二世帯住宅の売却
「二世帯住宅を売りたいけど、売れるの?」

二世帯住宅の売却でお悩みですね。

確かに二世帯住宅は、普通の戸建てより売りにくい場合があります。

しかし同時に、二世帯住宅は競合が少なく、ニーズが細分化されているため、ピタリと希望条件が合えば高値で売却できる可能性も。

また万が一売れない場合も「二世帯住宅だからできる活用法」があります。

この記事では、二世帯住宅を売る5つの方法、売却時の5つの注意点と対策を解説。

さらに万が一売れなかった時の活用法まで解説しました。

あなたの二世帯住宅売却が成功するため、この記事がお役に立てれば幸いです。

二世帯住宅は売りにくいが高値で売れる

売りにくい2つの理由

二世帯住宅が売りにくい理由は2つあります。

売りにくい理由1. 需要が少ない

家を探している人で、二世帯住宅を探している人は多くありません。

ただし売りに出ている二世帯住宅の数も少ないので、あまり悲観的になる必要は無いでしょう。

親と同居している人なら購入の可能性があると考えると、売り方次第では売れるチャンスもあります。

ちなみに2015年の国勢調査によると、親と同居している世帯は全世帯の10.9%。

全世帯の約1割が二世帯住宅の検討対象だといえます。

売りにくい理由2. ニーズが細かい

二世帯住宅が売りにくいもう一つの理由が、購入者のニーズが細かいこと。

購入者の数だけ、二世帯住宅に求めるニーズがあると言っても良いほどです。

実は一言で「二世帯住宅」と言っても、次の3タイプに分けられます。

  • 完全分離タイプ
  • 完全同居タイプ
  • 部分共有タイプ

完全分離タイプでも、上下で分けるのか左右で分けるのか、購入者によって変わります。

一部共有タイプの場合も、風呂、台所、トイレ、玄関、リビングのどれを共有するのかは購入者次第。

各家庭の事情がより強く反映されるため、売主と買主、双方のニーズがマッチしにくくなります。

ハウスハウス

買主が少ないし、ニーズが合いにくいのか…。


家博士家博士

でも高値で売れる可能性もあるんだ。

高値で売れる2つの理由

二世帯住宅が高値で売れるのは、次の2つの理由があるため。

高く売れる理由1. 競合が少ない

二世帯住宅は、一般的な一戸建て住宅に比べると競合が非常に少ないため、高く売れる可能性があります。

買主は競合がいないと相場が分かりにくいため、高くても買う傾向があります。

実際、売りに出ている2世帯住宅の数は、普通の一戸建て住宅の2〜4%程度しかありません。

さらにエリアなど条件を限定すれば、競合が全くいない場合も多いでしょう。

100戸と比較して選ばれるより、たった1戸しか選択肢がない中で選ばれる方が、売主には有利です。

ポータルサイトを利用すれば競合はチェックできる

不動産ポータルサイトを利用すれば、競合はチェックできます。

大手のポータルサイトとしては、次の4つをチェックすれば十分でしょう。

このポータルサイトの内、中古一戸建ての登録が最も多いのが「athome(アットホーム)」です。

例)athomeで検索すると次の通り。

  • 神奈川県の中古一戸建て 7,857戸
    この内、中古2世帯住宅 232戸(3.0%)
  • 千葉県の中古一戸建て 6,259戸
    この内、中古2世帯住宅 134戸(2.1%)
  • 埼玉県の中古一戸建て 5,220戸
    この内、中古2世帯住宅 132戸(2.5%)

