買付証明書を受け取ったらどうする
「買付証明書を受け取ったけど、思ったより安い価格でどうしよう…」

買付証明書でお悩みですね。

確かに買付証明書をもらうと、この買主に家を売るべきか、価格交渉すべきか、迷いますね。
もっと高値で売れるなら、断った方が良いのかもしれない。
そんな難しい判断に、答えを出す判断基準があれば理想的ですね。

そんなあなたに、買付証明書を判断するポイントについて、分かりやすく解説します。

買付証明書を受け取ったら、次の2つのポイントをチェックしましょう。

  • その買付証明書が妥当なものか
  • 今の売り方を改善できないか

この2つに問題なければ、自信を持って買付証明書に対応でき、売却後も後悔することは無いでしょう。

この記事では、買付証明書を判断するポイント、買付証明書で知っておきたい注意点、そして受け取った後の流れをまとめました。

あなたの不動産売却が成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。

買付証明書を判断する2つのポイント

買付証明書を判断する2つのポイント
  1. その買付証明書が妥当か
  2. 今の売り方を改善できないか

それぞれ解説します。

ポイント1. その買付証明書が妥当か

まずあなたが受け取った買付証明書が妥当なものかを判断しましょう。

当初の査定価格と比較する

買付証明書の購入希望価格判断する基準として最適なのは、売出し前の不動産会社の査定価格と比較すること。

なるべく3社以上の不動産会社の査定価格と比較しましょう

もし1社しか査定を依頼していない場合は、そもそも売り方を失敗している恐れがあります。
次章の『今の売り方を改善できないか』に進んで下さい。

マンションなら直近の成約事例を確認してもらう方法も

マンションは比較しやすいため、直近の成約事例があれば、妥当な価格と判断できるかもしれません。

直近の成約事例で同一マンション内や近隣の競合がないか、不動産会社に確認してもらいましょう。

レインズに最近の成約価格が登録されていれば、不動産会社は自由に確認できます。

レインズとは
国内唯一の不動産情報データベースで、不動産会社しか利用できません。
国土交通省の指定流通機関である、不動産流通機構が運営。
過去の不動産取引事例、現在の売り出し物件情報が登録されています。
(参考)家を売るときに知っておきたい「レインズ」のこと

妥当な価格なら後は価格交渉のみ

当初の査定価格や直近の成約価格と比較して妥当な価格であれば、断るより価格交渉をした方が良いでしょう。

買主の希望する価格は、あくまで交渉スタート前の価格なので、落としどころを探ります。

買主の中には『ダメでもともと』という感覚で値引きを提示する人も多いので、温度感を探ってみましょう。

注意したいのは、買主が同じ不動産会社の紹介(つまり両手仲介)の場合は、不動産会社が取引成立を優先してしまいがちということ。

(両手仲介については、次章の「悪質な不動産会社にダマサれてないか」で解説しています。)

不動産会社があなたの味方として発言しているか、冷静に判断しましょう。

ハウスハウス

希望価格が安値だったら、どうすればいいの?


家博士家博士

希望価格が安かった場合は、次に売出し期間と反響で判断しよう

次に売り出し期間と反響で判断する

売り出してから、これまでの売却期間と反響はどうだったでしょうか。

1ヶ月未満なら強気もあり

まだ売り出して1ヶ月も経っていないのであれば、強気で交渉しても良いでしょう。

ある程度需要があるエリアであれば、月に数件は内覧があるはずです。

このペースで内覧があれば、通常は6ヶ月以内に買付証明書が1回は届くでしょう。

すでに数ヶ月経って、内覧も少ない場合

すでに売り出してから数ヶ月が経ち、内覧も少ないと不安ですね。

もしあなたが適正な価格で売り出している場合、ある程度需要があるエリアなら、月に数回は内覧があるはず。

適正な価格なのに内覧が1ヶ月以上ない場合は、売り方を間違っている恐れがあります。

次章の『今の売り方を改善できないか』に進んで下さい。

成約日数は平均2.5〜3ヶ月、売却全体で約4〜4.5ヶ月

仲介で売り出した場合の成約日数(首都圏2023年平均)は、

  • マンション: 80.1日
  • 戸建て: 83.3日

引き渡しまで含めた全体では約4〜4.5ヶ月前後、内訳はこちらのイメージです。

平均の売却期間(首都圏・2023年)

