売り出し価格イメージ

お店に並んでいる商品と違い、中古住宅には定価がありません。

だから家を売り出す時は、あなたの希望価格で売り出すことになります。(もちろん不動産会社がアドバイスしてくれますが)

あなたがこの売り出し価格を決めるために、知っておきたい売り出し価格と成約価格の真実とウソについて解説します。

売り出し価格と成約価格とは

「売り出し価格」とは、不動産を売り出すときに売主が希望する価格のこと。

不動産ポータルサイトで表示されている価格は、全てこの売り出し価格になります。

家博士家博士

つまり、売り出し価格はサイトを見たり、不動産会社へ問い合わせることで誰でも見れるんだ

一方の「成約価格」は、実際に売買が成立した価格のこと。

この成約価格は、売り出し価格と違い一般の人は見れません。

ハウスくんハウスくん

一般の人はなんで見れないの?


家博士家博士

不動産会社しか分からない仕組みなんだ。

成約価格は不動産会社しか知ることができない

成約価格は不動産会社しか知ることができません。

というのも、成約価格が分かる国内ただ一つのデータベース「レインズ」は、不動産会社しか利用できないからです。

レインズとは
国土交通省の指定流通機関である、不動産流通機構が運営するデータベース。
過去の取引事例、現在の売り出し物件情報が登録されています。
不動産会社しか利用できません。
(参考)家を売るときに知っておきたい「レインズ」のこと

さらに、レインズの成約情報を一般消費者へ伝えられるのは、査定依頼者に査定結果を説明する場合のみ。

それ以外の目的でレインズの情報を利用することは、ルール違反とされています。

家博士家博士

例えば、レインズの成約情報を集計・加工・分析して一般消費者へ提供するのもダメなんだ

ハウスくんハウスくん

利用できれば便利そうなのに、厳しいルールがあるんだね

また、最近増えている匿名で利用できるAI価格診断も、レインズの情報は利用できません。

AI価格診断では、レインズの代わりに、SUUMOやHOMESなどポータルサイトの売り出し価格が利用されています。


ハウスくんハウスくん

売り出し価格でも成約価格でも、どっちでも良いんじゃないの?


家博士家博士

ところが、大きな違いがあるんだよ。

売り出し価格の2つのウソ

売り出し価格には、間違いやすいウソが2つあります。

ウソ1. 多くの物件は「売れ残り」

不動産は、売りに出せば必ず売れるものではありません。

半分以上の物件は売れずに、売るのを止めています。

実際、2017年度にレインズ(不動産会社だけが利用できる、不動産取引のデータベース)に新規で登録された新規登録件数は、マンションと一戸建てを合わせて99万6,198件。

一方で「成約」としてレインズに登録された成約件数は、マンションと一戸建て合わせてわずか13万1,301件(13.1%)しかありません。

こちらのイメージです。
レインズ新規登録と成約件数

ハウスくんハウスくん

ええ!
いくら何でも、13%は違うでしょ?


家博士家博士

お! 鋭いね。
実は、レインズに登録されない売買も多いんだ。

レインズにも限界がある

国内唯一のデータベース「レインズ」ですが、そんなレインズにも限界があります。

成約情報が登録されていると言っても、全ての情報が登録されているわけではありません。

2016年の推定中古住宅流通数は62万件。

一方で、レインズに登録された成約件数は13.1万件で、2割程度しか登録されていないのです。

大手不動産会社3社(三井・住友・東急)の成約実績は合計9.5万件(土地等を含む)という点から見ても、成約情報の登録件数は少ないことが分かるのではないでしょうか。

ハウスくんハウスくん

どうしてレインズに成約情報を登録しないの?

家博士家博士

登録しなくても罰則がないからだよ。
だから、登録しない場合も多いんだ

不動産会社による買取もレインズ登録対象外

不動産会社が物件を直接買取った場合も、レインズ登録対象外となります。

ではどのくらいの件数が、不動産会社に直接買取られているのでしょうか。

実は不動産会社の買取物件は、その後転売されるため「業者売り主」としてレインズに登録されます。

土地を含むレインズ新規登録160.7万件(2017年)のうち、業者売り主の物件は39.5万件(約24.6%)。

これだけの物件の成約情報(買取情報)もレインズには登録されていないことになります。

売り出し件数もレインズに登録されていないものがある

そもそも売りに出された中古住宅も、全てがレインズに登録されているわけではありません。

売り出し時には宅建業法によってレインズへの登録義務がありますが、次の条件の物件に限られます。

  • 不動産会社に仲介を依頼して、専任媒介又は専属専任媒介で契約した場合。

そのため、不動産会社を通さない売買や、不動産会社を通しても一般媒介契約や買取した場合は、レインズに新規登録されません。
(※一般媒介は希望すればレインズへの登録も可能だが義務ではない。)

