耐震基準イメージ
もしあなたが築17年以上(2000年6月1日以前に着工)の一戸建てを売る予定なら、急いだ方が良いでしょう。

なぜなら近い将来、地震耐力不足で売れにくくなり、売れたとしても耐震診断や耐震改修工事が必要になる可能性が高いからです。

この記事では、2000年以前の一戸建てが、最近急に問題になっている経緯、もし売るなら急ぐべき理由をまとめました。

木造一戸建ては2000年に耐震基準が大きく変わった

建設中のイメージ
建築物の耐震基準としては、1981年以前の「旧耐震基準」と、それ以降の「新耐震基準」が比較的有名かもしれません。

しかし、一戸建てのような木造建築物では、1995年の阪神淡路大震災がきっかけで、2000年6月にも耐震基準が大きく変わっています。

ハウスくんハウスくん

耐震基準は2000年6月にも改正されているんだね。
でもなんで、今さら問題になっているの?

家博士家博士

2016年の熊本地震によって、この2000年基準が注目されるようになったんだよ。

熊本地震をきっかけに注目されている2000年基準

熊本地震の後、震源地に近いエリアを中心に建物の被害状況に関する調査が実施されました。

それによると、「どの耐震基準によって建てられたか」によって、木造建築物の被害状況に差が出ていたことが明らかになったのです。

【建物の耐震基準と被害状況】

熊本地震の被害と耐震基準

① 1981年5月以前の旧耐震基準で建てられた家
倒壊・崩壊した家屋:28.2%
無被害だった家屋:5.1%
② 1981年6月から2000年5月までの新耐震基準で建てられた家
倒壊・崩壊した家屋:8.7%
無被害だった家屋:20.4%
③ 2000年6月以降の2000年基準によって建てられた家
倒壊・崩壊した家屋:2.2%
無被害だった家屋:61.4%

調査結果からも分かるように、2000年基準で建てられた家はそれ以前の旧耐震基準・新耐震基準と比べ、被害が少なかったことが分かりました。

2000年以前の木造戸建ての多くが耐震性に問題

木造一戸建てイメージ
実は1981年6月〜2000年5月の木造一戸建ては、9割が現行の耐震基準に不適合で耐震改修工事が必要という調査結果も。
日本木造住宅耐震補強事業者共同組合・木造住宅耐震診断調査データより)

つまり、この時期のほとんどの木造一戸建てが現行の耐震基準を満たしていないのです。

ハウスくんハウスくん

9割って、相当な割合だね

家博士家博士

そうだね。
国としても調査を進めていて、国土交通省がとりあえず2017年5月に耐震性能を検証する方法を公表している。

今のところは「推奨」だけ

国土交通省としては、何らかの対策をとる必要があったので、一般社団法人日本建築防災協会に依頼して、新しい検証法を作成しています。

これによると、国土交通省はあくまでまだ「推奨」だけで、義務化しているわけではありません。

国土交通省としては、既存の木造住宅について、平成12年(2000年)以前のものを中心に、リフォーム等の機会をとらえ、同年に明確化した仕様に照らして、接合部等の状況を確認することを推奨する

新しい検証法は、在来軸組工法の木造住宅を対象に、次の手順で耐震性を検証するというものです。

  1. 所有者がまず簡易的に耐震性を検証する。
  2. 問題があれば専門家に耐震診断を依頼する。

詳しい検証法はこちら
一般社団法人日本建築防災協会・新耐震基準の木造住宅の耐震性能検証法(新耐震木造住宅検証法)

ただしこの検証法は、今後の住宅耐震化の布石であり、今後はさらに厳しい措置が予想されています。

2000年基準とは?

