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不動産の査定方法についてお悩みですね。
確かに机上査定は査定の精度が不安、だけど訪問査定は不動産会社が家に来るから面倒です。
どちらの査定方法が良いのか、サクッと分かれば理想的ですね。
そんなあなたのために、訪問査定と机上査定の違いと選び方、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
あなたに最適な査定方法が分かり、安心して家を査定するために、この記事がお役に立てば幸いです。
この記事のもくじ
机上査定と訪問査定の選び方
あなたの事情で選び方は違う
机上査定(簡易査定)と訪問査定(現場査定)の選び方は、あなたの事情で違い次の3つの選び方があります。
- 買取の場合
→まずなるべく多くに机上査定を依頼し、本命3社程度だけ訪問査定を依頼 - 仲介でまだ売却が未定な場合
→机上査定(簡易査定)で3社〜6社に依頼 - 仲介で売却が確実な場合
→訪問査定(現場査定)で3社〜6社に依頼

ちょっと待って、よく分からないよ!
そもそも買取と仲介はどうやって選べば良いの?

買取と仲介の違いを、簡単に説明しよう。
『買取』と『仲介(普通の売買)』の違い
『買取』と『仲介(普通の売買)』の違いはこちら。
『買取』と『仲介(普通の売買)』のイメージ
買取は最短1週間で売れるが、相場より2割以上安くなる
買取は最短1週間で売れますが、相場より2割以上安くなってしまいます。
なぜなら買取では、不動産会社や買取再販業者が買取り、相場価格で転売するため。
不動産会社は差額が利益になりますが、リスクや手間を考えると、相場より2割以上安くないと買い取るメリットが無いのです。
買取は、高く売るよりも、手間や期間をなるべくかけずに売りたい人に向いています。
買取で注意したいのは、売却を依頼した不動産会社経由で別の買取業者へ仲介されると、仲介手数料が余計にかかること。
買取では自社で買取る不動産会社へ直接依頼すると、仲介手数料が不要でお得です。

買取は2割以上安くなるんだね。

よほど急ぐ事情がなければ、仲介で売る方が良い。
実際に、ほとんどの人が仲介で売っているよ。
仲介(普通の売買)は相場価格で売れるが、売れ残るリスクがある
仲介(普通の売買)は相場価格で売れますが、売れ残るリスクがあります。
なぜなら仲介では、たった1人の買主が見つかれば売買が成立するため。
買主が一般の人なので、売値は相場通りの価格で売れますが、買主が見つかるかは運の要素もあります。
売却期間は成約から引き渡しまで最低1ヶ月かかり、平均は約4ヶ月前後(首都圏2022年)。
内訳は次のイメージです。
平均売却期間(首都圏2022年)
売却期間は、相場より値下げすると短くなり、相場より値上げすると長くなる傾向にあります。

高く売りたいけど、売れ残るのはイヤだなぁ。
高く、確実に売れる方法はないの?

仲介で売りながら、反響をみて少しずつ値下げするのが一般的だね。
それでも不安なら、買取保証という選択肢もあるよ。
期間限定で仲介して売れないと買取の『買取保証』もある
ちなみに一部の大手では、3ヶ月など期間限定で仲介で売り出し、売れなければ買取できる『買取保証(売却保証)』があります。
売出し期間中は高値で売出すチャンスもあり、売れ残っても「買取保証額」で買い取ってもらえるため安心です。
ただし買取保証は一部の大手しか扱っていません。
また小田急沿線であれば、小田急不動産、東京都心ではSRE不動産(旧ソニー不動産)もあります。
買取保証のある大手に無料査定を依頼するなら
買取保証のある大手にまとめて無料査定を依頼するなら、すまいValueが便利。
すまいValueは大手6社で共同運営する一括査定サイトで、買取保証の大手3社にまとめて査定を依頼できるのはすまいValueしかありません。
SRE不動産は、個別に無料査定を依頼すればよいでしょう。

