「築20年のマンションは売りどき?」
築20年のマンションを売るかお悩みですね。
確かに築20年が売りどきになる5つの理由があります。
しかし個々のマンションで売りどきは違うのも事実。
この記事では、築20年のマンションが売りどきになる5つの理由、資産価値と相場について解説。
さらに築20年マンションを高く売る4つのコツをまとめました。
あなたの悩みがスッキリ解決し、マンション売却が成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。
この記事のもくじ
築20年マンションの値下がり率と相場
中古は新築からの値下がり率で決まる
築20年に限らず中古マンションの価格は、新築分譲マンション価格を元に価格差(値下がり率)で決まります。
なぜなら買主は、新築分譲マンションと比較してどれだけお得かで中古マンションの購入を決断するため。
買主の判断目安は-30%〜-40%
例えば国土交通省の資料(2015年首都圏約1000人のアンケート)では、次の価格差が目安とされています。
- 築5年で新築−20%
- 築15年で新築−30%
- 築25年で新築−40%
(設備交換等(リフォーム・リノベーション)は、価格への影響が限定的)
【参考】不動産流通市場活性化に向けて・消費者の中古物件への評価、リフォームの実態等

確かに新築よりお得だから、中古マンションを買うもんね。
全国では築20年で新築と43%の価格差
国土交通省が全国のマンション売買実績から試算した築年数と値下がり率はこちら。
中古マンションの築年数と値下がり率
(ヘドニック法)
築20年のマンションは、新築マンションから-43%の価格差です。

4割も下がるのか…。思ったより値下がりするんだね。

でも地域によって値下がり率は違うんだよ。
築20年の値下がり率は地域によって違う
築20年のマンションの値下がり率は、地域によって違います。
首都圏は−31%〜−42%
首都圏は比較的値下がり率が少なく、築20年マンションは新築-31%〜-42%の値下がり率です。
マンション価格と築年数
(首都圏・2021年)
関西圏は−43%〜−56%
関西圏は少し値下がり率が大きく、築20年マンションは新築の−43%〜−56%です。
マンション価格と築年数
(関西圏・2021年)
中部圏は−51%〜−61%
中部圏では値下がり率が大きく、築20年マンションは新築の−51%〜−61%の値下がり率です。
マンション価格と築年数
(中部圏・2021年)

地域でこんなに違うんだね!
でも新築の価格って昔買ったときより値上りしてるよね。

そうだね、今は基準となる新築価格が高騰してるから、中古マンションも値上りしてるよ。
今は中古マンション相場が高騰している
今は中古マンション相場が高騰しています。
不動産価格指数(全国)
不動産価格指数とは
不動産相場の価格変動が純粋に分かる指数。国土交通省がアンケートで集めた年間30万件の成約価格を元に、ヘドニック法という統計計算でまとめたもの。3ヶ月前までのデータが毎月末頃に公表される。2010年の平均を100として算出。
中古マンションは約10年で85%も値上がりしています。

中古マンションはスゴイ値上りだね!

中古マンション全体が値上りして、もちろん築20年も値上りしている。
中古マンション全体として、今は売りどきといえるね。
特に築20年前後は値上りが大きい
築20年前後(築16年〜25年)のマンションは2012年→2021年の9年間で、なんと2倍以上に値上がりしています。
築年数毎の成約単価変化
(2012年→2021年・首都圏中古マンション)

築20年前後は値上りが大きいね。
でも築26年以上はあまり値上りしてないのか。

そうだね。これだけ全体が値上りしてるのに、築26年を過ぎると値上りは少ない。
だから築20年前後は売りどきといえるね。

でも自分のマンションの価格はどうやって調べたらいいの?
やっぱり最新のAI査定とかが良いのかな?

