「買取保証(売却保証)はどうなの? どこの不動産会社が良いの?」
不動産会社の買取保証(売却保証)をご検討されていますね。
確かに買取保証は、確実に家が売れるので安心です。
しかし買取保証を提供する会社は減っており、大手3社のうち「三井のリハウス」と「住友不動産販売」はサービスを中止しました。
なんで中止したの?
あまり利用されなかったからだよ。
買取保証は人気物件しか利用できず、大手ならほぼ確実に3ヶ月以内で売れるから、使うメリットが少ないんだ。
実際に買取保証で買取に至ることはほとんど無く、例えば「野村の仲介」は過去10年に買取になった事例はゼロと公言しています。
(2022年10月現在)
(詳しくは「実際に買取になることは少ない」で解説しています。)
買取保証を利用するなら、より広い視点で検討して選ぶと良いでしょう。
この記事では買取保証の主要な不動産会社と特徴、そして選ぶ3つの基準を解説。
あなたの家の売却が成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。
この記事のもくじ
買取保証(売却保証)とは
ちなみに「買取保証」と「売却保証」「買換保証」は同じサービス。
不動産会社によって名前が違うだけだよ。
仲介+買取の良いとこ取り
不動産会社の買取保証とは、次のイメージ。
買取保証では、
- 期間中(通常3ヶ月〜1年)は仲介で普通に売る。
→だから高値を狙って売り出せる - 期間中に売れないと、査定価格の90%などで不動産会社が買取。
→だから売れ残る心配が無い
つまり買取保証は、仲介と買取の良いとこ取りをした売却方法です。
仲介ってなんだっけ?
仲介と買取の違いをおさらいしよう。
仲介と買取の違いをおさらい
仲介と買取のイメージ
仲介は、売主が不動産会社と媒介契約を結び、一般の人に家を売る方法。
一方で買取は、売主が不動産会社に直接家を売る方法です。
(不動産会社によっては別の買取業者に仲介する場合もあり)
仲介 (普通の売買) |
買取 | |
---|---|---|
買主 | 一般の人 | 不動産会社 (買取業者) |
売却期間 | 場合による (目安3〜6ヶ月程度) |
最短1週間 |
売却価格 | ほぼ相場通り | 相場より 2〜4割安い |
仲介は高値で売れるが売れ残るリスクがある
仲介のメリットは、相場通りの価格で売れること。
今は不動産相場が高騰しているため、仲介なら相場通りの高値で売れます。
さらに人気物件なら相場より2〜3割高く売れる可能性もあるでしょう。
一方で仲介のデメリットは「売れ残るリスク」。
特に近隣で売り出す競合が多かったり、極端な高値を狙ってしまうと、売れ残るリスクは高くなります。
買取は確実に売れるが相場より2割〜4割安くなる
買取のメリットは、最短1週間程度で確実に売れること。
会社さえ選べば、後はお任せですぐに現金化できます。
一方で買取のデメリットは、価格が相場より2割〜4割安くなってしまうこと。
不動産会社は相場より2割以上安くないと買取りません。
なぜなら不動産会社は買取った後、相場価格で一般の買主に転売し、差額を利益にするためです。
買取について、詳しくはこちらで解説しています。
不動産の買取は最短1週間で売れますが価格は安くなりがち。しかし今なら高値で買取できるかもしれません。買取で高く売る4つのコツ、失敗しないための注意点を解説します。
仲介だと高値で売れるけど、売れ残るリスクがある。
買取だと、確実に売れるけど安くなるのか。
買取保証は、両方の良いとこ取りなんだね。
ただし買取保証を扱う会社は減っている。
そもそも買取になることは少ないからね。
実際に買取になることは少ない
普通に売り出しても売れる物件しか使えない
買取保証で売り出しても、実際に買い取りになることはほとんどありません。
なぜなら買取保証は、普通に売り出しても3ヶ月以内に売れる物件しか使えないため。
売却が難しい不人気物件は、買取保証が使えません。
売出し価格に制限があるため、明らかに高値で売り出して売れ残る恐れもなし。
売却力が強い大手なら、人気物件を相場価格で売り出して3ヶ月以上売れ残ることはまず無いのです。
野村の仲介は10年間でゼロ
実際に大手の野村の仲介では、買取保証(野村は買換保証)で売り出して、買取になった事例は過去10年間でゼロ。
(2022年10月現在)
三井のリハウスや住友不動産販売が買取保証を止めたことも、実際に利用者が少なかったことが理由だったようです。
じゃあ普通に売り出したら良いのか。
普通に売るなら、どこの不動産会社が良いの?