買取保証は便利だね。

買い替えなど期間限定で売るなら話を聞いてみると良いね。
買取と仲介の選び方が分かったら、次はそれぞれの査定方法を解説しよう。
選び方1. 買取の場合
まずなるべく多くに机上査定を依頼し、本命3社程度だけ訪問査定を依頼
買取の場合は、次の手順で査定をしましょう。
- まず机上査定でなるべく多く(10社以上)の不動産会社に査定を依頼する。
- 机上査定で買取価格が高い不動産会社3社程度に訪問査定を依頼する。
- 訪問査定で最も買取価格が高い不動産会社、買取条件が良かった不動産会社を選ぶ。

まず机上査定で広く査定を依頼して、本命だけに訪問査定を利用するんだね

買取で高く売るには、なるべく多くの不動産会社に依頼しよう。
なるべく多くに依頼して、高値を探す
買取では、まずなるべく多くの不動産会社に机上査定(簡易査定)を依頼して、少しでも高値の査定価格を出す不動産会社を探しましょう。
少なくても10社以上、多ければ多いほど有利です。
多くの不動産会社に査定を依頼すれば、中には高く買取る不動産会社が見つかるかもしれません。
相場より2割以上安いが、相場に近い会社が見つかることも
買取は価格が相場より2割以上安くなるのが一般的ですが、なかには相場に近い価格で買い取る会社もあります。
相場に近い価格で買取る理由としては
- 単純に相場を高く読み間違った
- コスト管理や売却のノウハウが豊富で、高値で買取っても利益が出る
- 他社との厳しい競争で、買取価格を挙げざるを得ない
- 社内事情により、たまたま一時的に利益より買取件数を優先している
などなど。

特別な事情で高く買取る不動産会社がいるんだね。
でもそんな不動産会社をどうやって探せば良いの?

なるべく数多くの不動産会社に、査定を依頼するしかないね。
不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトをいくつか併用すると簡単だよ。
主要な一括査定サイトは、こちらでまとめています。
本命3社程度に絞り訪問査定
机上査定で高値の不動産会社が見つかれば、さらに訪問査定を依頼して、買取価格を確定しましょう。
不動産会社の買取価格は、机上査定だけでは決まらず、訪問査定で実際に確認する必要があります。
ただし訪問査定は対応が大変なので、まず机上査定で3社程度に絞ってから、訪問査定を依頼すると良いでしょう。
訪問査定では、買取価格だけでなく、諸費用や振り込みスケジュールなども確認して、一番条件が良い不動産会社を選びましょう。

1社だけでも良いの?

話を聴き比べた方が納得できるし後悔しないから、できれば3社程度がオススメだね。
選び方2. 仲介でまだ売却が未定な場合
机上査定で3社〜6社に依頼する
仲介でまだ売るか決めていないなら、机上査定で3社〜6社に依頼しましょう。
なぜなら机上査定は簡単で手間がかからないため。
机上査定では、査定を依頼したら数日で査定結果を受け取れます。
査定を依頼するときに、備考欄へ「査定結果は郵送かメールで」と書いておけば、郵送やメールで査定結果を受け取れます。
査定の精度は低いが3社以上に依頼すれば相場は分かる
机上査定は査定価格の精度が低くなってしまいますが、3社以上の不動産会社の査定価格があれば相場は分かります。
売却するかどうか決断するレベルの査定精度であれば、机上査定で十分。
売却を決めたら、改めて訪問査定を依頼すると良いでしょう。
営業はあるが、将来の売却の窓口に使える
机上査定を依頼すると、営業電話を受ける可能性はあります。
営業を受けることを考えると、査定は多くても6社程度までにしておいた方が良いでしょう。
ただし営業は、ある程度の大手であれば常識の範囲内で、そこまでしつこいものではありません。
不動産会社も将来の売却で選んでもらうために、良い印象になることを考えます。
あなたにとっても、将来の売却時に窓口となるので、疑問などあれば聞いておくと良いでしょう。
選び方3. 仲介で売却が確実な場合
訪問査定で3社〜6社に依頼する
すでに売却を決めているなら、訪問査定で3社〜6社に依頼すると良いでしょう。
理由として次の3つがあります。
理由1. 売却を依頼する不動産会社を選ぶため
売却を決めている場合、査定価格を知ると同時に売却を依頼する不動産会社を選ぶ必要があるため、訪問査定が向いています。
不動産会社を選ぶには、机上査定でなく訪問査定でじっくり話を聞いた方が安心。
3社以上の話を聴き比べると、優秀で信頼できそうな不動産会社が自然と分かります。
ただし手間を考えると、多くても6社程度が現実的でしょう。
理由2. 査定価格の精度がより高くなるため
訪問査定では、机上査定よりも査定の精度が高くなります。
特に戸建ては大きな差がありますし、マンションでも眺望や内装によっては査定結果が全く違う場合もあります。
売却を予定しているなら、3社以上の訪問査定を受けて、精度の高い査定価格を手に入れましょう。
実際に売り出すときの売出し価格を決める際や、反響を見て価格を調整するときに参考になります。
理由3. 売却に役立つ情報が聞けるため
訪問査定では、売却に役立つ情報が詳しく聞けます。
具体的には、次のようなこと。
- リフォームや補修がどの程度必要か
- 最新の市場の動き
- 売却戦略や売却期間の目安
これらは担当者によっても意見が異なるため、複数の意見を聞いておくと、後で判断するときに参考になります。

