家を売るイメージ
「家を売りたいけど、どうやって売ればいいの?」

家の売り方についてお悩みですね。

確かに、初めてだと家の売り方がよく分からないもの。

実は家の売り方には、12通りの方法があり、事情によって最適な売り方が違います。

この記事では、家の売り方12選、それぞれのメリット・注意点、成功のコツをまとめました。

この記事を読むことで、あなたに最適な売り方が選べ、売却成功のコツも分かるでしょう。

あなたの家の売却が成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。

家を売る12の売り方

家の売り方には、ざっくり分けて次の12の売り方があります。

家の売り方

ハウスハウス

なんかいっぱいあって、読む気しないよ!


家博士家博士

まぁ普通は最初の5つ、基本の売り方だけ知ってれば大丈夫だよ。

基本の5つの売り方

普通に家を売るなら、基本の5つの売り方を知っておきましょう。

それぞれ簡単に特徴を解説します。

基本の5つの売り方
1.即時買取
不動産会社が直接買取る。最短1週間程度で売却できるが価格は相場の6割〜8割に安くなる。とにかく時間がない人、価格より時間を優先した人に向いている。
2.買取保証(売却保証)
一定の期間(3ヶ月〜1年)だけ相場価格で売り出し、売れなければ不動産会社が査定価格の9割などで買取る。3ヶ月程度なら時間をかけられる人、買い替えで時期を優先したい人、急ぐがなるべく高く売りたい人に向いている。

3.仲介で1社に依頼←普通はコレ
不動産会社1社と契約を結び、サポートを受けながら売却する方法。初めて家を売却する人から、特殊な事情でサポートが必要な人まで、幅広い人に向いている。
4.仲介で複数に依頼
複数の不動産会社と契約を結び、売却する方法。サポートが期待できないため、売却経験がある人、自分で工夫して売りたい人に向いている。
5.仲介でエージェント制度に依頼
エージェント制は売主だけ担当し、買主は別の不動産会社が探すため、両手仲介がない。

それぞれ詳しく解説します。

売り方1. 即時買取

即時買取は、不動産会社が家を直接買い取る方法。
買取イメージ

即時買取のメリットと注意点

●即時買取のメリット

  • 最短1週間など早く確実に売れる
  • 引き渡しのスケジュールが自由に調整できる
  • 売主の契約不適合責任や買主のローン審査落ちなどの心配がない
  • 内覧は買取業者だけなので、手間がかからない
  • 買取価格がすぐ決まるので、買い替えなど資金計画が立てやすい
  • 一般に広告しないため、ご近所に内緒で売れる
●即時買取のデメリット・注意点

  • 買取価格が相場の6割〜8割に安くなる。
  • 田舎や不人気エリアなど転売が難しい物件は断られる。
  • 買取する業者によって買取価格や入金までのスケジュールが大きく違う。

最短1週間で売れるが、価格は相場の6割〜8割に安くなる

即時買取は、最短1週間で売れますが、買取価格が相場の6割〜8割に安くなってしまいます。

なぜなら不動産会社は買い取った家を相場価格で転売し、差額を利益にするため。

手間やリスクを考えると、相場より2割以上安くないと買取るメリットが無いのです。

買取イメージ

ハウスハウス

家が早く売れるのは良いけど、安くなるのはイヤだなぁ。
買取で高く売れないの?


家博士家博士

買取で高く売る方法はあるけど、相場より高くはならないね。

即時買取で成功する方法

即時買取で少しでも高く売るポイントは次の2つ。

即時買取で高く売るポイント1. 自社買取を探す

即時買取には、自社で買い取る場合と提携会社が買い取る場合の2つがあり、自社で買取る場合は仲介手数料がかかりません。

自社買取と提携業者買取の違い

仲介手数料は「売買価格×3%+6万円+消費税」とそれなりの価格。
(※売買価格400万円以上の場合)

