「不動産オークションは高く売れるの?」

不動産オークションを利用するかお悩みですね。

確かにオークションなら、不動産を高値で売却できるかもしれません。

ただしオークションは良い話ばかりでなく、デメリットもあります。

この記事では、不動産のオークションの3つのメリットと5つの注意点、必要な知識をまとめました。

また主な不動産オークション運営者と、高く売る2つのコツも紹介しています。

あなたの不動産売却が成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。

オークションのメリットと注意点

オークションの3つのメリット

不動産売却でオークションを使う3つのメリットはこちら。

それぞれ解説します。

メリット1. 公平・透明・公正で売主に有利

オークションは、普通に売るよりも公平・透明・公正で売主に有利です。

なぜならオークションは複数の買主が競争し、特定の不動産会社に誘導される恐れがないため。

また入札結果が開示されるので不正の心配がなく、常に売主が有利な立場で売却できます。

一方で仲介・買取など普通の不動産売買では、一部の悪質な不動産会社が売主をダマす恐れがあります。

典型的な例は、不動産会社が物件を囲い込み、相場の6〜8割の価格に値下げさせて買取業者へ売却させる方法。

悪質な不動産会社について、詳しくはこちらの記事で解説しています。


ハウスハウス

入札結果がオープンだから、不正される恐れは少ないんだね


家博士家博士

ただし不正でなく、単純に相場より安い価格で落札されるリスクはある。
落札価格が相場より高いのか、判断できる相場感は必要だよ。

メリット2. 売却期限が明確

不動産売却のオークションでは「開札日」に入札されるため、スケジュールが明確です。

落札価格で売れば、売却が長引くことはありません。

一方で、普通の不動産売買(仲介)はいつ売れるか分からず、最悪は売れ残る恐れもあります。

また不動産会社の買取だと確実に売れますが、価格は相場より2割以上安くなってしまいます。

仲介でも買取保証付きであれば3ヶ月などで売り切れますが、買取保証は一部の大手しかありません。

メリット3. 相場より高く売れる可能性もある

不動産売却のオークションは、参加者が競争するため相場より高く売れる可能性があります。

特に最近は、買取転売業者が乱立して仕入れ値が高騰する傾向に。

また中には査定の間違いや相場の読み違えで、値付けを高く間違える業者がいるかもしれません。

参加する応札者が多いほど、相場より高値で売れる可能性は高くなります。

ハウスハウス

公平で、早く、高く売れるなら、オークションは最高だね!


