通行・掘削承諾書とは
「私道に接した不動産を売るには、通行・掘削承諾書が必要?」

通行・掘削承諾書についてお悩みですね。

確かに私道に接した不動産の売却では、通行・掘削承諾書が必要なケースがあります。
しかし取得方法や内容は、専門知識が無いと分からないもの。

そんな通行・掘削承諾書の悩みをスッキリ解決し、手間をかけずに承諾書を取る方法があります。

この記事では、売却で知っておきたい通行・掘削承諾書の知識、取得方法と4つの注意点をまとめました。

また通行・掘削承諾書以外の3つの解決策も解説。

あなたの不動産の私道問題が解決し、不動産売却が成功するために、この記事がお役に立てれば幸いです。

「売却を考えているけど、難しい話は読みたくない…」「手間をかけずにお任せしたい」という方は、この記事をサラッと目を通して、まず優秀で信頼できる不動産会社を見つけましょう。

都市部なら、大手トップ3社(三井・住友・東急)に無料査定を依頼して、話を聴き比べると良いでしょう。一括査定サイト「すまいValue」を使うと、まとめて査定を依頼できます。

地方では大手3社の営業エリア外になるため、NTTグループが運営する一括査定サイト「HOME4U」で地域の実績ある不動産会社3〜6社に無料査定を依頼しましょう。

不動産会社を選ぶポイントは、査定価格だけでなく話を聴き比べて選ぶこと。

信頼できる不動産会社が見つかれば、後は相談しながら安心して売却を進めることができます。

私道と通行・掘削承諾書の基礎知識

まず私道と通行・掘削承諾書について、ザックリと理解しておきましょう。

すでに分かっている方は、読み飛ばして下さい。

私道は私人が管理している道

『私道(しどう・わたくしどう)』とは、私人が所有・管理している道のこと。

私道に対して『公道(こうどう)』があり、公道は国・都道府県・市町村など公の機関が管理する道路です。

管理だけ公の機関という私道もある

ちなみに私道の中には、まれに「所有は私人」「管理は公の機関(財務省など)」というケースも。

こういった場合は、公道と同じで管理機関の担当窓口に申請すれば掘削できます。

家博士家博士

普段使う道路は、ほとんどが公道だよ。

通行・掘削には所有者の承諾が必要

私道を通行したり、掘削するためには、私道所有者の承諾が必要です。

この承諾した書類が『通行・掘削承諾書』で、私道に接した不動産を売却するために必要な書類です。

ハウスくんハウスくん

通行は分かるけど、掘削は何で必要なの?


家博士家博士

新しく建物を建てるとき、水道・ガス・下水の工事で道路を掘削するからだよ。
通行・掘削承諾書が無いと、リスクが有る不動産になってしまうんだ。

通行・掘削承諾書がもらえないと売れないことも

私道しか接道していない土地で、私道の通行・掘削承諾書がもらえないと、売れない恐れがあります。

なぜなら次のリスクがあるため。

通行・掘削承諾書が無い不動産のリスク

  • 水道やガス工事ができず、建物の建築・建替えができないリスク。
  • 建築確認が通らず、建物の建築・建替えができないリスク。
  • 自動車が通れないリスク。
  • 私道所有者に通行料を支払い続けるリスク
  • 上記のリスクから不動産の資産価値が下がるリスク
  • 資産価値が下がることで、買主がローンを使えないリスク

