「土地区画整理地内の土地は売れるの?」
土地区画整理地内の土地売却でお悩みですね。
確かに土地区画整理事業は長期間かかり、期間中は工事の騒音や複雑な手続きで不安な毎日が続くもの。
そんな日々を送るより、住み替えてスッキリしたいと思うのが自然だと思います。
もしあなたの土地が高値で売却できて、土地区画整理事業から解放されたら理想的ですね。
そんなあなたのために、土地区画整理地内の不動産売却について、分かりやすく解説しました。
土地区画整理事業の対象となっている不動産は売却できますが、タイミングによって注意点もあります。
この記事では、土地区画整理事業による売却価格への影響や、土地区画整理事業の基本をまとめました。
あなたの不動産売却が成功し、土地区画整理事業の悩みから解放されるために、この記事がお役に立てば幸いです。
この記事のもくじ
売れるが、計画の進捗と内容によっては価格に影響する
土地区画整理区域内にある土地でも、売却は可能です。
ただし計画の進捗状況や内容次第で、価格に影響してしまいます。

やっぱり、価格は安くなってしまうのかな?

安くなるとは限らないよ。
事業が完了すれば地価が上昇することが多い。
だから、進捗状況と内容次第なんだ
土地区画整理区域内の土地を売却するなら、まず不動産会社に無料査定を依頼してみましょう。
ただし土地区画整理では、不動産会社によって意見が分かれるケースもあります。
不動産会社は、1社だけでなくできれば3社〜6社にした方が安心です。

そんなにいっぱい不動産会社なんて知らないよ。

不動産会社に心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると良いよ
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土地区画整理事業の流れ
土地区画整理事業は、次のような流れで進んでいきます。
各段階での売却について
土地区画整理区域内にある土地は、どの段階であっても売却可能。
ただし、それぞれ注意点もあります。
段階1. 都市計画決定前
都市計画決定前は、普通に売れます。
ただし、進捗によっては重要事項説明書に記載が必要になることも。
記載した方が良いかは、不動産会社に相談しましょう。
段階2. 都市計画決定後〜仮換地指定前
この段階になると売却価格が安くなってしまいますが、「安ければ買う」という人も。
ただし建物が移転対象になれば補償金が受け取れるので、すぐに売却するのではなく、仮換地指定まで待った方がお得な場合もあります。
段階3. 仮換地指定後〜換地処分前
仮換地が指定されて以降は普通に売却できますが、手続きは少し特殊な形になります。
この段階になると買主が実際に購入し家を建てるのは仮換地の方。
しかし、契約書の書面上では仮換地ではなく、従前地を売買したことになるのです。
住所や面積についても、契約書に記載するのは仮換地のもの。
手続き上は従前地の売買なので、登記についても従前地で行います。
なお、この時には仮換地の場所や形状などを書いた「仮換地指定証明書」を買主に確認してもらったうえで、売買取引を行います。

手続き上は従前地の売買だけど、実際は仮換地を購入することになるんだよね? 売主は買主に対して、仮換地についての説明が必要になるってこと?

手続き上は従前地の売買だから、売主は従前地に関する情報さえ伝えておけば問題ない。
でも買主は仮換地のことが知りたいから、仮換地の事も調べておくと話が早いね。この辺りも、不動産会社に相談すると教えてくれるよ。
なお、従前地と仮換地では仮換地の方が地価は上がります。
これは土地区画整理事業によって土地の価値が上がるため。
しかし、土地面積については仮換地の方が狭くなるので、総額については場合によります。
補償金について
仮換地指定後、建物が移転対象となった場合は補償金が支払われます。
ここで注意しておきたいのが、補償金にも税金がかかるという点。
ただし、補償金の全額が課税対象となるのではありません。
また、建物の移転工法によって補償金の取扱いも異なります。

移転工法にはどんなものがあるの?