売却期間イメージ(首都圏2023年)

今はコロナで競合が減って早く売れる

今はコロナの影響で売り出す競合が減っているため、成約日数が短くなっています。

平均成約日数の推移(首都圏)

売出しから成約までの日数の推移(首都圏平均2023)

ハウスハウス

買付申込書で価格以外の注意点はないの?


家博士家博士

手付金・特約・その他条件も注意しておこう。

価格以外に注意したい手付金・特約・その他条件

手付金が少なすぎないか

手付金の額に決まりはありませんが、物件価格の5〜10%が一般的な相場。

相場よりも低い手付金が設定されている場合は、手付金を放棄して契約を解除されてしまう恐れがあります。

契約解除されるとまた買い主を探さないといけないので、手付金があまりに安い場合は不動産会社に相談してみましょう。

手付金については、こちらで詳しく解説しています。

ローン特約、買換え特約などマイナス材料はないか

特約の有無も確認しておきたいポイントです。

ローン特約は住宅ローンの審査に通らなかった場合に、契約を白紙撤回できるというもの。

仮審査が通っていれば、普通は本審査も通るので、安心です。

注意したいのは、買換え特約。

買換え特約では、購入希望者が売りに出している家が売れなければ契約が白紙撤回されるので、売主にとっては不利な特約です。

ハウスハウス

買換え特約は、断った方が良いの?


家博士家博士

向こうの売却の進捗次第だけど、せめて買い手が見つかっていないと厳しい。
買主がまだ見つかっていない買換え特約は、契約しない方が良いね

引き渡し状態と時期

引き渡し状態は、どういった状態で引き渡しを希望しているのかが記載されています。

現状のままで良いのか、もしくはハウスクリーニングやリフォームを希望しているのかが分かります。

引き渡し時期は、いつ頃までに物件の引き渡しを希望しているのかが記載されています。

時期についてはあなた自身のスケジュールと折り合いがつくかどうかがポイント。

難しいようであれば引き渡し猶予期間を設定し、調整する方法もあります。

その他条件

戸建て住宅であれば、境界確定に関すること、インスペクション、既存住宅売買瑕疵保険など、買主からの希望条件が記載されていることがあります。




ハウスハウス

なんだか買主に色々希望されるけど、どこまで交渉すればいいの?


家博士家博士

決定権は全て売主にあるから、できる範囲で対応するだけで良いよ


そもそも買付証明書をどうするか、決定権は売主(あなた)にあります。

値引きは拒否できるし、先着順でもない

売主(あなた)の意思で、値引きは拒否できるし、先着順でもありません。

買付証明書には購入希望価格が指値で記載されていますが、売主(あなた)の意思で、値引きは拒否できます。

また買付証明書は先着順が基本ですが、売主の意思で、より良い条件(高値で買う)や融資が確実な人を選べます。

ハウスハウス

それでも迷って決められないときは、どうすれば良いの?