匿名で利用できる価格診断やAI査定は、精度が低いから参考程度に考えた方が良いよ
あなたのマンション価格を知るためには
匿名の価格診断やAI査定は参考程度に
匿名で利用できる価格診断やAI査定は、精度が低いため参考程度に考えましょう。
なぜならこれらのサービスはレインズの成約情報を利用できないため。
中古マンション価格を正確に査定するには、近隣の類似マンションが過去に売れた価格(成約価格)が欠かせません。
しかし過去の成約価格はレインズにしか記録されておらず、匿名の価格診断やAI査定は規約によりレインズを使えません。
やむなくこれらのサービスは、ネット上の無料情報を寄せ集めてマンション価格を推測しているのが現実。
結果として匿名の価格診断やAI査定はマンション価格を正確に査定できず、代わりに自社査定など他のサービスへ誘導する客寄せとして使われています。
国内唯一の不動産情報データベースで、不動産会社しか利用できません。
国土交通省の指定流通機関である、不動産流通機構が運営。
過去の不動産取引事例、現在の売り出し物件情報が登録されています。
(参考)家を売るときに知っておきたい「レインズ」のこと
マンション価格のAI査定が急増しているので、主要なものをまとめました。ただしマンション価格のAI査定には重大な注意点があるので、合わせて解説しています。

レインズを使って査定するなら、どうすれば良いの?

複数の不動産会社に査定を依頼するのが定番だね。
複数(3〜6社)の不動産会社に無料査定を依頼する
あなtのマンションの相場を正確に知るためには、複数(3〜6社)の不動産会社に無料査定を依頼しましょう。
今はマンション価格の値上がりが急激なので、不動産のプロでも査定が難しい状況です。
複数(3〜6社)に査定を依頼することで、より正確に相場を把握できます。
不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると良いでしょう。
一括査定サイトの定番3社
一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。
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おすすめ1位
すまいValue - 査定実績:
- 40万件(2016年開始)
- 不動産会社数:
- 大手6社(全国900店舗)
実績 5.0 不動産会社 4.5 運営会社 5.0 大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国900店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細 -
おすすめ2位
SRE不動産(旧ソニー不動産)- 査定実績:
- (2014年開始)
- 不動産会社数:
- 売主側1社(買主側多数)
- 運営会社:
- SREホールディングス(東証PRM)
実績 4.0 不動産会社 4.0 運営会社 5.0 すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細管理人のコメント
エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。
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おすすめ3位
HOME4U - 査定実績:
- 累計50万件(2001年開始)
- 不動産会社数:
- 2,100社
- 運営会社:
- NTTデータ・スマートソーシング
実績 5.0 不動産会社 4.0 運営会社 4.0 日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細管理人のコメント
HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。
【公式サイト】すまいValue
【公式サイト】SRE不動産
【公式サイト】HOME4U
各エリアで最適な組み合わせ
あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。
- 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)
- その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)
- 地方(人口密度が少ない地域)

でもマンションは築20年が売りどきなのかな?
まだまだ値上りしないの?

個々のマンションによって売りどきは違うんだ。
自分のマンションは、自分で判断するしかない。
築20年が売りどきな5つの理由を参考にすると良いよ。
マンション築20年が売りどき5つの理由
マンションの売りどきは、個々のマンションで違います。
マンションが築20年で売りどきになるには、次の5つの理由があります。
あなたのマンションが売りどきか判断するために、参考にしてください。
それぞれ解説します。
理由1. 価格は年々安くなるため
マンション相場が一定だった場合、築20年マンションは築年数が古くなるにつれて、年々価格が安くなります。
先程の築年数と新築の価格差をもう一度確認してみましょう。
マンション価格と築年数
(首都圏・2021年)
マンション価格と築年数
(関西圏・2021年)
マンション価格と築年数
(中部圏・2021年)
いずれの地域でも、築30年頃までマンション価格が下がり続けています。

確かに、価格は築30年くらいまで下がり続けるね。
でも築30年以降はあんまり下がらないなら、そのまま持ち続けても良いんじゃないの?

築30年を超えると、今度は売りにくくなるんだ。
理由2. 築30年を超えると売れにくくなるため
築30年を超えると、中古マンションは売りにくくなります。
なぜなら売り出す競合が増える一方で、築30年超を買う買主は少ないため。
築30年超で成約率は2割以下に
首都圏の中古マンション成約率(売り出して成約する割合)は、築30年を超えると16%と2割を切ります。
売出しと成約戸数、成約率
(首都圏中古マンション・2021年)

売り出しても2割以下しか売れないの?
残りはどうなるの?

