者)を選ぶことが大切だよ。


ハウスハウス

優秀で信頼できる不動産会社ってどこなの?


家博士家博士

エリアによって違うし、担当者レベルでも違うから、自分で選ぶしかない。
でも優秀で信頼できる不動産会社を選ぶ方法があるよ。

優秀で信頼できる不動産会社を選ぶ方法

優秀で信頼できる不動産会社を選ぶ方法はこちら。

優秀で信頼できる不動産会社を選ぶ方法

  1. まずエリアで売却実績が豊富な不動産会社に絞る。
  2. このうち3〜6社に無料査定を依頼し、査定価格と話を聞き比べる。

優秀な不動産会社とは、あなたのエリアで売却実績が豊富な不動産会社。

ただし担当者の当たり外れもあるので、実際に話を聞いて決めた方が良いでしょう。

信頼できるかどうかは、話しを聴き比べると自然と分かります。

話を聴き比べるために少なくとも3社以上の不動産会社へ無料査定を依頼して下さい。

じっくり話を聞くためには、多くても6社程度が限界でしょう。

ハウスハウス

実績豊富な不動産会社はどこなの?


家博士家博士

都市部は大手3社が強いね。


実績は大手3社が強い

売買仲介件数ランキング上位36社
(2024年3月)

不動産会社の売買仲介件数ランキング2024年3月

不動産売却の実績は、大手3社に偏っています

三井のリハウス住友不動産販売東急リバブルの3社は、仲介件数が2万件を超えており、大手の中でも圧倒的。

都市部で査定を依頼するなら、これら大手3社を中心に考えると良いでしょう。

ハウスハウス

大手3社は別格だね。


家博士家博士

3社もそれぞれ特徴があるから、解説しよう。

【大手1】三井のリハウス
38年連続で売買仲介件数1位

三井のリハウス

  • 店舗数 277店舗
    (首都圏174、関西圏45、中部圏25、札幌9、東北6、中国9、九州9)
  • 三井のリハウスは、38年連続で売買仲介件数1位と業界を代表する不動産会社。

    独自の査定システムは精度が高く、売主の約76%がほぼ提案価格(提案の95%以上)で成約しています。


    多くの購入希望者を抱えるため早く売れることも強みで、売主の65%が2ヶ月以内に成約するほど。

    また担当者のレベルが高いことにも定評があり、顧客満足度は96%と高評価です。

    家博士家博士

    業界を代表する会社だから、初めての売却ならまず話を聞いてみると良いよ。
    他と比較する基準にもなるからね。

    三井のリハウスの無料査定はこちらから
    三井のリハウス

    【大手2】住友不動産販売
    熱心な営業スタイルに定評

    すみふの仲介ステップ

    • 店舗数 203店舗
      (首都圏114、関西圏55、中部東海10、北海道8、東北3、中国7、九州6)

    住友不動産販売(すみふの仲介ステップ)は、営業マンの熱心な営業スタイルに定評があります。

    現在の購入希望者の登録数も公開しており、常に2万人を超える希望者が登録。

    自社ホームページの月間来訪者数は300万件以上、登録物件数は2万8千件以上と十分なスケールメリットもあります。

    家博士家博士

    スマートでクールな営業より人情深く熱心な営業が好みなら、他より出会える可能性が高いかも。


    【大手3】東急リバブル
    東急沿線や大型案件に強み

    東急リバブル

    • 店舗数 220店舗
      (首都圏141、関西圏45、名古屋11、札幌10、仙台6、福岡7)

    東急リバブルは東急電鉄系の不動産会社ですが、全国に店舗を持つのが特徴。

    東急電鉄沿線はもちろん、法人営業や投資物件にも強みを持っています。

    大手にまとめて査定を依頼するなら「すまいValue」

    大手3社にまとめて無料査定を依頼するなら、一括査定サイトの「すまいValue」が便利。

    すまいValueは、大手上位6社(三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー)が共同運営する一括査定サイトです。


    すまいvalue

    すまいValueの公式サイトはこちら
    すまいValue

    ハウスハウス

    とりあえず大手3社に査定を依頼すれば良いの?


    家博士家博士

    売却予定なら個人の相性もあるから、大手3社以外と比較した方が良い。
    首都圏・関西圏ならエージェント制のSRE不動産(旧ソニー不動産)、それ以外なら地域で実績No.1の会社にも査定を依頼しよう。

    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    売主だけを担当するエージェント制

    SRE不動産
    大手と比較するならSRE不動産(旧ソニー不動産)が良いでしょう。

    なぜならSRE不動産は、大手で問題になりがちな両手仲介が無いため。
    (※両手仲介とは売主と買主を同じ不動産会社が担当すること。大手は顧客を多く抱えるため、自然と両手仲介が多くなる。)

    SRE不動産は、業界初のエージェント制で売主だけを担当。
    買主は無数にある他の不動産会社が積極的に探します。

    結果として、大手にも劣らない販売力で、早く高く売れやすいことが最大のメリット。

    ただし営業エリアは首都圏・関西圏限定です。

    家博士家博士

    SRE不動産は業界でも両手仲介無しで知られているから、他社が競って営業してくれる。
    大手と話を聴き比べて、自分に合ってる方を選ぶと良いよ。

    SRE不動産(旧ソニー不動産)の公式サイトはこちら
    SRE不動産

    その他エリアは地域No.1を探す

    大手やSRE不動産の営業エリア外なら、地域で実績No.1の不動産会社を中心に選びましょう。

    実績No.1の不動産会社は、実績をアピールしているのですぐに分かります。

    不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトをいくつか併用すると良いでしょう。

    全国対応の主要な一括査定サイトとして次があります。

    その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。

    机上査定と訪問査定は売却の可能性で使い分ける

    不動産会社の査定には、机上査定と訪問査定がありますが、あなたの売却可能性によって使い分けると良いでしょう。

    まだ売却を決めていないなら机上査定(簡易査定)

    机上査定は、家に訪問せずに査定価格を決める方法。

    手軽に査定できますが、査定価格の信頼性は下がります。

    マンションは机上査定でもほどほどに正確な査定価格が分かりますがが、戸建てはザックリと相場が分かる程度。

    ただしまだ売却の予定が決まっていなければ、机上査定で良いでしょう。

    査定を依頼したら1〜2日で概算の査定結果が届き、電話があります。
    (不動産会社によっては、先に電話が掛かってくるケースもあります。)

