差押えイメージ
税金の滞納で家が差押えされてしまった…。
裁判所から仮処分の通知がきてしまった…。

売るつもりだった家が、いろいろな事情で差し押さえや仮処分になってしまった場合、家を売ることはできなくなるのでしょうか?

結論からいうと、家が差押えや仮処分になってしまっても、正しい手順で対応すれば、家を売ることは可能です。

ただし例外もあります。

この記事では、家が差押え・仮処分された場合に、家が売れるのか判断する方法、失敗しないための注意点をまとめました。

売れるかどうかは差押え・仮処分の種類と段階による

家が売れるかどうかは、差押え・仮処分の種類と段階によって変わります。

競売開始決定後の差押え

住宅ローンの返済を滞納し続けると、家は競売にかけられます。

競売は次のような流れで行われます。

競売の流れ

  1. 住宅ローン滞納
     ↓(約2〜3ヶ月)
  2. 督促書・催告書通知
    銀行からの督促が家に届きます。
     ↓(約1〜2ヶ月)
  3. 期限の利益喪失
    銀行が一括返済を要求します。
     ↓(数日)
  4. 代弁決済の要求
    これ以降はあなたの交渉相手が銀行から保証会社に代わります。
     ↓(数日)
  5. 競売申立
    保証会社が裁判所に競売を申立てします。
     ↓()
  6. 不動産競売開始決定・差押登記←これ以降は売れない
    裁判所が競売の開始を決定し、差押登記がされます。
     ↓(約1〜3ヶ月)
  7. 現況調査・評価
    裁判所から執行官と調査人が家に来て家の調査をします。
     ↓(約1〜2ヶ月)
  8. 売却実施処分
     ↓
  9. 公告
    あなたの家の情報が公開されます。
     ↓(約1ヶ月)
  10. 開札・特別売却
    1週間の入札期間があり、終了後に開札されます。買受がない場合は、早いもの勝ちの特別売却になる場合も。開札の前日が取り下げの期限
     ↓(約1週間)
  11. 売却許可決定(売却許可決定期日)
     ↓
  12. 代金納付(所有権移転)
    買受人が代金を納付すると、所有権が移転し、完全にあなたの所有ではなくなります。
     ↓
  13. 引渡命令
     ↓
  14. 不動産明渡執行の申立

【参考】不動産競売物件情報サイト・手続き案内

ハウスくんハウスくん

なんだか字がいっぱいで、読む気にならないよ。


家博士家博士

差押登記だけ知っておくと良いよ


裁判所による競売開始決定が出ると、対象となる不動産には「差押」の登記が設定。

差押の登記設定後は、家を売れません。

家を売れないだけでなく、様々な制限を受けることになります。

ハウスくんハウスくん

売れない他には、どんな制限を受けるの?

家博士家博士

家を担保にお金を借りる行為(担保権の設定)や賃借権・地上権の設定といった行為ができなくなるんだ

いずれも対象不動産の財産価値が減少してしまう行為。

財産価値を保全するために制限されることになります。

売却には債権者(申立人)の取り下げが必要

競売開始決定後に家を売るためには、まず債権者(申立人)に競売申立てを取り下げてもらい、差押登記を抹消します。

なお、競売申立ての取り下げは、競売開始決定後でも可能。

開札期日の前日が取り下げの期限になります。

ルール上は開札が行われた後でも代金が支払われるまでは取り下げ可能ですが、落札者の同意が必要に。

落札者が取り下げに同意する可能性は極めて低いので、実質的に「開札期日の前日」が期限になります。

ハウスくんハウスくん

競売申立を取り下げてもらうためには、どうすればいいの?