相場の半値などで業者が買取ることが多いね。
レインズのデータには業者買取がカウントされない。
あとレインズの登録漏れもあるけど、相場通りに売れる可能性は半分以下だよ
今後は築20年マンションが大量に売りに出される
さらに築20年マンションは、今後大量に売りに出されます。
なぜなら現在の築20年マンションは、マンションが大量に建築された時期に建てられており、今後築年数が古くなると大量に売りに出されるため。
築年別のマンション戸数(全国)
中部圏・関西圏も同じ傾向
築年数が古くなるほど売れにくくなる現象は、中部圏・関西圏でも同じです。
売出しと成約戸数、成約率
(中部圏中古マンション・2021年)
売出しと成約戸数、成約率
(関西圏中古マンション・2021年)

築30年を超えるとと売れにくいのか。
でも売れないわけではないんだね。

やはり立地が良いと、築30年以上でも売れている。
逆に立地の良いマンションしか売れないから、平均価格が下がらないともいえる。
今後は空き家が急増するから、立地が悪いとますます売れなくなるよ
人口減少も新築は増え続けて空き家が急増
日本の人口は急速に減少している一方で、新築住宅が年間90万戸ペースで建てられているため、空室率は急激に上昇しています。
日本人の人口・世帯数と住宅戸数

なんでこんなに新築が増えているの?

日本では新築に規制がないから、建て放題なんだ。
他の先進国では住宅の量が規制されて、空き家率は3%未満だったりするけどね。
新築を規制すると景気が悪くなるから、今後も政治的な理由で規制はされない。
高齢化で売りに出るが、買う世代は減る一方
都心部でも高齢化が進み、マンションを売る世代は増える一方で、マンションを購入する世代は減り続けています。
東京都の人口変化予想
2025年には団塊の世代が75歳以上になり多くが施設へ入居するため、空き家が急増します。
すでに2018年時点で、持ち家の779万戸(27%)が65歳以上の高齢者のみで「空き家予備軍」に。
東名阪(東京・名古屋・大阪圏)エリアでも空き家予備軍は370万戸(27%)。
これだけの家が売りに出ると、立地が悪いマンションは供給過多で売れない恐れがあります。
空き家予備軍の割合(2018年時点)
築20年前後のマンションが築40年前後になる20年後には、築40年超が現在の3.7倍に増えます。
マンションの築年数別戸数(全国)
立地が悪い築20年前後のマンションは、今後はますます売却が難しくなるでしょう。
マンションの寿命は個々で違い、寿命が尽きても建替えできるのはごく一部です。あなたのマンションの寿命と建替えの可能性をチェックリストで調べてみましょう。

長期的には、あちこちのマンションが空き家だらけになりそうだね。

将来で確実なのは人口だけ。
その人口を考えると、残念ながらマンションの多くが将来空き家になることは確実なんだ。
理由3. 大規模リフォームは赤字になるため
築20年のマンションは、そろそろ大規模リフォームの時期を迎えます。
しかし将来的に売る予定なら、大規模リフォームする前に売る方が良いでしょう。
なぜなら売却前に大規模リフォームをしても、リフォーム費用を売却価格に上乗せできずトータルで損するため。
国土交通省の資料でも、リフォームは売却価格に影響しにくいとされています。
中古マンションでは、設備交換等(リフォーム・リノベーション)は、価格への影響が限定的である可能性がある。(リフォーム・リノベーション費用は、物件価格とは別にする方が購買行動に優位に働く可能性がある
引用元: 不動産流通市場活性化に向けて
理由4. 管理の問題で売りにくくなるため
築20年マンションは、管理の問題が表面化すると売りにくくなるリスクがあります。
なぜなら築20年前後になると管理組合の差が明確になり、問題が表面化すると買主に告知しなくてはいけないため。
せっかく買う気になった買主でも、管理に問題があると分かれば多くが購入を断念するでしょう。
もし購入する場合でも、大幅な指値(値下げ交渉)は避けられません。
3割以上のマンションがすでに修繕積立金不足
国土交通省の調査によると、マンションの34.8%が積立金不足。さらに15.5%が2割以上も不足しています。

管理の問題が表面化する前に、どうやったら分かるの?

