「家の売却前に登記は確認するの?」
家の売却で、登記についてお調べですね。
結論からいうと、家を売却する予定なら不動産会社にお任せできます。
しかし売る予定が全く無かったり、不動産会社を使いたくない場合は、自分で登記を調べなくてはいけません。
この記事では、登記を確認する3つのメース、登記の調べ方、ポイントについてまとめました。
あなたの登記に対する不安が解消するために、この記事がお役に立てば幸いです。
この記事のもくじ
家を売るなら不動産会社に任せる
家を売るなら、自分で登記を調べる必要はありません。
なぜなら不動産会社が登記を確認してくれるため。
不動産会社は登記を確認して、売却前に手続きが必要であれば教えてくれます。
登記に必要な司法書士や土地家屋調査士も手配してくれるので、不動産に任せると良いでしょう。
司法書士費用を節約したい場合は、自分で手続できます。
【参考】法務局・不動産登記申請手続
登記は権利を主張するもの
不動産の登記は、不動産の所有権など権利を主張するために必要なもの。
民法177条に定められています。
(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
第百七十七条 不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。引用元: 民法177条
登記簿には、土地や建物の所在地や面積、所有者の住所・氏名などが記載されています。
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きちんと登記していないと、どうなるの?
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ある日、他人があなたの家の所有権を主張したときに、登記がないと家を失う恐れもあるんだ。
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ひぇー、登記ってそんなに大切なの!
このように不動産の売買では、登記ひとつとってもミスは許されません。
不動産を売却するなら、不動産会社は優秀で信頼できる会社を選びましょう。
優秀で信頼できる不動産会社を探す方法
信頼できる不動産会社を選ぶには、次の2つがポイントです。
- エリアで不動産の売却実績が豊富な不動産会社を選ぶ。
- 3〜6社に無料査定を依頼して、話を聴き比べる。
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売却実績が豊富な不動産会社はどこ?
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都市部なら大手3社が強いね
実績は大手3社が強い
売買仲介件数ランキング上位35社
(2023年3月)
不動産売却の実績は、大手3社に偏っています
三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブルの3社は、仲介件数が2万件を超えており、大手の中でも圧倒的。
都市部で査定を依頼するなら、これら大手3社を中心に考えると良いでしょう。
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大手3社は別格だね。
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3社もそれぞれ特徴があるから、解説しよう。
【大手1】三井のリハウス
38年連続で売買仲介件数1位
(首都圏182、関西圏46、中部圏25、札幌9、東北6、中国9、九州9)
三井のリハウスは、38年連続で売買仲介件数1位と業界を代表する不動産会社。
独自の査定システムは精度が高く、売主の約76%がほぼ提案価格(提案の95%以上)で成約しています。
多くの購入希望者を抱えるため早く売れることも強みで、売主の65%が2ヶ月以内に成約するほど。
また担当者のレベルが高いことにも定評があり、顧客満足度は96%と高評価です。
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業界を代表する会社だから、初めての売却ならまず話を聞いてみると良いよ。
他と比較する基準にもなるからね。
⇒三井のリハウス
三井のリハウスは36年連続で不動産売買の仲介件数第1位の大手不動産会社。ただし注意点もあります。あなたが家の売却を任せて大丈夫か、注意点と評判を分かりやすく解説します。
【大手2】住友不動産販売
熱心な営業スタイルに定評
- 店舗数 234店舗
(首都圏136、関西圏58、中部東海15、北海道8、東北4、中国7、九州6)
住友不動産販売(すみふの仲介ステップ)は、営業マンの熱心な営業スタイルに定評があります。
現在の購入希望者の登録数も公開しており、常に2万人を超える希望者が登録。
自社ホームページの月間来訪者数は300万件以上、登録物件数は2万8千件以上と十分なスケールメリットもあります。
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スマートでクールな営業より人情深く熱心な営業が好みなら、他より出会える可能性が高いかも。
住友不動産販売「すみふの仲介 ステップ」は、売買仲介件数が業界2位の大手。家の売却ならぜひ候補に入れたい1社ですが、注意点もあります。住友不動産販売のメリットと注意点を分かりやすく解説、そして利用者の評判を紹介します。
【大手3】東急リバブル
東急沿線や大型案件に強み
- 店舗数 216店舗
(首都圏141、関西圏42、名古屋11、札幌9、仙台6、福岡7)
東急リバブルは売却に便利なサービスが充実しています。
例えば予定期間で売れないと査定価格の90%などで買取る「買取保証」は、買い替えで安心。
またリフォーム込で売り出す「アクティブ売却パッケージ」は、築古マンションを売り出す方法として効果的です。
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初めての買い替えや売却で心配なら、話を聞いてみると良いね。
東急リバブルの無料査定はこちらから
⇒東急リバブル
東急リバブルは不動産の売買実績でトップ3の1社。しかし注意点もあります。東急リバブルを利用する前に知るべき注意点・メリット、そして実際に利用した人の評判をまとめました。
大手にまとめて査定を依頼するなら「すまいValue」
大手3社にまとめて無料査定を依頼するなら、一括査定サイトの「すまいValue」が便利。
すまいValueは、大手上位6社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル・野村の仲介+・小田急不動産・三菱地所の住まいリレー)が共同運営する一括査定サイトです。
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とりあえず大手3社に査定を依頼すれば良いの?
