「共有名義の不動産を売却したいけど、どうすれば良いの?」

共有名義の不動産売却でお悩みですね。

確かに共有名義の不動産を売ると、契約や税金など複雑でトラブルになることがあります。

また共有者が売却に反対していると、そもそも普通に売れないという問題も。

この記事では、共有名義の不動産を売却する4つの方法について、高く売るコツや注意点を分かりやすくまとめました。

また相続と離婚で共有名義の不動産を売却する注意点も解説

あなたの共有名義の不動産をスムーズに売却するために、この記事がお役に立てば幸いです。

共有名義の不動産を売る4つの方法

共有名義の不動産を売る方法は4つあり、「売却に全ての共有者が賛成しているか?」で選択肢が違います。

全員が賛成すれば、普通に売却できる

共有者全員が売却に賛成すれば、普通に売却できます。

この場合は、

売却に反対する共有者がいると特殊な方法で

共有名義の中に売却に反対する人がいて、どうしても説得できない場合、特殊な売却方法を選択するしかありません。

売却方法の選択肢は次の3つ。

それぞれ後で詳しく解説します。

分筆とは
共有者で土地を分けて、それぞれ単独の所有者として登記し直すこと。
分筆して売却すれば、自分の所有する土地に関して他の人は関係なくなります。
ただし分筆には費用がかかり、全員が納得することが難しいというデメリットもあります。

ハウスハウス

共有者が反対すると大変なんだね


反対する人を説得する方法については、こちらで解説しています。

それぞれの方法を解説します。

方法1. 共有名義のまま不動産を売却する

専門家イメージ
共有名義のまま不動産を売却する方法は、基本的に普通の不動産売却と同じ。

不動産を売却する方法は、こちらで詳しく解説しています。

共有名義で売却する5つの注意点

ただし共有名義で売却するときは、次の注意点があります。

それぞれ解説します。

注意点1. 契約内容を事前に全員で確認する

共有名義のまま不動産を売却する場合は、契約内容を事前に全員で確認しておきましょう。

なぜなら細かい点で互いの認識がズレて、トラブルになる恐れがあるため。

例えば、

  • エアコンを残置するか
  • 売却諸費用の合計金額
  • 設備の修理費の負担
  • 測量費用の負担
  • 売却価格の交渉と最終金額

特に金額は、「聞いてなかった」と売買契約当日にモメがち。

ほんのわずかな認識のズレが感情的なもつれになり、後でトラブルになることも多いのです。

注意点2. 売買契約には全員出席が基本

売買契約の手続きには、名義人全員が出席するのが基本。

なぜなら、契約当日に気付いた細かい条件を、後から契約書に手書きで書き加えるケースもあるため。

どうしても出席できないなら代理も可

どうしても出席できない場合は、誰か代理で出席する方法もあります。

ただしできれば出席した方がトラブルにはなりにくいでしょう。

代理人を立てるなら委任状と添付書類(印鑑証明書や本人確認書類など)が必要です。

代理人については、こちらで解説しています。

注意点3. 売却代金は持分比率で分ける

売却代金は、不動産の持分比率で分けます。

正確には、売却費用がかかるので、代金から費用を引いて残った金額を分けます。

ハウスハウス

持分比率が分からない場合はどうするの?