家博士家博士

一番確実なのは、家の売却代金で債務を精算することだね。

売却代金で精算可能なら売却と同時に差押登記を抹消できる

差押登記を抹消するためには、滞納している借金を全額支払う必要があります。

もし、売却代金で滞納分を精算できるのであれば、売却代金を支払いに充てることで差押登記の抹消ができます。

具体的な流れは次の通り。

  1. 買主から売買代金を全額受け取る
  2. 受け取った代金で税金や借金を完済する
  3. 債権者が差押登記を抹消する

この3つの手続きは、一般的に同時に行います。

この時には売主、買主、双方の仲介業者、司法書士のほか、債権者も同席します。

全額返済できなくても登記抹消は可能

一方で、仮に全額返済できなかった場合でも、交渉して債権者が納得すれば登記抹消はできます。

いわゆる「任意売却」です。

なお、任意売却するには債権者全員の同意が必要。

開札期日の前日までに行うという期限の制限はありますが、返済方法を柔軟に対応してもらえる可能性があるなどのメリットもあります。

任意売却については、こちらで解説しています。

税金の差押では全額納付を求められるケースも多い

固定資産税などの税金を滞納した場合にも、不動産が差押えられることがあります。

この場合、国や地方自治体は裁判所の関与なしに直接差押が可能。

例えば国税なら、督促から10日以内に納付されないと、その時点で差押ができるのです。

さらに厄介なことに、差押登記を抹消してもらうには、滞納している税金を全額納付しないといけないケースが増えています。

ハウスくんハウスくん

民間企業などは、裁判所の関与がなければ差押できないの?

家博士家博士

そう。まずは債務名義と呼ばれる文書を取得して、さらに執行文と呼ばれる文書も取得。
それから民事執行の申し立てをして、ようやく差押の開始となるんだ

ハウスくんハウスくん

そう考えると、直接差押ができる税金には強力な権限があるんだね

しかし、実際には税金どころか住宅ローンだけですでにオーバーローンとなっている場合がほとんど。

仮に売却しても、全額納付は難しいことがほとんど。

ハウスくんハウスくん

全額納付しないとダメなのに売却しても納付できないとなると、一体どうすれば・・・

家博士家博士

すでにオーバーローンとなっているから、本来であれば「無益な差押」になるんだ。
無益な差押は禁止されているけれど、実際には頻繁に行われているんだよ

【参考】国税庁・第48条関係 超過差押え及び無益な差押えの禁止

本来は禁止されている無益な差押。

そのため、交渉力のある不動産会社なら、相手次第ですが一部納付で調整できる可能性もあります。

任意売却の実績が豊富な不動産会社に相談してみましょう。

任意売却の実績が豊富な不動産会社として、例えばこちらなどがあります。
HOME’S 任意売却

仮処分は金銭以外のトラブル解決が必要

差押は滞納などの金銭トラブルが要因となるので、金銭トラブルが解決できれば登記抹消が可能になります。

しかし、仮処分の場合は金銭以外のトラブル解決が必要。

処分禁止の仮処分の場合は、かなり難しいのが実情です。

処分禁止の仮処分とは

例えば、あなたがAさんから土地を購入したとします。

Aさんには購入代金をきちんと支払ったのに、Aさんが所有権移転登記に応じてくれないような場合には、あなたが購入した土地を第三者に売られてしまう可能性が出てきます。

ハウスくんハウスくん

お金を払ったのに、第三者に売られたりした大変!

家博士家博士

こうした時にその土地を第三者に売ることを一時的に禁止するよう、裁判所に申請することができるんだ。こうした処分を「処分禁止の仮処分」というんだよ

仮処分の不動産を売却するならまずは問題解決が先になるので、弁護士に相談してみましょう。

弁護士の心当たりがなければ、法テラスを利用してみると良いでしょう。
法テラスは国が運営する法律問題の総合案内所です。
法テラス

わからない場合は登記を確認してみる

差押や仮処分の不動産は、その内容によって対応が変わります。

とはいえ、場合によっては「どうなっているのか、よくわからない」ということもあるでしょう。

この場合は登記簿謄本などをチェックし、まずはどのような登記がなされているのか確認するようにしましょう。

登記の確認方法は、こちらで解説しています。

売れるかどうかは不動産会社に相談

差押や仮処分された家は、普通に売るより大変にはなるものの、売却できないと決まったわけではありません。

まだ売れるかどうか判断するためには、まず不動産会社に相談してみましょう。

任意売却の実績が豊富な不動産会社として、例えばこちらなどがあります。
HOME’S 任意売却

なお弁護士に相談するという方法もありますが、弁護士は法的な判断になってしまうため、実際に売れるかどうかは不動産会社に相談したほうが確実です。

任意売却などに精通した不動産会社に相談し、売却できそうな時はサポートしてもらいながら売却を進めてみてください。

色々大変かと思いますが、1日も早く解決することをお祈りしております。