長期修繕計画と修繕積立金を確認すれば、なんとなく分かるよ。
長期修繕計画と修繕積立金を確認する
まずは長期修繕計画と修繕積立金の状況を確認しましょう。
マンションの大規模修繕は12〜15年周期で行われるため、築20年前後だと1回目の大規模修繕が終わっているでしょう。
1回目の大規模修繕で修繕積立金に十分な余裕があり、すでに修繕積立金が何回か増額されていれば大丈夫です。
逆に次の場合は、管理組合がうまく機能していない恐れがあります。
- 1回目の大規模修繕工事で修繕積立金がギリギリだった。
- 1回目の大規模修繕工事で修繕積立金が不足し一時金を集めたり、金融機関から借りた。
- 5年毎に長期修繕計画を見直していない。
- 修繕積立金が新築時から一度も見直されていない。

管理組合は大切なんだね。

管理組合は自分だけで改善できないからね。
マンション売却のタイミングで注意すべきは「大規模修繕」。大規模修繕とマンション売却の関係が5分で分かります。
老後の住まいとして、本当に今のマンションで良いのでしょうか? 今、退職を控えた多くの人が悩んでいます。その判断基準と、老後を取り巻く住環境の変化について解説します。
理由5. 高騰相場が終わるリスク
築20年のマンションに限らず、高騰してきたマンション相場が終わるリスクについても知っておきましょう。
日銀の金融緩和が限界の今、金融緩和の終焉により不動産価格が下落する恐れがあります。
不動産価格を高騰させた金融緩和が限界に
今の不動産価格高騰は、2013年1月に始まった日銀の異次元金融緩和が引き起こしたもの。
しかし日銀の金融緩和はすでに限界です。
日銀の印刷したお金の量を、GDP比で米国・欧州と比較すると、その厳しい現状は明らか。
中央銀行が印刷したお金の量(GDP比)
金融緩和で日銀が印刷したお金の量は、欧州の2.5倍以上、米国の約4倍と世界でも異常な数字に。
先進国として世界初の実験でしたが、さすがにこれ以上は効果より副作用が目立つため、今は金融緩和の出口が議論されています。

日本だけ、こんなにお金を印刷したんだ!
でも株や不動産が値上がりしたから、成功したんじゃないの?

残念ながら、円安で日本円の価値が下がり、結果として日本経済は衰退してしまったんだ。
日本の経済は衰退した
金融緩和によって、日本経済は立ち直るどころか逆に衰退してしまいました。
経済の指標となる国民一人あたりGDPは、金融緩和以降に伸びが鈍化。
今や米国の6割にまで落ち込み、韓国にも抜かれています。
一人あたりGDPの推移

金融緩和で日本経済は衰退してしまったんだ!

他にも日銀が日本株や国債を買い占めたことで様々な問題が起きている。
今は世界の主要国が金利を上げたから、日銀も金融緩和を終える流れだよ。
すでに世界は金利を上げた
主要国の中央銀行はすでにゼロ金利を解除し、金利を大きく引き上げました。
急激な利上げで一部の金融機関が破綻するなど副作用も出ていますが、金利はしばらく高止まりしそうです。
米国(FRB)←世界経済に最も影響が大きい
- 2022年3月 ゼロ金利から利上げ開始
- 2023年4月 10回目の利上げで金利5.00〜5.25%に
【参考】FOMC、0.25ポイント利上げ-パウエル議長は停止の可能性示唆
欧州(ECB)
- 2022年7月 ゼロ金利から11年ぶりの利上げ開始
- 2023年4月 7回目の利上げで主要政策金利3.75%に
【参考】ECB、0.25ポイント利上げにペース減速-「停止しない」と総裁
英国(BOE)
- 2021年12月 金利0.10%から利上げ開始
- 2023年4月 12回目の利上げで金利4.5%に
日銀も金融緩和を終える流れに
世界的な利上げに逆らえず、日銀も金融緩和を終える流れです。
すでに2022年12月20日には、事実上の利上げ(長期金利上限0.25%→0.50%)を発表。
【参考】日本経済新聞・日銀が緩和縮小、長期金利の上限0.5%に 事実上の利上げ
これを受けて、住宅ローンの固定金利は上がり始めています。
固定金利の推移
(フラット35最頻金利・新機構団信付)
また2023年4月には、金融緩和を10年間続けた黒田総裁が退任し、植田新総裁が就任。
日銀が金融緩和を終えることはすでに既定路線で、今は終えるタイミングと手順が議論されています。
金融緩和が終わり短期金利が上がり始めると、変動金利も上昇し、不動産価格は大きく動くでしょう。

金融緩和が終わると、不動産価格はどうなるの?

金利が上昇して、不動産価格は下落する恐れがある。
日銀の金融緩和が限界の今、いずれ金融緩和の終焉があり、不動産価格は下落する恐れがあります。
もし不動産を売却する予定なら、準備しておいたほうが良いでしょう。

今の低金利が永遠に続くと思ってたよ!