家博士家博士

持分比率は不動産会社が調べてくれるけど、自分でも登記で確認できるよ。
登記・供託オンライン申請システムなら、オンラインで送付請求できるんだ。

【参考】法務局・登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です

登記については、こちらで詳しく解説しています。

注意点4. 税金の3,000万円の特例は1人あたり

マイホームの売却では、利益(譲渡所得)が3000万円までは特例で非課税ですが、この特例は1人あたり。

つまり共有名義では、それぞれ1人あたり3000万円まで非課税になります。

【参考】国税庁・No.3302 マイホームを売ったときの特例
不動産を売却した利益(譲渡所得)は次のイメージ。

譲渡所得イメージ

不動産売却の譲渡所得について、詳しくはこちらも合わせてお読み下さい。

ただし買い替えでは住宅ローン控除と併用できない

ただし家を買い替える場合は、3000万円の特例と新しい家の住宅ローン控除は併用できません。

どちらがお得か比較して、一方だけ適用するしかありません。

家を買い替える場合の特例については、こちらで詳しく説明しています。

相続した不動産を売却した場合も同様に3000万円の特例があります。

相続によって空き家になった不動産を相続人が売却した場合、適用条件を満たせば譲渡所得から3,000万円を控除可能です。

【参考】国税庁・No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

相続の特例について、こちらで詳しく説明しています。

注意点5. 売却前に単独名義にする必要はない

そのままで良いイメージ
共有名義の不動産を売る前に、単独名義にする必要はありません。

むしろ共有のままの方がメリットは多いです。

単独名義にすると手続きがスムーズになる一方、次のデメリットがあります。

デメリット1. 所有権移転登記・不動産取得税などの費用がかかる

共有名義から単独名義に変更する際には、所有権移転登記が必要。

所有権移転登記には登録免許税(国税庁・No.7191 登録免許税の税額表)、司法書士費用(4万〜6万円)がかかります。

また不動産取得税(東京都・不動産取得税)もかかります。

デメリット2. 相応の金額を支払わないと贈与税の対象になる

売買せずに(無償で)名義変更してしまうと、贈与とみなされ贈与税の対象になります。

贈与税には110万円の控除があるものの、税率が高いため結果的に損してしまう恐れがあります。

ハウスハウス

ということは、単独名義にするなら贈与でなく売買した方が良いんだね


家博士家博士

そうだけど、売買するなら身内でも売買契約が必要だよ


この他にも、後で想定外の価格で売れた場合にトラブルになりやすいという心配もあります。

デメリット3. 税金の特例が1人分しか使えない

共有名義の不動産を売却した場合は、共有者それぞれに特例が適用されます。

たとえば、3人で共有している不動産を売却した場合は、3,000万円×3人で9,000万円相当の控除が受けられるということです。

しかし、単独名義にしてしまうと、特例が受けられるのは名義人1人だけ。

3,000万円相当の控除しか受けられません。

ハウスハウス

とにかく売却前に単独名義にせず、共有名義のまま売却した方が良いよ

共有名義のまま高く売る3つのコツ

高く売るイメージ

共有名義のまま高く売る3つのコツ

  1. 買取でなく仲介で普通に売る
  2. 査定時に全員が賛成していると伝える
  3. 優秀で信頼できる不動産会社を選ぶ

それぞれ解説します。

コツ1. 買取でなく仲介で普通に売る

共有名義の不動産を高く売却するなら、買取でなく仲介で普通に売りましょう。

なぜなら買取では、最短1週間で売却できますが、価格が相場の6〜8割に安くなってしまうため。

買取では、買い取った不動産を相場価格で転売するため、相場より2割以上安くなるのです。

仲介と買取のイメージ

コツ2. 査定時に全員が賛成していると伝える

共有名義の不動産を高く売るためには、不動産会社へ査定を依頼するときに、名義人全員が売却に賛成していることを伝えましょう。

なぜなら共有名義は、不動産会社にとって売却に手間がかかるリスクがあるため。

不動産会社の中には、手間を嫌がって売却を断るために、査定価格を低めにしたり、査定すら断る会社も。

確かに、不動産会社がせっかく手間をかけて査定しても、共有者が反対していればそもそも売れません。

あらかじめ共有名義でも売却に問題ないと説明すれば、不動産会社も普通の不動産として扱ってくれます。

コツ3. 優秀で信頼できる不動産会社を選ぶ

共有名義の不動産売却が成功するかは、不動産会社選びで8割が決まります。

売却を成功するためには、優秀で信頼できる不動産会社を選びましょう。

優秀で信頼できる不動産会社を選ぶ手順は、

  1. エリアで売買実績が豊富な不動産会社を選ぶ
  2. その中から3〜6社の不動産会社へ無料査定を依頼して、話を聴き比べる



ハウスハウス

売却実績が豊富な不動産会社はどうやって探せば良いの?