そもそも耐震基準の2000年基準とはどんなものなのでしょうか。

1995年の阪神淡路大震災をきっかけに、2000年に一部見直された木造建築物に関する耐震基準。

主なポイントは3つあります。

2000年基準のポイント

  • ポイント1. 地盤に最適な基礎をつくる
  • ポイント2. 接合部に金具を使いしっかり固定する
  • ポイント3. 耐力壁をバランスよく配置する

それぞれ解説します。

ポイント1. 地盤に最適な基礎をつくる

地盤調査イメージ
2000年基準では地面にどれだけの重みを支える力があるかを示す「地耐力」を調べることが必須に。

地耐力が弱ければ地盤改良工事を行うこととされています。

地耐力調査が必須になった理由は、建物が不揃いに沈む「不同沈下」を防ぐため。

そもそも、地盤の強さはどこも一定ではありません。

しかし2000年以前は地盤の強度を調べないで、地盤が弱くても強くても同じ基礎を造っていました。

例えば、固い岩の上でも、柔らかい豆腐の様な地盤の上でも、関係なく家を建てていたのです。

その結果、地盤が弱い状態で家を建ててしまうと、地震時に不同沈下によって基礎や壁、梁などにひび割れなどの損傷が生じてしまうのです。

ハウスくんハウスくん

だから、まずはしっかりした基礎を作ることが必須になったんだね

なお、引渡しから10年以内に不同沈下が起きた場合は、施工者が無償で修復することになっています。

ポイント2. 接合部に金具を使いしっかり固定する

金物イメージ
筋交いや柱の頭・根元部分をしっかり固定するため、使用する金具や柱のサイズが指定されました。

接合に適切な金具を使わなかったり、サイズが適切でなかった場合、地震の揺れによって接合部が抜けてしまうおそれがあるためです。

実は1981年の新耐震基準では、筋交いの入った壁を増やすことで揺れに強い構造にすることが定められました。

しかし、せっかく揺れに強い構造にしても、接合部が緩ければ意味がありません。

2000年基準では接合に使う金具を具体的に指定することで、この点を改善しています。

ポイント3. 耐力壁をバランスよく配置する

耐力壁イメージ
これまでは日当たりを考慮し、南側は窓、北側は壁が多いという家が多いものでした。

そのため、揺れに強い筋交いの入った耐力壁も北側に偏る傾向があり、窓の多い南側はどうしても揺れに弱い造りに。

揺れに対する強さのバランスが悪くなってしまい、阪神淡路大震災では多くの建物が「ねじれて倒壊する」結果になってしまいました。

2000年基準ではこの点も改善。

壁の質や量、配置まで考慮し、家全体での耐震性を増強することとなったのです。

具体的にはバランス計算と呼ばれるものを義務化し、偏りの度合いである「偏心率」が0.3以下とすることになっています。

ハウスくんハウスくん

とりあえず耐力壁を使えばいいというわけではなくて、全体的なバランスまで考える必要があるんだね

家博士家博士

そう。ちなみに、基準では偏心率0.3以下となっているけれど、実際にはより安全性を高めるために0.15以下で設計することが多くなっているよ

今後は耐震診断および耐震改修が要求される可能性が高い

今のところ、2000年基準を満たさない一戸建ての売買で、耐震診断や耐震改修工事を求められることはほとんどありません。

しかし、2000年基準が注目されて、国が何からのガイドラインを発表すると、耐震診断や耐震改修が要求されることになるでしょう。

つまり近いうちに、2000年基準を満たさない一戸建てが

  • 買い手に敬遠され、売りにくくなる
  • 売る場合は耐震診断と耐震改修工事が必要になる

と予想されるのです。

耐震診断および耐震改修にかかる費用の大まかな目安は次の通りです。

耐震診断の費用

耐震診断の費用の目安は、木造住宅で概ね20〜50万円程度。

竣工時の図面が無い場合は図面を作成する料金が発生するため、もう少し高くなります。

なお耐震診断費用については、自治体で補助金が受けられますが、現在は旧耐震の一戸建てのみが対象。

おそらく今後の2000年基準の扱い次第で、何らかの補助が始まると予想されますが、まだ分かりません。

補助金の条件は自治体ごとに異なります。

耐震改修工事の費用

耐震改修工事の費用は地域や規模にもよりますが、100〜150万円の工事が最も多くなっています。

耐震診断同様、こちらも国や自治体による助成制度の利用が可能。

こうした制度を利用すれば、自己負担額はもっと少なくなります。

耐震改修工事費については、次の式を利用しておおよその費用を出すこともできます。

耐震改修工事費=27,000×(耐震改修後の評点目標−耐震改修前の評点)×延べ床面積

※耐震改修後の評点は、最低でも1.0以上とすること。
※算出される金額はあくまでも目安なので、実際の金額とは異なる場合もあります。

(参考)財団法人日本建築防災協会・木造住宅の耐震改修の費用

リフォームと合せる方が安くなる

耐震改修工事だけを実施するのではなく、リフォームに合わせて改修工事を実施する方法もあります。

実は改修工事とリフォームを別に行うより、合わせて行う方が工事費用は安く済むもの。

同時に行うのがオススメです。

所得税や固定資産税の特別減税がある

耐震改修工事を実施すると、所得税や固定資産税が減税されます。

【所得税について】
改修工事にかかった費用の10%相当額(上限25万円)が所得税から控除。
期間は平成33年12月31日までとなっています。
控除の適用を受けるためには、自治体から「耐震改修証明書」を発行してもらう必要があります。
適用条件は以下の通り。

