オークションイメージ
日本ではまだあまり馴染みのない不動産のオークションですが、法律でも認められている取引方法の選択肢の一つ。

しかしあまり知られていないため、手続きの流れなどもよく分からず、何となく不安を感じる人も多いのが現状です。

不動産をオークションで売るときの流れや高く売る方法、メリットおよび注意点などをまとめました。

不動産をオークション(入札)で売るとは?

「不動産をオークションで売る」と聞くと、「実際に利用している人はいるの?」と怪しく思うかもしれません。

確かに、以前は民間企業による不動産のオークションは禁止されていました。

これはオークション開始時のスタート価格と落札価格が異なることを、公正取引協議会が「価格の二重表示」とみなしていたためです。

しかし、その後は規制が緩和され、1999年に民間企業による不動産のオークションが解禁。

普通の不動産売却と比べてオークションの認知度が低い理由として、解禁からまだ20年あまりしか経っていないこともあるのです。

ハウスくんハウスくん

普通の不動産売却は大まかにいうと、最初に価格を決めてから売り出して、その価格で買ってくれる人を探すものだよね

家博士家博士

そう。この方法は1952年に宅建業法が施行されてから、長年行われている不動産の取引方法なんだ。
60年以上も不動産取引の主流となっているものだから、認知度が高いのも納得できるよね

入札方法について

不動産のオークションには、インターネット入札と紙入札の2種類があります。

インターネット入札では競り上がり方式が主流。

これは高値を更新する時のみ、期限内に何度でも入札できる方式です。

一方の紙入札では、入札が1回限りのフリービット方式が主流。

こちらは期限内に1度だけ入札ができる方式になります。

落札について

落札についても大きく分けて、価格優先総合評価の2種類あります。

価格優先は一般的なオークション同様、期限内に最高値で入札した人が落札者に。

この場合は原則として入札条件は同じになります。

一方の総合評価では、価格の他に購入条件や用途、購入名義などが判断材料に。

総合評価が用いられているのは、単に高額で入札すれば良いほど不動産が単純なものではないためです。

スケジュールについて

オークションでは、相談から決済まで基本的に4〜5ヶ月程度の時間がかかります。

ただし、物件種別や状況次第ではそれ以上の時間がかかることもあります。

【オークションの基本的な流れ】

STEP1.相談〜物件調査
↓(約1〜2週間)
STEP2.オークション準備、媒介契約
↓(約1〜2週間)
STEP3.事前営業、売却条件の確定
↓(約4〜8週間)
STEP4.正式公開、入札(1日限り)、落札(約2〜3週間)
↓(約3〜4週間)
STEP5.売買契約
↓(約3〜4週間)
STEP6.決済

ハウスくんハウスくん

オークションで売る場合も、媒介契約を結ぶんだね

家博士家博士

オークションへの出品は調査項目が多岐にわたるなど専門的だから、個人で出品するのは難しい。
だから、オークションの運営業者や不動産会社に出品してもらうのが一般的なんだよ

なお、ここで紹介した流れはあくまでも大まかなもの。

オークションを運営する会社によっても変わるため、利用する前には担当者などに必ず確認するようにしましょう。

オークションで売るメリットと注意点

オークションで不動産を売ることについては、メリットもありますが注意点もあります。

オークションの利用を考えているのであれば、まずはメリットと注意点の両方を頭に入れておきましょう。

オークションで売る注意点

まずは注意点からチェック。

不動産のオークションには、次のような注意点があります。

オークションの注意点

  1. オークションを扱う不動産会社が少ない
  2. 不動産会社によってシステムや方法が違う
  3. 売却情報がネットなどで公開されてしまう
  4. 購入者はエンドユーザーではなく不動産会社のため、転売前提で高値にはなりにくい
  5. 不人気物件や最低価格を高くしすぎると応札されないことも

注意点1. オークションを扱う不動産会社が少ない

始めに書いた通り、不動産のオークションが解禁されて20年足らず。

現状ではまだメジャーな選択肢にはなっていません。

また、現在主流となっている普通の不動産売買と比べ、手間がかかる割には報酬が不確定という“旨味が少ないシステム”であるのも、扱う不動産会社が少ない理由の一つ。

たとえば、普通の売買なら売買契約を結んだ後に行えばよい調査や書類の作成なども、オークションでは売買契約前に行わなければなりません。

家博士家博士

普通の不動産売買なら、売買契約を結べばほぼ確実に仲介手数料が得られる。だから調査や書類作成など大変な作業も苦にはならないんだ

ハウスくんハウスくん

でも、オークションの場合は売買契約前で仲介手数料が得られるかどうかも分からない状態だから、不動産会社としても躊躇してしまうってこと?

