「幹線道路沿いのマンションは売却が難しいの?」
幹線道路沿いのマンション売却で、お悩みですね。
確かに幹線道路に面していると騒音や振動、排気ガスなどの問題があります。
普段は慣れてなんとも思わなくても、売るときは幹線道路が気になるもの。
そんなあなたのために、幹線道路沿いのマンション売却についてまとめました。
結論から言うと、幹線道路沿いマンションでも普通に売れますが、少し注意点があります。
この記事では、売却する方法と成功のポイントについて解説。
さらに道路を取り巻く環境と将来の見通しについても解説しています。
あなたのマンションの不安がスッキリ解消し、売却が成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。
幹線道路沿いのマンションは普通に売れる
結論から言うと、幹線道路沿いのマンションは普通に売れます。
ただし少し時間がかかるケースがあるでしょう。
理由として、普通のマンションより買主が限定されることがあります。
気になる・気にならないが分かれる
幹線道路に面しているマンションは、個人により評価が分かれます。
音や振動、臭いはあくまで「感覚」で個人差があるため、気にする人には「避けたい物件」ですが、そうでない人には「購入候補」。
だから売却のポイントは、気にならない人を探ことです。
気にならない買主であれば、他のマンションと同じ価格帯でも購入します。
幅広く広告し、気にならない人に購入してもらう
幹線道路沿いのマンション売却では、幅広く広告して、幹線道路沿いが気にならない人を探しましょう。
そのためには、広告力の強い不動産会社に売却を依頼します。
とにかく多くの人に情報が行き渡るように広告すると、購入希望者が見つかる可能性が高くなる。
幹線道路沿いは、多くの条件の1つ
幹線道路沿いというのは、数多くある要素の1つに過ぎません。
そもそもマンションを購入する人は、様々な条件で絞ってマンションを探します。
例えば次の様な条件です。
- 価格3,500万〜4,000万円
- 〇〇線〇〇駅〜〇〇駅
- 築年数20年以内
- 2LDKか2SLDK
- 2階以上
- 駅徒歩7分以内
- 南向きか東向き
- ペット可
- 駐車場あり
- 全室洋室フローリング
こういった条件に当てはまるマンションの中で、初めて『幹線道路沿いだけどどうだろう?』となるのです。
特に共働き夫婦は利便性を重視する
幹線道路沿いのマンションでも、駅からの距離が近ければ、売却には有利。
マンションを選ぶ際に、最近は特に利便性が重視される傾向です。
原因の1つは、今のマンション購入層に共働き夫婦が多いこと。
共働き夫婦は昼働いているため、家の居住性よりも効率を重視する傾向があります。
- 幹線道路沿いマンションは評価が分かれるため、幅広く広告して気にしない人を見つける。
- 幹線道路沿いは条件の1つに過ぎず、駅近など利便性の方が重視される。
幹線道路沿いのマンションを売却する3つの方法
幹線道路沿いのマンションを売却する方法として、次の3つがあります。
買取と仲介の違いはこちらのイメージ。
仲介 (普通の売買) |
買取 | |
---|---|---|
買主 | 一般の人 | 不動産会社 (買取業者) |
売却期間 | 場合による (目安3〜6ヶ月程度) |
最短1週間 |
売却価格 | ほぼ相場通り | 相場より 2〜4割安い |
それぞれ解説します。
方法1. 不動産会社による買取
マンションを直接不動産会社に直接買い取ってもらう方法です。
最短1週間で売れるが2割以上安くなる
買取であれば、最短1週間などで手間をかけずに売却できますが、買取価格は相場より2割以上安くなってしまいます。
なぜなら不動産会社は、買取ったマンションを一般のエンドユーザーへ相場価格で転売して利益を出すため。
手間やリスクを考えると、相場より2割以上安くないと買い取るメリットがないのです。
買取で高く売る方法はないの?
