「一戸建てや土地の売却では、地盤調査が必要なの?」
一戸建てや土地の売却で、地盤調査についてお悩みですね。
確かに最近は、液状化現象や軟弱地盤が注目されており、2000年の法改正では新築時の地盤調査が義務化されたほど。
では一戸建てや土地を売却する時に、地盤調査は必要なのでしょうか。
結論からいうと、普通の宅地や一戸建ての売却であれば、地盤調査は必要ありません。
ただし大規模な土地や、事業用地では必要になるケースがあります。
この記事では、一戸建て・土地の売却で、地盤調査が必要なケースについて解説しました。
また地盤調査の種類と地耐力不足の地盤で必要な工事について、最低限の知識をまとめました。
なお既に家が傾いている場合は、こちらの別記事をお読み下さい。
傾いた家は売れます。ただし最適な売り方を選ぶことが大切。傾いた家を売る3つの方法、直す工法と費用を分かりやすく解説。また傾きが瑕疵になる判断基準や測定方法についてもまとめました。
あなたの一戸建て・土地の悩みが解決するために、この記事がお役に立てば幸いです。
この記事のもくじ
普通の宅地の売却では地盤調査は不要
普通の宅地を売却するときに、改めて地盤調査する必要はありません。
ただし、過去の地盤調査書類を確認して、あれば重要事項説明へ記載(書面があれば添付)します。
過去の地盤調査報告書があれば、重要事項説明に添付する
家を建てる際に地盤調査が必要になったのは、2000年6月1日施行の建築基準法改正から。
そのため、建築確認申請が2000年6月1日以降のいわゆる「2000年基準」であれば、木造一戸建てでも地盤調査報告書があるはずです。
調査報告書があれば、売買契約の重要事項説明に添付しておきましょう。
もし紛失してしまっている場合は、調査報告書が無いことを重要事項説明に記載します。
2000年以前の2階建て以下は地盤調査報告書が無い
一方、2000年以前に建てられた2階建て以下の一戸建てでは、地盤調査報告書がない場合がほとんどです。

2000年基準かどうかが一つの目安になるんだね

そう。2000年基準で、宅地についても地盤の強さに応じて適切な基礎を設けることが決められたんだ
2000年の建築基準法改正以前にも、地盤の強さと基礎についてのルールはありました。
ただし、このルールは鉄筋コンクリート造や鉄骨造、木造3階建ての場合。
一般的な木造2階建てであれば、具体的なルールもなかったのです。
それが2000年の改正で、2階建て以下の木造建築物についても基礎に関する具体的なルールを設定。
結果的に、地盤調査を行わなければ建物が建てられなくなったのです。

なるほど。だから2000年基準の一戸建てなら、地盤調査報告書があるはずなんだね

調査の結果『弱い地盤』だと分かったら、地盤改良したうえで建物を建てることになるんだ
地盤改良報告書もあれば添付する
もし地盤改良をした土地である場合は、地盤改良報告書もあるはずです。
この地盤調査報告書も重要事項説明に添付し、紛失した場合はその旨を記載しておきましょう。
液状化はハザードマップで分かる
液状化は、液状化ハザードマップで「発生しやすい場所」が分かります。
各自治体が公表しているハザードマップを確認し、エリア内であれば、そのことを重要事項説明に記載します。
また国土交通省では、地形区分で液状化の発生傾向図を公表しています。
【参考】国土交通省・報道発表資料
液状化は海に近いエリア・埋立地で多い
液状化は海に近いエリアや埋立地などで多い現象。
東日本大震災では2万7千件の宅地被害が発生し、大きな問題となりました。
液状化では、地下水位の高い地盤が、地震の揺れによって一時的に液体になってしまいます。
液状化が起こると、建物や道路などが沈んだり、基礎に亀裂が入る恐れも。
また地下の上下水道などが浮き上がり、水道・下水・電気・ガスが使えなくなってしまうこともあります。
建物が無事でもしばらく生活できなくなるので、液状化エリアの不動産価値は大地震後は下がる恐れがあります。
大規模な事業用地などでは必要になるケースも
一般的な宅地であれば新たな地盤調査は不要ですが、事業用地など規模が大きい土地の場合は、買い主の希望で地盤調査が必要になることもあります。
こうした規模の大きな土地を売却する場合は、地盤調査をした方が良いか、不動産会社が教えてくれます。
地盤調査が必要かの判断は、エリアによって変わります。
一般的には、近隣で過去に行ったボーリングデータをチェックし、必要であれば地盤調査することが多いでしょう。
【参考】国土交通省KuniJiban
地盤調査は簡易的(SWS)か本格的(ボーリング)のどちらか
地盤調査の方法は、簡易的な方法と本格的な方法のどちらかがほとんど。
具体的な調査方法としては「スウェーデン式サウンディング調査(SWS)」と「ボーリング調査」の2種類があります。
簡易的なスウェーデン式サウンディング調査(SWS)
一戸建てで通常行われる簡易的な調査方法が、スウェーデン式サウンディング調査です。
これは先端に錐(きり)をつけたシャフトを、荷重をかけながら回転させて地盤にねじ入れ、錐が25cm沈むまでの回転数をもとに地盤の強さを調べる方法。
短時間かつローコストで済むため、一戸建てなど規模の小さな土地の調査で利用されます。
国土交通省の告示でも、SWSで調査した結果、一定の範囲内に一定の荷重以下で沈む層が存在する場合には「建築物に有害な損傷、変形および沈下が生じないことを確かめなければならない」とされています。