    電話を受けたくない場合は、査定依頼のメッセージ欄に『連絡はメールでお願いします』と書きましょう。

    売却を決めているなら訪問査定(現場査定)

    訪問査定は、実際に家に訪問して査定価格を決める方法。

    手間はかかりますが、正確な査定価格が分かります。

    特に戸建ては、訪問査定でないと正確に査定できません。

    また訪問査定では不動産会社に実査に家を見てもらうので、必要なリフォームや補修などのアドバイスをもらえます。

    売却の予定が決まっているなら、訪問査定を依頼して複数の不動産会社の話を聴き比べ、売却を依頼する不動産会社を選びましょう。

    訪問査定を依頼したら、当日又は翌日に不動産会社から電話などで連絡があるので、訪問日を調整します。

    訪問日当日は、1人又は2人の営業担当者が家に来て10分〜20分程度で家の内外をチェック。

    事前に作成した机上査定を元に、内装や眺望、日照などを反映して最終の査定価格を算出します。

    ハウスハウス

    家に来られるのはチョット面倒だなー。


    家博士家博士

    不動産会社さえ決まれば後はほとんどお任せだから、ここだけ手間をかけよう。
    コロナが心配なら、今はオンラインで訪問査定できる会社も増えているよ。
    査定を依頼したら、待ってる間に家を売る準備しよう。

    手順2. 家を売る準備をする

    不動産会社に査定を依頼したら、待っている間に家を売る準備をします。

    それぞれ解説します。

    準備1. 書類を準備する

    書類といっても必要な書類はわずかで、あとは「あると便利」な程度。
    見つかる範囲で準備するだけでかまいません。

    必要なのは『権利証(登記済権利証)』又は『登記識別情報通知書』のみ

    家を売るときに必要な書類は、『権利証(登記済権利証)』又は『登記識別情報通知書』のみ。

    2005年(平成17年)を境に、購入したのがそれ以前なら『権利証(登記済権利証)』、それ以降は『登記識別情報通知書』です。
    登記イメージ
    登記識別番号通知書
    登記識別情報通知書の保護シールははがさないでください。

    ハウスハウス

    これが無かったら家は売れないの?


    家博士家博士

    費用は少しかかるけど、司法書士に依頼すれば代わりの書類が用意できる。
    手続きは売却を依頼する不動産会社に任せたら良いから、とりあえず先に読み進めよう。

    あると便利な書類

    無くても家は売れますが、あるかどうか確認しておきましょう。

    ●あると便利な書類

    書類 マンション 戸建て 土地
    境界確認書、
    隣地との覚書
    ×
    建築確認済証、検査済証 × ×
    (あれば)
    住宅性能評価書、
    既存住宅性能評価書
    ×
    (調査をした場合)
    耐震診断報告書、
    アスベスト使用調査報告書等
    ×
    (調査をした場合)
    土壌汚染調査書
    × ×
    過去の修繕履歴 ×
    建築設計図書
    (図面・仕様書)、
    地盤調査報告書、
    工事記録等
    × ×
    管理規約・使用細則、
    維持管理等の記録
    (管理費・修繕積立金・管理組合費・町内会費等の記録)
    × ×
    固定資産税と都市計画税の納税通知書・評価証明書
    (中古購入の場合)
    購入時の売買契約書、
    重要事項説明
    登記簿謄本・公図・
    地籍測量図・建物図面
    販売時のパンフレット ×
    • ◎: あると売却に有利
    • ○: あると売却に有利になる場合がある
    • △: 査定時に手間が省ける。売却には影響ない
    • ×: 不要

    準備2. 必要な情報を整理する

    売却に必要な情報を整理しましょう。

    具体的には、次の3つです。

    1. 住宅ローンの残り
    2. 売り出している競合と売り出し価格
    3. 過去の成約価格
    住宅ローンを完済しないと家は売れない

    まず今の住宅ローンの残債を確認します。

    なぜなら家を売却するためには、今の住宅ローンを何らかの方法で完済しなくてないけないため。

    売却代金だけでは完済できない『オーバーローン』では、不足分を貯金などで補う必要があります。

    ローン残高は、金融機関から年に1回送ってくる『返済予定表』で分かります。
    オーバーローンイメージ

    ハウスハウス

    オーバーローンだと家を売れないの?


    家博士家博士

    オーバーローンでも売れるけど、住み替えローンを使うとか、少し工夫が必要なんだ


    売り出している競合を確認する

    ザックリで構わないので、今売り出している競合を確認しておきましょう。

    売り出している競合は、不動産ポータルサイトで確認します。


    家博士家博士

    ただし売り出し価格は売主の希望価格で、相場より大幅に高く売れ残っていることも多い。参考程度に考えよう。

    築年数別の売り出し価格と成約価格
    (中古マンション・首都圏・2022年)

    首都圏2022年マンション売り出し価格と成約価格の差

    築年数別の売り出し価格と成約価格
    (中古戸建て・首都圏・2022年)

    首都圏中古戸建ての築年数毎売り出し価格と成約価格2022年

    過去の成約価格を確認する

    過去の類似物件の成約価格を確認しましょう。

    成約価格は、売り出し価格より相場を正確に反映しているので、不動産会社の査定価格を比較するときに参考になります。

    ただし過去の成約価格は、不動産会社専用のデータベース『レインズ』に登録されており、不動産会社しか見られません。

    個人で見れるのは、ザックリとした概要だけですが、それでも知っておく価値はあります。

    概要は下記で公開されています。

    準備3. 買い替えでは先に売るか買うかを決める

    家を買い替える場合は、先に家を売るか買うかを考えておきましょう。

    買い替えは売却と購入を同時にするため、手順がより複雑になります。

    家の買い替え手順イメージ

    家の買い替えの流れ
    ここで結論を決めなくても、不動産会社に相談すれば良いので、なんとなく考えておきましょう。

    それぞれのメリットとデメリットをまとめるとこちら。

    先に家を買う『買い先行』
    メリット
    • 仮住まい無しで引越しが1回で済む。
    • 今の家に住んだまま、気に入った家を好きなタイミングで購入できる。
    • 空き家で売り出せるので内覧対応が不要、即入居可で売れやすくなる。
    デメリット
    • ローンがあると家を売るまで2重ローンになる。
    • 家が予定通り売れないと値下げして売り急ぐ結果になりかねない。
    先に家を売る『売り先行』
    メリット
    • 売却価格が先に確定するので資金計画が立てやすい。
    • 2重ローンの心配がない。
    • 焦らずじっくり家を売れるので、高値売却にチャレンジできる。
    デメリット
    • 家を買うタイミングが合わないと仮住まいが必要になる。
    • 無理にタイミングを合わせて家を買うと、買い替えの満足度が下がる恐れがある。

