「旧耐震基準のマンションだけど、売れるの?」
旧耐震基準のマンション売却で、お悩みでしょうか?
旧耐震基準だから、大きな地震で倒壊しないか心配…。
売るにしても、そんなマンションが売れるの?
実際のところ、どうなの?
そんなあなたのために、旧耐震基準のマンション売却について解説します。
結論から言うと、旧耐震マンションでも売ることは可能ですが、なるべく急いだ方が良いでしょう。
例えば国土交通省は、令和7年(2025年)までに、耐震性の無いマンションをゼロにする目標で規制を強めています。
旧耐震マンションの売却が難しくなり、耐震改修で多額の費用負担を負うリスクは高まっています。
この記事では、旧耐震基準のマンションの現状と見通しについて解説。
さらに高く売るコツ、どうしても売れない場合の選択肢について解説します。
マンションを適正な価格で売ることで、豊かな老後に役立てましょう。
あなたの旧耐震マンションの売却が成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。
この記事のもくじ
旧耐震基準のマンションは全国に106万戸
現在のマンションの総戸数は、推計で644.1万戸。
そのうち、106万戸が旧耐震基準のマンションだと推計されています。
全体の16%が旧耐震のマンションということになるので、意外に多いと感じるのではないでしょうか。
正確には1981年5月以前に建築確認済証が交付され着工したマンションのこと。
マンションの場合、建築期間が1〜2年程度かかるので、竣工が1982〜1983年ぐらいは新旧どちらの場合もありえます。
旧耐震基準のマンションは売れるが、売りにくい
旧耐震基準のマンションは売れますが、売りにくいのが現実。
売りにくい最大の理由は、住宅ローンが借りにくいため。
特にフラット35では、旧耐震基準で建てられた建物の場合「耐震評価基準」などに適合していなければ利用できません。
住宅ローンを申込む前に評価基準に適合しているかどうかをチェックする必要があり、余計に手間がかかってしまうのです。
結果的に手間が増えて住宅ローンも借りにくくなり、買い手もそう簡単には見つからないというわけです。

耐震基準って単に安心感があるかどうかだけでなく、住宅ローンにも影響するんだね

実は住宅ローン以外にも様々な影響があるんだよ
住宅ローン以外に旧耐震基準が影響するもの
- 住宅ローン減税が使えない
- 10年で最大400万円の節税になる住宅ローン減税が使えるのは、マンションの場合、築25年以内の建物の場合。
25年を超える場合は既存住宅売買瑕疵保険を付けるか、耐震基準適合証明書を取得する必要があります。 - すまい給付金が使えない
- 売主が宅建業者の場合に受け取れるすまい給付金ですが、耐震等級1以上の住宅でなければ使えません。
旧耐震基準の建物は、耐震等級1以下であることがほとんどです。 - 贈与の非課税制度、不動産取得税や登録免許税の優遇が使えない
- 贈与税や登録免許税に関しては、築25年以内でなければNG。
不動産取得税は自治体によっても多少違いがありますが、旧耐震基準の場合は使えないことがほとんどです。 - 地震保険が高くなる
- 耐震性能が高いと割引が受けられる地震保険ですが、旧耐震基準では割引がないため、保険料が高額になります。
いろいろと不利な旧耐震ですが、それでも旧耐震マンションの場合は、割安感を求める買主が意外に多いもの。
ここが旧耐震の一戸建てとの違いとも言えます。
こうした買主を狙うのが旧耐震基準のマンション売却の秘訣です。
ではどういう旧耐震マンションが売れているのでしょうか。
駅徒歩7分以内なら旧耐震でも売れている
旧耐震基準であっても売れているマンションの特徴として、立地条件の良さが挙げられます。
具体的には、中古マンションを探す人の8割以上が最寄り駅から徒歩7分以内を探すという調査結果もあります。
最寄り駅から徒歩7分以内であれば、旧耐震基準のマンションであっても売れているのです。
背景にあるのがリノベーションブーム。
リノベーション目的でマンションを購入する人は、築年数や部屋の綺麗さなどにあまりこだわりません。
その代りに、立地条件のいいマンションを探すのです。
また、旧耐震基準のマンションは築35年以上のいわゆる「築古マンション」なので、価格もほぼ底値。
(2018年)
「これ以上価格が下がることがない」というお得感も、旧耐震マンションの購入を決断するのに一役買っているのです。

