「土地を高く売る方法は? 売却の注意点は?」

土地の売却でお悩みですね。

確かに土地は大切な資産なので、初めての売却でも失敗したくないもの。

この記事は次のような方に最適です。

こんな方におすすめ

  • 初めて土地を売却するので不安。
  • 土地をなるべく高く売りたい。
  • 土地売却に必要な知識をまとめて知りたい。

この記事では、初めて土地を売る人ために土地を高く売る4つのコツを解説しました。

また特殊な土地の売却と、土地売却の基礎知識についても解説。

あなたの土地売却が成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。

土地を売却する手順と売却期間

まず土地を売却する手順と売却期間をザックリ把握しましょう。

土地の売却は、次のような流れで進みます。

土地売却の流れ

  1. (相場を確認)
     ↓
  2. 複数の不動産会社へ無料査定を依頼
     ↓(数日)
  3. 不動産会社の選定
     ↓(1週間程度)
  4. 不動産会社と媒介契約を結ぶ
     ↓(数日)
  5. 売却活動
     ↓(一般的に3〜6ヶ月)
  6. 購入希望者と交渉
     ↓(10日程度)
  7. 売買契約を結ぶ
     ↓(約1ヶ月)
  8. 引き渡し・精算
     ↓
  9. 確定申告と納税(翌年2月中旬〜3月中旬)

土地売却の流れについては、こちらで詳しく解説しています。

売却期間は平均2.5〜4ヶ月

土地の売却期間(売り出しから成約まで)は平均2.5〜4ヶ月です。

平均成約日数の推移
(首都圏)

土地の成約期間の推移(2023年首都圏)

ただし立地と売り出し価格で大きく違う

ただし土地の立地と売り出し価格によって、売却期間は大きく違います。

都心や駅近など需要が多いエリアは、売り出し価格次第。

相場より安めの売り出し価格なら数日で売れることもありますし、逆に相場より明らかに高いと数ヶ月かけても売れません。

一方で田舎や駅から遠いなど需要が少ないエリアでは、相場通り売り出しても、1年以上かかることもあります。

ハウスハウス

すぐに売る方法はないの?


家博士家博士

不動産会社の即時買取だと最短10日程度で買取ってもらえる。
でも価格は相場の6〜8割程度に安くなってしまうけどね。

買取なら最短1週間程度だが安くなる

土地の売却に時間をかけたくない場合、不動産会社に直接買取ってもらう方法もあります。

買取と普通の売買のイメージ

仲介と買取のイメージ

ただし、買取価格は相場の6〜8割程度に安くなってしまうのが一般的。

それでも買取を選ぶ場合は、なるべく多く10社以上の不動産会社に査定を依頼して、少しでも高く買取る会社を探しましょう。

自社買取の不動産会社なら仲介手数料がかかりません。

査定価格の比較は仲介手数料まで含めて比較しましょう。

家博士家博士

不動産会社の心当たりが無ければ、一括査定サイトをいくつか併用すれば簡単だよ。


大手の運営する一括査定サイトとして主要なものは、

  • 三井のリハウス・住友不動産販売など大手6社が共同運営のすまいValue
  • NTTデータグループが運営のHOME4U
  • リクルートが運営のSUUMO売却
  • LIFULLが運営のHOME’S