接道については、こちらで詳しく解説しています。


ハウスくんハウスくん

私道って大変なんだね。


家博士家博士

私道でも持分があれば大丈夫なんだけどね。

私道は持分が有ると無しで大違い

私道に接した不動産の売却は、『私道の持分』で大きく違います。

持分があれば売却に問題ない

私道の持分がある場合、つまり私道の所有権を一部持っている場合は、まず売却に問題ありません。

なぜなら私道の管理は共有者が協力して行うため、互いの通行や掘削を互いに認め合うことが普通だから。

多くの場合、分譲時に通行・掘削承諾書を交わしています。

持分ありでも、承諾書はある方が安心

もし持分はあっても過去に通行・掘削承諾書を交わしていない場合は、通行・掘削承諾書があった方が良いでしょう。

通行・掘削承諾書を交わしておけば、金融機関や購入者に安心してもらえます。

あなたの不動産も新たに取得するべきかは、不動産会社と相談して決めると良いでしょう。

家博士家博士

いずれにしても、他の私道所有者との関係を円満に維持するために、事前にお知らせだけはしておいた方が良いよ

共有者とのトラブル、特殊な条件だと問題になる恐れも

私道の持分があっても、他の所有者とトラブルになっていると、売却前に交渉した方が良いでしょう。

また特殊な条件では、他の私道所有者と交渉が必要になるケースも。

例えば、今まで自動車が通行していない私道だと、自動車の通行についてお互いに承諾書を交わす必要があります。

この様な私道の持分と通行の問題はケースによって過去の判例も様々で、裁判しないと結果が分からないこともあります。

複数の不動産会社に意見を聞いてみると、幅広い意見が聞けるでしょう。

持分がないと通行・掘削承諾書が必要

私道の持分がない不動産は、売却するために通行・掘削承諾書が必要です。

もし通行・掘削承諾書がとれない場合、その不動産の売却は難しくなるでしょう。

私道の持分が無く通行・掘削承諾書もとれないと、不動産の資産価値が大きく下がってしまい、ローン審査にも通りません。

ハウスくんハウスくん

私道の持分があればOK。無ければ通行・掘削承諾書が必要なんだね。
なんとなく分かったよ。


家博士家博士

じゃあ次に、通行・掘削承諾書について解説しよう。

通行・掘削承諾書の取得と注意点

取得は不動産会社に依頼する

通行・掘削承諾書の取得は、不動産の売却を依頼する不動産会社にお任せするのが一般的です。

もちろん私道の所有者と普段からお付き合いがあり、関係が良好であれば、直接自分で依頼しても良いでしょう。

ただし自分で依頼する場合も文面や書式は不動産会社に作成してもらった方が安心です。

なぜなら、通行・掘削承諾書には4つの注意点があるため。

通行・掘削承諾書の4つの注意点

通行・掘削承諾書の4つの注意点

  1. 承諾書の文面は、金融機関が承認する内容にする
  2. 一度作成した文面は、後から修正できない
  3. 私道の所有者から何らかの条件を求められる恐れもある
  4. 場合によっては測量・境界確定が必要

ハウスくんハウスくん

でもどんな文面なら金融機関は承認してくれるの?


家博士家博士

例えば、売却後に所有者が変わっても有効であることを示す「第三者継承」が必要だったりするんだ


ハウスくんハウスくん

そんなのどうやって確認すれば良いの?


家博士家博士

不動産会社にお任せすれば大丈夫だよ

費用は基本無料だが追加費用があることも

通行・掘削承諾書の取得を不動産会社に依頼した場合、その費用は不動産売却の仲介手数料に含むのが一般的。

通行・掘削承諾書の取得費用は、実質無料です。

ただし場合によっては、追加費用がかかることも。

費用がかかるケース1. 私道所有者への通行料・償金・ハンコ代

承諾書をとる際に、私道の所有者から通行料・償金・ハンコ代を請求される場合があり、金額が常識の範囲内であれば支払うことになります。

この金額の目安は、条件によって様々なので、一概にはいえません。

不動産会社と相談して、所有者と交渉しましょう。

費用がかかるケース2. 取得費用が高額な場合

まれに相続によって共有者が数十人と多くなり、かつ住所が全国に及ぶことも。

こういった特殊なケースでは、取得に膨大な手間と費用がかかるため、不動産会社に実費を支払うことになります。

なぜなら不動産会社の仲介手数料は、宅建業法で上限が決まっているため。

仲介手数料の上限=売買価格×3%+6万円+消費税
※売買価格が400万円以上の場合

この費用の中には、売却活動や売買契約書の作成費用が含まれているため、どうしても限界があるのです。

仲介手数料については、こちらで詳しく解説しています。

費用がかかるケース3. 測量・境界確定が必要な場合

私道の位置や境界が不明瞭な場合は、測量・境界確定が必要。

測量・境界確定の費用は、作業量により大きく幅があり、約10万〜90万円かかります。

測量・境界確定については、こちらで詳しく解説しています。

不動産会社の選び方

通行・掘削承諾書など私道の面倒な問題は、不動産の専門家にお任せした方が確実で簡単です。

まず私道の問題を安心して任せられる『優秀で信頼できる不動産会社』を選ぶことに集中しましょう。

3つのステップで選ぶ

不動産会社を選ぶ手順は、次の3つのステップ。

不動産会社を選ぶ3つのステップ

  1. エリアで売却実績が豊富な不動産会社に絞る
  2. その中から3〜6社に無料査定を依頼する
  3. 査定結果と私道の質問に対する回答から、最も良さそうな不動産会社を1社選ぶ

ハウスくんハウスくん

なんで3〜6社に無料査定を依頼するの?


