家を売る前の準備
「家を売る前にすることは? 何を準備すれば良いの?」

はじめて家を売るときは、何を準備したら良いのか分からないもの。

この記事では、はじめて家を売る前に「何を」「どうゆう手順で」「何に注意して」準備すれば良いのか、分かりやすく解説します

1. 家を売るときの必要書類

まず家を売る準備として、必要な書類を整理しましょう。

家を売るときに必要な書類は一つだけ。

  • 『権利証(登記済権利証)、又は登記識別情報通知書』

登記識別情報

ハウスハウス

いきなり難しいなぁ。


家博士家博士

まぁまぁ、詳しく解説するよ。

権利証(登記済権利証)又は登記識別情報通知書

権利証(登記済権利証)又は登記識別情報通知書は、不動産の所有者であることが証明する書類です。

取得が平成17年(2005年)の前と後でどちらか違う

不動産を取得した日付けでどちらの書類か違い、

  • 平成17年(2005年)3月より前に取得した場合
    →「権利証(登記済権利証)」
  • 平成17年(2005年)3月以降に取得した場合
    →「登記識別情報通知書」

になります。

これは平成17年(2005年)3月に「権利証」が廃止され、12桁の番号「登記識別情報」が通知されるという制度に変更されたためです。
【参考】法務省・新不動産登記法Q&A

権利証とは

権利証(登記済権利証)は、紙が何枚か閉じられているこの様なものです。

登記イメージ

登記情報識別番号通知書とは

登記情報識別番号通知書は、紙に12桁の番号が記入されて、保護シールで隠されています。
登記識別番号通知書
一度シールをはがすと戻せない特殊なシールなので、このシールが剥がれていなければ登記識別番号が漏れていないということで大丈夫です。

ハウスハウス

失くしちゃったら、家は売れないの?


家博士家博士

そんなことないから大丈夫。
費用はかかるけど方法はあるんだ。

権利証や登記識別番号を紛失してしまったら?

権利証や登記識別番号を紛失してしまった場合は、いくつか方法がありますが、一般的なのは司法書士や土地家屋調査士、弁護士などに依頼して「本人確認情報」という書類を作成してもらうこと。

これは『資格者による本人確認制度』といわれるもの。

平成17年以前は保証書制度という制度だったものが、変更されて現行の制度になりました。

【参考】法務局・新不動産登記法QA Q23

他にも方法はありますが、あまり一般的ではありません。
一応2つ挙げておきます。

1. 法務局からの事前通知を利用する方法
権利証や登記識別番号をつけずに所有権移転登記を申請することで、法務局から売り主に「本当に不動産を売って登記の申請をしているかどうか」を確認する「事前通知」という書類が送付されます。
これに実印を捺印し法務局に提出すると、所有権移転登記をすることが可能です。
しかし、お金を支払うタイミングが難しいので現実的ではありません。
2. 公正証書を利用する方法
売り主が登記委任状又は申請書を持参して公証人役場で公証人の面前で署名捺印をすることで、公証人の認証がもらえます。
これで権利証や登記識別番号の代わりになります。

これも不動産会社に依頼すれば、司法書士などを紹介してくれますので、なんとなく知っておく程度で大丈夫です。

家博士家博士

この辺りの話は不動産会社にお任せした方が早いよ。
司法書士などの費用は、どこに頼んでもほとんど同じだしね。


ハウスハウス

そもそも登記って何?

不動産登記とは

不動産登記とは、あなたの家が誰のものか分かるように、公の帳簿(登記簿)に記録すること。

普通に購入した家であれば、普通に登記されています。

「権利証(登記済権利証)」又は「登記識別情報」があれば、登記されているということなので大丈夫です。

ただし購入した時期が30年以上前だったり、住宅ローンを借りていない古い家だと、まれに登記されていない場合も。

毎年の固定資産税が徴収されていても、登記されていない場合もあります。

登記を調べる方法

building_houmukyoku
近くの法務局に行けば、登記を確認出来ます。
法務局 http://houmukyoku.moj.go.jp

また、現在はインターネットでも登記情報を確認出来ます。
登記情報提供サービス http://www1.touki.or.jp/
(操作は平日の8:30~21:00のみ可能)

ハウスハウス

自分で調べたほうが良いの?