でも机上査定で査定価格が一番高い不動産会社を選んで売却を任せたら良いんじゃないの?

仲介の査定価格は、高いから良いわけじゃないんだ
仲介の査定価格について、知っておきたい注意点があります。
仲介の査定価格は予想価格にすぎない
仲介の査定価格は、3ヶ月以内に売れる予想価格にすぎません。

でも予想価格だから、その価格で売れないと責任は取ってくれるでしょ?

売れなくても不動産会社は責任をとらないよ。
だから査定価格が高い不動産会社を、単純に選んじゃダメなんだ。
悪質な不動産会社は売れない高値で査定する
一部の悪質な不動産会社は、媒介契約を取るために、明らかに売れない高値だと分かって査定する場合があります。

売れない高値で査定しても、売れないんじゃないの?

そのままの価格では売れないね。
後で値下げして、相場以下の価格で売るつもりなんだ。
不動産会社のシナリオは、とりあえず高値で売り出した後、数カ月後に売主を説得して値下げすること。
結局は相場通りか、さらに安い価格で売ることなってしまいます。
売主にとっては、無駄に時間が過ぎるだけでなく、相場より安値で買取業者に買い叩かれる恐れがあるので、メリットはありません。

ひどいね!
どうすれば、そんなウソの高値査定を見抜けるの?

不安であれば、買取と仲介の両方の査定価格を依頼すれば見抜けるよ。
買取と仲介の両方を依頼する方法もある
ウソの高値査定を見抜く方法として、査定を依頼するときに『買取』と『仲介』の両方の査定価格を依頼する方法があります。
なぜなら『仲介』の査定価格をウソの高値査定にすると、『買取』の査定価格との価格差が大きくなるため。
買取では『査定価格=買取価格』でウソがつけません。
高い価格で査定すると、自社で高値で買取ることになってしまいます。
つまり、買取と仲介の査定価格の差が他社より大きい不動産会社は、仲介の査定価格が怪しいのです。

査定を依頼する不動産会社は、どこが良いの?

エリアによって違うから具体的な会社名はいえないけど、選び方はあるよ。
仲介の不動産会社の選び方
エリアで売却実績が豊富な3社〜6社
仲介で査定を依頼する不動産会社を探すときは、次の手順が良いでしょう。
- エリアで売却実績が豊富な不動産会社に絞る
- 3〜6社の不動産会社へ査定を依頼して査定価格と話を聴き比べ、信頼できそうな不動産会社を選ぶ
エリアで売買実績が豊富な不動産会社は、査定精度が高く、最新の情報にも精通しています。
査定価格と話を聴き比べるためには、最低3社は欲しいところ。
ただしじっくり話を聴き比べるためには、多くても6社程度にした方が良いでしょう。

エリアで売買実績が豊富な不動産会社は、どうやって探せば良いの?