10社20社と数多くの不動産会社へ査定を依頼したら、高く買ってくれる会社が見つかる可能性もあるよ
買取で高く売るためには、多くの不動産会社へ査定を依頼
最近は買取再販業者が乱立して、買取価格が高騰しています。
そのため、数多くの買取業者に査定を依頼すると、相場に近い高値で買取る不動産会社が見つかることもあります。
高値で買い取る理由は、自社の決算の都合や、単に査定を間違っているケースなど様々。
買取を選ぶなら、なるべく多くの不動産会社に査定を依頼してみましょう。
不動産会社の心当たりが無ければ、一括査定サイトを利用すると便利です。
大手の運営する一括査定サイトとして主要なものは、
その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。
不動産一括査定サイト、主要16社を徹底比較し、ランキングでまとめました。
買取について、詳しくはこちらで解説しています。
不動産の買取は最短1週間で売れますが価格は安くなりがち。しかし今なら高値で買取できるかもしれません。買取で高く売る4つのコツ、失敗しないための注意点を解説します。
方法2. 期間限定で売る買取保証(売却保証)
もしどうしても売れ残りが不安なら、期間限定で売る買取保証も一応あります。
仲介で一定期間だけ売る買取保証(売却保証)
買取保証(売却保証)は仲介で一定期間だけ普通に売り、売れなければ査定価格の90%などで不動産会社が買取るもの。
高値の売出しにもチャレンジでき、売れ残る心配もありません。
人気物件しか使えず、段階的に強制値下げされる
ただし買取保証には条件があり、普通に売り出して3ヶ月以内に売れるような人気物件しか使えません。
また売出し価格は段階的に強制値下げされ、最後は相場より安く売り出すことに。
人気物件が相場より1割安くなれば即完売するので、そもそも必要かよく検討した方が良いでしょう。
買取になった事例は10年間でゼロ、大手は相次いで中止
実際に例えば野村の仲介+では、買取保証(買換保証)で売り出して買取した例は、過去10年間でゼロ。(2022年10月現在)
また利用者が少ないことから、大手の三井のリハウスと住友不動産販売などは買取保証を止めています。。
売れ残りを防ぐなら、買取保証より売却力が強い不動産会社で売り出すことを優先した方が良いよ。
買取保証について、詳しくはこちらで解説しています。
不動産会社の買取保証(売却保証)は期間限定で家を売り出すもので、売れ残る心配がありません。ただし注意点もあります。買取保証の5つの注意点、代表的な不動産会社と選び方を解説します。
まだ使えるのは一部の大手のみ
買取保証をまだ扱っている不動産会社は少なく、一部の大手不動産会社しかありません。
また小田急沿線であれば、小田急不動産、東京都心ではSRE不動産(旧ソニー不動産)もあります。
買取保証のある大手に無料査定を依頼するなら
買取保証のある大手にまとめて無料査定を依頼するなら、すまいValueが便利。
すまいValueは大手6社で共同運営する一括査定サイトで、買取保証の大手3社にまとめて査定を依頼できるのはすまいValueしかありません。
⇒すまいValue
すまいValue(すまいバリュー)はホントに安心なの?という疑問に、マンション20戸以上を売却したプロの投資家が注意点や評判を解説します!
SRE不動産は、個別に無料査定を依頼すればよいでしょう。
⇒SRE不動産
SRE不動産(旧ソニー不動産)の口コミや評判、裏事情などから、あなたがソニー不動産を利用すべきなのか徹底評価しました。
方法3. 仲介で普通に売る
不動産会社と媒介契約を結び、仲介で普通に売る方法です。
仲介なら相場より高く売れる可能性も
仲介なら相場より高く売れる可能性もあります。
なぜなら仲介では買主が一般人で相場感が弱く、さらに時期や条件など限られた条件で探すため競合が少ないため。
相場よりも多少高くても、その価格で買う買主が一人見つかれば売買が成立します。
もし希少性が高い人気物件なら、相場より2割以上高く売れることもあるでしょう。
競合が多い物件でも、時間をかければ相場通りの価格(相場プラスマイナス10%程度)で売却できます。
売却期間は4ヶ月〜4.5ヶ月が目安
仲介の売却期間は、4ヶ月〜4.5ヶ月程度を考えておきましょう。
不人気物件だったり、相場より明らかに高値で売り出すと、さらに売却期間は長くなります。
売却期間イメージ
(首都圏2023年)
今はコロナの影響で競合が減り、売却期間が短くなっているので、売るには良いタイミングです。
平均売却期間の推移(首都圏)
高値で短期間に売るなら、優秀で信頼できる不動産会社に
なるべく高値で短期間に売却するためには、優秀で信頼できる不動産会社に売却を依頼しましょう。
優秀で信頼できる不動産会社を選ぶ方法はこちら。
- エリアで売買実績が豊富な不動産会社に絞る
- 3〜6社に無料査定を依頼して話を聴き比べ、信頼できそうなところを選ぶ
売買実績が豊富な不動産会社はどこ?
