「マンションの買い替えでは、売却と購入のどちらを先にするの?」
「マンションを買い替えると、今の住宅ローンはどうなるの?」
マンションの買い替えは、いざ真剣に考えると色々分からないことが多いですよね。
実は「マンションの買い替え」は、売却と購入を同時にするために難易度が高く、失敗しないための注意点が数多くあるんです。
これからマンションの買い替えを予定しているあなたが失敗しないために、知っておきたいマンション買い替えの注意点を、分かりやすく解説します。
この記事のもくじ
住宅ローンが残っていてもマンション買い替えはできる
まず住宅ローンについて不安を感じる方も多いですが、結論から言うと住宅ローンが残っていてもマンション買い替えはできます。
ただしマンションを売却するために、売却代金(+何か)で住宅ローンを全額返済しなくてはいけません。
なぜならマンションを売却するためには、マンションに設定されている抵当権を抹消する必要があり、抵当権を抹消するためには住宅ローンの返済が条件になるからです。

マンションの売却代金だけで住宅ローンの全額返済ができなかったら、どうすれば良いの?

まぁ、まぁ。
まずは、今の相場でいくらで売れそうか、売却価格を確認してみよう。
大切なのは「マンションがいくらで売れるか」
マンションの買い替えでは、マンションがいくらで売れるかが重要なポイントになります。
実は今、マンション価格が高騰しています。
エリアによっては、1年前から1〜2割高くなっている場合も。
全国のマンション価格の相場がこちらです。
不動産価格指数(全国)

「不動産価格指数」とは
不動産価格指数とは、純粋に不動産相場の価格変動を見ることができる指数。
国土交通省がヘドニック法という統計計算手法で、年間30万件の不動産売買成約価格から築年数や立地などの余計な要素を取り除き、純粋な価格変動をまとめたもの。
3ヶ月前の売買実績を毎月末に公表。
マンションは、約8年で52%も値上がりしています。
全国平均でこれだけの上昇なので、人気エリアではこれ以上の値上がりも。
これだけマンション価格が高騰している今だからこそ、まずは今のマンション価格を確認してみましょう。

マンションの価格は、どうやって確認するの?

一括査定サイトで3〜6社に無料査定を依頼するのが定番だよ。
一括査定サイトの定番3社
一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。
一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。
この3社以外についてはこちらにまとめています。
すまいValue
- 査定実績:
- 40万件
- 不動産会社数:
- 大手6社・全国890店舗
- 運営会社:
- 大手6社共同運営
大手6社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル・野村の仲介+・三菱地所ハウスネット・小田急不動産)が共同で2016年に設立した一括査定サイト。
6社といっても全国890店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。
売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。
首都圏以外のほとんどの地方都市でも、三井・住友・東急の3社が売却実績のトップ3を独占しています。
2021年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトです。
簡易査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。管理人のコメント
地方では大手より地域密着の中小が強い場合もあるので、3位のHOME4Uも確認した方が良いでしょう。
しかし都市部では「すまいバリュー」が定番です。
特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。優秀な営業マンも数多く抱えています。SRE不動産(旧ソニー不動産)
- 査定実績:
- (2014年開始)
- 不動産会社数:
- 売主側1社(買主側多数)
- 運営会社:
- SREホールディングス株式会社
すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。利用できるエリアは首都圏と関西圏限定です。
あのソニーが始めた不動産会社で、売主だけを担当するエージェント制が特徴。無数にある他の不動産会社が買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。管理人のコメント
大手不動産会社でエージェント制はSRE不動産だけ。話を聞くと売却活動に役立つでしょう。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで査定を依頼することがポイント。まずメールで概算価格を査定してくれます。
HOME4U
- 査定実績:
- 累計40万件(2001年開始)
- 不動産会社数:
- 1,500社
- 運営会社:
- 株式会社NTTデータ・スマートソーシング
日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始依頼、査定累計数40万件と実績も豊富。運営は東証1部上場の株式会社NTTデータのグループ会社。
不動産会社は大小バランスよく登録されているため全国どこでも幅広く依頼ができます。
机上査定を選ぶと、郵送やメールで査定可能。管理人のコメント
HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多いため、自然と査定精度が高くなる仕組みになっています。
ちなみに記入した内容はまた不動産会社と話をするときに修正できます。
あまり真剣に悩まず、とりあえず現時点の希望を書いておく程度で大丈夫。
不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。
【公式サイト】すまいValue
【公式サイト】SRE不動産
【公式サイト】HOME4U
不動産会社へ無料査定を依頼して、査定価格が分かれば、各社の査定価格の平均値をとりあえずの売却予定価格としましょう。
この売却予定価格と今の住宅ローン残高を比較します。
マンションの売却価格と今の住宅ローン残高を比較して、アンダーローン(売却価格>住宅ローンの残債務)なら売却代金で返済すればOKなので、特に問題なし。
オーバーローンだった場合の対応策
オーバーローン(売却価格<住宅ローンの残債務)だった場合は、売却代金+他の何かで補う必要があります。
このときの「何か」として、住み替え(買い替え)ローンを使うのが一般的です。
ちなみに多くの人は「預貯金」が最初に思い浮かぶかもしれません。
住宅ローンの不足分を預貯金などで補ってもまだ余裕があるなら、それも良いでしょう。
しかし、預貯金は用途を限定されることなく自由に使える貴重な保険となるため、万が一の事を考えてなるべく持っておいた方が安全です。
住み替え(買い替え)ローンの利用
住み替えローンとは、ローンの不足分を新しいローンでまとめるもの。
住み替えローンのイメージ
預貯金など自分自身の余裕資金を減らすことなく、住宅ローンの不足分を補うことができます。
住み替えローンの注意点
住み替えローンには次のような注意点があります。
住み替えローンの注意点
- 購入と売却を同時にする必要がある
- 審査が厳しい
- 無理な返済に注意が必要
- 次の住み替えが困難