家博士家博士

そう。他にもオークションに参加するためには登録料などの費用がかかるから、不動産会社にとってもメリットが少ないんだ

このように、不動産会社にしてみれば「オークションよりも普通に売買した方が良い」と考えてしまうのも、ある意味では仕方のないことなのです。

注意点2. 不動産会社によってシステムや方法が違う

普通の不動産売買の場合、不動産会社によってシステムや方法が大きく違うことはあまりありません。

あえて違う点を挙げるとすれば、不動産会社がそれぞれ独自に提供しているサービス程度。

しかし、オークションの場合は入札方法や落札の基準なども、不動産会社によって違います。

「他社ではこうだった」は通用しないので、利用する前にはしっかり確認することを忘れずに。

もちろん普通の不動産売買とは内容やルールも大きく異なるので、その点も考慮して利用しましょう。

注意点3. 売却情報がネットなどで公開されてしまう

オークションで家を売る際には、物件情報がネットなどに掲載されます。

そのため、場合によっては売り出していることが周りの人に知られることも。

とはいえ、全ての情報が誰にでも閲覧できる状態になるわけではありません。

詳細情報が閲覧できるのは、会員登録したユーザーのみであることがほとんどです。

注意点4. 購入者はエンドユーザーではなく不動産会社のため、転売前提で高値にはなりにくい

一般のエンドユーザーが購入する普通の売買と違い、オークションでの購入者は不動産会社がほとんど。

自分たちが住むために購入するエンドユーザーと違い、転売が前提なので「なるべく安く買うこと」を目指しているのです。

オークションと聞くと高値で売れるイメージがあるかもしれませんが、この点にも注意しておきましょう。

注意点5. 不人気物件や最低価格を高くしすぎると応札されないことも

オークションに出してすぐに売れればいいのですが、そうでない場合は時間が無駄になる場合も。

落札後の購入キャンセルなど、最悪の場合は1ヶ月以上も無駄に過ぎる可能性だってあるのです。

購入する不動産会社が「なるべく安く買うこと」を目指している以上、最低価格が高い物件は入札者がいないなんてことも。

不人気物件の売り出し方や最低価格をどう設定するのか、この辺りは業者ともよく相談することをおすすめします。

オークションで売るメリット

先に注意点を見ていきましたが、オークションで売ることにはメリットもあります。

オークションで売るメリット

  1. 相対取引に比べると公平・透明・公正で売主に有利
  2. 売却期限が明確で、高く売れる可能性もある

メリット1. 相対取引に比べると公平・透明・公正で売主に有利

相対取引とは、ここで「普通の不動産売買」と記載している現在主流となっている不動産取引のこと。

主流とは言え、不動産会社によっては囲い込みなどによって売主が不利になる場合もあります。

しかし、オークションの場合はそうした心配もなし!

