悩むイメージ
「一戸建てを売りに出したけど、いつまでも売れない…」

一戸建てが売れなくてお悩みですね。

確かに売り出しても内覧が無かったり反響が少ないと、本当に売れるのか不安になるもの。

さらに不動産会社から値下げの提案があると『あの査定価格は何?』とダマされた気分になってしまいます。

しかし安心して下さい!

一戸建てが売れない場合は、まず原因を見つけて、その原因を解決すれば大丈夫。

なぜなら家が売れない場合は、必ずどこかに「理由」があるからです。

この記事で分かること

  • あなたの家(一戸建て)が売れない理由
  • 家(一戸建て)が売れるための具体的な方法

(※マンションについては、こちらの別記事をお読み下さい。
マンションが売れない場合のチェックポイントと売るための対策

あなたの一戸建ての売却が成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。

売れない場合のチェックポイント

チェックポイントイメージ
一戸建てがなかなか売れない場合は、まず次の5つのチェックポイントで原因を探りましょう。

1. 価格が相場より高くなっていないか

あなたの家の売り出し価格が、相場より高くないかチェックします。

まずポータルサイトをチェック

相場を確認するためには、まず不動産ポータルサイトをチェックしましょう。

ハウスハウス

売り出す前にチェックしたよ。


家博士家博士

売り出す前に一度チェックしただけだと、その後に競合が売り出していることも多い。
また1サイトしか確認していないと、他の競合を見落としている恐れもあるよ。

ポータルサイトは、最低でもSUUMO(スーモ)、HOME’S(ホームズ)、at home(アットホーム)の3サイトは確認しましょう。

ポータルサイトで確認するのは次のポイント。

ポータルサイトで確認するポイント

  • あなたの家と同じ条件で、売り出し価格が安い競合はいないか。
  • あなたの家と同じ価格で、条件が良い競合はいないか。
  • 具体的には、次の条件で絞り込んで確認します。

    ポータルサイトで絞り込む条件

    最寄り駅
     あなたの家と同じ最寄駅
     (競合が少ない場合は近くの隣も含む)
    間取り
     あなたの家と同じ間取りで確認
     (競合が少ない場合は、±1部屋)
    駅からの距離
    あなたの家と同じ条件(徒歩10分以内など)
    築年数
    あなたの家と同じ条件(築20年以内など)

    ハウスハウス

    これで検索して、どう判断するの?


    家博士家博士

    家を買う人の気持になって、自分の家より良さそうな物件があれば、要注意だね。
    まず競合をチェックしてみよう。

    競合の動きをチェックすると相場が分かる

    あなたの家より安い又は条件が良い競合がいれば、まず売り出した時期をチェックしましょう。

    もし競合が4ヶ月以上前に売り出している場合は、その価格でも高すぎる可能性があります。

    ただし同じ物件を毎月新規物件として出し直す不動産会社も多いので、あくまで参考程度です。

    そしてこの後、できれば1週間毎にポータルサイトで競合をチェックします。

    もし競合が売れていれば、次はあなたの家が売れるかもしれません。

    逆に競合も2〜3ヶ月売れていない場合は、エリア全体で売る人が多いのに買う人が少ない「受給バランスが崩れている状態」の可能性もあります。

    需給バランスを確認するために、実際に売買が成立した成約価格をチェックしてみましょう。

    成約価格で売れる価格が分かる

    実は売り出した一戸建ての内、売れるのは半分以下というデータも。

    不動産ポータルサイトで分かる価格は、あくまでも売り出し価格(売り手が希望する価格)なので、売れずに残っている価格の恐れもあります。

    つまり実際に売買される価格(成約価格)も知っておかないと、売れ残る価格で家を売り続けることになりかねません。


    ハウスハウス

    成約価格はどうやって調べるの?