将来のことは誰にも分からないけど、そろそろ動きがあるかもね。
いずれ売る予定があるなら、不動産会社に無料査定を依頼して、相談窓口をもっておくと便利だよ。
築20年マンションを高く売る4つのコツ
築20年マンションを少しでも高く売るためには、次の4つのコツを知っておきましょう。
それぞれ解説します。
コツ1. 売り急がない
築20年前後のマンション売却では、売り急がず、売却期間に余裕を持ちましょう。
なぜなら売り急ぐと売却価格が安くなるため。

普通はどれくらいの売れるの?

平均は3.5ヶ月〜4ヶ月だね。
平均売却期間は3.5〜4ヶ月
中古マンションの平均売却期間は、3.5ヶ月〜4ヶ月で内訳は次の通りです。
中古マンションの売却期間
(首都圏2022年・近畿圏2020年)

売り急ぐと、どれくらい安くなるのかな?

即時買取だと相場の6〜8割になるね。
即時買取は相場の6〜8割に安くなる
不動産会社による即時買取では、最短1週間で売れますが、売却価格は相場の6〜8割になってしまいます。
不動産会社は転売して利益を得るため、相場より2割以上安くないと買取りません。
売り急ぐ場合の底値は、不動産会社の買取価格です。
不動産の買取は最短1週間で売れますが価格は安くなりがち。しかし今なら高値で買取できるかもしれません。買取で高く売る4つのコツ、失敗しないための注意点を解説します。
数ヶ月の余裕があれば買取保証(売却保証)
数ヶ月の時間がかけられるのであれば、買取保証という選択肢も。
買取保証とは期間限定で売出し、期間内に家が売却できないと不動産会社が買取ってくれる保証のこと。
売出し期間中は高値で売出すチャンスもあり、売れ残っても「買取保証額」で買い取ってもらえるため安心です。
不動産会社の買取保証(売却保証)は期間限定で家を売り出すもので、売れ残る心配がありません。ただし注意点もあります。買取保証の5つの注意点、代表的な不動産会社と選び方を解説します。
ただし買取保証は一部の大手しか扱っていません。
また小田急沿線であれば、小田急不動産もあります。
買取保証のある大手にまとめて無料査定を依頼するなら、すまいValueが便利。
すまいValueは大手6社で共同運営する一括査定サイトで、大手3社にまとめて査定を依頼できるのはすまいValueしかありません。
すまいValue(すまいバリュー)はホントに安心なの?という疑問に、マンション20戸以上を売却したプロの投資家が注意点や評判を解説します!
コツ2. 貸さずに売る
築20年マンションを売るときは、賃貸に出さずに売る方が高く売れます。
貸すと投資物件になり価格が安くなる
賃貸に出すと、住居用でなく投資用になってしまうため、売却価格は1割以上安くなります。
投資物件が安くなる理由はこちら。
- 住宅ローンより金利が高い投資用ローンになるため
- 投資家は価格を最優先に幅広いエリアで比較するため
- 内覧ができずリフォーム費用を多めに見積もるため
- ファミリー物件は投資効率が悪く、投資として不人気なため
他人に貸している家は、借主(入居者)がいる状態でも売却できますが、価格が安くなってしまいます。賃貸中の家を売却するときの注意点や、高く売るためのポイントをまとめました。

じゃあ売る前に入居者に出てもらえば良いんじゃないの?

