家を売却する際に必要な書類のひとつに「検査済証」があります。

しかし、検査済証がない建物は意外に多いもの。

そもそも検査済証とはどういった書類で、なぜ必要なのでしょうか。

検査済証がない建物でも売れるのか、そして解決する方法について分かりやすくまとめました。

「売却を考えているけど、難しい話は読みたくない…」「手間をかけずにお任せしたい」という方は、この記事にザッと目を通して、まず優秀で信頼できる不動産会社を見つけましょう。
都市部なら、大手トップ3社(三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル)に無料査定を依頼して、話を聴き比べるのが定番。一括査定サイト「すまいValue」を使うと、まとめて査定を依頼できます。
地方では大手3社の営業エリア外になるため、NTTグループの一括査定サイトHOME4U、リクルートのSUUMO売却などで地域の実績ある不動産会社3〜6社に無料査定を依頼しましょう。
信頼できる不動産会社が見つかれば、後は相談しながら安心して売却を進められます。




検査済証が無くても売れるが、売りにくい恐れも

結論から言うと、検査済証がなくても建物の売却は可能ですが、普通より売りにくくなる恐れがあります。

なぜなら検査済証がないと買主が住宅ローンを借りにくいケースがあるため。

買主がローンを借りにくい

ハウスハウス

どうして住宅ローンを借りにくいの?


家博士家博士

検査済証が無い建物の中には、違法建築の建物があるからだよ。

検査済証がないと違法建築の恐れがある

検査済証が無い建物は、違法建築の恐れがあります。

検査済証は、建築工事の完了時点で検査を受けた証拠になるもの。

つまり検査済証がないと、完成した建物が違法だった恐れがあるのです。

ただし昔は完了検査の検査率が低かったため、検査済証がなくても違法でない建物も多くあります。

違法建築はローンを借りにくい

違法建築の建物では買主が住宅ローンを借りにくくなります。

なぜなら金融機関は、企業の信用や社会的責任から、違法建築への融資を避けたいから。

金融機関は違法建築でなくても、違法建築の恐れがある『検査済証が無い建物』というだけで、融資に慎重になります。

家博士家博士

国土交通省からも、検査済証のない住宅へ融資しないように金融機関へ要請しているんだ。

国土交通省からも融資しないように要請があった

2003年(平成15年)に国土交通省から金融機関へ、検査済証の無い新築住宅への融資を控えるように要請がありました。

【参考】国土交通省・新築の建築物向け融資における検査済証の活用等による建築基準関係規定遵守について・平成15年2月24日

この時は新築のみでしたが、今は中古住宅も融資が難しくなっています。

調査結果によると、すでに2014年(平成26年)時点で、約75%の金融機関が中古住宅でも検査済証をチェック。

現在はさらに多くの金融機関が、中古住宅でも検査済証をチェックしています。
【参考】国土交通省・H26年度民間企業における検査済証等の活用状況に関する調査

ハウスハウス

それじゃあ検査済証が無いと家を売れないの?


家博士家博士

紛失しただけなら大丈夫だよ。

検査済証を紛失しただけなら大丈夫

問題ないイメージ
検査済証がなくても、単に紛失しただけなら問題ありません。

市区町村役所の建築指導課で「台帳記載事項証明書」を確認すると、検査済証の交付記録が分かります。

多くの場合は、この「台帳記載事項証明書」によって、検査済証の代わりとなります。

【参考】東京都・台帳記載事項証明書の発行

ハウスハウス

台帳記載事項証明書が無かったらどうなるの?


