「土地を売却する前に、土壌汚染調査をするの?」
「昔工場だった土地は、汚染されているの?」
土地売却で土壌汚染についてお悩みですね。
確かに土壌汚染がある土地は、価値が大きく下がり、売却後も瑕疵担保責任になる恐れがあります。
しかし土壌汚染の不安があれば、サンプリング調査である程度リスクは解消できます。
また地歴調査で宅地や分譲地だった場合は、そもそも土壌汚染の心配はかなり低いと考えて良いでしょう。
そもそも土壌汚染については、法律も整備されており、すでに土壌汚染が分かっている土地は地方自治体に登録されているため、ネットで見ることも可能。
この記事では、土地の売却で知っておくべき土壌汚染の知識について、分かりやすくまとめています
あなたの土地売却が、安心してスムーズに終わるために、この記事がお役に立てば幸いです。
この記事のもくじ
宅地や分譲地の売却では土壌汚染調査は不要
普通に宅地として利用されている土地は、土壌汚染の可能性が低いため、土壌汚染調査が求められることはありません。
理由として、土壌汚染対策法では、土壌汚染の可能性が高い土地のみ土壌汚染調査が義務付けられているため。
普通の宅地であれば、土壌汚染の可能性は低いのです。

土壌汚染の可能性が高い土地?

クリーニング店や工場など指定有害物質を扱っていた施設を閉鎖した後とか、自治体の指定地だね。
土壌汚染調査が必要な場所だったら、売買を仲介する不動産会社が教えてくれるよ。
土壌汚染の可能性が高い土地では、一部に土壌汚染調査が義務化されています
もう少し具体的に例を解説しましょう。
土壌汚染調査が必要な土地
土壌汚染調査が必要な土地は、次のような土地です。
土壌汚染調査が必要な土地
1. 法律などで義務付けられているケース
- クリーニング店や印刷工場など有害物質使用特定施設の廃止時
- 土壌汚染の恐れがある土地で大規模な土工事をする場合
- 土壌汚染により健康被害があると都道府県知事等が認めるとき
2. 義務ではないが調査することが多いケース
- 大規模な土地を売買するとき
- 事業や宅地造成などの目的で土地を売買する場合
- 昔クリーニング店や工場があり、まだ土壌汚染調査をしたことがない場合
過去に土壌汚染調査をした結果、汚染があった(指定基準を超過した)土地は、都道府県知事が区域を指定し、自治体のサイトで公開しています。
たとえば東京都の場合は次のページ。
【参考】東京都 要措置区域等の指定状況
あなたの地域についても、「都道府県名+土壌汚染指定区域」で検索すれば見ることができます。
ただ、こういった指定区域に該当するかどうかは、売買を仲介する不動産会社が調べてくれるので、任せておいて構いません。
土壌汚染調査が必要かどうかは、不動産会社に相談した方が良いでしょう。

どこの不動産会社へ相談したら良いの?

土壌汚染にも詳しい不動産会社が良いね。
土壌汚染に詳しい不動産会社
土壌汚染に詳しい不動産会社は、土壌汚染調査会社と提携しているので、会社のホームページを見ると分かります。
この様な説明があります。
大手で信頼できる不動産会社として、次の2社があります。
三井のリハウス
提供価格 54,000円(税抜)〜
敷地の状況に応じた調査で土壌汚染の有無を調べます。
ポイント
- 宅地に最適な調査プラン
- 瑕疵担保責任にかかわるトラブルを未然に防止
- 合理的な価格設定
住友不動産販売
提供価格 55,000円〜
土壌の分析を行い、土壌汚染の有無を調べます。
これら2社の話を聞くなら
これら2社の話を聞くなら、一括査定サイト『すまいValue』が便利です。
すまいValueは、この2社を含む大手6社が運営する一括査定サイト。
不動産の売買は大手が圧倒的に強いため、営業範囲内であれば大手の話を一度は聞いたほうが良いでしょう。
売買仲介件数ランキング上位34社
(2022年3月)
土壌汚染で知っておきたい3つのポイント
土壌汚染に関して知っておきたい3つのポイントはこちら。
土壌汚染で知っておきたい3つのポイント
- 1. 売主の瑕疵担保責任になる恐れがある
- 2. 土壌汚染がある土地は価値が大きく下がる
- 3. 土壌汚染は土壌汚染対策法+その他法令や判例で総合的に判断が必要
1つずつ詳しく見ていきましょう。
1. 売主の瑕疵担保責任になる恐れがある
土壌汚染では、所有者(あなた)が汚染原因者でなくても、所有者(あなた)の責任になります。
これは埋蔵文化財や地中障害物などと同じ。
自分が埋めたものでなくても、所有者である以上は売却時に責任を負うことになります。
なお、土壌汚染の原因は人間の活動に由来するものだけではありません。
次のような原因の土壌汚染もあります。
人間の活動以外による土壌汚染の例
- 自然由来(もともと土に含まれている物質が原因)
- 歴史由来(空襲の焼夷弾による鉛など)
- 盛土由来(埋め立てに使った土が汚染されていた)
また、土壌汚染の原因が不明なケースも多いのです。