都市部なら大手3社が強いね。
実績は大手3社が強い
売買仲介件数ランキング上位35社
(2023年3月)
不動産売却の実績は、大手3社に偏っています
三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブルの3社は、仲介件数が2万件を超えており、大手の中でも圧倒的。
都市部で査定を依頼するなら、これら大手3社を中心に考えると良いでしょう。
大手3社は別格だね。
3社もそれぞれ特徴があるから、解説しよう。
【大手1】三井のリハウス
38年連続で売買仲介件数1位
(首都圏182、関西圏46、中部圏25、札幌9、東北6、中国9、九州9)
三井のリハウスは、38年連続で売買仲介件数1位と業界を代表する不動産会社。
独自の査定システムは精度が高く、売主の約76%がほぼ提案価格(提案の95%以上)で成約しています。
多くの購入希望者を抱えるため早く売れることも強みで、売主の65%が2ヶ月以内に成約するほど。
また担当者のレベルが高いことにも定評があり、顧客満足度は96%と高評価です。
業界を代表する会社だから、初めての売却ならまず話を聞いてみると良いよ。
他と比較する基準にもなるからね。
⇒三井のリハウス
三井のリハウスは36年連続で不動産売買の仲介件数第1位の大手不動産会社。ただし注意点もあります。あなたが家の売却を任せて大丈夫か、注意点と評判を分かりやすく解説します。
【大手2】住友不動産販売
熱心な営業スタイルに定評
- 店舗数 234店舗
(首都圏136、関西圏58、中部東海15、北海道8、東北4、中国7、九州6)
住友不動産販売(すみふの仲介ステップ)は、営業マンの熱心な営業スタイルに定評があります。
現在の購入希望者の登録数も公開しており、常に2万人を超える希望者が登録。
自社ホームページの月間来訪者数は300万件以上、登録物件数は2万8千件以上と十分なスケールメリットもあります。
スマートでクールな営業より人情深く熱心な営業が好みなら、他より出会える可能性が高いかも。
住友不動産販売「すみふの仲介 ステップ」は、売買仲介件数が業界2位の大手。家の売却ならぜひ候補に入れたい1社ですが、注意点もあります。住友不動産販売のメリットと注意点を分かりやすく解説、そして利用者の評判を紹介します。
【大手3】東急リバブル
東急沿線や大型案件に強み
- 店舗数 216店舗
(首都圏141、関西圏42、名古屋11、札幌9、仙台6、福岡7)
東急リバブルは東急電鉄系の不動産会社ですが、全国に店舗を持つのが特徴。
東急電鉄沿線はもちろん、法人営業や投資物件にも強みを持っています。
東急リバブルは不動産の売買実績でトップ3の1社。しかし注意点もあります。東急リバブルを利用する前に知るべき注意点・メリット、そして実際に利用した人の評判をまとめました。
大手にまとめて査定を依頼するなら「すまいValue」
大手3社にまとめて無料査定を依頼するなら、一括査定サイトの「すまいValue」が便利。
すまいValueは、大手上位6社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル・野村の仲介+・小田急不動産・三菱地所の住まいリレー)が共同運営する一括査定サイトです。
⇒すまいValue
とりあえず大手3社に査定を依頼すれば良いの?
