「築20年の一戸建てを売りたい、高く売る方法は? 注意点は?」

築20年の一戸建て売却でお悩みですね。

確かに築20年になると、まだまだ住める状態とはいえ劣化が目立ってきます。

でも20年間大切に住んだ家ですから、なるべく高値で売却したいもの。

そんなあなたの為に、築20年の一戸建て売却について分かりやすく解説しました。

この記事では、高く売る3つのコツ、売却の4つの注意点を紹介します。

また貸すか迷っている方のために、知っておきたい賃貸のリスクについても解説。

あなたの築20年一戸建ての売却が成功するために、この記事が参考になれば幸いです。

築20年の一戸建ては売れる

築20年の一戸建ては、普通に売れます。

売買の4戸に1戸は築20年前後

2023年の首都圏における中古戸建住宅の成約戸数を築年数別にまとめたものです。

一戸建ての築年数と成約戸数
(2023年・首都圏)

一戸建ての築年数と成約戸数(2023年首都圏)

2023年に売買された戸建て住宅の内、4戸に1戸(25.6%)が、築20年前後です。

ハウスハウス

売買された4戸に1戸が築20年くらいの中古戸建住宅なんだ!
もっと少ないと思っていたよ

家博士家博士

築20年頃の一戸建てには、メリットもあるからね。
高く売るためにも、築20年の一戸建てならではのメリットを知っておこう。

築20年の一戸建てが選ばれる4つのメリット

メリット1. これ以上は価格が下がらない“底値”というメリット

築20年の一戸建ては、これ以上価格が下がらない底値というメリットがあります。

一戸建ての建物価格は新築購入時が最も高く、その後は築年数が古くなるため下落する一方。

築20〜30年で建物価格は新築時の10%まで下落し、その後はほぼ横ばいの底値となります。

戸建住宅の価格変化イメージ

戸建ての価格変化イメージ

なるべく安く買いたい買い手にとって、築20年の一戸建ては「底値近くで買える割安な住宅」なのです。

メリット2. 新耐震設計という安心感

もう一つ見逃せないのが、築20年の一戸建ては新耐震基準を満たしている点です。

新耐震基準が適用されたのは1981年6月。

築20年の一戸建てが建てられたのはこの後なので、当然この新しい基準に基づいて設計・建築されています。

ただし2000年5月までに着工した一戸建ては早めの売却が有利

実は木造の一戸建てでは、2000年6月にも耐震基準が大きく変わっています。

建築確認申請の日付が2000年5月以前の一戸建ては、この2000年の基準に適合していないため、9割で耐震性が不足しているとされます。

熊本地震では、この2000年基準の前に建てられた一戸建ての多くに被害があり、問題となりました。

今、国土交通省では、より耐震性が高い2000年の基準で全ての一戸建てを耐震化する方向で政策を進めています。

2000年基準に適合していない一戸建ては、いずれ売りにくくなると予想されるので、いずれ売るなら早めの売却をおすすめします。

2000年より前の一戸建てについて、詳しくはこちらの記事をお読み下さい。

ハウスハウス

2000年の耐震設計変更では、何が変わったの?

家博士家博士

地盤調査が義務化されたり、横からの力に耐える壁(耐力壁)の計算が必要になったんだ。

メリット3. 住宅ローン控除が利用できる

築20年の一戸建ては、買主が住宅ローン控除を利用できます。

住宅ローン控除は、税制改正で2022年から大幅に変更されました。

2021年までは戸建てで築20年以内が条件でしたが、2022年以降は新耐震(1981年6月〜)に緩和されています。

また控除額は、中古戸建で最大200万円→140万円に減額されました。

それでも買主には大きなメリットといえるでしょう。
【参考】財務省・税制改正の大綱

メリット4. 築20年ならリフォーム費用も抑えられる

築20年戸建てを買う人は、購入後にリフォームを考えている人が多いもの。

基本的に、リフォーム費用は築年数の経過とともに高くなります。

築30年になると家全体のリフォームが必要になる事もあり、工事費用の平均は236万円程度といわれます。

それが築20年の物件なら150万程度でOK。

水回りや室内のリフォームが中心で、全体リフォームまでは不要な事が多いためです。

こうした点からも、築20年の一戸建ては売れる物件なのです。

ハウスハウス

築20年の一戸建ても、こうしてみると魅力が多いんだね!
なんだか元気が出てきた! よし売るぞ!