家博士家博士

まぁまぁ、注意点もあるから知っておこう。

オークションの5つの注意点

不動産売却のオークションには、次の注意点があります。

それぞれ解説します。

注意点1. 運営会社によってシステムや方法が違う

不動産売却のオークションでは、入札方法や落札の基準など、運営会社によって違います。

希望する方法でオークションするためには、運営会社の方法を良く理解して、選ぶ必要があります。

さらに最適なオークション方法でも、入札参加者の顔ぶれで価格は全く変わることに。

どこの運営会社を選ぶかで、オークションの成否は大きく左右されてしまいます。

注意点2. 売却情報がネットなどで公開されてしまう

オークションで家を売る際には、物件情報がネットなどに掲載されるケースもあります。

そのため不動産を売り出していることが周りの人に知られる恐れも。

また詳細情報が会員限定の公開でも、会員登録は誰でもできることもあります。

一部のオークション運営者は完全に非公開でプロ限定なので、内緒で売りたい場合は非公開の会社を選びましょう。

ハウスハウス

どこのオークションを選ぶかでシステムが全然違うんだね。


家博士家博士

そもそもオークションの選択肢は少ない。
参加者も限られているよ。

注意点3. オークションを扱う会社も利用者も少ない

運営は手間の割に報酬が不確実

不動産売却のオークションは、まだメジャーな選択肢ではなく、扱う不動産会社も多くありません。

なぜなら不動産会社にとってオークションは、手間がかかる割に報酬が不確定というリスクの高い方法だから。

例えば、普通の売買なら物件調査や書類の作成は買主が決まってから、売買契約前に行うもの。

しかしオークションは、全ての調査や書類作成をオークション前に済ませなくてはいけません。

オークションが不成立になると、全ての作業が無駄になってしまいます。

ハウスハウス

オークションでは、落札されないこともあるから、無駄になるかもしれないのか。


家博士家博士

さらにオークションは売主が有利で、買主に不利だから利用者も少ない

買主に不利な方法

オークションは買主が不利な方法です。

買主は他の買主と競り合うため、安値で買える見込みは低いと感じます。

また落札するまで購入できるか分からず、住み替えの予定が決まりません。

購入できるか不確定なので、住宅ローンの審査も難しくなります。

買主の多くは普通の売買で探す

結果として買主の多くは普通の売買で探し、オークションに興味がある買主は多くありません。

そのためオークションで不動産を売り出しても、買主の大部分に情報が届かず、売却の機会を失なってしまいます。

今後も不動産売買で、オークション形式が主流になるとは考えにくいでしょう。

ハウスハウス

じゃあオークションに参加してる買主は誰なの?


家博士家博士

オークションの買主は一般人でなく、買取再販業者などのプロが多い。
だから相場より安く売ることになりがちだよ。

注意点4. 住居用物件は相場より高値になりにくい

入札者はプロで転売や投資が目的

投資用でなく住居用の不動産(普通の家)は、オークションだと相場より高値になりにくいのが現実です。

なぜならオークション入札者の多くが不動産会社や投資家というプロだから。

不動産会社や投資家は転売や投資で利益を出すために、相場より安くしか買いません。

また一般の買主と違い相場感が磨かれているので、相場を間違えることもほとんどありません。

ハウスハウス

えー、オークションは高く売れるんじゃないの?


家博士家博士

買取再販業者は、普通の相場より2割以上安くないと採算が合わないんだ。

買取再販業者は相場より2割以上安く買う

多くの入札者は買取再販業者と呼ばれる転売目的の不動産会社で、入札価格は相場より2割以上安くなります。

なぜなら買取転売業者は相場価格で一般の人に転売するため、相場より2割以上安く購入しないと採算が合わないため。

転売業者の買取イメージ

買取イメージ

買取再販業者の主な仕入れルートは、相場より安く買うために「物上げぶつあげ」といわれる売主との直接交渉です。

買取再販業者にとってオークションは物上げの補助なので、無理して高値で落札することは多くありません。


ハウスハウス

業者の買取価格は、相場より2割以上も安いんだ。


家博士家博士

相場より高く買う可能性があるのは、住居目的の一般の人だよ。
エリアや間取りなど、限られた条件で探すからね。

住居目的の一般人は相場より高値でも購入する

住居目的の一般人(エンドユーザー)であれば、相場感も甘く、相場より高値でも気に入れば購入します。

理由として、一般の人はエリアや広さ、間取りなど限られた条件で探し、相場感も弱いため。

しかし一般人がオークションに参加することは少なく、居ても相場より安値を狙うセミプロの様な購入者がほとんど。

住居用不動産の場合、オークションで不動産のプロに売るより、普通にエンドユーザーに売る方が高く売れやすいでしょう。

ハウスハウス

そうか、オークションで高く売れるとは限らないんだね。


家博士家博士

投資物件ならオークションで高く売れるかもしれないけどね。
住居用なら普通の売却も検討した方が良いよ。

注意点5. 高すぎる価格では誰も入札しない恐れも

オークションに出しても、相場より高い最低入札価格だと、誰も応札しません。

落札されないと、オークションの期間が無駄になるだけに。

また落札されても落札後の購入キャンセルでは、さらに1ヶ月以上も無駄に過ぎるリスクもあります。

例えばオークション大手のピタットハウス「マイホームオークション」では、

  • 累計出品物件: 43,772件
  • 落札物件: 7,623件(17%、約6件に1件)

と8割以上が落札されません。

不人気物件の売り出し方や最低価格の設定について、不動産会社や運営会社とよく相談しましょう。

ハウスハウス

相場なんて分からないよ。


家博士家博士

相場が分からないと、安値で落札される恐れもある。
まず普通に仲介で売るならいくらか、相場を知っておこう。

普通に仲介の相場も確認する

普通に仲介で売る相場を知るためには、売買実績が豊富な不動産会社3社〜6社に無料査定を依頼しましょう。

実績豊富な3〜6社に査定を依頼する

不動産会社に査定を依頼するときのポイントは、

  1. エリアで売買実績が豊富な不動産会社に絞る
  2. 3〜6社に無料査定を依頼して、査定価格と話を聴き比べる

エリアで売買実績が豊富な不動産会社の方が、正確な査定を期待できます。

また今は都市部を中心に不動産価格が高騰しているため、不動産のプロでも査定が難しい状態。

不動産価格指数(全国)