家博士家博士

完了検査を受けていないことになる。
でも大丈夫。
検査済証がなくても、ローンが借りられる場合もあるんだ。

検査済証無しでもローン可能な3条件

検査済証がない建物でも、ローン可能な場合もあります。

具体的には次の3つの条件次第。

それぞれ解説します。

条件1. 違法建築でない・違法がわずか

違法の程度によって住宅ローンへの影響は違う

検査済証がなくても、違法建築でない建物であればローン可能な金融機関も多くあります。

また違法建築でも、違反のレベルが低いほどローンへの影響は低くなる傾向。

具体的には、容積率や建ぺい率がプラス10%程度までなら、超えても問題ない金融機関は多くあります。

しかし再建築不可最小面積違反になると、転売が難しいこともあり、融資は厳しくなります。

建築計画概要書で違法建築か分かる

完了検査を受けていない場合は、建築指導課に保管されている「建築計画概要書」で、建築確認申請の内容が現況と同じか確認できます。

【参考】東京都・建築計画概要書の閲覧制度

今の建物と同じ内容で建築計画が提出されていれば、違法建築ではありません。

これで違法建築だとが分かった場合、住宅ローンが借りられるかは、違法の程度と金融機関によって判断が分かれます。

条件2. 建築が取得率の低い時期・エリア

建物の建築された時期・エリアによっては、検査済証の取得率が低く、ローンに影響しにくくなります。

約20年前は取得率4割未満だった

今でこそ約9割の建物で検査済証が取得されていますが、約20年前(1998年・平成10年)の検査済証の取得率はわずか38%。

築年数が20年を超えると、半分以上の建物で検査済証が交付されていないため、影響は少なくなります。

検査済証の交付率推移

ハウスハウス

20年前は4割未満なんて!


家博士家博士

それより前になると、取得率は5〜20%なんてことも。
ほとんどの建物で検査済証が交付されていなかったりするんだ

特に関西は取得率が低い傾向

また築年数だけでなく、エリアによっても取得率は変わります。

特に関西エリアでは、検査済証がない物件が多いといわれています。

ハウスハウス

違法の具合や築年数、エリアでも影響が違うんだ。


家博士家博士

さらに金融機関によって判断が違うよ。

条件3. 融資に柔軟な金融機関

検査済証のない建物への融資は、金融機関によって判断が大きく違います。

基本的に大手ほど厳しく、中小ほど柔軟な傾向。

都市銀行は厳格で、地方銀行やネットバンクは判断が分かれます。

またノンバンクといわれる金利の高い金融機関は、融資基準が最も柔軟です。

ハウスハウス

でも金融機関なんて数多くあるけど、どこに聞けば良いの?


家博士家博士

結局、不動産会社の意見を聞くのが一番早いし確実だよ。
不動産会社は金融機関と提携しているからね。

まず実績が豊富な不動産会社に相談する

不動産会社に相談イメージ
検査済証がないけれど、家を売却したいなら、まずは不動産会社に相談してみましょう。

不動産会社は売れる方法を順番に検討する

不動産会社は、次の手順で検査済証がなくても売却できる方法を検討します。

  1. 建物の遵法性をチェック
  2. ローン可の金融機関を探す
  3. (全てローン不可なら)その他の解決策(解体・減築・リフォーム・再取得等)の検討
  4. (いずれも厳しいなら)買取業者の手配

不動産会社は金融機関に詳しい

不動産会社は金融機関に詳しいので、検査済証のない建物の融資についても精通しています。

売買実績が豊富な不動産会社なら、買主のローン審査が通る金融機関を紹介してくれるため、早期の売却も可能。

もちろん違法の程度によってはローンが使えない場合もありますが、その場合の対処法も知っています。

安値で買取る不動産会社に要注意

不動産会社の中には、ごく一部ですが悪質な会社があるので注意しましょう。

一般的に買取の価格は、普通に仲介で売る価格より2割以上安くなります。

しかし悪質な不動産会社は売主の不安に付け込み、相場の半値など極端に安い価格で買取を提案する恐れが。

不動産会社を選ぶときは、信頼できる不動産会社を選びましょう。

ハウスハウス

信頼できる不動産会社はどうやって探せばいいの?