新旧どちらの耐震基準だったとしても、最寄り駅から徒歩7分以内なら売れる可能性が高くなるんだね

そう。とにかく立地は重要なポイントだからね。もし、最寄り駅からの距離が徒歩7分以上に立地しているなら、とにかく早く動くことが重要になってくるよ
売るなら早く動いた方がいい
いずれ売ろうと考えているのであれば、なるべく早く動く方が良いでしょう。
旧耐震のマンションは、住民も高齢化しているため、施設への入居などをきっかけに、今後は多くの旧耐震マンションが売りに出されることが考えられます。
持ち家の27%が空き家予備軍
2025年には団塊の世代が75歳以上になり、多くの人が施設へ入居します。
そうなると空き家は一気に増加。
すでに2018年時点で、全国の居住中の持ち家2,864万戸に対し、779万戸(27%)が65歳以上の高齢者のみの世帯。
実に27%もの住宅が「空き家予備軍」となっているのです。
地方だけでなく、東名阪エリアでも空き家予備軍は370万戸(27%)。
実際にこれだけ空き家が増えると、家を売ろうにも供給過多で売れないことが予想されます。
【参考】総務省統計局・住宅土地統計調査
国土交通省の目標は2025年にゼロ
国土交通省の目標として、2025年に耐震性のない住宅をゼロにすると公表しています。
つまり旧耐震マンションは、次の3つのいずれかになるということ。
- 耐震診断で新耐震基準相当の耐震性が有ると判明する。
- 耐震診断で不足する耐震性を補うため、耐震補強工事を行う。
- 耐震診断で耐震性が不足するため、解体する。
耐震診断も耐震補強工事も、国や自治体からある程度の補助金はありますが、基本的に住民が費用を負担します。
費用負担については、後で詳しく解説します。
旧耐震基準のマンションを高く売るコツ
旧耐震のマンションを売ると決めたなら、高く売りたいもの。
少しでも高く売るコツとして、次の3つが挙げられます。
旧耐震基準のマンションを高く売るコツ
コツ1. リフォームはせず費用分を値下げして売る
旧耐震基準マンションの買い手は、その多くがリフォームや耐震改修をします。
だから少し高めの価格設定にした上で、「リフォームや耐震改修の費用◯百万円を売り主負担!」とした方が売れやすいのです。

売る前に、自分でリフォームしておくのはダメなの?