その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。

ハウスハウス

買取じゃなくて仲介で普通に売る方が高く売れるんだね。


家博士家博士

次は土地を仲介で売る場合に、高く売る4つのコツを紹介しよう。

土地を高く売る4つのコツ

仲介で普通に土地を売る場合に、高く売る4つのコツはこちら。

それぞれ解説します。

コツ1. 可能な範囲で見た目をキレイにする

土地を高く買う一般の人は第一印象が大切

土地を高く売る1つ目のコツは、見た目をキレイにしておくこと。

雑草が生い茂る土地よりも、きれいに手入れされている方が高く売れます。

理由として、土地を高く買うのは投資家や不動産会社でなく一般の人で、第一印象で判断する傾向があるため。

一般の人はエリアや向きなど条件を絞って探し、相場感も強くないため、相場より高くても気に入れば購入します。

一方で投資家や不動産会社は、投資効率や収益を重視するため相場より安い土地しか買いません。

面倒であれば不動産会社に依頼する

土地の除草やゴミの片づけなど、面倒であれば不動産会社に依頼できます。

費用がかかる場合が多いですが、除草費用は処分込み50坪で4〜6万円程度。

さらに不動産会社によっては、野村の仲介+など土地の手入れが無料のところもあります。

コツ2. 境界を確定する

境界が未確定だと売りにくい

まだ隣地と境界を確定していない場合は、境界確定を済ませましょう。

土地の売買では、隣地との境界確定を求められるのが一般的です。

境界確定とは
隣地の所有者と立ち会い、境界の位置を合意して書面に残す作業。現地には境界標を設置する。所有者が一般の人の民民境界と、公道や水路など官公庁との官民境界があり、官民境界は時間がかかるケースが多い。

もし境界があいまいだと、後々トラブルになる恐れがあるため、そのリスク分だけ土地の価格は下がってしまいます。

依頼は不動産会社の紹介で

測量及び境界確定は、土地家屋調査士に依頼します。

土地家屋調査士は経験や技術の差が大きいため、売却を依頼する不動産会社に紹介してもらう方が良いでしょう。

費用は境界確定で30万円〜。

境界確定について、詳しくはこちらで解説しています。

コツ3. 埋設や擁壁など保証をつける

保証があると買主が安心して購入できる

土地を高く売るためには、地下埋設物擁壁軟弱地盤など保証を付けて売る方が高く売れます。

特に一般の人が宅地を買う場合は、保証があると安心して購入できるもの。

土地を高く買うのは宅地を探す一般の人なので、保証をつける方が高く売れやすくなります。

大手の無料保証もある

一部の大手不動産会社では、売却を依頼すると埋設物撤去費用や地盤改良工事費、擁壁を無料で保証するサービスがあります。

ただし問題がありそうな不安な土地は保証されません。

東急リバブル リバブルあんしん仲介保証
埋設物撤去保証
土地の引渡し後、買主が建築する際、土地の瑕疵担保責任に該当する建物施工上、支障を及ぼす所定の人為的埋設物を発見した場合、その撤去費用を200万円まで東急リバブルが保証するもの。
地盤調査保証
地耐力や地盤改良の必要性の有無、工法、費用(目安)などを調査報告書で事前にお知らせ。買主指定のハウスメーカー・工務店など(建築事業者)による地盤改良工事費用が調査報告書の費用を上回る場合は、所定の内容に基づき、東急リバブル指定会社にて、調査報告書の記載費用内で地盤改良工事を施工することを保証するもの。
擁壁調査保証
擁壁の現状を調査し、その結果に基づき、そのまま利用できることを保証するもの。
野村の仲介+ あんしん土地診断(埋設物撤去)
埋設物撤去保証
土地の引渡し後、所定の大きさを超える地中埋設物が調査深度の範囲内で発見された場合、その撤去費用を200万円までが保証するもの。
野村の仲介+の無料査定を試すならこちら
ノムコムの不動産無料査定

コツ4. 優秀で信頼できる不動産会社を選ぶ

土地売却の成否は、不動産会社選びで8割決まる

土地の売却が成功するかどうかは、不動産会社選びで8割が決まります。

なぜなら土地を売る作業は、そのほとんどが不動産会社にお任せで、売主ができることは限られているため。

土地の売却では、不動産会社を選んだ時点で売主の作業はほとんど終わっています。

優秀で信頼できる不動産会社なら、ここまでの高く売るコツも全て提案して、業者も手配してくれるでしょう。

ハウスハウス

不動産会社なんて、どこでも同じじゃないの?