都市部なら大手3社が強いね。
実績は大手3社が強い
売買仲介件数ランキング上位35社
(2023年3月)
不動産売却の実績は、大手3社に偏っています
三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブルの3社は、仲介件数が2万件を超えており、大手の中でも圧倒的。
都市部で査定を依頼するなら、これら大手3社を中心に考えると良いでしょう。
大手3社は別格だね。
3社もそれぞれ特徴があるから、解説しよう。
【大手1】三井のリハウス
38年連続で売買仲介件数1位
(首都圏182、関西圏46、中部圏25、札幌9、東北6、中国9、九州9)
三井のリハウスは、38年連続で売買仲介件数1位と業界を代表する不動産会社。
独自の査定システムは精度が高く、売主の約76%がほぼ提案価格(提案の95%以上)で成約しています。
多くの購入希望者を抱えるため早く売れることも強みで、売主の65%が2ヶ月以内に成約するほど。
また担当者のレベルが高いことにも定評があり、顧客満足度は96%と高評価です。
業界を代表する会社だから、初めての売却ならまず話を聞いてみると良いよ。
他と比較する基準にもなるからね。
⇒三井のリハウス
三井のリハウスは36年連続で不動産売買の仲介件数第1位の大手不動産会社。ただし注意点もあります。あなたが家の売却を任せて大丈夫か、注意点と評判を分かりやすく解説します。
【大手2】住友不動産販売
熱心な営業スタイルに定評
- 店舗数 234店舗
(首都圏136、関西圏58、中部東海15、北海道8、東北4、中国7、九州6)
住友不動産販売(すみふの仲介ステップ)は、営業マンの熱心な営業スタイルに定評があります。
現在の購入希望者の登録数も公開しており、常に2万人を超える希望者が登録。
自社ホームページの月間来訪者数は300万件以上、登録物件数は2万8千件以上と十分なスケールメリットもあります。
スマートでクールな営業より人情深く熱心な営業が好みなら、他より出会える可能性が高いかも。
住友不動産販売「すみふの仲介 ステップ」は、売買仲介件数が業界2位の大手。家の売却ならぜひ候補に入れたい1社ですが、注意点もあります。住友不動産販売のメリットと注意点を分かりやすく解説、そして利用者の評判を紹介します。
【大手3】東急リバブル
東急沿線や大型案件に強み
- 店舗数 216店舗
(首都圏141、関西圏42、名古屋11、札幌9、仙台6、福岡7)
東急リバブルは東急電鉄系の不動産会社ですが、全国に店舗を持つのが特徴。
東急電鉄沿線はもちろん、法人営業や投資物件にも強みを持っています。
東急リバブルは不動産の売買実績でトップ3の1社。しかし注意点もあります。東急リバブルを利用する前に知るべき注意点・メリット、そして実際に利用した人の評判をまとめました。
大手にまとめて査定を依頼するなら「すまいValue」
大手3社にまとめて無料査定を依頼するなら、一括査定サイトの「すまいValue」が便利。
すまいValueは、大手上位6社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル・野村の仲介+・小田急不動産・三菱地所の住まいリレー)が共同運営する一括査定サイトです。
⇒すまいValue
とりあえず大手3社に査定を依頼すれば良いの?
売却予定なら個人の相性もあるから、大手3社以外と比較した方が良い。
首都圏・関西圏ならエージェント制のSRE不動産(旧ソニー不動産)、それ以外なら地域で実績No.1の会社にも査定を依頼しよう。
SRE不動産(旧ソニー不動産)
売主だけを担当するエージェント制
大手と比較するならSRE不動産(旧ソニー不動産)が良いでしょう。
なぜならSRE不動産は、大手で問題になりがちな両手仲介が無いため。
(※両手仲介とは売主と買主を同じ不動産会社が担当すること。大手は顧客を多く抱えるため、自然と両手仲介が多くなる。)
SRE不動産は、業界初のエージェント制で売主だけを担当。
買主は無数にある他の不動産会社が積極的に探します。
結果として、大手にも劣らない販売力で、早く高く売れやすいことが最大のメリット。
ただし営業エリアは首都圏・関西圏限定です。
SRE不動産は業界でも両手仲介無しで知られているから、他社が競って営業してくれる。
大手と話を聴き比べて、自分に合ってる方を選ぶと良いよ。
⇒SRE不動産
SRE不動産(旧ソニー不動産)の口コミや評判、裏事情などから、あなたがソニー不動産を利用すべきなのか徹底評価しました。
その他エリアは地域No.1を探す
大手やSRE不動産の営業エリア外なら、地域で実績No.1の不動産会社を中心に選びましょう。
実績No.1の不動産会社は、実績をアピールしているのですぐに分かります。
不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトをいくつか併用すると良いでしょう。
全国対応の主要な一括査定サイトとして次があります。
その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。
不動産一括査定サイト、主要16社を徹底比較し、ランキングでまとめました。
どうしても買取保証を使うなら、どこがいいの?