家博士家博士

じゃあ、高く売るためのコツを解説しよう

築20年の一戸建てを高く売る3つのコツ

築20年の一戸建てを高く売る3つのコツはこちら。

それぞれ詳しく見ていきます。

コツ1. 売却期間に余裕をもつ

築20年の一戸建ての場合、売却期間には余裕を持っておきましょう。

ハウスハウス

具体的にはどれくらいの期間なの?


家博士家博士

高く売るなら、できれば6ヶ月は欲しいかな。
平均だと成約まで2.5ヶ月〜3ヶ月で、売却期間全体でさらに1.5ヶ月かかるよ。

一戸建ての平均成約期間は約3ヶ月

一戸建ての平均成約期間は、

  • 首都圏(2023年): 83.3日
  • 近畿圏(2020年): 91.7日

ただし売却の前後にさらに約1.5ヶ月かかるので、全体では約4.5ヶ月かかります。

一戸建ての平均売却期間
(首都圏2023年・近畿圏2020年)

戸建ての平均売却期間(首都圏2023年、近畿圏2020年)

今はコロナで競合が減って早く売れる

今はコロナの影響で売り出す競合が減っているため、成約日数が短くなっています。

平均成約日数の推移(首都圏)

売出しから成約までの日数の推移(首都圏平均2023年)

ハウスハウス

けっこうかかるんだね。


家博士家博士

相場より高く売りだすほど、時間はかかりやすいね。
どうしても事情があって急ぐなら、売り方を変える方法もある。

とにかく急ぐなら買取だが価格は相場の6〜8割に

とにかく売却を急ぐなら、不動産会社による買取を選ぶことに。

しかし、買取価格は相場の6〜8割と安くなります。

買取で少しでも高く売るためには、次の2つを知っておきましょう。

  1. 仲介手数料がかからない、自社で買取る不動産会社を探す
  2. 1社や2社でなく10社以上、とにかく数多くの不動産会社へ無料査定を依頼する。
家博士家博士

自社買取だと、約3%の仲介手数料がかからない。
またとにかく多くに当たれば、中には相場に近い価格で買い取る会社が見つかるかもしれない。

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトをいくつか併用すると良いでしょう。

大手の運営する一括査定サイトとして定番は、

  • 三井のリハウス・住友不動産販売など大手6社が共同運営のすまいValue
  • NTTデータグループが運営のHOME4U
  • リクルートが運営のSUUMO売却
  • LIFULLが運営のHOME’S

その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。

買取については、こちらで詳しく解説しています。

どうしても不安なら買取保証(売却保証)もある

どうしても売れ残りが心配なら買取保証(売却保証)という選択肢も一応あります。

買取保証は一定期間だけ仲介で普通に売り、売れなければ査定価格の90%などで不動産会社が買取るもの。

高値の売出しにチャレンジでき、売れ残る心配もありません。


買取保証イメージ

ただし買取保証には条件があり、普通に売り出して3ヶ月以内に売れるような人気物件しか使えません。

実際に例えば野村の仲介+では、買取保証(買換保証)で売り出して買取した例は、過去10年間でゼロ。(2022年10月現在)

また利用者が少ないことから、大手の三井のリハウス住友不動産販売などは買取保証を止めています。

家博士家博士

売れ残りを防ぐなら、買取保証より売却力が強い不動産会社で売り出すことを優先した方が良いよ。

買取保証について、詳しくはこちらで解説しています。

コツ2. 瑕疵保険を利用する

築20年の一戸建ての場合は、瑕疵保険(既存住宅売買瑕疵保険)を利用すると、高く売れやすくなります。

瑕疵保険とは、インスペクションという専門家による目視調査を受け、必要に応じて補修工事などをすることで、売買後1年間又は5年間の瑕疵を保証する保険。

国土交通省の主導で、中古住宅の売買を促進する目的で導入されました。

ただし既存住宅売買瑕疵保険の適用には費用がかかり、エリアによってはあまり認知度が高くないため、エリアで売買実績が豊富な不動産会社の意見を聞いてから判断をした方が良いでしょう。

大手の保証制度なら無料

既存住宅売買瑕疵保険の他に、大手不動産会社では独自の保証制度があり、無料で利用できます。

保証制度があるのは、三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル・野村の仲介など。

保証制度については、こちらで詳しく解説してます。

コツ3. 優秀で信頼できる不動産会社を選ぶ

築20年の一戸建てを高く売るためには、不動産会社選びが何より大切です。

優秀で信頼できる不動産会社が見つかれば、後は全てお任せできるため、売主がすることはほとんどありません。

不動産会社選びで8割が決まると考えましょう。

ハウスハウス

優秀で信頼できる不動産会社は、どうやって選ぶの?