高く売れる理由2. 新築と比較する

二世帯住宅を検討している人の多くは、新築をまず検討します。

なぜなら新築であれば、親世帯と子世帯それぞれの要望を満たす物件が建てられるため。

しかしそれぞれの要望を満たすと、価格も高くなりがち。

そんなときに中古物件を見て新築と比較すると、割安に感じやすいのです。

ハウスハウス

たしかに競合は少ないし、新築と比べると割安に感じるかもね。


家博士家博士

これらの特徴を知った上で、売る方法を選んでみよう。

二世帯住宅を売る5つの方法

二世帯住宅を売る方法として、次の5つがあります。

それぞれ解説します。

方法1. 長期間を覚悟で普通に売る

二世帯住宅を普通に売る場合は、長期間を覚悟しましょう。

特にスケジュールを優先しないのであれば、この方法が一番楽です。

手間もかからず、上手くいけば高値で早々に売れる可能性もあるでしょう。

売却期間の目安としては、普通の一戸建て住宅の『3〜6ヶ月程度』より長めの『6〜12ヶ月』と余裕をみておけば安心です。

二世帯住宅を売り急ぐと、土地値まで値下げして損する恐れも

スケジュールに余裕が無い場合、他の方法を検討した方が良いでしょう。

なぜなら、二世帯住宅を早く売ろうと価格を下げると、土地値まで値下げすることになり、大損する恐れがあるため。

スケジュールに余裕が無い場合、売り出し価格を下げるのが一般的。

しかし二世帯住宅でこれをすると、土地値(建物価格がゼロ)まで下げないと、買主が見つからない恐れがあります。

普通の一戸建てを検討している人が二世帯住宅を買うレベルまで値下げすると、結局土地値(更地価格)になってしまうのです

家博士家博士

普通の一戸建てと違って、価格を安くして売り急ぐと、かなり値下げする恐れがあるんだ。
売却期間を長くして、買い手が現れるのを待った方が良いよ。

普通に売る場合は、優秀で信頼できる不動産会社を探す

二世帯住宅を普通に売却するなら、優秀で信頼できる不動産会社を探しましょう。

不動産の売却が成功するかどうかは、不動産会社選びで8割が決まるといわれます。

特に特殊な物件では、わずかのチャンスを確実に成約させる手腕が必要です。

優秀で信頼できる不動産会社を見つけることに、売買の8割の手間と時間をかけると良いでしょう。

優秀で信頼できる不動産会社を探す方法は、次の手順が効率的。

  • エリアで実績が豊富な不動産会社に絞る
    →優秀な不動産会社だけに絞る
  • 3〜6社に無料査定を依頼して、話を聴き比べる
    →信頼できる不動産会社を選ぶ

ポイントは、査定価格だけでなく、しっかり話を聴き比べて、信頼できそうな不動産会社を選ぶこと。

しっかり話を聴き比べるためには、少なくとも3社は必要ですし、多くても6社程度が限界なのです。

ハウスハウス

不動産会社の心当たりがなければ、どうすれば良いの?


家博士家博士

一括査定サイトを利用すると簡単だよ。


一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue
    おすすめ1位
    すまいValueバリュー
    査定実績:
    77万件(2016年開始)
    不動産会社数:
    大手6社(全国875店舗)
    運営会社:
    大手6社共同運営
    三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー
    実績 5.0
    不動産会社 4.5
    運営会社 5.0

    大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国875店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
    2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
    簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
    さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

    管理人のコメント

    地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

  2. 【公式サイト】すまいValue


  3. SRE不動産
    おすすめ2位
    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス(東証PRM)
    実績 4.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 5.0

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
    あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
    さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

    管理人のコメント

    エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

  4. 【公式サイト】SRE不動産


  5. HOME4U
    おすすめ3位
    HOME4Uホームフォーユー
    査定実績:
    累計50万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    2,100社
    運営会社:
    NTTデータ・スマートソーシング
    実績 5.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 4.0

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
    不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
    さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
    ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
    あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

各エリアで最適な組み合わせ



エリア別のオススメ一括査定サイト

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。

  • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。

  • 地方(人口密度が少ない地域)

    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。

方法2. 不動産会社の買取

時間的な余裕がない場合は、不動産会社に直接買い取ってもらう方法も。
買取なら自由なタイミングで売却できます。

買取は価格が相場の6〜8割に安くなる

買取は価格が相場の6〜8割に安くなってしまいます。

理由として、買取業者は買取った物件を相場価格で転売するため。

転売した差額が業者の利益になるため、相場より2割以上安くないと業者は買取りません。
買取イメージ

買取で売るならなるべく多くに査定を依頼する

どうしても買取で売るなら、少しでも高く売るためにとにかく多く10社以上の不動産会社に査定してもらうと良いでしょう。

多くに査定を依頼すれば、中には査定ミスや社内事情により、相場価格に近い高値で買取る不動産会社が見つかるかもしれません。

不動産会社の心当たりが無い場合は、一括査定サイトを複数併用すると簡単です。

大手の運営する一括査定サイトとして主要なものは、

  • 三井のリハウス・住友不動産販売など大手6社が共同運営のすまいValue
  • NTTデータグループが運営のHOME4U
  • リクルートが運営のSUUMO売却
  • LIFULLが運営のHOME’S