住み替えローンを使うと、次の住み替えが難しくなるの?

今、マンションの相場は高い状態だから、この状態で買うと将来の売却時に値下がりしている可能性があるんだ。
今回の買い替えですでに担保割れしているのに、それがさらに大きくなってしまうから、住み替えが難しくなってしまうというわけ
この他にも、買い替えた家のローンに加え不足しているローンを合わせた分を返済しなければならないので、返済額については注意が必要になります。
まずは金融機関に相談を
住み替えローンが利用できるかどうかは、あなたの状況や金融機関によって違います。
まずは今、ローンを借りている金融機関に相談してみることをオススメします。
ローンの問題が解決したら、次はそもそも今のタイミングでマンションを買い替えるべきなのか考えてみましょう。
マンションを買い替えるタイミング
住宅ローンの問題が解決したら、次はいつマンションを買い替えるべきなのか、最適なタイミングについて考えます。
結論から言うと、マンションの買い替えでは「相場」は意識せず、あなた自身のライフスタイルの変化が買い替えに最適なタイミングです。
なぜ相場は意識しなくてよいのでしょうか。
買い替えで相場は意識しない
マンション買い替えでは、マンションを売ると同時にマンションを買うため、相場の影響は帳消しになります。
つまりマンションの買い替えでは、損と得が同時に発生するため、相場を意識する必要がないのです。

