土地の売買イメージ
借地権の家を手放すけど、地主に返すの? どうすれば良いの?

借地権は借りている土地だから、地主に返すだけだと思われがち。

しかし、あなたの借地権は売却できます。

もちろん借地権の売却は所有権の売却と違い、借地権ならではの注意点も。

ここでは、あなたの借地権を高く売却するために、知っておきたい注意点や、かかる費用についてまとめました。

借地権売却の5つの注意点

借地権売却の注意点は次の5つ

借地権売却の4つの注意点

  • 注意点1. 借地権の売買には地主の許可が必要。(名義書換料も必要)
  • 注意点2. 第3者への売却より地主の買取が優先される。
  • 注意点3. 誰にどう売るかで、価格は全く違う。
  • 注意点4. 借地権には種類があり、それぞれ更新や返還のルールが違う
  • 注意点5. 売却には税金や費用がかかる

それぞれ解説します。

注意点1. 借地権の売買には地主の許可が必要

ほとんどの借地権の売買には、地主の許可が必要になります。

地主の許可が不要な借地権として、「地上権」というものがありますが、ごく一部のレアケース。

ほとんどの借地権では、売買に地主の承諾が必要です。

承諾料(名義書換料)を地主に支払う

地主が売買を承諾してくれた場合は、地主に承諾料として「名義書換料」を支払います。

これは法律で決まっているものではありませんが、商習慣として定着しているもの。

一般的な相場として、東京・大阪・名古屋など大都市圏では売買価格の5〜15%程度、地方都市ではその半分が目安と言われています。

(参考)公益財団法人不動産流通推進センター・借地権譲渡の承諾料等に関する地主との条件交渉の方法

地主が承諾しない場合は、裁判所に異議申し立てできる

借地権の売買で、地主が承諾してくれない場合は、裁判所に異議申し立てできます。

これは「借地非訟手続き」と呼ばれ、地主に代わって裁判所から許可をもらい借地権を売却するもの。

ハウスくんハウスくん

借地権の売却で裁判所!?


家博士家博士

これは地主との関係が悪化した場合の最終手段。
売却価格が安くなる恐れもあるから、どうしても許可がもらえない場合に限って利用するものだね

注意点2. 第3者への売却より地主の買取が優先される。

借地権の売買では、地主が自分で買取る意思がある場合、第3者へ売却することはできません。

建物ごと買取りか解体かは、契約内容と地主の意向次第

土地の上に建っている建物の扱いをどうするかは、契約内容(借地権の種類)と地主の意向によって変わります。

(借地権の種類については、後で解説します。)