家博士家博士

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利だよ。


一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue
    おすすめ1位
    すまいValueバリュー
    査定実績:
    40万件(2016年開始)
    不動産会社数:
    大手6社(全国900店舗)
    運営会社:
    大手6社共同運営
    三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所ハウスネット
    実績 5.0
    不動産会社 4.5
    運営会社 5.0

    大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国900店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
    2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
    簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
    さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

    管理人のコメント

    地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

  2. 【公式サイト】すまいValue


  3. SRE不動産
    おすすめ2位
    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス(東証PRM)
    実績 4.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 5.0

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
    あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
    さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

    管理人のコメント

    エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

  4. 【公式サイト】SRE不動産


  5. HOME4U
    おすすめ3位
    HOME4Uホームフォーユー
    査定実績:
    累計50万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    2,100社
    運営会社:
    NTTデータ・スマートソーシング
    実績 5.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 4.0

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
    不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
    さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
    ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
    あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

各エリアで最適な組み合わせ



エリア別のオススメ一括査定サイト

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。

  • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。

  • 地方(人口密度が少ない地域)

    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。


共有者全員が売却に同意していない場合は、3つの売り方から最善と思われるものを選びます。

まず『あなたの持分を共有者へ売る方法』から見ていきましょう。

方法2. あなたの持分を共有者へ売る

持分売買イメージ
持ち分を共有者へ売る場合は、まず価格をいくらにするか決めるのが難しいという問題があります。

価格をいくらにするか

自分の持分を共有者へ売る場合、最も難しいのが価格をいくらにするのかという点。

基本は不動産会社の査定価格を平均する

正しい不動産価格を知るためには、不動産会社の査定価格を利用する方法が一般的です。

具体的な手順はこちら。

  1. 複数(3社以上)の不動産会社へ無料査定を依頼
  2. 各社の査定価格の平均値を正しい価格とする
  3. その価格を持分比率で割る

不動産会社に相談すると、売却に反対する共有者を説得してもらえる可能性もあります。

また思わぬ高値の査定価格で、共有者の気が変わり、売却することになるかもしれません。

不動産会社は、こういった権利関係について経験豊富なので、不動産会社に査定を依頼すると同時に、相談してみましょう。

不動産会社の心当たりが無ければ、一括査定サイトを利用すると便利です。

ポータルサイトの売出し価格は、売残り価格で参考にならない

不動産ポータルサイトなどから、近隣の売り出し価格を見て価格を決めるのはトラブルになりがち。

なぜならポータルサイトなどで掲載されているのは「売り出し価格」であくまで売主の希望価格、簡単に言うと「売れ残っている価格」だから。

実は、不動産の売却では、売り出してもその半分以上が結局売れずに売却を諦めるもの。

売却できた不動産も、多くが価格交渉の結果、売り出し価格より安い価格で売買されます。

つまり正確な不動産価格を知るためには、実際に売買が成立した「成約価格」を知る必要があるのです。

ところが成約価格が登録されたデータベース「レインズ」は、不動産会社しか使えません。

レインズとは
国土交通省の指定流通機関である、不動産流通機構が運営するデータベース。
過去の取引事例、現在の売り出し物件情報が登録されています。
不動産会社しか利用できません。
(参考)家を売るときに知っておきたい「レインズ」のこと

不動産鑑定士の価格調査という方法もある

不動産会社を利用したくない場合は、費用がかかりますが不動産鑑定士に価格調査を依頼する方法もあります。

費用の相場は、戸建て住宅で13万円〜、マンションで15万円〜。

ただし不動産鑑定士はレインズを見ることができず、実際の不動産売買には詳しくないため、実売価格とは多少誤差があります。

詳しくは、こちらで解説しています。

土地は地価公示と路線価でも推定できる

土地だけなら、地価公示と路線価で、ある程度は価格が推定できます。

土地の価格を知る方法について、詳しくはこちらの記事も合わせてお読み下さい。

価格が市場価値と違いすぎると贈与税の対象になることも

共有者へ売るときに、市場価値より安すぎる場合は贈与とみなされてしまい、贈与税の対象になる事も。

適切な価格かどうかを判断するのは容易ではないのです。

家博士家博士

特に高額な土地では、税理士などに相談した方が良いよ。

税務署は法務局(登記する所)から不動産の所有権移転情報を入手しています。

特に親子や兄弟姉妹の間の移転については、時価と乖離(かいり)した売買が行われがちなので、念入りにチェックされます。

金額が大きな場合や不安な場合は、税務署や税理士に相談しましょう。

所有権移転登記、各種税金はある

共有者間での売買であっても、所有権移転登記や税金があります。

所有権移転登記の費用や税金として、次のものがあります。

所有権の移転登記で必要なのが、登録免許税と司法書士費用。

印紙税は、売買契約書に貼る印紙の費用です。

不動産取得税は、売買後6ヶ月〜1年くらいで都道府県から納税通知が届きます。

所得税・住民税は、売買翌年の2月中旬〜3月中旬に確定申告して、納税します。

ハウスハウス

共有者に自分の持分を売る場合は、不動産会社は使わないの?


