「土地区画整理地内の土地は売れるの?」
区画整理の土地売却でお悩みですね。
確かに事業期間中は工事の騒音や複雑な手続きで落ち着かないもの。
そんな期間が何年も続くなら、いっそ住み替えてスッキリするのも選択肢の一つです。
ただ売り出しても、足元を見られて安く買い叩かれそうで不安に思うかもしれません。
そんなあなたのために、区画整理の土地売却について、分かりやすく解説しました。
区画整理の土地は売却できますが、いくつか注意点があります。
この記事では、区画整理の土地売却の注意点、売るタイミング、そして知っておきたい土地区画整理事業の知識をまとめました。
あなたが最適な選択肢を見つけるために、この記事がお役に立てば幸いです。
この記事のもくじ
区画整理の土地は売れるが…
進捗と内容で影響あり、個別判断は難しい
土地区画整理区域内にある土地でもほぼ全て売却できます。
しかし事業の進捗と内容によって売却へ影響することがあり、最適な売却戦略やタイミングは違います。
背景や条件・スキームは様々
さらに土地区画整理事業はそれぞれ背景や条件が様々で、特殊なスキーム(手法)が組み込まれているもの。
そのためあなたの土地を正しく判断するには、高度な専門知識が必要となり、残念ながら普通の人には難しいのが現実です。
もちろんこの記事ではなるべく分かりやすく解説しており、一読しておくと役立つでしょう。
ただしあくまで一般論で、あなたの土地には合わない恐れがあることだけは、頭に入れておいて下さい。
いきなり、難しいなんて何だよ!
それじゃあ、どうすれば良いの?
不動産のプロの力を利用するのが確実だね。
事業が完了すれば地価は上がるけど、清算金を支払うリスクもある。
内容次第で売るタイミングも違うんだよ。
不動産のプロの知識を利用するのが確実
土地区画整理区域内で土地の売却を少しでも考えているなら、不動産のプロを上手く利用した方が確実です。
エリアで売買実績が豊富なら、再開発にも精通している
エリアで売買実績が豊富な不動産会社なら、再開発の裏事情にも精通しており、進捗もよく知っています。
例えば都内では、計画決定から40年以上も事業化されていない事例も半数以上。
この様なエリアでは、建築制限は多少あるものの、普通に売却できます。
エリアで売買実績が豊富な不動産会社は近隣の売却事例を知っているため、価格の影響もほぼ正確に予想できるのです。
1社だけでなく3〜6社に査定を依頼する
ただし1社だけでなく、3社〜6社程度に無料査定を依頼して、意見を聴き比べる方が確実です。
なぜなら不動産会社の当たり外れ、担当者の当たり外れがあるため。
1社だけだと、たまたま経験が無い担当者や、騙して買い叩こうとする悪質な担当者に当たる恐れがあります。
複数の不動産会社に意見を聞くと、より確実な判断ができます。
エリアで売買実績が豊富な不動産会社はどうやって探すの?
不動産会社に心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると良いよ
不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトが便利
不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利です。
大手の運営する一括査定サイトとして主要なものは、
その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。
不動産一括査定サイト、主要16社を徹底比較し、ランキングでまとめました。
専門家に相談するにしても、少しは知識が必要だよね。
そうだね。まず最低限知っておきたい土地区画整理事業の知識を紹介しよう。
これだけは知っておきたい区画整理の知識まとめ
ここからは、まず最低限これだけは知っておきたい土地区画整理事業の知識をまとめました。
ある程度ご存知の方は読み飛ばしてください。
土地区画整理事業とは
目的は土地の価値を高めること
土地区画整理事業の目的は、そのエリア全体の土地の価値を高めること。
具体的には、道路や区画を整理し、公園など公共施設を整備、宅地利用を推進します。
土地区画整理事業イメージ
土地を整理して、住みやすい街にするんだね。
施行者は公的と民間があるよ
公的施行と民間施行がある
土地区画整理事業の施行者には、大きく公的と民間があります。
公的施行
公的の施行者として具体的には、次の3つ。
- 地方公共団体(都道府県・市区町村)
- 行政庁(国土交通省・都道府県知事・市区村長)
- 公団等(独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社)
民間施行
民間の施行者として具体的には、次の3つがあります。
- ・個人・共同
- 土地の所有者または借地権者が1人、あるいは数人が共同して自分の土地について行う。土地の所有者または借地権者の同意を得た者が、これらに代わって行う同意施行もある。
- ・土地区画整理組合←コレが多い
- 土地の所有者または借地権者が7名以上共同して、土地区画整理組合を設立して行うもの。
- ・土地区画整理会社
- 地権者と民間事業者が共同で設立する株式会社(区画整理会社)により行うもの。平成17年の土地区画整理法改正で創設。
公的な施行者だけでなく、地権者が組合を設立するんだ!