不動産価格指数(全国202404)

不動産価格指数とは

不動産相場の価格変動が純粋に分かる指数。国土交通省がアンケートで集めた年間30万件の成約価格を元に、ヘドニック法という統計計算でまとめたもの。3ヶ月前までのデータが毎月末頃に公表される。2010年の平均を100として算出。

中古マンションは約11年で92%も値上がりしています。


戸建てはあまり上昇していないように見えますが、これは都心部の戸建てが上昇している分を、地方の戸建ての値下がりが打ち消しているため。

戸建ては立地によって、価格の2極化が進んでいます。

不動産会社によって査定価格に差が出るため、1社だけでなく最低3社以上の方が安心です。

ただし多すぎると対応が大変なので、多くて6社程度が現実的でしょう。

ハウスハウス

実績が豊富な不動産会社はどこ?


家博士家博士

都市部なら大手3社が強いね。


実績は大手3社が強い

売買仲介件数ランキング上位35社
(2023年3月)

不動産会社の売買仲介件数ランキング2023年3月

不動産売却の実績は、大手3社に偏っています

三井のリハウス住友不動産販売東急リバブルの3社は、仲介件数が2万件を超えており、大手の中でも圧倒的。

都市部で査定を依頼するなら、これら大手3社を中心に考えると良いでしょう。

ハウスハウス

大手3社は別格だね。


家博士家博士

3社もそれぞれ特徴があるから、解説しよう。

【大手1】三井のリハウス
37年連続で売買仲介件数1位

三井のリハウス

  • 店舗数 286店舗
    (首都圏182、関西圏46、中部圏25、札幌9、東北6、中国9、九州9)
  • 三井のリハウスは、37年連続で売買仲介件数1位と業界を代表する不動産会社。

    独自の査定システムは精度が高く、売主の約76%がほぼ提案価格(提案の95%以上)で成約しています。


    多くの購入希望者を抱えるため早く売れることも強みで、売主の65%が2ヶ月以内に成約するほど。

    また担当者のレベルが高いことにも定評があり、顧客満足度は96%と高評価です。

    家博士家博士

    業界を代表する会社だから、初めての売却ならまず話を聞いてみると良いよ。
    他と比較する基準にもなるからね。

    三井のリハウスの無料査定はこちらから
    三井のリハウス

    【大手2】住友不動産販売
    熱心な営業スタイルに定評

    すみふの仲介ステップ

    • 店舗数 234店舗
      (首都圏136、関西圏58、中部東海15、北海道8、東北4、中国7、九州6)

    住友不動産販売(すみふの仲介ステップ)は、営業マンの熱心な営業スタイルに定評があります。

    現在の購入希望者の登録数も公開しており、常に2万人を超える希望者が登録。

    自社ホームページの月間来訪者数は300万件以上、登録物件数は2万8千件以上と十分なスケールメリットもあります。

    家博士家博士

    スマートでクールな営業より人情深く熱心な営業が好みなら、他より出会える可能性が高いかも。


    【大手3】東急リバブル
    東急沿線や大型案件に強み

    東急リバブル

    • 店舗数 216店舗
      (首都圏141、関西圏42、名古屋11、札幌9、仙台6、福岡7)

    東急リバブルは売却に便利なサービスが充実しています。

    例えば予定期間で売れないと査定価格の90%などで買取る「買取保証」は、買い替えで安心。

    またリフォーム込で売り出す「アクティブ売却パッケージ」は、築古マンションを売り出す方法として効果的です。

    家博士家博士

    初めての買い替えや売却で心配なら、話を聞いてみると良いね。

    東急リバブルの無料査定はこちらから
    東急リバブル

    大手にまとめて査定を依頼するなら「すまいValue」

    大手3社にまとめて無料査定を依頼するなら、一括査定サイトの「すまいValue」が便利。

    すまいValueは、大手上位6社(三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー)が共同運営する一括査定サイトです。


    すまいValue

    すまいValueの公式サイトはこちら
    すまいValue

    ハウスハウス

    とりあえず大手3社に査定を依頼すれば良いの?