家博士家博士

自分の持分を売る時でも、不動産会社を使うことも多い。
価格設定が難しいこともあって、不動産会社の一括査定を利用するから、そのままお任せする人も多いんだ。

方法3. あなたの持分だけを専門業者へ売る

不動産会社イメージ
自分の持分だけを専門業者へ売却することもできます。

しかし、価格が大幅に安くなってしまうため、あくまでも最後の手段。

この場合、他の共有名義人の同意がなくても売却は可能です。

ハウスハウス

専門業者に売ることしかできないの?

家博士家博士

制約の多い共有名義の不動産を買う人は、まずいないと考えた方が良いね。

専門業者は、一括査定サイトで探すことができます。

共有名義を専門に買取るサービスも

共有名義を買取るサービスもあります。

難しいことは苦手なので、とにかく相談したいあなたは、借地権の売却を相談できるこちらのサービスで問合せてみて下さい。
【訳アリ物件買取PRO】

方法4. 土地を分筆して売る

売買契約イメージ
分筆とは、一つの土地を分けて、それぞれ単独の所有権を登記すること。

もともと共有名義の土地であっても分筆すれば個人の土地となるため、個人の意思で自由に土地を売却できるようになります。

分筆の注意点

分筆すれば個人の意思で売却も可能になりますが、分筆にあたっては注意点もあります。

注意1. 接道次第で土地の価値が変わる

土地の価値に大きく影響するのが、その土地に接する道路(接道)です。

なぜなら、接道の有無によって建物が建てられる土地かどうかが変わるから。

道路に接していない土地は建物が建てられないため、その土地は無価値に。

旗竿地にするといった工夫次第では建物が建てられるようになりますが、価値は低くなります。

注意2. とにかく分け方が難しい

持分比率に応じて土地を分けるのが望ましいところですが、面積は簡単に分けられたとしても、価値を比率に応じて分けるのは至難の業。

前に書いた通り、土地の価値は接道の有無だけでも大きく変わります。

どう分けるかが一番難しく、トラブルになりやすいのです。

注意3. 共有者の同意が必要

分筆した後の土地は個人の意思だけで売却できますが、分筆するためには共有者の同意が必要です。

「売却には反対だけど、分筆なら賛成」ということであれば良いのですが、そうでなければ説得するか別の方法を考えるしかありません。

注意4. そもそも分けられない土地もある

例えば多くの住宅地では、土地の最低限度が決まっており100m2以下に分筆できないため、人数×100m2未満の土地は分筆できません。

地域によっては100m2以上で最大200m2という最低限度の場合もあるので、市区町村役所の都市計画課や建築指導課へ確認が必要です。

すでに不動産会社が決まっている場合は、不動産会社が調べてくれます。

ハウスハウス

分筆も簡単にできるというわけではないんだね

家博士家博士

そもそも分筆するかどうかや、どう分けるかといった部分で揉める可能性もあるからね。
分筆することに同意が得られたなら、次の手順に沿って手続きを進めよう

分筆の手順

手順1. 測量及び境界確定

まずはどう分けるかを決めたうえで、測量と境界確定を行います。

測量や境界確定には費用がかかります。

手順2. 分筆登記申請

分筆登記申請には申請書の他、添付書類として筆界確認書(境界確認書や境界の同意書など)と地積測量図が必要です。

分筆したとはいえ土地自体はまだ共有名義のままなので、分筆登記は共有者全員で行います。

ハウスハウス

添付書類として筆界確認書や地積測量図が必要だから、事前に測量などを行うんだね


家博士家博士

そう。それから、分筆登記には登録免許税も必要。費用は、分筆登記後の筆数×1,000円だよ


例えば、分筆登記後に土地が三筆になれば、登録免許税は3,000円です。
なお、分筆登記は土地家屋調査士が行います。

手順3. 所有権移転登記

分筆登記が済んでも、分筆後の土地は共有名義のままの状態。

所有権移転登記を行うことで初めて、それぞれの土地が単独名義の土地となります。

所有権移転登記は司法書士が行い、登録免許税が必要です。

相続した不動産を共有名義で売却する場合

遺言書イメージ
土地の所有者が亡くなり複数人で相続したような場合も、その土地は共有名義となります。

この場合、売買契約の前に済ませておかなければならないのが相続登記。

なお、遺産分割協議において相続した土地の売却が決まった場合は、複数の相続人がいたとしても代表者一人の名義で登記し、共有持分にあたる金額を他の相続人に支払う方法が一般的です。

ハウスハウス

一人の名義で登記すると、贈与とみなされる可能性があるんじゃないの?


家博士家博士

相続時に関しては、贈与とみなされることはないんだ。
ただし、遺産分割協議書などには便宜上、代表者一人の名義で登記していることなどを明記しておくのがオススメ。
税務署に対して、きちんとした理由があることを伝えておくのが安心だよ

複数名義にしておいた方が有利な場合もある

売却価格が高額な場合は、複数名義のままで売却する方が有利な場合もあります。

これは、複数名義のままなら「空き家の3,000万円の特別控除」も複数人で利用できるため。

一人の名義にしてしまうと控除額は3,000万円ですが、複数名義の場合は名義人それぞれ3,000万円の控除が受けられるのです。

家博士家博士

例えば、4人で共有している不動産であれば、3,000万円×4人で1億2,000万円相当の控除が受けられるよ

まずは不動産会社に査定を依頼して、いくらで売却できそうなのかを確認してみるのがオススメです。