買取保証がある不動産会社は、一部の大手に限られる。
主要な会社と選び方を紹介しよう。
主な大手不動産会社の買取保証と選び方
買取保証(売却保証)があるのは、一部の大手不動産会社に限られます。
買取保証で代表的な不動産会社4社はこちら。
選ぶ基準は『価格・利益還元・買替えサポート』
買取保証で不動産会社を選ぶ基準として、次の3点があります。
- 査定価格と買取保証の価格が、最も高い会社
- 転売した利益を売主へ還元する『利益還元』がある会社
- (買い替えで必要なら)新しい家を先に購入できるつなぎ融資(立て替え払い)がある会社
1の価格を知るためには、実際に無料査定を依頼して、各社の査定価格と買取保証価格を聞きます。
2の利益還元があるのは、「東急リバブル」と「野村の仲介+」の2社。
3の買替えサポートは、「東急リバブル」「野村の仲介+」「小田急不動産」などにあります。
転売した利益を売主に還元
買取保証では、買取後に転売した利益を売主に還元する不動産会社も一部あります。
不動産会社にすると、そもそも買取になることがほとんど無いため、実際に利益を還元することも少ないのです。
さらに買取保証では、売主が買替えで購入する時の仲介手数料も期待できるため、普通の売却より利益が見込めます。
結果として、買取保証で売主に利益を還元しても不動産会社には十分にメリットがあるのです。
とりあえず代表的な2〜3社に査定を依頼して、査定価格と利益還元の有無で選ぶと良い。
あと東急リバブルだけ最長6ヶ月で、他は最長1年だから、期間も確認しておこう
代表的な3社の買取保証(売却保証)
買取保証(売却保証)で代表的な不動産会社3社の詳細をまとめました。
1. 東急リバブルの売却保証(利益還元あり)
対象物件 | 東京、神奈川、埼玉、千葉および札幌、仙台、名古屋、福岡、関西圏の営業エリア内 個人の居住用の土地・一戸建・マンション |
---|---|
物件基準 | 【土地】 ・敷地面積40m2以上。 【戸建】 ・敷地面積40m2以上。 ・築30年以内(但し築年数に応じた制限あり)。 ・建物調査を実施する場合あり。 【マンション】 ・専有面積30㎡以上 ・1982年1月以降築 ※土地・戸建・マンションとも法令及び条例に適合し、一般的な住宅ローンが利用可能な物件であること。 |
対象者 | 専属専任・専任媒介契約を締結した方 |
保証金額 | 首都圏1.5億円・地方1億円以内、かつ査定価格の90%以内 |
保証期間 | 3ヶ月以上6ヶ月未満 |
適用条件 | 規定の審査後の保証開始。 予め、提示した販売計画に基づき、売却活動を実施。 他にも諸条件あり。 |
※再販売で利益が出た場合、売主に利益還元あり。
※売却前でも新居を購入できる『立替払制度』あり。
東急リバブルは不動産の売買実績でトップ3の1社。しかし注意点もあります。東急リバブルを利用する前に知るべき注意点・メリット、そして実際に利用した人の評判をまとめました。
2. 野村の仲介+の買換保証(利益還元あり)
対象物件 | 営業エリア内 個人の居住用の土地・一戸建・マンション |
---|---|
物件基準 | 【戸建・土地】 ・敷地面積40m2以上。 【マンション】 ・専有面積30m2以上 ・新耐震基準(昭和56年6月1日以降に建築確認取得) ※土地・戸建・マンションとも法令及び条例に適合し、一般的な住宅ローンが利用可能な物件であること。 |
対象者 | 専属専任媒介契約を締結した方 |
保証金額 | 1億円以内かつ査定価格の90%以内 |
保証期間 | 最長1年 ※保証期間は個別に審査 |
適用条件 | 規定の審査後の保証開始。 予め、提示した販売計画に基づき、売却活動を実施。 他にも諸条件あり。 |
※再販売で利益が出た場合、売主に利益還元あり。
※売却前でも新居を購入できる『つなぎ融資』あり。
野村の仲介+はどうなの?というあなたにプロ投資家が解説。野村の仲介+は売買仲介件数4位の実績で評判も上々。ただし利用には注意点もあります。
3. 小田急不動産の買取保証(利益還元なし)