従前地から仮換地まで建物をそのまま移動させる『曳家工法』や、同種同等の建築物を再築する『再築工法』があるよ。
従前地から仮換地まで高低差や障害物がない場合は曳家工法、直接移動が難しい場合は再築工法が使われるんだ
曳家工法の場合
曳家工法の場合、補償金は「移転補償金」の扱いになり、一時所得の対象となります。
移転費用として使った部分は課税対象外ですが、使わなかった分には税金がかかります。
再築工法の場合
再築工法の場合、補償金は「対価補償金」の扱いになり、譲渡所得となります。
対価補償金には次のような特例があり、いずれか一つを適用できます。
- ① 5,000万円特別控除の特例
- 譲渡所得のうち、5,000万円までは課税されない特例です。
- ② 代替資産の取得の特例
- 代替資産の取得に対して支払った分には課税されない特例です。

移転工法によって所得の種類も違うから、確定申告時の手続きも違うんだ。必要書類も違うから確認してこう。
なお、建物が移転対象とならなかった場合は補償金も受取れません。
土地区画整理事業区域であっても、補償金が必ず受け取れるわけではないのです。
段階4. 換地処分、清算金確定、事業完了後
換地処分、清算金確定、事業完了後は普通に売れます。
売却価格は、土地区画整理前より地価が上がるため、高めで売れることが多いでしょう。
ただし、区画整理によって土地面積は狭くなるため、総額が高くなるかどうかはケースバイケースです。
清算金について
土地区画事業が実施されると、土地の価値も変わります。
地価が上昇したり面積が変わったりするため、従前地と仮換地で全く同じ価格にすることは不可能です。
こうした差額を解消するのが清算金。
従前地より仮換地の価値が下がれば清算金を受取れますが、逆に価値が上がった場合は清算金を支払うことになります。

清算金って、受取るのと支払うのはどちらが多いのかな?

実は支払うケースの方がほとんど。これは土地区画整理によって、土地の価値が上がるからなんだ。金額自体はそこまで大きな金額にはならないけれど、売主と買主のどちらが負担するのか、売買時に決めておく必要があるよ
土地区画整理事業の基本
土地区画整理事業の目的は、宅地利用を推進し、土地の価値を高めること。
そのために道路や区画を整理し、公園など公共施設の設置を行います。
土地区画整理事業イメージ
最後に土地区画整理事業の基本も押さえておきましょう。
土地が移動する
土地区画整理事業では道路や区画を整理することによって、従前地→仮換地→換地と土地が移動します。
- 従前地
- 区画整理事業以前の、移転前の土地
- 仮換地
- 事業終了後に移転が予定されている土地
- 換地
- 事業終了後の移転後の土地で、基本は仮換地と同じ
土地が狭くなる
土地区画整理事業では、道路や公共施設の整備のために新たな用地が必要になります。
これらの用地は原則として、対象区域内の土地の所有者が平等に提供することとなっているのです。

ということは、土地区画整理事業区域内にある土地所有者は、事業によって所有する土地の面積が減るってこと?

そう。このように、用地を提供することを『減歩(げんぶ)』と言うんだ
減歩には大きく分けて次の2種類があります。
- 道路や公園など公共施設になる「公共減歩」
- 保留地として売却し事業費用に充てる「保留地減歩」
なお、保留地の売却については、区画整理事業者や土地区画整理組合が行います。
清算金で調整
土地区画整理事業によって土地の価値が変わるため、清算金で調整することになります。
清算金は受取るよりも支払う方が多いのが実情です。
事業にかかる時間
土地区画整理事業は、事業完了まで長い時間がかかります。
規模が小さければ5年程度で終わることもありますが、大規模なものになると10年以上かかることも。
最近は地価の下落によって保留地の売却が進まず、特に地方では事業施工期間が長期化する傾向にあります。
賦課金に注意
保留地が売却できなかったり、事業運営が困難になったりすると「賦課金」の支払いが発生します。
賦課金は土地区画整理組合の組合員が平等に負担することとなっています。

どんな人が組合員になるの?

