「家を売りたいけど、家族・親族が反対している。どうすれば良いの?」

家の売却に反対するご家族・ご親族について、お悩みでしょうか。

このまま家を持っていても何かと大変だし、売った方がメリットが多い。
でも家族は家を売りたくないと言い張って譲らない。
なんとか皆が納得して、スッキリ家を売れたら理想的なのに。

そんなあなたのために、家の売却に反対する家族の説得について、分かりやすく解説します。

この記事の根拠は、2017年にノーベル経済学賞を受賞した「行動経済学」。

行動経済学によると、人は必ずしも正しい(経済的に合理的な)判断をせず、ある2つのポイントで判断します。

だから家を売りたくない人を説得するには、この2つのポイントで応えることが大切。

この記事では、家を売ることに反対する家族に納得してもらい、すっきり家を売るため方法を解説します。

あなたのお悩みが解決し、家の売却が成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。

家を売ることへの反対は「感覚・感情」が起こす

反対する家族イメージ
2017年にノーベル経済学賞を受賞したリチャード・セイラー博士

彼の提唱する行動経済学の理論によると、人は必ずしも正しい(経済的に合理的な)判断をせず、『感覚』と『感情』で判断します。

行動経済学によると、家を売ることに反対する人は、次の2つが原因で反対していることに。

  1. 家を売ると損をするのでは?という「感覚」で反対している
  2. 家を売りたくないという「感情」で反対している

つまり反対する人に心から納得してもらうためには、この「感覚」と「感情」に、それぞれキチンと応えることが必要なのです。

ハウスハウス

家を売ることに反対している人も、「幸せになりたい」という気持ちは同じだもんね。


家博士家博士

そうだね。
みんな幸せになりたいんだけど、その方法がすこし違うだけなんだよ。

「感覚」による反対への対応

専門家イメージ

「感覚」とは、家を売ると損するという思い込み

「感覚」とは、家を売ると損するのでは?という思い込みのこと。

家を売ると損すると思い込む3つの理由

なぜ家を売ると損するという思い込みがあるのか。

ほとんどの場合、理由は次のどれかです。

家を売ると損すると思い込む3つの理由
  1. 親世代の価値観によるもの。
    (家が値上がりを続けた高度成長期の経験)
  2. 知識が不足している。
    (家を維持するコストや家が劣化して価格が下がる事を知らない)
  3. 苦労して手に入れたために、実際以上の価値を感じている。
    (行動経済学で「保有効果」と呼ばれる)

外部の専門家の意見が効果的

この誤った思い込みに気づいてもらうためには、正しい「事実」を整理することに取り組んでみましょう。

できれば外部の専門家から得た数字の方が、相手も納得しやすいでしょう。

まず家がいくらで売れるのか確認

価格査定イメージ
まず今、家がいくらで売れるのかを明確にします。

家の価格を知るためには、外部の専門家である不動産会社に無料査定を依頼する方法が一般的。

不動産会社にとっては営業活動のひとつなので、無料で査定してくれます。
(売却の可能性がゼロだというと、査定してもらえませんので注意して下さい。)

不動産会社は1社だけでなく、できれば複数、3社〜6社の不動産会社に査定を依頼すると確実。

ポイントは、売却実績が豊富な不動産会社を選ぶこと。

ハウスハウス

不動産会社の心当たりがなければ、どうやって探せば良いの?

家博士家博士

一括査定サイトを利用すれば簡単だよ

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると良いでしょう。

家博士家博士

なるべく大手の不動産会社に査定をしてもらった方が、信頼性が高くて説得力あるよ


一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue
    おすすめ1位
    すまいValueバリュー
    査定実績:
    77万件(2016年開始)
    不動産会社数:
    大手6社(全国875店舗)
    運営会社:
    大手6社共同運営
    三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー
    実績 5.0
    不動産会社 4.5
    運営会社 5.0

    大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国875店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
    2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
    簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
    さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

    管理人のコメント

    地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

  2. 【公式サイト】すまいValue


  3. SRE不動産
    おすすめ2位
    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス(東証PRM)
    実績 4.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 5.0

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
    あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
    さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

    管理人のコメント

    エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

  4. 【公式サイト】SRE不動産


  5. HOME4U
    おすすめ3位
    HOME4Uホームフォーユー
    査定実績:
    累計50万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    2,100社
    運営会社:
    NTTデータ・スマートソーシング
    実績 5.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 4.0

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
    不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
    さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
    ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
    あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

各エリアで最適な組み合わせ



エリア別のオススメ一括査定サイト

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。

  • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。

  • 地方(人口密度が少ない地域)

    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。

簡単に試算してみる

査定価格の平均値をとる

不動産会社から家の査定価格を受け取ったら、各社の査定価格の平均値を今の家の価格とします。

もし1社だけ極端に高い又は安い見積りがあれば、その査定価格を外して残りの平均値でも良いでしょう。

ハウスハウス

なんで平均値なの?
一番高い査定価格じゃあダメなの?