原因不明でも、責任は所有者にあるんだね

そう。
ここで大切なのが、分かっている事については重要事項説明にきちんと記載すること。
調査の有無と結果を必ず記載しておこう
重要事項説明に調査の有無と結果を記載する
売買契約書に添付する重要事項説明に記載しなかった場合、売主の瑕疵担保責任が問われる可能性があります。
土壌汚染は後に大きなトラブルになることもあるので、調査の有無と結果を忘れずに記載しておきましょう。
併せて、分かっている範囲の過去の土地使用履歴なども記載しておくとなお良いです。
ちなみに、土壌汚染調査はフェーズ1からフェーズ3の3段階あります。
土壌汚染調査の段階
- フェーズ1:土地の利用履歴調査
- フェーズ2:表層の土壌調査
- フェーズ3:地下も含めた本格的な調査
実際に土などを採取して土壌調査を行うと費用が高額になってしまうため、まずは土地の利用履歴調査を行い、土壌汚染の可能性の有無を把握します(フェーズ1)。
そこで汚染の可能性が高いとなれば、フェーズ2の表層の土壌調査へ進むという流れです。
ここで注意しておきたいのが、フェーズ2の調査結果で汚染物質が検出されなくても、100%安心できるわけではないという点。
なぜなら、別の調査では検出されるケースも多いからです。
フェーズ2で調査するのは、あくまでも表層部分。
そのため、フェーズ3で深層部分まで調査すると有害物質が検出される可能性があります。
調査結果を重要事項説明に記載する際には、この点に注意しておきましょう。
瑕疵担保責任についてはこちらで解説しています。
家の売却で心配な「瑕疵(かし)」、売却後に修理費などを請求される「契約不適合責任」。その具体例と対策について解説します。
2. 土壌汚染がある土地は大きく価値が下がる
2つ目は価値が大きく下がるという点。
土壌汚染があった土地の価格は、次のようにして算出されます。
汚染があった土地価格 = 本来の土地価格 − 対策費用 − 土地の使用制限による減価 − スティグマ(心理的嫌悪感による減価)
土壌汚染が見つかった場合、汚染物質の除去や改良工事などの対策が必要になります。
こうした汚染物質の除去や土壌改良工事には、数百万円から数千万円という非常に多額の費用がかかるのです。
そのうえ土壌汚染によって土地の利用も制限され、さらに「この土地を使うと健康被害が及ぶかもしれない」という精神的な不安感も。
この精神的な不安感や心理的な嫌悪感のことを「スティグマ」と呼び、土地の価格が安くなる要因の一つになっているのです。
このように土壌汚染のある土地は、価値が下がってしまうことが避けられない状態にあると言えます。
それでも本来の土地の価格が高ければまだ良い方。
そもそも地価が安いと土地価格がマイナスになり、売れない場合もあるのです。
こうした土地は「ブラウンフィールド」と呼ばれ、海外では再開発のネックになるなど問題にもなっています。