離婚で共有名義不動産を売却する場合

離婚イメージ
離婚によって、共有名義の不動産を売却することもあります。

この場合、まず確認しておきたいのが売却価格と住宅ローン残高。

なぜなら、住宅ローンがオーバーローンになっているケースが多いからです。

オーバーローンのままでは売却できないため、不足分を他の共有財産で支払うか、無担保ローンで借り換える必要があります。

離婚で不動産を売却する場合は、こちらも合わせてお読み下さい。

なお、結婚前の貯金や親からの援助を不動産取得時の頭金にした場合、その分は財産分与の対象外となります。

これは結婚前の貯金や親からの援助は夫婦の共有財産ではなく、特有財産として扱われるため。

特有財産については、出した方に権利があります。

離婚での頭金については、こちらの記事で詳しく解説しています。

まとめ

不動産会社イメージ
共有名義の不動産を売る方法には次の4つ。

信頼できる不動産会社のサポートがあれば、それほど難しくはありません。

信頼できる不動産会社を探すには、エリアで実績が豊富な不動産会社3〜6社へ無料査定を依頼して、話を聴き比べると良いでしょう。

不動産会社の心当たりがない場合は、一括査定を利用すると便利です。

あなたの共有名義不動産の問題が片付き、売却が成功することを、心よりお祈りしております!

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue
    おすすめ1位
    すまいValueバリュー
    査定実績:
    40万件(2016年開始)
    不動産会社数:
    大手6社(全国900店舗)
    運営会社:
    大手6社共同運営
    三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所ハウスネット
    実績 5.0
    不動産会社 4.5
    運営会社 5.0

    大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国900店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
    2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
    簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
    さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

    管理人のコメント

    地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

  2. 【公式サイト】すまいValue


  3. SRE不動産
    おすすめ2位
    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス(東証PRM)
    実績 4.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 5.0

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
    あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
    さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

    管理人のコメント

    エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

  4. 【公式サイト】SRE不動産


  5. HOME4U
    おすすめ3位
    HOME4Uホームフォーユー
    査定実績:
    累計50万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    2,100社
    運営会社:
    NTTデータ・スマートソーシング
    実績 5.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 4.0

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
    不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
    さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
    ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
    あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

各エリアで最適な組み合わせ



エリア別のオススメ一括査定サイト

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。

  • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。

  • 地方(人口密度が少ない地域)

    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。