売買価格2千万円なら、仲介手数料は72.6万円にもなります。

即時買取で高く売るポイント2. とにかく多くに無料査定を依頼する

即時買取では、10社、20社となるべく多くに無料査定を依頼しましょう。

多くの不動産会社に査定を依頼すれば、中には相場に近い高値で買取る会社が見つかるかもしれません。

不動産会社の一部には、決算など特別な社内事情や、単純な査定のミスで、買取価格を高く提示する会社があります。

ハウスハウス

自社買取の不動産会社を中心に、なるべく多くあたるってことだね。


家博士家博士

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを複数併用すると良いよ。


主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。

比較するために仲介で普通に売却する価格も査定してもらう

買取価格の査定を依頼する場合は、比較するために仲介で普通に売る価格も査定してもらいましょう。

仲介との価格差が納得できるものであれば、即時買取を選べばよいでしょう。

買取については、こちらの記事で詳しく解説しています。

売り方2. 買取保証(売却保証)

買取保証は、期間限定で家を売り出して、売れなければ不動産会社が買い取るもの。

買取保証イメージ

買取保証のメリット・デメリット

●買取保証のメリット

  • 売却の期限を確定できる
  • 仲介期間は相場通りの価格で売り出せる
  • 不動産会社を選ぶ基準が分かりやすい
●買取保証のデメリット

  • 利用には条件があり、普通に売れる人気物件しか使えない
  • 仲介の売り出し価格は段階的に値下げされ、最後は相場の1割引きなどに安くなる
  • 買取価格は査定価格の最大90%など相場より安い
  • 短期間で売るため、仲介でじっくり売るよりは安くなる恐れがある
  • 大手が相次いて中止し、一部の不動産会社しか扱っていない
人気物件しか使えず、段階的に強制値下げされる

ただし買取保証は、3ヶ月以内に売れる人気物件しか使えません。

また売出し価格は段階的に強制値下げされ、最後は相場より安く売り出すことに。

人気物件が相場より1割安くなれば即完売するので、そもそも必要なサービスなのか疑問の声もあります。

買取になった事例は10年間でゼロ、大手は相次いで中止

実際に例えば野村の仲介+では、買取保証(買換保証)で売り出して買取した例は、過去10年間でゼロ。(2022年10月現在)

また大手の三井のリハウス住友不動産販売は買取保証を中止しています。

買取保証について、詳しくはこちらで解説しています。

まだ使えるのは一部の大手のみ

買取保証をまだ扱っている不動産会社は少なく、一部の大手不動産会社しかありません。

買取保証がある大手は、東急リバブル野村の仲介+など。

また小田急沿線であれば、小田急不動産、東京都心ではSRE不動産(旧ソニー不動産)もあります。

買取保証のある大手に無料査定を依頼するなら

買取保証のある大手にまとめて無料査定を依頼するなら、すまいValueが便利。

すまいValueは大手6社で共同運営する一括査定サイトで、買取保証の大手3社にまとめて査定を依頼できるのはすまいValueしかありません。

すまいValue

すまいValueの公式サイトはこちら
すまいValue

SRE不動産は、個別に無料査定を依頼すればよいでしょう。

SRE不動産(旧ソニー不動産)の公式サイトはこちら
SRE不動産

ハウスハウス

買取保証は保険のようなものだね。


家博士家博士

どうしても売れ残りが心配なら、安心材料になるね。
でも普通は仲介で売ることが多いよ。

売り方3. 仲介で1社に依頼

不動産会社1社に仲介を依頼し家を売る方法。

不動産売買の媒介契約イメージ

最も一般的で6割以上がこの売り方

仲介で1社に依頼するのは最も一般的で、家を売却する6割以上がこの方法を利用しています。(※2022年不動産流通推進センターによる)

不動産会社の手厚いサポートが受けられるため、次の様な人に向いています。

  • 家を初めて売る人
  • 相続や離婚など特殊な事情で売却する人
  • 家の買い替え

媒介契約は、専任媒介または専属専任媒介

仲介で1社に依頼する場合、不動産会社との契約(媒介契約)は「専任」または「専属専任」にします。

不動産会社との媒介契約は3種類あり、残る「一般」は同時に複数と契約できるもので、次の売り方4で解説します。

媒介契約の種類について、詳しくはこちらで解説しています。

仲介で1社に依頼するメリット・デメリット

●仲介で1社に依頼するメリット

  • 不動産会社や売り方の選択肢が豊富。
  • 手厚いサポートや積極的な売却活動が期待できる。
  • ほぼ相場価格で売れ、試しに高値で売り出すことも可能。
  • 売り方を工夫すれば、相場より高値で売れる可能性もある
  • 不動産会社によっては保証やオプションが無料で利用できる
●仲介で1社に依頼するデメリット