参考までに、媒介契約は3種類あり、次の様な違いがあります。

【(参考)媒介契約の違い】

項目一般媒介契約専任媒介契約専属専任
媒介契約
特徴自由な契約一般的な契約厳しい契約
こんなタイプの人向き不動産の売却経験がある人普通の人多少損でもお任せしたい人
実際の契約の多さ
(2015年東日本の実績)
29%46%
一番多い
25%
他社との媒介契約××
自分で見つけた相手との直接契約×
契約の有効期間制限なし
(行政指導により3ヶ月が一般的)
最長3ヶ月最長3ヶ月
指定流通機構(レインズ)への登録×
登録義務なし

契約から7日以内

契約から5日以内
業務処理状況の報告義務規定なし14日に1回以上7日に1回以上

媒介契約については、こちらで詳しく解説しています。

日本の不動産売買の正確な数字は誰も分からない

実は、日本には不動産の売買について正確な数字をまとめるシステムが無いため、正確な数字は誰も分からないのです。

ハウスくんハウスくん

そんなにいい加減なの?


家博士家博士

アメリカなど他の先進国と比較すると、日本の不動産行政はとても遅れているんだ。


正確な統計がないためあくまで推定ですが、中古住宅の推定流通数(成約件数)は、不動産登記の件数などから推定すると62万600件とされます。

ただし売り出し件数も、相当な数がレインズに登録されていないと推定されるため、この様なイメージに。

推定売り出し件数と成約件数

実際には、売りに出された物件の半数も売れていないと推定されています。

つまり売り出し価格を見ても、その半分以上は売れ残り物件で、鵜呑みにしてしまうとあなたも「売れ残り物件」となる恐れがあるのです。

ハウスくんハウスくん

売れ残り物件になるのはイヤだなぁ。
売れ残り物件にならないためには、どうすれば良いの?


家博士家博士

実際に売れた物件を参考にするんだ

ウソ2. 実際に売れた物件の売り出し価格しか意味はない

売れ残り物件の売り出し価格に惑わされないためには、実際に売れた成約物件の売り出し価格だけを参考にしましょう。

売れていない物件だと誤差40%以上も

レインズに登録された全ての物件で、売出し価格と成約価格の差を、築年数別にまとめたものがこちらです。

築年数別のマンション売出し価格と成約価格
(2018年・首都圏)

マンション売出し価格と成約価格2018年首都圏

グラフの売出し価格と成約価格の誤差を、築年数別にまとめるとこちら。

売り出し価格
(1m2あたり)
成約価格
(1m2あたり)
誤差
築0〜5年 97.6万円 81.0万円 20.5%
築6〜10年 76.5万円 68.1万円 12.4%
築11〜15年 66.8万円 60.6万円 10.3%
築16〜20年 58.5万円 52.8万円 10.9%
築21〜25年 46.0万円 38.7万円 18.9%
築26〜30年 37.3万円 29.7万円 25.8%
築31年〜 44.6万円 31.7万円 40.6%

誤差が特に大きいのは、

  • 築0〜5年 20.5%
  • 築26〜30年 25.8%
  • 築31年〜 40.6%!

ハウスくんハウスくん

40%以上も誤差があるの!


家博士家博士

売り出し価格を見ても、参考にならないことがよく分かるね。

実際に売れた成約物件の売り出し価格と成約価格

実際に売れた成約物件の売り出し価格と成約価格との価格差を「価格開差率」と呼びます。

価格開差率 = (成約価格ー売り出し価格)÷売り出し価格

売り出し価格より成約価格が安いことが多いので、価格開差率はマイナスの数値になります。

ハウスくんハウスくん

よし! じゃあ開差率はどうすれば分かるの?