    買い替えの手順は、こちらで詳しく解説しています。

    準備4. 売却方法を決める

    家を売る方法として主に3つの方法があります。

    家を売る3つの方法

    1. 仲介(普通の売買): ほとんどの人がこれ。不動産会社が仲介して、一般の買主へ売却する方法。
    2. 買取: 事情があって急ぐならこれ。不動産会社が直接買取る方法。最短1週間で売れるが価格は6割〜8割に安くなる。
    3. 買取保証(売却保証): 期間限定で売りたいならこれ。3ヶ月など期間限定で売り出して、売れないと不動産会社が査定価格の最大90%で買取る方法。一部の大手不動産会社のサービス。

    特別な事情がない限り「方法1. 仲介」を選ぶと良いでしょう。

    方法1. 仲介 ←ほとんどがこれ

    仲介とは、不動産会社があなたと買主の間に入り、家の売買を手助けするもの。

    不動産売買の媒介契約イメージ

    あなた(売主)と買主は、それぞれ不動産会社と媒介契約を結びます。

    仲介では、運が良ければ相場以上の高値で売れる可能性がありますが、高値で売りだすほど売却期間は長くなってしまいがち。

    相場通りの価格で売り出した場合の売却期間は平均3〜6ヶ月、需要が少ない物件だとそれ以上かかる恐れもあります。

    媒介契約について、詳しくは後述の「基本は専任媒介で1社に依頼する」で解説します。

    方法2. 買取

    買取は不動産会社が直接買取るもの。

    買取イメージ

    買取では最短1週間程度で売れますが、売却価格は相場の6〜8割に安くなってしまいます。

    よほど急ぐ事情がない限り、買取より仲介で売るほうが良いでしょう。

    急ぐ場合も、仲介で工夫すれば早く売れますので、基本は仲介で検討しましょう。

    買取については、こちらで詳しく解説しています。

    方法3. 買取保証(売却保証)

    買取保証イメージ
    買取保証とは期間限定で売出し、期間内に家が売却できないと不動産会社が買取ってくれる保証のこと。

    売出し期間中は高値で売出すチャンスもあり、売れ残っても「買取保証額」で買い取ってもらえるため安心です。

    ただし買取保証は東急リバブル野村の仲介+などごく一部の大手不動産会社しかないサービス。

    また買取価格は査定価格の最大90%などに安くなり、利用には築年数やエリアの条件があります。

    買取保証については、こちらで詳しく解説しています。

    その他にも、個人売買任意売却などいくつか売却の方法はありますが、特別な事情がない限り「方法1. 仲介」を選ぶと良いでしょう。

    その他の売却の方法について、詳しくはこちらで説明しています。

    ここまで売却の準備について解説しました。

    家博士家博士

    ここから先は、仲介で普通に売却する場合の売却手順を解説します。

    手順3. 不動産会社を選び契約する

    大手不動産会社イメージ
    いよいよ不動産会社選びです。

    査定価格だけでなく信頼できそうな不動産会社を選ぶ

    仲介で不動産会社を選ぶときは、査定価格だけでなく話を聴き比べて信頼できそうな不動産会社を選びましょう。

    各社の話を聴き比べると、どこの不動産会社が信頼できそうか、自然と分かります。


    ハウスハウス

    査定価格が一番高い会社を選ぶんじゃないんだね。


    家博士家博士

    査定価格はあくまで予想価格だからね。

    査定価格はあくまで予想価格にすぎない

    不動産会社の査定価格は、3ヶ月以内で売れる予想価格です。

    あくまで予想価格にすぎず、その価格で売れると不動産会社が保証するわけではありません。

    ですから「各社の査定価格の平均値」が正解に近いと考えましょう。

    査定価格が相場より高いからといって相場より高く売り出しても、結局売れずに時間だけが過ぎ、最後は値下げすることになりかねません。

    査定根拠を確認する

    不動産会社の話を聞く際に、査定根拠を確認しましょう。

    一般的に査定では次の計算方法が使われます。

    ●マンションの場合
     →事例比較法
    事例比較法とは、近隣で最近売買された類似物件の成約価格を根拠に、家の価格を推定する方法。
    査定根拠として、あなたの家の近隣で最近売買された類似物件の価格と、その事例とあなたの家の差額の計算があるはずです。
    ●戸建ての場合
     →土地は事例比較法又は路線価
      建物は原価法(積算法)
    路線価を使う場合は、簡易的に路線価÷0.8で計算します。
    都心部はさらに1.1倍〜1.2倍しても良いでしょう。

    原価法(積算法)は次の式を使います。
    建物価格=建築単価×延床面積×(1-経過年数÷耐用年数)