対象物件 | 小田急線沿線およびその近隣地域の営業エリア 個人の居住用の土地・一戸建・マンション |
---|---|
物件基準 | 【戸建・土地】 ・敷地面積40m2以上。 【マンション】 ・専有面積30m2以上 ・昭和56年7月1日以降に建築確認を取得した物件 ※法令及び条例に適合し、一般的な住宅ローンが利用可能なこと。 |
対象者 | 専属専任媒介契約を締結した方 |
保証金額 | 1億円以内かつ査定価格の90%以内 |
保証期間 | 最長1年 ※保証期間は個別に審査 |
適用条件 | 規定の審査後の保証開始。 予め、提示した販売計画に基づき、売却活動を実施。 他にも諸条件あり。 |
※売却前でも新居を購入できる『つなぎサポート』あり。
小田急沿線で家を売却なら、候補として小田急不動産は外せません。沿線店舗数が業界No.1で売却に有利です。ただし利用には知っておきたい注意点も。メリットと注意点、実際に利用した人の評判を紹介します。
他の大手は買取保証が無いの?
大手トップ3社のうち2社は買取保証を中止してしまったね。
三井のリハウスと住友不動産販売は中止
実績は大手トップ3社が強い
不動産売買仲介の実績では、大手3社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル)が圧倒的です。
売買仲介件数ランキング上位35社
(2023年3月)
大手3社は別格だね!
しかし三井のリハウスと住友不動産販売は、買取保証を中止している。
でも三井のリハウスは、話を聞く価値があると思うよ。
三井のリハウスは中止だが話を聞く価値あり
業界1位の三井のリハウスも以前は買取保証をしていましたが、現在は中止しています。
ただし業界No.1の三井のリハウスは、話を聞く価値があるでしょう。
なぜなら三井のリハウスは仲介の販売力が高く、売却を依頼した約65%が2ヶ月以内に成約しているため。
実際に、利用者が少ないため買取保証を中止したという業界話もあります。
さらに売主の約76%は査定価格の95%以上で成約しており、査定の精度も正確。
38年連続で売買仲介の実績1位という実力は、やはり他社より頭一つ抜き出ています。
⇒三井のリハウス
三井のリハウスは36年連続で不動産売買の仲介件数第1位の大手不動産会社。ただし注意点もあります。あなたが家の売却を任せて大丈夫か、注意点と評判を分かりやすく解説します。
住友不動産販売はステップオークションに変更
業界2位の大手、住友不動産販売ステップも以前は買取保証をしていましたが、2021年9月からステップオークションに変更しています。
ステップオークションは全国7千500社超の買取業者が一斉参加する不動産オークション。
買取保証の代わりに使うなら、仲介で売り出しながら並行してステップオークションに出せば良いでしょう。
例えば3ヶ月後に買取予定にしておけば、オークション最高値の買取業者に売れますし、価格が不満であれば売らなくてもOK。
買取価格はオークション終了まで分かりませんが、最悪でも売れ残るリスクは無くなります。
住友不動産販売「すみふの仲介 ステップ」は、売買仲介件数が業界2位の大手。家の売却ならぜひ候補に入れたい1社ですが、注意点もあります。住友不動産販売のメリットと注意点を分かりやすく解説、そして利用者の評判を紹介します。
大手にまとめて無料査定を依頼するなら『すまいValue』が便利
買取保証のある3社(東急リバブル・野村の仲介・小田急不動産)と住友不動産販売、三井のリハウスにまとめて査定を依頼するなら、一括査定サイト「すまいValue」を利用すると便利です。
すまいValueは、これら大手5社を含む大手6社が共同運営する一括査定サイトで、一度にまとめて無料査定を依頼できます。
大手5社は、他の一括査定サイトからほぼ撤退しているので、大手にまとめて査定を依頼できるのは、すまいValueしかありません。
⇒すまいValue
東京14区ならSRE不動産も買取保証あり
ソニーグループが運営するSRE不動産(旧ソニー不動産)も、東京14区のマンション限定で買取保証があります。
SRE不動産は大手で唯一のエージェント制が特徴。