    家博士家博士

    売却予定なら個人の相性もあるから、大手3社以外と比較した方が良い。
    首都圏・関西圏ならエージェント制のSRE不動産(旧ソニー不動産)、それ以外なら地域で実績No.1の会社にも査定を依頼しよう。

    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    売主だけを担当するエージェント制

    SRE不動産
    大手と比較するならSRE不動産(旧ソニー不動産)が良いでしょう。

    なぜならSRE不動産は、大手で問題になりがちな両手仲介が無いため。
    (※両手仲介とは売主と買主を同じ不動産会社が担当すること。大手は顧客を多く抱えるため、自然と両手仲介が多くなる。)

    SRE不動産は、業界初のエージェント制で売主だけを担当。
    買主は無数にある他の不動産会社が積極的に探します。

    結果として、大手にも劣らない販売力で、早く高く売れやすいことが最大のメリット。

    ただし営業エリアは首都圏・関西圏限定です。

    家博士家博士

    SRE不動産は業界でも両手仲介無しで知られているから、他社が競って営業してくれる。
    大手と話を聴き比べて、自分に合ってる方を選ぶと良いよ。

    SRE不動産(旧ソニー不動産)の公式サイトはこちら
    SRE不動産

    その他エリアは地域No.1を探す

    大手やSRE不動産の営業エリア外なら、地域で実績No.1の不動産会社を中心に選びましょう。

    実績No.1の不動産会社は、実績をアピールしているのですぐに分かります。

    不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトをいくつか併用すると良いでしょう。

    全国対応の主要な一括査定サイトとして次があります。

    その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。

    ここまでオークションの注意点とメリットを紹介しました。

    次に主なオークション運営者を紹介します。

    主なオークション運営者

    相対取引を行う不動産会社と比べると数は非常に少ないのですが、オークション運営者としてこちらがあります。

    ピタットハウス マイホームオークション

    マイホームオークション
    1998年開始で業界初の不動産オークション。

    累計出品数43,772件、累計落札件数7,623件の実績(2023年6月現在)は不動産オークションで落札実績No.1です。

    出品には専属専任媒介契約と最低7日間のオークション期間が条件。

    住宅だけでなく事業用物件も出品可能で、買取保証セットなら45日以内に買主が見つからないと買い取りも可。

    マイホームオークションは2つの特典(設備検査保証と選べるサポートサービス)が付きますが、下記の条件があります。

    • 3ヶ月間の専属専任媒介契約を締結し、規定の仲介手数料を支払う
    • 査定額の120%以内で1200万円以上
    • 自己居住用物件のみ
    • 出品回数1回以上且つ出品期間7日間以上(紙広告媒体利用の場合14日間以上)の設定条件でオークションへ出品すること

    対象エリア: 店舗営業エリア内
    仲介手数料:3%+6万円(消費税別)
    公式サイト:ピタットハウス マイホームオークション


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    住友不動産販売 ステップオークション

    ステップオークション
    業界を代表する大手の住友不動産販売が2021年9月に開始したサービス。

    住友不動産販売本社の専門部署によるプロ買取業者への一括紹介サービスです。

    全国延べ7,500社超※の弊社基準を満たしている宅地建物取引業者から物件特性に合った紹介先を1件当たり平均1,100超※2の紹介を実施。
    ※ 2023年2月22日現在
    ※2 2022年11月1日〜2023年1月31日

    ステップオークションの流れ

    一般個人向けの売却活動も継続して販売できるので、売却先を制限することはありません。

    全ての購入申込を売主様に知らせた上で、最も希望に沿ったものを選べます。

    提示した購入条件で売主が了承したら売買契約。

    住友不動産販売には仲介手数料(売買価格の3%+6万円+消費税)を支払います。


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    三井のリハウス 買取サポートシステム

    売買仲介件数で34年連続の1位と業界トップの三井のリハウス。

    三井のリハウスの買取サポートシステムは、オークションというより買取業者の相見積もりです。

    三井のリハウスが複数の買取業者から相見積もりをとり、査定結果をとりまとめて報告。

    買主が納得すれば買取が成立し、三井のリハウスに仲介手数料(売買価格の3%+6万円+消費税)を支払います。

    三井のリハウスの公式サイトはこちら
    三井のリハウス


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    FKR不動産オークション

    FKR不動産オークション
    不動産競売で10年の実績を持つFKRが、2018年9月にスタートしたオークションサービス。

    10万人超の会員に情報が届く集客力が強みです。

    ただし終了したオークション事例がわずか数件しかないため、実績には不安があります。

    出品料:無料
    手数料:落札金額の3%または15万円の高い方(消費税別)
    入札方式:最低入札金額設定ありのフリービット式
    公式サイト: FKR不動産オークション