    ただし大手不動産会社は自社の査定ソフトで査定するため、各社で計算根拠が違います。

    また中小の不動産会社は、営業マンが独自の計算方法を使う場合も。

    いずれにしても、査定の根拠を聴き比べると、不動産会社のレベルが自然と分かります。

    査定価格に計算根拠が添付されていない場合は、計算根拠を送るように依頼して下さい。

    売れない高値を査定する悪質な不動産会社も

    まれに悪質な不動産会社が、売れないほど高値の査定価格を提示することもあります。

    高値の査定価格は、査定の根拠をしっかり確認しましょう。

    高値を提示する不動産会社の狙いは、とりあえず売主と媒介契約を結び、数ヶ月後に値下げして相場通りか相場より安くして売却すること。

    さらに悪質な不動産会社になると、囲い込みで相場より大幅に安くしてから買取業者に紹介し、手数料を4倍稼ぐこともあります。

    大手や地域No1の不動産会社では、このような悪質な行為はまずありませんが、一応知っておきましょう。

    全ての不動産会社の話を聞いてから選ぶ

    不動産会社を選ぶときは、全ての不動産会社の話を聞いてから決断しましょう。

    というのも不動産会社は家に訪問して査定すると、その場で媒介契約を勧めるため。

    しかしその場はとりあえず保留して、全ての不動産会社に話を聞きます。

    仲介手数料の値引きでアピールする会社は怪しい

    仲介手数料の値引きでアピールする不動産会社は、怪しいと考えましょう。

    なぜなら仲介手数料を大幅に値引きする不動産会社は、実績や口コミで集客できないので、仕方なく仲介手数料を値下げしていることが多いため。

    そんな会社に売却を依頼しても、なかなか売れずに大幅値下げして、結果として大損する恐れがあります。

    大手や実績のある不動産会社では、仲介手数料の値引きは少なく、あってもわずかです。

    ちなみに売却時の仲介手数料は、上限だけ宅建法で決められているので、値下げは自由。

    上限は、『売買価格×3%+6万円+消費税』です。
    (※売買価格400万円以上の場合)

    基本は専任媒介で1社に依頼する

    家の売却を不動産会社に依頼するときは、基本的に専任媒介契約で1社に依頼します。

    媒介契約は3種類ある

    媒介契約とは、あなた(売主)が不動産会社に売却を依頼する契約。

    媒介契約には3種類あり、契約の自由度が違います。

    媒介契約の比較

    項目 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任
    媒介契約
    特徴 自由な契約 一般的な契約 厳しい契約
    実際の契約数
    2022年実績
    33% 51%
    一番多い
    16%
    他社との媒介契約 × ×
    自分で見つけた相手との直接契約 ×
    契約の有効期間 制限なし
    (行政指導により3ヶ月が一般的)
    最長3ヶ月 最長3ヶ月
    指定流通機構(レインズ)への登録 ×
    登録義務なし

    契約から7日以内

    契約から5日以内
    業務処理状況の報告義務 規定なし 14日に1回以上 7日に1回以上

    ※レインズについては後述の「レインズに登録する」で解説しています。

    不動産会社に売却を依頼するときは、1社に任せるか、複数に依頼するかの2つの方法があります。

    1社に任せると楽で安心

    普通は専任媒介契約で1社に売却を任せます。

    なぜなら1社に任せることで、不動産会社が手厚くサポートしてくれるため。

    不動産会社は1社に任せてもらうことで、販売活動に手間と費用をかけやすくなります。

    売主としても、優秀で信頼できる不動産会社さえ選べたら、1社に任せた方が楽で安心。

    ちなみに1社に任せるときの媒介契約として『専任媒介』と『専属専任媒介』の2種類がありますが、『専属専任媒介』は、売主のメリットが少ないので選ばない方が良いでしょう。

    媒介契約について詳しくはこちらで解説しています。

    一般媒介で大手2〜3社に依頼する方法もある

    条件次第では、一般媒介契約で大手2〜3社に依頼しても良いでしょう。

    ただし次の2つの条件を満たす場合に限ります。

    1. 売却する物件は都心部の築浅マンションなど人気物件で需要が豊富
    2. 売り出し価格は無理に高値を狙わず、相場通りか少し安めで売り出す

    一般媒介で複数に依頼すると、不動産会社は他社に先を越されるリスクがあるので、積極的に営業しません。

    なぜなら他社に先を越されると、仲介手数料が入らずに広告費や人件費で赤字になってしまうため。

    しかし簡単に売れる物件なら、一般媒介でも不動産会社は積極的に営業してくれます。

    大手に依頼すれば、両手狙いで抱えている顧客へ優先的に営業するので、数日で売れることも期待できるでしょう。

    ただし不動産会社の数を増やしすぎると不信感を持たれるので、不動産会社は2〜3社程度までにします。

    一般媒介契約で複数の不動産会社に依頼する方法についてはこちらで解説しています。

    ハウスハウス

    信頼できる担当者を見つけて、1社に任せるのが良いってことだね


    家博士家博士

    媒介契約の期間は最長3ヶ月だけど、どうしても不安だったら初めは1ヶ月で契約するのもありだよ

    手順4. いざ売出し

    不動産の価格査定イメージ
    この先のステップは、不動産会社の担当者に相談できるので、ざっくりとだけ知っておけば大丈夫です。

    売り出し価格を決める

    まず家をいくらで売り出すか、不動産会社のアドバイスを元に決めます。

    売り出し価格を決めるときは、3つの価格と目標の売却期間を考えると良いでしょう。

    査定価格を元に3つの価格を決める

    不動産会社の査定価格を元に、次の3つの価格を決めます。

    1 適正価格
    おそらく相場と思われる価格。査定価格が複数ある場合はその平均値。ただし査定根拠が適正であれば、あなたが依頼する不動産会社の査定価格でOK。
    2 目標価格
    あなたが売りたい価格。目安は適正価格に10〜20%程度上乗せするイメージ。競合がいなければ、もう少し高めでもOK。
    3 下限価格
    予算の都合でこれ以上で売らないと厳しい限界の価格。目安は適正価格を20〜30%割引くイメージ。
    目標の売却期間を決める

    どのくらいの期間で家を売りたいか、目標の売却期間を決めましょう。

    目安として、相場価格で売るには、

    • 最低でも3ヶ月
    • 出来れば6ヶ月程度

    と考えます。

    ちなみに平均の売却期間は4ヶ月前後。

    内訳はこちら。

    売却期間のイメージ
    (首都圏2022年平均)

    売却期間イメージ(首都圏2022年)

    ただし今はコロナで一時的に短縮されていますが、今後は延びると予想されます。

    売出し〜成約までの日数の推移
    (首都圏平均)

    売出しから成約までの日数の推移(首都圏平均)