    家博士家博士

    不動産会社に聞くしか方法はないんだ。
    新しい成約価格がレインズに登録されていないか、不動産会社に調べてもらおう。

    成約価格が分かるのは不動産会社だけ

    成約価格は、レインズという国内唯一の不動産データベースに記録されています。

    しかし、残念ながらレインズは不動産会社しか見ることができません。

    レインズとは
    国土交通省の指定流通機関である、不動産流通機構が運営するデータベース。
    過去の取引事例、現在の売り出し物件情報が登録されています。
    不動産会社しか利用できません。
    (参考)家を売るときに知っておきたい「レインズ」のこと

    個人でも成約価格のデータが一部見れますが、個人を特定できる詳細を除いた概要なので、参考程度にしかなりません。

    個人で見れる成約価格の概要

    レインズ
    マーケットインフォメーション
    国土交通省
    土地総合情報システム
    不動産の種類 中古マンション・戸建 中古マンション等、土地と建物、宅地、土地、農地、林地
    住所 町名まで(番地不明) 町名まで(番地不明)
    成約価格 (戸建)100万円単位
    (マンション)1万円単位/m2
    100万円単位
    面積(土地・建物・専有) 5m2単位 5m2単位
    間取り マンションのみ
    リフォームの有無と程度 不明 不明(マンションは有無のみ)
    マンションの所在階・向き・眺望 不明 不明
    業者買取・仲介 不明 不明
    成約時期 過去1年分(3ヶ月単位) 過去5年分(3ヶ月単位)
    その他 最寄り駅の距離、築年、構造、用途地域 (マンション)最寄り駅の距離、築年、構造、建ぺい率、容積率、用途地域、取引の事情等
    (戸建)最寄り駅の距離、築年、用途、今後の利用目的、土地形状、前面道路、建ぺい率、容積率、構造、用途地域、取引の事情等
    情報元 レインズの成約登録情報 国土交通省のアンケート

    不動産会社の査定価格が間違っている場合もある

    「でも媒介契約をする前に、不動産会社に査定価格を聞いたけど…」と思われるかもしれません。

    実は次の様なケースでは、不動産会社の査定価格が間違っている場合があります。

    不動産会社の査定価格が間違っているケース

    • 不動産会社1社にしか査定を依頼していない。
    • 複数に依頼したが、話を聞かずに一番高い査定価格の不動産会社と媒介契約を結んだ。

    もしあなたが今の売り出し価格を決める際に、このケースだった場合は、もう一度複数の不動産会社へ査定を依頼し直した方が良いでしょう。

    不動産会社へ無料査定を依頼する正しい方法とは

    不動産会社へ無料査定を依頼して、正しい査定結果を知り、信頼できる不動産会社を見つける正しい方法はこちら。

    成功する正しい方法

    • 一戸建て売却の実績が豊富な不動産会社に査定を依頼する
    • 複数の不動産会社(3〜6社)に無料査定を依頼して、話を聴き比べる

    もし不動産売却の実績が豊富な不動産会社の心当たりがない場合は、一括査定サイトを利用すると良いでしょう。

    一括査定サイトの定番3社

    一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

    1. すまいValue
      おすすめ1位
      すまいValueバリュー
      査定実績:
      77万件(2016年開始)
      不動産会社数:
      大手6社(全国875店舗)
      運営会社:
      大手6社共同運営
      三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー
      実績 5.0
      不動産会社 4.5
      運営会社 5.0

      大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国875店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
      2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
      簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
      さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

      管理人のコメント

      地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
      しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
      特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

    2. 【公式サイト】すまいValue


    3. SRE不動産
      おすすめ2位
      SRE不動産(旧ソニー不動産)
      査定実績:
      (2014年開始)
      不動産会社数:
      売主側1社(買主側多数)
      運営会社:
      SREホールディングス(東証PRM)
      実績 4.0
      不動産会社 4.0
      運営会社 5.0

      すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
      あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
      さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

      管理人のコメント

      エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

    4. 【公式サイト】SRE不動産


    5. HOME4U
      おすすめ3位
      HOME4Uホームフォーユー
      査定実績:
      累計50万件(2001年開始)
      不動産会社数:
      2,100社
      運営会社:
      NTTデータ・スマートソーシング
      実績 5.0
      不動産会社 4.0
      運営会社 4.0

      日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
      不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
      さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

      管理人のコメント

      HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
      ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
      あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
      不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

    6. 【公式サイト】HOME4U

    各エリアで最適な組み合わせ



    エリア別のオススメ一括査定サイト

    あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

    • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

      →まずすまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。

    • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)

      →まずすまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。

    • 地方(人口密度が少ない地域)