その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。


買取についてはこちら。

方法3. 複数のリフォームプラン付で売る

あらかじめ複数のリフォームプランを付けて売る方法もあります。

間取りや設備などを柔軟に変更できれば、買主の心理的ハードルが下がり、売れやすくなります。

二世帯住宅でも、買主の家庭に合う仕様に変更できると、買主の幅が広がるのです。

各家庭の事情がより強く反映される二世帯住宅ならではの売り方といえるでしょう。

ハウスハウス

先にリフォームするのではなくて、プランを付けて売るんだね

家博士家博士

買主は低金利の住宅ローンでリフォーム費用をまとめられるメリットがあるんだ。
実績が豊富な不動産会社に相談すれば、リフォームプランも作成してくれるよ。

方法4. 解体して更地で売る

4つ目の方法は、建物を解体して更地で売るもの。

とくに敷地面積が広い場合に有効な売却方法です。

更地にしてしまえば土地を探している人の目にも留まるため、二世帯住宅をそのまま売るより売りやすくなります。

解体費用の目安はこちら。

解体費用の目安

  • 木造…2〜4万円/坪(6千〜1万2千円/m2)+付帯工事費
  • 鉄骨造…3〜5万円/坪(9千〜1万5千円/m2)+付帯工事費
  • 鉄筋コンクリート造(RC造)…4〜6万円/坪(1万2千〜1万8千円/m2)+付帯工事費

家の構造や敷地の広さ、敷地に接する道路の幅など、条件によって解体費用も大きく変わります。

必ず複数の解体業者に見積もりを依頼し、価格を比較してから依頼先を決めるようにしましょう。

解体業者の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利です。

解体業者の一括査定

解体業者の一括査定サービスなら「解体の窓口」が良いでしょう。
解体の窓口

解体の窓口は、従来の一括査定サイトの問題を見事に解決した新しいサービス。

なぜなら解体の窓口では、

  • 依頼者が写真を撮影し、解体の窓口が各業者に対して匿名で見積りを依頼するから、個別の営業電話がない。
  • さらに業者同士がお互いの査定価格を見ながら安値を入札する逆オークションなので、競争で工事価格が安くなる。

サービス開始は2020年7月ですが、すでに登録業者数1,300社、マッチング希望者1万人突破(2022年7月時点)と利用が急増。

解体の窓口は、今までにない画期的なサービスで、解体工事査定の新たな定番になっています。

無料で試してみるならこちらから
解体の窓口

その他の一括査定サイトは、こちらでまとめています。

家博士家博士

解体する前に、複数の不動産会社に無料査定を依頼して、意見を聞いた方が良いよ。

立地条件によっては、解体してしまうと建物を再建築できなかったり、擁壁の作り直しが必要になる恐れも。

複数の不動産会社に意見を聞いた方が安全です。

解体については、こちらで詳しく解説しています。

方法5. 投資物件として売る

二世帯住宅は、投資物件として売る方法もあります。

具体的には、二世帯賃貸やシェアハウス、民泊、テラスハウスといった投資向きの用途。

完全分離タイプなら賃貸

「完全分離タイプ」の二世帯住宅なら、片方をオーナーの居住用、空いた片方を賃貸とする賃貸併用住宅とする売り方が良いでしょう。

もちろん完全に2世帯分の賃貸でも可能。

賃貸で売るなら、入居者募集と並行して売り出し、入居申し込みがあれば、投資物件として売れやすくなります。

完全分離でなくてもシェアハウスや民泊が可能

二世帯住宅のタイプが「完全同居タイプ」や「部分共有タイプ」でも、シェアハウスや民泊用物件として問題なく利用できます。

シェアハウスや民泊では、浴室やリビング、キッチンなどは共用でも問題ありません。

ハウスハウス

投資物件として売るにはどうすれば良いの?