例外として、今のマンションがあまり値上がりしていない場合は、高値で買うだけになる。
将来のローン返済をシミュレーションして、冷静に判断しよう。
もし事情が許せば、マンション相場が下がるまでの数年間を、あえて賃貸で暮らすという選択肢もあります。
ライフスタイルの変化が買い替えのタイミング
相場は関係ない以上、買い替えのタイミングとして、あなた自身のライフスタイルの変化を重視することがオススメ。
例えば、子供が増えて家が手狭になったとき。
これまで住んでいたマンションよりも広い間取りのマンションに引っ越すタイミングになるでしょう。
逆に、子供が独立して夫婦二人になったら、広い部屋も必要なくなるもの。
老後の事も考えて、駅近でコンパクトな間取りのマンションに引っ越すのも良いでしょう。
さらに、あなた自身のライフスタイルの変化を優先した上で、マンション特有の買い替え時も知っておくと良いでしょう。
マンション特有の6つの買い替え時とは
実はマンションには、戸建て住宅にはない特有の「6つの買い替え時」があります。
買い替え時1. 季節変動より競合の動きが大切
季節変動とは、例えば「春先は異動などがあって不動産の売買も活発になる」といった季節ごとの動きのこと。
こうした季節変動は無視してOKです。
参考までに首都圏のマンション成約件数と成約m2単価の変動です。
マンション売買の季節変動(首都圏)
よく言われるように、初春(2月・3月)と秋(9月・10月)は売買件数が比較的多いのですが、成約m2単価はほとんど変わりません。
成約m2単価は、季節変動よりも長期のトレンドが大きく影響していることが分かります。
マンションの場合は季節変化より、同じマンション内や近隣のマンションなど競合の動きに注意が必要。
マンションの場合は戸建てと違って比較しやすいため、競合が多いタイミングで売りに出してしまうと、値下げ競争に巻き込まれてしまいます。
もし一時的に競合が増えた場合は、一旦売り止めることを考えるくらいでも良いでしょう。
買い替え時2. 10年で住宅ローン控除と保証が切れる
マンションの買い替えでは「10年」というのも一つのタイミング。
まず住宅ローン控除は、購入から10年で控除が終了するからです。
その後11年目からは控除がなくなってしまう分、所得税が上がります。
また、新築の場合は売主の瑕疵担保責任が新築から10年で切れてしまいます。
こうしたことから考えると、築10年というのも一つの売却のタイミングでしょう。
買い替え時3. 築25年を超えると住宅ローン控除が使えない
購入者の立場になって考えると、築25年というのも大きなポイント。
実は築25年以内のマンションでなければ、住宅ローン控除が使えないのです。
一応築25年を過ぎても、インスペクションを受けるなどすれば住宅ローン控除を利用できますが、購入者にはあまり知られていません。
税負担が軽くなる住宅ローン控除が使えなくなると、購入者は二の足を踏んでしまいます。
買い替え時4. 大規模修繕をきっかけに修繕積立金が数倍に
大規模修繕の前も、マンションを買い替えるタイミングの一つ。
なぜなら、大規模修繕をきっかけに修繕積立金が値上げされると、マンションの価格が下がってしまうため。
そもそも修繕にかかる費用は「修繕積立金」として毎月徴収されていますが、最近は工事費用の値上りで修繕積立金が不足しているマンションが増えているのです。
ただしマンションの管理組合がきちんと機能しているマンションでは、定期定期に長期修繕計画が見直されて、修繕積立金が早い段階から値上げされています。
一方で、管理組合が機能していないマンションでは、大規模修繕をきっかけとして今までの修繕積立金が不足していることが発覚して、修繕積立金が2〜4倍に値上げされるケースが増えています。
買い替え時5. 売却益または損があるなら5年と10年、住まなくなって3年
マンションの売却によって利益が出る場合や、逆に損失が出る場合は、税金でも買い替えのタイミングがあります。
利益が出る場合は、購入してから「5年超」もしくは「10年超」といったタイミングで税率が安くなります。
所有期間 | 短期譲渡所得 (1月1日で5年以下) | 長期譲渡所得 (1月1日で5年超) | 長期の軽減税率特例 (1月1日で10年超で特例を選択する場合) |
---|---|---|---|
税率 (所得税) | 30.63% | 15.315% | 6千万円以下分:10.21% 6千万円超分:15.315% |
税率 (住民税) | 9.0% | 5.0% | 6千万円以下分:4.0% 6千万円超分:5.0% |
税率 (合計) | 39.63% | 20.315% | 6千万円以下分:14.21% 6千万円超分:20.315% |
逆にマンションを売って損した場合は、5年超であれば税金が控除される特例もあります。
また、住まなくなってから3年目の12月31日というのも重要なタイミング。
というのも、売却益から3,000万円が控除できる「3,000万円の特例」や譲渡損失の損益通算ができるのも、住まなくなってから3年目の12月31日までだからです。
買い替え時6. 長期的には早く売る方が高く売れる
具体的な時期は決めていないけれど、いつかマンションを買い替えようと思っているなら、まず今いくらでマンションが売れるか価格を確認してみましょう。
なぜなら、マンションの売却を先延ばしにすると、売却価格が安くなってしまう可能性があるため。