家博士家博士

それは実際にその物件を媒介した不動産会社しか分からないんだ。


ハウスくんハウスくん

ええ! じゃあ不動産会社といってもどこでも良いんじゃないんだ。


この価格開差率、どれだけの差があるか知っているのは、実際に媒介した不動産会社だけ。

そのため、実績の豊富な不動産会社ほど、不動産売却には有利なのです。

家博士家博士

取引実績が多いほどデータが蓄積されているから、傾向なども掴みやすいんだ

価格開差率に関する数少ない統計

価格開差率に関する統計もほとんどありませんが、近畿レインズが過去にまとめたデータがあります。

築年数と価格開差率の関係(2015年近畿圏)

築年数と価格開差率

近畿レインズよると、マンションも一戸建ても、築年数が古くなるほど価格開差率も拡大。

つまり、買主が価格交渉によって値下げしているということが分かります。

その一方で、開差率が0%と「値引きなしの物件」があるのも事実。

開差率ごとの成約件数分布

マンションの階差率分布
戸建て住宅の開差率分布

マンションでは32.1%、一戸建てでは37.9%が値引きなしで成約していました。

数ある売り出し価格の中でも、こうして実際の成約に結びついた売り出し価格しか参考にならないことが分かります。

ハウスくんハウスくん

いろんなケースがあるのは分かったけど、結局どうすれば良いの?


家博士家博士

不動産会社が家の価格を査定する方法を知ると、ヒントがあるよ

近隣の類似成約事例と比較する

不動産会社があなたの家を査定する方法は、「取引事例比較法」と呼ばれる方法。

正確には、次の様に一戸建ての建物だけ原価法という違う査定方法を使います。

  • マンションの査定→取引事例比較法
  • 土地の査定→取引事例比較法
  • 一戸建ての査定→土地は取引事例比較法、建物は原価法

取引事例比較法では、あなたの家の近隣で、あなたの家に類似した成約事例を1〜3件選んで、あなたの家と比較することで成約価格を補正して家の価格を査定します。

だからあなたは、実際に査定で使われる成約事例について、次の点を調べましょう。

  1. 売り出し価格
  2. どのくらい問い合わせや内覧があったのか
  3. 売り主の事情やリフォームの状態
  4. 成約価格

ハウスくんハウスくん

つまり、これを不動産会社に聞けば良いんだね。


家博士家博士

ところが、どこの不動産会社でも分かるわけじゃないんだ。
不動産会社でも、その取引事例を媒介した不動産会社しか分からないことが多いんだ。

レインズには成約価格を左右する大切な情報が漏れている

不動産会社はレインズで情報を共有しているため、レインズに記載された成約価格はどこの不動産会社でも分かります。

しかし成約価格が、その価格に至るまでには様々な経緯があります。

例えば、

  • 「とにかく高く売りたい」という売主が、買主とじっくり交渉した結果の価格
  • 「価格よりもとにかく早く売りたい」と売り急いで相場より安く売った価格

どちらなのか、レインズでは分かりません。

また、

  • 20件30件と内覧があって決まった成約価格
  • たまたま1件だけ内覧があって決まった成約価格

どちらなのか、レインズでは分かりません。

さらにリフォームをどの程度していたのかなど、売却物件の状態もレインズでは分かりません。

つまり、レインズではその成約価格に至った経緯や事情、物件状態などが分からないのです。

成約情報を一番よく知っているのは実際に売買を仲介した不動産会社

レインズを見るだけでは分からない成約情報の詳細も、仲介した不動産会社ならよく知っています。

そのため、詳細情報を知るには、取引事例を媒介した不動産会社に問い合わせるしかありません。

もし、依頼している不動産会社と別の会社が仲介しているようであれば、不動産会社に依頼して電話などで問い合わせてもらい、売買の事情をヒアリングしてもらうと良いでしょう。

ハウスくんハウスくん

不動産売却の実績が豊富な不動産会社はどこなの?


家博士家博士

不動産売却の実績は一部の大手に偏っているよ。

不動産売却の実績は大手3社が圧倒的

不動産売却の実績では、大手3社が圧倒的です。

2018年度の売買仲介件数上位をランキングしたものがこちら。

売買仲介件数ランキング上位28社(2018年)

不動産会社の売買仲介件数ランキング2018
「三井のリハウス(三井不動産)」「住友不動産販売」「東急リバブル」の3社は、仲介件数が2万件を超えており圧倒的だと分かります。