家博士家博士

先に不動産会社を決めたほうが楽だよ。
不動産会社が登記なども全て調べてくれるから。

不動産登記がない場合

不動産登記がされていない場合は、家の引き渡しまでに、不動産登記をする必要があります。

不動産登記の費用は通常10~20万円くらい。

具体的には法務局に対して土地家屋調査士が表示登記(甲区)を行い、司法書士がその所有権(乙区)を登記します。

ちなみに、後から増築している場合は、この増築部分を追加で登記する必要があります。
(関西など一部地域では、増築していても未登記で売れる場合があります。)

建ぺい率オーバーなど違法な増築でも登記はできます。(建築確認申請はできませんが…)

司法書士や土地家屋調査士も不動産会社が手配してくれるので、知っておく程度で十分です。

登記についてはこちらで解説しています。

特に相続では登記に注意

osouhiski_iei
亡くなられた方の所有のままでは売却出来ません。

所有者が亡くなって相続者が売却する時は注意が必要。

まず相続登記が必要です。

司法書士に依頼して相続登記をしましょう。

もちろん相続人が複数居る場合は全員で協議する必要があります。

司法書士も不動産会社が紹介してくれるので安心してください。

相続についてはこちらも参考に。

先に不動産会社を決めた方が楽

売却を依頼すれば全てお任せできる

ここまでで、なんだか難しいなぁ…と思われた方は、先に不動産会社を決めた方が良いでしょう。

家を売る時はまず不動産会社を決めたほうが楽です。

登記などについても不動産会社が調べて教えてくれます。

必要な手続きがあれば、司法書士も土地家屋調査士も全て不動産会社が手配してくれます。

実績豊富な3社〜6社に無料査定を依頼

不動産会社を選ぶ一般的な手順は、

  • エリアで不動産売却の実績が豊富な不動産会社を選ぶ。
  • 複数(3〜6社)の不動産会社に査定を依頼し、査定価格と話を聴き比べる。

話を聴き比べると、自然と信頼できそうな不動産会社や、自分に最適な不動産会社が分かります。

ハウスハウス

実績が豊富な不動産会社はどこ?


家博士家博士

都市部なら大手3社が強いね。


実績は大手3社が強い

売買仲介件数ランキング上位35社
(2023年3月)

不動産会社の売買仲介件数ランキング2023年3月

不動産売却の実績は、大手3社に偏っています

三井のリハウス住友不動産販売東急リバブルの3社は、仲介件数が2万件を超えており、大手の中でも圧倒的。

都市部で査定を依頼するなら、これら大手3社を中心に考えると良いでしょう。

ハウスハウス

大手3社は別格だね。


家博士家博士

3社もそれぞれ特徴があるから、解説しよう。

【大手1】三井のリハウス
37年連続で売買仲介件数1位

三井のリハウス

  • 店舗数 286店舗
    (首都圏182、関西圏46、中部圏25、札幌9、東北6、中国9、九州9)
  • 三井のリハウスは、37年連続で売買仲介件数1位と業界を代表する不動産会社。

    独自の査定システムは精度が高く、売主の約76%がほぼ提案価格(提案の95%以上)で成約しています。


    多くの購入希望者を抱えるため早く売れることも強みで、売主の65%が2ヶ月以内に成約するほど。

    また担当者のレベルが高いことにも定評があり、顧客満足度は96%と高評価です。

    家博士家博士

    業界を代表する会社だから、初めての売却ならまず話を聞いてみると良いよ。
    他と比較する基準にもなるからね。

    三井のリハウスの無料査定はこちらから
    三井のリハウス

    【大手2】住友不動産販売
    熱心な営業スタイルに定評

    すみふの仲介ステップ

    • 店舗数 234店舗
      (首都圏136、関西圏58、中部東海15、北海道8、東北4、中国7、九州6)

    住友不動産販売(すみふの仲介ステップ)は、営業マンの熱心な営業スタイルに定評があります。

    現在の購入希望者の登録数も公開しており、常に2万人を超える希望者が登録。

    自社ホームページの月間来訪者数は300万件以上、登録物件数は2万8千件以上と十分なスケールメリットもあります。

    家博士家博士

    スマートでクールな営業より人情深く熱心な営業が好みなら、他より出会える可能性が高いかも。


    【大手3】東急リバブル
    東急沿線や大型案件に強み

    東急リバブル

    • 店舗数 216店舗
      (首都圏141、関西圏42、名古屋11、札幌9、仙台6、福岡7)