今はマンション相場が高騰しているけれど、この先も同じ状況が続くとは限らないよね

そうだね。
それに、2025年以降は団塊世代が70歳を超えて施設に入る人が増えるんだ。
そうなると、築30年超えのマンションが大量に売りに出される可能性もある。
こうした懸念材料は他にもあります。
例えば、1981年5月以前に建てられた旧耐震マンションでは、耐震診断の義務化に要注意。
耐震診断の結果、耐震補強工事が必要になると、費用負担を求められる可能性があります。
また築30年以上のマンション戸数は年々増加しており、多くのマンションは建て替えできずにスラム化するか解体されることが予想されています。
築30年以上のマンション戸数推移
今はあまり表立っていませんが、築古マンションの問題はこれから社会問題化すると考えられます。
マンション買い替えのタイミングが決まれば、次に具体的にどうやってマンションを買い替えるのか、マンション買い替えの流れを見ていきましょう。
マンション買い替えの流れ
マンション買い替えの基本的な流れは図の通り。
あなたがまずするべきことは、今のマンション価格を知ることから。
マンション価格を知るためには、あなたのエリアでマンション売却実績が豊富な不動産会社を3〜6社選び、無料査定を依頼します。
不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを使うのが一般的です。
マンション売却と購入のどちらを優先するか
マンション買い替えの流れで議論が分かれるのが、売却と購入のどちらを優先するか。
マンションの買い替えでは、売却を先行する「売り先行」と購入を先行する「買い先行」があります。
どちらを選ぶべきかは、住宅ローンの残債務があるかどうかによって変わります。
住宅ローンを払い終わっているなら買い先行もあり
住宅ローンを払い終わっていて、新しいマンションの購入資金が売却代金なしでも支払えるなら、買い先行で全く問題ありません。
先に引っ越すと、内覧対応などが不要で「即入居可」として売り出せるため、売却には有利です。
つなぎ融資で一時的に資金を借りる方法も
また購入に十分な資金がない場合でも、大手不動産会社のつなぎ融資を利用すると買い先行も可能に。
つなぎ融資とは、次の家を先に買うための資金を一時的に借りること。
不動産会社の買取保証とセットになっていることが多く、一部の大手不動産会社に限られます。
つなぎ融資のイメージ
ただしつなぎ融資の注意点として、次の3点があります。
つなぎ融資の注意点
- 売却保証とセットになっているため、売れない場合は安い価格で買取になる恐れがある。
- 利用には築年数などの制限があるためそもそも利用できないケースもある。
- トラブルがあった場合でも途中で不動産会社を変更することができない
買い替え特約での買い先行は不利になる
買い先行で注意したいのは、「買い替え特約」を利用しての買い先行。
人気物件を狙うなら、買い替え特約は利用しない方が良いでしょう。
買い替え特約とは、家が売れたら次の家を購入するという条件付きの売買契約。
買主にとっては安心できる特約ですが売主には敬遠されるため、新築分譲マンションや人気のマンションでは不利になります。
住宅ローンが残っているなら、基本は売り先行
住宅ローンが残っているなら、ダブルローンのリスクを避けるために、基本は売り先行となります。
「すでに買いたい家が決まっている」といったように、どうしても先に買いたい場合はつなぎ融資を利用すると良いでしょう。