土地区画整理事業区域内の土地の所有者が組合員になるんだ。事業完了後に土地を買った人はもちろん、従前地を購入した人も必然的に組合員になるから注意しておこう
過去には賦課金に関して「瑕疵にあたるのではないか」と、買主が売主を訴えたことも。
「賦課金発生の可能性について説明を怠った」ことが「瑕疵」にあたると判断され、賦課金相当額が損害賠償として認められたこともあります。
その一方で、売買契約時には賦課金に関する具体的な予定がなかったことから、説明がなくても「瑕疵」にはあたらないと判断されたこともありました。
瑕疵にあたるかどうかの判断は、売買契約時の状況によって変わるのも事実。
しかし、後々のトラブルを防ぐ意味からも、賦課金の支払いに関することはきちんと説明しておくと良いでしょう。
区画整理事業が完了できないケースもある
区画整理事業の中には、途中で資金不足などで事業が行き詰まるケースもあります。
事業主がUR(都市整備機構)など、公的機関では問題ありません。
問題なのは、事業主が民間で、当初の資金計画が甘い場合。
こういった場合は、途中で資金が足りなくなってしまうのです。
資金が不足すると、事業主の組合から区画整理地内の土地所有者・購入者に資金の捻出の依頼があります。
また地主に対して再減歩(土地の一部を手放すこと)を依頼し、その土地の売却費用で事業資金の不足を補うケースも。
こういったリスクがある区画整理事業では、購入者もリスクを避けるため、売却が難しくなります。
まずは不動産会社の意見を聞いてみては
土地区画整理事業は、長い期間がかかります。
事業が進んでいる間は、周りも工事だらけで、騒音や粉塵などがあり落ち着きません。
この機会に土地の売却を検討しているなら、まずは不動産会社に無料査定を依頼して、売却のタイミングなどを相談してみてはいかがでしょうか。
不動産会社は、査定と相談だけなら無料で対応してくれます。
不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利です。
一括査定サイトの定番3社
一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。
一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。
この3社以外についてはこちらにまとめています。
すまいValue
- 査定実績:
- 40万件
- 不動産会社数:
- 大手6社・全国890店舗
- 運営会社:
- 大手6社共同運営
大手6社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル・野村の仲介+・三菱地所ハウスネット・小田急不動産)が共同で2016年に設立した一括査定サイト。
6社といっても全国890店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。
売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。
首都圏以外のほとんどの地方都市でも、三井・住友・東急の3社が売却実績のトップ3を独占しています。
2021年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトです。
簡易査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。管理人のコメント
地方では大手より地域密着の中小が強い場合もあるので、3位のHOME4Uも確認した方が良いでしょう。
しかし都市部では「すまいバリュー」が定番です。
特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。優秀な営業マンも数多く抱えています。SRE不動産(旧ソニー不動産)
- 査定実績:
- (2014年開始)
- 不動産会社数:
- 売主側1社(買主側多数)
- 運営会社:
- SREホールディングス株式会社
すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。利用できるエリアは首都圏と関西圏限定です。
あのソニーが始めた不動産会社で、売主だけを担当するエージェント制が特徴。無数にある他の不動産会社が買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。管理人のコメント
大手不動産会社でエージェント制はSRE不動産だけ。話を聞くと売却活動に役立つでしょう。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで査定を依頼することがポイント。まずメールで概算価格を査定してくれます。
HOME4U
- 査定実績:
- 累計40万件(2001年開始)
- 不動産会社数:
- 1,500社
- 運営会社:
- 株式会社NTTデータ・スマートソーシング
日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始依頼、査定累計数40万件と実績も豊富。運営は東証1部上場の株式会社NTTデータのグループ会社。
不動産会社は大小バランスよく登録されているため全国どこでも幅広く依頼ができます。
机上査定を選ぶと、郵送やメールで査定可能。管理人のコメント
HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多いため、自然と査定精度が高くなる仕組みになっています。
ちなみに記入した内容はまた不動産会社と話をするときに修正できます。
あまり真剣に悩まず、とりあえず現時点の希望を書いておく程度で大丈夫。
不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。
【公式サイト】すまいValue
【公式サイト】SRE不動産
【公式サイト】HOME4U
あなたの土地売却が成功することをお祈りしております!