エージェント制は売主だけを担当するため、無数にある他の不動産会社が積極的に買主を探すことで、早く高く売れやすいメリットがあります。
期間内に売れる可能性も高いので、買取保証の条件は厳しいですが、条件さえクリアすれば有力な候補となるでしょう。
対象物件 | 東京14区内の居住用マンション (港区、中央区、品川区、千代田区、新宿区、渋谷区、文京区、目黒区、世田谷区、江東区、豊島区、杉並区、中野区、大田区) |
---|---|
物件基準 | 【マンション】 ・個人の居住用マンション ・築2年〜20年以内 ・専有面積50m2以上 ・間取り2LDK〜4LDK ・総戸数20戸以上 ・所在階:地階・1階以外 ※自主管理物件でないこと、法令に適合し、一般的な住宅ローンが利用可能な物件であること。 |
保証金額 | 1億円以下かつ査定価格の80%以内 |
保証期間 | 6ヶ月 |
適用条件 | 販売計画に基づき、売却活動を実施。 他にも諸条件あり。 |
売出し価格は査定価格の115%が上限で下記のスケジュールです。
⇒SRE不動産
SRE不動産(旧ソニー不動産)の口コミや評判、裏事情などから、あなたがソニー不動産を利用すべきなのか徹底評価しました。
ここまで主な大手不動産会社の買取保証と、その選び方を解説してきました。
次に買取保証のメリットと注意点を詳しく解説します。
買取保証のメリットと注意点
買取保証(売却保証)のメリットはこちら。
買取保証の11のメリット
- 売却スケジュールを確定できる
- (買い替えで)売却前に新居を購入できる場合も
- 仲介期間中は相場価格で売れる
- 不動産会社を選ぶ基準が明らか
- 瑕疵担保責任が免責になる
- あらかじめ買取価格が分かる
- 仲介手数料が不要
- (会社によっては)転売利益が還元される
- 近所に内緒で売れる
- 無理な内覧は断れる
- リフォームの必要がない
また仲介で売れず買取りになっても…
仲介期間に無理して売却しなくても良いため…
メリットについてそれぞれ解説します。
(次章の注意点を先に読む場合はこちらから)
メリット1. スケジュールを確定できる
買取保証では、あらかじめ売却の期限が確定するので、スケジュールが確実。
安心して売却できます。
お子さんの入学や転勤など、期限が決っている人に最適でしょう。
もし家を売り出して売れなかった場合、ご近所の目も気になるもの。
また買い替えで新居を先に購入したのに家が売れないと、安値で売り急ぐことになりかねません。
確実に売れることは、大きなメリットです。
成約日数は平均2.5〜3ヶ月、売却全体で約4〜4.5ヶ月前後
仲介で売り出した場合の成約日数(首都圏2023年平均)は、
- マンション: 80.1日
- 戸建て: 83.3日
引き渡しまで含めた全体では約4〜4.5ヶ月、内訳はこちらのイメージです。
平均の売却期間(首都圏・2023年)
マンションの売却期間は3ヶ月ではありません。なぜなら個々のマンションによって売却期間は違い、売り方でも違うため。あなたのマンションがどのくらいで売れるのか目安を紹介し、早く売るための6つの方法も合わせて解説します。
けっこう長くかかるんだね。
あくまで平均だからね。
エリアや築年数、売出し価格で売却期間は大きく違う。
不動産会社に査定を依頼すれば、3ヶ月以内に売れる予想価格を教えてもらえるよ。
メリット2. (買い替えで)売却前に新居を購入できる場合も
買取保証では、家の買い替えで売却前に新居を購入できる場合があります。
なぜなら新しい家を購入するための「つなぎ融資(立て替え払い)」を利用できるため。
つなぎ融資のイメージ
大手3社の不動産会社では、買取保証とセットで「つなぎ融資(立て替え払い)」が使えます。
つなぎ融資を使えば、手元に十分な資金が無くても先に新しい家を購入できるので、気に入った家を即購入でき、引越しもスムーズ。
買い替えのストレスが大きく減ります。
家の買い替えの「つなぎ融資」はメリットの多い便利なローン。ただし利用する場合はデメリットにも注意が必要です。
先に家を買えると、引っ越しも楽で良いね!