土地区画整理事業の実績
土地区画整理事業の実績は、12,196件が事業着工し、
- 完了(換地処分済): 92.5%(11,287件)
- 施行中: 7.1%(860件)
- 事業中止: 0.4%(49件)
土地区画整理事業の実績(2017年度末)
区分 | 事業着工 | うち事業中止 | うち換地処分済み | うち施行中 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
地区数 | 面積(ha) | 地区数 | 面積(ha) | 地区数 | 面積(ha) | 地区数 | 面積(ha) | ||
旧都市計画法 | 1,282 | 67,373 | 3 | 10 | 1,279 | 67,363 | 0 | 0 | |
土 地 区 画 整 理 法 |
個人・共同 | 1,444 | 18,897 | 5 | 90 | 1,375 | 17,913 | 64 | 894 |
組合 | 6,112 | 123,251 | 23 | 712 | 5,782 | 114,241 | 307 | 8,298 | |
区画整理会社 | 3 | 10 | 0 | 0 | 2 | 8 | 1 | 3 | |
公共団体 | 2,846 | 124,705 | 18 | 561 | 2,351 | 104,819 | 477 | 19,325 | |
行政庁 | 84 | 4,166 | 0 | 0 | 84 | 4,166 | 0 | 0 | |
都市機構 | 312 | 28,823 | 0 | 0 | 301 | 27,967 | 11 | 856 | |
地方公社 | 113 | 2,624 | 0 | 0 | 113 | 2,624 | 0 | 0 | |
小計 | 10,914 | 302,476 | 46 | 1,362 | 10,008 | 271,738 | 860 | 29,376 | |
合計 | 12,196 | 369,849 | 49 | 1,372 | 11,287 | 339,101 | 860 | 29,376 |
すでに完了した面積は、日本の市街地の約3割にもなるよ。
土地区画整理事業のメリット
- 道路や公園が整備され地区の利便性が向上する。
- 土地の形状が整形になり使いやすくなる。
- 地価(面積あたりの単価)が高くなるケースが多い。
- 道路や上下水道が整備されるので火事や地震、大雨に強くなり、防災性が向上する。
- 全ての土地が道路に接する
- 敷地境界が明確になり、町名や地番が整理される
- 税制優遇が受けられる
- 公的資金や補助金で地区が整備される事業もある
- 地権者の意向もある程度反映できる
- 地区外の移転がなく既存コミュニティが維持できる
- 地区内で公平に負担するので不公平感が少ない
土地区画整理事業で、住みやすい街になるんだね。
そうだね。
次は注意点を解説しよう。
土地区画整理事業の注意点
- 地区内で土地が移動する恐れがある。
- 減歩により土地が狭くなる
- タイミングや内容によっては売却価格が安くなる。
- 事業期間中に権利制限がある。
- (不動産価値が高くなると)清算金の負担がある。
- (不動産価値が高くなると)税金が高くなる。
- 事業期間が長期化するリスクがある。
- 賦課金を負担するリスクがある。
- 再減歩でさらに土地が減るリスクがある。
- 事業が破綻するリスクがある。
- 2/3以上の地権者の合意が必要。
公的施行(地方自治体など)の場合は
民間施行の場合は
注意点について、補足で説明します。
土地が移動することがある
土地区画整理事業では道路や区画を整理することによって、従前地→仮換地→換地と土地が移動することがあります。
- 従前地
- 区画整理事業以前の、移転前の土地
- 仮換地
- 事業中に移転する土地。
- 換地
- 事業終了後、最終的な移転先の土地で、仮換地と同じことが多い
土地が狭くなることが多い
土地区画整理事業では、土地が狭くなることが一般的です。
なぜなら道路や公共施設の整備のために新たな用地が必要で、これらの用地は原則として、対象区域内の土地の所有者が平等に提供するため。
このように、用地を提供することを「減歩(げんぶ)」とい、減歩には大きく分けて次の2種類があります。
- 道路や公園など公共施設になる「公共減歩」
- 保留地として売却し事業費用に充てる「保留地減歩」
なお保留地の売却は、区画整理事業者や土地区画整理組合が行います。
清算金で調整
土地区画整理事業によって土地の価格が変動した分は、最終的に清算金で調整します。