基本的にはリフォームせずに売る方がオススメ。
リフォーム費用を売却価格に上乗せするとと、相場より高くなってしまう。
それに、リフォームは購入者が自分で好きなようにやるのが一番!
だから、費用分を値下げするだけでOKなんだ
コツ2. リフォームプラン付きで売る
リフォーム費用を安くするだけでなく、あらかじめリフォームプランをいくつか付けたうえで売る方法もあります。
買い主はリフォーム会社を別に探す手間がなくなるので、その分売れやすくなります。
こうした売り方を提供しているのは、パナソニックグループの「リアリエ」
比較的新しい売り方ですが、幅広い購入希望者層に見てもらえる可能性があります。
リアリエについて、こちらの記事で詳しく解説しています。
コツ3. 実績豊富で信頼できる不動産会社を選ぶ
3つ目は、実績豊富で信頼できる不動産会社を選ぶこと。
不動産会社選びで、マンション売却の成否は8割が決まります。
売却実績が豊富な不動産会社は、旧耐震基準のマンションの売買経験も豊富。
3〜6社程度の不動産会社に相談し、それぞれ売却戦略などを聞き比べると、信頼できる不動産会社が分かります。
少し手間はかかりますが、不動産会社選びさえ間違えなければ、後はお任せできます。
「複数の不動産会社と言われても、どこがいいのか分からない」という場合には、一括査定サイトを利用すると良いでしょう。
一括査定サイトの定番3社
一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。
一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。
この3社以外についてはこちらにまとめています。
すまいValue
- 査定実績:
- 40万件
- 不動産会社数:
- 大手6社・全国890店舗
- 運営会社:
- 大手6社共同運営
大手6社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル・野村の仲介+・三菱地所ハウスネット・小田急不動産)が共同で2016年に設立した一括査定サイト。
6社といっても全国890店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。
売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。
首都圏以外のほとんどの地方都市でも、三井・住友・東急の3社が売却実績のトップ3を独占しています。
2021年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトです。
簡易査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。管理人のコメント
地方では大手より地域密着の中小が強い場合もあるので、3位のHOME4Uも確認した方が良いでしょう。
しかし都市部では「すまいバリュー」が定番です。
特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。優秀な営業マンも数多く抱えています。SRE不動産(旧ソニー不動産)
- 査定実績:
- (2014年開始)
- 不動産会社数:
- 売主側1社(買主側多数)
- 運営会社:
- SREホールディングス株式会社
すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。利用できるエリアは首都圏と関西圏限定です。
あのソニーが始めた不動産会社で、売主だけを担当するエージェント制が特徴。無数にある他の不動産会社が買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。管理人のコメント
大手不動産会社でエージェント制はSRE不動産だけ。話を聞くと売却活動に役立つでしょう。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで査定を依頼することがポイント。まずメールで概算価格を査定してくれます。
HOME4U
- 査定実績:
- 累計40万件(2001年開始)
- 不動産会社数:
- 1,500社
- 運営会社:
- 株式会社NTTデータ・スマートソーシング
日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始依頼、査定累計数40万件と実績も豊富。運営は東証1部上場の株式会社NTTデータのグループ会社。
不動産会社は大小バランスよく登録されているため全国どこでも幅広く依頼ができます。
机上査定を選ぶと、郵送やメールで査定可能。管理人のコメント
HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多いため、自然と査定精度が高くなる仕組みになっています。
ちなみに記入した内容はまた不動産会社と話をするときに修正できます。
あまり真剣に悩まず、とりあえず現時点の希望を書いておく程度で大丈夫。
不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。
【公式サイト】すまいValue
【公式サイト】SRE不動産
【公式サイト】HOME4U
売れない場合は即時買取という選択肢も
売り出したけれど、競合も増えてなかなか売れそうにない…
そんなときには、不動産会社による即時買取という選択肢もあります。
買取再販業者はリノベーションして高く売れる
即時買取によって買い取られたマンションは、リノベーションされるのが一般的。
買取業者はリノベーションによって部屋を一新し、高く売っているのです。

リノベーションして高く売れるなら、自分でリノベーションして売ればいいんじゃないの?

買取再販業者も宅建業者。個人ではなく、宅建業者が売るから高く売れるんだ
実は、個人からの購入ではなく宅建業者から購入するからこそ、利用できる給付金などがあるのです。
買取再販業者が高く売れる理由
買取再販業者が高く売れるのには、次のような理由があります。
理由1. 住宅ローンが借りやすい
住宅購入時に住宅ローンを利用する人が多い以上、住宅ローンの借りやすさは大事なポイントになります。
買取再販業者の中には金融機関と提携した「提携ローン」があることも。
自分で借入先を探す手間も省けます。
理由2. 単価が安く効率的なリフォームなど特殊なノウハウが豊富
会社として多くの物件を手がけているため、安くて効率的なリフォーム・リノベーションができるのも買取再販業者ならでは。
様々な物件をリフォーム・リノベーションしているという実績から、個人とは比べ物にならないほど豊富なノウハウを持っています。
理由3. 仲介手数料が不要な場合が多い
リフォーム済み・リノベーション済みの物件は、売主が宅建業者であることがほとんど。
買取再販業者など、売主が宅建業者(不動産会社)の場合は仲介手数料が不要です。
もっとも、その分は売値に上乗せされているのですが、普通の人は手数料無料というとお得に感じるので、売れやすくなります。