家博士家博士

ところが不動産会社でも土地の売却はほとんど実績が無いところも多い。
ごく一部だけど悪質な業者も居るよ。

優秀な不動産会社は土地を高く売れる

優秀な不動産会社は、売買実績が豊富で最新の相場に精通しているため査定が正確。

また多くの物件を売り出しているため、購入希望者の問い合わせが多く、多くの見込み客を抱えています。

希望条件が近い顧客なら、電話やメール1本で即日売れることもよくある話。

無料査定を依頼した時点で、買主の心当たりがある不動産会社が見つかるかもしれません。


顧客への直接営業イメージ

優秀で信頼できる不動産会社の選び方

優秀で信頼できる不動産会社の選び方

  1. エリアで売却実績が豊富な不動産会社に絞る
  2. 3〜6社に無料査定を依頼して、査定価格と話を聴き比べる

エリアで売買実績が豊富な不動産会社は、査定の精度が高くなります。

また今は都市部を中心に不動産価格が高騰しているため、不動産のプロでも査定が難しい状態。

不動産会社によって査定価格に差が出るため、1社だけでなく最低3社以上に査定を依頼しましょう。

ハウスハウス

土地の売却実績が豊富な不動産会社はどこ?


家博士家博士

都市部なら大手3社が強いね。


実績は大手3社が強い

売買仲介件数ランキング上位35社
(2023年3月)

不動産会社の売買仲介件数ランキング2023年3月

不動産売却の実績は、大手3社に偏っています

三井のリハウス住友不動産販売東急リバブルの3社は、仲介件数が2万件を超えており、大手の中でも圧倒的。

都市部で査定を依頼するなら、これら大手3社を中心に考えると良いでしょう。

ハウスハウス

大手3社は別格だね。


家博士家博士

3社もそれぞれ特徴があるから、解説しよう。

【大手1】三井のリハウス
37年連続で売買仲介件数1位

三井のリハウス

  • 店舗数 286店舗
    (首都圏182、関西圏46、中部圏25、札幌9、東北6、中国9、九州9)
  • 三井のリハウスは、37年連続で売買仲介件数1位と業界を代表する不動産会社。

    独自の査定システムは精度が高く、売主の約76%がほぼ提案価格(提案の95%以上)で成約しています。


    多くの購入希望者を抱えるため早く売れることも強みで、売主の65%が2ヶ月以内に成約するほど。

    また担当者のレベルが高いことにも定評があり、顧客満足度は96%と高評価です。

    家博士家博士

    業界を代表する会社だから、初めての売却ならまず話を聞いてみると良いよ。
    他と比較する基準にもなるからね。

    三井のリハウスの無料査定はこちらから
    三井のリハウス

    【大手2】住友不動産販売
    熱心な営業スタイルに定評

    すみふの仲介ステップ

    • 店舗数 234店舗
      (首都圏136、関西圏58、中部東海15、北海道8、東北4、中国7、九州6)

    住友不動産販売(すみふの仲介ステップ)は、営業マンの熱心な営業スタイルに定評があります。

    現在の購入希望者の登録数も公開しており、常に2万人を超える希望者が登録。

    自社ホームページの月間来訪者数は300万件以上、登録物件数は2万8千件以上と十分なスケールメリットもあります。

    家博士家博士

    スマートでクールな営業より人情深く熱心な営業が好みなら、他より出会える可能性が高いかも。


    【大手3】東急リバブル
    東急沿線や大型案件に強み

    東急リバブル

    • 店舗数 216店舗
      (首都圏141、関西圏42、名古屋11、札幌9、仙台6、福岡7)

    東急リバブルは売却に便利なサービスが充実しています。

    例えば予定期間で売れないと査定価格の90%などで買取る「買取保証」は、買い替えで安心。

    またリフォーム込で売り出す「アクティブ売却パッケージ」は、築古マンションを売り出す方法として効果的です。

    家博士家博士

    初めての買い替えや売却で心配なら、話を聞いてみると良いね。

    東急リバブルの無料査定はこちらから
    東急リバブル

    大手にまとめて査定を依頼するなら「すまいValue」

    大手3社にまとめて無料査定を依頼するなら、一括査定サイトの「すまいValue」が便利。

    すまいValueは、大手上位6社(三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー)が共同運営する一括査定サイトです。


    すまいValue

    すまいValueの公式サイトはこちら
    すまいValue

    ハウスハウス

    とりあえず大手3社に査定を依頼すれば良いの?