    高く売るなら時間をかける

    高く売るためには、時間をかけてじっくり売ったほうが良いでしょう。

    例えば次のように段階的に価格を下げる方法があります。

    高く売る場合の例

    家を売却する価格戦略の例

    短期で売るなら相場価格か少し安めで

    事情があって短期間、例えば2ヶ月などで売りたいなら、高値で売り出さず相場通りか少し安めで売出します。

    短期で売る場合の例

    家を売る価格戦略の例2
    売却戦略について詳しくはこちらで解説しています。


    ハウスハウス

    価格は自分で決めるの? 難しそう…


    家博士家博士

    担当者が相談に乗ってくれるから、どんどん相談すれば良いよ。
    でも最後の決断は自分でしないといけない

    売却時期はあなたの都合優先で

    売却する時期は、あなたの都合を優先しましょう。

    春や秋の引越しシーズンを狙う考えもありますが、そこまで大きな差はありません。

    首都圏の中古マンションの例

    首都圏中古マンション成約件数と価格

    成約件数は2〜3割増えますが、売り出す競合も増えるので、わざわざ合わせる必要はないでしょう。

    広告は不動産会社にお任せ

    広告活動は、不動産会社にお任せすることになります。

    販売図面(マイソク)作成

    広告は、まずマイソクという販売図面の作成から始まります。

    このマイソクが、いわばあなた家の営業マンとなります。
    正しいマイソクの例とチェックポイント

    レインズへ登録

    レインズとは不動産会社だけが利用できる不動産データベース。

    レインズを通して他の不動産会社が、あなたの家を顧客に紹介してくれます。

    不動産会社はレインズに登録する義務があり、専任媒介契約では7日以内、専属専任媒介契約では5日以内と宅建業法で決められています。
    レインズのイメージ
    このレインズに販売図面(マイソク)や写真などを登録し、他の不動産会社が利用できるようにします。

    売主はレインズの登録状況を確認できるので、正しく登録されているのか自分でも確認すると良いでしょう。

    レインズについて詳しくはこちらで解説しています。

    広告活動は5種類ある

    不動産会社の広告活動は、主に5種類の方法があります。

    1. インターネット広告
    ポータルサイトへの掲載(SUUMO、HOME’S、アットホームなど)、自社サイトへの登録
    2. 紙媒体
    新聞チラシ、ダイレクトメール、郵便受けへのチラシポスティング
    3. 現地活動
    オープンルーム、のぼりや看板の設置
    4. 他の不動産会社への集客依頼
    レインズ掲載、他の不動産会社へのFAX・電話・訪問
    5. 既存顧客への営業
    不動産会社が抱える顧客(家を探している客)への直接営業

    基本的には不動産会社にお任せで問題ありませんが、インターネット広告の内容を確認する程度はチェックすると良いでしょう。


    ハウスハウス

    どの広告が一番効果あるの?


    家博士家博士

    圧倒的に5.既存顧客への営業だね。
    だから顧客を多く抱える大手が売却に強いんだ。

    営業活動報告、チェック

    専任媒介契約では2週間に1回、専属専任媒介契約では1周間に1回、営業活動を報告する義務があります。

    法律で決まっているのは報告頻度のみ。内容は会社によって違います。
    よくわかならいことは、遠慮せずその都度確認しましょう。

    不動産会社の報告でチェックするのは次の項目です。

    営業活動中にチェックする内容

    • 2週間又は1週間に1度の営業活動報告がきちんとあるか
    • レインズの資料ダウンロード数や問い合わせ件数
    • どんな広告を出したか
    • 競合物件との比較・動向について
    • 内覧件数が十分か
    • 内覧者が購入に至らなかった理由
    • レインズへ登録した図面の掲示、レインズに広告可で掲載しているか
    • 他の不動産会社から内覧が入っているか

    不動産会社に不満があれば契約を更新せず他社に乗り換える

    不動産会社に不満があって、話し合っても解決できない場合は、契約を更新しない旨を不動産会社に通知します。

    媒介契約の契約期間は、通常3ヶ月で自動更新。

    契約の途中でも、不動産会社に明らかに問題があったり、お互いが了承した場合は媒介契約を解除できます。

    ただし特に不動産会社に不備がないのに売主が一方的に契約途中で解除すると、不動産会社から広告費用を請求される恐れがあります。

    住みながらの内覧は売主も対応する

    住みながら売り出す場合は、売主として内覧の対応が必要です。

    あらかじめ日程を調整して、土日など休日に訪問するのが一般的です。

    内覧で気をつけるポイントはこちら。

    内覧で気をつけるポイント

    • 掃除をきちんとしておく。特に水回りの清潔感に気をつける。必要であれば、クリーニングサービスなどを利用する。
    • 空気を入れ替えておく。ペットは外に出しておく。
    • 家族は全員外出して、1人だけで対応する。できれば女性が良い。
    • 物はなるべく捨てて減らす。物が多いだけでも、家のイメージは悪くなります。
    • 全ての部屋や収納を見れる状態にする。
    • 照明はきれいに掃除して、必要であれば交換しておく。内覧中は全て点灯させ、カーテンやブラインドも全て開放する。明るい印象にする。
    • にこやかに対応して、買主と良好な関係を築く
    • 上下左右の隣人や住まないと分からない近所の便利な情報を教えて、買主の不安を減らす。
    • 売却理由はポジティブな理由を事前に考えておく。
    • リフォーム業者に改装イメージを作成してもらったものなどがあれば、用意しておく。
    • 買主の内覧希望スケジュールは何よりも優先する。チャンスは2度と来ないかもしれません。

    ハウスハウス

    ペットは外か…


    家博士家博士

    ペットが苦手な人もいるからね。
    あっ、ハウスくんのことじゃないよ(汗)


    内覧について詳しくはこちら

    反響が悪ければ価格を変更

    売り出してから反響が悪ければ、売り出し価格の値下げを検討します。

    不動産会社と相談しながら、競合の状況や反響によって価格を下げる時期や幅を調整しましょう。

    値下げするなら、次の2つが基本です。

    • 需要の多い1月〜2月や9月などに合わせる
    • 3980万円などキリの良い数字より少し安くする

    ハウスハウス

    反響ってどの程度あるものなの?