家博士家博士

まず今の不動産会社に相談してみよう。
今の不動産会社が信頼できないなら、他の不動産会社に意見を聞くのもありだね

不動産会社との信頼関係が大切

買付申込書をどうするか、判断に悩むあなたは、不動産会社が信頼できないのかもしれません。

確かに不動産会社は、買付証明書を受け取ったら、まず取引成立に向けて落としどころを探します。

しかし信頼できる不動産会社なら、同時にあなたが有利になるように配慮してくれるはず。

もし不動産会社が信頼できないなら、他の不動産会社に意見を聞いてみても良いでしょう。

ハウスハウス

不動産会社はさっさと売ってしまいたいから、相談したら『値下げして売っちゃいましょう』ってなりそうだけど


家博士家博士

信頼できる営業マンなら大丈夫だよ。
営業マンも人間だから、信頼された人に嘘はつかないから

ポイント2. 今の売り方を改善できないか

もしあなたが買付証明をどうするか迷っている原因が今の売り方にあるのなら、売り方の改善が必要かもしれません。

家の売り方を確認する4つのポイント

今の家の売り方を改善できないか、次の4点をチェックします。

家の売り方のチェックポイント

  1. 不動産会社を選ぶ際に3社以上に無料査定を依頼したか。
  2. 単純に査定価格で選ばず、話を聴き比べて一番信頼できそうな会社を選んだか?
  3. 査定を依頼した中に、都市部なら大手3社(三井のリハウス・東急リバブル・住友不動産販売)、地方なら地元で最も実績が豊富な不動産会社が含まれていたか?
  4. (過去に内覧があった場合は)今までの内覧で、他社経由の客はいたか? また今回は他社が見つけた客か?つまり両手狙いで囲い込まれていないか?

ハウスハウス

家の売り方というか、不動産会社の選び方ってこと?


家博士家博士

そうだね。不動産の売却は、不動産会社選びで失敗すると取り戻すのが難しいんだ。

不動産会社選びで売却の成否は8割決まる

売り方の改善=不動産会社選びの改善

家の売り方の改善とは、言い換えると「不動産会社選びの改善」ということ

なぜなら家の売却が成功するかは、不動産会社選びで8割以上が決まってしまうため。

不動産の売却で売主(あなた)ができることは、不動産会社選びを除くと、最終的な決断と内覧の対応などわずか。

実際の売却活動は、ほぼ全てを不動産会社にお任せするしかありません。

ハウスハウス

ダメな不動産会社だとどうなるの?


家博士家博士

販売力の弱い不動産会社や悪質な不動産会社を選んでしまうと、なかなか売れずに、結局相場の6〜8割の安値で家を手放すことになってしまう。

販売力が弱いと売れずに相場の6〜8割に安くなる

売買実績が少ない不動産会社に家の売却を依頼すると、次のような理由から家が売れにくくなります。

  • そもそも査定価格の精度が低い。
  • 広告の質が低く、効果的な広告を出すノウハウを知らない。
  • 類似物件を売り出していないので、購入見込み客のリストがない。
  • 今の反響が良いのか悪いのか判断ができず、価格調整のタイミングが分からない。
  • 部分的なリフォームやオープンハウスなど、売るために必要なノウハウがない。

この様に、売買実績が少ない不動産会社に家の売却を依頼すると、ただ時間が過ぎることに。

最終的には相場の6〜8割の価格で買取業者に買い取られる結果になります。


ハウスハウス

安くなるのはイヤだね。


家博士家博士

さらに悪質な不動産会社も一部にいるから注意しよう。

悪質な不動産会社にダマサれてないか

悪質な不動産会社はとにかく安く売りたい

悪質な不動産会社・担当者に騙されると、不動産を極端な安値で手放して、大損する恐れがあります。

悪質な不動産会社は、相場よりなるべく安く売ろうとします。

なぜなら安値の方が、手間がかからずに短期間で売却できて、取り扱い件数が増えるため。

さらに安値だと、悪質な手口を使いやすいということもあります。

売却価格が安くなると、仲介手数料が少し安くなってしまうのですが、それ以上に不動産会社にはメリットが多いのです。

具体的には、例えばこんな手口が考えられます。

悪質な手口1. 囲い込みで両手仲介

相場より安い価格で査定して売り出し、囲い込みで他社の見つけた買主を断り、両手仲介で自社の買主に売ること。

両手仲介と囲い込み
両手仲介とは、売主だけでなく買主を自社で見つけることで、2倍の仲介手数料を稼ぐ方法。
両手と片手の違い
自然に両手仲介になるのはよくあることで、悪いことではありません。