家博士家博士

比較するためには、最低3社は必要だからさ。
さらにじっくり話を聞くためには、多くてもせいぜい6社程度が限界だよ。

多めに査定を依頼して、話を聞く数を絞る方法もあり

査定を依頼するときは、とにかく数多くの不動産会社へ依頼して、査定結果で3〜6社に絞っても良いでしょう。

なぜなら、不動産会社の中には、手間がかかる私道の不動産を避けるところもあるため。

そういった不動産会社は、無料査定を依頼しても査定を出さなかったり、明らかに安値の査定価格を提示します。

査定価格が明らかに安かったり、質問をしてもやる気がなさそうな不動産会社は話を聞く対象から外して、3〜6社を選ぶと良いでしょう。

ハウスくんハウスくん

エリアで売却実績が豊富な不動産会社は、どうやって選べば良いの?


家博士家博士

不動産会社の心当たりが無ければ、一括査定サイトを利用すると便利だよ。


一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。

一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。

この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue

    すまいValue
    実績5.0
    不動産会社4.5
    運営会社5.0
    査定実績:
    40万件
    不動産会社数:
    大手6社・全国900店舗
    運営会社:
    大手6社共同運営

    大手6社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル・野村の仲介+・三菱地所ハウスネット・小田急不動産)が共同で2016年に設立した一括査定サイト。
    6社といっても全国900店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。
    売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。
    首都圏以外のほとんどの地方都市でも、三井・住友・東急の3社が売却実績のトップ3を独占しています。
    2021年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトです。
    簡易査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。

    管理人のコメント

    地方では大手より地域密着の中小が強い場合もあるので、3位のHOME4Uも確認した方が良いでしょう。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が定番です。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。優秀な営業マンも数多く抱えています。

  2. 【公式サイト】すまいValue

  3. SRE不動産(旧ソニー不動産)

    SRE不動産
    実績4.0
    不動産会社4.0
    運営会社5.0
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス株式会社

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。利用できるエリアは首都圏と関西圏限定です。
    あのソニーが始めた不動産会社で、売主だけを担当するエージェント制が特徴。無数にある他の不動産会社が買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。

    管理人のコメント

    大手不動産会社でエージェント制はSRE不動産だけ。話を聞くと売却活動に役立つでしょう。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで査定を依頼することがポイント。まずメールで概算価格を査定してくれます。

  4. 【公式サイト】SRE不動産

  5. HOME4U

    HOME4Uイメージw330
    実績5.0
    不動産会社4.0
    運営会社4.0
    査定実績:
    累計45万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    1,800社
    運営会社:
    株式会社NTTデータ・スマートソーシング

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始依頼、査定累計数45万件と実績も豊富。運営は東証1部上場の株式会社NTTデータのグループ会社。
    不動産会社は大小バランスよく登録されているため全国どこでも幅広く依頼ができます。
    机上査定を選ぶと、郵送やメールで査定可能。

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多いため、自然と査定精度が高くなる仕組みになっています。
    ちなみに記入した内容はまた不動産会社と話をするときに修正できます。
    あまり真剣に悩まず、とりあえず現時点の希望を書いておく程度で大丈夫。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

ハウスくんハウスくん

不動産会社にはどんな質問をすれば良いの?