入札結果などもきちんと開示してもらえます。

不動産会社の利益のためではなく、売主が有利な立場で不動産の売却が可能です。

メリット2. 売却期限が明確で、高く売れる可能性もある

普通の不動産売買では、即時買取や売却保証を除き、買主が見つかるまでの期間がはっきり分かりません。

早く見つかる場合もあれば、なかなか見つからずにずっと売出し中のままということも…。

しかしオークションなら「開札日」になれば入札が行われるため、スケジュールが明確なのです。

また、競争原理が働くことで、相対取引と比べて高値で売れる可能性もあります。

主なオークション運営者

相対取引を行う不動産会社と比べると数は非常に少ないのですが、オークション運営者には次のようなところがあります。

FKR不動産オークション
不動産競売で10年の実績を持つFKRが、2018年9月にスタートしたオークションサービス。
10万人超の会員に情報が届く集客力が強みです。
出品料:無料
手数料:落札金額の3%または15万円の高い方(消費税別)
入札方式:最低入札金額設定ありのフリービット式
公式サイト: FKR不動産オークション
おうちダイレクト
yahoo!不動産とソニー不動産が共同で運営するおうちダイレクト。セルフ売却とプロフェッショナル売却がありますが、セルフ売却がオークション式に近い売り方になります。(正式にはオークションではありません)
インターネットで情報を公開し、理想の買い手が現れるまで待つ方式です。ただし平行して他の不動産会社へ売却を依頼できないため、お家ダイレクト以外で購入希望者を探せないというデメリットもあります。
対象:首都圏のマンション限定
出品料・手数料:無料
公式サイト: おうちダイレクト
ピタットハウス マイホームオークション
約8,000件の売却実績があるサービス。専属専任媒介契約を結んだ上での利用が前提になります。査定額の110%以内で1500万円以上などの制限あり
対象エリア:東京・神奈川・埼玉・千葉・群馬(一部エリア)
仲介手数料:3%+6万円(消費税別)
公式サイト:ピタットハウス マイホームオークション
エスクローエージェントジャパン信託
公式サイト: エスクローエージェントジャパン信託
マイホームオークション
公式サイト: マイホームオークション
IKURA GMO
公式サイト: IKURA GMO
総和不動産
公式サイト: 総和不動産
デューデリ&ディール
公式サイト: デューデリ&ディール
家博士家博士

注意点でも書いたように、運営者によってシステムや方法が違うから、まずはそこをよく確認しておこう。
入札期間一つとっても、数時間から数日など本当に様々なんだよ

オークションで高く売るコツ

オークションで不動産を高く売るためには、いくつかコツがあります。

不明点やトラブルになりそうな点を全てクリアにする

資産価値のある不動産だからこそ、些細なことが後のトラブルに発展する可能性も否定できません。

出品する不動産には資産価値が十分にあることを明確にするためにも、不明点やトラブルに発展する可能性がある点は全てクリアにしておきましょう。

土地や建物の問題について

  1. 隣地との境界は確定しているか
  2. 境界を越えている設置物(越境物)の有無
  3. 埋設物や古い井戸など地中障害の有無
  4. 土壌汚染の有無
  5. アスベスト使用の有無
  6. PCB(ポリ塩化ビフェニル)を含む製品の使用の有無
  7. 擁壁に関する問題(安全性や道路境界を越えていないか等)の有無
  8. がけ地など危険個所の有無

境界についてはこちら

土壌汚染についてはこちら

アスベストについてはこちら

擁壁についてはこちら

所有権や登記について

  1. 所有権や借地権、私道の掘削権などの権利関係はどうなっているか
  2. 相続の場合は遺産分割協議や相続登記に問題がないか

借地権についてはこちら

登記についてはこちら

法的な問題について

  1. 建築基準法に違反していないか
  2. 都市計画法に違反していないか
  3. 文化財保護法に違反していないか

法的な問題についてはこちら

その他瑕疵にあたるもの

  1. 心理的瑕疵の有無

瑕疵についてはこちら


家博士家博士

いずれも、オークションに限らず不動産の売却では高く売るために大切なポイント。
一方で、かなり専門的な内容でもあるんだ。
媒介契約を結んだ不動産会社ともよく相談しながら、この辺りをクリアにしていこう

ハウスくんハウスくん

オークションという方法で家を売る時も、不動産会社とコミュニケーションをとりながら進めていくことが大事なんだね

相対取引で売った場合も比較する

「オークションで売る」と決めると、それ以外の方法での売却をあまり考えなくなってしまいがち。

しかし、普通に売る相対取引だとどれくらいで売却できるのか、しっかり比較することも高く売るためのコツです。

オークションで売るという選択肢は持ちつつも、一括査定サイトなどを活用して複数の不動産会社に査定依頼しておきましょう。

親身に相談に応じてくれる不動産会社が見つかる可能性もあります。

不動産会社への査定依頼はいずれも無料。

サイトによって査定を依頼できる不動産会社が違うため、エリアや物件種別によって自分に合うサイトを選ぶようにしましょう。

一括査定サイトの定番3社+1社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。

一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。

この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue

    すまいバリュー
    実績5.0
    不動産会社4.5
    運営会社5.0
    査定実績:
    年間36万件
    不動産会社数:
    大手6社・全国840店舗
    運営会社:
    大手6社共同運営