売却予定なら個人の相性もあるから、大手3社以外と比較した方が良い。
首都圏・関西圏ならエージェント制のSRE不動産(旧ソニー不動産)、それ以外なら地域で実績No.1の会社にも査定を依頼しよう。
SRE不動産(旧ソニー不動産)
売主だけを担当するエージェント制
大手と比較するならSRE不動産(旧ソニー不動産)が良いでしょう。
なぜならSRE不動産は、大手で問題になりがちな両手仲介が無いため。
(※両手仲介とは売主と買主を同じ不動産会社が担当すること。大手は顧客を多く抱えるため、自然と両手仲介が多くなる。)
SRE不動産は、業界初のエージェント制で売主だけを担当。
買主は無数にある他の不動産会社が積極的に探します。
結果として、大手にも劣らない販売力で、早く高く売れやすいことが最大のメリット。
ただし営業エリアは首都圏・関西圏限定です。
SRE不動産は業界でも両手仲介無しで知られているから、他社が競って営業してくれる。
大手と話を聴き比べて、自分に合ってる方を選ぶと良いよ。
⇒SRE不動産
SRE不動産(旧ソニー不動産)の口コミや評判、裏事情などから、あなたがソニー不動産を利用すべきなのか徹底評価しました。
その他エリアは地域No.1を探す
大手やSRE不動産の営業エリア外なら、地域で実績No.1の不動産会社を中心に選びましょう。
実績No.1の不動産会社は、実績をアピールしているのですぐに分かります。
不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトをいくつか併用すると良いでしょう。
全国対応の主要な一括査定サイトとして次があります。
その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。
不動産一括査定サイト、主要16社を徹底比較し、ランキングでまとめました。
多少安くてもすぐ売りたければ買取、なるべく高く売りたいなら仲介ってことだね。
よほど事情がなければ、仲介で普通に売る方が良いよ。
仲介で売るなら、売却のポイントを知っておこう。
幹線道路沿いマンションは内覧が大切
内覧で許容範囲であれば購入する
仲介で普通に売るときは、内覧が大切です。
なぜなら内覧で騒音の程度が許容範囲であれば、購入を決断する人が多いため。
さすがに幹線道路沿いが気にならない人でも、窓を締めた時の騒音は気になります。
購入検討者の内覧スケジュールを優先するなど、内覧を大切にしましょう。
内覧時の対応については、こちらで詳しく解説しています。
家の売却での内覧には15のポイントがあります。内覧で家を売るために、知っておきたい知識をまとめました。
告知義務は無いが正直に答える
内覧時に騒音や振動について聞かれたら、正直に答えましょう。
ただし幹線道路は明らかに目の前にあるため、瑕疵にはなりにくく告知義務はありません。
騒音や振動の感覚は個人差が大きいので、あくまで個人の感覚だと断った上で、あなたの意見を言えば良いでしょう。
家の売却で心配な「瑕疵(かし)」、売却後に修理費などを請求される「契約不適合責任」。その具体例と対策について解説します。
また売却理由は、無難な理由にしておくと良いでしょう。
不安であれば不動産会社に相談してください。
マンションを売る時、売却理由はどこまで正直に説明すべきなのでしょうか。具体的な事例とフローチャートで判断方法を解説します。
内覧でアピールしたいマンションのメリット
内覧でアピールしたいのが、マンションのメリット。
住んでいたあなただけが知っているメリットを、説明し忘れないようにメモしておきましょう。
例えば、このようなこと。
- 花火が見える
- 近くの桜が綺麗
- スーパーが近い、24時間営業のスーパーがある
- バス停が目の前
- カーシェアが近い
- 学校の評判が良い
また幹線道路沿いに共通するメリットとしてこちらも。
- 交通の利便性(自動車・バス)
- 店舗が多い
- 背面に高い建物が建ちにくい
- 地価が高い
- 防犯面で有利
背面に高い建物が建ちにくいの?
都市計画で高さ制限があるからね。
詳しくは不動産会社に聞くと、教えてくれるよ。
背面に高い建物が建ちにくい
幹線道路沿いのマンションは、道路と反対側(背面)に高い建物が立ちにくい特徴があります。
なぜなら都市計画によって、幹線道路沿いだけ高さや容積率の規制が大きくなっているため。
特に背面が第一種(第二種)低層住居専用地域になっていると、3〜4階建規模(最高で10m又は12m)までの建物しか建てられません。