  • 契約した不動産会社に、売却の成否が大きく左右される
  • 売れ残るリスクがある
  • 査定価格はあくまで予想価格なので、不動産会社を選ぶ基準が分かりにくい
  • 両手仲介を狙った囲い込みの恐れがある

仲介で1社に依頼して売却を成功するコツ

仲介で1社に依頼して売却する場合、不動産会社選びで8割が決まります。

なぜなら実際に売却活動は、ほとんど不道産会社にお任せになるため。

優秀で信頼できる不動産会社さえ選んだら、あなたの家を売る最適な方法を教えてくれます。

ハウスハウス

不動産会社選びって大事なんだね。


家博士家博士

優秀な不動産会社はノウハウもあるし、家を探している客を多く抱えているからね。

実績豊富な不動産会社3〜6社に査定依頼し、話を聴き比べる

優秀で信頼できる不動産会社を選ぶ手順は、

  1. エリアで家売却実績が豊富な不動産会社に絞る
  2. その中から3〜6社に無料査定を依頼して、査定価格と話を聴き比べる

不動産会社を選ぶときは、査定価格だけで選ばず、『信頼できそうか』で選びましょう。

仲介の査定価格は、あくまで3ヶ月で売れるであろう予想価格。
その価格で売れると不動産会社が保証する価格ではありません。

一部の悪質な不動産会社は、媒介契約をとるために相場より明らかに高く査定する場合もあります。

複数の不動産会社の話を聴き比べると、信頼できるか自然と分かるでしょう。

ハウスハウス

家売却の実績が豊富な不動産会社はどうやって探すの?


家博士家博士

不動産会社に心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利だよ。


不動産会社を選ぶポイントはこちらで解説しています。

売り方4. 仲介で複数に依頼

一般媒介契約で複数の不動産会社に売却を依頼する売り方。

不動産会社のサポートが期待できないため、売却経験者や自分で工夫したい人に向いています。

仲介で複数に依頼するメリット・デメリット

この方法は、メリットだけでなくデメリットがあります。

●仲介で複数に依頼するメリット

  • 自社の顧客に優先的に紹介してもらえる。
  • 情報が拡散しやすい。
  • 囲い込みの心配がない。
●仲介で複数に依頼するデメリット

  • 他社に先を越されると仲介手数料が0円なので、不動産会社のモチベーションが下がりやすい。
  • 各社との連絡に手間がかかり、売主が積極的に不動産会社を動かす必要がある。
  • 不動産会社のサポートが期待できず、「初めての売却」や「売りにくい物件」は不向き。
  • 抱える顧客が少ない中小不動産会社ではメリットが少ない。
  • 広告が過剰になりがちで、売れ残った場合に売れ残りイメージが強くなる。
  • レインズの登録など契約前に条件を決める必要がある。
  • 明示型では他社との契約を、不動産会社に報告する義務がある

