擁壁イメージ
「家の擁壁(ようへき)が古くなっているけど、売却で問題にならない?」

「擁壁がひび割れているけど、瑕疵になるの?」

土地・一戸建ての売却で『擁壁』についてお悩みでしょうか?

確かに擁壁には建築基準法などの法令が適用されるため、不動産売買で厄介な存在になる恐れもあります。

もしその擁壁が、あなたの不動産売却にどの程度影響するのか、スッキリ分かって安心して家の売却がスタートできれば理想ですね。

そんなあなたのために、擁壁のある土地や一戸建てを売却するために必要な、擁壁の知識と注意点をまとめました。

またあなたの不動産の擁壁を正しく判断するため、無料で専門家の意見を聞く方法についても解説します。

あなたの不動産売却が成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。

擁壁のある土地・一戸建てはかなり安くなる恐れも

擁壁のある土地や一戸建ては、場合によって売却価格がかなり安くなる恐れがあります。

なぜなら一部の擁壁では『擁壁の造り直し』や『がけ対策の特殊工事』が必要で、その費用が売却価格からマイナスされるため。

ハウスくんハウスくん

どんな擁壁だと、売却価格が安くなるの?


家博士家博士

主に3種類。
既存不適格・違法建築・老朽化した物だね

要注意の擁壁は、既存不適格・違法建築・老朽化

次の様な擁壁は、家を建替えるときに、擁壁を造り直すか対策工事を必要とするため、家の売却価格が安くなります。

要注意の擁壁

●既存不適格の擁壁
擁壁を設置した当時は法令を満たしていたものの、その後の改正等によって法令に適合しなくなってしまった場合<
●違法建築の擁壁
そもそも構造が違法だった場合
●老朽化した擁壁
法令の基準などは満たしているものの、擁壁の老朽化が進み危険性があると判断される場合

※ただし高さ1m未満の擁壁は、各種法令の適用外で補修費用も安いため対象外。

擁壁は建築基準法を始めとする多くの法令に制限を受けます。

家の建替えでは、擁壁もセットで審査されるため、審査に通らない擁壁だと問題になってしまうのです。

擁壁があっても『がけ』扱いになる

基準を満たしていない擁壁は、『がけ』として扱われます。

『がけ』として扱われると、がけの上下に新しい建物を建てる際に厳しい制限がかかります。

『がけ』に関する具体的な制限規定は、都道府県の条例によって規制されており、それぞれ微妙に数字は違います。
【参考:各都道府県のがけ条例一覧】
https://kentikusi.jp/dr/keisyati/gakejyorei

東京都の例

例えば東京都の場合は次のように規制されています。

※分かりにくいので、後の解説をご覧ください。

高さが2mを超えるがけの下端からの水平距離が、がけの高さの2倍以内のところに建物を建てたり宅地を造成する場合は、高さ2mを超える擁壁を設けなければならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
一 斜面のこう配が三十度以下のもの又は堅固な地盤を切つて斜面とするもの若しくは特殊な構法によるもので安全上支障がない場合
二 がけ上に建築物を建築する場合において、がけ又は既設の擁壁に構造耐力上支障がないとき。
三 がけ下に建築物を建築する場合において、その主要構造部が鉄筋コンクリート造若しくは鉄骨鉄筋コンクリート造であるか、又は建築物の位置が、がけより相当の距離にあり、がけの崩壊に対して安全であるとき。(東京都建築安全条例第6条2項

東京都の場合

東京都のがけ制限

【解説】
東京都の場合は、上の図面の範囲について、次の選択肢から選ぶことができます。

  1. 擁壁を設置する。(確認申請が必要)
  2. 自然がけとする。(建物の建築を諦める)
  3. 既存擁壁のままで他の対策をする。

1の擁壁とは法令の基準をきちんと満たしているもの。
擁壁を作り直すには高額な費用がかかるため、例えば新宿区では補助金が工事費の1/3まで出ます。
(※補助金は地域によって異なります。)

2は何もせず斜面の勾配を30度以下にするだけ。
建築物は建てられません。

3の場合は、がけの上と下で対策が違います。
3-1 がけの上に建築する場合
次の条件をすべて満たすこと。

  • 既存擁壁の維持管理が良好で安全上支障ないこと
  • 新しい建物の重量が既存擁壁に影響しないように建築物の位置及び基礎の形状に配慮すること(建物の基礎を深くするイメージ)
  • 敷地内の雨水を既存擁壁以外の方向へ排水するための施設を設けること

3-2 がけの下に建築する場合
次のいずれかの条件を満たすこと。

  • 既存擁壁の崩壊に対して安全上有効な構造である鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造の建築物であり、既存の擁壁に面する低層階に、大きな開口部を設けないこと。
  • がけと敷地の間に安全上有効な鉄筋コンクリート造の防護壁を設けること。

出典:新宿区内でがけや既存擁壁に近接する土地に建物を計画している方へ

この様に、対策に費用がかかるため、土地価格が安くなってしまうのです。

擁壁は瑕疵担保責任の対象になる恐れがある

売買契約の重要事項説明で、擁壁について説明が漏れていた場合、売主に瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)が問われる恐れがあります。

瑕疵担保責任とは
瑕疵担保責任とは、売買した不動産に隠れた欠陥(瑕疵)があった場合に、売主がその責任をもつこと。
個人の売主の場合は通常3ヶ月の期間で瑕疵担保責任を設定する。
ただし売主が故意に欠陥を伝えなかった場合は、期間を問わずに瑕疵担保責任に問われる。

瑕疵について、詳しくはこちらで解説しています。

ハウスくんハウスくん

でも、どうやって擁壁が大丈夫か判断したら良いの?