都市部だと大手3社が中心になるね。
都市部は大手トップ3社(首都圏は4社)を中心に選ぶ
都市部では、大手トップ3社(三井のリハウス、住友不動産販売、東急リバブル)、首都圏は野村の仲介を加えて4社を中心に選ぶと良いでしょう。
売買仲介件数ランキング上位34社
(2022年3月)
「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」の3社は、仲介件数が2万件を超えており圧倒的。
数多くの顧客を抱えています。
首都圏では、実績の大部分が首都圏の「野村の仲介」も含めてトップ4社で考えると良いでしょう。
早速、これらの大手トップ3社(首都圏は4社)にそれぞれ連絡しても良いのですが、何回も電話や訪問するのは時間もかかり大変。
しかし一括査定サイトの「すまいValue」を利用すれば、これらの大手トップ4社を含む最大6社に、わずか数分でまとめて無料査定を依頼できます。
すまいValueは、トップ4社を含む大手6社が共同運営する一括査定サイト。
大手4社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したので、大手4社に査定を依頼できるのはすまいValueしかありません。
すまいValueについて、詳しくはこちらの記事で解説しています。
地方では地域No.1を探す
地方は大手の営業エリア外になるため、地域で実績No.1の不動産会社を中心に選びましょう。
実績No.1の不動産会社は、実績をアピールしているのですぐに分かります。
不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトをいくつか併用すると良いでしょう。
全国対応の主要な一括査定サイトとして次があります。
机上査定と訪問査定の違い
訪問査定 | ||
---|---|---|
価格の精度 | 低い (マンションはやや正確、戸建ては誤差が大きい) |
高い (売却価格に近い金額) |
査定期間 | 早い (数時間〜3日以内) |
遅い (翌日〜訪問日次第) |
査定の方法 | 不動産の情報 | 不動産の情報と 現地の調査 |
手間 | 簡単 (ネットなどで依頼するだけ) |
大変 (訪問対応が必要) |
机上査定は手軽だが精度は低い
机上査定(きじょうさてい)は、不動産会社が家に来ないで、レインズや登記情報など分かる範囲で査定をする方法。
簡易査定とも呼びます。
査定結果は、郵送、メールや電話などで受け取る事ができます。
机上査定のメリット・デメリット
- 手軽で簡単
→書類なども用意せずネットで数分で依頼でき、結果も数日以内に分かる。 - コロナの感染リスクが少ない
→家に第3者を入れることもないので安心。 - マンションでは、ある程度精度も高い
→同じマンションの取引事例が複数あれば、査定精度は高くなります。 - 将来売却するときの相談窓口ができる
→売却の相談できる窓口ができるので、何かと便利です。
- 査定精度が低くなるケースもある
→一戸建てや土地には向かない。 - 不動産会社を選ぶには訪問査定が必要
→売却を依頼する不動産会社を選ぶなら訪問査定で話を聴き比べる必要がある。
こんな人が向いている
机上査定が向いているのはこんな人です。
- まだ売却を検討している段階で、とりあえず今の価格を知りたい人
- 買取で考えており、少しでも高く買取る不動産会社を探したい人
- 賃貸中や遠方の物件で、内覧が出来ない人
- 近所に内緒にしたかったり、家庭内の事情などで、家に訪問されると困る人

家に来ないで査定できるの?

不動産会社は多くの情報を集められるから、マンションならある程度は正確だね。
家に来なくても、多くの情報から査定できる
不動産会社が机上査定をするとき、次の情報から査定をします。
- 売主からの基本情報(築年数・間取り・面積等)
- (レインズの)過去の成約事例←これが大切
- (レインズの)今売り出し中の競合物件
- (Googleマップや住宅地図により)所在地と接道、日照など
- 路線価図と公示価格による評価額
- (オンラインの情報取得により)登記情報
- (自社の売却実績や営業情報から)相場の動き
国内唯一のデータベースで、過去の不動産取引事例、現在の売り出し物件情報が登録されています。
国土交通省の指定流通機関である、不動産流通機構が運営。
不動産会社しか利用できません。
(参考)家を売るときに知っておきたい「レインズ」のこと

家に来なくても、いろんな情報が分かるんだね。
でもAI査定とかの方が良いんじゃないの?