清算金は受取るよりも支払う方が多いでしょう。
なぜなら土地の面積は狭くなる一方で地価が上がり、トータルでは価格が上昇しやすいためです。
従前地に建築制限がある
計画決定後は従前地に、都市計画法第53条、54条による建築制限がかかります。
都市計画法
第53条 都市計画施設の区域又は市街地開発事業の施行区域内において建築物の建築をしようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、都道府県知事等の許可を受けなければならない。
第54条 都道府県知事等は、前条第一項の規定による許可の申請があつた場合において、当該申請が次の各号のいずれかに該当するときは、その許可をしなければならない。
三 当該建築物が次に掲げる要件に該当し、かつ、容易に移転し、又は除却することができるものであると認められること。
イ 階数が二以下で、かつ、地階を有しないこと。
ロ 主要構造部(建築基準法第二条第五号に定める主要構造部をいう。)が木造、鉄骨造、コンクリートブロツク造その他これらに類する構造であること。引用元: 都市計画法
ただし都市計画道路の緩和路線なら3階建ても建築可能です。
都市計画道路がかかる土地の売却で知っておきたいことや、そもそも都市計画道路とはどういったものなのかをまとめました。
また事業化後は、土地区画整理法第76条の制限があります。
事業期間は長期化する傾向に
土地区画整理事業は、事業完了まで長い時間がかかります。
規模が小さければ5年程度で終わることもありますが、大規模なものになると10年以上かかることも。
最近は地価の下落によって保留地の売却が進まず、特に地方では事業施工期間が長期化する傾向にあります。
また東京23区では、昭和40年〜44年に決定された計画決定区域の約7割が、事業化されず放置されるなどの事例も。
【参考】東京都・周辺区部における土地区画整理事業を施行すべき区域の市街地整備のためのガイドライン
公的施行は長期化のリスクがある
公的施行では、事業が長期化するリスクがあります。
事業が長期化して完了しないと、いつまでも清算金の授受ができません。
また建築制限などが解除されない恐れもあります。
地価上昇を前提とし保留地を売却することで事業費を捻出する事業は現在、各地で破綻している。埼玉県飯能市笠縫地区の事業では、資金計画は1988(昭和63)年98億円、1995(平成7)年240億円、2001(平成13)年266億円と資金投入に歯止めがない。また事業計画決定が1988(昭和63)年になされてから14年を経過した今なお、仮換地指定90%、家屋移転53%といった状況にあり、いつ事業が完了するのか目処すらたっていない。財政破綻の認識があるか、はなはだ疑わしい。
引用元: 衆議院・質問本文情報
いつまでも終わらないのは、スッキリしないね。
民間施行は賦課金負担・再減歩・事業破綻のリスクがある
民間で土地区画整理事業を行う場合、事業の途中で資金が不足して、賦課金負担・再減歩・事業破綻などのリスクがあります。
保留地が予定通り売れないと資金が不足する
民間施行の土地区画整理事業では、事業資金の大部分が保留地の売却益を予定しています。
そのため保留地が予定通り売れなかったり値下がりすると、事業資金が不足することに。
事業資金が不足すると、土地区画整理組合の組合員、つまり区域の地権者が補うしかありません。
賦課金は地権者が平等に負担する一時金
賦課金は、事業資金の不足を区域内の全ての地権者が平等に負担する一時金。
所有する不動産の価値に応じて、その時点で土地を所有する人が負担します。
地権者は、事業が止まると自らの首を締めるので、嫌でも資金を出すしかありません。
賦課金の事例として、最高裁の判例では、1415万円で購入した土地に、261万円(購入金額の18%)の賦課金を請求された事例があります。
再減歩で土地が減ることも
賦課金が集められない場合は、代わりに土地を再減歩する場合もあります。
再減歩とは、減歩で保留地を増やし、保留地が予定より値下がりした分を穴埋めするもの。
当初の予定よりさらに土地が減ってしまうため、地権者の合意は賦課金より難しくなります。
事業が破綻して凍結されるリスクもある
賦課金や再減歩で意見が合意できないと、資金が不足して事業が凍結されます。
組合は、法的に破産できないため、金融機関と組合の話し合いで解決策を探ることに。
こうなると話し合いも平行線となりがちで、事業は長期間に渡って凍結されてしまう恐れがあります。
賦課金・再減歩・事業凍結! これは嫌だね!