詳しくはこちらの別記事で解説しています。


ハウスハウス

なるべく多くに売却を依頼するほど早く売れるのかと思ったけど、そんなに単純な話ではないんだね。


家博士家博士

不動産会社は手数料が取れないリスクがあるから、積極的に動きづらいんだ。

人気物件を相場価格で売り出す場合に向いている

一般媒介契約で複数の不動産会社と契約する方法は、人気物件を相場価格で売り出す場合に向いています。

なぜなら売りにくい不人気物件では、不動産会社が「どうせ売れない」とネットに広告だけ掲載し、あとは放置されてしまうため。

また人気物件でも、明らかに相場より高値で売り出すと、同じく売れない物件として相手にしてもらえません。

家博士家博士

不動産会社が売れると判断した物件は、自社の購入希望者に優先して紹介してもらえるよ。

ポイントは大手2社〜3社と契約すること

一般媒介契約で複数と契約するときのポイントは、不動産会社を無駄に増やすのでなく、大手不動産会社2〜3社に絞ること。

なぜなら大手不動産会社は、多くの購入希望者を抱えているため。

売主と買主を自社で担当すれば仲介手数料が2倍になる「両手仲介」ができるため、自社の顧客へ必死に営業してくれます。

ただしあまり数を増やすと、不動産会社に不信感を与えるので2〜3社が良いでしょう。

ハウスハウス

2〜3社だと、どうやって不動産会社を選んだら良いの?


家博士家博士

エリアで売買実績が豊富な不動産会社を中心に選ぼう。
都市部なら大手トップ4社が強いね。

都市部は大手トップ3社(首都圏は4社)を中心に選ぶ

都市部では、大手トップ3社(三井のリハウス、住友不動産販売、東急リバブル)、首都圏は野村の仲介を加えて4社を中心に選ぶと良いでしょう。

売買仲介件数ランキング上位34社
(2022年3月)

不動産会社の売買仲介件数ランキング2023年3月

ハウスハウス

大手でもこんなに差があるんだ!


「三井のリハウス」「住友不動産販売」「東急リバブル」の3社は、仲介件数が2万件を超えており圧倒的。
数多くの顧客を抱えています。

首都圏では、実績の大部分が首都圏の「野村の仲介」も含めてトップ4社で考えると良いでしょう。

無料査定を依頼するなら「すまいValue」が便利

すまいValueは、トップ4社を含む大手6社が共同運営する一括査定サイト。

大手4社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したので、大手4社に査定を依頼できるのはすまいValueしかありません。

すまいValueの公式サイトはこちら
すまいValue

売り方5. 仲介でエージェント制に依頼

売主だけを担当するエージェント制の不動産会社に依頼する売り方。

両手仲介が無いので、囲い込みの心配がなく他社が積極的に買主を探してくれます。

ハウスハウス

両手仲介? 囲い込み? どういうこと?


家博士家博士

順番に説明しよう。

両手仲介と片手仲介

両手仲介とは、売主と買主を同じ不動産会社が担当すること。

どちらか片方を担当する「片手仲介」に比べて、不動産会社は2倍の仲介手数料をもらえるメリットがあります。

両手と片手の違い

両手仲介のデメリットは売主の味方だけでないこと

両手仲介のデメリットは、不動産会社が売主と買主の双方を担当するため、売主だけの味方でなく、売買の成立を優先しがちなこと。

例えば売主が高く売りたくても、不動産会社は売買を成立させるため、価格交渉で売主に値下げを説得する恐れがあります。

自然な両手はよくあるが、「囲い込み」は悪質

自然に両手仲介になるのはよくあることで、特に顧客を多く抱える大手では半数以上が両手仲介です。

しかし両手仲介を狙っての「囲い込み」は、売主への裏切り行為で悪質。

囲い込みとは
他社の見つけた買主を、売主に内緒で不動産会社が勝手に断る行為。不動産会社が両手仲介するために行う。最近はかなり減っているが、一部の悪質な不動産会社(担当者)では今もある。


ハウスハウス

両手仲介は自然であればよくあるけど、両手を狙った囲い込みは悪質なんだね。


家博士家博士

エージェント制は両手仲介が無いから安心なんだ。

エージェント制なら売主だけを担当

エージェント制は売主だけを担当するため、完全にあなたの代理人として売却活動をします。

両手仲介がないので、囲い込みの心配もありません。

ハウスハウス

エージェント制度ってあまり聞いたことないけど、どの不動産会社でも利用できるの?