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売却予定なら個人の相性もあるから、大手3社以外と比較した方が良い。
首都圏・関西圏ならエージェント制のSRE不動産(旧ソニー不動産)、それ以外なら地域で実績No.1の会社にも査定を依頼しよう。
SRE不動産(旧ソニー不動産)
売主だけを担当するエージェント制
大手と比較するならSRE不動産(旧ソニー不動産)が良いでしょう。
なぜならSRE不動産は、大手で問題になりがちな両手仲介が無いため。
(※両手仲介とは売主と買主を同じ不動産会社が担当すること。大手は顧客を多く抱えるため、自然と両手仲介が多くなる。)
SRE不動産は、業界初のエージェント制で売主だけを担当。
買主は無数にある他の不動産会社が積極的に探します。
結果として、大手にも劣らない販売力で、早く高く売れやすいことが最大のメリット。
ただし営業エリアは首都圏・関西圏限定です。
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SRE不動産は業界でも両手仲介無しで知られているから、他社が競って営業してくれる。
大手と話を聴き比べて、自分に合ってる方を選ぶと良いよ。
SRE不動産(旧ソニー不動産)の口コミや評判、裏事情などから、あなたがソニー不動産を利用すべきなのか徹底評価しました。
その他エリアは地域No.1を探す
大手やSRE不動産の営業エリア外なら、地域で実績No.1の不動産会社を中心に選びましょう。
実績No.1の不動産会社は、実績をアピールしているのですぐに分かります。
不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトをいくつか併用すると良いでしょう。
全国対応の主要な一括査定サイトとして次があります。
その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。
不動産一括査定サイト、主要16社を徹底比較し、ランキングでまとめました。
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でも家を売る気が全く無いなら、不動産会社にお願いできないね。
どうすれば良いの?
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自分で登記を確認する方法もある。
確認だけなら簡単だから、解説しよう。
自分で登記を確認する3つのケース
次のような場合は自分で登記を確認する必要があります。
それぞれ解説します。
ケース1. 不動産を相続したとき
不動産を相続した場合は、登記を確認しておいた方が安心です。
相続で確認したいポイントは次の3つ。
ポイント1. 所有権の確認
共有名義だと単独の意思で売却できない
相続した不動産が共有名義だと、あなた(相続人)の意思だけでは売却できません。
共有名義の不動産を売却するためには、名義人全員の同意が必要です。
共有名義については、こちらで解説しています。
共有名義の不動産を売却する4つの方法について、それぞれコツや注意点を分かりやすくまとめました。
借地権では地主の同意が必要
また所有権ではなく借地権だと、売却には地主の同意が必要。
借地権は相続されますが、地代は変わる恐れがあります。
売却する・しないに関係なく、まず地主と相談するのが良いでしょう。
借地権については、こちらで解説しています。
借地権は売却できますが4つの注意点があります。この記事では、借地権を高く売る2つの方法、そのまま売る方法と税金、費用についても分かりやすく解説します。
底地についてはこちらも参考に。
底地を売るなら知っておきたい3つのポイント、底地を売却する5つの方法について、借地権者との対応のコツなどを含めて分かりやすくまとめました。
ポイント2. 抵当権が設定されているか
相続した不動産に、借金の抵当権が設定されている場合は要注意。
隠れた借金がある恐れもあります。
借金が多額で遺産の総額がマイナスになる場合は、3ヶ月以内に家庭裁判所へ相続放棄の手続きをした方が良いでしょう。
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財産だけでなく、借金まで相続されるの?