      →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。

    2. エリアの需給バランスが崩れていないか

    シャッター街イメージ
    エリア内で家を購入する人が少ないのに、売り出す人が極端に多い場合は、普通に売ってもなかなか家は売れません。

    具体的には、この様なエリアです。

    需給バランスが崩れている例

    • 地域を代表する工場や企業が撤退したエリア
    • 郊外のニュータウンや一部の地方などの過疎化・高齢化が進んでいるエリア
    • 最寄り駅から遠いエリア

    地域を代表する工場や企業が撤退したエリア

    具体的にはこの様な例があります。

    例1) 東京都日野市の日野自動車
    東京都日野市は、人口:18.5万人、世帯数:8.8万世帯。
    この日野市を代表する日野自動車が、本社工場閉鎖を2011年に発表。
    従業員の家族2300世帯と数多くの下請け企業が移転しつつあります。
    例2) 埼玉県狭山市のホンダ狭山工場
    埼玉県狭山市は人口15.1万人、6.8万世帯。
    ホンダ狭山工場は閉鎖予定と2018年に発表。
    従業員の家族4600世帯と数多くの下請け企業が移転しつつあります。
    例3) 新日本製鐵の呉製鉄所
    広島県呉市は人口21万人、10.7万世帯。
    新日本製鐵呉製鉄所は2023年に閉鎖の予定。
    従業員と協力会社の3,000世帯が移転しつつあります。

    人口減少と高齢化が急激に進む日本国内では、多くの企業が工場や物流センターを次々と閉鎖・統合しているため、この様な例は今後ますます増えるでしょう。

    郊外のニュータウンや一部の地方などの過疎化・高齢化が進んでいるエリア

    例えば多摩ニュータウンのある八王子市、町田市、稲城市を含む多摩中央部南地区では、65才以上の人の割(老年人口比率)が、

    • 2000年 13.7%
    • 2005年 17.0%
    • 2015年 25.1%
    • 2025年 27.9%

    と急激に増えています。

    さらに多摩ニュータウンといっても、入居時期が早かったエリアでは、老人人口比率が、和田 50.2%、東寺方 43.1%などすでに30%を大きく上回っています。

    多摩ニュータウンの入居開始年次と高齢化率

    最寄り駅から遠いエリア

    都市部でも地方でも、最寄り駅から遠いエリアの家を買う人が減っており、価格が下がっています。

    国土交通省が毎年まとめている地価公示がこちら。

    公示地価の推移(3大都市圏)

    最寄り駅距離別の公示地価変動率(3大都市圏・2018年)

    公示地価の推移(地方圏)

    最寄り駅距離別の公示地価変動率(地方圏・2018年)

    最寄駅から500メートル以内の土地の価格(地価)は、三大都市圏(東京・大阪・名古屋)と地方圏、ともにプラスで推移。

    しかし、5キロ以上離れてしまうと、三大都市圏も地方圏も1%のマイナスで推移しているのです。

    駅から遠い物件の場合は、広告の部分でも書いた通り「バス本数が多い」ことなどを併せて明示するなどの工夫が必要になります。

    3. 内覧でイメージが悪くなっていないか

    内覧イメージ
    実際に物件を確認できる内覧は、購入の決め手になるとても大事なもの。

    ここでイメージが悪くなってしまった結果、なかなか売れない…なんてことにもつながるのです。

    内覧のイメージが悪くなってしまう原因としては、次の4点が考えられます。

    ・物が多くスッキリ感がない
    住みながらの売却では仕方のない部分もありますが、物が多いと部屋も狭く感じてしまいます。
    トランクルームを利用して一時的に物を減らすのもオススメです。
    ・水回りなどの汚れが気になる
    これも人が住んでいる以上は仕方のないことですが、出来る限りきれいに掃除して清潔感を出しておくのが重要です。
    リフォームまでは不要ですが、ハウスクリーニングは有効。
    普通の掃除では落ちない汚れもきれいにしてもらえます。
    ・内覧のスケジュールを相手に合わせていない
    意外に感じるかもしれませんが、内覧のスケジュールを相手に合わせることも実は大事なポイント。
    「内覧したい」と申し出てくれるということは、あなたが売ろうとしている一戸建てに興味を持ってくれているということ。
    せっかく都合をつけて部屋を見に来てくれるわけなので、可能な限り、相手のスケジュールに合わせるようにしましょう。
    ・内覧者との受け答えに問題がある
    一戸建てを買うために内覧に来てくれる内覧者は、部屋を見ながらいろいろな質問をしてきます。
    その時の受け答えによって印象が悪くなっている可能性もゼロではありません。
    内覧時は不動産会社の担当者も立ち会ってくれるので、やり取りもしっかり聞いてくれています。
    受け答えに問題なかったかどうか内覧終了後に担当者に確認して、アドバイスをもらうようにすると良いでしょう。