普通の賃貸契約では、入居者の意思で退去するまで追い出せないんだ。
入居者はオーナー都合で追い出せない
普通の賃貸契約では、オーナーの都合で入居者を退去できません。
あくまで入居者の意思が優先され、退去してもらうためには費用をオーナが負担するなど話し合いで解決するしかありません。
対策として契約期間を限定する定期借家契約を使えば、契約更新時にオーナーの意思で更新を拒否できます。
しかし入居者には不利な契約なので、家賃は安くなり、家賃を下げても空室が埋まりにくくなるリスクも。
いずれ売却するなら、賃貸に出さない方が高く売りやすいでしょう。
そもそも賃貸中に安くなるのでトータルの利益は少ない
そもそも賃貸に出しても、賃貸中に古くなる分だけ売却価格は安くなってしまいます。
賃貸中にも費用がかかるため手残りは少なく、最終的に売却価格が下がるとトータルの利益はわずか。
貸してから3年を過ぎると税金の優遇措置も無くなるなど、税金も増えます。
下手をすると赤字になる恐れもあるでしょう。
マンションを8年間貸した経験を元に、あなたがマンションを貸すべきか・売るべきか簡単に分かる診断チャートを用意しました。また賃貸と売却のそれぞれについて、知っておきたい知識から具体的な試算例まで網羅し、分かりやすくまとめています。
コツ3. リフォームせずに不具合は告知
築20年マンションは、リフォームせずに売るほうが、トータルの手残りは多くなるでしょう。
なぜなら大規模リフォームは、費用を売却価格に上乗せできないため。
国土交通省の調査でも個人売主は失敗する
国土交通省の調査でも、個人売主がリフォームした場合はリフォーム費用を売却価格に反映できない結果に。
一方で不動産会社は買取った中古マンションをリノベーション後に販売して利益を出しています。
不動産会社は中古マンションを安く買取り、安い工事費でフルリフォームするため利益が出せるのです。
家を売る前にリフォームは必要? 売却前のリフォームについて、国土交通省の調査結果から検証します。
またリフォームを前提に中古マンションを探す人も多いため、中途半端なリフォームは売却価格が高くなり、売れにくくなる要因になりかねません。

でも内装の傷みがひどいと、さすがに売れにくそうだけど。

最低限の補修はする価値がある。
どこまで必要か、まず不動産会社に相談しよう。
不具合は買主に通知して契約不適合責任を回避する
もし設備や内装に不具合がある場合は、契約書の重要事項説明に記載して、買主に通知します。
買主に通知しないと、引き渡し後に売主の契約不適合責任となり、売主負担で補修したり、最悪の場合は契約破棄になる恐れがあります。
契約不適合とは、本来あるべき機能・品質・性能を満足しない欠陥や故障のこと。2020年4月の民法改正で瑕疵→契約不適合に名称が変更。一般的な家の例として、雨漏りや構造的な欠陥、シロアリ被害がある。
契約時に売主の責任期間を定め、引き渡し後から建物3ヶ月間、設備7日間とする場合が多い。この期間内に見つかった場合、売主の負担で補修し、これを契約不適合責任(瑕疵担保責任)という。
家の売却で心配な「瑕疵(かし)」、売却後に修理費などを請求される「契約不適合責任」。その具体例と対策について解説します。
コツ4. 売却に強い不動産会社を選ぶ
築20年のマンション売却では、実績豊富で信頼できる不動産会社を選びましょう。
基本は大手3社(首都圏は4社)を中心に選ぶ
築20年のマンションを売却するなら、基本は大手3社(首都圏は4社)を中心に選びます。
売買仲介件数ランキング上位34社
(2022年3月)
圧倒的に大手3社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル)が強いことが分かります。
4位の野村の仲介+も、ほぼ首都圏のみでこの実績なので、首都圏では4位の野村まで入れて大手4社を中心に考えましょう。
大手が強い理由
大手の実績がここまで圧倒的な理由はこちら。
- 広告の力が強い
- 大手不動産会社は主要な不動産ポータルサイトと提携しているため、広告料が安く、その分大量に広告を出せます。だから早く売れやすいという結果につながります。
- 相場の動きに詳しく、査定精度が高い
- 大手不動産会社は大量の広告を出しているため、常に購入希望者から多くの問合せを受けています。だから相場の動きをリアルタイムで知ることができ、査定の精度も高くなるのです。
- 大量の見込み客を抱えているため
- 大手不動産会社は、多くの問合せを受けているため、購入に至らなかったお客さんのリストを数多く持っています。売り出す時に、これらの購入意欲の高いお客さんへ確実に情報を伝える事ができるのです。
- 瑕疵保障などのオプションが豊富
- 大手不動産会社では、瑕疵を保証する「瑕疵保証」や期間内の売却を保障する「売却保障」など、売り主も買い主もメリットが多いオプションが豊富です。これも大手不動産会社が選ばれる理由の1つになっています。

じゃあ大手の1社にお任せで良いんじゃないの?