家博士家博士

査定価格はあくまで売れるであろう予想価格だからね。
中には媒介契約を取るために、他社より高めの査定価格を出す不動産会社もいるんだ。


実際に売るときは、一番高い査定価格の不動産会社を信用しても良いのですが、まずは反対する人を説得することを考えます。

売却費用は5%で考える

次に家の価格を元に、家を売る費用を計算します。

家を売る費用は、おおよそ査定価格の5%と考えれば良いでしょう。

ちなみに家を売る費用のほとんどは、不動産会社へ支払う仲介手数料(3%+6万円)、残りは契約書の印紙代やローン関係の費用です。

もっと細かく費用を計算する場合は、こちらを合わせてお読み下さい。


ハウスハウス

家を売るのに費用がかかるんだね。


家博士家博士

あと税金も一応知っておこう

税金はほとんどが非課税

税金については、ほとんどの人は支払う必要ありません。

理由は、譲渡所得が3,000万円までは特例で非課税になるからです。

非課税になるための条件は、ざっくり…

  • 住まなくなって3年目の年末まで
  • 相続して3年目の年末まで

この条件にあてはまれば、ほぼ特別控除が利用でき、普通の家なら税金はかかりません。
【参考】国税庁・No.3302 マイホームを売ったときの特例
【参考】国税庁・No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
ちなみに課税されるのは、売却価格の一部、取得費と譲渡費用を除いた譲渡所得に課税されます。

譲渡所得の計算イメージはこちら

譲渡所得とは
譲渡所得と税金の計算、特例の条件について詳しくはこちら

相続の特例について詳しくはこちら

ハウスハウス

税金は、普通は無しで良いってことね。

売らない場合に将来かかる費用を把握

次に家を売らない場合に、家を維持することでどのくらいの費用がかかるのかを把握します。

次の様なコストとリスクを大雑把に計算しておきましょう。

【家を売らずに維持する場合の費用】

固定資産税・都市計画税
毎年送ってくる通知書か自動引き落としの履歴を確認します。
空き家用火災保険、地震保険、その他保険(施設賠償責任保険)
空き家の場合、火災保険は住宅物件ではなく一般物件になるので保険料が高くなります。ざっくり5割増し程度で考えておきましょう。空き家は放火などのリスクがあるので、火災保険は加入します。地震保険は無理に入る必要ありません。屋根や外壁が落ちて第3者がケガをするリスクに備える場合は、施設賠償責任保険も加入が必要です。
(戸建てでは)植栽管理費、管理委託費用、自主管理の場合は交通費や実費
戸建てでは庭の草木の管理が必要です。またポストのチラシや不法投棄されたゴミなどを定期的に清掃する必要も。
自分で通って管理する場合は交通費を考慮しましょう。
近隣の方へ依頼する場合は、謝礼を考慮しましょう。
(戸建てでは)外壁塗装・屋上防水などの維持補修費用
築15年以上では7〜10年に1回、築15年未満の最近の戸建てでは12〜15年に1回は外壁と屋根の補修が必要。費用は30坪で約100万円、坪3〜4万円程度です。
(マンションでは)修繕積立金、管理費
月々支払う修繕積立金と管理費。
修繕積立金は築年数が古くなると増額される傾向があります。
(マンションで築年数30年超は)大規模修繕一時金
大規模修繕は12年〜15年に一度行われ、修繕積立金が充てられます。しかし最近の工事費高騰で、特に築30年を超えるマンションでは修繕費が不足しています。
修繕費が不足すると、1戸あたり数十万〜百万円の修繕一時金を支払うこともあります。
【参考】マンション売却は大規模修繕のタイミングを考えて
(マンションで旧耐震設計は)耐震診断費、耐震補強工事費
旧耐震基準の設計(昭和56年(1981年)以前着工)の場合は、近い将来、耐震診断が義務化されると予想されます。(主要幹線道路沿いはすでに義務化されている。)
耐震診断の結果、地震耐力不足が判明すると、耐震補強工事が必要。
1戸あたりの負担は、数百万円になるケースもあります。
(マンションで築年数40年超は)建替え工事費
マンションも築40年を超えると建替えの話がでてきますが、ほとんどのマンションは建替えできません。
建替え工事には、新築マンションの5割〜7割の費用が必要になる場合が多いためです。
【参考】マンションは古くなる前に売る? マンション寿命と建て替えの真実
(ローンがあれば)ローン返済(利子、元本)
住宅ローンが残っている場合は、新しい家の住宅ローンを借りることも難しくなります。

