マンションイメージ
「既存不適格マンションだけど売れる?」

既存不適格マンションの売却でお悩みですね。

確かに既存不適格だと、買主が住宅ローンを借りにくく、売れにくくなりがち。

しかし立地次第では、普通に売れることもあるので、まず不動産会社3社以上に意見を聞いてみましょう。

この記事では、既存不適格マンションの売却について、注意点と売り方をまとめました。

あなたの既存不適格マンションの売却が成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。

既存不適格マンションとは

既存不適格マンションとは、建築当時は法令を満たしていたけれど、建築後の法改正によって新しい規定に合わなくなったマンションのこと。

既存不適格マンションの多くは容積率オーバー

既存不適格マンションのほとんどが容積率オーバーです。

容積率オーバーとは、今のマンションの延床面積が、敷地面積に対して許容される『許容延床面積』を超過している状態。

容積率オーバーのイメージ

容積率オーバーのイメージ

古いマンションほど容積率オーバーが多い

国土交通省によると、築年数が古いマンションほど容積率オーバーのマンションが多くなります。

  • 1970年以前築のマンション…67%
  • 1971年〜1975年築のマンション…65%
  • 1976年〜1980年築のマンション…11%
ハウスハウス

1975年以前だと、6割以上が容積率オーバーなんだ!

他の既存不適格の例

ちなみに既存不適格の例として、他に次のようなものがあります。

既存不適格の種類

建ぺい率オーバー
敷地面積のうち、建物が建っている面積の割合が超過している。
高さ制限違反
建物の高さの制限が違反している。
用途地域や防火地域等の地区計画違反
建物の用途、耐火の仕様などの制限に違反している。
耐震性不足
地震に対する耐力が不足している。

耐震性の不適格については、こちらで解説しています。

違法建築物ではない

既存不適格マンションは違法建築物ではありません。

建築当時の法令に違反していないので、今のままで使用するには問題ないのです。

ハウスハウス

じゃあ既存不適格でも良いんじゃないの?


家博士家博士

でも既存不適格マンションには3つの注意点があるんだ。

既存不適格マンションの3つの注意点

それぞれ解説します。

注意点1. 建替えが難しい

建替え後の建物が小さくなる

既存不適格マンション最大の問題が、建替えが難しいということ。

理由として、建て替え後の建物が今より小さくなってしまうことがあります。

建替えでは、現行の法律(容積率など)で新しい建物を建てなくてはいけません。

建替え後の規模が小さくなると、一戸あたりの専有面積が小さくなるか、一部の住民が退去する必要があります。

ハウスハウス

そんなの皆が少し我慢すれば良さそうだけど。


家博士家博士

建替えでは大幅に戸数を増やさないとダメなんだ。
戸数が増えないと、1戸あたり2千万円以上の負担になるからね。

建替えは戸数を増やして売る

マンションの建替えでは、建て替え後に戸数を増やし、その売却益で工事費用を補います。

過去の建替え事例では、建替え後の戸数は平均で約1.6倍。

戸数を2倍以上に増やした事例では、1戸あたりの負担が3百万円程度で済んでいます。

しかし戸数を増やせない場合は、1戸あたりの負担は2千万円以上に。

年金暮らしの高齢者には厳しいため、住民の意見が統一できず、建替えできない原因となっています。

ハウスハウス

でも昔のマンションは過半数が容積率オーバーなら、ほとんど建替えできないじゃないの?


家博士家博士

実際に建替えできたマンションは2%程度しかないよ。

建て替えできたマンションは2%程度

建替え対象となる旧耐震マンション103万戸のうち、実際に建替えできたのは約2%(約2.3万戸)しかありません。

【参考】国土交通省・マンションに関する統計・データ等

建替えが難しい場合、住民の8割が合意すれば建物を解体して土地を売却する選択肢もあります。

しかし土地売却も全国で10件、約600戸しか実績はありません。

ハウスハウス

建替えも土地売却もできないなら、どうなるの?