担当者の当たり外れもあるし、後で後悔しないために3〜6社に話を聞いたほうが良いよ。
3〜6社の不動産会社の話を聞き比べる
信頼できる不動産会社・担当者を選ぶために、3〜6社に無料査定を依頼して、査定価格と話を聴き比べましょう。
複数の不動産会社の話を聴き比べることで、信頼できそうな不動産会社・担当者が分かります。
またここで複数の不動産会社に話を聞いておくと、後で迷ったり不安になることが防げます。
「本当にこの査定価格で良かったのだろうか…」
「リフォームした方が高く売れたんじゃないか…」
こういった迷いや不安が、無くなります。
不動産会社の数は、少なくとも3社、できれば最大6社に無料査定を依頼して、話を聞き比べましょう。
不動産会社は、エリアで売買実績が豊富な不動産会社から選びます。

エリアで売買実績が豊富な不動産会社はどうやって探せば良いの?

不動産会社の心当たりが無ければ、一括査定サイトを使うと簡単だよ。
一括査定サイトの定番3社
一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。
-
おすすめ1位
すまいValue - 査定実績:
- 40万件(2016年開始)
- 不動産会社数:
- 大手6社(全国900店舗)
実績 5.0 不動産会社 4.5 運営会社 5.0 大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国900店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細 -
おすすめ2位
SRE不動産(旧ソニー不動産)- 査定実績:
- (2014年開始)
- 不動産会社数:
- 売主側1社(買主側多数)
- 運営会社:
- SREホールディングス(東証PRM)
実績 4.0 不動産会社 4.0 運営会社 5.0 すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細管理人のコメント
エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。
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おすすめ3位
HOME4U - 査定実績:
- 累計50万件(2001年開始)
- 不動産会社数:
- 2,100社
- 運営会社:
- NTTデータ・スマートソーシング
実績 5.0 不動産会社 4.0 運営会社 4.0 日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細管理人のコメント
HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。
【公式サイト】すまいValue
【公式サイト】SRE不動産
【公式サイト】HOME4U
各エリアで最適な組み合わせ
あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。
- 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)
- その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)
- 地方(人口密度が少ない地域)
築20年マンションは専任媒介契約で1社が基本
築20年前後のマンション売却は専任媒介契約で1社に依頼するのが基本です。
なぜなら1社に任せることで、いろいろ相談に乗ってもらえるし、積極的に売却活動をしてくれるため。
1社に任せるなら、専属専任媒介より専任媒介の方が、自由度が高いので売主に有利です。
不動産会社との媒介契約には3種類あります。
【媒介契約の比較】
項目 | 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任 媒介契約 |
---|---|---|---|
特徴 | 自由な契約 | 一般的な契約 | 厳しい契約 |
こんなタイプの人向き | 不動産の売却経験がある人 | 普通の人 | 多少損でもお任せしたい人 |
実際の契約数 (2022年実績) |
33% | 51% 一番多い |
16% |
他社との媒介契約 | ◯ | × | × |
自分で見つけた相手との直接契約 | ◯ | ◯ | × |
契約の有効期間 | 制限なし (行政指導により3ヶ月が一般的) |
最長3ヶ月 | 最長3ヶ月 |
指定流通機構(レインズ)への登録 | × 登録義務なし |
◯ 契約から7日以内 |
◯ 契約から5日以内 |
業務処理状況の報告義務 | 規定なし | 14日に1回以上 | 7日に1回以上 |
一般媒介で2〜3社に依頼する方法もある
一般媒介契約で複数の不動産会社に依頼する方法もありますが、築20年前後だと少し工夫が必要です。
なぜなら一般媒介契約は、売りやすい物件を早く売るときに向いているため。
また一般媒介では、不動産会社に質問や相談をしにくいため、基本は自分で判断しないといけません。
自分で色々考えて工夫するのが楽しい人は、一般媒介契約で複数の不動産会社に依頼する方法も良いでしょう。
一般媒介契約は、複数の不動産会社と並行して契約できるので、早く高く売れやすいという意見もあります。しかし一般媒介には注意点も多く、売却を成功するにはちょっとしたコツも必要。失敗しないための注意点、向いている物件などをまとめました。
まとめ
築20年前後のマンションは、新築以上の値上がりで、今なら高く売れます。
マンション築20年が売りどき5つの理由は
ほとんどのマンションは賃貸に出すより、売却したほうが利益は大きいでしょう。
特に立地が悪買ったり、管理組合が機能していないマンションは早めに売るほうが有利。
築20年マンションを高く売るコツは
あなたのマンション売却が成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。