ハウスハウス

なんだか急に難しくなったね。


家博士家博士

あとに計算例があるから、大体はその数字を使えばいいよ。

貸した方が良いと思っているなら、貸した場合もシミュレーションを

家を売ることに反対している人が、「家を貸す方が良いのでは」と考えているなら、貸した場合のシミュレーションも必要です。

家を貸す場合にかかる費用とリスクをまとめて試算します。

【家を貸した場合の費用とリスク】

空室リスク
賃貸で一番恐ろしいのが空室のリスク。空室だと家賃が入らないのに経費だけがかかります。賃貸情報サイトで近所の賃貸募集情報を検索すると、競合がどのくらい空室なのかが分かります。あなたの家と同じ間取り、駅からの距離で何室くらい空室があるのか確認しましょう。一般的には空室リスクを15%くらい(2年間入居して4ヶ月空室のイメージ)でシミュレーションします。
入居者募集の広告費
入居者を募集するためには、広告費が必要です。管理会社へ家賃1ヶ月分、入居者を見つけた不動産会社へ1ヶ月〜2ヶ月の広告費を支払います。札幌や福岡などの賃貸激戦区では不動産会社へ3ヶ月以上支払う場合もあります。
リフォーム費、原状回復費
入居者から原状回復費を徴収することは、かなり難しくなりました。国土交通省のガイドラインによると、タバコのヤニなどを除いてほとんどがオーナー負担。その情報がインターネットなどで拡散しています。原状回復費の目安は1年間で床面積m2×0.3万円くらい。
貸している間に家の価格が下落するリスク
家の価格は古くなった分だけ安くなります。戸建てでは築20年で建物価格が1/10に、マンションでも平均で年間1.7%ずつ建物価格が下落するという国土交通省のデータがあります。さらに今の不動産相場が下落すると、土地の価格も下落します。いずれ売る予定なら、早く売る方がトータルでは利益になるのです。
人に貸したまま売ると安くなる
他人に貸した状態で家を売ると、投資物件として利回りで価格が決まるため、空き家で売るより5〜30%ほど安くなります。普通の賃貸契約を結ぶと、大家の都合で入居者を追い出すことはできません。定期借家など特殊な契約では追い出せますが、敬遠されるため家賃が安くなります。
住まなくなって3年で税金の3,000万円控除がなくなる
家を貸している間に3年が経つと、売却したときの3,000万円の特別控除が使えなくなります。譲渡所得に税金がかかるので、多額の納税が発生します。
住宅ローンもローン控除も使えなくなる
住宅ローンは他人に貸すと使えなくなり、金利が1〜2%高いアパートローンになります。銀行の担当者次第では、見逃してくれる場合もありますが、期待はしない方がよいでしょう。住宅ローン控除も住んでいない家には使えません。

家を貸すときの詳細についてはこちら


ハウスハウス

貸した場合の計算も難しいね。


家博士家博士

後の計算例をみれば、なんとなく分かると思うよ。
分からなければ詳細は別の記事で説明しているので、そちらを読んでね。

家を売った場合と売らない場合の比較例

家を売った場合と売らない場合の比較をします。

ここでは、次の金額で計算しています。

  • ローン残債:1,800万円
  • 家の査定価格:2,500万円

家を売った場合の例

家を売った場合の計算例

家の価格 2,500万円
ローン残債 -1,800万円
売却費用 -100万円
税金 0円
手元に残るお金 600万円

ハウスハウス

売った場合の計算は、シンプルだね。


家博士家博士

賃貸などに住み替えるなら、その分の費用が追加で必要だね。

家を売らずに維持する場合

家を売らない場合、建物が耐用年数の限界を迎えて、取り壊すまでを考えます。

戸建て住宅では築40年くらいが取り壊すひとつの目安、マンションでは築50年位で建替や解体の話が検討されます。

今の築年数から残りの年数を計算しましょう。

【家を売らない場合の計算例】
(築10年の戸建て、30年後の解体まで保有)