しかし意図的に両手仲介を狙って、他社の見つけた購入希望者を拒否する行為は『囲い込み』といわれ、完全な売主への裏切り行為。
売り主にとって、せっかく見つかった購入希望者が知らない間に断られていたことになります。

悪質な手口2. ダブル両手で4倍稼ぐ

極端に安い価格で査定し、提携する買取業者へダブル両手で売って、仲介手数料を4倍稼ぐ方法。
手数料4倍イメージ

悪質な手口3. 高い査定価格から干して値こなしする

明らかに売れないほど高い査定価格で売主と媒介契約を結び、売れずに時間が過ぎて売主が不安になったところで、大幅な値下げを勧める行為。

いきなり相場より安い見積もりをすると、売主に売却を任せてもらえません。

だから相見積もりだけ高めの価格を提示し、後で売主を説得して値下げするのです。

最終的には、相場より大幅に安い価格に値下げして、手口1の両手仲介か、手口2の提携買取業者へダブル両手に持ち込みます。

悪質な不動産会社の行為は、こちらで詳しく解説しています。


ハウスハウス

悪い不動産会社は、とにかく両手仲介で稼ごうとするのか。怖い…。
両手仲介をしない不動産会社はないの?


家博士家博士

首都圏と関西圏ならソニーグループのSRE不動産が両手なしだよ。

両手仲介なしのSRE不動産(旧ソニー不動産)

SRE不動産
ソニーグループのSRE不動産なら、大手で唯一のエージェント制で売主だけを担当。

両手仲介がないので、安心して売却を依頼できます。

ただし営業エリアは、首都圏と関西圏限定です。

SRE不動産(旧ソニー不動産)の無料査定を試すならこちら
SRE不動産

ハウスハウス

今の不動産会社に問題があったらどうすればいいの?


家博士家博士

まず他の不動産会社に無料査定を依頼して、意見を聞いてみるといいね。


ハウスハウス

どこの不動産会社が良いの?


家博士家博士

都市部と地方で違うし、エリアにもよるから特定の不動産会社を挙げるのは難しいけど、正しい選び方があるよ

正しい不動産会社の選び方

実績豊富な3〜6社に無料査定を依頼、話を聴き比べる

正しい不動産会社の選び方は、

正しい不動産会社の選び方

  1. エリアで売買実績が豊富な不動産会社に絞る。
  2. 3〜6社に無料査定を依頼する。
  3. 査定価格だけでなく話を聴き比べて、信頼できそうな会社を選ぶ。

エリアで売買実績が豊富な不動産会社の方が、正確な査定を期待できます。

また今は都市部を中心に不動産価格が高騰しているため、不動産のプロでも査定が難しい状態。

不動産会社によって査定価格に差が出るため、1社だけでなく最低3社以上の方が安心です。

ただし多すぎると対応が大変なので、多くて6社程度が現実的でしょう。

不動産会社を選ぶときは、査定価格だけでなく話を聴き比べて、信頼できそうな会社を選びましょう。

ハウスハウス

実績が豊富な不動産会社はどこ?


家博士家博士

都市部なら大手3社が強いね。

都市部は大手トップ3社中心に選ぶ

都市部では、大手トップ3社(三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル)を中心に選ぶと良いでしょう。

売買仲介件数ランキング上位35社
(2023年3月)

不動産会社の売買仲介件数ランキング2023年3月

不動産売却の実績は、大手3社に偏っています

三井のリハウス住友不動産販売東急リバブルの3社は、仲介件数が2万件を超えており、大手の中でも圧倒的。

都市部で査定を依頼するなら、これら大手3社を中心に考えると良いでしょう。

ハウスハウス

大手3社は別格だね。


家博士家博士

3社もそれぞれ特徴があるから、解説しよう。

【大手1】三井のリハウス
37年連続で売買仲介件数1位

三井のリハウス

  • 店舗数 286店舗
    (首都圏182、関西圏46、中部圏25、札幌9、東北6、中国9、九州9)
  • 三井のリハウスは、37年連続で売買仲介件数1位と業界を代表する不動産会社。

