「土地売却で埋設物はトラブルになる?」

土地の売却で埋設物についてお悩みですね。

確かに埋設物が売却後に見つかると、損害賠償や契約解除の恐れがあります。

しかし安心して下さい。
埋設物が見つかっても、売主の責任になるかは条件次第。

また埋設物のトラブルを避けるために、簡単で効果的な方法も増えてきました。

この記事では、土地売却で知っておきたい埋設物の責任や対策、また調査方法と撤去費用も解説。

あなたの土地売却が、スムーズにトラブルなく成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。

土地売却で埋設物の責任は?

条件次第で責任は売主・買主・原因者に

埋設物は地中に埋まっているため、ほとんどが売買時に気付かず、売買後の基礎工事などで発見されます。

売買後に埋設物が発見された場合、条件次第で次5つのいずれかになります。

土地売買の埋設物責任5つのケース
  1. 売主の契約不適合責任(瑕疵かし担保責任)
    売主が埋設物撤去費用を負担、又は契約解除。
  2. 売主の説明義務違反
    売主が賠償金を支払う、又は契約解除。
  3. 原因者が確定
    →原因者が賠償金を支払う。
  4. 建築物に支障しなければ
    →撤去せずに残して工事を進める
  5. 上記1〜4のどれでもなければ
    →買主が埋設物撤去費用を負担。
契約不適合(瑕疵かし)とは
契約不適合とは、本来あるべき機能・品質・性能を満足しない欠陥や故障のこと。2020年4月の民法改正で瑕疵→契約不適合に名称が変更。一般的な家の例として、雨漏りや構造的な欠陥、シロアリ被害がある。
契約時に売主の責任期間を定め、引き渡し後から建物3ヶ月間、設備7日間とする場合が多い。この期間内に見つかった場合、売主の負担で補修し、これを契約不適合責任(瑕疵担保責任)という。
ハウスハウス