家博士家博士

質問するためには、多少は基礎知識があった方が良いね。
私道の持分と通行・掘削承諾書について知っておけば、相談しやすいよ。

更に詳しく知りたい人のための知識

建築基準法上の道路になる

私道でも、『建築基準法上の道路』として認められます。

『建築基準法上の道路』として認められると、その私道に間口2m以上接道する土地には建物を建築可能に。

もし私道が『建築基準法の道路』でなければ、その土地は『再建築不可』となり売却が難しくなってしまいます。

袋地は人の通行と下水だけ権利あり

他の土地に囲まれて公道に接していない土地を、袋地と言います。

一方、袋地を囲んでいる土地のことは囲繞地(いにょうち・いじょうち)と言います。

袋地の所有者は公道に出るために、囲繞地を通行できるとされています。

また、下水道管など排水設備に関しても、囲繞地に設置できるとされています。

これらは民法第201条、211条、212条、213条および下水道法第11条に規定されている内容です。

民法第210条

  1. 他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は、公道に至るため、その土地を囲んでいる他の土地を通行する事ができる。
  2. 池沼、河川、水路若しくは海を通らなければ公道に至ることができないとき、又は崖があって土地と公道とに著しい高低差があるときも、前項と同様とする。

民法第211条

  1. 前条の場合には、通行の場所及び方法は、同条の規定による通行権を有する者のために必要であり、かつ、他の土地のために損害が最も少ないものを選ばなければならない。
  2. 前条の規定による通行権を有する者は、必要があるときは、通路を開設することができる。

民法第212条

  • 第210条の規定による通行権を有する者は、その通行する他の土地の損害に対して償金を支払わなければならない。ただし、通路の開設のために生じた損害に対するものを除き、一年ごとにその償金を支払うことができる。

民法第213条

  • 分割によって公道に通じない土地が生じたときは、その土地の所有者は、公道に至るため、他の分割者の所有地のみを通行することができる。この場合においては、償金を支払うことを有しない。
  • 前項の規定は、土地の所有者がその土地の一部を譲り渡した場合について準用する。

下水道法第11条

  1. 前条第一項の規定により排水設備を設置しなければならない者は、他人の土地又は排水設備を使用しなければ下水を公共下水道に流入させることが困難であるときは、他人の土地に排水設備を設置し、又は他人の設置した排水設備を使用することができる。この場合においては、他人の土地又は排水設備にとって最も損害の少い場所又は箇所及び方法を選ばなければならない。
  2. 前項の規定により他人の排水設備を使用する者は、その利益を受ける割合に応じて、その設置、改築、修繕及び維持に要する費用を負担しなければならない。
  3. 第一項の規定により他人の土地に排水設備を設置することができる者又は前条第二項の規定により当該排水設備の維持をしなければならない者は、当該排水設備の設置、改築若しくは修繕又は維持をするためやむを得ない必要があるときは、他人の土地を使用することができる。この場合においては、あらかじめその旨を当該土地の占有者に告げなければならない。
  4. 前項の規定により他人の土地を使用した者は、当該使用により他人に損失を与えた場合においては、その者に対し、通常生ずべき損失を補償しなければならない

ただし民法や下水道法で規定されているように、この囲繞地の通行権は最低限の権利しか認められていません。

そのため「接道義務を満たすために幅を2m以上にしたい」「車の通行ができるようにしたい」といった要望が認められるかどうかは微妙なところ。

過去の判例でも、判断は分かれているため、裁判をしてみないと結果は分かりません。

また、囲繞地の所有者が請求すれば、通行料を支払う必要があります。

【参考】公益財団法人不動産流通推進センター・位置指定道路と囲繞地通行権

位置指定道路でも勝手に通れない

建築基準法上の「道路」に認められる私道の一種で位置指定道路(建築基準法42条1項5号)があります。

位置指定道路は特定行政庁に指定された道路ですが、私道なので、近隣の第三者が通行する権利(通行地役権)が保証されているわけではありません。

また、道路所有者によって自動車の通行を制限することができます。

この位置指定道路とは、建築基準法上の道路の一つで、特定行政庁(都道府県または市町村)が道路位置を指定した私道のこと。

位置指定道路では、建築基準法第44条・第45条によって、道路内に建築物を建てたり、勝手に変更廃止できません。

建築基準法第44条(道路内の建築制限)
建築物又は敷地を造成するための擁壁は、道路内に、又は道路に突き出して建築し、又は築造してはならない。
第45条(私道の変更又は廃止の制限)
私道の変更又は廃止によって、その道路に接する敷地が第43条第1項の規定又は同条第2項の規定に基く条例の規定に抵触することとなる場合においては、特定行政庁は、その私道の変更又は廃止を禁止し、又は制限することができる。