家博士家博士

2種類の方法があるね

投資物件として売却するには

投資物件として売り出すためには、2世帯住宅のタイプによって次の2種類の方法があります。

  1. 先にリフォームを済ませ、完全に投資物件として売る
  2. そのまま売り出し、投資物件としても2世帯住宅としても使えることをアピールする。

どちらを選択するか、複数の不動産会社の意見を聞いてみたほうが良いでしょう。

投資物件として売り出す場合も、不動産会社を特別に変える必要はありません。

住宅の売却実績が豊富な不動産会社は、投資物件の売却実績も豊富です。

投資物件として売却する場合も、不動産会社選びが大切。

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利です。

二世帯住宅を売るときの5つの注意点と対策

ここからは二世帯住宅を売るときに注意したいポイントと、その対策についてまとめました。

それぞれ解説します。

注意点1. 大規模リフォームは慎重に

築年数が古くなってくると、リフォームで綺麗にしてから売った方が良いのでは? と考えがちです。

しかし売却でリフォームが有効なのは、壁紙交換など20万円以下でできる補修。

水回りを変えるような改修になると、費用は数百万円規模になってしまいます。

ハウスハウス

多少お金がかかったとしても、売却価格に上乗せすればいいような気もするけど・・・

家博士家博士

それが、一般の人がお金をかけてリフォームしたところで、その費用は回収できないことが多いんだ。リフォーム費用を上乗せすると価格が高くなるから、買い手も敬遠してしまうんだよ

売却前に大規模リフォームをしても、リフォーム費用を改修できないことは、国土交通省の調査でも分かっています。

詳しくはこちらで解説しています。

リフォームする前に相談を

リフォームをした方がいいのか悩んだら、まずは不動産会社に相談してみましょう。

このときは必ず、複数の不動産会社に意見を聴くこと。

各社の意見を聞いたうえで判断するようにします。

注意点2. 権利と税金を最低限知っておく

二世帯住宅では名義が曖昧になりがちです。

名義人は自分だけだと思っていたら、実は親との共有名義だった・・・なんてことも。

まずは登記簿を確認して、権利関係をはっきりさせておきましょう。

共有名義では親の認知症リスクも

個人名義であればよいのですが、共有名義の場合は要注意。

なぜなら共有名義では、売却の際に名義人全員の署名・捺印が必要だからです。

親が要介護でも、判断能力があれば代理人の署名・捺印で構いません。

しかし親が認知症で判断能力を失ってしまった場合は、成年後見人制度を利用しなくてはいけません。

取得費が不明だと、予想外に税金が高くなることも

住宅の建っている土地についても注意しておきたい場合があります。

それは「取得費が不明の親の土地」に建てた場合。

売却時の税金は、売却価格から土地や建物の取得費や売却費用などを差し引いて計算します。

土地をいくらで取得したのか分からないと、土地の取得費は「売値×5%」で計算することに。

この場合は取得費がかなり安くなってしまうため、課税の恐れもあるのです。

例:土地の売値が1,500万円だった場合
取得費が不明だと、1,500万円×5%=75万円で計算することになる
ハウスハウス

1,500万円の土地を75万円で取得したとは、考えにくいけど・・・

家博士家博士

でもこの計算式を使うこととされている以上、仕方がないんだ

権利や税金は、調べるより聞いた方が早くて確実

権利や税金関係は専門性が高いので、完全に理解するのは難しいもの。

売却前はざっくりとした考え方だけ知っておけば十分です。

なぜなら、売却時には不動産会社の営業マンが概要を教えてくれるから。

さらに税金の申告時には、税理士や税務署への相談も可能です。

いまの段階では名義人の確認や、売却によって税金の支払いが必要になる場合があることを知っておけばOKです。

更に詳しくはこちらで解説しています。

注意点3. 瑕疵に注意

二世帯住宅に限った話ではありませんが、瑕疵のトラブルについて最低限は知っておきましょう。

瑕疵とは、家に何か大きな欠陥があり、住むことに不安や心配があるが、ぱっと見ても気づかない様なこと。

例えば、この様なことです。

  • シロアリの被害
  • 地盤沈下
  • 水漏れや構造の欠陥
  • 結露やカビ

さらに心理的瑕疵といわれるものもあります。

  • 自殺や孤独死
  • 火災や事件、事故
  • 近くに悪臭や騒音、大気汚染などを引き起こす可能性の施設がある
  • 近くに暴力団やカルト宗教などの反社会的組織の拠点がある

