「マンションを売却すると、今まで払った管理費・修繕積立金は返還されるの?」

マンション売却で、管理費・修繕積立金の返還についてお悩みですね。

確かにマンションを売却するなら、少しでも多くの金額を手元に残したいもの。

特に毎月払ってきた管理費・修繕積立金はかなりの金額だし、特に修繕積立金は積立だから返還されそう…。

そんなあなたのために、マンション売却の管理費・修繕積立金について解説します。

またこの記事では、あなたがマンション売却で手取りを最大化する方法も合わせて解説。

あなたの資産を増やして、豊かで安心して暮らせる生活に役立てて下さい。

あなたのマンション売却が成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。

ハウスハウス

管理費はともかく、修繕積立金は積立だから戻るんじゃないの?


家博士家博士

まぁまぁ、順番に説明するから。

支払った管理費・修繕積立金は返還されない

結論から言うと、これまでに支払った管理費や修繕積立金は、マンションを売却しても返還されません。

ハウスハウス

えー、なんで戻ってこないの?


家博士家博士

一度支払った管理費・修繕積立金は、管理組合の所有になるからだよ。
管理組合の中で積み立てているだけなんだ。

管理規約と区分所有法で決まっている

マンションの管理費・修繕積立金については、マンションの管理規約で決められています。

管理規約は、あなたのマンションを含めてほぼ全てのマンションにあり、管理組合に保管されているもの。

管理規約の細かい内容はマンション毎に違いますが、元は分譲時のデベロッパーが国土交通省の標準管理規約を元に作成しているため、基本的な内容はどれも同じです。

ちなみに国土交通省が作成している『マンション標準管理規約』では、管理費・修繕積立金について次の記載があります。

第25条 区分所有者は、敷地及び共用部分等の管理に要する経費に充てるため、次の費用(以下「管理費等」という。)を管理組合に納入しなければならない。
一 管理費
二 修繕積立金

家博士家博士

区分所有者というのが、マンションの所有者のこと。
管理費と修繕積立金を管理組合に『納入』つまり納めているから、戻ってこないんだ。


マンションの管理規約については、マンションの法律『建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)』で次のように決まっています。

第三十条 建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。

ハウスハウス

法律で決まっているなら、あきらめるしか無いね。


家博士家博士

マンション売却で手取りを増やすなら、高く売ることを考えた方が確実だよ

手取りを増やす方法は『高く売ること』

今はマンション相場が高騰している

不動産価格指数(全国)

不動産価格指数(全国202404)

不動産価格指数とは

不動産相場の価格変動が純粋に分かる指数。国土交通省がアンケートで集めた年間30万件の成約価格を元に、ヘドニック法という統計計算でまとめたもの。3ヶ月前までのデータが毎月末頃に公表される。2010年の平均を100として算出。

中古マンションは約11年で92%も値上がりしています。


ハウスハウス

マンションはスゴイ値上がりだね!


家博士家博士

だから高く売れば、より多くのお金が手元に残るよ。


マンション売却で手取りを増やすためには、管理費・修繕積立金の返還より『高く売ること』を考えた方が確実です。
ハウスハウス

でもマンションを高く売る方法なんてあるの?


家博士家博士

マンションを高く売るためには、不動産会社選びが大切なんだ。
不動産会社でマンション売却の成否が8割決まるといわれているよ

マンションを高く売るには『優秀で信頼できる不動産会社』を選ぶ

マンションを高く売るためには、不動産会社選びが大切です。

大切どころか、マンション売却の成否が不動産会社選びで8割決まるといわれるほど。

なぜならマンションの売却では、売却活動のほとんどが不動産会社にお任せで、売主が出来ることは限られているからです。

優秀で信頼できる不動産会社さえ選べば、あとはお任せでスムーズに高値でマンションが売却できるでしょう。

ハウスハウス

優秀で信頼できる不動産会社はどこなの?


家博士家博士

不動産会社も支店や担当者によって当たり外れがあるから、エリアで売却実績が豊富な不動産会社3〜6社に無料査定を依頼して、話を聴き比べると良いよ

実績豊富な3〜6社に無料査定を依頼し、話を聴き比べる

優秀で信頼できる不動産会社を選ぶ手順はこちら。

  1. エリアで売買実績が豊富な不動産会社に絞る
  2. 上記の3〜6社に無料査定を依頼して、査定価格と話を聴き比べる

エリアで売買実績が豊富な不動産会社は、査定の精度も高くなります。

また今は都市部を中心に不動産価格が高騰しているため、不動産のプロでも査定が難しい状態。

不動産会社によって査定価格に差が出るため、1社だけでなく最低3社以上に査定を依頼しましょう。

ただし数が多すぎると対応が大変なので、多くても6社程度が良いでしょう。

ハウスハウス

エリアで売買実績が豊富な不動産会社は、どうやって探すの?