    内覧については、こちらで詳しく解説しています。

    家博士家博士

    このほかにも、既に空き部屋となっていて内装がきれいな部屋の場合は、ホームステージングなども内覧時には有効だよ

    ハウスハウス

    ホームステージング?

    家博士家博士

    空き部屋を家具や調度品で飾って、印象を良くするためのサービスだよ。新築住宅のモデルルームのような感じで、購入後の暮らしをイメージする手助けをしてくれるんだ。ライバル物件との差別化が期待できるよ

    4. 広告がきちんとされているか

    広告イメージ
    不動産の売却では、広告がきちんとされているかも大事なポイントになります。

    家博士家博士

    不動産広告は、購入希望者が物件を知るきっかけにもなるもの。どのように物件の広告が出されているか、確認しておこう

    ポータルサイトなどに広告が出ているか確認する

    手軽な物件探しに便利な不動産のポータルサイト。

    ここできちんと広告が出ているかどうか、確認しておきましょう。

    絞り込み条件も利用して、検索結果から漏れていないかどうかも確認しておきたいポイントです。

    ネット広告については、こちらで詳しく解説しています。

    折込チラシやオープンハウスなどを依頼してみる

    インターネット上の広告以外にも、近隣に直接アピールできる折込チラシや実際に物件を見てもらえるオープンハウスを依頼してみる方法もあります。

    近隣で物件を探している人にとっては非常に効果が高くなります。

    広告が悪く魅力が伝わっていない可能性も

    どんなに広告を出せていたとしても、内容が悪ければ見づらく、魅力も伝わりません。

    例えば、使われている写真が少なければ、見ている人もどんな物件なのかイメージしづらいもの。

    暗い写真が多ければ、日当たりが悪い家なのでは?と思われてしまうかもしれません。

    写真の数自体を増やしたり、明るい写真を利用したりするだけでも印象は良くなるものです。

    また、一見すると欠点になるようなところも、伝え方次第では魅力になることも。

    例えば駅から遠い物件の場合。

    バスの本数が多いことを明示すれば、決して不便な場所ではないとアピールできます。

    同時に「閑静な住環境」とアピールすれば、ある程度の利便性がありつつ、静かに暮らすのに最適な家だということを伝えられるわけです。

    また、築年数が古い家でも「○○年に外壁塗装済み」など、修繕履歴を明示してみるのも効果的。

    きちんと手入れされている家だということをアピールできます。

    5. 不動産会社に問題がないか

    問題がある不動産会社イメージ
    依頼している不動産会社はしっかり売却活動をやってくれているはず…と思いたいものですが、場合によっては不動産会社に問題があることも。

    次のポイントをチェックしましょう。

    1. レインズに正しく登録され、他の不動産会社に情報が伝わっているか
    2. 媒介契約の種類を間違っていないか
    3. 不動産会社が囲い込みをしていないか

    ハウスハウス

    レインズに正しく登録されているかって、自分で確認できるの?


    家博士家博士

    2016年から、売主もレインズで取引状況が確認できるようになったんだ。
    不動産会社から受け取った『登録証明書』に書かれたIDとパスワードでアクセスして、取引状況が『公開中』になっているかどうか確認しよう


    ハウスハウス

    『公開中』以外になっていたらどうするの?