家博士家博士

まず実績が豊富な不動産会社を選ぶこと。あと3〜6社に話を聞けば安心だよ。

実績が豊富な3〜6社に相談すると安心

信頼できる不動産会社を探すためには、次の2つが大切です。

  • エリアで売却実績が豊富な不動産会社を選ぶ。
  • 1社だけでなく複数(3〜6社)の話を聴き比べる

売買実績が豊富な不動産会社であれば、検査済証のない建物の売買にも慣れているので、良いアドバイスがもらえます。

ただし担当者の当たり外れや相性もあるので、最低3社以上、できれば6社程度の不動産会社に話を聞くと安心。

電話でも良いので話を聴き比べると、どの担当者が信頼できそうか自然と分かります。

ハウスハウス

実績豊富な不動産会社は、どうやって探せば良いの?

家博士家博士

不動産会社の心当たりが無ければ、一括査定サイトが便利だよ。

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue
    おすすめ1位
    すまいValueバリュー
    査定実績:
    77万件(2016年開始)
    不動産会社数:
    大手6社(全国875店舗)
    運営会社:
    大手6社共同運営
    三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所ハウスネット
    実績 5.0
    不動産会社 4.5
    運営会社 5.0

    大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国875店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
    2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
    簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
    さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

    管理人のコメント

    地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

  2. 【公式サイト】すまいValue


  3. SRE不動産
    おすすめ2位
    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス(東証PRM)
    実績 4.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 5.0

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
    あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
    さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

    管理人のコメント

    エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

  4. 【公式サイト】SRE不動産


  5. HOME4U
    おすすめ3位
    HOME4Uホームフォーユー
    査定実績:
    累計50万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    2,100社
    運営会社:
    NTTデータ・スマートソーシング
    実績 5.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 4.0

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
    不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
    さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
    ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
    あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

各エリアで最適な組み合わせ



エリア別のオススメ一括査定サイト

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。

  • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。

  • 地方(人口密度が少ない地域)

    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。

そもそも検査済証とは

建築基準法の検査が完了した証明

建築確認の手順と検査済証のイメージ
検査済証とは、建築基準法で定められている3つの検査がすべて完了した証明。

そのため、検査済証があれば、建物が法律の基準に適合している『適法建築物』だと分かります。

建築基準法で定められている検査は3つあり『建築確認、中間検査、完了検査』の3つです。

(1)建築確認

これから建てようとする建築物が建築基準法などの法令を守っているかどうか、計画段階で確認するもの。

設計図書などを元に検査を行います。

建築確認の「確認済証」が交付されて初めて、工事に着工できます。

(2)中間検査

中間検査はその名の通り、工事の途中で実施される検査。

あらかじめ指定された工程が終わった段階で検査が実施されます。

一般的な2階建ての木造住宅の場合、中間検査は1回実施。

「中間検査合格証」が交付されなければ、後半の工程に進むことはできません。

(3)完了検査

3つ目は工事が完了した時点で実施される完了検査。

建物が設計図書通りに建てられているかどうかをチェック。

特に問題なければ、ここで「検査済証」が交付されます。

ハウスハウス

検査済証があるということは、3つの検査に合格した適法建築物ってことなんだね

違法建築物の例

住宅イメージ
検査済証がない家は、違法建築物の恐れがあります。

違法建築物とは、建築確認申請の後、申請と違う建物を建てているもの。

具体的には、次の事例があります。

違法建築の事例

建ぺい率超過
建物が土地面積の何割を使えるかの割合を超えている。
容積率超過
その土地に建設できる建物の延べ床面積が超えている。
よくあるパターンは、建築確認では駐車場としていた1階を、部屋に変更しているケース。
容積率超過になっているため、1階を駐車場に戻す必要があります。
最低敷地面積違反
自治体が建築物の敷地面積に最低限度を定める条例を設ける場合があります。多くは80〜120m2のいずれかです。
各斜線制限の違反
隣接地などへの日照制限の高さを超えている。
用途制限違反
本来建ててはいけない用途の建物を建てている。
接道義務違反
道路の間口が2m以下、または道路からの通路が幅2m未満など、建物の建築ができない土地に建てている。
無確認建築
そもそも建築確認を出していない。