    家博士家博士

    売却予定なら個人の相性もあるから、大手3社以外と比較した方が良い。
    首都圏・関西圏ならエージェント制のSRE不動産(旧ソニー不動産)、それ以外なら地域で実績No.1の会社にも査定を依頼しよう。

    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    売主だけを担当するエージェント制

    SRE不動産
    大手と比較するならSRE不動産(旧ソニー不動産)が良いでしょう。

    なぜならSRE不動産は、大手で問題になりがちな両手仲介が無いため。
    (※両手仲介とは売主と買主を同じ不動産会社が担当すること。大手は顧客を多く抱えるため、自然と両手仲介が多くなる。)

    SRE不動産は、業界初のエージェント制で売主だけを担当。
    買主は無数にある他の不動産会社が積極的に探します。

    結果として、大手にも劣らない販売力で、早く高く売れやすいことが最大のメリット。

    ただし営業エリアは首都圏・関西圏限定です。

    家博士家博士

    SRE不動産は業界でも両手仲介無しで知られているから、他社が競って営業してくれる。
    大手と話を聴き比べて、自分に合ってる方を選ぶと良いよ。

    SRE不動産(旧ソニー不動産)の公式サイトはこちら
    SRE不動産

    その他エリアは地域No.1を探す

    大手やSRE不動産の営業エリア外なら、地域で実績No.1の不動産会社を中心に選びましょう。

    実績No.1の不動産会社は、実績をアピールしているのですぐに分かります。

    不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトをいくつか併用すると良いでしょう。

    全国対応の主要な一括査定サイトとして次があります。

    その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。

    ここまでは一般的な土地の売却について、解説してきました。

    特殊な土地ではさらにそれぞれの条件に合った売却方法があります。

    特殊な土地の売却

    古い家は解体せず売る方法もある

    売却したい土地に古い家が建っていても、解体せずに古家付き土地で売れます。

    解体せずに売るメリットは、税金が安いことや建物の瑕疵担保を免責にできる点、解体費用を節約できる点が挙げられます。

    デメリットは、解体費用分の値引きを求められる可能性があることや、売れなかったときの維持管理に手間がかかる点など。

    判断が難しいポイントなので、不動産会社の意見を聞くと良いでしょう。

    市街化調整区域は特約付で売る

    市街化調整区域では、建物の建築が制限されているため、最悪の場合は建物建築の許可が取れない恐れもあります。

    このため、建築の許可を条件として売買契約を結ぶことで、買主のリスクを保証すると土地が売れやすくなります。

    詳しくはこちらで解説しています。

    大きな土地は分筆して売却

    宅地として売るには大きすぎる土地は、分筆して宅地サイズにすると、一般の人が購入できるため高く売れやすくなります。

    ただし都市部では、住宅を建てられる最低限度が100〜200m2で決められているため、役所に確認するか、不動産会社と相談したほうが良いでしょう。

    借地や底地は協力して所有権で売却

    借地権や底地を売却する場合は、地主と借地権者が協力して、所有権として売却すると相場通りの価格で売却できます。

    借地権の売却や底地の売却では、相場よりかなり低い価格の売却になってしまいます。

    底地の売却はこちらで解説しています。

    借地権の売却はこちらで解説しています。

    接道状況が悪い土地は確認して改善

    土地は接道(道路と接している部分)が大切です。

    接道が悪ければ、最悪の場合建物を建てることができません。

    また私道と接している場合は、所有者に掘削許可を得ないと、水道などの工事ができない恐れもあります。