    家博士家博士

    『公開中』になっていないと、他社から問合が来ないんだ。
    特に理由もなく『公開中』でない場合は、不動産会社に聞いてみよう。


    またレインズには、販売図面や写真を登録した方が、問い合わせが増えます。

    販売図面や写真は売り主から見えないため、きちんと不動産会社がレインズにこれらを登録しているか、口頭で念押ししておきましょう。

    また、媒介契約の種類にも注意が必要です。

    後で詳しく解説しますが、媒介契約には3種類あり、次のようなケースは売れにくくなります。

    • 一般媒介契約でレインズに登録していない。
    • 一般媒介契約で相場より高めの価格で売り出している。
    • 専任媒介契約・専属専任媒介契約だが、販売実績の少ない不動産会社へ依頼してしまった。

    一般媒介契約については、こちらで詳しく解説しています。

    専任媒介契約・専属媒介契約で、販売実績の少ない不動産会社へ依頼した場合、囲い込みをされると全く売れません。

    囲い込みとは、不動産会社が買い主から仲介手数料を得るために、他社が見つけた買い主を拒否する不正行為。

    囲い込みについて、詳しくはこちらで解説しています。

    売却にかかる期間

    平均で約3.5ヶ月

    一戸建てを売り出してから成約するまでの期間は、平均で約3.5ヶ月(首都圏2021年)。

    この10年で売却期間は長くなる傾向です。

    中古住宅の平均売却期間(首都圏)

    中古住宅の平均売却売却(首都圏2021年)

    実際には成約から引き渡しまでさらに1ヶ月、また売出しまで0.5ヶ月ほどかかるため、合計で約5ヶ月かかります。

    売却期間イメージ(首都圏2021年)

    ハウスハウス

    結構長くかかるんだね。


    家博士家博士

    早く売れるときは1ヶ月もかからないし、運が悪いと3ヶ月以上かかることもある。
    そもそも売出した戸建てが全て売れるわけでもないよ。

    売り出しても成約率は半分以下

    一戸建てを売り出しても、仲介で一般の買主に売れる割合は半数以下です。

    中古戸建ての成約率
    (築年数別・首都圏・2021年)

    中古戸建の成約率(築年数別・首都圏・2021年)

    売れない物件は、あきらめて売り止めるか、相場より2割以上安い価格で業者に買い取られることに。

    業者に買い取られた戸建ては、建物を解体して更地や新築分譲住宅として再販されます。

    ハウスハウス

    思っていた以上に売れないものなんだね…
    じゃあ、どうすれば売れるの?


    家博士家博士

    家を売るための対策を紹介しよう!

    家を売るための4つの対策

    対策イメージ
    家を売るために対策として、次の方法があります。

    対策1. 今の不動産会社と相談

    最初にできる簡単な対策は、とにかく今、契約している不動産会社に相談すること。

    次のようなポイントについて相談してみましょう。

    内覧があるなら購入に至らなかった理由をヒアリング

    内覧は来るものの購入には至らない…

    そうした状況であれば、不動産会社経由で理由を確認してみましょう。

    理由が分かれば対策も出来ます。

    そもそも内覧があるということは、購入希望者にとって興味のある物件だということ。

    物件に対する反応自体は悪くないので、購入に至らなかった理由の部分をしっかり解決し、買主が「買いたい!」と思う家にすることを目指しましょう。

    最低限のリフォームを試す

    内覧が数件あったけれど、購入申込みがなかった場合、劣化や汚れが目立つ部分を、最低限の範囲でリフォームするのも効果的です。

    イメージとして、壁紙やトイレの交換など、30万円以下でできるリフォームです。

    キッチンや風呂など数百万円をかけるリフォームは、元がとれないのでやめておきましょう。

    金額の目安は、例えばリクシルPATTOリフォームなどをチェックすると分かります。

    【参考】リクシルPATTOリフォーム

    売り出し価格の見直し

    内覧自体がないのあれば、売り出し価格の見直し(値下げ)を検討します。

    見直す際には、500万円や1,000万円のラインを超えて下げるのがポイント。

    たとえば、現在の売り出し価格が4,000万円であれば3,900万円にするといった感じです。

    ハウスハウス

    できれば値下げしたくないのが正直なところだけど…

    家博士家博士

    その気持ちも分かるけれど、問合せや内覧がなければ売れないからね。
    家に限らず、一定のラインを超えた値段設定は有効なんだ。
    1,000円より980円の方が買いやすいと感じるけれど、それと同じだよ