    東急リバブルは売却に便利なサービスが充実しています。

    例えば予定期間で売れないと査定価格の90%などで買取る「買取保証」は、買い替えで安心。

    またリフォーム込で売り出す「アクティブ売却パッケージ」は、築古マンションを売り出す方法として効果的です。

    家博士家博士

    初めての買い替えや売却で心配なら、話を聞いてみると良いね。

    東急リバブルの無料査定はこちらから
    東急リバブル

    大手にまとめて査定を依頼するなら「すまいValue」

    大手3社にまとめて無料査定を依頼するなら、一括査定サイトの「すまいValue」が便利。

    すまいValueは、大手上位6社(三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー)が共同運営する一括査定サイトです。


    すまいValue

    すまいValueの公式サイトはこちら
    すまいValue

    ハウスハウス

    とりあえず大手3社に査定を依頼すれば良いの?


    家博士家博士

    売却予定なら個人の相性もあるから、大手3社以外と比較した方が良い。
    首都圏・関西圏ならエージェント制のSRE不動産(旧ソニー不動産)、それ以外なら地域で実績No.1の会社にも査定を依頼しよう。

    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    売主だけを担当するエージェント制

    SRE不動産
    大手と比較するならSRE不動産(旧ソニー不動産)が良いでしょう。

    なぜならSRE不動産は、大手で問題になりがちな両手仲介が無いため。
    (※両手仲介とは売主と買主を同じ不動産会社が担当すること。大手は顧客を多く抱えるため、自然と両手仲介が多くなる。)

    SRE不動産は、業界初のエージェント制で売主だけを担当。
    買主は無数にある他の不動産会社が積極的に探します。

    結果として、大手にも劣らない販売力で、早く高く売れやすいことが最大のメリット。

    ただし営業エリアは首都圏・関西圏限定です。

    家博士家博士

    SRE不動産は業界でも両手仲介無しで知られているから、他社が競って営業してくれる。
    大手と話を聴き比べて、自分に合ってる方を選ぶと良いよ。

    SRE不動産(旧ソニー不動産)の公式サイトはこちら
    SRE不動産

    その他エリアは地域No.1を探す

    大手やSRE不動産の営業エリア外なら、地域で実績No.1の不動産会社を中心に選びましょう。

    実績No.1の不動産会社は、実績をアピールしているのですぐに分かります。

    不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトをいくつか併用すると良いでしょう。

    全国対応の主要な一括査定サイトとして次があります。

    その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。


    ハウスハウス

    よし、不動産会社に査定を依頼したぞ。


    家博士家博士

    不動産会社からの連絡を待っている間に、手元の書類を確認しておこう。

    2. 家を売る時にあると有利・便利な書類

    次に、家を売るときにあると有利又は便利になる書類です。

    これが無くても家は売れます。

    あるかどうかを確認し、準備しておきましょう。

    マンション・戸建て・土地の書類まとめ

    表中の記号は下記を示します。

    • ◎: あると売却に有利
    • ○: あると売却に有利になる場合がある
    • △: 査定時に手間が省ける。売却には影響ない
    • ×: 不要
    書類 マンション 一戸建て 土地
    (1)境界確認書
    隣地との覚書
    ×
    (2)建築確認済証
    検査済証
    × ×
    (あれば)
    (3)住宅性能評価書
    既存住宅性能評価書
    ×
    (調査をした場合)
    (4)耐震診断報告書
    アスベスト使用調査報告書等
    ×
    (調査をした場合)
    (5)土壌汚染調査書
    × ×
    (6)過去の修繕履歴 ×
    (7)建築設計図書(図面・仕様書)
    地盤調査報告書
    工事記録等
    × ×
    (8)管理規約・使用細則、維持管理等の記録(管理費・修繕積立金・管理組合費・町内会費等の記録) × ×
    (9)固定資産税と都市計画税の納税通知書・評価証明書
    (中古購入の場合)
    (10)購入時の売買契約書・重要事項説明
    (11)登記簿謄本
    公図
    地籍測量図
    建物図面
    (12)販売時のパンフレット ×