    独自の査定システムは精度が高く、売主の約76%がほぼ提案価格(提案の95%以上)で成約しています。


    多くの購入希望者を抱えるため早く売れることも強みで、売主の65%が2ヶ月以内に成約するほど。

    また担当者のレベルが高いことにも定評があり、顧客満足度は96%と高評価です。

    家博士家博士

    業界を代表する会社だから、初めての売却ならまず話を聞いてみると良いよ。
    他と比較する基準にもなるからね。

    三井のリハウスの無料査定はこちらから
    三井のリハウス

    【大手2】住友不動産販売
    熱心な営業スタイルに定評

    すみふの仲介ステップ

    • 店舗数 234店舗
      (首都圏136、関西圏58、中部東海15、北海道8、東北4、中国7、九州6)

    住友不動産販売(すみふの仲介ステップ)は、営業マンの熱心な営業スタイルに定評があります。

    現在の購入希望者の登録数も公開しており、常に2万人を超える希望者が登録。

    自社ホームページの月間来訪者数は300万件以上、登録物件数は2万8千件以上と十分なスケールメリットもあります。

    家博士家博士

    クールな営業より人情深く熱心な営業が好みなら、他より出会える可能性が高いかも。


    【大手3】東急リバブル
    東急沿線や大型案件に強み

    東急リバブル

    • 店舗数 216店舗
      (首都圏141、関西圏42、名古屋11、札幌9、仙台6、福岡7)

    東急リバブルは売却に便利なサービスが充実しています。

    例えば予定期間で売れないと査定価格の90%などで買取る「買取保証」は、買い替えで安心。

    またリフォーム込で売り出す「アクティブ売却パッケージ」は、築古マンションを売り出す方法として効果的です。

    家博士家博士

    初めての買い替えや売却で心配なら、話を聞いてみると良いね。

    東急リバブルの無料査定はこちらから
    東急リバブル

    大手にまとめて査定を依頼するなら「すまいValue」

    大手3社にまとめて無料査定を依頼するなら、一括査定サイトの「すまいValue」が便利。

    すまいValueは、大手上位6社(三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー)が共同運営する一括査定サイトです。


    すまいValue

    すまいValueの公式サイトはこちら
    すまいValue

    地方では地域No1を探す

    地方で大手の営業エリア外であれば、地域No1の不動産会社を探しましょう。

    実績No.1の不動産会社は、実績をアピールしているのですぐに分かります。

    不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると簡単。

    全国対応の主要な一括査定サイトとして次があります。

    その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。

    買付証明書を受け取った後の流れ

    買付証明書を受け取った後は、次のような流れで進みます。

    1. 買付証明書受け取り
    2. 条件調整
    3. 条件合意
    4. 売買契約・手付金受領
    5. 転居
    6. 引き渡し・精算

    2つ目の条件調整はあなたと購入希望者が直接やり取りするのではなく、不動産会社を通じて調整します。

    うまく調整ができて双方合意できれば、いよいよ売買契約・手付金受領となります。

    売買契約は条件合意から1週間〜10日後というのが一般的です。

    その後は引き渡し日までに転居し、精算まで済めば売却に関する手続きはひとまず完了。

    引き渡し・精算は売買契約から約1ヶ月後となります。

    買付証明書と交渉の4つの注意点

    それぞれ解説します。

    注意点1. 法的な縛りはない

    買付証明書の書類自体に法的な縛りはありません。

    そのため、売買契約を結ぶまで法的にはキャンセルも可能です。

    ハウスハウス

    えー、そうなの?