家博士家博士

エリアで実績が豊富な不動産会社を選ぶこと。
あと1社だけじゃなく3〜6社に無料査定を依頼して、話を聴き比べることだね。

エリアで実績が豊富な不動産会社を選ぶ

不動産会社を選ぶ際はエリアで売却実績が豊富な不動産会社を選びましょう

実績の豊富な不動産会社なら、顧客も多く、より良い条件で売却できる可能性も高くなります。

また売却するための戦略もあり、相場感もあるため査定価格も信頼できます。

3〜6社の不動産会社に無料査定を依頼して話を聴き比べる

一戸建て売却の第一歩は、不動産会社に無料査定を依頼すること。

このとき重要なのが、最低でも3社、可能であれば6社程度にの不動産会社に査定依頼することです。

査定価格はもちろん、販売戦略など価格以外の部分もしっかり話を聞いて比較することで、信頼できそうな不動産会社が分かります。

ハウスハウス

実績が豊富な不動産会社はどこ?


家博士家博士

都市部なら大手3社が強いね。


実績は大手3社が強い

売買仲介件数ランキング上位35社
(2023年3月)

不動産会社の売買仲介件数ランキング2023年3月

不動産売却の実績は、大手3社に偏っています

三井のリハウス住友不動産販売東急リバブルの3社は、仲介件数が2万件を超えており、大手の中でも圧倒的。

都市部で査定を依頼するなら、これら大手3社を中心に考えると良いでしょう。

ハウスハウス

大手3社は別格だね。


家博士家博士

3社もそれぞれ特徴があるから、解説しよう。

【大手1】三井のリハウス
37年連続で売買仲介件数1位

三井のリハウス

  • 店舗数 286店舗
    (首都圏182、関西圏46、中部圏25、札幌9、東北6、中国9、九州9)
  • 三井のリハウスは、37年連続で売買仲介件数1位と業界を代表する不動産会社。

    独自の査定システムは精度が高く、売主の約76%がほぼ提案価格(提案の95%以上)で成約しています。


    多くの購入希望者を抱えるため早く売れることも強みで、売主の65%が2ヶ月以内に成約するほど。

    また担当者のレベルが高いことにも定評があり、顧客満足度は96%と高評価です。

    家博士家博士

    業界を代表する会社だから、初めての売却ならまず話を聞いてみると良いよ。
    他と比較する基準にもなるからね。

    三井のリハウスの無料査定はこちらから
    三井のリハウス

    【大手2】住友不動産販売
    熱心な営業スタイルに定評

    すみふの仲介ステップ

    • 店舗数 234店舗
      (首都圏136、関西圏58、中部東海15、北海道8、東北4、中国7、九州6)

    住友不動産販売(すみふの仲介ステップ)は、営業マンの熱心な営業スタイルに定評があります。

    現在の購入希望者の登録数も公開しており、常に2万人を超える希望者が登録。

    自社ホームページの月間来訪者数は300万件以上、登録物件数は2万8千件以上と十分なスケールメリットもあります。

    家博士家博士

    スマートでクールな営業より人情深く熱心な営業が好みなら、他より出会える可能性が高いかも。


    【大手3】東急リバブル
    東急沿線や大型案件に強み

    東急リバブル

    • 店舗数 216店舗
      (首都圏141、関西圏42、名古屋11、札幌9、仙台6、福岡7)

    東急リバブルは売却に便利なサービスが充実しています。

    例えば予定期間で売れないと査定価格の90%などで買取る「買取保証」は、買い替えで安心。

    またリフォーム込で売り出す「アクティブ売却パッケージ」は、築古マンションを売り出す方法として効果的です。

    家博士家博士

    初めての買い替えや売却で心配なら、話を聞いてみると良いね。

    東急リバブルの無料査定はこちらから
    東急リバブル

    大手にまとめて査定を依頼するなら「すまいValue」

    大手3社にまとめて無料査定を依頼するなら、一括査定サイトの「すまいValue」が便利。

    すまいValueは、大手上位6社(三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー)が共同運営する一括査定サイトです。


    すまいValue

    すまいValueの公式サイトはこちら
    すまいValue

    ハウスハウス

    とりあえず大手3社に査定を依頼すれば良いの?