いずれにしても地主が建物ごと買取ることをOKしている場合は、解体せずに建物ごと買取ってもらうことが可能。

逆に解体の必要がある場合、解体費用はあなたの負担となります。

借地権がいくらで売れるか目安は路線価

地主が借地権を買取る場合、借地権がいくらになるかは、地主とあなたとの話し合いになります。

目安としては、路線価で発表されている価格に借地権割合を考慮し、さらに借地権の残り期間から計算します。

路線価は相続税の評価額を決める目的で国税庁が定めた評価方法。

路線価については、こちらで詳しく解説しています。

どうしても地主と折り合いがつかない場合は、次の条件が揃えば第3者へ売ることができます。

  • あなたの主張する価格が相応だと考えられる場合
  • 購入する第3者が決まっており、きちんと地代を支払うと認められる場合

注意点3. 誰にどう売るかで、価格は全く違う。

借地権の売却は、大きく5種類に分かれます。

1. 借地権を地主が買取る

あまり高く売ることはできません。

あなたと地主が合意すれば価格は自由なので、借地権の価格は高くも安くもできますが、あまり高いと地主が了承しないでしょう。

目安としては、相続税路線価の借地権割合と契約の残り期間を考慮。

どうしても折り合いがつかない場合は、ケース5にできる場合もあります。

2. 借地権を第3者へ売却する

あまり高く売ることはできません。

借地権を買う人は限られており、一般の人ではなく投資家や不動産会社が多くなります。

投資家や不動産会社は、ケース3の様な方法で価格を高くして、転売することが目的。

だから安く買うことに高く売れることは少ないでしょう。

3. 借地権と「地主の土地所有権(底地)」をセットで第3者へ売却する

この方法が、最も高く売ることができます。

しかし問題は地主を説得して動かすこと。

地主としては、あなたから安く借地権を買い取り、自ら借地権と底地をセットで第3者に売ったほうが、利益を総取りできます。

借地権の売買経験が豊富な不動産会社に依頼し、地主を説得してもらうと良いでしょう。

底地の売却も難しい

底地とは、地主が所有する「借地権がついた土地」のこと。

借地権が付いている土地は、通常の土地(完全所有権のある土地)と異なり、制約の多い土地になります。

そのため、買い取る人は一部の投資家だけで少なく、底地の売却は難しいもの。

地主にとっても、底地だけを売るより、借地権と底地をまとめて売却した方が利益は大きくなります。

4. 等価交換で一部の底地と借地権を交換し、所有権として第3者へ売却する

場合によっては、高く売ることが可能です。

地主の底地とあなたの借地を一部交換して、それぞれ普通の所有権とする方法。

ただし土地が分筆できるほど広く、地主が交渉に応じてくれることが条件になります。

この方法も、借地権の売買経験が豊富な不動産会社に依頼し、地主を説得してもらうと良いでしょう。

5. 地主が承諾せず「「借地非訟手続き」」で第3者へ売却する

あまり高く売ることはできません。

ケース2より手間がかかり、売値も安くなるため、手元に残るお金は減ってしまいます。

何より借地非訴訟手続きの前に買主を探すため、買主を探すことが大変です。

注意点4. 借地権には種類があり、それぞれ更新や返還のルールが違う

一言で借地権といっても旧法の借地権と新法の借地権の2種類が存在しているのです。

借地権の種類

借地権に関する法律は、平成4年8月に改正されています。

旧法借地権と新法借地権の具体的な内容は、次の通りとなっています。

旧法借地権

  • 存続期間…堅固建物で30年、非堅固建物で20年
  • 契約更新…あり(20年以上)
  • 地主側の更新拒絶や建物明け渡し、更地返還は正当な事由なしに認められない
新法借地権
●普通借地権

  • 存続期間…原則30年以上(双方の同意によってこれより長い期間の設定が可能)
  • 契約更新…1回目が20年、2回目が10年
  • 地主側の更新拒絶や建物明け渡し、更地返還は正当な事由なしに認められない

●一般定期借地権

  • 存続期間…50年以上
  • 契約更新…なし
  • 更地にして返還し、期間の延長なし
  • 契約満了時に地主に対して買取請求できない

●事業用借地権

  • 存続期間…10年以上50年未満
  • 原則として更地返還

●建物譲渡特約付借地権

  • 存続期間…30年以上
  • 契約期間終了後に地主が建物を買取ることで契約が消滅

【参考】借地権

家博士家博士

旧法と新法では契約内容も違うし、新法では地主の権利も強くなるんだ。
一般定期借地権では地主に対して買取請求することもできないし、更地返還が必須。
建物は解体する必要があるから、その費用は賃借人が負担しないといけないんだ

ハウスくんハウスくん

契約内容が違うから、まずは今の借地権がどちらに該当するのか確認しておく必要があるんだね

家博士家博士

そう。平成4年8月以前に契約していれば旧法。
それ以降なら新法になる。新法なら普通借地権なのか、一般定期借地権なのかといったところも確認しておこう

注意点5. 売却には税金や費用がかかる

税金

借地権の売却であっても、所有権の売却と同じ譲渡所得と住民税がかかります。

税率は所有権の売却などと同様。

所有期間によって「長期譲渡所得」「短期譲渡所得」の2パターンがあります。

建物の解体費用

こちらも所有権の売買と同じで、買主が更地での引き渡しを希望した場合は建物を解体する必要があります。

また、築年数が古い建物が建っている場合も、解体の必要が出てくるかもしれません。

このときの解体費用は自己負担。

解体費用の相場も通常の解体と変わらず、次のようになります。

  • 木造…2〜4万円/坪+付帯工事費
  • 鉄骨造…3〜5万円/坪+付帯工事費
  • 鉄筋コンクリート造(RC造)…4〜6万円/坪+付帯工事費

※坪単価×0.3025=平方メートル単価

不動産会社への仲介手数料

不動産会社に仲介を依頼した場合は、仲介手数料も発生します。

売買価格によって手数料は異なりますが、400万以上であれば売却価格×3%+6万円+消費税が上限。

400万円未満の場合は表の通りとなっています。

家の売買価格仲介手数料の計算式
200万円以下の部分売買価格×5%+消費税
200万〜400万円の部分売買価格×4%+消費税
400万円以上の部分売買価格×3%+消費税
400万円以下は18万円+消費税になった
2018年1月1日から宅建業法が改正され、売り主側の不動産会社に限り、売買価格が400万円以下でも400万円と同じ「18万円+消費税」を請求できる様になりました。(低廉な空き家等の売買に関する特例)