ブラウンフィールドとは、一度は利用されたものの、その後、何らかの理由によって再利用されない土地を指すんだ。
再利用されない最たる理由が土壌汚染だと言われているよ

土壌汚染ってそれだけ深刻な問題なんだね・・・
3. 土壌汚染は土壌汚染対策法+その他法令や判例で総合的に判断が必要
土壌汚染に関するルールは、2002年に制定された土壌汚染対策法が基本になります。
原則としてこの法律に基づいて、土壌汚染に関する様々なことが決められているのです。
調査対象が定められている
法律によって定められている土壌汚染の調査対象は次の通り。
- 有害物質使用特定施設の使用の廃止時(第3条1項)
- 一定規模(3,000㎡以上)の土地の形質変更の届出の際に、土壌汚染のおそれがあると都道府県知事等が認めるとき(第4条3項)
- 土壌汚染により健康被害が生ずるおそれがあると都道府県知事等が認める時(第5条1項)
このほか、調査対象に定められていなくても自主調査を実施することも。
こうした自主調査も含め、指定基準値を超過したら都道府県による区域の指定を受けることになります。
指定区域は2種類
指定基準値を超えた場合、健康被害の危険性の有無によって次のいずれかの区域に指定されます。
- 1. 要措置区域
- 健康被害が出るおそれがあり、汚染物質の除去等の措置が必要な区域です。
宅地造成や土地の掘削といった「土地の形質変更」が、原則禁止されます。 - 2. 形質変更時要届出区域
- 健康被害が出るおそれがないため、汚染物質の除去等の措置が不要な区域です。
土地を現状のまま使うのであれば届出不要ですが、土地の形質変更時には着手の14日前までに都道府県知事に計画の届出が必要です。
なお、いずれの区域においても汚染の除去が済めば、指定は解除されます。
特定有害物質が指定されている
土壌などに含まれることによって、健康被害が出るおそれがある有害物質が「特定有害物質」として指定されています。
現在、この特定有害物質に指定されているのは第一種から第三種まで26種類の有害物質。
第一種はドライクリーニングの溶剤などにも含まれる揮発性有機化合物、第二種が鉛や水銀、ヒ素といった重金属、そして第三種が農薬などに使われている成分やPCBなどです。
それぞれの有害物質について、基準値が設定されています。
この基準値を超えると、都道府県による区域の指定を受けることになるのです。
【参考】環境省・土壌汚染対策法について
特定有害物質以外の土壌汚染もある
土壌汚染には、特定有害物質以外の汚染物質によるものもあります。
例えば、ガソリンや灯油、エンジンオイルや潤滑油などの油類も汚染物質の一つ。
こうした油類は、油類汚染対策ガイドラインに基づいて調査・対策が行われます。
【参考】環境省・油汚染対策ガイドライン
また、同じく有害物質の一つであるダイオキシンは、ダイオキシン類対策特別措置法と呼ばれる法律に基づきます。
【参考】環境省・ダイオキシン類対策
土壌汚染の基本はあくまでも土壌汚染対策法ですが、それ以外の汚染物質による汚染があることも知っておきたい知識の一つです。
実績豊富な不動産会社に相談を
ここまで「土壌汚染調査は必要? 土地売却で知っておきたい土壌汚染の知識」として、土壌汚染調査に関して解説しましたが、これはあくまでも基本。
詳細についてはさらに専門的な知識が必要で、自分で調べるのには限界があります。
そのため、土壌汚染に関して心配なことがあるなら、不動産会社に相談する方が早く、確実です。
相談する不動産会社を選ぶ際は、実績が豊富なところを選ぶのがポイント。
実績豊富な不動産会社なら土壌汚染の可能性がある土地を取り扱った経験もあるため、実績に基づいたアドバイスももらえます。
また微妙な問題では、不動産会社でも意見が分かれる場合も。
そのため3〜6社の不動産会社へ無料査定を依頼して、話を聴き比べる方が、より確実で安心です。
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さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細 -
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実績 4.0 不動産会社 4.0 運営会社 5.0 すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
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さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細管理人のコメント
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HOME4U - 査定実績:
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実績 5.0 不動産会社 4.0 運営会社 4.0 日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
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さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細管理人のコメント
HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
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あなたの土地売却が成功することをお祈りしております!