将来も高い建物が建ちにくいことで、眺望が確保されて、資産価値も落ちにくいというメリットがあります。
地価が高い
幹線道路沿いの土地は、高さや容積率が大きいことから、地価が高い傾向があります。
地価が高いため、建物が古くなっても売却価格が下がりにくいことはメリットの1つ。
地価の目安は、国税庁が毎年発表している「路線価」を見ると分かります。
目黒通りの路線価は、1平方メートルあたり70万円以上です。
目黒通りから1区画分離れるだけで、路線価は1平方メートルあたり50万円に下がります。
路線価はあくまでも相続税を計算するためのものですが、土地の相場を元につくられています。
【参考】国税庁・路線価
路線価について、詳しくはこちらで解説しています。
土地の路線価から売却価格(実勢価格)を査定する方法を、分かりやすく詳しく解説します。
ここまで幹線道路沿いのマンション売却でポイントになる内覧について解説してきました。
最後に幹線道路沿いという環境が今後どうなっていくのか、今と将来の展望について解説します。
幹線道路沿いのマンションの今と将来の展望
幹線道路沿いのマンションで気になる問題は、次の4点です。
- 騒音
- 振動
- 排気ガスや臭い
- 耐震診断の義務化
それぞれ解説します。
騒音は1割近くが環境基準を超えている
環境省では平成12年度(2000年度)から、自動車騒音の常時監視を実施しています。
令和4年度(2022年度)の調査によると、幹線道路に近接する住戸約402万800戸のうち、昼間・夜間のいずれかが環境基準を超えていたのは、約33万300戸(8.2%)でした。(「昼間」は6時〜22時、「夜間」は22時〜6時)
また、昼夜間ともに環境基準を超えていたのは約15万7,500戸(3.9%)という結果に。
道路の種類別で見ると、環境基準を超えていた割合が最も高かったのは都市高速道路で、約10万6,100戸のうち約1万9,600戸(18.4%)が基準を超えています。
※都市高速道路とは、首都高速道路、阪神高速道路、名古屋高速道路、福岡高速道路、北九州高速道路、広島高速道路の6路線
【参考】環境省・自動車交通騒音の状況
環境基準値は地域区分と道路で違う
騒音の環境基準は地域区分や道路条件で違います。
住居用地域の基準は、昼間55デシベル以下、夜間45デシベル以下。
ただし2車線以上の道路に面する地域は基準が緩和されており、昼間60〜65デシベル以下、夜間55〜60デシベル以下とされています。
「デシベル」とは音の強さを示す単位で、日常生活で「静か」と感じるのは45デシベル以下と言われています。
騒音の常時監視結果は、インターネット上で地図上に公表されているよ。
【参考】全国自動車交通騒音マップ
振動は振動規制法で改善を依頼できる
振動の発生源は、工事現場や工場が多いですが、自動車(特に大型車)もあります。
令和3年度には振動に関する苦情が4,207件寄せられて、そのうち7.2%が道路交通だよ
振動も騒音と同じように、区域や時間区分によって限度が決められています。
昼間なら65〜70デシベル、夜間なら60〜65デシベルが限度です。
振動もデシベルという単位だけど、騒音と同じなの?
騒音のデシベルとは少し違うよ。
目安として60デシベルで人によって振動を感じ始め、70デシベルになると多くの人が揺れを感じるんだ
振動が気になる場合は、役所へ相談すると測定してくれます。
実際に測定して振動が限度を超えていた場合、市町村長・特別区長は道路管理者や都道府県の公安委員会に改善要請が可能。
具体的には、道路の防音舗装や修繕、交通規制の要請などを行えます。
【参考】環境省・振動規制法の概要
排気ガスによる健康被害の心配
幹線道路は交通量が多いため、自動車の排気ガスや臭いも気になります。
ベランダの手すりを拭くと黒くなることがありますが、これらは排気ガスに含まれる「すす」が原因の一つ。
洗濯物や布団を外に干すと汚れてしまったり、すすに含まれる有害物質による子供への影響も懸念されます。
環境省が2005年〜2009年度に3大都市圏の主要幹線道路沿道を対象にした調査では、自動車の排気ガスとぜんそく発症との間に「関連性があるかもしれない」という結果が報告されています。
不確実性が残る結果であったものの、ゼロではないとされています。
【参考】環境省・局地的大気汚染の健康影響に関する疫学調査結果について
耐震診断の義務化は旧耐震マンションにプラス
幹線道路の中には、都道府県または市町村によって緊急輸送道路に指定されている道路も多くあります。
緊急輸送道路?