家博士家博士

空室が増えて管理が難しくなり、スラム化が進むんだ。

多くのマンションは空室が増えスラム化する

多くのマンションは建替えも土地売却もできず、所有者が高齢化して施設に入るなどで空室が増えます。

空室が全体の3割を超えると、マンションのスラム化が始まる目安。

マンションのスラム化はすでに社会問題となりつつあり、国や自治体が対策に頭を悩ませています。

マンションの建替えと寿命については、こちらの記事で詳しく解説しています。

注意点2. 住宅ローンを借りにくい

資産価値を低く評価する

既存不適格マンションは、住宅ローンを借りにくくなります。

理由として、金融機関が既存不適格マンションの資産価値を低く評価するため。

金融機関は返済が滞るとマンションを売却して融資を回収するため、確実に売れる価格で資産価値を評価します。

しかし既存不適格だと建替えが難しいので、普通のマンションより資産価値を低く評価するのです。

容積率10%オーバーが目安に

容積率が10%以上オーバーすると、ローンを利用できない金融機関が増えます。

容積率や建ぺい率は数字で表されるため、基準を満たしているか分かりやすく、住宅ローン審査で真っ先に確認されるもの。

各金融機関で審査の基準が違い、大手ほど厳しくなります。

金利が高いノンバンクなどはローン可能

既存不適格マンションでも、ノンバンクなら住宅ローンが借りやすいでしょう。

ノンバンクは普通の金融機関より金利が高くなりますが、融資条件は柔軟。

既存不適格マンションでも使える住宅ローンを探すなら、売買実績が豊富な不動産会社に聞くと良いでしょう。

注意点3. 売れにくい場合がある

既存不適格マンションは売れますが、普通のマンションに比べると売りにくくなりがち。

売れにくい理由として、ここまでの2つの注意点、建替えが難しいことと住宅ローンが借りにくいことがあります。

住宅ローンが借りられても、金利が高いと返済額が増えるため、ローン借入額は減ることに。

買主のローン借入額が少ないと、売却価格を安くしないと買主が買えません。

ハウスハウス

建替えが難しいし、住宅ローン審査に通りにくいと、確かに売るのは難しそうだね。


家博士家博士

ただし既存不適格でも、普通に売れるマンションもあるんだ。

既存不適格でも普通に売れるマンションもある

既存不適格でも比較的普通に売れるマンションも多くあります。

具体的には次の様なマンション。

既存不適格でも比較的普通に売れるマンション

  • 築20年以内など築年数が浅い
  • 最寄り駅から徒歩7分以内など立地が良い
  • 容積率オーバー10%未満など不適格のレベルが軽微
  • 再開発で建替えの可能性が高い
  • 管理組合がしっかり活動し、建替えや解体の話が進んでいる

ちなみに、ここで築年数20年や徒歩7分というのは、あくまで目安。

例えば、東京の山手線内側など地価が高いエリアなら、築30年でも普通に売れます。

また人気ターミナル駅なら徒歩10分でも普通に売れるし、逆に各駅停車しか止まらない郊外駅では徒歩3分でも難しいことがあります。

ハウスハウス

既存不適格でも普通に売れるかもしれないけど、判断が難しそうだね


家博士家博士

そうなんだ。
既存不適格マンションが普通に売れるかは、不動産のプロでも意見が分かれるほど難しいケースもあるんだ。

まず普通に売れないか確認してみよう

既存不適格マンションでも、条件次第では普通に売れる可能性があります。

ただしその判断はプロでも意見が分かれるため、慎重に判断しましょう。

実績豊富な不動産会社3社以上に無料査定を依頼

普通に売れるか正確に調べるなら、実績豊富な不動産会社に無料査定を依頼して、意見を聞くと良いでしょう。

ただし担当者レベルで当たり外れもあるので、3社以上に当たる方が安全です。


ハウスハウス

実績が豊富な不動産会社はどこなの?