こういったリスクがある区画整理事業では、購入者もリスクを避けるため、売却が難しくなるんだ。
事業のリスクや裏事情を知るためには、エリアで売買実績が豊富な不動産会社に聞くと良いよ。
ここまで土地区画整理事業について解説してきました。
次に売却のタイミングについて解説します。
区画整理でいつ売るか、タイミングと価格
土地区画整理事業の流れ
土地区画整理事業は、次の流れで進みます。
- まちづくり案検討
↓(段階1) - 都市計画決定
↓(段階2) - (事業化決定)
↓(段階2) - 仮換地指定
↓(段階3) - (建物移転・補償金受領)
↓(段階3) - 換地処分、清算金確定
↓(段階4) - 事業完了
それぞれの段階で売却について解説します。
段階1. 都市計画決定前
都市計画決定前は、基本的に普通に売れます。
重要事項説明に記載した方が良い
土地区画整理事業地内の土地を売却するときは、都市計画決定前でも分かっている範囲で、売買契約の重要事項説明書にその旨を記載した方が良いでしょう。
都市計画道路の予定があることなど記載がないと、後で訴訟になるリスクがあります。
記載する内容は、基本的に不動産会社にお任せで大丈夫でしょう。
段階2. 都市計画決定後〜仮換地指定前
この段階になると売却価格が安くなってしまう恐れがあります。
都市計画決定後は、土地区画整理事業の内容と進捗によって、売却への影響は大きく違います。
一般的には仮換地指定後の方が売りやすい
一般的には、仮換地指定まで待ったほうが、売却しやすいといわれます。
また建物が移転対象になれば補償金が受け取れるので、仮換地指定まで待った方がお得。
見通しはおおよその計画や仮換地を確認すると分かるでしょう。
計画決定後、事業化されないこともある
計画決定されたものの、事業化されないことも多くあります。
東京23区などでは、都市計画決定後も7割が事業化されずに40年以上を経過している事例も。
事業化の可能性を問い合わせる窓口は役所の担当課ですが、責任を回避するため明確な回答は得られない恐れもあります。
事業化の見通しは、不動産会社の方が詳しく教えてくれるでしょう。
事業の内容次第では手放した方が良いケースも
事業の内容次第では手放した方が良いケースもあります。
なぜなら事業の長期化や凍結、賦課金負担などのリスクを考えると、多少安くなっても手放す方が良い場合もあるため。
急な景気の悪化で地価が下落したり、事業の見通しが不透明な場合は、用心したほうが良いでしょう。
従前地に建築制限がある
計画決定後は従前地に、都市計画法第53条、54条による建築制限がかかり、2階建て以下の木造・鉄骨造しか建てられません。
ただし都市計画道路の緩和路線なら3階建ても建築可能です。
また事業化後は、土地区画整理法第76条の制限があります。
事業化後、売買が規制されるケースもある
一部の民間施行では、事業開始後に売買が規制されるケースもまれにあります。
この場合、事業完了まで売却を待てないなら、事業化の前しか売却できません。
規制は事前に分かるので、確認しておきましょう。
段階3. 仮換地指定後〜換地処分前
仮換地が指定されて以降は普通に売却できますが、手続きは少し特殊になります。
契約上は従前地を売買する
この段階になると買主が実際に購入し家を建てるのは仮換地の方。
しかし契約書の書面上では仮換地ではなく、従前地を売買したことになるのです。
住所や面積についても、契約書に記載するのは仮換地のもの。
手続き上は従前地の売買なので、登記についても従前地で行います。
なお、この時には仮換地の場所や形状などを書いた「仮換地指定証明書」を買主に確認してもらったうえで、売買します。
手続き上は従前地の売買だけど、実際は仮換地を売買するってこと?