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借金を相続したら、借金返済義務を負うことになるんだよ
相続については、こちらも合わせてお読み下さい。
相続で故人の家を売るのはとても難しい作業。気をつけるべき注意点を、税制改正の詳細と合わせて解説します。
ポイント3. 土地の面積、建物の登記があるか
土地の面積が実際と登記で違っていたり、建物が登記されていない恐れがあります。
面積が広いと税金で損
登記簿上の面積が違うのはよくある話で、地価が高い都市部では余計な相続税を支払うことに。
また固定資産税・都市計画税も毎年余計にかかります。
明らかに誤っている場合は、土地家屋調査士に依頼して測量と修正登記した方が良いでしょう。
土地の測量については、こちらも合わせてお読み下さい。
土地や戸建住宅の売買に必要になる測量。初心者でも分かりやすく、具体的な内容と費用、実際はどこまでするのかをまとめました。
増改築で多い未登記
また建物を増築した場合は「建物表題変更登記」が必要ですが、これがない事も。
増築している建物は特に、建物部分の登記があるか確認しておきましょう。
未登記のままだと、買主が住宅ローンを利用できません。
未登記の建物については、こちらで解説しています。
未登記建物でも売れますが、売却前に登記するのが基本です。売却と登記について知っておきたい知識をまとめました。
ケース2. 抵当権を抹消したか覚えていないとき
ローンを完済しても、抵当権が残っているままでは売却できません。
抵当権を抹消したか記憶があやふやなら、登記を調べておきましょう。
抵当権抹消は金融機関の書類を使い自分で手配する
住宅ローンを完済すると、その不動産に設定されている抵当権を抹消できます。
ただし抵当権は自動的に抹消されるわけでなく、自分で抵当権を抹消登記しなくてはいけません。
抵当権抹消登記には住宅ローンを借りていた金融機関からの書類が必要。
書類を紛失した場合は、金融機関に連絡して再発行してもらいます。
抵当権抹消については、こちらで解説しています。
不動産売却では、抵当権抹消登記が必要です。抵当権抹消登記の方法は3つあり、今の住宅ローンが残っているか、売却でローンが返済できるかで違います。初めて不動産を売却する人が知っておきたい、抵当権と抵当権抹消の知識について解説します。
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抵当権抹消は自分でするんだね。
ケース3. 個人間で不動産を売買するとき
不動産会社を使わず個人で不動産の売買をする場合は、自分で登記を調べます。
通常なら不動産会社がチェックする項目を、個人で確認しなくてはいけません。
登記を確認しないと大きなトラブルになる恐れも
個人間売買で登記を確認しないと、大きなトラブルになる恐れがあります。
例えば、登記をよく調べないまま抵当権付きの不動産を買ってしまった場合。
ある日抵当権を実行されると、所有権が無くなってしまいます。
またすでに仮登記のある不動産も、後日仮登記を本登記に変更されると、所有権を失うことに。
他にも、建物の登記が残っていた更地を購入した場合、後から建物の所有者が権利を主張すると、土地を利用できなくなる恐れも。
いずれも「知らなかった、気付かなかった」では済まされません。
個人間の不動産売買については、こちらで解説しています。
直接個人間で家を売買することは可能ですが、意外と手間がかかり、運が悪ければトラブルになる恐れもあります。ここでは個人で家を売買するメリットとデメリット、失敗しないための個人間売買の流れをまとめました。
![家博士](https://homenever.com/wp-content/uploads/2022/04/4eea1c5d4a7673db4590e98226dbf8a3.png)
個人間で売買するとこういったリスクがあるから、不動産会社を間に入れる方が安心だよ。
買主が決まっているなら仲介手数料も半額など交渉できるし。
登記簿の調べ方
登記は、登記簿謄本(登記事項証明書)を見て調べます。
登記事項証明書の交付請求は、法務局へ行くか、オンラインのサービスを利用するかのいずれか。
方法1. 法務局へ行く
法務局の窓口に行って請求する方法。
手数料として1通につき600円かかります。
取り扱い時間は平日の午前8時30分から午後5時15分。
土日祝日および年末年始は取り扱っていません。
【参考】法務局・管轄のご案内
方法2. オンラインのサービスを利用する
2つ目は窓口に行かず、自宅などからオンラインで請求する方法。
平日の21時まで利用でき、手数料も窓口で請求するより安いので、こちらがおすすめです。
証明書の受け取り方法は2通り。
- 自分が指定した登記所の窓口で受け取る(手数料は1通につき480円)
- 自分が指定した住所に送付して受け取る(手数料は1通につき500円、普通郵便料金含む)
手数料はインターネットバンキングなどで納付できます。
【参考】法務局・登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です
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ネットで取り寄せられるんだね。便利!