この様なことは、心理的瑕疵にあたります。

瑕疵かどうか微妙な判断になる場合は、なるべく全てを購入者に伝えた方が安全です。

瑕疵について、詳しくはこちら。

不動産会社には全て正直に話す

どの程度まで瑕疵にあたるのかは、不動産会社に相談すると良いでしょう。

不動産会社がきちんと判断できるために、瑕疵になるかどうかは別として、とにかく全て正直に不動産会社へ話すことが大切です。

不動産会社に話しておけば、必要なことは営業マンが購入希望者へ伝えてくれます。

注意点4. オーバーローンになりがち

間取りや設備などこだわって建てる二世帯住宅は、建築費が高額になりがち。

そのため、住宅ローンの残高より売却価格が安くなる「オーバーローン」になることが多いのです。

家を売却するときは、住宅ローンを完済して抵当権を抹消する必要があります。

ハウスハウス

オーバーローンの場合は、どうすれば良いの?


家博士家博士

他の資産で補うか、借り換えるしかないね

オーバーローンの場合は

オーバーローンへの対策としては、次のどちらかがあります。

  • 貯金など他の資産で補う
  • 不足分を他のローンで借り替える。(買い替えでは住み替えローン、売却だけなら無担保ローン)

他の資産とは預貯金などのこと。

万が一への備えや老後資金などを含めて、相当な余裕があればこうした資産を充てると良いでしょう。

マンションや普通の一戸建てに買い替えるなら、住み替えローンを利用する方法もあります。

これは二世帯住宅の住宅ローンの不足分と、新居の購入費用をまとめて借りられるもの。

例:二世帯住宅の住宅ローンの不足分が500万円、新居の購入費用が3,500万円の場合
→500万円+3,500万円=4,000万円の借り入れとなる

買い替えでは便利な住み替えローンですが、借入額が高額になり、月々の負担が増えるという注意点もあります。

買い替えずに売却だけなら、無担保ローンを借りると良いでしょう。

金利は高くなりますが、総額が少ないため返済の負担は軽くなります。

オーバーローンについて、詳しくはこちらで解説しています。

任意売却は現実的でない

任意売却は、債権者(住宅ローンを借りている金融機関)の同意を得て、住宅ローンが残った状態で抵当権を抹消してもらう方法。

オーバーローンの状態を解決するために、任意売却を勧める方も居ますが、現実的ではありません。

多くの債権者は、オーバーローンとい理由だけでは、任意売却を認めてくれないからです。

また、任意売却をする前にローンの返済をわざと滞納するため、ブラックリストに載ってしまうというデメリットがあります。

ブラックリストに載ると、数年は新たなローンが組めなくなります。

任意売却について、詳しくはこちらで解説しています。

注意点5. 複数の不動産会社に意見を聴く

二世帯住宅は、特殊な物件なので、プロである不動産会社でも意見が割れがち。

そのため、複数の不動産会社の意見を聞くことが重要です。

また意見を聞くときには、二世帯住宅の売却実績も聞いてみましょう。

普通の一戸建て住宅以上に、実績の有無が大きく影響します。

家博士家博士

実は不動産会社の中には、二世帯住宅を扱いたくないところもあるんだ

ハウスハウス

なんで、扱いたくないの?

家博士家博士

不動産会社としては、できるだけ手間がかからず短期で売れる物件のほうが、効率的だからね。
彼らも仕事だから、売上のノルマをこなすために最低限の件数を売らないといけないんだ。