    それぞれの書類の詳細

    それぞれ詳しく解説します。

    (1)境界確認書・隣地との覚書

    マンション× ・ 戸建て◎ ・ 土地◎

    境界確認書は筆界確認書ともいい、隣接する土地所有者と立会って署名・捺印した筆界確認図と契印して、双方が一通づつ所有するのが一般的です。

    境界確認書は、特に敷地の境界が不明瞭だったり、隣接する土地とトラブルになる可能性がある場合はあったほうが良いでしょう。

    最近は特に地価が高い都市部では、買い手に購入条件として要求されることが増えています。

    作成は土地家屋調査士に依頼しますが、不動産会社が手配してくれます。

    隣地との覚書は、境界について何らかの取り決めがあった場合のみ作成されます。

    例えば塀が境界を侵していることが分かった場合に、「塀を壊す」のではなく、「次回作り直すときに正しい境界で作り直す」と双方が合意した場合などに、覚書を交わします。

    境界確認書について詳しくはこちら。

    (2)建築確認済証・検査済証

    マンション× ・ 戸建て◎ ・ 土地×

    建築確認済証とは、建物を建てる前に、建築する会社が市区町村などに建築確認を申請し認めてもらった証明書。
    都市計画区域や準都市計画区域など普通の住宅街では必ず建築確認申請しているはずです。