家博士家博士

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利だよ。
都市部なら大手を中心に選んだほうが良いね。

都市部は大手トップ3社(首都圏は4社)を中心に選ぶ

都市部では、大手トップ3社(三井のリハウス、住友不動産販売、東急リバブル)、首都圏は野村の仲介を加えて4社を中心に選ぶと良いでしょう。

売買仲介件数ランキング上位35社
(2023年3月)

不動産会社の売買仲介件数ランキング2023年3月

三井のリハウス住友不動産販売東急リバブルの3社は、仲介件数が2万件を超えており圧倒的。
数多くの顧客を抱えています。

首都圏では、実績の大部分が首都圏の「野村の仲介+」も含めてトップ4社で考えると良いでしょう。

早速、これらの大手トップ3社(首都圏は4社)にそれぞれ連絡しても良いのですが、何回も電話や訪問するのは時間もかかり大変。

しかし一括査定サイトの「すまいValue」を利用すれば、これらの大手トップ4社を含む最大6社に、まとめて無料査定を依頼できます。

すまいValueは、トップ4社を含む大手6社が共同運営する一括査定サイト。

大手4社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したので、大手4社にまとめて査定を依頼できるのはすまいValueだけです。


すまいValue

すまいValueの公式サイトはこちら
すまいValue

先払いした管理費・修繕積立金は日割り精算で戻る

管理費・修繕積立金は、通常1ヶ月分を先払いするため、売買時に売主が払いすぎた分は買主との間で精算します。

精算の日付は、売買契約の日ではなく、決済の日付。

清算金の支払いは、決済時に売買代金と相殺する形でやり取りされ、売主は領収書に印鑑を捺印します。

精算は買主と売主の合意次第で法律ではない

管理費・修繕積立金の精算は、法律で決まっているわけでなく、あくまで買主と売主の合意次第で決まります。

あまり細かい内容については、省略することもできます。

一般的には、固定資産税・都市計画税の精算はしますが、他は

他に精算するもの

管理費と修繕積立金の他に、合わせて次の様なものを精算します。

決済時に他に精算するもの

  1. 固定資産税・都市計画税
  2. 以下は、もしあれば精算の対象になります

  3. 管理費・修繕積立金の滞納分
  4. 遅延損害金
  5. 修繕一時金
  6. 駐車場使用料
  7. バイク・自転車置場使用料
  8. ルーフバルコニー・専用庭使用料
  9. トランクルーム使用料
  10. 組合費
  11. 個別水道使用料・冷暖房料・給湯料

ハウスハウス

こんなの計算するの大変だよ!


家博士家博士

精算の詳しい内容は、不動産会社がまとめて計算してくれるから、漏れがないかだけチェックしよう。


固定資産税・都市計画税の精算については、こちらで詳しく解説しています。

管理費・修繕積立金の滞納については、買主が引き継ぐことになります。

滞納分の支払い義務(債務)は買主に引き継がれる

売主が管理費や修繕積立金を滞納していた場合、滞納分を支払う義務(債務)は買主に引き継がれます。

ハウスハウス

管理費や修繕積立金を滞納していたのは売主なのに、買主が支払うことになるの?