住宅ローン
※完済までの総支払額
-1,800万円
固定資産税・都市計画税
※取り壊しまで総額
-300万円
火災保険等
※取り壊しまで総額
-60万円
管理費用
※取り壊しまで総額
-300万円
維持補修費用
※取り壊しまで総額
-300万円
建物解体費用 -100万円
必要な費用(30年間) -2,860万円
家博士家博士

戸建は最後に土地が残るけど、田舎だとほとんど価値は無い。
ちなみにタレントの松本明子さんは、実家の維持に25年間で1800万円かかった。

【家を売らない場合の計算例】
(築20年のマンション、30年後の解体まで保有)

住宅ローン
※完済までの総支払額
-2,000万円
固定資産税・都市計画税
※取り壊しまで総額
-300万円
火災保険等
※取り壊しまで総額
-40万円
管理費
※取り壊しまで総額
-250万円
修繕積立金
※取り壊しまで総額
-500万円
修繕一時金
※取り壊しまで総額
-200万円
建物解体費用 -300万円
必要な費用(30年間) -3,590万円

ハウスハウス

建物を解体したらどうなるの?


家博士家博士

マンションの場合は、建替えでなく最後に敷地を売却するケースが多いね。
区分所有分の土地売却代金が残るよ。

土地の価格は路線価からザックリ計算できる

土地の価格は、路線価を使えばザックリ計算できます。

実勢価格=路線価÷0.8

【参考】国税庁・路線価図

詳しい計算はこちらの記事で解説しています。

ただし路線価で分かるのは現在のザックリした価格なので、将来はどうなるか分かりません。

家を売らずに貸して維持した場合

家を売らずに貸すと、家賃収入がありますが、広告費や原状回復費も必要になります。

ローンが残っていると、トータルで黒字にすることは難しいのが現実です。

【家を売らずに貸した場合の計算例】
(築20年のマンション、30年後の解体まで保有)

家賃収入
※年-1.5%程度家賃が下がる
2,450万円
広告費 -300万円
現状復旧・リフォーム費 -400万円
アパートローン
※完済までの総支払額
-2,400万円
固定資産税・都市計画税
※取り壊しまで総額
-300万円
火災保険等
※取り壊しまで総額
-40万円
管理費
※取り壊しまで総額
-250万円
修繕積立金
※取り壊しまで総額
-500万円
修繕一時金
※取り壊しまで総額
-200万円
建物解体費用 -300万円
必要な費用(30年間) -2,240万円

ハウスハウス

アパートローンって何?


家博士家博士

家を他人に貸した場合は、住宅ローンでなく、金利が高いアパートローンに借り換える必要があるんだ。


マンションの場合は、建替えでなく建物を解体して敷地を売却するケースが多いでしょう。
その場合は、区分所有分の土地売却代金が残ります。

「感情」による反対への対応

次は家を売ることに反対する人の感情について考えましょう。

気持ちを考えて説明する

感情による反対へは、反対する人の気持を考えて説明しましょう。

あなたが反対する人の気持ちに寄り添い、心を込めて説明すれば、反対する人は心から家を売ることに賛成してくれます。

人を動かすための本質は名著が教えてくれる

家の売却に反対する人が、心から家を売りたいと思うためには、この本が役に立ちます。

人を動かす

「人を動かす」
デール・カーネギー著

1936年初版出版以来、世界で1,500万部以上が売れ、今も改訂版が売れ続けている名著。

これ以降に出版されたマネジメント本は、多少なりともこの本の影響を受けています。

この本には、人を動かすための本質が書かれています。

人を動かす3原則

家を売ることに反対する人を動かすためには、何が大切なのでしょうか。

「人を動かす」によると、人を動かすためには次の3つの原則が大切だとされています。

人を動かすための3原則

  • 批判も非難もしない。苦情も言わない。
  • 率直で誠実な評価を与える。
  • 強い要求を起こさせる。

ハウスハウス

どういうこと?