住宅ローンの有無や状況によっても、どちらを優先した方がいいかは変わるんだね

それぞれのメリットとデメリットを知っておこう。
買い先行のメリットと注意点
購入を優先する「買い先行」のメリットと注意点は次の通り。
買い先行のメリット
- 気に入った家を好きなタイミングで買える
- 先に転居するので、内覧の対応が不要
- 仮住まいの心配がない
今の家が売れるまで待つ必要がないため、購入のタイミングに縛られずに済みます。
内覧も転居後になることが多いため、内覧に備えて部屋を片付ける等の対応も不要です。
買い先行の注意点
- 住宅ローンが残っているとダブルローンのリスクがある
- 買い替え特約やつなぎ融資など無理な買い替えになり、なかなか売れない場合に売り急いで安い価格になりがち
住宅ローンが残っている場合、残債務はそのままで購入のための新たなローンを組むことになります。
ローンを二重で組むダブルローンになりますが、そもそもこの状態では新しいローンが借りられない場合も多いので要注意です。
ダブルローンのイメージ
また家がすぐに売れればいいですが、家がなかなか売れない場合には、価格を下げて売るしか無くなります。
価格を下げるときの下限は、不動産会社の即時買取になります。
どうしても売れない場合の不動産会社の即時買取

即時買取って、どれくらいの期間で買取ってもらえるの?

最短1週間! とにかくすぐに買取ってもらえるのが、即時買取なんだ
即時買取の注意点としては、売却価格が安くなること。
買取の価格は相場の6〜8割というのが一般的です。
3ヶ月だけ期間限定で売る売却保証も
即時買取の他にも、3ヶ月間だけ普通に売ってみて、それで売却できなかったら不動産会社に買取ってもらう「売却保証」という選択肢もあります。
ただし、売却保証はどの不動産会社でも利用できるわけではありません。
売却保証があるのは、一部の大手不動産会社のみ。
売却保証の利用を考えている場合は、査定依頼の段階から大手不動産会社を選ぶようにしましょう。
売り先行のメリットと注意点
ローンが残っている買い替えでは基本となる「売り先行」のメリットと注意点はこちら。
売り先行のメリット
- 時間をかけて今のマンションを売るため、高く売れる可能性がある
- 売買のタイミングを合わせやすいので住み替え(買い替え)ローンが利用できる
- ダブルローンのリスクがない
今の家が売れてから次の家を買うという状態なので、売却に時間がかけられるのが売り先行の特徴。
売り急ぐことがないため、安売りすることも避けられます。
また、売却代金が先に手に入るため、ダブルローンのリスクもなく住み替えローンが利用できる点がメリットです。
住み替えローンでは、売買を同じタイミングに揃える必要があります。
住み替えローンのイメージ
買い先行の注意点
- 仮住まいのリスクがある
- 住みながら内覧への対応が必要
- 仮住まいを避ける場合や住み替えローンでは、家を買うタイミングが難しい
売却してすぐに次の家が見つかれば良いですが、なかなか見つからない場合は一時的に賃貸住宅に引っ越すなどの対応が必要になります。

次の家が決まるまで、売却した家に住み続けることってできないのかな?

売却してしまえば買主のものになってしまうから、自分だけの判断で住み続けることはできないよ。
ただ、買主が納得すれば、売却後も家賃を支払って住み続けることは可能。
要するに、買主次第だよ
先に売却することで「売れない」という心配はなくなりますが、どうしても仮住まいを避けたい場合などは購入のタイミングが難しくなる点にも注意しておきましょう。
仮住まいを避ける方法は、こちらで解説しています。
失敗しないためのマンション売却の5つのポイント
マンション買い替えは、売却と購入の両方を行うことになります。
まずは失敗せずにマンションを売却する際のポイントをまとめました。
ポイント1. 十分な売却期間をかける
家の売却は思っている以上に時間がかかります。
例えば首都圏の場合、中古マンションの平均売却期間は約4ヶ月。
平均売却期間のイメージ
これはあくまでも平均なので、立地など条件次第ではもっと時間がかかることもあります。
早く売却したいあまり焦ってしまうと、結果的に安値で売却してしまう可能性も。
なるべく高く売るためにも、時間には余裕を持っておくようにしましょう。
ポイント2. リフォームはしない
リフォームすれば内装もきれいになるから、買主もすぐ見つかるのでは? と思う人もいるかもしれません。
しかし、売却前のリフォームはおすすめしません。
国土交通省の調査でも、売却前に個人でリフォームをしても、リフォーム費用を売却価格に上乗せできないことが分かっています。
ポイント3. 内覧は大切
購入希望者にとって、内覧は物件を直接見ることができる貴重な機会。
内覧時の第一印象が購入の決断を左右すると言っても過言ではありません。
「ただ見に来るだけ」と簡単に考えず、できる限りの準備をしておきましょう。
ポイント4. 費用と税金も考慮する
マンションを売却する際にも、様々な費用がかかります。
費用の目安は売値の3.5〜5%です。
また利益が出た場合の税金が気になるところですが、「3,000万円の特例」があるため、ほとんどの場合は非課税です。
逆に損失があると、その分だけ税金が戻ってくる特例もあります。