1と2は、売主の費用負担になるんだね

家博士家博士

最悪は売買契約解除になる恐れもあるよ

売主が気をつけるべき1と2について、それぞれ解説します。

1. 売主の契約不適合責任になる場合

売主の契約不適合責任になる4つの条件

埋設物が売主の契約不適合責任になるのは、次の4つの条件に当てはまる場合です。

条件1. 契約不適合責任の期間内であること

契約不適合責任の期間内に埋設物が見つかった場合、売主が費用を負担します。

責任期間は、売主が個人であれば通常は引き渡しから3ヶ月とすることが多いでしょう。

売買契約書で免責とすれば、売主が意図的に隠していない限り、契約不適合責任を問われるリスクは低くなります。

条件2. 買主が売買時に知らなかったこと

買主が売買時に埋設物のことを知らななかったことも条件。

知っていたのであれば、分かったうえで購入したことになるため、契約不適合には当たりません。

条件3. 買主が不利益を被っていること

買主が、埋設物のせいで工事が中断するなどの不利益を被っている必要があります。

例えば地中にコンクリート塊があっても、比較的深い場所で戸建ての建築に支障なければ契約不適合ではありません。

しかし基礎が深いマンション建設では支障することもあり、その場合は「契約不適合」となります。

条件4. きちんと証拠があること

埋設物が見つかっても早々に処分してしまうと、第三者に埋設物の存在を立証できません。

  • 売主・買主の双方立会いのもとで確認する
  • 埋設物が見つかった時に写真を撮っておく

こうした明確な証拠が必要になります。

判断が難しい場合は裁判に

判断が難しいグレーな場合は、裁判になります。

実際に埋設物に関する裁判は多く、近年は売主の瑕疵担保責任を認める方向。

代表的な判例は、こちらなどでまとめられています。

【参考】一般財団法人不動産適正取引推進機構・RETIO判例検索システム

売買契約解除になる深刻な例

埋設物トラブルで最も深刻なのが売買契約解除。

売買契約解除になる例としては、建物が建てられないケースがあります。

例えば、昔撤去された建物の基礎が残置されていて、それが隣地にまたがっている場合。

隣地にすでに建物が建っていると、

  • 基礎の一部を壊すとバランスが崩れ、隣の建物に影響する
  • 基礎の解体工事中に隣の建物が倒壊する可能性がある

という理由から、自分の土地に残っている基礎だけを撤去することはできない恐れも。

このように、埋設物によっては契約解除になるリスクもあるのです。

2. 売主の説明義務違反になる場合

説明義務違反とは、埋設物があることを知っていたのに買主に説明しなかった場合。

この場合、瑕疵担保責任期間は関係なくなり、損害賠償の時効は売買契約時から10年とされています。

「埋設物があると土地が売れなくなる」と思い隠したくなる気持ちも分かりますが、場合によっては契約解除になることもあります。

トラブルを避けるためにも、分かっていることは隠さずに買主に説明することが大切です。

家博士家博士

売れなくなるからと隠すのではなく、きちんと説明したうえで折り合いをつけていくようにしよう

ハウスハウス

それが、後々のトラブルを防ぐことにも繋がるんだね

簡単で効果的な埋設物のトラブル対策

埋設物のリスクを避ける方法として、大手不動産会社による保証制度を使うと費用もかからず安心です。

具体的には、『東急リバブル』と『野村の仲介+』で、埋設物に関する保証制度があります。

東急リバブル(リバブルあんしん仲介保証)

東急リバブルの「リバブルあんしん仲介保証」では、埋設物撤去保証・地盤調査保証が利用できます。

これは埋設物撤去費用を200万円まで保証してくれるもので、保証期間は引き渡しから6ヶ月。

売主の瑕疵担保責任期間は3ヶ月なので、引き渡し後も安心です。

野村の仲介+(あんしん土地診断)

野村の仲介+には「あんしん土地診断」というサービスがあります。

まずは土地の専門家が事前に検査を実施。

万が一、引き渡し後に所定の埋設物が見つかった場合は、最大200万円まで撤去費用を保証してもらえます。

こちらも保証期間は6ヶ月なので、引き渡し後も安心です。

まとめて依頼するなら

埋設物に関する保証が充実している大手不動産会社にまとめて査定依頼するなら、一括査定サイトのすまいValueが便利です。

すまいValue

すまいValueは大手不動産会社6社が共同で運営している一括査定サイト。

先ほど紹介した東急リバブルや野村の仲介+のほか、不動産の仲介実績ナンバーワンの三井のリハウスにもまとめて依頼できます。

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ハウスハウス

埋設物があるかどうかを、簡単に調査する方法はないの?


家博士家博士

残念ながら今の技術では、埋設物を確実に調べる方法は全て掘り返すしかないんだ。

埋設物の調査方法

全て掘り返す以外に確実な調査方法はない

埋設物を調査する方法として、確実なのは『全て掘り返す』しかありません。

ただ「掘る」といっても、実際に全て掘りかえせるのはせいぜい深さ1〜2m程度まで。

もし仮にピンポイントで深く掘ったとしても、そこ以外に埋設物がある可能性は消えません。

またあまり深くまで掘り返して地盤を緩めると、後でベタ基礎の一戸建てを建てる際に、沈下してしまう恐れもあります。

一応、掘る以外に調査方法はいくつかありますが、分かるのは「調査の結果、あるあもしれないし、無いかもしれない。」といったレベルです。

現在も使用中の水道・ガス・下水管は埋設図で分かる

唯一明確に図面があるのは、水道管やガス管といった、現在使用しているインフラ関係設備。

担当する役所や会社が埋設図と呼ばれる書類で記録しています。

水道管であれば水道局、ガス管であればガス会社などに問い合わせると、埋設図を閲覧できます。

ただし、こうした管類は道路(公道)を通っているのが一般的で、私有地にはほとんどありません。

地歴調査は可能性を探る調査

地歴調査は、対象となる土地がこれまでどのように利用されていたかを調査するもの。

古い住宅地図のほか、法務局にある閉鎖謄本と呼ばれる書類を使うこともあります。

地歴調査はあくまでも「可能性」を探るもので、分かることは「何かある恐れがある」といった程度。

  • 工場や倉庫として使われていたから、柱や杭が残っている可能性がある
  • ずっと住宅が建っていたから、埋設物がある可能性は低い

いずれの場合も可能性の話なので、事実は違っているかもしれません。

また住宅が建っていたとしても建て替えており、古い家を解体した際の廃材を埋めていた・・・という可能性だってあるのです。

非破壊検査は参考程度

非破壊検査は、実際に敷地を掘ることなく、レーダーなどを使って地下の状況を把握しようとするもの。

現実問題として、非破壊検査をしてもあまり意味はありません。
『もしかしたらこの辺りに何かあるかも、無かったらごめんなさい。』
『反応物は無いが、埋設が無いとは保証できない』