    家博士家博士

    都心は多くて地方は少ない、マンションは多くて戸建ては少ないので具体的には言いにくいね。
    一般的には、売り出した直後に問合せと内覧が集中しやすい。
    1ヶ月くらいで情報が市場に広がるから、その間に問合せが無いと厳しいね

    手順5. 買主と条件交渉し売買契約!

    価格交渉イメージ
    内覧が成功すれば、購入申込み(買付証明書)が届きます。

    基本は先着順だが売主の意思で選べる

    もし同時期に複数の購入申込みを受けた場合、基本は先着順ですが、売主は買主を選べます。

    次の買主を優先して選ぶと良いでしょう。

    • 一番高く買う買主
    • 住宅ローン審査に確実に通りそうな買主
    • 一番買って欲しい買主

    ちなみに購入申込み(買付証明書)は不動産業界の慣習で、法的な書類ではありません。


    ハウスハウス

    購入申込みは断っても良いんだね。


    家博士家博士

    価格と条件の交渉があるから、折り合いがつかなければ断って良いよ。
    折り合いがつけば、売渡証明書を書いて契約手続きに入る。

    価格と条件を交渉

    購入申込みで指し値(値下げ依頼)があれば、担当者と相談して価格を交渉します。

    この時に注意したいのは、相手の指し値をそのまま飲まないこと。

    多くの場合、買い手は「ダメで元々」の感覚で指し値を入れてきます。

    他に内覧が入っている場合は、その事実を伝えてプレッシャーをかけることで、交渉は優位に進みます。

    また価格と合わせて、引き渡し条件も交渉しましょう。

    もし買い替えで引越しを遅らせたい場合は、引き渡し後に数日間引越しを遅らせる条件を買主に交渉します。

    手付金と契約時期

    購入申込書には手付金の金額、契約締結の希望時期が明記されています。

    手付金は通常売買金額の5〜10%程度が一般的。

    手付金は契約が流れたら買主へ返すので、使ってしまわずに保管しておきましょう。

    契約締結は1〜2週間後で遅くとも3週間以内が一般的です。

    価格と条件が決まれば売買契約

    価格と条件が決まれば、買主と売買契約を結びます。

    家博士家博士

    不動産会社が作成する重要事項説明・契約書・付帯設備表などの書類は、契約の前に目を通しておこう。

    ローン特約が一般的

    家の売買契約では、買主が住宅ローン審査に落ちると契約が流れる『ローン特約』で契約するのが一般的です。

    買主がローン審査に落ちると、手付金を返して、売却活動はやり直しに。

    といってもローンの事前審査に通っていれば、本審査で落ちることはほとんどありませんので安心して下さい。

    瑕疵(契約不適合)にならないため全て書面に残す

    瑕疵(契約不適合)にならないため、後で問題になるかもしれない情報は、契約書面に全て記載します。

    なぜなら引き渡し後に不具合が分かった場合、一定期間は売主負担で補修することになるため。

    ハウスハウス

    どこまで伝えるか難しそうだね。


    家博士家博士

    少しでも気になる不具合は、不動産会社の担当者に全て伝えよう。
    担当者は記載すべき内容を判断して、契約書面に反映してくれるよ。


    契約当日

    契約当日は、不動産会社が重要事項を説明した後、売買契約を交わして、手付金を受けとり完了です。

    契約書は、署名・捺印して、売主と買主が1部ずつ持ち帰ります。

    場所は不動産会社の事務所が一般的。

    不動産会社によっては、このタイミングで仲介手数料の半額を請求するところもあります。


    ハウスハウス

    仲介手数料の半額を支払うのに、手付金を使っていいの?


    家博士家博士

    普通はローン特約などで契約が流れたら仲介手数料は戻ってくるから、使っても大丈夫だよ。

    金融機関へ通知

    売買契約が終われば、なるべく早く住宅ローンを借りている金融機関へ連絡しましょう。

    金融機関は抵当権の抹消書類を用意して、引き渡し当日に司法書士が受け取ります。

    金融機関への連絡は、遅くとも引渡し日の2週間以上前に通知するのが一般的ですが、金融機関によってはもっと早いこともあります。

    手順6. 決済して無事引き渡し

    引越し

    通常は引き渡しの前に引越し、家の清掃まで済ませます。

    買い替えで引越しを決済後にずらす場合は、売買契約の前に買主と交渉して売買契約で期日を決めておきましょう。

    決済、引渡し

    決済と引渡しの場所は、買主のローンを借りる銀行が一般的。

    集まる人は、買主、売主、不動産会社、司法書士、金融機関の人。

    大勢が1時間以上かけて手続きをします。

    持ち物や手続内容は、基本的に不動産会社におまかせで大丈夫。

    具体的にはこういったことをします。

    1. 登記手続き(署名・捺印)
    2. 融資実行(金融機関→買主口座→売主口座)
    3. 残代金の授受
    4. 諸費用等の清算
    5. 書類引き渡し
    6. 物件(鍵)の引き渡し
    7. 司法書士・不動産会社への報酬支払い

    基本的にはあなたは印鑑を押したり、サインするだけ。

    これで全ての手続きが完了します。

    ハウスハウス

    ふぅ~、やっと終わりかー。


    家博士家博士

    後は、翌年に確定申告があるよ。

    手順7. 確定申告で節税する

    確定申告イメージ
    家の引き渡しが終わったら、翌年2月中旬〜3月中旬に確定申告をします。

    確定申告が必要な3つの条件

    確定申告は、次の3つの条件に1つでもあてはまれば必要です。

    確定申告が必要な条件

    • 利益(譲渡所得)があり納税する
    • 利益(譲渡所得)があるが特例で非課税になる
    • 損失があり、特例で税金の還付(損益通算)がある

    確定申告については、こちらの記事で詳しく解説しています。

    売却した利益(譲渡所得)には税金がかかる

    売却した利益(譲渡所得)には税金(所得税・住民税)がかかります。
    譲渡所得イメージ


    税金については、基本は税理士に相談しますが、簡単な内容であれば不動産会社でも教えてくれます。
    ハウスハウス

    税金なんて考えてなかったよ!