家博士家博士

擁壁を判断する方法は2つある。
解説しよう。

あなたの土地・一戸建ての擁壁を正しく判断する2つの方法

あなたの土地・一戸建ての擁壁が大丈夫か判断する方法として、次の2つがあります。

  1. 自分で調べて判断する
  2. 複数の不動産会社の意見を聴く

1は少しハードルが高いためザックリ知る程度にして、2を選ぶ方が良いでしょう。

詳しく解説します。

方法1. 自分で調べて判断する

1つ目の方法は、自分で調べて判断するという方法。

まず自分で調べるためには、誰が何に基づいてあなたの家の擁壁を判断するのかを知る必要があります。

役所の建築指導課が判定マニュアルに基づき判断する

あなたの土地の擁壁の安全性や老朽化を判断するのは、役所の建築指導課の職員。

判断の基準は、国土交通省の判定マニュアル(案)を利用します。
【参考】宅地擁壁老朽化判定マニュアル(案)

ハウスくんハウスくん

それじゃあ、役所の建築指導課へ行って話を聞けば良いの?


家博士家博士

具体的に新しい建物の図面や計画があればね。
何もないと、役所も個別に判断してくれないし、判断しても安全側の回答になりがちだよ。

役所からすると、一度判断すると責任が発生するため、個別の判断は避けたいもの。

まだ新しい建物の計画などが無い状態で聞きに行っても、安全側の回答(造り直し)しか得られないでしょう。

一般向けのマニュアルもあるが参考程度

専門家向けのマニュアルを元に、住民が大まかな危険度を知りたい場合に利用する分かりやすい資料がこちら。

ただし、厳密な法的な判断ではないため、あくまで参考程度です。

【参考】国土交通省「我が家の擁壁チェックシート」

国土交通省「我が家の擁壁チェックシート」では、擁壁の危険度を次の流れに沿ってチェックしていきます。

1.周辺環境条件等をチェック
水抜き穴の状態や水のしみ出し、排水施設についてチェックし、「擁壁基礎点」を計算します。
2.擁壁変状をチェック
ひび割れや移動(ずれ)、壁面のふくらみなどをチェックし、「擁壁変状点」を計算します。
3.総合評価
先に出した「擁壁基礎点」と「擁壁変状点」を合計し「総評点」を計算。
総評点の数値によって安全性が3段階に評価される仕組みです。

また具体的なチェックポイントとしては、次のようなものがあります。

  1. たわみや歪みがないか?
  2. 部分的に割れたり壊れたりしていないか?
  3. 亀裂・ひび割れ・目地の欠落などないか?
  4. 水抜き穴の直径が7cm未満でないか?
  5. 水抜き穴の各配置が1.7m以上開きすぎていないか?
  6. 擁壁の上段下段の排水用U字溝は沈下・ズレ・つまりなどないか?
  7. 既存不適格な擁壁タイプでないか?(亀の甲型・大谷石)
  8. 鉄筋のないコンクリート擁壁でないか?
  9. 2段積み擁壁ではないか?
  10. 擁壁の高さが2mを超えるか?