家博士家博士

エージェント制度はアメリカでは一般的だけど、日本ではまだ少ない。
大手ではSRE不動産(旧ソニー不動産)だけだよ。

エージェント制に依頼するメリット・デメリット

●エージェント制に依頼するメリット

  • 片手なので売主が不利益になる心配がない。
  • 多くの不動産会社が積極的に買主を探してくれる
  • 囲い込みの心配がない
●エージェント制に依頼するデメリット

  • 利用できるエリアが限定的(SRE不動産は首都圏・関西圏のみ)
  • 買主の狙いが分からず、価格交渉に時間がかかる恐れがある
  • 内覧で他社のアテ物件として、購入の可能性が低い客が来る恐れもある

エージェント制度を利用した売却を成功するコツ

相場を把握するため他社にも無料査定を依頼する

エージェント制の不動産会社は、大手ではSRE不動産だけ。

今は都市部を中心に不動産価格が高騰しているため、プロでも正確な査定が難しい状況です

できれば他の不動産会社にも査定を依頼して、相場を把握した方が良いでしょう。

できれば3社以上に無料査定を依頼し、相場を把握します。

家博士家博士

SRE不動産との比較のためにも、査定価格だけでなく話を聞いておくと良いよ。

SRE不動産(旧ソニー不動産)に売却を依頼する

他の不動産会社に無料査定を依頼すると同時に、エージェント制のSRE不動産に無料査定を依頼しましょう。

ただしSRE不動産の営業エリアは、首都圏と関西圏のみ。

その他のエリアは、3.仲介で1社に依頼で優秀で信頼できる不動産会社を探します。

SRE不動産(旧ソニー不動産)の公式サイトはこちら
SRE不動産

SRE不動産について詳しくはこちらで解説しています。

オーバーローンや返済が厳しい場合


オーバーローンやローンの返済が厳しい場合の売り方は2つあります。

オーバーローンや返済が厳しい場合の売り方
売り方6. 任意売却
住宅ローンの返済が難しいオーバーローンでも家を売却できる売り方。裁判所は関与せず、あなた(債務者)と住宅ローンを借りている金融機関(債権者)が協力して売却を進める。基本的には仲介で1社に依頼するのと同じ流れだが、債権者の同意なしには手続きが進められない。
売り方7. 競売
住宅ローンの滞納によって裁判所の主導で家を売られてしまうこと。
あなたは何もできず落札まで家に住み続けられるが、その後は追い出される。売却価格は安くなる恐れがある。

まず他の方法も試してみる

オーバーローンでは家を売れない

家を売却しても住宅ローンが返済できない「オーバーローン」では、普通は家を売れません。
オーバーローンイメージ

借り換えや住み替えローンもある

ただしまず「売り方3. 仲介で1社に依頼」で売れないか検討してみましょう。

なぜなら仲介で売った方が高く売れる可能性が高いため。

高値で売れたらオーバーローンにならずにすみますし、金融機関によっては一部を無担保ローンに借り換えできるかもしれません。

また家の買い替えでは、「住み替えローン」でローンをまとめる方法も。

詳しくはこちらで解説しています。


ハウスハウス

まずは普通に売れないか試すってことだね。


家博士家博士

他の売り方がどうしてもダメなら、2つの売り方のどちらかになる。

それぞれ解説します。

売り方6. 任意売却

債権者(あなたの家に抵当権を設定している金融機関や人)と債務者(あなた)が協力し、裁判所の関与なしに普通の方法で家を売るもの。

オーバーローンでも債権者の協力によって抵当権が抹消できるので、売却できる。

任意売却のメリット・デメリット

●任意売却のメリット

  • 相場に近い価格で売却できる可能性が高い
  • 近所の人には住宅ローンが払えなくなり売却したとは分からない
  • 売却後の残債務は、債権者に柔軟な対応をしてもらえるケースが多い
  • 売却代金から引っ越し代として10〜30万円程度出してもらえる場合がある
  • 競売に比べて心理的負担が軽い

ただし売却価格や残債務、引っ越し代に関するメリットは確実ではありません。

●任意売却のデメリット

  • 3〜6ヶ月程度で家を出なくてはいけない
  • 売却にかかる費用は売却代金から引かれる
  • 決まったルールがないので、引渡しが終わるまで売却できるか分からない
  • 業者によって能力に差がある。中には詐欺業者もいて、見分けが難しい