空き家で売ると内覧も楽だし、即入居可で売れやすくなるメリットもあるよ。
メリット3. 仲介期間中は相場価格で売れる
買取保証を使えば、仲介期間は相場価格で売り出せます。
さらに初月は査定価格より1割以上高く売り出すチャレンジも可能。
売れなければ段階的に価格を下げ、買取価格は査定価格の90%以下になってしまいますが、1ヶ月でも高値で売り出すチャンスがあることは大きなメリットです。
買取保証の売り出し価格例
相場より高く売れるかもしれないんだ!
都心部のマンションなら今も値上がりしているから、売れる可能性は十分あるね。
メリット4. 不動産会社を選ぶ基準が明らか
買取保証では、不動産会社を選ぶ基準が明らかで簡単です。
記事前半の『主な大手不動産会社の買取保証と選び方』で解説した3つのポイント『価格・利益還元・買替えサポート』で選ぶだけ。
さらに査定価格が不動産会社の本音で信頼できる
買取保証では、さらに査定価格が不動産会社の本音なので信頼できます。
なぜなら買取保証価格は、不動産会社が自社で負担して買い取る価格だから。
買取保証では、もし買取後に経費を上乗せして転売できないと大きな損失になるため、担当者も査定に慎重になります。
かといって安く査定すると競合に負けて契約できません。
結果として買取保証では、確実に売れるが他社より高いギリギリの買取保証価格、つまり不動産会社の本音が分かるのです
普通の仲介だと、本音じゃないの?
仲介では、売れない高値で査定する不動産会社も一部あるからね。
普通の仲介は予想価格にすぎず、建前になりがち
普通の仲介の場合、査定価格があくまで本音でなく建前になりがち。
なぜなら仲介の査定価格は、あくまで3ヶ月以内に売れる予想価格にすぎず、不動産会社が責任を負うものではないため。
不動産会社の中には、媒介契約が欲しいために相場より高い(売れない)査定価格を出す会社もあります。
こういった不動産会社に売却を依頼しても、結局売れずに時間が経って、数ヶ月後に相場価格へ値下げするだけ。
ですから普通の仲介では、査定根拠を確認したり、担当者の誠実さを確かめる必要があります。
売れない高値で査定するなんてヒドイね!
ごく一部のイケイケな不動産会社だけどね。話を聴き比べたら怪しい会社は自然と分かるよ。
メリット5. 瑕疵担保責任が免責になる
(仲介期間に売れず、結果として買取になった場合)
売却後の瑕疵担保責任(民法改正で契約不適合責任に名称変更)が免責になります。
売買時に分からない建物や設備の不具合(瑕疵・契約不適合)について、売主が引き渡し後も一定の期間、補修費用を負担すること。
通常は設備7日、建物3ヶ月程度を保証することが多い。
売主が補修費用を負担するの?
売買時に分からない不具合だけね。
でも大手で仲介すれば、2年間無料で不動産会社が保証してくれる場合が多いよ。
瑕疵担保責任(契約不適合責任)について詳しくはこちらの記事で解説しています。
家の売却で心配な「瑕疵(かし)」、売却後に修理費などを請求される「契約不適合責任」。その具体例と対策について解説します。
メリット6. あらかじめ買取価格が分かる
買取保証の場合、媒介契約を結ぶ前に買取価格が分かります。
最悪の場合でも、買取価格より安くなることがないため、予算管理しやすいことがメリット。
一方普通の仲介では、期限内に売れないと、相場より大幅に価格を下げることになりかねません。
特に買い替えでは、家が売れる価格が分かると助かるね。
3ヶ月先の相場なんてどうなるか分からないからね。
リーマンショックの時も3ヶ月前に予想していた人なんて居なかったよ。
メリット7. 仲介手数料が不要
(仲介期間に売れず、結果として買取になった場合)
仲介手数料が不要です。
仲介手数料は、売却価格の3%+6万円とそれなりの金額。
家の売買価格 | 仲介手数料(税込) |
---|---|
500万円 | 231,000円 |
1,000万円 | 396,000円 |
1,500万円 | 561,000円 |
2,000万円 | 726,000円 |
2,500万円 | 891,000円 |
3,000万円 | 1,056,000円 |
3,500万円 | 1,221,000円 |
4,000万円 | 1,386,000円 |
5,000万円 | 1,716,000円 |
6,000万円 | 2,046,000円 |
7,000万円 | 2,376,000円 |
8,000万円 | 2,706,000円 |
買取で価格が安くなってしまう分、すこしでも手数料が浮くのは嬉しいですね。
仲介手数料は安くならないの?