    対策2. 家の付加価値を高める

    そのまま売るのではなく、少し工夫して家の付加価値を高めるのも有効です。

    • インスペクション、耐震診断、フラット35適合証明、安心R住宅、既存住宅売買瑕疵保険などを検討する
    • 大手不動産会社が瑕疵保証をつける

    フラット35適合証明については、こちらで詳しく解説しています。

    また、家の新しい売り方としてリフォームプランをセットにして売る方法もあります。

    対策3. 期間優先なら即時買取や買取保証も検討する

    とにかく早く売却したいのであれば、不動産会社による即時買取も選択肢の一つ。

    即時買取なら、買取価格は相場の6〜8割になってしまいますが、確実に売れます。

    また一部の大手不動産会社では、期間限定(通常3ヶ月〜6ヶ月)で普通に売却して、売れなければ買取という「買取保証」という売り方もあります。

    家博士家博士

    即時買取や買取保証を利用するなら、とにかく数多くの不動産会社へ無料査定を依頼しよう。
    査定価格がそのまま買取価格になるからね。

    不動産会社による即時買取についてはこちら。

    不動産会社の買取保証については、こちらの記事で詳しく解説しています。

    対策4. 不動産会社を変更する

    家の売却は、不動産会社選びで8割が決まるといわれます。

    もし不動産会社の対応がイマイチであったり、売却活動に進捗がないのあれば、思い切って不動産会社の変更を考えてみても良いでしょう。

    変更するタイミングは契約期間終了時が簡単

    不動産会社を変更するタイミングは、次の2つ

    1. 媒介契約の契約期間終了を待たずに、途中で変更する
    2. 媒介契約の契約期間終了のタイミングで変更する

    1.途中で変更する場合は、不動産会社とトラブルになる恐れもあります。

    もし内覧などが全く無く、不動産会社も反論できないほど反響が無いなら良いのですが、中途半端に内覧や問い合わせがある場合は、不動産会社としても納得できないでしょう。

    最悪の場合は、それまでにかかった広告費用などを請求される恐れもあります。

    できれば、2.契約期間終了のタイミングで変更した方が良いでしょう。

    媒介契約の期間は最長で3ヶ月なので、この契約期間終了で、他の不動産会社へ切り替えるか、一般媒介契約で同時に複数の不動産会社へ売却を依頼します。

    契約期間終了のタイミングで変更する場合は、事前に不動産会社へ「今の契約期間が終了したら別の不動産会社へ切り替える予定だ」と通知しましょう。

    今の不動産会社へ通知することによって、慌てて本気で売却活動を始めるケースもあります。

    家博士家博士

    不動産会社を変更する場合、いくつか注意点もあるんだ。契約期間や契約方法についてはよく確認しておこう

    媒介契約は専任媒介が一般的

    不動産会社との媒介契約は3種類。

    【媒介契約の比較】

    項目 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任
    媒介契約
    特徴 自由な契約 一般的な契約 厳しい契約
    こんなタイプの人向き 不動産の売却経験がある人 普通の人 多少損でもお任せしたい人
    実際の契約数
    2022年実績
    33% 51%
    一番多い
    16%
    他社との媒介契約 × ×
    自分で見つけた相手との直接契約 ×
    契約の有効期間 制限なし
    (行政指導により3ヶ月が一般的)
    最長3ヶ月 最長3ヶ月
    指定流通機構(レインズ)への登録 ×
    登録義務なし

    契約から7日以内

    契約から5日以内
    業務処理状況の報告義務 規定なし 14日に1回以上 7日に1回以上

    契約期間は3ヶ月間が一般的です。

    良い不動産会社を選ぶポイント

    不動産会社を変更する際は、

    • エリアで売却実績が豊富な不動産会社を複数選ぶ
    • 無料査定を依頼して、話を聴き比べる

    ことがポイントになります。

    不動産会社の心当たりがない場合は、一括査定サイトを利用すると便利です。

    売却途中で不動産会社を変える方法について、さらに詳しくこちらで解説しています。

    今後はますます売れなくなる!