仲介手数料が必要になるのは、売主が一般の人の場合。
この場合は売買価格の3%+6万円+消費税がかかるけれど、買取再販業者が売主なら、この分は不要になるんだ
理由4. 税金面でのメリットや安心感がある
税金の軽減や特別控除のほか、引渡し後にトラブルがあった場合でも安心できるのもメリット。
具体的には、次のようなものがあります。
- ・住宅ローン控除が最大200万円から400万円に
- 買取再販業者などから家を買うと、消費税がかかります。
消費税がかかる場合、住宅ローン控除の控除額が最大400万円に!
なお、一般の人から買い取った場合は消費税がかかりませんが、最大控除額は200万円までになります。 - ・すまい給付金が受けられる
- これも、買取再販業者など宅建業者が売主の場合にのみ、もらえる給付金です。
給付額は購入者の収入および持分割合によって決まります。 - ・登録免許税の軽減がある
- 宅建業者が大規模な模様替え等を行った住宅は、登録免許税が軽減されることになっています。
本来は固定資産税評価額の0.3%となるところが、0.1%となります。 - ・既存住宅売買瑕疵保険に売主が加入するので安心
- 買取再販業者などが中古住宅を売る場合、既存住宅売買瑕疵保険に加入するのが一般的です。
これは物件の引き渡し後に何らかの不具合があった場合、保険期間内は補修費用を賄ってもらえるというもの。
対象箇所は「構造耐力上主要な部分」と「雨水の侵入を防止する部分」で、保険期間は2年または5年です。
買取なら10社でも20社でもとにかく多くの不動産会社へ査定依頼する
買取の場合は、個人間での売買と違って「売出し価格」や「成約価格」がありません。
査定価格=買取価格となります。
そのため、なるべく多くの不動産会社へ査定依頼し、高く買取ってもらえるところを見つけるのがコツ。
10社でも20社でも、とにかく多くの不動産会社へ査定依頼するようにしましょう。
不動産一括査定サイトを並行して利用すると、効率良く数多くの不動産会社へ査定を依頼できます。
不動産一括査定サイトはこちらを参考にして下さい。
旧耐震のマンションを売らずに所有するリスク
「売却するのも何かと面倒だし、売らずに所有しておいても良いのでは?」と考える人もいるかもしれません。
しかし、旧耐震のマンションを売らずに所有しておくことには、様々なリスクがあるのです。
日本はいつどこで地震が起きるか分からない
建物の耐震基準がここまで重視されるのは、日本が地震大国だから。
実際、いつどこでどんな地震が起きても不思議ではありません。
主な海溝型地震の30年以内発生確率
主な活断層における30年以内発生確率
国土交通省・2012年住宅・建築物の耐震化の促進
今後起きる可能性が高いと言われているのは、首都直下地震や南海トラフ地震。
しかし、2016年に起きた熊本地震は、2012年時点でもまさか起きるとは予想されていませんでした。
残念ながら、今の科学技術では地震の発生を予測することはできません。
地震が起きる可能性が高い地域で注意しておくのはもちろんですが、それ以外の地域であっても安心できないのです。
耐震診断の義務化や耐震改修の費用負担
近い将来、首都直下地震が起きる可能性が非常に高いと言われている東京都。
実はそんな東京でも、旧耐震のマンションにおける耐震診断実施率はわずか17.7%という調査結果もあります。
旧耐震マンションにおける耐震診断の実施状況
これは東京都が2013年に実施した「マンション実態調査」で明らかになったもの。
耐震診断を実施していないマンションのうち、半分以上の58.9%のマンションで「耐震診断の実施を検討していない」との回答でした。