家博士家博士

都市部なら大手3社が強いね。


実績は大手3社が強い

売買仲介件数ランキング上位35社
(2023年3月)

不動産会社の売買仲介件数ランキング2023年3月

不動産売却の実績は、大手3社に偏っています

三井のリハウス住友不動産販売東急リバブルの3社は、仲介件数が2万件を超えており、大手の中でも圧倒的。

都市部で査定を依頼するなら、これら大手3社を中心に考えると良いでしょう。

ハウスハウス

大手3社は別格だね。


家博士家博士

3社もそれぞれ特徴があるから、解説しよう。

【大手1】三井のリハウス
37年連続で売買仲介件数1位

三井のリハウス

  • 店舗数 286店舗
    (首都圏182、関西圏46、中部圏25、札幌9、東北6、中国9、九州9)
  • 三井のリハウスは、37年連続で売買仲介件数1位と業界を代表する不動産会社。

    独自の査定システムは精度が高く、売主の約76%がほぼ提案価格(提案の95%以上)で成約しています。


    多くの購入希望者を抱えるため早く売れることも強みで、売主の65%が2ヶ月以内に成約するほど。

    また担当者のレベルが高いことにも定評があり、顧客満足度は96%と高評価です。

    家博士家博士

    業界を代表する会社だから、初めての売却ならまず話を聞いてみると良いよ。
    他と比較する基準にもなるからね。

    三井のリハウスの無料査定はこちらから
    三井のリハウス

    【大手2】住友不動産販売
    熱心な営業スタイルに定評

    すみふの仲介ステップ

    • 店舗数 234店舗
      (首都圏136、関西圏58、中部東海15、北海道8、東北4、中国7、九州6)

    住友不動産販売(すみふの仲介ステップ)は、営業マンの熱心な営業スタイルに定評があります。

    現在の購入希望者の登録数も公開しており、常に2万人を超える希望者が登録。

    自社ホームページの月間来訪者数は300万件以上、登録物件数は2万8千件以上と十分なスケールメリットもあります。

    家博士家博士

    スマートでクールな営業より人情深く熱心な営業が好みなら、他より出会える可能性が高いかも。


    【大手3】東急リバブル
    東急沿線や大型案件に強み

    東急リバブル

    • 店舗数 216店舗
      (首都圏141、関西圏42、名古屋11、札幌9、仙台6、福岡7)

    東急リバブルは売却に便利なサービスが充実しています。

    例えば予定期間で売れないと査定価格の90%などで買取る「買取保証」は、買い替えで安心。

    またリフォーム込で売り出す「アクティブ売却パッケージ」は、築古マンションを売り出す方法として効果的です。

    家博士家博士

    初めての買い替えや売却で心配なら、話を聞いてみると良いね。

    東急リバブルの無料査定はこちらから
    東急リバブル

    大手にまとめて査定を依頼するなら「すまいValue」

    大手3社にまとめて無料査定を依頼するなら、一括査定サイトの「すまいValue」が便利。

    すまいValueは、大手上位6社(三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー)が共同運営する一括査定サイトです。


    すまいValue

    すまいValueの公式サイトはこちら
    すまいValue

    ハウスハウス

    とりあえず大手3社に査定を依頼すれば良いの?


    家博士家博士

    売却予定なら個人の相性もあるから、大手3社以外と比較した方が良い。
    首都圏・関西圏ならエージェント制のSRE不動産(旧ソニー不動産)、それ以外なら地域で実績No.1の会社にも査定を依頼しよう。

    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    売主だけを担当するエージェント制

    SRE不動産
    大手と比較するならSRE不動産(旧ソニー不動産)が良いでしょう。

    なぜならSRE不動産は、大手で問題になりがちな両手仲介が無いため。
    (※両手仲介とは売主と買主を同じ不動産会社が担当すること。大手は顧客を多く抱えるため、自然と両手仲介が多くなる。)