    家博士家博士

    大丈夫だよ、ほとんどの人は3,000万円の特別控除で非課税だから。

    ただし3,000万円の特例でほとんどは非課税

    ただしマイホームの売却では3,000万円まで非課税になる特例があるため、ほとんどの人は税金がありません。

    【参考】国税庁・No.3302 マイホームを売ったときの特例

    ただし家の買い替えでは、新しい家の住宅ローン控除と併用できないので、お得な方を選んで使います。

    特例を利用するためには確定申告が必要です。

    損したら税金が安くなる特例もある

    売却で損した場合は、税金が安くなる特例が2つあります。

    1つは買い替えで損失があるときに使える特例。
    【参考】国税庁・No.3370 マイホームを買い換えた場合に譲渡損失が生じたとき(マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)

    2つ目は、オーバーローンで使える特例です。
    【参考】国税庁・No.3390 住宅ローンが残っているマイホームを売却して譲渡損失が生じたとき(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)

    家博士家博士

    ここまでが基本となる7つの手順だよ。
    ここからは、7つの手順を事情によって応用する技を紹介しよう。

    あなたの事情次第で使う応用技

    あなたの事情次第では、こちらの応用技も参考にして下さい。

    それぞれ解説します。

    応用技1. 相場を読んで高く売る

    どうせ売るなら相場が高騰しているタイミングで売りたいですね。

    住宅相場を見るなら、中古マンション価格の変動を基準にすると良いでしょう。

    都心部は戸建てもマンションも同じ値動きをします。

    今後は金融緩和の限界で、金利が上昇するリスクに注意しましょう。

    主なマンションの売却相場

    戸建て・土地は地価を見る

    戸建て・土地は、地価が参考になります。

    毎年発表される公示地価・基準地価、そして路線価で土地の価格をチェックしましょう。

    土地の価格を調べる方法について詳しくはこちら


    ハウスハウス

    もう少し値上がりしてから売った方が良いのかな?


    家博士家博士

    相場を確実に読むのは難しいから、あくまで自分の都合を優先したら良いよ。
    相場はもう十分値上がりしているしね。

    応用技2. 家の価値を高める

    家の価値を高めることで、家を高く売る応用技です。

    優秀な不動産会社であれば最適な方法を提案してくれますが、売主として一応知っておくと良いでしょう。

    保証で買主が安心して買える家に

    一部の大手不動産会社では、無料で建物・設備を最長2年間保証してくれる保証サービスがあります。

    不動産会社の保証サービスは、中古住宅購入者の半数以上(56.2%)が利用しているという調査結果もあるほど。
    【参考】一般社団法人不動産流通経営協会・不動産流通業に関する消費者動向調査(2022年)

    保証サービスでは、引き渡し後に建物・設備の不具合があっても補修費用を不動産会社が負担してくれます。

    中古住宅では、建物や設備の不具合がないか買主は不安に感じるため、この不安を解消することで家が売れやすくなります。

    保証サービスがあるのは、三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+など一部の大手だけ。

    これらの不動産会社に話を聞くなら、すまいValueが便利です。

    すまいValueの公式サイトはこちら
    すまいValue

    中小不動産会社の場合、公的な保険『既存住宅売買瑕疵保険』を利用する方法があります。

    ただし設備の保証はなく、検査や補修費用はかかります。


    ハウスハウス

    大手だと無料で保証サービスが利用できるんだ!