耐震診断の実施を考えていないマンションも多いんだね

耐震診断をしない理由として多いのが、やはり資金面に関すること。とにかく費用面の問題が大きいんだ
耐震診断を検討していないマンションにおける実施しない理由
マンション実態調査でも、耐震診断を検討していない理由として最も多かったのが「改修工事の費用がないため」で50.1%。
次いで「診断費用がないため」が32.5%でした。
しかし、社会全体で見ると耐震診断義務化の流れが進んでいます。
2013年には「耐震改修促進法」により、地震発生の際に避難路となる幹線道路に面したマンションの耐震診断が義務化されました。
今のところ、それ以外のマンションは「努力義務」とされていますが、今後は耐震診断の義務化が進む流れです。
もし耐震診断の結果、地震耐力不足が判明すれば、耐震改修工事をしなくてはいけません。
耐震改修を実施すれば、工事費用の負担があります。
耐震改修工事の費用は、マンションの規模が小さいほど高額になる傾向があります。
マンション戸数別の耐震改修費用
修繕積立金の増額や一時金の負担
費用負担は耐震化以外の面でも。
12〜15年周期で実施する大規模修繕について、修繕積立金が不足しているマンションが増え、社会問題になっています。
中には不足額が大きくなりすぎて、大規模修繕をきっかけに修繕積立金が2〜4倍になったマンションも。
場合によっては100万円前後の一時金を支払わなければならない可能性もあります。
スラム化して売れなくなるリスクも
管理が行き届かず、築年数だけが経過していくようなマンションは、将来的にスラム化する恐れも。
「古くなれば建て替え」という選択肢もありますが、実際に建替えられるマンションはわずか2%以下。
それ以外のマンションはスラム化のリスクがあるのです。
そもそもマンションを所有している以上、管理費と修繕積立金は負担し続ける必要があります。
不動産は、他人に売るか譲るまで放棄できないのです。
相続についても同様なので、売らずに所有し続けた結果、子供にまで迷惑がかかることになってしまいます。
そもそも旧耐震基準とは
旧耐震基準とは、1981年5月31日まで適用されていた耐震基準を指します。
旧耐震基準の建物とは、現在の耐震基準で設計されていない建物というわけです。
旧耐震と新耐震の違い
旧耐震基準と新耐震基準の違いは、揺れに対する強度の違いです。
- ・旧耐震基準
- 震度5強程度までは損傷しないが、それ以上の揺れになるとどうなるか分からない
- ・新耐震基準
- 震度6強〜7までは倒壊・崩壊しない
旧耐震基準と新耐震基準の違い
旧耐震基準で建てられた建物でも、新耐震基準を満たす場合もある
旧耐震基準の建物だからと言って、必ずしも新耐震基準を満たしていないわけでもありません。
中には新耐震基準を満たした建物も存在します。
全国にある旧耐震マンション106万戸のうち、約6割が耐震性能不足と推定。
残り4割は新耐震基準を満たしていると考えられています。
しかし、新耐震基準を満たしているかどうかは、耐震診断をしなければ分からないのです。