    市街化調整区域の農村で2階建て以下の建物や築50年を超えるような建物は無い可能性があります。

    検査済証は、工事完了後に確認申請通りに建築されたことを確認した証明。
    これは古い家では多くが取得していません。

    建築基準法では取得が義務ですが、1998年の取得率は38%、それ以前は5~20%程度でした。
    現在は90%程度の取得率になっています。

    特に関西地方では、意図的に違法増築をして検査を受けない事例が多くありました。
    建築確認の図面と現状で床面積が違う場合は、このタイプに当てはまります。

    台帳記載事項証明書で代用できる

    建築確認済証・検査済証は再発行はされませんが、代わりになる書類があります。

    市区町村役所の建築指導課に保管されている「台帳記載事項証明書」です。

    台帳記載事項証明書とは、建築確認済証と検査済証の交付記録を記載した書類。

    不動産会社と媒介契約を結ぶと、事前調査として役所で確認してくれます。

    検査済証について詳しくはこちら

    (3)住宅性能評価書、既存住宅性能評価書

    マンション◎ ・ 戸建て◎ ・ 土地×

    住宅性能評価書は、最近のグレードの高い家にしかありませんので、あれば販売に有利です。

    平成12年に制度が始まり、令和3年度でも28.2%しか普及していません。

    地震保険で優遇されたり、様々なメリットがあります。

    新築時に住宅性能評価書がなくても、中古住宅として評価機関に現状の家を検査してもらい、既存住宅性能評価書を受けることが可能です。

    しかし売主が個人の場合は、この書類は実質のプラス要素はほとんどなく、令和3年度も全国で428戸とほぼ利用されていません。

    どちらかといえば既存住宅売買かし保険の方がメリットは多いでしょう。

    【参考】一般社団法人 住宅性能評価・表示協会 住宅性能表示制度について

    既存住宅売買瑕疵保険について詳しくはこちら

    (4)耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書等

    マンション◎ ・ 戸建て◎ ・ 土地×

    耐震診断報告書は、旧耐震基準(1981年5月以前に建築確認申請提出)の一戸建てやマンションで、あると売却に有利なもの。

    マンションの場合、耐震診断報告書は管理組合が保管しているので、代わりに耐震診断の結果(Is値が0.6以上)が分かるもの(住民への通知など)があれば良いでしょう。

    マンションの耐震診断についてはこちらで解説しています。

    一戸建てでは、耐震診断をしていれば報告書があるはずなので、用意しておきましょう。

    一戸建ての耐震診断についてはこちらで解説しています。

    耐震診断報告書で耐震等級1以上があれば、買主が住宅ローンを借りやすく、住宅ローン減税などの税制優遇を受けられるメリットがあります。

    アスベスト調査報告書は、マンションでは不要。
    一戸建はアスベスト調査報告書があれば、リフォーム時や解体時に費用が安くなるメリットがあります。

    一戸建ての解体について詳しくはこちら

    (5)土壌汚染調査書

    マンション× ・ 戸建て× ・ 土地◎

    土壌汚染調査が必要な土地は、以前にクリーニング店、ガソリンスタンド、工場などで利用されていた土地や、大規模な投資や分譲開発に売却する土地。

    こういった履歴がある場合は、その事実だけ不動産会社に伝えましょう。

    購入時に土壌汚染調査結果を受け取った場合は、査定時に不動産会社へ見せて下さい。

    土壌汚染については、こちらで解説しています。

    (6)過去の修繕履歴

    マンション○ ・ 戸建て○ ・ 土地×

    リフォームや戸建住宅の外壁塗装・補修などを行っている場合は、その記録も準備しましょう。

    販売時に「〇〇年に外壁補修済!」とアピールできます。

    (7)建築設計図書、地盤調査報告書、工事記録等

    マンション× ・ 戸建て○ ・ 土地×

    新築で購入した場合は、購入時の書類に入っているはず。

    建築設計図書は、不動産会社が販売用の図面を作成するのに必要です。

    その他書類は、なるべく色々あった方が、購入者に良いイメージを与えるでしょう。

    (8)マンションの管理規約や使用細則、維持管理等の記録

    マンション○ ・ 戸建て× ・ 土地×

    マンションの管理規約、使用細則、維持管理等の記録(管理費・修繕積立金・管理組合費・町内会費等の記録)。

    これは管理組合で原本があるので、手元に無ければ必要な物をコピーしましょう。

    特に、マンション価格に影響するのは次の様なポイント。

    • 管理費・修繕積立金とその改定予定
    • 駐車場使用権
    • 専有部分の用途制限
    • ペット飼育の制限
    • フローリングの規制
    • 管理費や修繕積立金の収支や滞納額
    • 大規模修繕の予定と長期修繕計画

    なるべく多くを準備しておいた方が良いでしょう。

    (9)固定資産税・都市計画税の納税通知書・評価証明書

    マンション○ ・ 戸建て○ ・ 土地○

    固定資産税・都市計画税の納税通知書・評価証明書は、毎年1月1日時点の所有者に郵送されます。

    ただし紛失しても、特に問題ありません。

    再発行はできませんが、役所に行けば名寄帳の写しをもらえるため代用できます。

    固定資産税・都市計画税の納税通知書・評価証明書は、家を売る時に、引き渡し後の固定資産税と都市計画税を精算する計算根拠として使います。

    固定資産税と都市計画税を精算について詳しくはこちら

    (10)購入時の売買契約書、重要事項説明書

    マンション○ ・ 戸建て○ ・ 土地○

    中古で購入したマンションや一戸建て、第3者から購入した土地では、あった方が何かと便利。

    重要事項説明があると、あなたが購入時に何を通知されたのか分かるため、売却時の瑕疵を防ぐことができます。

    例えばあなたが購入した時に、地下に浄化槽が埋設されていることが重要事項説明に記載されていた場合、あなたが黙って売却すると、あなたの瑕疵担保責任になる恐れがあります。

    また不動産会社が査定する際にも、査定精度を上げるために役立ちます。

    売買契約書は、売却後に確定申告する際に必要。

    売買契約書を紛失して、購入時の価格が証明できない場合は、購入価格が売却価格の5%になってしまうため、納税額が膨らんでしまう恐れも。

    確定申告については、こちらで解説しています。

    売買契約書の再発行などは、こちらで解説しています。

    (11)登記簿謄本、公図、地積測量図、建物図面

    マンション△ ・ 戸建て△ ・ 土地△

    これらは不動産会社が法務局で取り寄せてくれるので、無くても大丈夫です。

    もしあれば、不動産会社の手間が省けるため、不動産会社には少しありがたいもの。

    また、不動産会社の中には査定の段階でこれらを確認しない不動産会社もいるため、そういった不動産会社の査定精度を上げる効果はあります。

    (12)販売時のパンフレット

    マンション△ ・ 戸建て△ ・ 土地×

    省エネや長寿命、特殊な工法など、家のアピールポイントを漏れなく不動産会社に伝えるために役立ちます。

    不動産会社は、アピールポイントから販促効果がありそうな点を選び、販売資料に記載します。

    3. 場合によって必要な書類

    住所変更が多いと住民票や戸籍の付票

    不動産登記の住民票住所が現在と異なる場合は住民票や戸籍の付票が必要になります。

    転勤等で住所変更が多いと、全ての住所がつながる公的な書類が必要になり、準備に時間がかかります。
    住民票と除票をそろえておきましょう。

    また、海外に転勤している場合は在留証明が必要になります。
    住宅の所有が共有の場合は、全員分の書類が必要です。

    ただし家の引き渡し時点で3ヶ月以内の公的書類が必要なので、あまり先に準備しても期限が切れてしまう可能性も。
    この辺りの書類は、不動産仲介業者に相談してから準備する方が良いでしょう。