    私道の通行・掘削承諾書については、こちらで詳しく解説しています。

    まず役所や登記簿などから、接道の状況を確認して、必要な許可をとったり、隣地と交渉する必要があります。

    接道については、こちらで解説しています。

    貸し駐車場は更地売却で

    貸し駐車場として利用している土地を売却する際は、駐車場特有の悩みが出てきます。

    その中でも特に悩むのが、駐車場を貸し出したまま売却するかどうか。

    駐車場として貸し出したままでも売却は可能ですが、高く売るためには解約して売る方がオススメ。

    なぜなら、貸し出したままでは土地の用途が「駐車場」に限定されてしまい、買い手が見つかりにくくなるからです。

    駐車場を解約して用途を限定しなければ、駐車場以外に土地を探している人の目に留まる確率も高くなります。

    家博士家博士

    解約して売る場合は、契約者に対して解約通知を出すところから始めよう。契約書に明記されている期限を守れば問題ないので、まずは契約書の内容を確認しておこう


    農地は宅地化すると高く売れる

    農地は宅地化すると高く売れます。

    なぜなら農地のままだと農家しか買えませんが、宅地なら一般の人が買えるため。

    ただし農地の宅地化や売買には法律で厳しい制限があり、自治体の農業委員会の許可が必要です。

    家博士家博士

    宅地に転用できるのは『第2種農地』と『第3種農地』だけ。
    基本的に市街地に近い農地だよ。


    農地がどの区分に該当するか、転用の可否などは、農業委員会に問い合わせます。

    不動産会社に相談すれば、問い合わせや交渉を代行してくれます。

    山林の売却は公簿売買・山林所得に注意

    山林は土地面積がとにかく広いので、測量をせず登記簿上の面積で売買する公簿売買が一般的です。

    家博士家博士

    測量せずに売買するのは、宅地などと違って面積が広い分、測量をすると莫大な費用がかかってしまうから。


    さらに山林の売却では、確定申告が特殊な点も要注意。

    立木部分と土地部分で分け、立木部分は「山林所得」、土地部分は「譲渡所得」となります。

    山林売却について、詳しくはこちらで解説しています。

    土地売却の基礎知識

    相続した土地は相続登記と特別控除の期限に注意

    相続した土地を売る場合、売却前に相続登記が必要です。

    【参考】法務省・相続登記

    また売却した際の譲渡所得から3,000万円を控除する特別控除もありますが、期間限定の特例。

    相続日から3年目の12月31日までに譲渡しなくてはいけないなどの条件があります。

    【参考】国税庁・No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例

    家博士家博士

    本来は税理士だけど、不動産会社でも教えてもらえるから、査定のついでに聞いておこう


    ローンの抵当権は抹消が必要

    売りたい土地に抵当権が残っている場合は、抹消しなければ売却できません。

    ただし事前に抵当権を抹消しておく必要はなく、引渡しと同日に抵当権抹消でOK。

    この場合は売却代金でローンを一括返済します。

    家博士家博士

    引き渡し日に抵当権を抹消するためには、なるべく早めに銀行に通知しておく必要がある。最低でも2週間以上前には銀行に通知しておこう

    事前に銀行へ通知しておくのは、抵当権の抹消に必要な書類の準備に時間がかかるため。

    直前に頼んで出来るものではないので、時間に余裕をもって進めるようにしましょう。

    土地を売るのに必要な書類

    土地を売る時の必要書類は、売却する土地によっても異なりますが、主に次のようなものが必要です。

    • 登記済権利書または登記識別情報
    • 固定資産税納税通知書、固定資産税評価証明書
    • 土地測量図、境界確認図
    • 売主本人の確認書類(身分証明書や印鑑証明書、実印など)