この様に、非破壊検査の結果があっても、結局は何が埋まっているかは掘ってみなければ分からないし、埋設がないという証明にはなりません。

参考までに、非破壊検査の主な探査方法はこちら。

・地中レーダー
地中にレーダーを放射し、埋設物からの反射を検出して地下の状況を検査する方法。
高速計測が可能ですが、探査できる深さは2〜3m程度です。
・磁気探査
磁場を測定することで地下の構造などを把握する方法。
鉄類の探査に特化しており、探査範囲は1m程度になります。
・比抵抗二次元探査
電気を利用した探査方法で、探査深度は5〜100m以上。
3つの探査方法の中では最も深いところまで調査できる方法になります。

よくある埋設物と撤去費用

よくある埋設物4種類

よくある埋設物の例としては、次の4種類が挙げられます。

  • 浄化槽、下水管
  • 残置杭、擁壁、土留め壁
  • 井戸
  • ゴミ、廃棄物、コンクリートガラ、アスファルトガラ、石

それぞれ撤去費用の相場について解説します。

浄化槽、下水管

浄化槽や下水管の場合は、比較的簡単に撤去できます。

工事中にこれらの埋設物が見つかり、既にある重機で撤去できるのであれば、費用は3万円〜10万円程度でOK。

撤去用に特別な重機を運んで使用する場合は、さらに3万円〜10万円がかかります。

残置杭、擁壁、土留め壁

残置杭、擁壁。土留め壁は、新たな建築物に支障する場合に、一部撤去するのが一般的。

一戸建てであれば特に支障がないため、撤去せずそのままにしておく場合が多いでしょう。

撤去しなければ費用もかからないため、瑕疵にもなりません。

撤去する場合の費用は工事の規模によって差が大きく、簡単なものは数万円、杭など本格的に撤去するためには100万円以上かかります。

井戸

井戸を埋めるときには、お祓いなどをしてもらって埋める場合と、解体業者に任せて埋める場合の2種類に分けられます。

きちんと対応したいのであれば、まずは神主を呼んでお祓いしてもらいます。

お祓いの費用は1〜3万円程度。

その後、井戸工事業者に依頼します。

工事は塩ビ管を使って息抜き用のガス穴を設置し、砂で井戸を埋めるか、もしくはカルバートと呼ばれるコンクリートの枠でカバーし、下流への影響を抑えます。

いずれも井戸の埋戻し費用は3万〜5万円程度。

お祓いなどはせずに簡単に済ませたいのであれば、解体業者に一式を頼むという方法も。

解体業者に一式を頼む場合は、2〜5万円で処理してくれます。

ゴミ、廃棄物、コンクリートガラ、アスファルトガラ、石

こうした埋設物については、規模により費用も様々。

作業人数や重機の必要性、運搬費、処分費がかかります。

比較的小規模であれば費用も安く済みますが、量が多くなれば数十万円〜百万円以上と費用もかさむことに。

埋設物の種類によっては土壌汚染の可能性もあり、こうなるとさらに費用は高額になります。

撤去するなら相見積もりで

埋設物を撤去するなら、相見積もりをとって少しでも安い業者を探しましょう。

業者の心当たりがなければ、一括見積もりサービスを利用すると良いでしょう。

まとめ

土地の売却で知っておきたい埋設物の知識をまとめるとこちら。

  1. 埋設物は土地所有者又は原因者が撤去費用を負担する(多くの場合は買主)
  2. ただし契約不適合責任や説明義務違反は売主負担になる
  3. 調査もできるが、掘ってみなければ分からないのが現実
  4. 撤去費用は埋設物の種類によって異なる(場合によっては撤去しないこともある)

一部の大手不動産会社(東急リバブル野村の仲介+)では、こうした埋設物の保証制度があります。

埋設が不安な場合は、保証制度のある不動産会社に相談してみると良いでしょう。

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まずは複数の不動産会社に相談して意見を聞き、安心して依頼できる不動産会社を見つけて下さい。

あなたの土地の売却が成功することを、心よりお祈りしております。

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