    家博士家博士

    売却予定なら個人の相性もあるから、大手3社以外と比較した方が良い。
    首都圏・関西圏ならエージェント制のSRE不動産(旧ソニー不動産)、それ以外なら地域で実績No.1の会社にも査定を依頼しよう。

    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    売主だけを担当するエージェント制

    SRE不動産
    大手と比較するならSRE不動産(旧ソニー不動産)が良いでしょう。

    なぜならSRE不動産は、大手で問題になりがちな両手仲介が無いため。
    (※両手仲介とは売主と買主を同じ不動産会社が担当すること。大手は顧客を多く抱えるため、自然と両手仲介が多くなる。)

    SRE不動産は、業界初のエージェント制で売主だけを担当。
    買主は無数にある他の不動産会社が積極的に探します。

    結果として、大手にも劣らない販売力で、早く高く売れやすいことが最大のメリット。

    ただし営業エリアは首都圏・関西圏限定です。

    家博士家博士

    SRE不動産は業界でも両手仲介無しで知られているから、他社が競って営業してくれる。
    大手と話を聴き比べて、自分に合ってる方を選ぶと良いよ。

    SRE不動産(旧ソニー不動産)の公式サイトはこちら
    SRE不動産

    その他エリアは地域No.1を探す

    大手やSRE不動産の営業エリア外なら、地域で実績No.1の不動産会社を中心に選びましょう。

    実績No.1の不動産会社は、実績をアピールしているのですぐに分かります。

    不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトをいくつか併用すると良いでしょう。

    全国対応の主要な一括査定サイトとして次があります。

    その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。

    ハウスハウス

    よし!
    査定を依頼したら、次はどうすれば良いの?


    家博士家博士

    一応、築20年の一戸建て売却で注意すべき点を知っておこう。
    優秀な不動産会社なら、こんな話は全部説明してくれるけどね。

    築20年一戸建て売却の4つの注意点

    築20年の一戸建てを売却する時の注意点はこちら。

    それぞれ詳しく解説します。

    注意点1. 住宅ローンの抵当権は抹消する

    一戸建てを売却するためには、売却代金などで一旦住宅ローンを完済し、銀行の抵当権を抹消する必要があります。

    抵当権とは、ローンが返済できなくなった場合に金融機関が差し押さえる権利のこと。

    抵当権はローンを完済しなければ抹消できません。

    すでにローンを繰り上げ返済して完済した場合は、きちんと抵当権を抹消しましょう。

    まだローンが残っていても、売却代金で返済できれば問題ありません。

    オーバーローンでは対策が必要

    売却代金だけで住宅ローンが返済できない状態をオーバーローンといいます。
    オーバーローンイメージ
    オーバーローンの場合は、次の解決方法があります。

    • 不足分を貯金などの他の資産で補う。
    • 家を買い換える場合は、住み替えローンを利用する。
    • 不足分を無担保ローンで借り換える。


    家博士家博士

    まずは今の住宅ローンを借りている銀行に相談してみよう。

    注意点2. 内装リフォームはしない方が良い

    売却するならリフォームしてきれいな方が売れると思うかもしれませんが、オススメできません。

    なぜならリフォーム費用を売却価格に上乗せできないため。
    リフォームで家の売却に失敗するイメージ
    仮に200万円かけてリフォームしても、その分を上乗せできる可能性は低いでしょう。