位置指定道路は、大きな一つの土地を分割してそれぞれ分譲し、複数の住宅を建てた開発地によくあります。

なぜなら建物を建てるためには、各敷地が接道義務(建築基準法で定められた道路に2m以上接する)をクリアする必要があるため。

土地の開発者が建物を建てる許可の条件として、位置指定道路を作っているのです。

だから位置指定道路の所有者で多いのは、道路を分筆して敷地とともに分譲地の購入者がそれぞれ所有しているケース。

この所有者だけが通行できるのです。

公衆用道路でも勝手に通れない

登記上の地目の一つである公衆用道路。

名前だけ見ると公道のようにも思えますが、私道であるケースもあります。

私道であれば勝手に通ることはできません。

なお、固定資産税上の公衆道路であれば、税の優遇措置が適用されます。

固定資産税、都市計画税、不動産取得税が非課税です。

位置指定道路と同様に、こちらも道路があるからといって第三者の通行する権利(通行地役権)が発生するものではありません。

【参考】公益財団法人不動産流通推進センター・位置指定道路の通行権

一定の公共性は認められる場合も多い

私道は私有地ですが、位置指定道路など建築基準法上の道路に該当すると、原則として変更や廃止できません。

こうした道路はたとえ私道であっても一定の公共性が認められ、第三者の通行の自由が認められる場合もあります。

【参考】黙示の通行地役権が認められた事例

また、私道の補修は原則として所有者が行いますが、一定の公共性が認められるような場合は補修費用を補助してくれる自治体も多くなっています。

ただし、この場合は「所有者全員の同意」を条件にしているところも多いので、注意が必要です。

ハウスくんハウスくん

私道の所有者が通行・掘削承諾書を断ったらどうなるの?


家博士家博士

できれば避けたい方法だけど、裁判や調停をすれば通行・掘削が認められる可能性は高い。
でも将来に遺恨を残すと、色々トラブルになる恐れがある。
裁判や調停をせず、通行・掘削承諾書をもらう以外の方法が3つある。

通行・掘削承諾書以外の3つの解決策

通行・掘削承諾書以外の解決策としては、主に3つの方法があります。

承諾書以外の3つの解決方法

  1. 持分を購入する
  2. 通行地役権を設定する
  3. 私道所有者へ売却する

方法1. 持分を購入する

私道の所有者から持分を売ってもらえば、共有持分のある不動産として売却できます。

購入費用と、長期的に私道の舗装など維持管理費用の負担がありますが、売買をスムーズできるメリットの方が大きいでしょう。

購入する持分の大きさ(面積)は関係ありませんので、所有者の納得する範囲で最小の面積にします。

購入方法には、次の2種類があります。

  1. 私道を分筆して、そのうちの1筆を売買する方法
  2. 私道全体の共有割合を持分として売買する方法

それぞれ手順を解説します。

(1)私道を分筆して、そのうちの1筆を売買する方法

手順

  1. 私道所有者と売買に関する合意をし、代金や方法、売買対象の範囲を決める
  2. 売買対象となる部分の位置を決め、測量を手配
  3. 対象となる部分を分筆するため、その部分と隣接する土地所有者に境界立会を求める
  4. 境界位置が確定し測量を終えたら、分筆の手続きをする
  5. 分筆完了後に売買契約、引き渡し、決済

なお、売買契約のタイミングは一番最初でも良いですが、この場合は1〜4について特約等に記載しておく必要あり。

測量が長引いたり分筆が困難なケースもあるので、白紙解約についての条項を記載しておくとトラブル防止になります。

(2)私道全体の共有割合を持分として売買する方法

手順

  1. 私道所有者と売買に関する合意をし、代金や方法、売買対象の共有割合を決める
  2. 売買契約、引き渡し、決済

ハウスくんハウスくん

どちらの方法がいいのかな?
手続き的には、共有割合を持分として売買した方が簡単そうだけど・・・


家博士家博士

それは私道所有者との話し合い次第。
不動産会社とも相談しながら進めていこう

方法2. 通行地役権を設定する

2つ目の方法は、通行地役権を設定すること。

通行地役権とは「通行」という目的のために設定される地役権です。

地役権は、自分の利便性を高めるために他人の土地を利用できる権利のことを言います。

この場合は私道所有者との間で「地役権設定契約」を締結すればOK。

通行料の支払いなど地役権の対価が定められますが、法律上は無償でも可能です。

なお、自分が所有している土地を要役地(ようえきち)、利用される側の他人の土地を承役地(しょうえきち)と呼びます。

ハウスくんハウスくん

地役権設定契約を結んでいれば、要役地を売却した場合でも買主は通行地役権を引き継げるの?