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    エスクローエージェントジャパン信託

    エスクローサービス
    インターネット入社や紙入札など、様々なオークション方式に対応しています。

    取扱い物件は、駐車場や田畑、収益物件など事業用が中心。

    基本的には1億円以上が対象ですが、立地によっては5,000万円以上も可能。

    非公開でオークションも可能です。

    手数料:成功報酬で仲介手数料(落札価格×3%+6万円+消費税)
    公式サイト: エスクローエージェントジャパン信託


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    総和不動産

    総和不動産
    不動産会社80~200社へアプローチし広く買主様を探します。

    非公開でオークション可能。

    手数料:成功報酬で仲介手数料(落札価格×3%+6万円+消費税)
    公式サイト: 総和不動産


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    デューデリ&ディール

    デユーデリジェンスアンドリース
    不動産のプロが購入するオークション。
    実績などは不明です。

    公式サイト: デューデリ&ディール


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    Blue

    Blue
    東京都渋谷区の株式会社Blueによるオークションで主に投資用物件や高額物件が対象。

    オークション方法は、様々な方法から選べます。入札として、公開入札方式と封印入札方式。入札種類として競り上がりのイングリッシュ、競り下がりのダッチ、一番札のファーストプライス、2番札のセカンドプライスなどがあります。

    手数料:非公開
    公式サイト: 株式会社Blue


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    家博士家博士

    運営者によってシステムや方法が全く違うから、まずはよく確認しよう。


    ここからは、オークションの概要を解説します。

    不動産売却のオークション(入札)とは?

    不動産売却のオークションは、落札者が入札で競争して、最も売主に有利な条件の買主が購入する方法。

    ただし一般にはあまり知られておらず、主流な売り方ではありません。

    なぜなら日本の不動産売買でオークションが解禁されたのが1999年と、まだ約20年しか経っていないため。

    現在の不動産売買では、大部分が不動産会社の仲介で売り出されているのが現実です。

    競売・公売とオークションは違う

    オークションは民間が運営し、売主は自分の意思で売りたい物件を売り出します。

    一方で、競売・公売は官公庁や裁判所が主催するオークション形式の売却で、税の滞納などで差し押さえた物件を売却するもの。

    競売は、裁判所が運営するオークションで、債務不履行などで差し押さえた不動産を出品します。
    【参考】BIT 不動産競売物件情報サイト

    公売は、国(国税局・税務署)が差し押さえた不動産を出品します。
    【参考】公売情報

    他にも、各自治体が差し押さえた不動産を独自に出品しています。
    【参考】官公庁オークション

    入札方法は競り上がりとフリービットの2種類

    不動産のオークションには、競り上がり入札(インターネット入札)フリービット入札(紙入札)の2種類があります。

    競り上がり入札(インターネット入札)

    競り上がり入札(インターネット入札)では、インターネットの専用サイトで価格を入力します。

    競り上がり方式は高値を更新する時のみ、期限内に何度でも入札できる方式です。

    入札期間の終了間際に、急激に価格が競り上がります。

    お互いに入札価格を探りながら入札するので、人気物件は高値になる可能性も。

    ただし査定ミスによる高値は期待できません。

    フリービット入札(紙入札)

    フリービット入札(紙入札)では、郵送や手渡しで入札価格を提出します。

    フリービット方式は期限内に1度だけ入札ができる方式。

    お互いの入札価格が分からないため、査定ミスによる高値落札がある可能性も。

    ただし競争がないので、人気物件でも競り上がりによる高値落札は期待できません。

    落札基準は価格優先と総合評価

    落札基準には、価格優先総合評価の2種類あります。

    価格優先

    価格優先は一般的なオークション同様、期限内に最高値で入札した人が落札者に。

    原則として入札条件は同じになります。

    誰の目にも明らかなので、公平でオープンなオークションとなります。

    一方で、例えば融資審査が怪しい人の落札を避けるなど、主催者の意思を反映することはできません。

    総合評価

    一方の総合評価では、価格だけでなく他に購入条件や用途、購入名義などが判断材料に。

    総合評価では、安心して売却できる相手を選ぶことができますが、基準があいまいで一部の入札者には不満が残る恐れもあります。

    総合入札では、価格以外の面で強い入札者が有利なので、高額で入札する人が減ってしまう恐れもあります。

    オークションの必要期間は4〜5ヶ月が標準的

    オークションでは、相談から決済まで4〜5ヶ月程度かかるのが一般的。

    ただし、物件種別や状況次第ではそれ以上の時間がかかることもあります。

    【オークションの基本的な流れ】

    1. 相談〜物件調査
      ↓(約1〜2週間)
    2. オークション準備、媒介契約
      ↓(約1〜2週間)
    3. 事前営業、売却条件の確定
      ↓(約4〜8週間)
    4. 正式公開、入札(1日限り)、落札(約2〜3週間)
      ↓(約3〜4週間)
    5. 売買契約
      ↓(約3〜4週間)
    6. 決済
    ハウスハウス