    4. 書類の次に準備すること

    家を売る時の費用イメージ

    ローン残債や経済状況の整理

    売却価格を考えるため、経済状況を整理しましょう。

    • ローンの残債
    • 金融資産(預貯金・保険)
    • 1ヶ月の平均的な収支

    今の生活の家計を整理し、今後の生活に必要な金額も把握しておくと、売却金額を考えるときに決断しやすくなります。

    もし家の売却代金だけで住宅ローンの全額返済が厳しいオーバーローンの場合、つまり
    家の売却価格 < 住宅ローンの残り
    だった場合は、他の金融資産で補うか、買い替えでは「住み替えローン」を利用することになります。

    オーバーローンの売却についてはこちら。

    住み替えローンについてはこちらで解説しています。

    ちなみに家の売却には、売却費用として売却価格の3.5〜5%程度がかかりますので、ざっくりとだけ知っておきましょう。

    売却費用についてはこちら。

    家の売却方法を決める

    家の売却方法は、大きく分けて2種類、「買取」と「仲介(一般の売買)」があります。

    仲介と買取のイメージ

    仲介と買取のイメージ

    仲介
    (普通の売買)
    買取
    買主 一般の人 不動産会社
    (買取業者)
    売却期間 場合による
    (目安3〜6ヶ月程度)
    最短1週間
    売却価格 ほぼ相場通り 相場より
    2〜4割安い

    買取では、不動産会社が最短1週間程度で確実に買取ってくれますが、価格は相場の6〜8割り程度に安くなるデメリットが。

    一方で一般の売買では、相場通りに売れますが、売却期間は通常3〜6ヶ月、人気がない物件ではさらに時間がかかる恐れもあります。

    買取についてはこちらで解説しています。

    一般の売買といっても、実は方法は色々。
    一番多い標準の売却方法は、「仲介(不動産会社と専任媒介契約を結び売却)」ですが、他にも次の様な方法があります。

    • 3ヶ月など期間限定で売る「大手不動産会社の売却保証」
    • リフォーム+売却保証で売る「アクセルくん」
    • 両手仲介なしの「エージェント制度」
    • 頑張って売るなら「一般媒介で複数の不動産会社に」
    • 不動産会社を使わない「個人間売買」
    • 田舎や郊外の空き家は「空き家バンク」
    • 死後に家を処分する「リバースモーゲージ」
    • 住んだまま家を売る「リースバック」
    • オーバーローンで家を売る「任意売却」
    • 高値を狙う売却方法「オークション」

    その他の方法について詳しくはこちら。

    ここから先は、最も一般的な「仲介(不動産会社と専任媒介契約を結び売却)」について解説します。

    売却手順を確認

    売却の手順は次の様な流れになります。

    1. あなたの地域で売却が得意な不動産会社を3〜6社選び、無料査定を依頼する。
       ↓(数日)
    2. 不動産会社の査定価格と話を聞き比べて、売却を依頼する不動産会社を決める。
       ↓(約1〜2週間)
    3. 不動産会社と媒介契約を結ぶ。
       ↓(数日〜約1週間)
    4. 不動産会社が売却活動(宣伝広告、レインズ登録、内覧)
       ↓(平均3〜6ヶ月、物件による)
    5. 購入申込を受取り、価格交渉
       ↓(1〜2周間)
    6. 売買契約
       ↓(約1ヶ月)
    7. 決済、引き渡し
       ↓
    8. 確定申告・納税(翌年2月中旬〜3月中旬)

    売却手順については、こちらで解説しています。

    競合物件や不動産相場を確認

    あらかじめ自分でも競合物件や不動産相場をチェックしておくと、不動産会社の査定を聞き比べるときに参考になります。

    競合物件は、今売りだされている物件の情報をHomes(ホームズ)やSUUMO(スーモ)など不動産ポータルサイトでチェックすればある程度分かります。

    注意点は、不動産ポータルサイトで分かるのは、あくまで売り手の希望価格(売れ残っている価格)ということ。
    実際に売買が成立した価格(成約価格)が分かるのはこちら。