買うときは上手く交渉すれば安くなるけど、売るときは無理に値切らない方が良いね。
不動産売買の仲介手数料の相場と値引きについて、必要な知識をまとめました。上手く値引きするコツと裏技も解説しています。
メリット8. (会社によっては)転売利益が還元される
(仲介期間に売れず、結果として買取になった場合)
『東急リバブル』と『野村の仲介+』は、転売して利益がでた場合、利益から手数料を引いた分を還元してくれます。
転売して高値で売れると、不動産会社に不信感を感じてしまいますが、差額が還元されると誠意を感じますね。
ただし転売して高値で売れるかは分からない。
不動産会社を選ぶときは、あくまで買取保証の査定価格を基準に選んだ方が良いね。
メリット9. 近所に内緒で売れる
(仲介で売ることにこだわらない場合)
近所に内緒で売れます。
近所に内緒で売ると、広告手段が限られるため仲介で売れる確率は下がります。
不動産会社には媒介契約前に、近所に内緒にしたい旨を話しておきましょう。
近所に内緒で売ると売れにくい理由はこちら
家を近所や親族に内緒で売る方法は4つあります。それぞれの特徴と成功するための対策をまとめました。あなたに最適な方法を選んでください。
メリット10. 無理な内覧は断れる
(仲介で売ることにこだわらない場合)
内覧に無理して対応しなくても良いというメリットも。
住みながら売る場合、内覧の対応は大変です。
相手の日程に合わせて、家を徹底的に片付け、物を減らし、掃除して、押し入れの中も整理して…
1回、2回だと良いのですが、5回、10回となってくると疲れます。
内覧について詳しくはこちら
家の売却での内覧には15のポイントがあります。内覧で家を売るために、知っておきたい知識をまとめました。
メリット11. リフォームの必要がない
(仲介で売ることにこだわらない場合)
無理にリフォームする必要もありません。
個人でリフォームをするとどうしても工事費が高くなり元が取れないので、リフォームは最小限にするのが定石。
その最小限のリフォームも買取り保証では不要です。
リフォームについて詳しくはこちら
家を売る前にリフォームは必要? 売却前のリフォームについて、国土交通省の調査結果から検証します。
仲介で売ることにこだわらなければ、売却も手を抜けるってことだね。
ただし不動産会社によっては断れない場合もあるから、契約前に確認しておこう。
ここまで買取保証のメリットについて解説しました。
次に注意点を解説します。
買取保証の5つの注意点
それぞれ解説します。
注意点1. 価格が安くなる傾向がある
買取保証で不動産会社が家を買い取る価格は、相場の7割〜最大9割です。
相場より安くなる理由は次の2つ。
- 不動産会社の査定価格が、普通の仲介より5〜10%ほど安くなる場合があるため。
- さらに買取価格が査定価格の最大90%になるため。
買取保証で高く売るためには、どうすればいいの?
複数の不動産会社に査定を依頼して、査定価格が高い会社を選ぶこと。
あと転売利益を還元する会社を選ぶことだね
注意点2. 一部の大手しか扱っていない
資金に余裕がある大手しかできないサービス
買取保証は一部の大手不動産会社しか扱っていません。
なぜなら買取保証は資金力に余裕がある大手しかできないサービスだから。
買取保証では買取るか直前になるまで分からないため、会社の資金繰りに十分な余裕が必要です。
余裕の無い中小不動産会社が無理に買取保証をすると、たまたま件数が重なって資金が枯渇し、倒産もしかねません。
大手も相次いで撤退
買取保証はあまり利用されないため、大手も相次いで撤退しています。
大手のうち「三井のリハウス」と「住友不動産販売」はサービスを中止。
まだ買取保証を扱う不動産会社は一部に限られます。
まだ買取保証を扱う代表的な4社
まだ買取保証が使える不動産会社4社はこちら。
大手にまとめて査定を依頼するなら、大手6社共同で運営する一括査定サイト「すまいValue」が便利です。
⇒すまいValue
SRE不動産(旧ソニー不動産)は個別に査定を依頼します。
⇒SRE不動産
資金に余裕がある大手しかできないサービスなんだね。
最初に売却保証を始めたのが東急リバブルだよ。
注意点3. 売出し価格と期間に制限がある
買取保証の仲介では、売り出し価格と期間、途中の価格戦略に制限があります。
東急リバブルは査定の120%で最長6ヶ月
東急リバブルの価格変更スケジュール例はこちら。
- 売り出し価格は最大で査定価格の120%
- 仲介期間の1/3で査定価格の105%以下に修正
- 仲介期間の2/3で売却保証額の105%以下に修正
- 買取価格は査定価格の最大90%
野村の仲介+は査定の120%で最長1年
野村の仲介+の価格変更スケジュール例(9ヶ月)はこちら。
- 売り出し価格は最大で査定価格の120%
- 120日前で査定価格の110%以下に修正
- 60日前で査定価格の100%以下に修正
- 30日前で売却保証額の106%以下に修正
- 仲介期間の2/3で売却保証額の105%以下に修正
- 買取価格は別途設定
SRE不動産は査定の115%で最長6ヶ月
SRE不動産の価格変更スケジュール例はこちら。
- 売り出し価格は最大で査定価格の115%
- 2ヶ月経過で査定価格の105%以下に修正
- 4ヶ月経過で売却保証額の105%以下に修正
- 買取価格は査定価格の最大80%
⇒SRE不動産
価格制限は不動産会社によって違うため、査定価格・買取保証価格と併せて確認しておきましょう。
査定価格の120%って売れるの?