AI査定など匿名の査定ではレインズを使えないから、簡易査定の方が精度は高いよ。
ネットのAI査定や匿名査定よりは、簡易査定の方が精度は高い
匿名価格診断、いわゆる「マンションのAI査定」などは、所在地やマンション名を入れるだけで売却価格を査定できますが、査定精度は低くなります。
なぜなら匿名査定では、レインズの成約価格を利用できないから。
匿名査定では、仕方なくネット上の無料情報をベースに査定するため、査定精度が低くなってしまいます。
多少は売買を考えているなら、机上査定を依頼した方が、参考になる価格を知ることができるでしょう。
机上査定の精度は物件による
マンションは査定精度が高め
一般的に、マンションは机上査定でも査定精度が高め。
理由として、次の2点があります。
- 新築時の図面や価格表が「東京カンテイ」という民間の有料データベースで分かるため。
- 同じマンションの過去の取引事例があれば、価格の比較がしやすいため。
1979年以降のマンションであれば、東京カンテイにデータが登録されている可能性が高くなります。
ただしマンションでも精度が悪くなるケースも
マンションでも次のようなケースでは査定精度が悪くなります。
- 小規模マンションで売買事例がないケース
- 最近、目の前に新しいマンションが建った
- 近隣トラブルや嫌悪施設の存在
- 最近フルリフォームした
この様なマンションは、査定を依頼するときに説明するか、又は訪問査定を依頼した方が良いでしょう。
土地・一戸建ては精度が低い
土地・一戸建ては机上査定の査定精度が低い傾向にあります。
特に精度が悪くなるケースとして例えば次の2つ。
- 建物状態の差が大きい築10〜20年程度の物件
- (田舎で)Googleマップで外観が確認できない場合
戸建では築20年〜25年を過ぎると建物価値を新築時の1割程度に考えることが一般的。
しかし築10年〜20年の建物価値は、ハウスメーカーやメンテナンスの違いで大きく差が付きます。
また最近は一戸建ての近隣を調査するのに、不動産会社もGoogleマップを使うことが増えています。
もちろん近隣エリアだと直接外観を見に行くこともありますが、地方だと机上査定ではそこまでしない不動産会社もあります。
不動産会社によって、どこまでしっかり査定してくれるか差が出るでしょう。
不人気で売りにくい不動産も精度は悪くなる
不人気で売れない不動産は、査定価格が低くなります。
ひどい場合は不動産会社に査定を依頼しても、無視されることも。
なぜなら不動産会社にとって査定はあくまで営業活動だからです。
不動産会社にとって仕事にならない不動産、扱いたくない不動産では、相場より大幅に安い価格で適当に査定されることもあります。
こうした不人気で売りにくい不動産の査定を依頼する場合は、予想より大幅に安い見積もりでもあきらめずに、きちんと扱ってくれる不動産会社を探しましょう。
訪問査定(現場査定)は面倒だが精度は高い
訪問査定とは、不動産会社が家に訪問して、家の状態をチェックした上で価格を査定する方法。
「現地査定」や「実査定」ともいいます。
不動産会社によっては、訪問前に机上査定を済ませて、訪問時にその査定価格を修正するだけのこともあります。
訪問査定のメリット・デメリット
- 査定精度が高い
→実際に物件を見て査定するため、机上査定より精度が高い。 - 売却に役立つ情報が得られる
→リフォームやリペアの必要性など、必要な情報を聞くことができる。 - 信頼できる不動産会社を選ぶことができる
→話を聴き比べることで信頼できる不動産会社が選びやすい。
- 時間と手間がかかる
→家に来るので対応に手間がかかる - 不動産会社は媒介契約が目的
→その場で媒介契約を結ぶ流れに誘導されがちですが、即答は断りましょう - 査定を依頼する不動産会社は3〜6社程度にする
→比較のために最低3社、じっくり話を聴き比べるために多くても6社程度まで
こんな人が向いている
訪問査定が向いているのはこんな人です。
- 具体的に売却を考えている人
- 買取でなく普通の仲介で売却を考えており、信頼できる不動産会社を探したい人
- まだ売却を決めていないが、相続や借地権など売却に影響する問題について不動産会社に意見を聴きたい人