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登記簿謄本だけは、管轄局でなくても全国の法務局で取得できるよ。
地番もオンラインで検索できるようになったしね。
【参考】「地番検索サービス」を初めて利用される方へ
登記簿の読み方
登記簿の読み方を解説します。
法務局で確認する4つの書類
不動産会社が法務局で確認する書類には4種類あります。
- 登記簿謄本(登記事項証明書)←登記を確認するならこれ
- 不動産の表示、所有権、所有権以外の権利が記載されている
- 公図
- 土地の形状や周囲との位置関係を地番で記した位置図
- 地積測量図
- 土地家屋調査士が作成した土地の測量図面
- 建物図面・各階平面図
- 土地家屋調査士が作成した建物の測量図面
登記簿謄本(登記事項証明書)には4種類ある
登記簿謄本(登記事項証明書)は記載内容の違いで4種類あります。
- 全部事項証明書←通常はこれを見ます
- 現在効力のある事項と過去の履歴が記載されたもの。
過去の所有者やすでに抹消されている担保歴なども確認でき、銀行や税務署への提出用にも使えます。 - 現在事項証明書
- 現在効力のある事項のみが記載されたもの。
差し押さえや抵当権の設定など、過去の登記記録で表示したくないことがある場合などに使います。 - 一部事項証明書
- 甲区(所有権)、乙区(所有権以外)の特定した順位番号の内容のみが記載されたもの。
マンションの敷地などで、特定の所有者の登記記録のみ取得したい場合に使います。 - 閉鎖事項証明書
- 取り壊された建物など、すでに閉鎖された過去の登記記録が記載されたもの。
土地の地歴調査など、過去の建物や土地利用の履歴を調べる場合に使います。
表題部の読み方
不動産の物理的な状況が記載されているのが表題部。
記載されている項目と内容は次の通りです。
土地について
- 所在・地番
- 所在は住居表示ではなく、地番で記載されています。
分筆などによる地番変更から地目や地積の変更など、現況までの経緯が読み取れます。 - 地図番号・筆界特定
- 過去に筆界特定があった場合に、日付と手続き番号が記載されます。
- 地目
- 宅地や田、畑、山林など土地の用途が記載されています。
- 地積
- 土地の面積が「㎡」で記載されています。
- 原因およびその日付
- 現在の地番、地目、地積が形成されるまでの過去の経緯が時系列で記載されています。
建物について
- 所在・家屋番号・建物の名称
- 所在は建物が建っている土地の地番で記載。
家屋番号は建物につけられた番号です。
1筆の土地に建物が2つ以上ある場合は、建物ごとに家屋番号が存在。
マンションについては建物の名称が記載されています。 - 種類・構造
- 居宅、店舗、倉庫など建物の用途が記載されています。
構造については、構造材料や屋根の種類、階数が記載されています。 - 床面積
- 建物の各階ごとの面積が「㎡」で記載されています。
- 原因およびその日付
- 建物の建築年月日が記載されており、不明の場合は「建設年月日不詳」と記載されます。
- 敷地権の目的である土地の表示
- 敷地権登記のあるマンションの場合に、土地の符号、所在および地番、地目、地積、登記の日付が記載。
敷地権登記のないマンションの場合は、土地の登記簿謄本については「一部事項証明書」で取得します。
甲区欄の読み方
甲区欄には所有権に関する内容が記載されます。
記載内容は所有者と取得時期、取得原因の3種類です。
- 順位番号
- 登記申請の順に記載されています。
- 登記の目的
- この欄は次の4つのいずれかになります。
- 所有権保存:はじめての所有権の登記は「保存」となります。
- 所有権移転:2度目以降の登記は「移転」となります。
- 所有権移転仮登記・所有権移転請求権仮登記:順位の保全を目的に行われるもので、書類の紛失によって権利移転できない場合や、請求権を確保するための仮登記です。
- 差押、仮差押:税金の滞納や競売開始決定といった理由で差し押さえられた場合に、差押や仮差押登記がなされます。
- 登記年月日
- 登記申請の受付年月日と受付番号です。
- 権利者その他の事項
- 所有権を取得した「原因」と「所有者」の住所と氏名が記載されていて、共有名義の物件の場合はそれぞれの持分も記載されます。
「原因」の例としては、売買、相続、贈与などがあります。
また、差押、仮差押の場合は、債権者の住所、氏名、その原因が記載されます。
乙区欄の読み方
乙区欄には、抵当権などの所有権以外の権利内容が記載されます。
- 順位番号