手続き上は従前地の売買。
でも実際は仮換地を売買するイメージだね。
詳しくは不動産会社が教えてくれるよ。
仮換地は地価が高く、面積は狭くなる
なお仮換地の方が地価は上がるのが一般的。
これは土地区画整理事業によって土地の価値が上がるためです。
しかし土地の面積は、仮換地の方が狭くなることが多いので、総額は場合によります。
建物を移転する場合、補償金があるが課税される
仮換地指定後、建物が移転対象となった場合は補償金が支払われます。
ただし補償金の一部に税金がかかる場合があり、建物の移転工法によって扱いが違います。
移転工法ってどんなの?
従前地から仮換地まで建物をそのまま移動させる『曳家工法』や、同種同等の建築物を再築する『再築工法』があるよ。
仮換地まで高低差や障害物がない場合は曳家工法、直接移動が難しい場合は再築工法が使われるんだ
曳家工法は使わなかった分に課税
曳家工法の場合、補償金は「移転補償金」の扱いになり、一時所得の対象となります。
移転費用として使った部分は課税対象外ですが、使わなかった分には税金がかかります。
【参考】国税庁・補償金の範囲等
再築工法は課税されるが特例あり
再築工法の場合、補償金は「対価補償金」の扱いになり、譲渡所得となります。
対価補償金には次の特例があり、いずれか一つを適用できます。
- ① 5,000万円特別控除の特例
- 譲渡所得のうち、5,000万円までは課税されない特例です。
- ② 代替資産の取得の特例
- 代替資産の取得に対して支払った分には課税されない特例です。
【参考】国税庁・No.3552 収用等により土地建物を売ったときの特例
移転工法によって所得の種類も違うから、確定申告時の手続きも違うんだ。必要書類も違うから確認してこう。
なお建物が移転対象でないと、補償金はありません。
民間施行は資金不足のリスク
民間施行の場合は、保留地の売却に失敗すると資金が不足するリスクがあります。
資金が不足すると、地権者が賦課金や再減歩で負担することになるので注意しましょう。
また地権者の意見がまとまらないと、事業が凍結されるリスクもあります。
土地を売却すると、これらリスクも含めて新たな購入者に引き継がれます。
公共施行は長期化リスク
公共施行の場合、事業がいつまでも終わらない長期化リスクがあります。
反対する地権者が行政訴訟を起こすなど、揉める動きがあれば注意した方が良いでしょう。
トラブルが起きそうかなんて、事前に分かるの?
エリアで売買実績が豊富な不動産会社なら、裏事情も知っているよ。
再開発がらみの業界の噂はすぐに広まるからね。
段階4. 換地処分、清算金確定、事業完了後
換地処分、清算金確定、事業完了後は普通に売れます。
売却価格は、土地区画整理前より地価が上がるため、高めで売れることが多いでしょう。
ただし区画整理によって土地面積は狭くなるため、総額が高くなるかどうかはケースバイケースです。
清算金は受取るより支払う方が多い
土地区画事業で土地の資産価値が変動した分は、清算金として最後に受け取る、または支払うことに。
従前地より仮換地の価値が下がれば清算金を受取れますが、逆に価値が上がった場合は清算金を支払うことになります。
清算金は受取るのと支払うのはどちらが多いの?
実は支払うケースの方がほとんど。金額はそこまで大きな金額にはならないことが多いけどね。
売買では売主と買主のどちらが負担するのか、売買時に決めておく必要があるよ
まとめ
土地区画整理事業の注意点を改めてまとめるとこちら。
- 地区内で土地が移動する恐れがある。
- 減歩により土地が狭くなる
- タイミングや内容によっては売却価格が安くなる。
- 事業期間中に権利制限がある。
- (不動産価値が高くなると)清算金の負担がある。
- (不動産価値が高くなると)税金が高くなる。
- 事業期間が長期化するリスクがある。
- 賦課金を負担するリスクがある。
- 再減歩でさらに土地が減るリスクがある。
- 事業が破綻するリスクがある。
- 2/3以上の地権者の合意が必要。
公的施行(地方自治体など)の場合は
民間施行の場合は
土地区画整理事業には注意点もあり、あなたの土地を正確に判断するには専門家の知識を利用した方が確実です。
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