家博士家博士

これもマンションの管理規約で決まっているよ

管理規約で決まっている

国土交通省のマンション標準管理規約には、次の記載があります。

第26条 管理組合が管理費等について有する債権は、区分所有者の特定承継人に対しても行うことができる。

債権特定承継人というのが、マンションの買主のこと。

ハウスハウス

じゃあ滞納分は、売り主が受け取る売却代金からマイナスされるんだね。


家博士家博士

滞納したままだと、マンションの区分所有権を失う恐れもあるからね。
管理組合には、マンション所有者から滞納分を回収する権利があるんだ

税金の滞納は売主に納税義務が残る

一方で、固定資産税や都市計画税といった税金の滞納については、売却後も売主に納税義務があります。

管理費や修繕積立金のように、売却したからといって買主に移るわけではありません。

そもそも、税金の滞納は自己破産しても残ります。

家博士家博士

税金は免責の対象とならない「非免責債権」なんだ

非免責債権以外の債権(各種ローンなど)については、自己破産することで支払う義務が無くなります。

しかし税金は支払う義務が残るため、支払わずにいるとマンションなどの財産が差し押さえられる可能性も。

税金の滞納だけは、いきなり財産を差し押さえる特別な権限が認められています。

マンションに差押登記が設定されると、売ることすらできません。


ハウスハウス

いろんな支払いが厳しくなったら、まず税金の支払いを優先した方が良いんだね


家博士家博士

税金は請求がうるさくないから後回しにしがちだけど、優先して支払おう。
役所に相談すれば、分割払いなどにしてもらえる可能性もあるよ


支払う意思があることを伝えたり、どういった払い方なら対応できるかなど、役所と相談してみましょう。

滞納した管理費・修繕積立金は管理組合が回収する

管理費・修繕積立金の滞納分は、管理組合が回収します。

区分所有法7条により、管理組合には『先取特権』が認められています。

先取特権とは
債務名義(確定判決等)を取得せずに、担保不動産競売を申し立てることにより、他の一般債権者に優先して弁済を受けることができる権利。

しかし先取特権は、「区分所有権(共用部分に関する権利及び敷地利用権を含む。)及び建物に備え付けた動産」(同法第7条)に限定されています。

さらに先取特権は、税金の滞納や住宅ローンの滞納で差し押さえする権利(公租公課及び抵当権等の登記された担保権)より弱いという欠点も。

結局、裁判所に申し立てる手間が大変で、弁済交渉を続けるケースが多くなっているのが現状です。

裁判所に申し立てる場合は、強制執行か競売

管理組合が、管理費等の滞納で裁判所に申し立てる場合、まず債務名義という差し押さえる権利を取得して、区分所有者の資産を差し押さえます。

それでも全額が回収できない場合は、区分所有法59条による区分所有権の競売請求訴訟でマンションを競売します。

ハウスハウス

マンションの管理費・修繕積立金を滞納してなければ、精算だけ考えれば良いの?


家博士家博士

実はマンションを売るためには、費用もかかるよ。

マンション売却では費用もかかる

マンション売却では、売却費用がかかります。

マンション売却費用の目安は売却価格の3.5〜5%程度。

売却費用について、詳しくはこちらで解説しています。


ハウスハウス

マンションを売ると、費用までかかるのに、何か良いことないの?


家博士家博士

少しいい話だけど、戻ってくるお金もあるよ

マンションを売却して戻ってくるお金もある

売却すると管理費や修繕積立金は戻ってこない一方で、戻ってくるお金もあります。

売却で戻ってくるお金

・先払いした月の管理費・修繕積立金は日割り精算
本来は買主が支払うことになる管理費や修繕積立金を、売主であるあなたが先払いしていた場合。
これは日割り精算して、多く支払った分を買主から受け取ることになります。
・固定資産税や都市計画税
こうした税金は、1月1日時点の所有者に税金の支払い義務があります。
しかし年の途中で売却するので、こちらも日割り精算することに。
日割り精算の起算日は1月1日または、4月1日(関西式)のいずれか。
交渉できるなら起算日を4月1日(関西式)にしてもらうと良いでしょう。
・住宅ローン保証料
住宅ローンの借入時に金融機関に支払った住宅ローン保証料は、売却によって戻ってきます。
ただし、戻ってくるのは保証料を一括で支払っている場合のみ。
分割払いの場合は戻ってきません。
また、フラット35など金融機関によっては保証料がないことも。
気になる返金手続きですが、売却する旨を連絡すれば金融機関で返金手続きをやってくれます。
・売却で損すれば税金が戻る
マンションを売却したことで損失が出た場合は、税金が戻ることもあります。
適用条件については、不動産会社にも相談してみると良いでしょう。

ハウスハウス

計算が難しそう


家博士家博士

全部不動産会社が計算してくれるから大丈夫だよ。


戻ってくるお金について、詳しくはこちらで解説しています。

修繕一時金や修繕積立金増額予定は告知する

もし修繕積立金の増額や修繕一時金の予定がある場合は、買主へ通知する義務があります。

通知する方法として、売買契約に添付する「重要事項説明」又は「告知書」に文書で記載します。

最近は、修繕積立金不足のマンションが急増し社会問題になりつつあります。

そもそもマンションの新築時は、修繕積立金をあえて安く設定している場合がほとんど。

なぜなら修繕積立金が安いほど、マンションを売りやすくなるからです。

その結果、マンションの大規模修繕をきっかけに修繕積立金の不足が判明し、修繕積立金の増額や修繕一時金の支払いが必要になるのです。

ちなみに、最近は2年や3年毎に修繕積立金が自動的に増額されるマンションが一般的。

こういった予定もすべて買い主へ通知する必要があります。

ハウスハウス

これって、所有者の負担が増えるってことだよね?
売りにくくなりそう・・・

家博士家博士

確かに買い主にはマイナスな話だね。
でも、きちんと通知しないといけないんだ

なお通知義務がいつから発生するが、タイミングは判断が難しいため、不動産会社と相談すると良いでしょう。

修繕積立金の問題は、こちらで解説しています。

まとめ

マンションの管理費・修繕積立金は、マンションを売却しても返還されません。

また先払いで多く支払った分は、買主と売主の合意の元に決済時に精算されます。

もし滞納分があれば、売却代金から相殺され、買主に債務は引き継がれます。

滞納や修繕一時金、修繕積立金の増額予定などあれば、買主に書面で伝えましょう。

マンション売却で手取りを多くするためには、高く売ることを考えた方が確実です。

優秀で信頼できる不動産会社に売却を依頼して、マンションを高く売却しましょう。

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あなたの不動産売却が成功することを、心よりお祈りしております!