2013年の東京都による『マンション実態調査』でも、耐震診断を実施した旧耐震のマンションの36.8%は新耐震基準を満足している結果だったよ。
知っておきたい耐震診断と耐震改修
耐震診断を実施すると、建物の耐震性能を示す指標である「Is値」が算出されます。
地域によって多少変わることがありますが、一般的に、
- Is値が0.6以上であれば安全で耐震改修の必要なし。
- 0.6未満の場合は「疑問あり」となり、耐震改修が必要です。
耐震改修は建物の弱い部分に補強を設置するもの。
耐震壁を増設したり、柱や梁を補強したりする工事を行います。
耐震診断で合格または耐震改修済みだと、耐震基準適合証明書が取得できる
旧耐震の建物であっても、耐震診断に合格する、または耐震改修工事を実施すると、「耐震基準適合証明書」が取得できます。
耐震基準適合証明書は住まいに対する安心感だけでなく、購入者にとっては税金の面でも様々なメリットがあるのです。
耐震基準適合証明書を取得するメリット
- ・住宅ローン減税が利用できる
- 旧耐震のマンションの場合、そのままでは住宅ローン減税が利用できません。
耐震基準適合証明書があれば新築や築浅のマンションを購入した場合と同様に住宅ローン減税が利用できるため、購入者にとっても買いやすくなります。 - ・登録免許税や不動産取得税が減額される
- 登記を行う際の登録免許税や、不動産取得税も減額されます。
登録免許税は、建物所有権移転が2.0%から0.3%に、抵当権設定登記が0.4%から0.1%に減額。
不動産取得税は、土地部分が45,000円以上の減額に。
建物部分は築年数によって変動しますが、こちらも減額されます。
住宅ローン減税同様、こうした減税も耐震適合証明書がなければ適用されません。 - ・固定資産税が半額になる
- 固定資産税については、1年間半額になります。
このように、耐震基準適合証明書があることのメリットは多岐にわたります。
単に「耐震基準を満たしていることの安心感」だけでなく、資金面でのメリットもあるため、旧耐震のマンションを売却する際は積極的に活用してもらいたい制度です。
先ずはいくらで売れるか無料査定から
今はマンション価格が高騰しています。
不動産価格指数(全国)

「不動産価格指数」とは
不動産価格指数とは、純粋に不動産相場の価格変動を見ることができる指数。
国土交通省がヘドニック法という統計計算手法で、年間30万件の不動産売買成約価格から築年数や立地などの余計な要素を取り除き、純粋な価格変動をまとめたもの。
3ヶ月前の売買実績を毎月末に公表。
マンションは、この7年半で52%も値上がりしています。
この売り時を逃すと、マンション価格は大きく値下がりすると予想されます。
まずはあなたのマンションがいくらで売れるか確認してみてはいかがでしょうか。
一括査定サイトの定番3社
一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。
一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。
この3社以外についてはこちらにまとめています。
すまいValue
- 査定実績:
- 40万件
- 不動産会社数:
- 大手6社・全国890店舗
- 運営会社:
- 大手6社共同運営
大手6社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル・野村の仲介+・三菱地所ハウスネット・小田急不動産)が共同で2016年に設立した一括査定サイト。
6社といっても全国890店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。
売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。
首都圏以外のほとんどの地方都市でも、三井・住友・東急の3社が売却実績のトップ3を独占しています。
2021年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトです。
簡易査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。管理人のコメント
地方では大手より地域密着の中小が強い場合もあるので、3位のHOME4Uも確認した方が良いでしょう。
しかし都市部では「すまいバリュー」が定番です。
特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。優秀な営業マンも数多く抱えています。SRE不動産(旧ソニー不動産)
- 査定実績:
- (2014年開始)
- 不動産会社数:
- 売主側1社(買主側多数)
- 運営会社:
- SREホールディングス株式会社
すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。利用できるエリアは首都圏と関西圏限定です。
あのソニーが始めた不動産会社で、売主だけを担当するエージェント制が特徴。無数にある他の不動産会社が買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。管理人のコメント
大手不動産会社でエージェント制はSRE不動産だけ。話を聞くと売却活動に役立つでしょう。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで査定を依頼することがポイント。まずメールで概算価格を査定してくれます。
HOME4U
- 査定実績:
- 累計40万件(2001年開始)
- 不動産会社数:
- 1,500社
- 運営会社:
- 株式会社NTTデータ・スマートソーシング
日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始依頼、査定累計数40万件と実績も豊富。運営は東証1部上場の株式会社NTTデータのグループ会社。
不動産会社は大小バランスよく登録されているため全国どこでも幅広く依頼ができます。
机上査定を選ぶと、郵送やメールで査定可能。管理人のコメント
HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多いため、自然と査定精度が高くなる仕組みになっています。
ちなみに記入した内容はまた不動産会社と話をするときに修正できます。
あまり真剣に悩まず、とりあえず現時点の希望を書いておく程度で大丈夫。
不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。
【公式サイト】すまいValue
【公式サイト】SRE不動産
【公式サイト】HOME4U