家博士家博士

それぞれ詳しく説明しよう。

批判も非難もしない。苦情も言わない。

人間はたとえ自分がどんなに間違っていても、決して自分が悪いとは思いたがらないものだ。

およそ人を扱う場合には、相手を論理の動物だと思ってはならない。

相手は感情の動物であり、しかも偏見に満ち、自尊心と虚栄心によって行動するということをよく心得ておかねばならない。

他人のあら捜しは、何の役にもたたない。

相手はすぐさま防御態勢を敷いて、なんとか自分を正当化しようとするだろう。

それに自尊心を傷つけられた相手は、結局、反抗心を起こすことになり、まことに危険である。

誰から見ても間違っている人、例えば盗人や殺人犯ですら、自分の事を正しいと信じています。

ハウスハウス

みんな、自分が正しいと考えてるんだね。


家博士家博士

そうだね。
家を売ることに反対する人も、自分を正しいと考えているよ。
一方的に否定しても、逆効果なんだ。

率直で誠実な評価を与える。

家を売ることに反対する人が、反対から賛成に変わるためには、心を変える動機が必要です。

人を動かす秘訣は、自ら動きたくなる気持ちを起こさせること。

心理学者ウィリアム・ジェームスは、「人間の持つ性情のうちで最も強いものは、他人に認められることを渇望する気持ちである」と言う。

ハウスハウス

じゃあ、どうすればいいの?


家博士家博士

家を売るのに反対する人を動かすためには、その人を認めること。
反対する人を重要だと思っていることを、きちんと伝えることが大切なんだ。


しかし、お世辞やウソの意見ではいけません。

結局のところ、お世辞と言うものは、利益よりはむしろ害をもたらすものだ。お世辞は偽物である。

お世辞と感嘆の言葉とはどう違うか?

答えは簡単である。

感嘆は真実であり、お世辞は真実ではない。

感嘆は心から出るが、お世辞は口から出る。

感嘆は誰からも喜ばれ、お世辞は誰からも嫌われる。

深い思いやりから出る感謝の言葉を振りまきながら日々を過ごす。

これが人を動かす秘訣である。

ハウスハウス

お世辞じゃだめなんだね。


家博士家博士

家を売ることに反対する人を、まず大切な人だと認めて、日々の感謝や感嘆を伝えてみよう。

強い要求を起こさせる

家を売ることに反対する人の立場になって、どうすれば家を売りたくなるかを考えることも大切です。

心理学者オーヴァストリートによると「まず、相手の心の中に強い欲求を起こさせること。これをやれる人は、万人の支持を得ることに成功し、やれない人は、一人の支持者を得ることにも失敗する。」

人を説得して何かをやらせようと思えば、口を開く前に、まず自分に尋ねてみることだ。

「どうすれば、そうしたくなる気持ちを相手におこさせることができるか?

ハウスハウス

家を売ることに反対する人は、どうすれば家を売りたくなるのかな。


家博士家博士

ここで家を売った場合と売らない場合のシミュレーションが役に立つよ。

反対する人を動かす「具体的な方法」

家を売ることに反対する人を動かすためには、例えばこの様な流れが考えられます。

まず相手の主張「家を売りたくない」という主張にも一理あることを認めましょう。
(批判も非難もしない。苦情も言わない。)

次に、日頃の感謝を伝えます。
そして、家を売りたくないという気持ちを大切にしたいと思い、なんとか売らない方法を考えたと説明します。
(率直で誠実な評価を与えます)

シミュレーションした結果、家を売らずに維持するためにはこれだけの費用が必要になる。
これだけのお金を用意するために、今後は一緒に節約する人生になる。
わたしも〇〇を辞めるので、あなたも〇〇を辞めると〇〇円くらいの節約になる…。
どうだろうか…。
(相手に家を売りたいという強い要求を起こさせる)

あなたの誠意を示せば、きっと相手にも伝わるはずです。

人を説得する12原則

家を売ることに反対する人を具体的に説得する方法についても、「人を動かす」に参考になる記載があります。

【人を説得する原則】

  1. 議論を避ける
  2. 誤りを指摘しない
  3. 誤りを認める
  4. 穏やかに話す
  5. 「イエス」と答えられる問題を選ぶ
  6. しゃべらせる
  7. 思いつかせる
  8. 人の身になる
  9. 同情を寄せる
  10. 美しい心情に呼びかける
  11. 演出を考える
  12. 対抗意識を刺激する