家博士家博士

買主も通行地役権を継承できるよ。
ただ承役地が売却された場合、契約だけだと新しい所有者に通行地役権を主張できない。こうしたトラブルを防ぐために、通行地役権の設定登記をしておく必要があるんだ

地役権の設定登記をする場合、登記の申請は承役地について申請します。

「要役地」「地役権設定の目的」「地役権設定の範囲」の3点が必ず登記される事項。

登録免許税は、承役地の不動産1個につき1,500円です。

方法3. 私道所有者へ売却する

3つ目の方法は、私道所有者へ自分の土地を売却する方法です。

もちろん価格の折り合いがつき、私道所有者がOKであればの話ですが。

買い手を探す必要もなくなるため、比較的短期間で売却できるメリットもあります。

まとめ

私道に接する不動産を売却する場合、私道の持分によって違い

  • 共有持分あり:特に問題なし(ただし共有者の了解は必要)
  • 共有持分なし:通行・掘削承諾書が必要

通行・掘削承諾書は、不動産会社に依頼するのが一般的。

私道所有者との関係が良好であれば、直接交渉しても良いですが、文面は不動産会社に用意してもらいましょう。

承諾書の費用として、私道所有者から通行料や償金を請求されることもあり、金額が常識の範囲内なら支払うしかありません。

手数料は不動産会社の仲介手数料に含まれるのが一般的ですが、測量・境界確定など別途費用がかかる場合もあります。

通行・掘削承諾書以外の解決策もあるので、不動産会社と相談して最適な方法を選んで下さい。

あなたの不動産売却が成功することを心よりお祈りしております!

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。

一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。

この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue

    すまいValue
    実績5.0
    不動産会社4.5
    運営会社5.0
    査定実績:
    40万件
    不動産会社数:
    大手6社・全国900店舗
    運営会社:
    大手6社共同運営

    大手6社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル・野村の仲介+・三菱地所ハウスネット・小田急不動産)が共同で2016年に設立した一括査定サイト。
    6社といっても全国900店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。
    売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。
    首都圏以外のほとんどの地方都市でも、三井・住友・東急の3社が売却実績のトップ3を独占しています。
    2021年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトです。
    簡易査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。

    管理人のコメント

    地方では大手より地域密着の中小が強い場合もあるので、3位のHOME4Uも確認した方が良いでしょう。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が定番です。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。優秀な営業マンも数多く抱えています。

  2. 【公式サイト】すまいValue

  3. SRE不動産(旧ソニー不動産)

    SRE不動産
    実績4.0
    不動産会社4.0
    運営会社5.0
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス株式会社

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。利用できるエリアは首都圏と関西圏限定です。
    あのソニーが始めた不動産会社で、売主だけを担当するエージェント制が特徴。無数にある他の不動産会社が買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。

    管理人のコメント

    大手不動産会社でエージェント制はSRE不動産だけ。話を聞くと売却活動に役立つでしょう。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで査定を依頼することがポイント。まずメールで概算価格を査定してくれます。

  4. 【公式サイト】SRE不動産

  5. HOME4U

    HOME4Uイメージw330
    実績5.0
    不動産会社4.0
    運営会社4.0
    査定実績:
    累計45万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    1,800社
    運営会社:
    株式会社NTTデータ・スマートソーシング

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始依頼、査定累計数45万件と実績も豊富。運営は東証1部上場の株式会社NTTデータのグループ会社。
    不動産会社は大小バランスよく登録されているため全国どこでも幅広く依頼ができます。
    机上査定を選ぶと、郵送やメールで査定可能。

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多いため、自然と査定精度が高くなる仕組みになっています。
    ちなみに記入した内容はまた不動産会社と話をするときに修正できます。
    あまり真剣に悩まず、とりあえず現時点の希望を書いておく程度で大丈夫。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

各エリアで最適な組み合わせ
エリア別のオススメ一括査定サイト

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)
    すまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。
  • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)
    すまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。
  • 地方(人口密度が少ない地域)
    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME'Sも使ってみると良いでしょう。