近隣の競合が少ないと、十分ありえるね。
競合が少ないと買主は相場が分かりにくい。
だから希望条件に合えば、多少高くても購入するんだ。
注意点4. 売れない不人気物件は断られる
買取保証は、3ヶ月以内に売れるような人気物件が対象のサービス。
売れない不人気物件だと、買取保証を利用したくても断られます。
なぜなら不動産会社は買取り後、短期間で転売して資金を回収したいため。
例えば、最寄り駅からかなり遠い、過疎化が進んでいるなど、明らかに売れにくい物件は難しいでしょう。
断られたらダメなのか、、、
ただし不動産会社により判断基準は違う。
1社に断られても、あきらめずに他に当たってみよう。
中には引き受けてくれる不動産会社が見つかるかもしれないよ。
注意点5. 専属専任媒介契約で、途中で契約を破棄しにくい
媒介契約は3種類ありますが、買取保証では専属専任媒介契約しか選べません。
契約期間中(通常3ヶ月)は一方的に解約できず、無理に解約すると広告費用を請求される恐れがあります。
また専属専任媒介契約では、次の2つの制限もあります。
- 他の不動産会社と並行して契約できない。
- 売却途中で気が変わっても、自分で見つけた買取業者に売れない。
媒介契約の比較
項目 | 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任 媒介契約 |
---|---|---|---|
特徴 | 自由な契約 | 一般的な契約 | 厳しい契約 |
こんなタイプの人向き | 不動産の売却経験がある人 | 普通の人 | お任せしたい人 |
実際の契約数 (2022年実績) |
33% | 51% 一番多い |
16% |
他社との媒介契約 | ◯ | × | × |
自分で見つけた相手との直接契約 | ◯ | ◯ | × |
契約の有効期間 | 制限なし (行政指導により3ヶ月が一般的) |
最長3ヶ月 | 最長3ヶ月 |
指定流通機構(レインズ)への登録 | × 登録義務なし |
◯ 契約から7日以内 |
◯ 契約から5日以内 |
業務処理状況の報告義務 | 規定なし | 14日に1回以上 | 7日に1回以上 |
後悔しないために、契約前に複数の不動産会社の意見をよく聞き比べて、納得できる会社を選ぼう。
家を売るときには、不動産会社と媒介契約を結びます。この時に、最低限知っておきたい媒介契約の種類と選び方、そして注意点についてまとめました。
まとめ
不動産会社の買取保証は、仲介と即時買取の良いとこ取りで、メリットが多い売却方法です。
ただし注意点として、次の5つがあります。
買取保証で不動産会社を選ぶ3つの基準は、
- 査定価格と買取保証の価格が、最も高い会社
- 転売した利益を売主へ還元する『利益還元』がある会社
- (買い替えで必要なら)新しい家を先に購入できるつなぎ融資(立て替え払い)がある会社
1の価格を知るためには、実際に無料査定を依頼して、各社の査定価格と買取保証価格を聞きます。
2の利益還元があるのは、『東急リバブル・野村の仲介+』の2社。
3の買替えサポートは、東急リバブル・野村の仲介+・小田急不動産にあります。
とりあえずすまいValueで大手に、あとは東京14区ならSRE不動産に査定を依頼し、査定価格と利益還元の有無で選ぶと良いでしょう。
あなたの不動産売却が成功することを、心よりお祈りしております!
⇒すまいValue
⇒SRE不動産