二世帯住宅を扱いたくない不動産会社は、査定価格が極端に安かったり、そもそも「更地にしないと売れません」などやる気のない姿勢なので、すぐに分かります。

二世帯住宅を積極的に売ってくれる不動産会社を探すために

二世帯住宅を扱いたくない不動産会社もいますが、もちろん積極的に取り組んでくれる不動産会社も沢山あります。

二世帯住宅を積極的に売ってくれる不動産会社を探すためには、やはり複数の不動産会社へ無料査定を依頼して意見を聴き比べることが必要です。

諦めずに複数の不動産会社へ無料査定を依頼してみて下さい。

複数の一括査定を併用すれば、幅広く無料査定を取ることも簡単です。

場合によっては、「中古の二世帯住宅を探している」と相談を持ちかけられている不動産会社に当たるかもしれません。

多少の時間と手間はかかりますが、優秀で信頼できる不動産会社に出会えれば、あとは安心してお任せできます。

不動産の売却は、不動産会社選びで8割が決まるといわれています。

どうしても売れない場合は、賃貸という選択肢も

「どんなに頑張っても売れない・・・」

最近は、普通の一戸建てでも郊外やバス便のエリアでは売れないケースが増えており、二世帯住宅もエリアによっては苦戦する恐れも。

どうしても売れない場合は、二世帯用の賃貸としての活用も合わせて検討した方が良いでしょう。

具体的には、売却と同時に賃貸の募集もかけて、先に決まったほうを選ぶ方法が良いでしょう。

シェアハウスや民泊という選択肢もありますが、ある程度ハードルは高くなります。

シェアハウスや民泊はハードルが高い

積極的に手間とリスクを負って、チャレンジしてみたい場合は、シェアハウスや民泊という選択肢も良いでしょう。

シェアハウスは管理が難しく、初期投資もかかる

シェアハウスは管理が難しく、初期投資がかかります。

管理をお任せできる管理代行もありますが、費用がかかるため利回りは下がることに。

初期投資としては共用部分や個人部屋に必要な家具や家電、キッチン周りの小物類のほか、リフォームが必要になることもあります。

こうした初期投資をどれだけ抑えられるかがポイントになると言えるでしょう。

またシェアハウスのニーズは、駅や職場に近いところに相場より安く住めること。

駅から遠く、近隣に会社や施設がない場合は、苦戦する恐れもあります。

まず近隣の賃貸メインの不動産会社にヒアリングしてみましょう。

民泊は日数の上限と申請がネックに

民泊は、2018年6月から民泊新法が始まったため、この規制がネックになります。

民泊で一番のネックは、人を宿泊させる日数に上限があること。

1年間で180日(泊)が上限となるため、上限に達したら募集できません。

また「住宅宿泊事業者」に該当し、都道府県知事への届出も必要です。

この届出もかなり難解で、近隣の同意を得る書類など、場合によっては申請ができない恐れもあります。

まず公式サイトを読み込んでみて下さい。
【参考】国土交通省・民泊制度ポータルサイト

まとめ

二世帯住宅を売るには、5つの方法のいずれかを選びます。

  1. 長期間を覚悟で普通に売る
  2. 不動産会社の買取
  3. 複数のリフォームプラン付で売る
  4. 解体して更地で売る
  5. 投資物件として売る

どの方法で売るか決めるのはあなた次第ですが、最適な選択肢は立地や物件の状況によって違うもの。

売却に時間がかかることもあるので、早めに動くことも大事です。

まずは専門家である不動産会社に意見を聞いて、それから判断すると良いでしょう。

二世帯住宅を売るために大事なのは、とにかく信頼できる不動産会社を見つけること。

二世帯住宅を売却した実績があれば、実績をもとにしたアドバイス等も受けられます。

あなたの二世帯住宅売却が成功することをお祈りしております!

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue
    おすすめ1位
    すまいValueバリュー
    査定実績:
    77万件(2016年開始)
    不動産会社数:
    大手6社(全国875店舗)
    運営会社:
    大手6社共同運営
    三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー
    実績 5.0
    不動産会社 4.5
    運営会社 5.0

    大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国875店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
    2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
    簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
    さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

    管理人のコメント

    地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

  2. 【公式サイト】すまいValue


  3. SRE不動産
    おすすめ2位
    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス(東証PRM)
    実績 4.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 5.0

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
    あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
    さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

    管理人のコメント

    エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

  4. 【公式サイト】SRE不動産


  5. HOME4U
    おすすめ3位
    HOME4Uホームフォーユー
    査定実績:
    累計50万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    2,100社
    運営会社:
    NTTデータ・スマートソーシング
    実績 5.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 4.0

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
    不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
    さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
    ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
    あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

各エリアで最適な組み合わせ



エリア別のオススメ一括査定サイト

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。

  • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。

  • 地方(人口密度が少ない地域)

    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。