ただし、買い替えではこの特例と住宅ローン控除の併用に注意が必要! 減税の特例を受けると住宅ローン控除が受けられないこともあるから、不動産会社にも相談することをオススメするよ
ポイント5. 何より大切な不動産会社選び
マンション売却を失敗しないために、何より重要になるのが不動産会社選びです。
「不動産会社なんてどこも同じだろう」と思うかもしれません。
しかし不動産の売却実績を見ると、明らかに日本の不動産売買は、一部の大手不動産会社に大きく偏っているのが現状です。
売買仲介件数ランキング上位30社
(2020年3月)
マンションを売却するなら、これらの大手上位3社(三井のリハウス、住友不動産販売、東急リバブル)は押さえておきましょう。
これら大手にまとめて無料査定を依頼するなら、一括査定サイトの「すまいValue」が便利です。
なお不動産会社を決める際に大切なのが、査定額だけではなく、査定根拠や売却戦略など話をしっかり聴き比べて不動産会社を選ぶこと。
信頼できる不動産会社を選ぶことで、売却中も不安にならずにすみます。
また、不動産会社との媒介契約ですが、買い替えの場合は一般媒介より専任媒介契約の方が色々調整ができて便利です。
ここで信頼できる不動産会社を選ぶことに成功すれば、後は不動産会社に相談しながら作業を進めることができます。
もし購入するマンションがまだ決まっていないなら、マンション探しも依頼しましょう。
失敗しないためのマンション購入の5つのポイント
次は、マンション購入で失敗しないためのポイントです。
マンション購入の5つのポイント
それぞれ解説します。
ポイント1. マンションは管理で選ぶ
あなたにとって、マンションを選ぶ基準とはどんなものでしょうか。
立地や間取り、規模などいろいろな基準があると思います。
そんな中で、見落とされがちですが意外に重要なのが、マンションの管理状態。
実は「マンションは管理で選べ」と言われるほどで、管理組合が形骸化しているマンションは、将来の資産価値が大きく下がる恐れがあります。

管理状態って誰でも分かるものなの?

チェックするポイントがいくつかあるから、それを参考にしてみよう
【マンションの管理状態を知るためのチェックポイント】
- 管理規約と使用細則
- 長期修繕計画と修繕積立金の状況
- 管理委託契約書
- エントランスや共用部の状況
- マンションみらいネットに登録されているか

具体的には何を見たら良いの

まず長期修繕計画が、30年以上又は解体まであり5年以内に見直されているか。
そして修繕積立金の積立が計画通りに進んでいるかだね。
あとは前回の大規模修繕で修繕積立金を使い切っていないこと。

マンションみらいネットって何?

国土交通省の主導で、マンションの管理状況を登録して公開しているサイトだよ。
まだ登録率は10%未満だけど、ここに登録されているマンションは、管理組合のレベルが高いと言えるよ。
ポイント2. 今後は災害リスクが重視される
地球温暖化による異常気象で、この数年で急激に水害リスクが高まっています。
また南海トラフや首都直下地震などの大地震もそろそろ発生するとの予想も。
今後は災害リスクが一層重視されると考えておきましょう。
具体的には、マンションを選ぶ際に最低限やっておきたいのが、ハザードマップの確認。
特に老後は避難するのも難しくなります。
避難所の場所や経路なども併せて確認しておくと安心です。
災害リスクの参考になるサイト
- ハザードマップポータルサイト
- 国土交通省が洪水・内水・高潮・土砂災害・火山・土地高低差・災害危険度などをまとめたサイト
- 江東5区広域避難推進協議会
- 東京東部低地帯に位置する江東5区(墨田区・江東区・足立区・葛飾区・江戸川区)の広域避難250万人規模の水害を検討した協議会
- 地震に関する地域危険度測定調査(東京都)
- 東京都の地震に対する揺れについての調査結果です。
- ゆれやすさマップ(各自治体防災情報)
- 全国の地盤について、地震で揺れやすさを地図にしています。
- インターネットで住宅地盤情報GIODAS
- 過去に行った地盤調査の情報がまとめられています。
- 活断層図(国土地理院)
- 地震は活断層以外の場所でも頻発しているため、あくまで参考程度ですが。
- 地震ハザードステーション
- 現代の科学では地震の発生を予想できませんが、周期的に起こる地震については、ある程度予想することもできます。
ポイント3. いつかは売ることを考えて資産価値の高いマンションを選ぶ
購入時には「この先もずっとこのマンションに住む」と思っているかもしれません。
しかし、ライフスタイルの変化や子供への相続などにより、いつかは売る日が来ると考えて、資産価値の高いマンションを選びましょう。