費用も安く、簡単に済ませられるのは嬉しいね

ただ、SWSだけでは調査できない部分も多いんだ。
土の中に大きな石などがあると測定できないしね。
敷地の複数箇所で調べるなど工夫が必要だよ
本格的なボーリング調査
地盤調査として、最も一般的なのが、こちらのボーリング調査です。
サンプラーと呼ばれるパイプ状の先端部を、機械で回転させながら地盤にねじ入れ、様々な観点から地盤の強さや土の性質を調べます。
一般的な調査方法ですが、規模も大きく費用が高額で手間がかかるというデメリットも。
そのため、鉄筋コンクリート造のマンションなど大型の建物を建てる際に限って使われます。
その他の方法もあるがあくまでも補助的
SWSやボーリング調査以外の調査方法としては、次のようなものもあります。
- ・表面波探査
- 地盤の固さを調べる調査方法です。
- ・ハンドオーガ調査
- 土のサンプルを採集して調査する方法で、地中の土質を調べたい場合などに使われます。
- ・平板載荷試験
- 「地盤強度がどれだけか」ではなく、「求める強度がその地盤にあるか」を調べる方法です。
ただし、こうした調査方法はあくまでも補助的な方法なので、一戸建てならスウェーデン式サウンディング、マンションなどはボーリングが基本です。
地耐力不足なら地盤改良が必要
地盤調査の結果、軟弱で必要な強度がない(地耐力不足)と判断された場合は、建物を建てる前に地盤改良が必要です。
地盤改良工事は、どの程度の規模の建物を建てるのか、また軟弱地盤の地表からの深さによって、工法が変わります。
表層改良
軟弱地盤が地表から2m以内であれば、表層改良工法が利用できます。
これは軟弱な部分の土をセメントなどで固めることで、地盤の強度を上げるもの。
工期も短く、費用も比較的安価で済ませられます。
柱状改良
軟弱地盤が地表から8m以内の場合に利用できる工法で、戸建住宅では一般的に使われているもの。
基礎の下の部分を柱状にセメントなどで固め、建物を支えます。
戸建住宅で多い工法ですが、施工後の原状回復は困難。
地中に柱状の杭が残ってしまうため、場合によっては土地の売却価格が安くなることもあります。
鋼管杭
軟弱地盤が地表から30m以内の場合に利用できる工法で、戸建住宅ではほとんど使いません。
柱状改良の場合はセメントなどで建物を支えますが、鋼管杭の場合は金属製の鋼管で建物を支えます。
地中深くまで鋼管を埋めることになるため、工事の際には大型の重機が必要。
そのため、敷地状況によっては工事ができないこともあります。
なお、柱状改良と違って金属製の杭を埋めるため、費用はかかりますが原状回復は可能です。
まとめ
家・土地を売却する際の地盤調査は、
- 一戸建てなど普通の土地は必要ない
- 事業用など大規模では不動産会社に相談する
不動産会社は、売却実績が豊富な不動産会社3〜6社に意見を聞いた方が確実です。
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