    家博士家博士

    とはいえ、20年も経てば部分的に補修が必要なもの。
    部分的な補修はある程度必要だけど、ムダにならないために、事前に不動産会社に相談しよう

    注意点3. 外壁塗装と防水工事が必要な場合も

    外壁塗装や防水工事といった外装補修は、住宅の劣化状態によっては、売却前に済ませた方が良い場合もあるでしょう。

    なぜなら外装補修は、内装と違って個人の好みに左右されず、家の品質を保つために必要なものだから。

    雨漏りがあると、柱や梁など内部の構造部材が腐食し、家の寿命が極端に短くなる恐れがあります。

    劣化の状態が判断出来ない場合は、不動産会社の意見を聞くと良いでしょう。

    家博士家博士

    不動産会社なら買主のニーズを把握しているからね。
    余計な出費をしないために、必ず不動産会社に相談しよう

    外壁塗装をするなら、外壁塗装の一括比較サイトを利用すると、費用が押さえられます。

    外壁塗装についてはこちらで詳しく解説しています。

    注意点4. 税金がかかる場合もある

    築20年の一戸建てをを売却すると、税金がかかる場合もあります。

    自宅なら3,000万円まで特例で非課税

    一戸建てを売却しても、自宅なら3,000万円までは税金がかかりません。

    なぜなら、「3,000万円の特別控除」で非課税になるため。

    【参考】国税庁・No.3302 マイホームを売ったときの特例

    買い替えでは、住宅ローン控除と併用できない

    買い換えの場合は、次の住宅(戸建て・マンション問わず)を購入する際にローンを組むのが一般的。

    住宅ローンを組むと「住宅ローン控除」が受けられますが、これは売却時の3,000万円の特別控除と併用できません。

    そのため、3,000万円の特別控除と住宅ローン控除を比較し、お得な方を選ぶことになります。

    ハウスハウス

    どちらがお得か比較するのは難しそう…

    家博士家博士

    税金は専門的な知識が必要だし、個人で計算するのはかなり大変!
    基本的には税理士に聞くべきだけど、この程度なら不動産会社を選ぶときに相談してみると良いよ

    ハウスハウス

    何にしても、まずは不動産会社に相談するのが良いんだね!
    不動産会社選びは大事だなぁ。

    賃貸に出すよりも売る方が良い一戸建てとは

    築20年の一戸建てを売却するのなく、賃貸に出そうかと考える人もいるかもしれません。

    しかし次の様な築20年の一戸建ては、賃貸に出すとリスクが高いでしょう。

    賃貸がおすすめできない一戸建て

    • 住宅ローンが残っている。
    • 最寄り駅から徒歩10分以上かかる。

    賃貸がおすすめできない主な理由は次の2つ。

    1. 空室リスクがあり、結局赤字になる事が多い
    2. 駅近以外では地価の値下がりが予想される

    それぞれ解説します。

    理由1. 空室リスクがあり、結局赤字になる事が多い

    住宅ローンが残っている場合は、空室リスクに要注意。

    賃貸に出したとしても、必ず借りる人が現れるとは限りません。

    借り手が現れなければ当然収入もナシ。

    住む人がいなくても管理しなければ家は劣化していく一方なので、結局、管理のために手出しせざるを得なくなります。

    賃貸住宅では常に空室リスクが付きまとうのです。

    入居募集の広告費・リフォーム費用など出費も多い

    入居者を募集するための広告費・仲介手数料として、家賃1〜2ヶ月分が必要です。

    また入居者が退去したあとのリフォーム費用(現状復旧費)も、ざっくり床面積(m2)×年数×2,000円程度は必要。

    戸建ての場合はさらに10年〜15年に1度は外壁塗装をする必要もあります。

    家を貸しても、手元に残るお金はそれほど多くありません。

    銀行にも相談が必要

    家を貸すときに住宅ローンが残っている場合は、本来であれば金利の高い「アパートローン」への借り換えが必要です。

    もし銀行に無断で住宅ローンが残った家を貸すと、最悪の場合は住宅ローンの一括返済を求められる場合も。

    だから住宅ローンが残った家を貸す場合は、必ず事前に銀行へ相談しましょう。

    運が良ければ、他行への借り換えを恐れて銀行も目をつむってくれます。

    理由2. 駅近以外では地価の値下がりが予想される

    すでに最寄り駅からの距離で地価の変動に大きな差がある

    今すでに、都市部・田舎に関係なく、駅から遠いエリアでは土地の価格が下落しています。

    国土交通省が毎年1月1日時点の公示地価を発表しています。
    最寄り駅からの距離別に、公示地価の変動をまとめたものがこちら。

    最寄り駅からの距離別の公示地価変動率
    (3大都市圏・2018年)

    最寄り駅距離別の公示地価変動率(3大都市圏・2018年)

    最寄り駅からの距離別の公示地価変動率
    (地方圏・2018年)

    最寄り駅距離別の公示地価変動率(地方圏・2018年)