なお、擁壁の高さが2m未満の場合は、老朽化や手抜き工事に注意しましょう。

ハウスくんハウスくん

2m未満でも安全とは限らないんだね

家博士家博士

高さが2m未満だと建築確認申請が義務付けられていないから、実は安全性を考慮していない擁壁も多いんだ。だから、手抜き工事などに注意する必要があるんだよ

高さが1m未満の擁壁は国土交通省の「我が家の擁壁チェックシート」でも「ほぼ安全なものが多い」とされています。

そのため、新しい擁壁では1mを超えて2m未満の擁壁の場合に特に注意が必要といえます。

方法2. 複数の不動産会社の意見を聴く

あなたの家の擁壁を確実に判断するためには、やはり専門家の力を借りた方が良いでしょう。

擁壁の健全度そのものを判断するなら、厳密には専門家とは『一級建築士』になります。

しかし、あくまで売買を前提に売却価格への影響を判断するなら、不動産会社の意見を聞く方が良いでしょう。

家博士家博士

実績が豊富な不動産会社なら、擁壁のある物件を扱う機会も多いから、実績に基づいたアドバイスがもらえるよ

ただし不動産会社も担当者によって経験の差があるため、複数(最低3社程度)の不動産会社の意見を聞いた方が良いでしょう。

不動産会社の意見を聴くためには、無料査定を依頼し、現地で立ち会ってもらって擁壁を直接見てもらいましょう。

リバブルあんしん仲介保証なら擁壁も保証対象

東急リバブルでは、あんしん仲介保証の1つとして『擁壁調査保証』があります。

リバブルあんしん仲介保証(擁壁ようへき調査保証)では、土地の壁(擁壁)の現状を調査して、その結果に基づいて、そのまま利用できることを保証します。

ただし、擁壁のやり直しに伴う費用を保証するものではないため、調査の結果、擁壁のやり直しが必要だと診断された場合は、保証対象外です。

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擁壁についてさらに深く知りたい人へ

ここからは擁壁についてさらに知りたい人向けに、知っておきたい擁壁の基本についてまとめています。

擁壁には主に5種類ある

一言で擁壁といっても、詳しく見ていくと大きく5つに分けることができます。

  1. 「建築基準法」に基づく工作物の擁壁(2mを超えるもの)
  2. 「宅地造成法等規制法」に基づく擁壁(1mまたは2mを超えるもの)
  3. 「都市計画法」に基づく開発区域内の擁壁(盛土で1m、その他は2mを超えるもの)
  4. 「がけに関する都道府県条例」に基づく擁壁(2〜5mを超えるもの。都道府県による)
  5. 「急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律」に基づく急傾斜地崩壊危険区域内にある擁壁(5mを超えるもの)

2段階擁壁と2段盛土はどの法令でも禁止

法令によって様々な制限がありますが、2段擁壁と2段盛土についてはどの法令でも禁止されています。

2段擁壁とは、擁壁が2段に積まれているもの。

異なる素材を組み合わせて積み上げることが多くなっています。

また、2段盛土とは完了検査後に新たに盛土したもので、新たに盛土した部分は検査を受けていないことにもなります。

2m以上は「工事完了検査済証」が必要

2m以上の擁壁は工事後に完了検査を受けて「検査済証」を発行してもらうことになります。

この検査済証がないと、その宅地には再建築の許可が下りないのです。

さらに、擁壁そのものを再工事した場合は、再工事の完了検査済証が必要。

必要書類があるかどうかもよく確認しておきましょう。

手元にこうした書類がない場合は、役所に行って確認することをおすすめします。

まとめ

ここまで「擁壁のある土地・一戸建て売却で 知っておきたい知識と注意点とは」として、解説してきました。

擁壁は専門知識が必要なので、できれば専門家の意見を聞いた方が安心です。

ただし不動産会社も担当者によって経験の差があるため、複数(最低3社程度)の不動産会社の意見を聞きましょう。

不動産会社の意見を聴くためには、無料査定を依頼し、現地で立ち会ってもらって擁壁を直接見てもうこと。

もし不動産会社の心当たりがない場合は、一括査定サイトを利用すると便利です。

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。

一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。

この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue

    すまいvalue
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    不動産会社4.5
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    査定実績:
    18万件(開始後2年合計)
    不動産会社数:
    大手6社・全国870店舗
    運営会社:
    大手6社共同運営

    大手6社(三井不動産リアルティ・住友不動産販売・東急リバブル・野村不動産アーバンネット・三菱地所ハウスネット・小田急不動産)が共同で2016年10月に立ち上げた一括査定サイト。
    6社といっても全国870店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。
    売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。
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    2019年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして、「すまいValue」が新定番となっています。

    管理人のコメント

    地方では大手より地域密着の中小不動産会社の方が強い場合もあるため、地方の郊外から外れたエリアではLIFULL HOME'S又はHOME4Uも確認してみたほうが良いでしょう。
    しかし都市部の方は「すまいバリュー」が現状では最強の一括査定サイトです。
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  2. 【公式サイト】すまいValue

  3. LIFULL HOME'S

    LIFULL HOMESイメージ
    実績4.5
    不動産会社4.5
    運営会社5.0
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    運営は、HOME'SのテレビCMでおなじみの東証1部上場 株式会社LIFULL。2008年にマンション専用でサービスを開始。2011年から戸建ても含めて売却査定ができる仕様に。参加会社数が多く、特に地元密着系の中小不動産会社が多数登録しています。

    管理人のコメント

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    選ぶ会社の数は3社〜6社がオススメです。

  4. 【公式サイト】LIFULL HOME'S

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    査定実績:
    累計35万件(2001年開始)
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    1,300社
    運営会社:
    株式会社NTTデータ・スマートソーシング

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始依頼、査定累計数35万件と実績も豊富。運営は東証1部上場の株式会社NTTデータのグループ会社。
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    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多いため、自然と査定精度が高くなる仕組みになっています。
    ちなみに記入した内容はまた不動産会社と話をするときに修正できます。
    あまり真剣に悩まず、とりあえず現時点の希望を書いておく程度で大丈夫。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U


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