    このほか、建築確認通知書や工事記録書、建築設計図なども必要に応じて準備します。

    ハウスハウス

    いろいろと準備する書類があるんだね

    家博士家博士

    このあたりは分かりにくいところもあるから、不動産会社に相談すると教えてもらえるよ

    土地の売却にかかる費用

    土地を売却する時にも費用がかかります。

    費用の目安は売却価格の3.5〜5%。

    不動産会社への仲介手数料や税金の他、印紙代や登記代が必要です。

    個人間売買はトラブルになりやすい

    個人間売買では、仲介手数料(売買価格×3%+6万円)を支払わずに済みますが、トラブルになりやすいためオススメしません。

    もし買い手がすでに見つかっている場合は、不動産会社に交渉すれば手数料半額などで売買契約を媒介してくれます。

    土地の売買では、契約書の作成やトラブル防止のためのチェックで、専門的な知識が必要です。

    土地の法的な制限、境界の問題、インフラの状態など、売買契約書に全て明示しないと、後から費用を請求される恐れがあります。

    個人間売買については、こちらで解説しています。

    土壌汚染調査が必要な土地もある

    2003年に施行された土壌汚染対策法によって、工場やガソリンスタンドなどがあった土地は、土壌汚染調査が必要になりました。

    土壌汚染対策法は、土壌汚染による健康被害を防止するための法律。

    工場やガソリンスタンドがあった土地には汚染物質が含まれている可能性が高いので、調査したうえで売却します。

    ハウスハウス

    知らずに売却してしまった場合はどうなるの?

    家博士家博士

    売主が知らなくても、売却後に汚染が判明すれば瑕疵となって、契約解除や損害賠償を請求される。
    トラブルを防ぐために、重要事項説明に記載しておこう。

    土壌汚染については、こちらで解説しています。

    大規模な土地では地盤調査が必要な場合も

    一般的な宅地では必要ありませんが、大規模な事業地などでは、地盤調査が必要な場合もあります。

    詳しくはこちらで解説しています。

    不動産会社に売却を断られても諦めない

    田舎の土地では、不動産会社に売却できないと断られることもあります。

    これは売買価格が安すぎ、仲介手数料が安くて赤字になってしまうため。

    実際は売れる土地も多くあります。

    不動産会社に断られても簡単に諦めず、他の不動産会社に当たってみれば、扱ってくれる不動産会社が見つかるかもしれません。

    また空き家バンクや近隣の人など、不動産会社以外にも売却する方法はあります。

    詳しくはこちらで解説しています。

    その他特殊な土地のリスク

    その他に特殊な土地の売却では、様々なリスクがあります。

    洪水・津波・がけ崩れの恐れがある土地

    こういったデメリットは、きちんと売買契約書に記載します。

    擁壁のある土地

    高さ2m以上の擁壁は、様々な規制の対象になる恐れがあります。

    送電線・高圧線の下の土地

    送電線・高圧線は、電圧と高さ制限次第で、土地の価格に大きく影響します。

    また嫌悪施設としても、一部の人には避けられる傾向があります。

    埋蔵文化財包蔵地

    埋蔵文化財があると、建築工事が止められて調査が行われるリスクがあります。

    土地の売り時はいつ?

    都市部を中心に土地は高騰している

    土地の価格は、都市部を中心に高騰しています。

    不動産価格指数(全国)

    不動産価格指数(全国202404)

    不動産価格指数とは

    不動産相場の価格変動が純粋に分かる指数。国土交通省がアンケートで集めた年間30万件の成約価格を元に、ヘドニック法という統計計算でまとめたもの。3ヶ月前までのデータが毎月末頃に公表される。2010年の平均を100として算出。

    中古マンションは約11年で92%も値上がりしています。


    都市部の土地は、マンションと同じくらい値上がりしていると考えて良いでしょう。

    一方で地方や郊外の住宅地は、戸建てと同じ。

    戸建てはあまり上昇していないように見えますが、これは都心部の戸建てが上昇している分を、地方の戸建ての値下がりが打ち消しているため。

    立地によって、価格の2極化が進んでいます。

    駅から近いほど値上がりは大きい

    ポイントとなるのは駅からの距離。

    国土交通省が毎年発表している1月1日時点での公示地価の変動率を見てみましょう。

    最寄り駅距離別の公示地価変動率
    (3大都市圏・2018年)

    最寄り駅距離別の公示地価変動率(3大都市圏・2018年)

    最寄り駅距離別の公示地価変動率
    (地方圏・2018年)

    最寄り駅距離別の公示地価変動率(地方圏・2018年)