    3大都市圏(首都圏・中部圏・近畿圏)もその他地方圏も、いずれも最寄り駅から0.5km(徒歩7分)以内では公示地価の上昇が大きいですが、遠くなるほど公示地価が下落していることが分かります。

    都心部の不動産が高騰している現状でも、最寄り駅から2kmを超えると地価は上がっていません。

    今後予想される、日銀の金融緩和終了による不動産価格の下落局面では、駅から遠いエリアでさらに大きく値下がりが予想されます。

    しばらく賃貸に出しておいて、いざ売却しようとしたら「ほぼ価値のない不動産」になっている可能性も…。

    3大都市圏では2022年問題

    また3大都市圏(首都圏・名古屋圏・近畿圏)では、2022年から順次開放予定の生産緑地の影響で一戸建ての値下がりが加速する恐れも。

    生産緑地とは、都市部に残されている農地のことで、2022年以降に一部が解除されます。

    解除見込みの生産緑地と住宅着工面積
    2022年以降に解除見込の生産緑地面積 新築住宅着工床面積2022年度 割合
    東京都 143万m2 884万m2 16%
    埼玉県 138万m2 438万m2 32%
    千葉県 107万m2 377万m2 28%
    神奈川県 75万m2 503万m2 15%
    首都圏合計 463万m2 2,202万m2 21%
    愛知県 166万m2 481万m2 35%
    大阪府 132万m2 491万m2 27%
    京都府 57万m2 118万m2 48%
    兵庫県 41万m2 258万m2 16%
    奈良県 85万m2 59万m2 144%
    関西圏合計 315万m2 926万m2 34%

    この表で25%を超える地域は、生産緑地の開放が住宅価格に影響する恐れがあります。

    地方や郊外では立地適正化計画で売れなくなるエリアも

    一方の田舎や郊外エリアの場合は、立地適正化計画によってある日突然、土地が無価値になる可能性も。

    立地適正化計画とは、簡単にいうと「人口を集中させるエリア」と「そうでないエリア」の線引きを行うもの。

    日本では人口が急激に減少するため、今までのインフラ(水道・電気・ガス・ごみ収集・道路維持管理など)を維持するために、人が住むエリアを密集させる必要があります。

    つまり人口を集中させるエリアではインフラや生活サービスが維持されますが、そうでないエリアは住むのに適さないエリアになってしまいます。

    具体的には、今までの都市計画で人が住む市街化区域になっていたエリアが、今後は次々と人が住まない「非居住誘導エリア」に指定され、その結果不動産が売りにくくなります。

    家博士家博士

    もう少し様子を見てから…と考えるかもしれないけれど、この先どうなるかは誰にも分からない。
    だから、あまり利便性が高くなくて、今値上がりしていない一戸建ては、注意した方が良いね。

    まとめ

    築20年の一戸建ては普通に売れます。

    築20年戸建てを高く売る3つのコツは

    1. 売却期間に余裕をもつ
    2. 瑕疵保険を利用する
    3. 優秀で信頼できる不動産会社を選ぶ

    築20年戸建売却の4つの注意点は

    1. 住宅ローンの抵当権は抹消する
    2. 内装リフォームはしない方が良
    3. 外壁塗装と防水工事が必要な場合も
    4. 税金がかかる場合もある

    賃貸という選択肢もありますが、住宅ローンが残っていたり、最寄り駅から徒歩10分以上かかるなら、売却するほうが良いでしょう。

    いずれにしてもまず不動産会社3社以上に無料査定を依頼して、今の価格を確認してみましょう。

    都市部なら大手3社(三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル)が実績豊富。

    とりあえず1社だけ査定を依頼するなら、37年連続で実績1位の三井のリハウスが良いでしょう。

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    三井のリハウス

    大手にまとめて査定を依頼するなら、大手6社が共同運営するすまいValueが便利です。

    すまいValueの公式サイトはこちら
    すまいValue

    大手と比較するなら、首都圏・関西圏は両手仲介のないSRE不動産(旧ソニー不動産)

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    SRE不動産

    首都圏・関西圏以外の都市部で大手と比較する場合や、大手の営業エリア外の地方では、一括査定サイトを利用すると良いでしょう。

    全国対応の一括査定サイトとして定番はこちら。

    その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。

    あなたの不動産売却が成功することを、心よりお祈りしております!