    不動産の査定方法については、こちらで解説しています。

    不動産相場についてはこちらを参考に。

    各地のマンション相場についてはこちらを参考に

    家の掃除や片づけ

    家を売り出したら、購入希望者が内覧をします。
    掃除と家の片付け次第で、内覧の印象は全く違うものに。

    一番効果的なのは、物を減らすことです。

    内覧について詳しくはこちら。

    リフォームはしない方が良い

    家を売る時にはリフォームをしない方がトータルでお得です。
    壊れていたり極端に傷んでいる部分を、最低限直す程度のリフォームで十分。

    国土交通省の調査でも、個人の売り主のリフォームは、失敗することが分かっています。

    詳しくはこちら

    5. インスペクションと安心R住宅は必要?

    インスペクションは、大手不動産会社に売却を依頼すると、『建物保証』の際にチェックしてくれるので、それで代用できます。

    安心R住宅については、まだ取得しなくて良いでしょう。

    この単語を知っているだけで、相当勉強されている方だと思います。
    それほどまだ世間には全く知られていません。

    インスペクションとは

    インスペクションとは、あなたの家を専門家(インスペクター)に診断してもらうこと。

    専門家(インスペクター)とは、国が認定した団体が主催する講習を受講した建築士など。

    宅建法が改正され、2018年4月以降は家を売る時にインスペクションについての説明が義務化されることになりました。

    ただしインスペクションが義務化された訳ではなく、説明が義務化されただけなので、インスペクションをする必要はありません。

    説明が義務化されたとは、具体的にはこちら。

    不動産会社から売り主への説明
    →「インスペクション業者を紹介しますよ」という斡旋
    不動産会社から買い主への説明
    →「インスペクションというものがありますよ」という説明
    売買契約の重要事項説明で
    →「インスペクションの実施をしたかどうか、また結果はどうだったか」を記載する

    買い主がどのくらいインスペクションを知っているか、気にしているかは、直接買い主と接触している不動産会社に聞くのが一番確実です。

    インスペクションについて詳しくはこちら

    大手不動産会社に売却を依頼すると、条件さえクリアすれば不動産会社による『建物保証』が付きます。

    建物保証が付けば、インスペクションは今のところ不要でしょう。

    築年数が古い建物など、大手不動産会社の建物保証が利用できない場合は、インスペクションをして『既存住宅売買瑕疵保険』を利用する方法もあります。

    詳しくは不動産会社に相談しましょう。

    安心R住宅とは

    安心R住宅
    安心R住宅とは、国土交通省が進めている中古住宅の認定制度。
    2018年4月からスタートしました。

    これもしばらくは様子見で良いでしょう。

    安心R住宅のマークを取得するためには、様々な条件をクリアする必要があり、費用がかかります。

    費用に見合った効果(売れやすくなる、高く売れる)があるのなら、費用を掛けて安心R住宅の認定を受けたほうが良いですが、今の時点ではどこまで効果があるのかは不明です。

    これも実際に買い主と接しているう不動産会社の意見を聞くほうが確実でしょう。

    まとめ

    家を売るときの必要書類は権利証又は登記識別番号通知書のみ。

    あとはある書類をなるべく多くまとめておきましょう。

    書類がまとまったら、ローンと貯金を確認して、売り方を決めます。

    普通は、不動産会社に仲介で売却を依頼するため、まずは不動産会社を探しましょう。

    家の売却が成功するかどうかは、不動産会社選びで8割が決まるといわれます。

    もし不動産会社選びで失敗すれば、売却が長期化したり、安値で家を失う恐れも。

    そんな失敗を防ぐために、優秀で信頼できる不動産会社を選びましょう。

    優秀で信頼できる不動産会社を選ぶためのポイントは…

    • エリアで不動産売却の実績が豊富な不動産会社を選ぶこと。
    • 複数(3〜6社)の不動産会社に査定を依頼し、話を聴き比べること。

    都市部なら大手3社(三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル)が実績豊富。

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    首都圏・関西圏以外の都市部で大手と比較する場合や、大手の営業エリア外の地方では、一括査定サイトを利用すると良いでしょう。

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    あなたの不動産売却が成功することを、心よりお祈りしております!