任意売却を成功するコツ

業者選びで大きく違う

任意売却は、依頼する業者の能力で大きく結果が変わります。

なぜなら任意売却の成功は、債権者の同意が得られるかにかかっているため。

たとえ売買契約まで進んだとしても、その段階で債権者がNOと言えば契約は白紙解除になってしまいます。

詐欺業者の営業に注意

また任意売却業者の中には、詐欺業者も混じっているので要注意。

向こうから営業に来る業者は選ばずに、自分から探して信頼できる業者を選び相談しましょう。

詳しくはこちらで解説しています。

売り方7. 競売

裁判所
競売は、住宅ローンの返済を滞納して、債権者(保証会社)がローンを回収するために家を売ること。

あなた自身は特に何もする必要がなく、裁判所の関与で債権者が手続きを行い、費用も負担します。

競売のメリット・デメリット

●競売のメリット

  1. 手続きは全て債権者が行うので、何もしなくていい
  2. 競売の申立て費用も債権者が負担する
  3. 競売手続きは通常半年〜1年ほどかかり、その間は無料で自宅に住み続けられる
  4. 不人気物件では入札されず2〜3年住み続けられることもあり、場合によってはずっと住み続けられる可能性もある
  5. 法律で手順やルールが決まっているので、次にどうなるのかが確実に分かる
●競売のデメリット

  1. 相場より安値になる恐れがある
  2. 競売後の残債務の回収で、債権者が厳しい対応をすることが多い
  3. 近所の人や第三者に競売を知られてしまう
  4. 裁判所などで競売情報を閲覧した不動産会社やブローカー、投資家が自宅に来る
  5. 心理的に負担になる

競売で成功するコツ

競売を止められる可能性もある

競売開始決定通知が来た後でも、個人再生か任意売却で競売を止めることができる可能性ががあります。

住宅ローンを支払えない理由が、住宅ローン以外のローンが多いのなら、個人再生を検討してみましょう。

またオーバーローンで家を売れないなら、任意売却を検討します。

競売後に自己破産する予定なら、競売も悪くない

競売後に自己破産する予定であれば、競売期間中は無料で住めるので、競売も悪くありません。

競売期間は最低でも半年程かかり、不人気物件なら入札不調でさらに長期間住めます。

全く売れない物件なら、そのまま住み続けられるかもしれません。

お金が必要だが住み続けたい場合

お金が必要だが住み続けたい場合の売り方
売り方8. リバースモーゲージ
マイホームを担保に、老後資金を借りる方法。家を手放すことなく一定の金額が受け取れ、亡くなった後に家を売却し返済する。老後資金が必要な人や、家を残す必要がない人に向いている。
売り方9. リースバック
投資家などに家を売り、家賃を支払いながら家に住み続る売り方。まとまった資金が必要だけど、しばらく住み続けたい人に向いています。

売り方8. リバースモーゲージ

老後イメージ
リバースモーゲージは高齢者がマイホーム(主に戸建て住宅)を担保に、生活費などを一時金または年金として借りられる貸付制度のこと。

月々の返済は利子のみで、死後にマイホームを売却して元本を返済します。

リバースモーゲージのメリット・デメリット

●リバースモーゲージのメリット

  • 高齢でも融資を受けられる
  • 家を手放すことなく一定の金額を受け取れる
  • 残す必要のない資産を有効活用できる
  • 資金の用途も自由であることが多い
●リバースモーゲージのデメリット

  • そもそも利用できない場合も多い
  • 融資限度額が相場の半額程度と低く、減額される恐れもある
  • リコース型は相続人の残債リスクがある
  • 他人に貸せなくなり、同居人の制約もある
  • 長生きすると利息の支払いが増え、トータルで損する恐れも
  • 金利が高く、変動金利で上昇するリスクもある
  • 家族の理解を得にくい