    大手6社(三井不動産リアルティ・住友不動産販売・東急リバブル・野村不動産アーバンネット・三菱地所ハウスネット・小田急不動産)が共同で2016年10月に立ち上げた一括査定サイト。
    6社といっても全国840店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。
    売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。
    首都圏以外のほとんどの地方都市でも、三井・住友・東急の3社が売却実績のトップ3を独占しています。
    2019年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして、「すまいValue」が新定番となっています。

    管理人のコメント

    地方では大手より地域密着の中小不動産会社の方が強い場合もあるため、地方の郊外から外れたエリアではLIFULL HOME'S又はHOME4Uも確認してみたほうが良いでしょう。
    しかし都市部の方は「すまいバリュー」が現状では最強の一括査定サイトです。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。優秀な営業マンも数多く抱えています。
    机上査定と訪問査定が選べる点もおすすめ。

  2. 【公式サイト】すまいValue

  3. HOME4U

    HOME4Uイメージw330
    実績5.0
    不動産会社4.0
    運営会社5.0
    査定実績:
    累計35万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    1,300社
    運営会社:
    株式会社NTTデータ・スマートソーシング

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始依頼、査定累計数35万件と実績も豊富。運営は東証1部上場の株式会社NTTデータのグループ会社。
    不動産会社は大小バランスよく登録されているため幅広く依頼ができます。

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多いため、自然と査定精度が高くなる仕組みになっています。
    ちなみに記入した内容はまた不動産会社と話をするときに修正できます。
    あまり真剣に悩まず、とりあえず現時点の希望を書いておくと良いでしょう。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼した方がよいでしょう。

  4. 【公式サイト】HOME4U

  5. LIFULL HOME'S

    LIFULL HOMESイメージ
    実績4.5
    不動産会社4.5
    運営会社5.0
    査定実績:
    非公開(サイト利用者476万人)
    不動産会社数:
    1,798社
    運営会社:
    株式会社LIFULL

    運営は、HOME'SのテレビCMでおなじみの東証1部上場 株式会社LIFULL。2008年にマンション専用でサービスを開始。2011年から戸建ても含めて売却査定ができる仕様に。参加会社数が多く、特に地元密着系の中小不動産会社が多数登録しています。

    管理人のコメント

    不動産会社を選ぶ際に、各社の特徴(買取保障、瑕疵保証制度あり、半数以上がベテランなど)がアイコンで表示されるので、選びやすいシステムです。
    訪問査定ではなく机上査定を希望する場合は、不動産会社へのメッセージ欄で伝えると良いでしょう。
    選ぶ会社の数は3社〜6社がオススメです。

  6. 【公式サイト】LIFULL HOME'S

都市部では「おうちダイレクト」を並用で

都市部では、すまいvalueと並用して「おうちダイレクト」を利用してみましょう。

おうちダイレクト

おうちダイレクトは、ネット大手のyahoo(ヤフー)とソニー不動産が運営する一括査定サービス。

登録されている不動産会社は、大手フランチャイズ系を中心に法人及び団体が9つ、合計2000店舗以上とかなりの規模。

おうちダイレクトを並用するメリットは、つぎの3種類の不動産会社へ査定依頼できること。

  1. 地域の売買情報に特化した地元密着系不動産会社
  2. ネットワーク力が強いフランチャイズ系不動産会社
  3. 片手仲介に特化したソニー不動産

このうち1〜2社だけでも意見を聴くことで、すまいvalueの大手不動産会社があなたに合っているのか、迷いなく判断できるでしょう。

エリアによっては、大企業より販売実績のある不動産会社も登録されています。

また、おうちダイレクトではyahooがネット広告をサポートするため、ネット広告力が強いことも大きなメリットといえます。

ただしサービス提供エリアは、首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)、札幌、そしてマンションのみ愛知県と福岡市。

これ以外のエリアは、NTTデータのHOME4Uを試してみて下さい。

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