不動産会社と話すのは、なんだか怖いなぁ。

最終的な決定権は、売主が持っているんだから、納得できないことは断れば大丈夫。
それよりも時間をかけて、不動産会社から貴重な情報を聞き出そう
訪問査定の6つの注意点
注意点1. 時間をかけてなるべく多くの情報を聞き出す
訪問査定では、なるべく多くの質問をして、最新の相場環境や不動産に関する知識を吸収しましょう。
不動産会社は、次のような貴重な情報を持っています。
- ●最近の相場の動き
- 新型コロナの影響、購入希望者の傾向など実際に売買している担当者の情報が一番早くて信頼できます。売買実績が豊富な不動産会社ほど、情報は確かでしょう。
- ●想定される売却戦略
- 希望する売却期間で売るために、売り出し価格と価格修正のタイミングをある程度決める必要があります。また広告方法、売れやすくするための工夫(最低限のリフォーム、インスペクションなど)についても聞くと良いでしょう。
- ●会社独自の売却サポート
- 一部の大手不動産会社では、家を売りやすくする売却サポートがあります。具体的には、建物保証や設備保証、売却保証、買い換えサポート、最新の3D画像技術での広告など
同じ質問でも、不動産会社や担当者によって答えが違う場合もあります。
特にリフォームやリペアの必要性は、不動産会社によって意見が分かれがち。
複数の不動産会社の意見を聞いておくことで、実際に不動産会社1社に売却を依頼して売り出した後も役に立ちます。
不動産会社によって、利用できるサービスが違うため、複数の不動産会社の話を聞いておいたほうが安心です。

複数の不動産会社に話を聞くのは大変だなぁ。
同時にまとめて話を聞いたらどうなの?

仲介で普通に売るなら、同時に訪問査定を受けるのはお勧めしない。
面倒でも、じっくり1社ずつ話を聞いたほうが良いよ。
注意点2. 同じ日に複数の訪問査定を受けるのは仲介ではNG
複数の不動産会社にまとめて訪問査定してもらうことは、買取ではアリですが、仲介ではおすすめできません。
買取で、他の不動産会社同士が現地で顔を合わせることはよくある話です。
依頼する際に「同日で他社にも依頼しています」と一言断っておくと良いでしょう。
逆に仲介の場合は、じっくり1社と話をした方が良いでしょう。
最低でも1時間、可能であれば1時間30分程度の時間を作っておくとしっかり話ができます。

なんでそんなにじっくり話を聞くの?

不動産の売却は不動産会社選びで8割決まるから、ここに時間をかけたほうがいいんだ。
注意点3. 不動産会社選びで売却の成否が8割決まる
不動産の売却が成功するかどうかは、不動産会社選びで8割が決まります。
じっくり話を聞いて不動産会社を選ぶために、依頼先は3〜6社程度にしておきましょう。
10社程度に机上査定を依頼して、良さそうな3〜6社程度に絞るという方法も良いでしょう。
査定を依頼する不動産会社の選ぶ基準は、エリアで売却実績が豊富な不動産会社であること。

売却実績が豊富な不動産会社はどうやって探すの?

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利だよ。
不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを使うと便利です。
首都圏や都市部では、大手不動産会社6社が共同で運営しているすまいValueが良いでしょう。
売却実績トップ3の大手不動産会社(三井のリハウス、住友不動産販売、東急リバブル)にも、まとめて査定を依頼できます。
すまいValueが利用できないエリアであれば、HOME4Uやイエウール、HOME’Sといった一括査定サイトを利用すると良いでしょう。

不動産会社はどこでも同じじゃないんだ。

不動産会社によっては驚くほど結果に差が出るんだ。
訪問査定では、その場で媒介契約を迫る不動産会社もあるけど、必ず査定を依頼した全ての不動産会社の話を聞いてから決断しよう。
注意点4. その場で契約せず、かならず全ての不動産会社の話を聞く
不動産会社が訪問査定に来る目的は、もちろん査定するためですが、媒介契約を取ることも目的。
訪問査定では、その場で媒介契約を結ぶ流れに誘導されてしまいがちです。
しかし必ず全ての不動産会社の話を聴き比べてから、不動産会社と媒介契約を結びましょう。
信頼できる不動産会社かどうか判断するためには、話を聴き比べることが大切です。
複数の不動産会社の話を聴き比べて、納得して選ぶことによって、売却をスタートした後も自信を持って正しい判断ができます。
不動産会社を面談するイメージで、気になる点や知りたいことは聞いておきましょう。
答えの内容や態度によって、その不動産会社が信頼できるかどうかも判断できます。
不動産会社の選び方については、こちらで詳しく解説しています。
注意点5. 実際に売却を担当する人を確認する
不動産会社によっては訪問査定時に2人でやってくる事もあります。
一般的には担当者となる人が1人で来ることが多いのですが、新入社員+支店長という組み合わせの事も。
こういった場合は、媒介契約後にどちらが担当になるのか確認しておきましょう。
どんなに実績が豊富な不動産会社でも、新入社員など経験が浅い人が担当者になることは、避けたほうが良いでしょう。

先から買取と仲介で違うような話だけど、そんなに違うの?