    家博士家博士

    ただし築年数30年以内が条件で、事前に点検で不具合があれば補修費用はかかるよ。

    フラット35適合証明をとる

    フラット35適合証明をとると、フラット35限定で家を探している人にとって貴重な物件になります。


    家博士家博士

    あまり築年数が古い戸建てだと補修費用が高くなるし、買主が建て替えるかもしれないから、不動産会社と相談してね。

    戸建て・土地は境界を確定する

    一戸建てや土地の売却では、境界確定した方が高く売れやすくなります。

    境界確定とは、隣の土地の所有者と立ち会い、互いに敷地境界を確認して署名捺印すること。

    費用が35万〜80万円ほどかかりますが、境界が確定できればそれ以上に売値を高くできます。

    境界確定について詳しくはこちらの記事で解説しています。

    私道は掘削の承諾書が有効

    また私道に面している土地・戸建ては、私道所有者に通行及び掘削の承諾が必要。

    所有者の署名捺印のある承諾書があれば、普通に売れます。

    具体的な文書の作成は不動産会社にまかせた方が良いですが、私道所有者と良好な関係なら先に話だけ通しておくと良いでしょう。

    借地・底地はセットで売り出す

    土地が借地権で売却するなら、底地とセットにした方が高く売れます。

    借地について詳しくはこちらで解説しています。

    底地についてはこちら


    ハウスハウス

    色々あるんだね。


    家博士家博士

    基本は不動産会社が提案してくれるから、一応知っておけばいいよ。

    応用技3. 売るか貸すか迷ったら

    投資用マンションイメージ
    住宅ローンが残っている家は、金融機関に無断で他人に貸せません。

    無断で貸すとローン規約違反で一括返済を迫られるリスクがあります。

    転勤で戻る予定がある場合などは、特別に認めてもらえるので、まず金融機関に相談してみましょう。

    またいつか売る予定なら、「貸さずに売る」方が正解です。

    なぜなら一度貸してしまうと、家が『投資用不動産』になってしまうため。

    投資用不動産は、売値が安くなり、税金の優遇が無くなります。

    これらのリスクについて知ってから、「貸す」という選択肢を選ぶか考えましょう。

    詳しくはこちらで解説しています。


    ハウスハウス

    貸したら儲かりそうだけどなぁ。


    家博士家博士

    駅徒歩7分以内とか将来も需要が確実なら貸す選択肢もあるかもね。
    でも住宅ローンが残っているなら、空室リスクもあるし売ったほうが安全だよ。

    応用技4. 家族の問題

    家を売るときに、家族の問題があるかもしれません。

    反対する家族を説得する

    家を売ることに反対する家族がいれば、話し合いで皆が納得する結論を選ぶしかありません。

    しかし中には一人だけ強固に反対する人がいることも。

    人は必ずしも最適な判断をせずに、感覚と感情で判断してしまうことは、ノーベル経済学賞を受賞した『行動経済学』でも証明されています。

    感覚と感情による反対には、専門家の意見と相手の気持ちを考えて話すと効果的です。

    施設に入る親の家を売る

    親が施設に入るときに親の家を売るなら、まず専門家に相談して介護費用がどのくらいかかるか把握しましょう。

    地域包括ケアセンターへ相談すると、介護保険の利用など具体的な方法を教えてくれます。

    ただし親が認知症だと、家を売るためには成年後見人制度を利用しなくてはいけません。

    親が認知症になると、実の子供でも家は売れなくなってしまうのです。

    家族と共有名義の不動産を売る

    共有名義の不動産は、共有者全員が売却する意思であればそのまま売れるので問題ありません。

    しかし売却に反対する共有者がいる場合は、次の3つの方法のいずれかになってしまいます。

    • あなたの持ち分を共有者へ売る
    • あなたの持ち分だけを専門業者へ売る
    • 土地を分筆して売る


    ハウスハウス

    どうせ家を売るなら、家族みんなが納得して売りたいね。

    売却理由で知っておきたい事

    買主に伝えるのが基本だが理由による

    売却理由は買主に伝えるのが基本です。

    なぜなら家に問題があれば、きちんと伝えないと瑕疵(契約不適合)や説明責任を問われてトラブルになってしまうため。

    ただし明らかに見て分かる様な理由『エレベーターが無い』『駅から遠い』などは言う必要ありません。

    また主観的な判断で、人によって意見が分かれることもあえて言わなくても良いでしょう。

    売却理由で不安があれば、不動産会社に相談してどこまで買主に伝えるか決めておくと良いでしょう。


    ハウスハウス

    家に原因があると、理由をいうと売れなくなってしまいそうだけど。


    家博士家博士

    価格は安くなるけど、投資家など買う人は必ず現れるから大丈夫だよ。

    それぞれ理由別の注意点

    離婚

    離婚で不動産を財産分与するイメージ
    離婚の財産分与では、不動産でトラブルになりがちです。

    なぜなら不動産は価格がはっきりせず、ローンが残っていると手続きが複雑になるため。

    一番分かりやすいのは家を売ってしまうことですが、注意点もあります。

    離婚での売却について、詳しくはこちら

    相続

    相続と不動産のイメージ
    相続では売却前に名義の変更(相続登記)が必須。

    名義を変更するためには、先に相続協議を終えなくてはいけません。

    またローンが残っており価値がマイナスになりそうなら、3ヶ月以内に相続放棄します。

    税金は基礎控除と特例で9割以上が非課税ですが、10ヶ月以内に申告が必要です。

    相続での売却について詳しくはこちら

    転勤

    思わぬ転勤で家を売るのは辛いことですが、せっかくなら高く売りたいもの。

    しかも転勤で家を売る場合は、住宅ローンの残額が家の売値より高い「オーバーローン」になりがち。

    しかしスケジュールを急ぎ過ぎると安値で手放してしまうことになるので、高く売るためには余裕を見ておくことも大切です。

    転勤での売却について詳しくはこちら

    住宅ローン滞納・支払いが厳しい

    住宅ローンを滞納したり、支払いが厳しい場合は、先ずローンを借りている金融機関に相談します。

    今のあなたの状況によって対応が変わるので、こちらの診断チャートを利用して下さい。

    家のタイプ別で知っておきたい事

    マンションを売る場合

    支払った管理費・修繕積立金は戻らない

    今まで支払った管理費・修繕積立金はマンションを売却しても戻りません。

    逆に滞納があれば、その分だけ売値が安くなってしまいます。

    マンションAI査定は参考程度に

    最近はマンションのAI査定が増えて、気軽に利用できるようになりました。

    ただしAI査定は、精度が悪く参考程度だと考えたほうが良いでしょう。

    なぜならAI査定は、レインズの規約によりレインズの成約価格を利用できないため。

    レインズを利用できないAIは、仕方なくネットの無料情報で査定をしているので、精度も悪いのが現状です。

    築年数で注意点は違う

    マンションは築年数で注意点が違います。
    それぞれ詳細はこちら。

    戸建てを売る場合

    外壁塗装は済ませると高く売れることが多い

    売却前の大規模リフォームはしない方が良いのですが、外壁塗装だけは済ませる価値があります。

    なぜなら外壁塗装は、個人の好みの影響が少なく、家の寿命を保つために必要なものだから。

    もちろん外壁塗装せずに売り出しても問題ありません。

    売り出してから塗装する方法もあるので、不動産会社に相談してみて下さい。

    戸建てには注意点が多い

    戸建ては土地に問題があると、売却で注意することが多くなります。

    例えば次の様な問題があります。

    それぞれ不動産会社が事前調査で調べてくれるので、基本はお任せして問題ありません。

    田舎で不動産会社に売却を断られたら

    田舎の家や土地は不動産会社に売却を断られることがよくあります。

    なぜなら田舎だと売却価格が安く売れにくいので、不動産会社は赤字になるリスクがあるため。

    しかし不動産会社の中には扱ってくれるところもあるので、いくつか当たってみて下さい。

    最悪の場合は、無料で譲るマッチングサービスもあります。

    築年数・家のタイプで注意点は違う

    戸建ては、建物が古くなっても土地の価値があるので、マンションに比べると古くなっても売りやすいという特徴があります。
    それぞれ注意点はこちら

    まとめ

    ここまで家を売る7つの手順と応用技を解説しました。

    家を売る7つの手順

    1. 複数の不動産会社に無料査定を依頼する
    2. 家を売る準備
    3. 不動産会社を選び契約
    4. いざ売り出し
    5. 買主と条件交渉し売買契約!
    6. 決済して無事引渡し
    7. 確定申告で節税する

    家の売却が成功するかは、不動産会社選びで8割が決まります。

    優秀で信頼できる不動産会社を選ぶためには次の手順で。

    1. エリアで売却実績が豊富な不動産会社に絞る
    2. この内3〜6社へ無料査定を依頼して、話を聴き比べる

    都市部なら大手3社(三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル)が実績豊富。

    とりあえず1社だけ査定を依頼するなら、38年連続で実績1位の三井のリハウスが良いでしょう。

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