いずれも建築基準法に定められている内容で、一つでも適合していないと違法建築物です。

検査済証ありでも増築や改築で違法の場合も

検査済証があっても、完了後に増築や改築を無許可でおこなうと違法建築になる場合があります。

ケースとしては少ないですが、1階の駐車場を部屋にしたり、耐火性能の弱いウッドデッキを設置するなどで違法になっている場合も。

不安な場合は、不動産会社に査定を依頼するときに相談すると良いでしょう。

違法性も検査済証の有無も買主へ説明する

建物の違法性や検査済証の有無は、買主へ必ず説明します。

平成30年の宅建業法改正により、既存の建物を売却するときは、確認済証並びに検査済証の保存の状態を説明することが義務つけられています。
宅地建物取引業法第35条

大規模リフォーム、リノベーションができない恐れも

違法建築物だと建築確認申請に通らない

検査済証が無いと、大規模なリフォームやリノベーションができない恐れがあります。

なぜなら大規模なリフォームには着工前に建築確認申請が必要だから。

違法建築は、現行法に適合する建物にしないと建築確認申請で許可されせん。

【参考】小規模建築物の増改築における建築確認申請の手引き

適法建築物は建築確認申請に通る方法あり

適法建築は、検査済証がなくても大規模リフォームやリノベーションが可能。

後述の「リフォームで使われる2つの方法」で解説しますが、12条5号報告書や新ガイドラインを添付すれば建築確認申請で許可されます。

ハウスハウス

検査済証って、かなり大事な書類なんだね…

家博士家博士

建てた当初はあまり困らないけど、増改築やリフォーム、売却など後々に困るんだ。
でも、検査済証がないからといって売却を諦める必要ないよ。

検査済証がない建物を売る4つの解決策

解決策イメージ

解決策1. 不動産会社に相談する

検査済証が無い建物を売るための解決策として、まず不動産会社に相談すること。

不動産会社は検査済証なしで売る方法を知っている

先述の「まず実績が豊富な不動産会社に相談する」でも解説しましたが、不動産会社は検査済証なしで売る方法を知っています。

具体的には次の手順で売却方法を検討します。

  1. 建物の遵法性をチェック
  2. ローン可の金融機関を探す
  3. (全てローン不可なら)その他の解決策(解体・減築・リフォーム・再取得等)の検討
  4. (いずれも厳しいなら)買取業者の手配