これは地方を中心として空き家が増加し、400万円以下の不動産が急増しているため。

400万円以下の不動産を売ろうとしても、仲介手数料が安すぎるために不動産会社が扱ってくれないことが多いのです。

ただし増額されたといっても18万円+消費税だけ。
積極的に広告活動をできる金額ではありません。

地方の空き家を売るのは、引き続き難しいことに変わりありません。

印紙代

売買契約書に貼付する収入印紙代も、借地権の売却に必要な費用。

印紙代は取引価格によっても変わります。

なお、売主側には売買契約書の保存義務がないため、買主側の売買契約書1通のみ作成し、売主側はそのコピーを持っておくという方法も。

この方法なら印紙の貼付が不要なので、印紙代の節約も可能です。

その他、費用についてはこちらの売却時の費用と同じです。

以上のように、借地権の売却でも所有権の売却同様にそれなりの費用がかかります。

あらかじめよく確認して、いざというとき慌てずに済むようにしておきましょう。

まとめ

借地権の売却では、調整や交渉が必要で、高度な専門知識が必要です。

高く売却するためには、借地権売却の実績が豊富な不動産会社へ依頼すると、成功する可能性が高くなります。

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると良いでしょう。

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。

一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。

この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue

    すまいバリュー
    実績5.0
    不動産会社4.5
    運営会社5.0
    査定実績:
    18万件(開始後2年合計)
    不動産会社数:
    大手6社・全国840店舗
    運営会社:
    大手6社共同運営

    大手6社(三井不動産リアルティ・住友不動産販売・東急リバブル・野村不動産アーバンネット・三菱地所ハウスネット・小田急不動産)が共同で2016年10月に立ち上げた一括査定サイト。
    6社といっても全国840店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。
    売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。
    首都圏以外のほとんどの地方都市でも、三井・住友・東急の3社が売却実績のトップ3を独占しています。
    2019年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして、「すまいValue」が新定番となっています。

    管理人のコメント

    地方では大手より地域密着の中小不動産会社の方が強い場合もあるため、地方の郊外から外れたエリアではLIFULL HOME'S又はHOME4Uも確認してみたほうが良いでしょう。
    しかし都市部の方は「すまいバリュー」が現状では最強の一括査定サイトです。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。優秀な営業マンも数多く抱えています。
    机上査定と訪問査定が選べる点もおすすめ。

  2. 【公式サイト】すまいValue

  3. LIFULL HOME'S

    LIFULL HOMESイメージ
    実績4.5
    不動産会社4.5
    運営会社5.0
    査定実績:
    非公開(サイト利用者476万人)
    不動産会社数:
    1,777社
    運営会社:
    株式会社LIFULL

    運営は、HOME'SのテレビCMでおなじみの東証1部上場 株式会社LIFULL。2008年にマンション専用でサービスを開始。2011年から戸建ても含めて売却査定ができる仕様に。参加会社数が多く、特に地元密着系の中小不動産会社が多数登録しています。

    管理人のコメント

    不動産会社を選ぶ際に、各社の特徴(買取保障、瑕疵保証制度あり、半数以上がベテランなど)がアイコンで表示されるので、選びやすいシステムです。
    訪問査定ではなく机上査定を希望する場合は、不動産会社へのメッセージ欄で伝えると良いでしょう。
    選ぶ会社の数は3社〜6社がオススメです。

  4. 【公式サイト】LIFULL HOME'S

  5. HOME4U

    HOME4Uイメージw330
    実績5.0
    不動産会社4.0
    運営会社5.0
    査定実績:
    累計35万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    1,300社
    運営会社:
    株式会社NTTデータ・スマートソーシング

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始依頼、査定累計数35万件と実績も豊富。運営は東証1部上場の株式会社NTTデータのグループ会社。
    不動産会社は大小バランスよく登録されているため幅広く依頼ができます。

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多いため、自然と査定精度が高くなる仕組みになっています。
    ちなみに記入した内容はまた不動産会社と話をするときに修正できます。
    あまり真剣に悩まず、とりあえず現時点の希望を書いておく程度で大丈夫。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U


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