    オークションで売る場合も、媒介契約を結ぶんだね

    家博士家博士

    オークションへ出品するためには詳細な調査が必要だから、個人では難しい。
    だから普通は、オークション運営業者や不動産会社に出品してもらうんだ。

    なお、ここで紹介した流れはあくまでも一般的なもの。

    オークションを運営する会社によって期間や手順は違います。

    オークションで高く売る2つのコツ

    オークションで不動産を高く売るためには2つのコツがあります。

    コツ1. リスクを明らかにする

    不動産のオークションでは、隠れたリスクが少ないほど高値で売れる可能性が高くなります。

    オークションで不動産を高く売るためには、トラブルに発展するリスクをなるべく全て明らかにして記載しましょう。

    不動産のリスクとして、具体的には次があります。

    土地や建物のリスク

    1. 隣地との境界は確定しているか
    2. 境界を越えている設置物(越境物)の有無
    3. 埋設物や古い井戸など地中障害の有無
    4. 土壌汚染の有無
    5. アスベスト使用の有無
    6. PCB(ポリ塩化ビフェニル)を含む製品の使用の有無
    7. 擁壁に関する問題(安全性や道路境界を越えていないか等)の有無
    8. がけ地など危険個所の有無
    9. 埋蔵文化財包蔵地の有無

    所有権や登記のリスク

    1. 所有権や借地権私道の掘削権などの権利関係
    2. 相続の場合は遺産分割協議や相続登記

    法的なリスク

    1. 建築基準法の違反・既存不適格
    2. 自治体条例の違反・既存不適格
    3. 都市計画法の違反・既存不適格
    4. 文化財保護法の違反

    その他瑕疵にあたるリスク

    1. 心理的瑕疵の有無
    2. 建物・設備の故障・不具合

    家博士家博士

    かなり専門的だから、不動産会社と相談しよう。


    ハウスハウス

    オークションでを売る時も、不動産会社のサポートが大事なんだね

    コツ2. 普通に売る相場も知っておく

    オークションで高く売るためには、普通に売る場合の相場も知っておきましょう。

    なぜならオークションで最高値でも、普通に売るより安いケースも多いため。

    先述の「注意点4. 住居用物件は相場より高値になりにくい」で解説しましたが、住居系不動産は普通の相対取引の方が高値になる傾向があります。

    普通に売る相場を知らないと、実際の相場より安値で手放すハメになりかねません。

    普通に売る相場を無料査定で確認する

    オークションで売る予定でも、不動産会社に無料査定を依頼して相場を知っておきましょう。

    普通の不動産会社に話を聞くと、オークションの情報を別の目線から知ることもできます。

    不動産会社に無料査定を依頼するときのポイントは、

    1. エリアで売買実績が豊富な不動産会社に絞る
    2. 3〜6社に無料査定を依頼して、査定価格と話を聴き比べる

    詳しくは前述の普通に仲介の相場も確認するで解説しています。

    まとめ

    ここまで、不動産売却のオークションについて解説しました。

    不動産のオークションは、売主有利で期限も明確、そして高く売れる可能性があります。

    ただしオークションの5つの注意点はこちら

    1. 運営会社によってシステムや方法が違う
    2. 売却情報がネットなどで公開される
    3. オークションを扱う会社も利用者も少ない
    4. 住居用物件は相場より高値になりにくい
    5. 高すぎる価格では、誰も入札しない恐れも

    オークションを利用するなら、最適な運営者を選ぶことと、相場を確実に把握することが大切です。

    相場を把握したり、普通に仲介で売ることも検討するなら、実績豊富な不動産会社3社〜6社に無料査定を依頼しましょう。

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    とりあえず1社だけ査定を依頼するなら、37年連続で実績1位の三井のリハウスが良いでしょう。

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