それぞれ、話をするときにヒントになるでしょう。

さらに詳しい内容は書籍をお読み下さい。

ハウスハウス

反対する気持ちを批判せず、感謝して、冷静に現状を説明するってことだね。


家博士家博士

今後の住宅事情も少し知っておくと、役に立つよ。

長期的には下落する不動産価格

歴史上で初の人口減少が加速

日本では2008年を境に人口が減少。

歴史上で初めての人口減少期に入り、その勢いは急激に加速しています。

日本の長期人口変化

日本の長期人口変化

人口は急減も、新築は建てられ、空き家が急増

しかし新築住宅は年間80万戸ペースで次々と建築。

結果として、空き家率は2018年時点で13.6%。

今後は急激に空き家が増加します。

日本人の人口・世帯数と住宅戸数

住宅戸数と世帯数の変化2018年rev3

2040年には住宅が半値になる予想も

シンガポール国立大学の研究によると、日本の住宅価格は2010年→2040年の30年で平均46%下がる(価格は半額)と予想されています。

(※出典:Analysis of policy options to address Japan’s declining population, shrinking birthrate, and aging society

国土交通省の「国土の長期展望」によると、2050年には

  • 5割の地域で、人口が現在の半分以下になる。
  • 2割の地域で、無人化する。

ことが分かっています。

ハウスハウス

でも田舎の話で、都市は大丈夫だよね。


家博士家博士

都市部でも高齢化が急速に進んで、空き家が急増しているよ。

都市部でも高齢化で空き家が急増

持ち家の27%が空き家予備軍

2025年には団塊の世代が75歳以上になり、多くの人が施設へ入居します。

そうなると空き家は一気に増加。

すでに2018年時点で、全国の居住中の持ち家2,864万戸に対し、779万戸(27%)が65歳以上の高齢者のみの世帯。

実に27%もの住宅が「空き家予備軍」となっているのです。

地方だけでなく、東名阪(東京・名古屋・大阪圏)エリアでも空き家予備軍は370万戸(27%)。

実際にこれだけ空き家が増えると、家を売ろうにも供給過多で売れないことが予想されます。

空き家予備軍の割合(2018年時点)

空き家予備軍

首都圏でも、すでに売れないエリアが

家博士家博士

そもそも、今でもすでに売れないエリアがある。それも、東京に近いエリアですら、ものすごい勢いで地価が下落していたりするんだ

例えば、千葉県松戸市にある小金原団地は、1969年に整備された大規模な団地(賃貸・分譲併せておよそ3000戸)です。

築年数は49年。

建物の老朽化だけでなく高齢化も進んでおり、周辺地域の高齢化率は50%に届く勢いとなっています。

周辺エリアの地価下落率はこの10年で26%。

築40年以上の大規模団地の中でも、最大の下落率となりました。

「首都圏だから大丈夫」と、悠長なことを言っていられない状況になっているのです。

家を相続するより売ったほうが良いケースも多い

日本では、急激な人口減少と高齢化により、地方を中心に家の価値が下落しています。

一部の都心部を除くと、長期的に価値を維持できる不動産は少なく、地方の過疎地では売ることすら難しくなってきています。

家を売ることに反対している方が、相続に強いこだわりをもっている場合は、こちらも合わせてお読みください。

まとめ

家を売ることに反対する家族・親族が、納得して円満解決するためには、「感覚」と「感情」に対応しましょう。

具体的には

  • 感覚に対して、専門家の査定を元にシミュレーションして比較する。
  • 感情に対して、気持ちに寄り添い人を動かす3原則で話し合う。

長期的に日本の不動産の未来は厳しい状況です。

不動産は、売れるうちに手放す方が良いケースが多いでしょう。

あなたのご家族・ご親族が納得し、円満に家が売れることを心よりお祈りしております!

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue
    おすすめ1位
    すまいValueバリュー
    査定実績:
    77万件(2016年開始)
    不動産会社数:
    大手6社(全国875店舗)
    運営会社:
    大手6社共同運営
    三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー
    実績 5.0
    不動産会社 4.5
    運営会社 5.0

    大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国875店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
    2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
    簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
    さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

    管理人のコメント

    地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

  2. 【公式サイト】すまいValue


  3. SRE不動産
    おすすめ2位
    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス(東証PRM)
    実績 4.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 5.0

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
    あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
    さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

    管理人のコメント

    エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

  4. 【公式サイト】SRE不動産


  5. HOME4U
    おすすめ3位
    HOME4Uホームフォーユー
    査定実績:
    累計50万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    2,100社
    運営会社:
    NTTデータ・スマートソーシング
    実績 5.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 4.0

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
    不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
    さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
    ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
    あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

各エリアで最適な組み合わせ



エリア別のオススメ一括査定サイト

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。

  • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。

  • 地方(人口密度が少ない地域)

    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。