- 登記申請の順に記載されています。
- 登記の目的
- 登記の目的は「抵当権設定」「根抵当権設定」「賃借権設定」のいずれか。
このうち、住宅ローンを返済中の不動産に対しては抵当権が設定されています。
債権額は抵当権設定時点での借り入れ額となり、ローン完済後に抵当権抹消登記を行います。 - 権利者その他の事項
- 設定年月日、債権額、損害金、債務者の住所、氏名、抵当権者の住所、氏名が記載されます。
共同担保目録の読み方
共同担保目録とは、担保の対象となっている不動産を一覧表にしたもの。
例えば、住宅ローンを組んで戸建て住宅を購入した場合などは、一つの抵当権に対して土地と建物の両方が担保となっています。
このことを一括して記載しているのが共同担保目録です。
共同担保が設定されている不動産は、担保物件のどれか一つでも外してしまうと担保割れとなる可能性があるため、取り扱いが難しくなるという注意点があります。
マンションは区分所有登記
マンションのように、1つの建物に2つ以上の専有部分が存在する場合には、区分所有登記をします。
区分所有登記の場合、登記簿謄本は表題部が「一棟の建物の表示」と「専有部分の建物の表示」に分かれていて、専有部分の表示については家屋番号と種類を記載。
甲区(所有権)、乙区(所有権以外の権利)については、専有部分についての登記内容が記載されます。
一方、土地部分については1棟の敷地全体を複数の区分所有者が持分に応じて共有している状態となっています。
このため、管理規約で特に定めがなければ、専有部分と土地の持分は分離処分ができません。
土地については専有部分の権利に付随するものとして一体化されており、こうした土地の権利を「敷地権」と呼びます。
敷地権登記についても「所有権」「地上権」「賃借権」といった種類があります。
不安ならプロに任せたほうが安心
司法書士、不動産鑑定士など
登記を自分で調べることに不安なら、司法書士や不動産鑑定士に相談したほうが良いでしょう。
【参考】日本司法書士連合会
【参考】日本不動産鑑定士協会連合会
特に登記の申請や修正は、司法書士に依頼するのが一般的。
自分でもできますが、かなり難しいのでよほど時間とやる気のある人でないとおすすめしません。
不動産鑑定士については、こちらで解説しています。
個人が不動産の鑑定評価(査定)を不動産鑑定士に依頼する場合、「不動産鑑定評価」と「価格調査」の2種類があります。それぞれの違い、不動産鑑定士を探す方法や費用の相場について分かりやすくまとめました。
本来は公図・地積測量図・建物図面なども
不動産会社が調査する際には、公図・地積測量図・建物図面も利用します。
これらはいずれも、現状と図面上の位置や面積などにズレがないかを確認するためのもの。
面積など登記簿上の数値とズレていないかを確認する際も、これらの図面を使います。
さらに、現況との違いだけでなく、接道義務を満たしているかどうかや増改築登記が済んでいるかどうかも確認しています。
売却を予定しているなら、早い段階で不動産会社に相談した方が良いでしょう。
公簿売買と実測売買の違い、売主としてどちらを選ぶべきかを分かりやすく解説します。また間違いやすい『実測と境界確定の関係』についても合わせて解説しました。
まとめ
ここまで登記について解説してきました。
不動産を売る予定なら、不動産会社にお任せすると良いでしょう。
売却する予定がなければ、自分で調べます。
ただし登記の申請や修正をするなら、司法書士に依頼した方が確実。
不動産の売却する可能性が少しでもあるなら、売買実績が豊富な不動産会社3社以上に無料査定を依頼してみましょう。
都市部なら大手3社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル)が実績豊富。
とりあえず1社だけ査定を依頼するなら、38年連続で実績1位の三井のリハウスが良いでしょう。
⇒三井のリハウス
大手にまとめて査定を依頼するなら、大手6社が共同運営するすまいValueが便利です。
大手と比較するなら、首都圏・関西圏は両手仲介のないSRE不動産(旧ソニー不動産)
首都圏・関西圏以外の都市部で大手と比較する場合や、大手の営業エリア外の地方では、一括査定サイトを利用すると良いでしょう。
全国対応の一括査定サイトとして定番はこちら。
その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。
不動産一括査定サイト、主要16社を徹底比較し、ランキングでまとめました。
あなたの不動産売却が成功することを、心よりお祈りしております!