    一戸建てが思うように売れないと、売却を諦めたくなってしまうかもしれません。

    しかし、長期的には不動産市場は下落傾向です。

    なぜなら日本では人口が急激に減っていますが、新築住宅が次々と建てられているため。

    日本人の人口・世帯数と住宅戸数

    住宅戸数と世帯数の変化2018年rev3

    結果として、空き家率は2018年時点で13.6%に。

    持ち家の27%が空き家予備軍

    2025年には団塊の世代が75歳以上になり、多くの人が施設へ入居します。

    そうなると空き家は一気に増加。

    すでに2018年時点で、全国の居住中の持ち家2,864万戸に対し、779万戸(27%)が65歳以上の高齢者のみの世帯。

    実に27%もの住宅が「空き家予備軍」となっているのです。

    地方だけでなく、東名阪エリアでも空き家予備軍は370万戸(27%)。

    実際にこれだけ空き家が増えると、家を売ろうにも供給過多で売れないことが予想されます。

    空き家予備軍の割合(2018年時点)

    空き家予備軍

    実際に、シンガポール国立大学の研究によると、日本の住宅価格は2010年→2040年の30年で平均46%下がる(価格は半額)と予想されています。

    (※出典:Analysis of policy options to address Japan’s declining population, shrinking birthrate, and aging society

    また国土交通省の「国土の長期展望」によると、2050年には

    • 5割の地域で、人口が現在の半分以下になる。
    • 2割の地域で、無人化する。

    ことが分かっています。

    2022年問題や立地適正化計画で売れなくなる恐れも

    3大都市圏(首都圏・名古屋圏・近畿圏)では、生産緑地開放による「2022年問題」があります。

    2022年以降に大量の宅地が供給されて、家が売れにくくなるかもしれません。


    また郊外で不便なエリアでは、立地適正化計画が心配されます。

    立地適正化計画は、人の住むエリアを中心部に集めるための政策。

    もしあなたの家が非居住地域に指定されると、家が売れなくなる恐れがあります。

    まずは出来ることから始めて、少しでも早く売却できるように対策を立てておきましょう。

    まとめ

    一戸建てが売れない場合は、何か理由があるはずです。

    まず次のチェックポイントで確認してみて下さい。

    1. 価格が相場より高くなっていないか
    2. エリアの需給バランスが崩れていないか
    3. 内覧でイメージが悪くなっていないか
    4. 広告がきちんとされているか
    5. 不動産会社に問題がないか

    売れない原因がわかったら、対策として次を試してみましょう。

    1. 今の不動産会社と相談
    2. 家の付加価値を高める
    3. 期間優先なら即時買取や買取保証も検討する
    4. 不動産会社を変更する

    あなたの一戸建て売却が成功することを、心よりお祈りしております!

    一括査定サイトの定番3社

    一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

    1. すまいValue
      おすすめ1位
      すまいValueバリュー
      査定実績:
      77万件(2016年開始)
      不動産会社数:
      大手6社(全国875店舗)
      運営会社:
      大手6社共同運営
      三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー
      実績 5.0
      不動産会社 4.5
      運営会社 5.0

      大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国875店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
      2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
      簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
      さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

      管理人のコメント

      地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
      しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
      特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

    2. 【公式サイト】すまいValue


    3. SRE不動産
      おすすめ2位
      SRE不動産(旧ソニー不動産)
      査定実績:
      (2014年開始)
      不動産会社数:
      売主側1社(買主側多数)
      運営会社:
      SREホールディングス(東証PRM)
      実績 4.0
      不動産会社 4.0
      運営会社 5.0

      すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
      あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
      さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

      管理人のコメント

      エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

    4. 【公式サイト】SRE不動産


    5. HOME4U
      おすすめ3位
      HOME4Uホームフォーユー
      査定実績:
      累計50万件(2001年開始)
      不動産会社数:
      2,100社
      運営会社:
      NTTデータ・スマートソーシング
      実績 5.0
      不動産会社 4.0
      運営会社 4.0

      日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
      不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
      さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

      管理人のコメント

      HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
      ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
      あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
      不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

    6. 【公式サイト】HOME4U

    各エリアで最適な組み合わせ



    エリア別のオススメ一括査定サイト

    あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

    • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

      →まずすまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。

    • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)

      →まずすまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。

    • 地方(人口密度が少ない地域)

      →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。