    家博士家博士

    あくまで不動産業界の慣習で法的な書類ではないんだ。
    優先交渉権のようなイメージだね。

    申込証拠金も法的に縛りなし

    なお、買付証明書と一緒に「申込証拠金」を受け取る事もあるかもしれません。

    そもそも申込証拠金には「売買契約までの間、他の購入希望者より自分を優先してほしい」という、購入希望者の本気度を証明するといった意味合いがあります。

    それでも他に良い物件が見つかった場合には、買付証明書を出して申込証拠金を支払ったにもかかわらず、キャンセルされる事も。

    その場合は申込証拠金も全額返金することになります。

    注意点2. 仲介手数料の支払い条件を確認する

    あまり無いことですが、売買契約が流れた場合に仲介手数料がちゃんと戻るか、媒介契約の内容は確認しておきましょう。

    売買契約を結ぶタイミングで支払うことが多い仲介手数料。

    契約が成立すれば不動産会社には仲介手数料の請求権が発生します。

    契約日当日に全額支払っても違法ではありませんが、一般的な支払い条件は、契約時と引き渡し時に半額ずつか、引き渡し時に全額。

    しかしローン特約など買主側の特約によって売買契約が撤回されてしまう可能性もあります。

    家博士家博士

    仲介手数料は決して安いものではないからね。実際にそうした事態になって「気づかなかった!」とならないよう、注意しよう


    注意点3. 売渡証明書には条件を詳細に記入する

    買付証明書が購入希望者による購入の意思を示すものに対し、売主から希望者へ売却する意思があることを示すものが売渡証明書になります。

    売渡証明書には売渡価格や売渡条件などを記載しますが、特に注意したいのが条件の部分。

    購入条件と売渡条件に食い違いがないようにするのはもちろんですが、大まかな内容しか書いていないと、場合によっては後からトラブルになる事もあります。

    トラブルを防ぐためにも、売渡証明書には詳細を記入するようにしましょう。

    なお、買付証明書に法的な縛りがないのと同様に、売渡証明書にも法的な縛りは無し。

    そのため、売渡証明書を渡しただけでは契約が成立したことにはなりません。

    注意点4. 瑕疵の恐れは隠さず全て説明

    どんなに細かいことであっても、瑕疵(契約不適合)になりそうなことがあれば隠さずに全て説明します。

    契約不適合(瑕疵かし)とは
    契約不適合とは、本来あるべき機能・品質・性能を満足しない欠陥や故障のこと。2020年4月の民法改正で瑕疵→契約不適合に名称が変更。一般的な家の例として、雨漏りや構造的な欠陥、シロアリ被害がある。
    契約時に売主の責任期間を定め、引き渡し後から建物3ヶ月間、設備7日間とする場合が多い。この期間内に見つかった場合、売主の負担で補修し、これを契約不適合責任(瑕疵担保責任)という。

    瑕疵・契約不適合については、こちらで詳しく解説しています。

    あなたは「この程度の不具合なら大丈夫だろう」と思っても、相手はそう思わないかもしれません。

    「大丈夫だろう」と思って伝えなかったことが、あとあと裁判にまで発展してしまう事も。

    少しでも気になることがあれば、まずは不動産会社に相談してみましょう。

    家博士家博士

    不動産会社は様々な売買取引を経験しているから、説明すべきかどうかを経験から学んでいるんだ

    まとめ

    買付証明書を判断する2つのポイント

    1. その買付証明書が妥当か
    2. 今の売り方を改善できないか

    買付証明書と交渉の4つの注意点

    1. 法的な縛りはない
    2. 仲介手数料の支払い条件を確認する
    3. 売渡証明書には条件を詳細に記入する
    4. 瑕疵の恐れは隠さず全て説明

    売却を成功させるには、買主と売主、双方の条件をすり合わせて、双方が納得できる着地点を見つけることも重要です。

    しかしただ相手に合わせるのではなく、売主として希望条件はしっかり明言しましょう。

    信頼できる不動産会社ならあなたの希望も十分考慮し、良い条件で調整してくれます。

    今の売り方を改善するなら、他社の意見も聞いてみると良いでしょう。

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    首都圏・関西圏以外の都市部で大手と比較する場合や、大手の営業エリア外の地方では、一括査定サイトを利用すると良いでしょう。

    全国対応の一括査定サイトとして定番はこちら。

    その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。

    あなたの不動産売却が成功することを、心よりお祈りしております!