    SRE不動産は、業界初のエージェント制で売主だけを担当。
    買主は無数にある他の不動産会社が積極的に探します。

    結果として、大手にも劣らない販売力で、早く高く売れやすいことが最大のメリット。

    ただし営業エリアは首都圏・関西圏限定です。

    家博士家博士

    SRE不動産は業界でも両手仲介無しで知られているから、他社が競って営業してくれる。
    大手と話を聴き比べて、自分に合ってる方を選ぶと良いよ。

    SRE不動産(旧ソニー不動産)の公式サイトはこちら
    SRE不動産

    その他エリアは地域No.1を探す

    大手やSRE不動産の営業エリア外なら、地域で実績No.1の不動産会社を中心に選びましょう。

    実績No.1の不動産会社は、実績をアピールしているのですぐに分かります。

    不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトをいくつか併用すると良いでしょう。

    全国対応の主要な一括査定サイトとして次があります。

    その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。

    ハウスハウス

    普通に売れなかったら、どうすればいいの?


    家博士家博士

    不動産会社が売り方を提案してくれるよ。
    4つの売り方があるから、知っておこう。

    売れにくい既存不適格マンションを売る4つの売り方

    普通には売れない既存不適格マンションでも、売却をあきらめる必要はありません。

    既存不適格マンションを、なるべく高く売却する4つの方法を紹介します。

    既存不適格マンションは、時間と手間をかけるほど、高く売れる可能性が高くなります。

    あなたが売却にかけられる『時間と手間』によって、最適な方法を選んで下さい。

    それぞれ詳しく解説します。

    方法1. 不動産会社の買取

    既存不適格マンションを最も楽に、最短10日で売る方法は、不動産会社の買取。

    普通に売る『仲介』でなく、不動産会社が直接買い取る方法で、こちらのイメージです。

    買取と仲介のイメージ

    買取では、不動産会社が買い取るため、住宅ローン審査に通らない問題はありません。

    ただし、買取のデメリットは、仲介で普通に売るより、価格が2〜4割安くなってしまうこと。

    そこで買取で少しでも高く売るために、少しだけ手間をかけます。

    買取で高く売る2つのポイント

    既存不適格マンションを、買取で少しでも高く売るには、次の2つがポイント。

    買取で高く売る2つのポイント

    1. 自社で買い取る不動産会社を中心に探す
    2. なるべく多くの不動産会社に査定を依頼する
    買取で高く売るポイント1. 自社で買い取る不動産会社を中心に探す

    買取では自社で買い取る不動産会社を中心に探しましょう。

    買取といっても、提携している買取業者に仲介する不動産会社があります。
    自社買取と提携業者買取の違い
    この場合は、仲介手数料(売却価格×3%+7万円+消費税)がかかってしまうことに。

    一方で、自社で買い取る不動産会社であれば、仲介手数料は不要。
    その分手取りの金額は多くなります。

    買取で高く売るポイント2. なるべく多くの不動産会社に査定を依頼する

    買取では、査定価格がそのまま買取価格になります。

    つまり10社、20社となるべく多くの不動産会社に査定を依頼して、最高値の不動産会社を探すことがポイント。

    ハウスハウス

    でも、どこの不動産会社の査定価格も、同じ様な価格じゃないの?