リバースモーゲージを成功するコツ

リバースモーゲージは民間の金融機関の他、公的な機関である社会福祉協議会でも似たような制度が利用できます。

公的機関を含めて各機関の融資条件をよく確認し、将来のリスクまで十分把握してから判断しましょう。

相続人に迷惑をかけないためには、ノンリコース型で家を売却して不足した分が相続人に請求されないタイプを選びます。

またリバースモーゲージに申込む前に、普通に売却した場合の相場を確認しておきましょう。

売り方9. リースバック

リースバックイメージ
リースバックとは、投資家に不動産を売却し、売却後も家賃を払いながら賃貸として住み続ける方法。
リースバックのイメージ

家博士家博士

リースバックでは買主が投資目的で家を購入するんだ。買主がOKすれば、将来的に家を買い戻せるんだよ

リースバックのメリット・デメリット

●リースバックのメリット

  • 住んだまま家を売り売却代金が受け取れる
  • 売却代金を自由に使える
  • 総量規制の対象外でローンを使えない人でも利用できる
  • 特約付きなら家の買戻しも可能
  • 同居人の制約がない
●リースバックのデメリット

  • 定期借家だと追い出される恐れがある
  • 毎月家賃の支払いがある
  • 所有権がなくなる
  • 転売が難しい物件など、そもそも利用できない場合がある
  • 家の売却価格が安くなる

リースバックを成功するコツ

普通の売却価格と比較する

リースバックは売却価格がかなり安くなるため、普通の売却価格との差額を確認して、納得してから利用しましょう。

普通の売却価格は、一括査定を利用して3社以上に無料査定を依頼して確認します。

複数のリースバック業者を比較する

リースバック会社は数多くあり、各社で条件や金額が大きく違うので比較するのもポイント。

『家まもルーノ』はリースバック専用の一括査定サービス。

上場企業を含む全国100社以上の不動産会社に、まとめて無料査定を依頼できます。

平均120%の価格アップで、顧客満足度94.3%と評判も上々。

全国47都道府県対応、最短5日で現金化が可能です。

家まもルーノ

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家まもルーノ

その他特殊な売り方

その他特殊な売り方
売り方10. オークション
購入希望者が入札し、最も高値を提示した人が購入する売り方。ただし買主は投資家や転売業者がほとんどなので、相場より高値にはなりにくい。即時買取よりは高く売れる可能性がある。
売り方11. 個人間売買
不動産会社を介さずに、直接個人間で不動産を売買する売り方。親子間売買や親族間での売買など、すでに売る相手が決まっている場合に向いている。ただし不動産に詳しくないと、売買後にトラブルが起きやすい。
売り方12. 空き家バンク
自治体を通して空き家を登録し、空き家に入居したい人(主に移住者など)向けに情報を提供する。田舎や郊外に空き家を所有している人に向いている。不動産会社が扱っわない物件でも空き家バンクなら売りに出せる。

売り方10. オークション

購入希望者が入札し、最も高値を提示した人が購入する売り方。

オークションのメリット・デメリット

●オークションのメリット

  • 相対取引に比べると公平・透明・公正で売主に有利
  • 売却期限が明確
  • 高く売れる可能性もある
●オークションのデメリット

  • オークションを扱う会社も利用者も少ない
  • 運営会社によってシステムや方法が違う
  • 売却情報がネットなどで公開される会社もある
  • 入札者が投資家や転売業者なので、住居用物件は相場より高値になりにくい
  • 高すぎる最低価格では、誰も入札しない恐れも

オークションで成功するコツ

不明点やトラブルになりそうな点を全てクリアにしておく

オークションで高値で売るためには、入札者が不安に思うことを全て明らかにしておきましょう。

例えば、隣地との境界、土壌汚染、アスベストの有無など。

不明な点が少ないほど、入札者が強気で価格を設定できます。

普通に売った相場と比較する

オークションを利用する場合も、普通に売る相場を把握しておきましょう。

なぜならオークションは、普通に売った価格より安くなってしまう恐れがあるため。

オークション価格で普通に売り出せば、1ヶ月などで売れる可能性もあります。

できれば不動産会社3社以上に無料査定を依頼して、普通に売る相場を確認しておきましょう。

売り方11. 個人間売買

個人売買イメージ
不動産会社を使わずに家を個人間で売買する売り方。

法律的には問題ないので、すでに売る相手が決まっている場合などは個人間売買を検討してみるのも良いでしょう。

個人間売買のメリット・デメリット

●個人間売買のメリット

  • 仲介手数料がかからない
●個人間売買のデメリット

  • 契約書類や登記など手間がかかる
  • 不動産の知識がないと、売買後にトラブルになりやすい
  • レインズなどに登録できず、買主を探す手段が限られる
  • 買主が住宅ローンを利用できない恐れがある