  • 昭和56年6月以前に建築された建物(旧耐震基準の建物)
  • 「木造住宅の耐震診断と補強方法」による診断で、診断結果「1.0以下」の建物を「1.0以上」に改善した工事である
  • 確定申告を行う
【固定資産税について】
固定資産税については、1戸当たり120平方メートル相当分まで半額に。
平成32年3月31日までの改修で、1年度分が減税されます。
なお、建築士事務所登録のある事業所で証明書を発行してもらう必要があります。
適用条件は以下の通り。

  • 昭和57年1月1日以前に建築された建物
  • 改修後の床面積が50平方メートル以上280平方メートル以下
  • 「木造住宅の耐震診断と補強方法」による診断で、診断結果「1.0以上」に改善した工事である
  • 耐震改修工事が完了した日から3ヶ月以内に自治体の税務課等へ申告する
  • 耐震改修工事費用が50万円以上であること

いずれ売る予定なら今の売却価格を確認してみては

熊本地震をきっかけに2000年基準が重視され、2000年基準を満たさない家を売るのが難しくなりつつあります。

たとえ売れても耐震診断や耐震改修が必要となり、助成金や補助金、減税など制度があるとはいえ、費用を負担することに。

家を売る予定があるなら急いだ方が良いでしょう。

「まだ時期は決めていないけれど、いずれ売ろうかな」と考えているのであれば、今の売却価格を確認してみてはどうでしょうか。

今の家がいくらで売れるのかが分かれば、今後の見通しも立てやすくなります。

家の価格を知るなら一括査定サイトが手軽で便利です。

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。

一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。

この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue

    すまいバリュー
    実績5.0
    不動産会社4.5
    運営会社5.0
    査定実績:
    18万件(開始後2年合計)
    不動産会社数:
    大手6社・全国840店舗
    運営会社:
    大手6社共同運営

    大手6社(三井不動産リアルティ・住友不動産販売・東急リバブル・野村不動産アーバンネット・三菱地所ハウスネット・小田急不動産)が共同で2016年10月に立ち上げた一括査定サイト。
    6社といっても全国840店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。
    売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。
    首都圏以外のほとんどの地方都市でも、三井・住友・東急の3社が売却実績のトップ3を独占しています。
    2019年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして、「すまいValue」が新定番となっています。

    管理人のコメント

    地方では大手より地域密着の中小不動産会社の方が強い場合もあるため、地方の郊外から外れたエリアではLIFULL HOME'S又はHOME4Uも確認してみたほうが良いでしょう。
    しかし都市部の方は「すまいバリュー」が現状では最強の一括査定サイトです。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。優秀な営業マンも数多く抱えています。
    机上査定と訪問査定が選べる点もおすすめ。

  2. 【公式サイト】すまいValue

  3. LIFULL HOME'S

    LIFULL HOMESイメージ
    実績4.5
    不動産会社4.5
    運営会社5.0
    査定実績:
    非公開(サイト利用者476万人)
    不動産会社数:
    1,777社
    運営会社:
    株式会社LIFULL

    運営は、HOME'SのテレビCMでおなじみの東証1部上場 株式会社LIFULL。2008年にマンション専用でサービスを開始。2011年から戸建ても含めて売却査定ができる仕様に。参加会社数が多く、特に地元密着系の中小不動産会社が多数登録しています。

    管理人のコメント

    不動産会社を選ぶ際に、各社の特徴(買取保障、瑕疵保証制度あり、半数以上がベテランなど)がアイコンで表示されるので、選びやすいシステムです。
    訪問査定ではなく机上査定を希望する場合は、不動産会社へのメッセージ欄で伝えると良いでしょう。
    選ぶ会社の数は3社〜6社がオススメです。

  4. 【公式サイト】LIFULL HOME'S

  5. HOME4U

    HOME4Uイメージw330
    実績5.0
    不動産会社4.0
    運営会社5.0
    査定実績:
    累計35万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    1,300社
    運営会社:
    株式会社NTTデータ・スマートソーシング

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始依頼、査定累計数35万件と実績も豊富。運営は東証1部上場の株式会社NTTデータのグループ会社。
    不動産会社は大小バランスよく登録されているため幅広く依頼ができます。

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多いため、自然と査定精度が高くなる仕組みになっています。
    ちなみに記入した内容はまた不動産会社と話をするときに修正できます。
    あまり真剣に悩まず、とりあえず現時点の希望を書いておく程度で大丈夫。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U


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