資産価値の高いマンションって、具体的にはどんなマンション?

とにかく大事なのが立地。
最寄り駅から近いマンションは資産価値も下がりにくいんだ。
特にここ数年の傾向として、駅からの距離が近いほど不動産価格が上昇しています。
国土交通省が毎年発表している公示地価の変動率を見ると、都市部だけでなく地方でも最寄り駅からの距離で地価の上昇率が大きく違うことが分かります。
最寄り駅から距離別の公示地価変動率
(3大都市圏・2018年)
最寄り駅から距離別の公示地価変動率
(地方圏・2018年)
ポイント4. キャッシュフローとライフプラン
どんなに気に入ったマンションがあったとしても、住宅ローンの返済でギリギリになるようだと今後が心配になります。
収入と支出のバランスを考えることはもちろん、これからのライフプランについても考えておきましょう。
なるべく完済まで無理のない計画を立てておくことが重要です。
シミュレーションは、住宅金融支援機構の資金計画シミュレーションを利用すると便利です。
ポイント5. 費用と税金も考慮
マンション購入では、購入費用以外に諸費用も必要。
中古マンションの場合、価格の5〜10%程度の諸費用がかかります。
なお、購入時に限っては仲介手数料の割引を狙える場合も。
不動産会社によって対応も変わりますが、交渉の余地はあると言えます。
購入後にリフォームをする場合は、複数のリフォーム会社から相見積もりをとって、リフォーム費用を押さえましょう。
リフォームの一括比較サイトなどを利用すると便利です。
一括比較サイトとして、例えばこちらなどがあります。
⇒リショップナビ
マンション買い替えの失敗パターン
決して安くはない買い物だからこそ、失敗はしたくないもの。
ここではマンション買い替えでありがちな失敗パターン4つを紹介します。
失敗パターン1. 売出し価格が高すぎて時間だけが過ぎる
売出し価格を競合より明らかに高く設定してしまうと、いつまでたっても買い手は現れず時間だけが過ぎてしまいます。
そもそも、相場より高い物件や希望価格に合わない物件は、物件探しの対象から外されてしまうもの。
まず競合の売出し価格をよく確認してから、売出し価格を決めましょう。
明らかに競合より高くなる場合は、アピールポイントを強調するなど、広告の方法に工夫が必要です。
失敗パターン2. 高値を追って売り損なう
不動産価格が上がっているような状況で、「今よりもっと値上がりするはず」と期待して高い価格を付けていると、結果的に売り損なう…なんてことも。
不動産会社と契約する前に、複数の不動産会社に無料査定を依頼して、査定価格と話を聴き比べることで、高値を追ってしまうミスは防げます。
失敗パターン3. 一般媒介で売り出して相談する相手がいない
一般媒介だと複数の不動産会社に売却依頼ができるので、有利だと考える人もいるかもしれません。
しかし、多くの不動産会社と契約できる反面、困った時に相談できるような関係を作るのは難しいのです。
不動産会社にとっても、相談に乗ったところで他の業者が買主を見つけてしまえば報酬はゼロ。
一般媒介契約では売却活動へのモチベーションも下がる傾向にあるのです。
マンション売却は専門的で、不慣れな人にとっては分からないことが多いもの。
些細なことでも相談できる相手がいるだけで違うので、初めてマンションを売却する人は、専任媒介契約を選びましょう。
失敗パターン4. 買い先行で売れずに安く手放す結果に
購入を優先したのは良いものの、前のマンションがなかなか売れない…なんてことも十分あり得ること。
売れない状態が続いた結果、安く手放すしかないという状況になってしまうことだってあります。
特に住宅ローンが残っている場合は、基本は「売り先行」で売却を先に始めましょう。
マンション買い替えのポイントまとめ
ここまでマンション買い替えについて見てきましたが、最も大切なことはやはり「売却実績が豊富で、信頼できる不動産会社に売却を依頼すること」です。
マンション買い替えのポイントをまとめるとこちら。
- オーバーローンでは、住み替えローンを利用する。
- 今のローンが残っているなら、売り先行が基本。
- 相場よりライフスタイルの変化とマンションの買い替え時でタイミングを決める。
- マンション売却の5つのポイント
・十分な売却時間をかける。
・リフォームはしない・
・内覧は大切。
・費用と税金も考慮する
・何より大切な不動産会社選び。 - マンション購入の5つのポイント
・マンションは管理で選ぶ。
・今後は災害リスクが重視される・