多くの建物は、検査済証がなくてもローン可能な金融機関が見つかるため、買主のローン紹介とセットで売り出せます。

売買実績が豊富な3社〜6社に相談する

エリアで売買実績が豊富な不動産会社3社〜6社に無料査定を依頼して、話を聴き比べましょう。

売買実績が豊富な不動産会社は、検査済証がない建物の売買も数多く手掛けており、検査済証なしでローン可能な金融機関と提携しています。

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると簡単です。

解決策2. 不動産会社の買取

明らかな違法建築でどこの金融機関でもローンが使えない場合は、不動産会社の買取という選択肢もあります。

ただし売却価格は相場より2割以上安くなってしまうので要注意。

買取イメージ
不動産会社は買取った後、相場価格で転売するため、相場より2割以上安くないと買取りません。

価格と手間を考えて、納得できるなら買取もありでしょう。

もし買取を選ぶなら、自社で買取る不動産会社を選ぶと、仲介手数料がかかりません。

不動産会社は10社、20社となるべく多くに査定を依頼しましょう。

解決策3. 建物の減築・改築・解体

検査済証がなく、建物が違法建築の場合、建物を減築・改築・解体する選択肢もあります。

ただし工事費用がかかるため、売却でそこまでする必要があるかは、売却価格によって判断が難しいところ。

工事をする前に複数の不動産会社に相談して、意見を聴き比べる方が良いでしょう。

解体すると売れなくなる恐れも

建物を解体すると売れなくなる土地もあります。

具体的には、再建築不可や古い擁壁のある土地。

建物を解体すると、新しい建物が建てられくなるため、解体前に不動産会社に相談した方が良いでしょう。

解決策4. 検査済証の再発行

再発行・再取得はできないが例外も

正確には、検査済証の再発行・再取得はできません。

しかしまれに自治体によっては、再発行に対応してくれる場合もあります。

かなり確率は低いですが、不動産会社に聞いてみると良いでしょう。

リフォームで使われる2つの方法

主にリフォーム工事の確認申請で検査済証の代わりに使われる方法が2つあります。

ただしいずれも売却で検査済証の代わりにはなりません。

無いよりは有ったほうが有利ですが、費用と手間がかかるため、まず不動産会社に相談することをおすすめします。

方法1. 12条5項報告書

12条5項報告書とは、リフォームの建築確認申請で、既存建築物の検査済証が無い場合に利用されるもの。

建築基準法12条5項に基づいた内容なので、この名前で呼ばれています。

特定行政庁、建築主事又は建築監視員は、次に掲げる者に対して、建築物の敷地、構造、建築設備もしくは用途又は建築物に関する工事の計画もしくは施工の状況に関する報告を求めることができる。

必要書類や詳細は各行政庁によって異なります。

リフォームする場合は、リフォーム会社や工務店が申請してくれます。

方法2. 国土交通省のガイドライン

新たに検査済証がない場合の救済策として、国土交通省が2014年にガイドラインを策定しました。

【参考】検査済証のない建築物に係る指定確認検査機関を活用した建築基準法適合調査のためのガイドライン

事前に登録された民間の指定確認検査機関に依頼すると、調査を実施して証明書を発行。
これが違法建築でない証明になります。

指定確認検査機関は、建築当時の確認済証や設計図書で図上調査を実施し、なければ「復元図書」を作成。
現地調査と合わせて報告書を作成します。

ただし復元図書の作成にはかなりの時間と費用が必要。

また違法建築物だと、適法建築物に戻す改修が必要になります。

既存不適格は緩和措置もある

調査の結果、違法建築物ではなく既存不適格建築物であれば、一定の緩和措置もあります。

既存不適格とは、建築当時は適法だったものの、その後の法改正により適合しなくなってしまった建築物のこと。

ただし報告書の内容をふまえて不適合箇所は法令に適合するよう改修に努め、行政に相談する必要があります。

まとめ

ここまで検査済証や、検査済証がない場合の対策について解説してきました。

検査済証はとても重要な書類ですが、売却での必要性は築年数やエリアによって違います。

また検査済証が無くても、代替書類で対応できる場合もあります。

もし売却を考えている場合は、早めに不動産会社へ相談した方が良いでしょう。

売買実績が豊富な不動産会社なら、検査済証が無い建物の解決策を知っています。

ただし「検査済証が無いなら、うちで買い取ります」という不動産会社は要注意。

相場の半額などで買い取って、転売利益で稼ごうとしている恐れがあります。

こういった悪質な不動産会社にダマされないために、信頼できる不動産会社を選びましょう。

不動産会社3〜6社程度に無料査定を依頼して、話を聴き比べることで、信頼できる不動産会社が分かります。

もし不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利です。

あなたの家の売却が成功することを、心よりお祈りしております!

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue
    おすすめ1位
    すまいValueバリュー
    査定実績:
    77万件(2016年開始)
    不動産会社数:
    大手6社(全国875店舗)
    運営会社:
    大手6社共同運営
    三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所ハウスネット
    実績 5.0
    不動産会社 4.5
    運営会社 5.0

    大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国875店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
    2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
    簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
    さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

    管理人のコメント

    地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

  2. 【公式サイト】すまいValue


  3. SRE不動産
    おすすめ2位
    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス(東証PRM)
    実績 4.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 5.0

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
    あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
    さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

    管理人のコメント

    エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

  4. 【公式サイト】SRE不動産


  5. HOME4U
    おすすめ3位
    HOME4Uホームフォーユー
    査定実績:
    累計50万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    2,100社
    運営会社:
    NTTデータ・スマートソーシング
    実績 5.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 4.0

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
    不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
    さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
    ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
    あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

各エリアで最適な組み合わせ



エリア別のオススメ一括査定サイト

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。

  • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。

  • 地方(人口密度が少ない地域)

    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。