公簿売買vs実測売買
「公簿売買と実測売買、どちらが良いの? 何が違うの?」

土地の売却で、公簿売買と実測売買のどちらにしようかお迷いでしょうか。

公簿売買と実測売買で、どちらを選んだ方が良いのか。
それぞれのメリットと注意点、ポイントがサクッと分かり、安心して選択できれば理想的ですね。

そんなあなたのために、公簿売買と実測売買の違い、売主としてどちらを選ぶべきかを分かりやすく解説します。

またこの記事では、間違いやすい『実測と境界確定の関係』についても合わせて解説しました。

あなたの土地売却がスムーズに成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。

公簿売買と実測売買の違いとは

公簿売買と実測売買の違いはこちら。

売買代金の計算根拠が、

  • 『登記記録の面積』 →公簿売買
  • 『実際に測った面積』 →実測売買

ハウスハウス

どっちでも良い気がするけど、登記記録と実際の面積って違うの?


家博士家博士

違うことが多いんだ。
特に都市部では地価が高いので、価格差が大きく、トラブルになりやすい。

地籍測量による修正も都市部は遅れている

現在、公図を正確な地図へ置き換える『地籍測量』という作業が進められています。

しかし地方ではある程度進んでいるものの、都市部の進捗はまだ23%程度と進んでいません。
【参考】国土交通省・地籍調査の概要

登記面積と実際の面積は違う

地籍測量が終わっていない都市部の多くでは、明治時代に作成された「公図」が元になっており、誤差が大きくなります。

国土交通省によると、公図と現況のズレはこちら。

分類 比率
精度の高い地域
(ズレが10cm未満)
5.5%
小さなズレのある地域
(ズレが10〜30cm)
14.5%
ズレのある地域
(ズレが30cm〜1m)
27.7%
大きなズレがある地域
(ズレが1〜10m)
49.8%
極めて大きなズレがある地域
(ズレが10m以上)
2.5%

【参考】国土交通省・公図と現況のずれ

ハウスハウス

ええ! こんなにずれているの?


家博士家博士

登記面積はここまで大きく誤差はないけど、5%未満の誤差はあることが多い

公簿売買では5%未満の誤差を許容する

公簿売買では、登記記録上の地積(土地の面積のこと)を売買面積として売買代金を決定し、土地の面積は測りません。

ただし過去の判例では、実測面積と登記記録上の面積の差異が大きい場合(一般的に5%を超える差異)は、売買代金の一部返還が認められている事例もあります。
【参考】裁判所・判例結果詳細

あくまで総合的な判断になりますが、売主と買主が公簿売買の意味を正しく認識しないと、大きな誤差は許容されない恐れがあります。
【参考】公益財団法人不動産流通センター・「公簿売買」における面積の誤差によるトラブル防止法

ハウスハウス

つまり登記記録の面積を正とするけど、誤差が5%超だと修正するってこと?


家博士家博士

あくまで一部の判例だけど、引き渡し後に売買金額の減額を請求されて、代金を一部返還させられる恐れもあるんだ。

実測売買は測量のタイミングで2種類

実測売買は実際に面積を測り、その結果をもとに売買代金を決定するもの。

実測売買には、測量のタイミングによって「精算あり」と「精算なし」の2種類があります。

『精算なし』は契約前に実測

『精算なし』は、売買契約までに実測を行い、その実測面積で契約する方法。

売買契約の時点で実測面積が判明しているので、その後の精算はありません。

『精算あり』は売買契約後、引き渡し前に実測

『精算あり』は残代金の決算までに実測を行うもの。

売買契約は登記記録上の地積で契約し、単位面積あたりの金額だけを確定します。

その後、残代金の決算までに実測を行い、その結果に基づいて売買代金を確定、精算する方法です。

ハウスハウス

なんでわざわざ精算ありにするの?
契約の前に測量した方がスッキリするのに。


家博士家博士

契約までに測量が終わらないことも多いからだよ。
面積を測量するだけだと数日だけど、お隣との境界確定が必要だと1ヶ月以上かかるケースもあるからね。

売主として、公簿売買と実測売買はどちらが良い?

売主としては、公簿売買と実測売買どちらの方法で売る方が良いのでしょうか。

正解は、『基本的に実測売買だが、条件次第で公簿売買もあり』です。

基本的には、実測売買の方が良い

基本的に、実測売買の方がトラブルになりにくいため、実測売買を選んだほうが安全です。

特に次の場合は、実測売買が良いでしょう。

  • すでに境界確定図があり、実測面積も分かっている場合
    →測量費用もかからないため、実測売買が良いでしょう。
     (ただし登記面積とほぼ同じ場合は公簿売買とすることも可。)
  • 境界が怪しい、登記面積が怪しい場合
    →実面積大きい場合は売主が損、5%以上小さい場合は買主から後日精算を要求される恐れがあるため、実測売買が良いでしょう