個人間売買を成功させるコツ

個人間売買を成功させるためには、事前準備をしっかりすること。

なぜなら引き渡し後に問題が発生して、買主とトラブルになりやすいため。

役所調査や現地調査、周辺相場や登記の確認、境界確認や契約書の作成など、一通りの不動産知識が必須です。

当サイトでは、できればトラブル防止のために個人間売買でなく、不動産会社に仲介してもらうことをオススメします。

すでに買主が決まっているなら、仲介手数料も半額などに値引き交渉できるでしょう。

売り方12. 空き家バンク

田舎イメージ
空き家バンクとは、自治体やNPOが運営する空き家・空き地の仲介サービス。

空き家バンクの登録方法は自治体によって違い、市町村に直接申込むか、加盟する不動産会社に申し込みます。

従来の空き家バンクが自治別で使いにくかったため、国土交通省が全国版の空き家バンクを立ち上げています。

【参考】国土交通省・空き家・空き地バンク総合情報ページ

空き家バンクのメリット・デメリット

●空き家バンクのメリット

  • 通常は扱ってもらえない物件も登録できる可能性がある
  • 空き家バンクに登録すると改修費用の補助が受けられることもある
  • 移住者に対する補助制度があり、買主の負担が軽減される
●空き家バンクのデメリット

  • 審査に通らなければ登録できない
  • 利用率が低い
  • マッチングのみだと、売買は個人間か不動産会社の仲介が必要

空き家バンクで成功するコツ

他の売り方も並行して試す

一般的な不動産ポータルサイトに比べると空き家バンクの利用率は低く、期待度は低め。

並行して他の売り方も試した方が良いでしょう。

空き家の価値を高める

空き家の価値を高めると、空き家バンクで売れやすくなります。

自治体の補助制度を利用できれば、可能な範囲で補修しましょう。

また内部に残置物が残っていると敬遠されがちなので、なるべく内部は空にしておきます。

まとめ

ここまで12の売り方について解説してきました。

  1. 売り方1. 即時買取
  2. 売り方2. 買取保証
  3. 売り方3. 仲介で1社に依頼
  4. 売り方4. 仲介で複数に依頼
  5. 売り方5. 仲介でエージェント制に依頼
  6. 売り方6. 任意売却
  7. 売り方7. 競売
  8. 売り方8. リバースモーゲージ
  9. 売り方9. リースバック
  10. 売り方10. オークション
  11. 売り方11. 個人間売買
  12. 売り方12. 空き家バンク

いずれもメリットだけでなく、デメリットがあります。

どの売り方を選ぶ場合も、比較の基準としてまず基本の売り方で無料査定してみるのが良いでしょう。

あなたに最適な売り方が見つかり、あなたの家の売却が成功することを心よりお祈りしております!

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue
    おすすめ1位
    すまいValueバリュー
    査定実績:
    77万件(2016年開始)
    不動産会社数:
    大手6社(全国875店舗)
    運営会社:
    大手6社共同運営
    三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー
    実績 5.0
    不動産会社 4.5
    運営会社 5.0

    大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国875店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
    2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
    簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
    さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

    管理人のコメント

    地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

  2. 【公式サイト】すまいValue


  3. SRE不動産
    おすすめ2位
    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス(東証PRM)
    実績 4.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 5.0

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
    あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
    さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

    管理人のコメント

    エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

  4. 【公式サイト】SRE不動産


  5. HOME4U
    おすすめ3位
    HOME4Uホームフォーユー
    査定実績:
    累計50万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    2,100社
    運営会社:
    NTTデータ・スマートソーシング
    実績 5.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 4.0

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
    不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
    さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
    ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
    あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

各エリアで最適な組み合わせ



エリア別のオススメ一括査定サイト

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。

  • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。

  • 地方(人口密度が少ない地域)

    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。