    家博士家博士

    実は不動産会社の中には、高い価格で査定するところもあるんだ。
    決算などの社内事情や査定ミスが原因だから、多くはないけどね。


    既存不適格マンションの査定はプロでも難しいため、査定価格もバラつきがち。

    なるべく多くの不動産会社に当たるほど、査定価格が高い不動産会社が見つかる可能性は高くなるでしょう。

    といっても、不動産会社を探して1社ずつ査定を依頼するのは大変です。

    手間をかけずに10社、20社と多くの不動産会社へ査定を依頼するためには、複数の一括査定サイトを併用すると良いでしょう。

    主要な一括査定サイトは、こちらでまとめています。

    方法2. 仲介で相場より少し安く売る

    既存不適格マンションを、やや楽に10日〜3ヶ月程度で売る方法は、仲介で相場より少安く売る方法。

    方法1で解説したように、買取では、仲介の価格より2〜4割安くなってしまいます。

    そこで普通に仲介で、相場より1割ほど安く売るのがこの方法。

    少し時間はかかりますが、既存不適格マンションでも価格が安ければ買う人は見つかります。

    買取より時間はかかりますが、高く売れる可能性が高いでしょう。

    この方法で高く売る2つのポイント

    この方法で高く売るためのポイントは次の2つ。

    1. 買取と仲介の価格相場を把握する
    2. 良い不動産会社を選ぶ

    具体的には、次の手順で進めると、2つのポイントはクリアできます。

    高く売るための手順

    1. まずエリアでマンション売却実績が豊富な3〜6社に、買取と仲介の両方で無料査定を依頼。
    2. 各社と電話して、次の内容をヒアリング。
      1. 査定価格の計算根拠
      2. 仲介で売却する場合のアドバイス
      3. その他、現在の市況など
    3. 全ての会社にヒアリングして、もっとも信頼できそうな不動産会社を選ぶ。
      売出し価格の参考にする買取価格は、その会社か、全社の平均値を使う。

    ハウスハウス

    エリアでマンション売却実績が豊富な不動産会社は、どうやって探せばいいの?


    家博士家博士

    不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると簡単だよ。


    方法3. 仲介で工夫して長期間かけて売る

    既存不適格マンションをなるべく高く売却するなら、仲介で工夫して、長時間かけて売るしかありません。

    価格をなるべく安くせずに売るには、少し大変ですが工夫が必要です。

    また売れにくい既存不適格マンションをなるべく高く売るには、最短でも3ヶ月以上は時間がかかると覚悟したほうが良いでしょう。

    ハウスハウス

    仲介で工夫って、何をすればいいの?


    家博士家博士

    具体的には4つあるね。

    仲介で高く売る4つの工夫

    既存不適格マンションを、仲介で高く売るための4つの工夫はこちら。

    仲介で高く売る4つの工夫

    1. 優秀で信頼できる不動産会社を選ぶ
    2. 住宅ローンの使える金融機関を紹介する
    3. リフォームプラン付きで売り出す
    4. マンションの価値を向上して売り出す

    それぞれ解説します。

    工夫1. 優秀で信頼できる不動産会社を選ぶ

    4つ工夫のうち、これが最も大切。

    不動産の売却では、不動産会社選びで8割が決まるといわれます。

    なぜなら、ほとんどの売却活動は不動産会社にお任せすることになり、売主ができることは限られるため。

    優秀な不動産会社なら、既存不適格マンションを売る方法を知っています。

    おそらく残り3つの工夫は不動産会社から提案されるでしょう。

    さらにあなたのマンションに最適な方法を紹介される可能性もあります。

    不動産会社選びで成功すれば、既存不適格マンションを売却できる可能性は高くなるでしょう。

    優秀で信頼できる不動産会社を選ぶ3ステップ

    優秀で信頼できる不動産会社を選ぶ方法は、次の3つのステップ。

    優秀で信頼できる不動産会社を選ぶ3ステップ

    1. エリアで売買実績が豊富な不動産会社を選ぶ。
    2. このうち複数(3〜6社程度)の不動産会社へ無料査定を依頼。
    3. 各社の査定価格を受け取ったら、1社ずつ話を聴き比べて、最も信頼できそうな不動産会社を選ぶ
    ポイントは査定価格だけでなく、信頼できそうかで選ぶ