    公示地価を見ると、最寄り駅から徒歩7分以内(0.5km未満)にある土地は3大都市圏でも地方圏でも値上がりしている傾向が分かります。

    また最寄り駅から離れるほど地価は上がらず、3大都市圏ですら5kmを超えると-1.1%も前年比で下落している結果に。

    この傾向は今後ますます強くなると見られています。

    いずれ土地を売る予定であれば、最寄り駅から遠いエリアでは、なるべく急いだ方が良いでしょう。

    最寄り駅から徒歩7分以内の土地は、まだ上値を狙うという選択肢もあります。

    ハウスハウス

    東京や大阪などの大都市圏でも、地方と同じような傾向にあるんだね

    家博士家博士

    だから、都市部であっても安心していられないんだ。それに、都市部も地方もそれぞれ問題を抱えているんだ

    長期的には厳しい見通し

    3大都市圏は生産緑地問題

    まず3大都市部が抱えているのは生産緑地問題。

    これまで農地として残されていた土地(生産緑地)の一部が、2022年以降に宅地化されます。

    解除見込みの生産緑地と住宅着工面積
    2022年以降に解除見込の生産緑地面積 新築住宅着工床面積2022年度 割合
    東京都 143万m2 884万m2 16%
    埼玉県 138万m2 438万m2 32%
    千葉県 107万m2 377万m2 28%
    神奈川県 75万m2 503万m2 15%
    首都圏合計 463万m2 2,202万m2 21%
    愛知県 166万m2 481万m2 35%
    大阪府 132万m2 491万m2 27%
    京都府 57万m2 118万m2 48%
    兵庫県 41万m2 258万m2 16%
    奈良県 85万m2 59万m2 144%
    関西圏合計 315万m2 926万m2 34%

    この表で25%を超える地域は、ある程度影響する恐れがあるでしょう。

    人口減少で空き家・空き地が急増

    日本は歴史上で初めて人口減少期に入りました。

    日本の長期人口変化

    日本の長期人口変化

    一方で新築住宅が年90万戸ペースで次々と建てられています。

    日本人の人口・世帯数と住宅戸数

    住宅戸数と世帯数の変化2018年rev3

    結果として、空き家率は2018年時点で13.6%に。

    国土交通省の「国土の長期展望」によると、2050年には

    • 5割の地域で、人口が現在の半分以下になる。
    • 2割の地域で、無人化する。

    ことが分かっています。

    持ち家の27%が空き家予備軍

    2025年には団塊の世代が75歳以上になり、多くの人が施設へ入居します。

    そうなると空き家・空き地は一気に増加。

    すでに2018年時点で、全国の居住中の持ち家2,864万戸に対し、779万戸(27%)が65歳以上の高齢者のみの世帯。

    実に27%もの住宅が「空き家予備軍」となっているのです。

    地方だけでなく、東名阪(東京・名古屋・大阪圏)エリアでも空き家予備軍は370万戸(27%)。

    実際にこれだけ空き家が増えると、家を売ろうにも供給過多で売れないことが予想されます。

    空き家予備軍の割合(2018年時点)

    空き家予備軍

    首都圏でも、すでに売れないエリアが

    家博士家博士

    そもそも、今でもすでに売れないエリアがある。それも、東京に近いエリアですら、ものすごい勢いで地価が下落していたりするんだ

    例えば、千葉県松戸市にある小金原団地は、1969年に整備された大規模な団地(賃貸・分譲併せておよそ3000戸)です。

    築年数は49年。

    建物の老朽化だけでなく高齢化も進んでおり、周辺地域の高齢化率は50%に届く勢いとなっています。

    周辺エリアの地価下落率はこの10年で26%。

    築40年以上の大規模団地の中でも、最大の下落率となりました。

    「首都圏だから大丈夫」と、悠長なことを言っていられない状況になっているのです。

    ハウスハウス

    いずれ売る予定なら、早く売った方が良さそうだね


    家博士家博士

    地方や郊外では売れない土地も増えてきているよ。

    まとめ

    ここまで土地売却入門として、土地の売却に必要な知識を解説してきました。

    土地を高く売る4つのコツは、

    1. 可能な範囲で見た目をキレイにする
    2. 境界を確定する
    3. 埋設や擁壁など保証をつける
    4. 優秀で信頼できる不動産会社を選ぶ

    長期的には、一部の都心を除き土地が売りにくくなるので、いずれ売る予定なら早いほうが有利です。

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    あなたの不動産売却が成功することを、心よりお祈りしております!