都市部の不動産を査定するなら、これら大手トップ3は含めた方が良いでしょう。

早速、これらの大手トップ3社に、それぞれ連絡しても良いのですが、3回も電話するのは面倒かもしれません。

しかし、一括査定サイトの「すまいValue」を利用すれば、わずか数分でこれらの大手トップ3社を含む最大6社にまとめて無料査定を依頼できます。

すまいValueイメージ

すまいValueの公式サイトはこちら
すまいValue

地方では大手の営業エリア外になるため、地域で実績が豊富な不動産会社を探しましょう。

まとめ

家を売る前に知っておきたい「売り出し価格」と「成約価格」の真実とウソとして、解説してきました。

まとめると、次の通りです。

  1. 売り出し価格は、半分以上売れ残りだと考えて、あくまで参考程度に
  2. あなたの近隣の類似成約事例を参考に、売り出し価格や成約価格を知る
  3. レインズでは分からない事情や反響についても、媒介した不動産会社からヒアリングする
  4. 不動産会社を選ぶ際はなるべく売却実績が豊富な不動産会社を選ぶ

成約情報が見られる唯一のデータベースである「レインズ」ですが、レインズさえ使えれば完璧ではありません。

交渉の経緯や事情などが分からないと適切に判断するのも難しいため、どうしても不動産会社によって情報格差が大きくなってしまうのです。

査定を依頼するなら、実績が豊富な不動産会社を3〜6社選び、無料査定を依頼し査定価格と話を聴き比べましょう。

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利です。

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。

一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。

この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue

    すまいバリュー
    実績5.0
    不動産会社4.5
    運営会社5.0
    査定実績:
    18万件(開始後2年合計)
    不動産会社数:
    大手6社・全国840店舗
    運営会社:
    大手6社共同運営

    大手6社(三井不動産リアルティ・住友不動産販売・東急リバブル・野村不動産アーバンネット・三菱地所ハウスネット・小田急不動産)が共同で2016年10月に立ち上げた一括査定サイト。
    6社といっても全国840店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。
    売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。
    首都圏以外のほとんどの地方都市でも、三井・住友・東急の3社が売却実績のトップ3を独占しています。
    2019年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして、「すまいValue」が新定番となっています。

    管理人のコメント

    地方では大手より地域密着の中小不動産会社の方が強い場合もあるため、地方の郊外から外れたエリアではLIFULL HOME'S又はHOME4Uも確認してみたほうが良いでしょう。
    しかし都市部の方は「すまいバリュー」が現状では最強の一括査定サイトです。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。優秀な営業マンも数多く抱えています。
    机上査定と訪問査定が選べる点もおすすめ。

  2. 【公式サイト】すまいValue

  3. LIFULL HOME'S

    LIFULL HOMESイメージ
    実績4.5
    不動産会社4.5
    運営会社5.0
    査定実績:
    非公開(サイト利用者476万人)
    不動産会社数:
    1,777社
    運営会社:
    株式会社LIFULL

    運営は、HOME'SのテレビCMでおなじみの東証1部上場 株式会社LIFULL。2008年にマンション専用でサービスを開始。2011年から戸建ても含めて売却査定ができる仕様に。参加会社数が多く、特に地元密着系の中小不動産会社が多数登録しています。

    管理人のコメント

    不動産会社を選ぶ際に、各社の特徴(買取保障、瑕疵保証制度あり、半数以上がベテランなど)がアイコンで表示されるので、選びやすいシステムです。
    訪問査定ではなく机上査定を希望する場合は、不動産会社へのメッセージ欄で伝えると良いでしょう。
    選ぶ会社の数は3社〜6社がオススメです。

  4. 【公式サイト】LIFULL HOME'S

  5. HOME4U

    HOME4Uイメージw330
    実績5.0
    不動産会社4.0
    運営会社5.0
    査定実績:
    累計35万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    1,300社
    運営会社:
    株式会社NTTデータ・スマートソーシング

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始依頼、査定累計数35万件と実績も豊富。運営は東証1部上場の株式会社NTTデータのグループ会社。
    不動産会社は大小バランスよく登録されているため幅広く依頼ができます。

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多いため、自然と査定精度が高くなる仕組みになっています。
    ちなみに記入した内容はまた不動産会社と話をするときに修正できます。
    あまり真剣に悩まず、とりあえず現時点の希望を書いておく程度で大丈夫。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U


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首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)、関西圏(大阪・兵庫)の場合は、SRE不動産(旧ソニー不動産)もおすすめです。

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あなたの家の売却が成功することをお祈りしております!