    不動産会社選びで注意したいのは、査定価格が最も高い不動産会社を選ぶのでなく、信頼できそうな不動産会社を選ぶこと。

    なぜなら仲介の査定価格は、売れるであろう予想価格に過ぎないため。

    その価格で売れると、不動産会社が保証してくれるわけでもありません。

    不動産会社の中には、仲介契約を目的に、実際には売れない高めの査定価格を出すところも一部あります。

    この様な不動産会社を見抜くためには、査定を依頼するときに、買取と仲介の両方で査定してもらうと良いでしょう。

    なぜなら買取価格は自社で買い取るため本音の価格だから。

    買取と仲介で査定価格の差が大きい不動産会社は、信頼できない恐れがあります。

    工夫2. 住宅ローンの使える金融機関を紹介する

    これは優秀な不動産会社であれば、勝手に準備してくれます。

    買主にとって問題となる金融機関選びを、先に解決することで、既存不適格マンションでも売れやすくなります。

    不動産会社によって提携している金融機関が違うので、査定時に確認すると良いでしょう。

    工夫3. リフォームプラン付きで売る

    そのまま売却するのではなく、あらかじめリフォームプランを付けて売る方法も良いでしょう。

    建物全体の建て替えは難しい既存不適格マンションも、専有部分のリフォームなら可能。

    例えばパナソニックグループのリアリエなら、複数のリフォームプランが付けられます。

    また大手不動産会社では、CGでリフォーム後のイメージ写真を作成してくれるところも。

    不動産会社によってリフォームの提案力は大きく違うので、査定時によく話を聞いておきましょう。

    工夫4. マンションの価値を向上して売り出す

    マンションの価値を向上して、売り出します。

    具体的には、次のような方法があります。

    マンションの価値を向上する方法

    建物保証や設備保証を付ける
    大手不動産会社では、会社独自の建物保証や設備保証があります。
    また既存住宅売買瑕疵保険に加入する方法もあります。
    フラット35適合証明を取得する
    フラット35適合証明を取得すれば、フラット35を利用して購入を検討している買主に選ばれやすくなります。
    管理組合の活動を強化する
    マンションの管理組合の活動を強化することで、マンション全体の質を向上する方法。管理が重視されつつあるため、これからは有効になるでしょう。例えば、長期修繕計画を見直す、マンションみらいネットなどにマンション情報を登録するなど。財務体質改善と情報発信が有効です。

    方法4. 既存不適格を解決して売る

    最後の方法は、かなり大変ですが、成功すればマンション価格は普通のマンション以上に高くなる可能性があります。

    既存不適格の問題を解決するためには、個人でなくマンションの管理組合単位で、問題解決に向けて動きます。

    具体的な解決方法は、次のいずれか。

    1. 隣接敷地所有者と協議して、隣接敷地を買取るか、一体で建替えの計画を進める。
    2. 自治体と協議して、容積率の緩和など特別な条件交渉をする。

    具体的な建替え事例は、こちらにまとめられています。
    マンション再生協議会 特徴別建替え事例の分類

    建替えの計画が承認されなくても、交渉が進み、建替えの目処が立てば、マンションの価値は上がります。

    なぜなら普通の買主ではなく、投資目的の購入者がいるため。

    通常なら数年はかかりますし、大変な作業ですが、退職後の趣味などとしてチャレンジしてみる価値はあるかもしれません。

    まとめ

    ここまで既存不適格マンションを売る注意点と売り方を解説してきました。

    まず普通に売れないか、複数の不動産会社へ無料査定を依頼して、意見を聞きましょう。

    普通に売れそうにない場合は次の4つの方法から、売却にかける手間と時間によって、最適な方法を選ぶと良いでしょう。

    1. 【楽々・最短10日】 不動産会社の買取
    2. 【やや楽・10日〜3ヶ月】 仲介で買取価格より少し高く売る
    3. 【少し大変・3ヶ月〜】 仲介で工夫して長期間かけて売る
    4. 【かなり大変・数年?】 既存不適格を解決して売る

    都市部なら大手3社(三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル)が実績豊富。

    とりあえず1社だけ査定を依頼するなら、37年連続で実績1位の三井のリハウスが良いでしょう。

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    首都圏・関西圏以外の都市部で大手と比較する場合や、大手の営業エリア外の地方では、一括査定サイトを利用すると良いでしょう。

    全国対応の一括査定サイトとして定番はこちら。

    その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。

    あなたの不動産売却が成功することを、心よりお祈りしております!