・いつかは売ることを考えて資産価値の高いマンションを選ぶ。
・キャッシュフローとライフプランを考える。
・費用と税金も考慮する。
買い替えが成功するかどうかは、満足のいく売却ができるかどうかにかかっていると言ってもいいほど。
売却を依頼する不動産会社を選ぶときは、しっかり話を聴き比べて選ぶようにしましょう。
まずは今のマンションの価格を確認することから
マンション買い替えの第一歩は、今のマンション価格を確認すること。
まずは一括査定サイトを利用して、いくらで売れるのかを知ることから始めましょう。
一括査定サイトの定番3社
一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。
一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。
この3社以外についてはこちらにまとめています。
すまいValue
- 査定実績:
- 40万件
- 不動産会社数:
- 大手6社・全国890店舗
- 運営会社:
- 大手6社共同運営
大手6社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル・野村の仲介+・三菱地所ハウスネット・小田急不動産)が共同で2016年に設立した一括査定サイト。
6社といっても全国890店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。
売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。
首都圏以外のほとんどの地方都市でも、三井・住友・東急の3社が売却実績のトップ3を独占しています。
2021年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトです。
簡易査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。管理人のコメント
地方では大手より地域密着の中小が強い場合もあるので、3位のHOME4Uも確認した方が良いでしょう。
しかし都市部では「すまいバリュー」が定番です。
特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。優秀な営業マンも数多く抱えています。SRE不動産(旧ソニー不動産)
- 査定実績:
- (2014年開始)
- 不動産会社数:
- 売主側1社(買主側多数)
- 運営会社:
- SREホールディングス株式会社
すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。利用できるエリアは首都圏と関西圏限定です。
あのソニーが始めた不動産会社で、売主だけを担当するエージェント制が特徴。無数にある他の不動産会社が買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。管理人のコメント
大手不動産会社でエージェント制はSRE不動産だけ。話を聞くと売却活動に役立つでしょう。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで査定を依頼することがポイント。まずメールで概算価格を査定してくれます。
HOME4U
- 査定実績:
- 累計40万件(2001年開始)
- 不動産会社数:
- 1,500社
- 運営会社:
- 株式会社NTTデータ・スマートソーシング
日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始依頼、査定累計数40万件と実績も豊富。運営は東証1部上場の株式会社NTTデータのグループ会社。
不動産会社は大小バランスよく登録されているため全国どこでも幅広く依頼ができます。
机上査定を選ぶと、郵送やメールで査定可能。管理人のコメント
HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多いため、自然と査定精度が高くなる仕組みになっています。
ちなみに記入した内容はまた不動産会社と話をするときに修正できます。
あまり真剣に悩まず、とりあえず現時点の希望を書いておく程度で大丈夫。
不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。
【公式サイト】すまいValue
【公式サイト】SRE不動産
【公式サイト】HOME4U