公簿売買でも良いケースもある

公簿面積と実測面積の差異が明らかに少ない土地では、公簿売買でも良いでしょう。

実際の面積が分かる図面(法務局にある地積測量図や、建築時の現況測量図)があり、差異が明らかに少ない場合です。

確定測量には費用がかかるため、売主も買主も公簿売買で了解すれば、公簿売買にすることで、お互いの費用を節約できます。

山林などは公簿売買が一般的

また山林や原野、田畑などは、公簿売買が一般的です。

なぜなら、土地の売買代金に比べて、測量費用が高額になってしまうため。

こうした土地でも公簿面積と実測面積が違うことはありますが、土地単価が安いためあまり問題になりません。

逆に面積が広い分、実測すると非常に高額な費用がかかります。

そのため、公簿売買の方が向いているのです。

公簿売買で要注意の分割元の地番

公簿売買で問題になりやすいのは、『分割した元の地番の土地』。

分割した元の地番の土地は、登記記録上の面積と実測の面積の誤差が極端に大きくなる恐れがあります。

家博士家博士

元の地番の面積を「元の大きな土地の面積–分筆した土地の面積の合計」で出すと、誤差が大きくなる

例):
公簿面積1500m2(実際には14502)の土地を10区画に分筆した場合

公簿面積で計算すると1区画あたり150m2
→150m2の区画を9区画作る
→残った1区画(元の地番の土地)も計算上では150m2になる

しかし実際は1450㎡しかないため、残った1区画の面積は
1450m2–150m2×9区画=100m2
になってしまう

こうしたケースでは、誤差が極端に大きくなる恐れもあるので、公簿売買は避けたほうが良いでしょう。

実測売買の境界確定はどこまで? 費用負担は?

実測売買のときは、官民境界・民民境界の全ての境界確定が基本ですが、売主・買主の双方が合意すれば、官民境界を省略することもあります。

官民境界とは
役所が所有している道路や水路などの官有地と、民間が所有している民有地との境界のこと。
民民境界とは
民有地の境界のことを言います。

測量費用の負担は話し合い次第ですが、実質は売主が負担するケースが多いでしょう。

通常は売主が測量会社へ支払い、売買代金に含むと考えます。

今の売買代金に、測量費用を上乗せできるかどうかは、あくまでも話し合い次第です。

境界確定と測量については、こちらで詳しく解説しています。

公簿売買で知っておきたい注意点

注意点1. 境界の明示・確定は別に求められることが多い

公簿売買であっても、境界の明示・確定は別に求められることが一般的。

この場合、境界の明示・確定のために測量が必要になります。

ハウスハウス

測量って、面積を出すためだけにやるわけではないんだね

家博士家博士

境界をハッキリさせるためにも必要だから、公簿売買でも買主の意思を確認しておいた方が良いね。
まぁ普通の不動産会社なら、きちんとヒアリングして確認してくれるから、おまかせで大丈夫だよ。

注意点2. 実測との差異が大きいと地積更正する場合も

また、公簿と実測との誤差が大きいと金融機関が担保評価してくれず、住宅ローンの審査に通りにくくなる可能性も。

この場合は、住宅ローンを借りるために地積更正(登記記録上の面積を実測面積に修正すること)が必要になります。

地積更正にかかる費用は買主が負担します。

まとめ

ここまで『土地を売るなら公簿売買それとも実測売買? 分かりにくい境界確定との関係とは』として解説してきました。

登記面積は、多くの場合誤差を含んでいます。

トラブルを避けるためには、時間や費用がかかっても実測販売の方が安心。

ただし、境界確定図や面積が推定できるような書類があり、登記面積との差が少なければ、公簿売買も可。

また山林や原野など面積が広く、売買価格に対して測量費用が高額になる場合は、公簿売買が向いています。

公簿売買の場合でも境界確定を求められることが多く、この場合は測量や隣地との確認が必要。

住宅ローンの関係で地積更正が必要になれば、その費用は買主負担になります。

実際には、不動産会社に資料を渡せば、最適な方法をアドバイスしてくれます。

不動産の売却では、不動産会社選びで成否の8割が決まるといわれます。

優秀で信頼できる不動産会社を見つけることに時間と労力をかけましょう。

具体的には、次の手順が良いでしょう。

  1. エリアで売買実績が豊富な不動産会社に絞る
  2. 3〜6社に無料査定を依頼して、査定価格と話を聴き比べる
  3. 最も信頼できそうな不動産会社を選ぶ

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利です。

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue
    おすすめ1位
    すまいValueバリュー
    査定実績:
    40万件(2016年開始)
    不動産会社数:
    大手6社(全国900店舗)
    運営会社:
    大手6社共同運営
    三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所ハウスネット
    実績 5.0
    不動産会社 4.5
    運営会社 5.0

    大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国900店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
    2022年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
    簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
    さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

    管理人のコメント

    地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

  2. 【公式サイト】すまいValue


  3. SRE不動産
    おすすめ2位
    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス(東証PRM)
    実績 4.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 5.0

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
    あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
    さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

    管理人のコメント

    エージェント制の大手不動産会社は他に無いため、話を聞くと売却活動に役立つでしょう。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

  4. 【公式サイト】SRE不動産


  5. HOME4Uイメージw330
    おすすめ3位
    HOME4Uホームフォーユー
    査定実績:
    累計45万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    1,800社
    運営会社:
    NTTデータ・スマートソーシング
    実績 5.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 4.0

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績45万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
    不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
    さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
    ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
    あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

各エリアで最適な組み合わせ



エリア別のオススメ一括査定サイト

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。

  • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。

  • 地方(人口密度が少ない地域)

    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。

あなたの土地売却が成功することを、心よりお祈りしております!