大地震などの災害時に避難や救助活動、緊急物資輸送路となる道路だよ。ナマズの絵と「緊急交通路」と書かれた看板があったりする
災害時に緊急輸送道路に面した建物が倒壊してしまうと、その道路は輸送路として使えなくなってしまいます。
これを防ぐために、国土交通省は緊急輸送道路沿道の建物の耐震診断を義務化しました。
【参考】国土交通省・改正耐震改修促進法のポイント及び関連制度の概要
診断が義務化された建物は診断結果を表示し、応じない所有者には命令・行政代執行をする場合も。
このうち首都直下地震が懸念される東京都では、耐震診断費用の所有者負担分(現状では5分の1)を全額補助する方針を打ち出しました。
なお緊急輸送道路の情報は、国土交通省の「道路防災情報WEBマップ」から見られます。
旧耐震基準のマンションについては、こちらで解説しています。
旧耐震基準のマンションは売れますが、なるべく急いだ方が良いでしょう。旧耐震基準のマンションを高く売る3つのコツ、売れない場合の対策などをまとめました。
幹線道路沿いの将来の見通し
幹線道路を取り巻く環境は、しばらくは大きく変化しないものの、緩やかに改善されるでしょう。
排気ガスは、ここ数年で環境基準達成率が大幅に改善しました。
一方の騒音は、10年近く横ばいの状態です。
騒音は、電気自動車が普及すれば達成率も改善される気もするけど
電気自動車も長期的には普及するだろうけれど、それは普通自動車の話。
大型車はまだ不明なんだ
大型車の変化は時間がかかる
騒音・振動・排気ガスの原因の多くは大型車にあります。
そのため、環境の改善は大型車の電動化が進まない限り、難しいでしょう。
しかし大型車の電動化が普及するには、まだまだ時間が必要です。
逆に物流は、大型車による物流が増加の一途。
こうした状況から、当面は大きく変化しないでしょう。
数年待てば大きく改善するかも・・・なんてことは、なさそうだね
いずれ売るなら待つ必要は無いだろうね。
2022年には生産緑地問題もあるし。
2022年以降に宅地化が進む生産緑地問題
都市部には、あえて宅地化せずに残されている農地があります。
こうした農地は「生産緑地」と呼ばれ、3大都市圏(首都圏・近畿圏・中部圏)に東京ドーム2,600個分も。
生産緑地は固定資産税の軽減や相続税の納税猶予があるため今まで保全されてきましたが、2022年以降は一部が解除されます。
地域によって解除率は違い6%〜16%が2022年に解除され、宅地になる見込み。
結果として売り出される新築が増えるため、郊外のマンションでは影響があるかもしれません。
2022年以降に生産緑地が宅地化され、都市部の住宅価格が値下がりする問題。不動産業界でも意見が2分されていましたが、ようやく影響が見えてきました。信頼できる統計から地域別の影響を解説します。
マンションの管理で寿命は違う
同じ頃に建てられたマンションでも、管理次第で状態は大きく違います。
適切に管理されていれば良いのですが、管理が行き届いていなければ老朽化が進む一方です。
- 管理組合がきちんと機能しているか
- 修繕積立金が不足していないか
- しっかりした大規模修繕計画があるか
確認してみましょう。
マンション売却のタイミングで注意すべきは「大規模修繕」。大規模修繕とマンション売却の関係が5分で分かります。
建て替えられるマンションはごく一部
マンションが寿命を迎えると、建て替えと思いがちですが、実際に建て替えられるマンションはごく一部です。
2023年3月時点で建て替えられた事例はわずか282棟、2.3万戸。本来は建替え時期の旧耐震マンション103万戸の約2%しかありません。
【参考】国土交通省・マンション建替の実施状況(2023年3月時点)
建替ができなければ、残された道は「解体して土地売却」か「スラム化」です。
解体して土地が売却できれば土地代が戻ってきますが、スラム化した場合は売れなくなり固定資産税と管理費を支払い続けることに。
老朽化しているマンションで管理に不安があれば、早い方が有利です。
マンションの寿命は個々で違い、寿命が尽きても建替えできるのはごく一部です。あなたのマンションの寿命と建替えの可能性をチェックリストで調べてみましょう。
まとめ
幹線道路沿いのマンションは、特有の環境から好みがはっきり分かれる物件です。
売却を成功させるためには「幹線道路沿いでも気にしない」という買主を見つけるのがポイント。
とにかく幅広く広告し、気にしない人を探しましょう。
幅広く広告するためには、販売力のある不動産会社を選ぶことが重要です。
仲介または売却保証で売ることを前提に、エリアで実績の豊富な不動産会社3社〜6社に無料査定を依頼し、話を聴き比べましょう。
都市部なら大手3社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル)が実績豊富。
とりあえず1社だけ査定を依頼するなら、38年連続で実績1位の三井のリハウスが良いでしょう。
⇒三井のリハウス
大手にまとめて査定を依頼するなら、大手6社が共同運営するすまいValueが便利です。
⇒すまいValue
大手と比較するなら、首都圏・関西圏は両手仲介のないSRE不動産(旧ソニー不動産)
⇒SRE不動産
首都圏・関西圏以外の都市部で大手と比較する場合や、大手の営業エリア外の地方では、一括査定サイトを利用すると良いでしょう。
全国対応の一括査定サイトとして定番はこちら。
その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。
不動産一括査定サイト、主要16社を徹底比較し、ランキングでまとめました。
あなたの不動産売却が成功することを、心よりお祈りしております!