買取と仲介は全く別だと考えよう。
注意点6. 訪問査定前に準備しておく
掃除は査定に影響しない
訪問査定では、掃除は査定価格に影響しません。
掃除は査定の邪魔にならない程度に、常識の範囲内で十分です。
分かる範囲で書類を揃える
訪問査定の際に、次のような書類を用意しておくと良いでしょう。
訪問査定で用意した方が良い書類
- ◎: あると売却に有利
- ○: あると売却に有利になる場合がある
- △: 査定時に手間が省ける。売却には影響ない
- ×: 不要
書類 | マンション | 一戸建て | 土地 |
---|---|---|---|
境界確認書 隣地との覚書 |
× | ◎ | ◎ |
建築確認済証 検査済証 |
× | ◎ | × |
(あれば) 住宅性能評価書 既存住宅性能評価書 |
◎ | ◎ | × |
(調査をした場合) 耐震診断報告書 アスベスト使用調査報告書等 |
◎ | ◎ | × |
(調査をした場合) 土壌汚染調査書 |
× | × | ◎ |
過去の修繕履歴 | ◯ | ◯ | × |
建築設計図書(図面・仕様書) 地盤調査報告書 工事記録等 |
× | ◯ | × |
管理規約・使用細則、維持管理等の記録(管理費・修繕積立金・管理組合費・町内会費等の記録) | ◯ | × | × |
固定資産税と都市計画税の納税通知書・評価証明書 | ◯ | ◯ | ◯ |
(中古購入の場合) 購入時の売買契約書・重要事項説明 |
◯ | ◯ | ◯ |
登記簿謄本 公図 地籍測量図 建物図面 |
△ | △ | △ |
販売時のパンフレット | △ | △ | × |
手元にある範囲で構わないので、用意できるものは揃えておくと良いでしょう。
詳しくはこちらで解説しています。
まとめ
不動産の査定で、机上査定と訪問査定の選び方は、売却方法によって違います。
『買取』であれば、まずは机上査定を依頼し、会社数を絞ってから訪問査定へと進みます。
『仲介』では、売却の可能性によって変わります。
とりあえず価格を知りたいなら机上査定、売却が決まっているなら訪問査定を選ぶと良いでしょう。
売却を成功するためには、不動産会社選びで8割が決まります。
じっくり後悔のないように、時間と手間をかけて、不動産会社を選んで下さい。
優秀で信頼できる不動産会社が見つかれば、あとはお任せできます。
あなたの家の売却が成功することを、心よりお祈りしております!
一括査定サイトの定番3社
一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。
-
おすすめ1位
すまいValue - 査定実績:
- 40万件(2016年開始)
- 不動産会社数:
- 大手6社(全国900店舗)
実績 5.0 不動産会社 4.5 運営会社 5.0 大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国900店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細 -
おすすめ2位
SRE不動産(旧ソニー不動産)- 査定実績:
- (2014年開始)
- 不動産会社数:
- 売主側1社(買主側多数)
- 運営会社:
- SREホールディングス(東証PRM)
実績 4.0 不動産会社 4.0 運営会社 5.0 すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細管理人のコメント
エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。
-
おすすめ3位
HOME4U - 査定実績:
- 累計50万件(2001年開始)
- 不動産会社数:
- 2,100社
- 運営会社:
- NTTデータ・スマートソーシング
実績 5.0 不動産会社 4.0 運営会社 4.0 日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細管理人のコメント
HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。
【公式サイト】すまいValue
【公式サイト】SRE不動産
【公式サイト】HOME4U
各エリアで最適な組み合わせ
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