家を売るときには費用がかかります。
家を売るときの費用の目安は、売却価格の3.5%〜5%程度ですが、さらに税金がかかる場合も。
家を売る時の費用と税金、あわせてお得な裏技について徹底解説します。
家を売る費用の一覧表
家を売る費用の一覧表です。
例として、2,500万円で家を売却した場合の費用はこの様になります。
- 1. 仲介手数料←費用の大部分がこれ
- 不動産会社に支払う仲介手数料です。
2,500万円×3%+6万円+消費税=891,000円 - 2. 印紙代
- 売買契約書に貼る印紙代です。
10,000円 - 3. 登記費用
- 住宅ローンの抵当権抹消の登記費用です。
38,000円 - 4. 住宅ローンの返済関係
- 住宅ローンの一括返済事務手数料: 4,400円
固定金利の場合は、違約金が別途必要になります。 - 5. 税金
- 住んでいた家を3,000万円以下で売却するので所得税はかかりません。
固定資産税・都市計画税の日割り: -32,000円(受取) - 6. その他
- 古い家を売りやすくするためにハウスクリーニングや最低限のリフォームなどをする場合があります。
合計費用 911,400円
(売却価格2,500万円の3.6%)
家を売るときの費用って結構高いんだね。
消費税は関係ないの?
売主が個人の場合は、消費税は無いんだ。
売主が事業者だと、建物にだけ消費税がかかるよ。
不動産売却で知っておきたい消費税の知識についてまとめました。消費税がかかるか判断する方法として、2つの条件があります。また例外もあるので要注意。合わせて、増税の影響や消費税還付についても解説します。
費用の内訳について、それぞれ詳しく解説します。
1. 仲介手数料
費用の大部分を占める
売却費用では、仲介手数料が大部分を占めます。
上限は宅建法で決まり、上限価格が一般的
宅建業法で仲介手数料の上限が決められており、法定価格の満額を支払うのが一般的です。
上限の計算式は、売買価格によって次の3種類あります。
●仲介手数料の上限額
家の売買価格 | 仲介手数料の計算式 |
---|---|
200万円以下 | 売買価格×5%+消費税 |
200万〜400万円 | 売買価格×4%+2万円+消費税 |
400万円以上 | 売買価格×3%+6万円+消費税 |
仲介手数料(上限)の早見表
家の売買価格 | 仲介手数料(税込) |
---|---|
500万円 | 231,000円 |
1,000万円 | 396,000円 |
1,500万円 | 561,000円 |
2,000万円 | 726,000円 |
2,500万円 | 891,000円 |
3,000万円 | 1,056,000円 |
3,500万円 | 1,221,000円 |
4,000万円 | 1,386,000円 |
5,000万円 | 1,716,000円 |
6,000万円 | 2,046,000円 |
7,000万円 | 2,376,000円 |
8,000万円 | 2,706,000円 |
800万円以下は同額になった
2024年7月1日から売買価格が800万円以下でも800万円と同じ「30万円+消費税」を請求できる様になりました。
(参考:空き家等にかかる仲介手数料の特例)
これは地方を中心として空き家が増加し、800万円以下の不動産が急増しているため。
800万円以下の不動産を売ろうとしても、仲介手数料が安すぎるために不動産会社が扱ってくれないことが多いのです。
ただし増額されたといっても30万円+消費税だけ。
積極的に広告活動をできる金額ではありません。
地方の空き家を売るのは、引き続き難しいことに変わりありません。
田舎で「売れない」と不動産会社に断られた土地でもあきらめないで下さい! 工夫すれば売却できる可能性もまだありますし、他にも方法はあります。売れない土地を手放す3つの方法について解説します。
支払うタイミングは2種類
不動産会社へ仲介手数料を支払うタイミングは…
- 売買契約を結ぶ時と引き渡しの時に半金づつ
- 引き渡しの時に全額
のどちらかで、不動産会社によって違います。
売買契約時は買主から手付金が入るので、その一部を支払に充てると良いでしょう。
引渡し時は売却代金が全額入るため、その一部を使えます。
買主都合や特約による契約停止・解除では不要
ただし売買契約が成立しても、買主都合や特約によって契約が停止・解除された場合は、仲介手数料を支払う必要はありません。
よくあるのが、買主の住宅ローン審査が通らず売買契約が解除される『ローン特約』で売買が成立しない場合。
この場合も、仲介手数料を支払う必要はありません。
売買が成立しなくても支払う場合もある
- 売買契約後に売主又は買主の事情で契約を解除する場合(手付解除)
- 売買契約の後、手付解除期日(通常30日間)までは、買主は手付金を放棄することで、売主は手付金を返還し、さらに手付金と同額を買主に支払うことで、契約を解除できます。
手付解除の場合は、売買は成立していませんが、仲介手数料を支払わなくてはいけません。 - 売買契約に対してどちらかが守らず契約を解除する場合(違約解除)
- 売買代金を払わなかったり、家を引き渡さないなど契約違反(債務不履行)の場合は、相手方が損害賠償の請求を行い、催告しても履行されない場合は契約を解除できます。
この場合も不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。
手付解除と違約解除について、詳しくはこちらで解説しています。
不動産の売買契約で分かりにくい「手付金」。ここでは手付金の意味や手付解除、相手の契約不履行による契約解除(違約解除)についてまとめました。
仲介手数料は安くならないの?
仲介手数料が安くなることは少ないね。
そもそも手数料をしつこく値切ることは、あまりオススメできないよ。
しつこく値切らない方がトータルでお得
高く売る方が手残りは多い
家を売る時には仲介手数料をしつこく値切らない方が、結果として得することが多いでしょう。
なぜならトータルで考えると、強引に手数料を値切るより、高く売る方が手残りは多くなるため。
仲介手数料を値切ってもせいぜい数万円〜数十万円程度。
一方で不動産の売却価格は、担当者の頑張り次第で数百万円変わります。
不動産会社の担当者も人間ですから、「手数料をきちんと払おうとしない客」に忠義を尽くそうとは思いません。
売却を依頼する前に、軽く交渉する程度で
不動産会社の仲介手数料を安くしたい場合は、売却を依頼する前に、安くなるか軽く交渉する程度が良いでしょう。
不動産会社の担当者との信頼関係は、家の売却を成功させるためにとても大切です。
また仲介手数料を値切ると、不動産会社の保証サービスなどが一部利用できない場合もあるので注意しましょう。
不動産売買の仲介手数料の相場と値引きについて、必要な知識をまとめました。上手く値引きするコツと裏技も解説しています。
仲介手数料が安い不動産会社は要注意
仲介手数料が安い不動産会社は、安くなった仲介手数料以上に家の価格が下がり、トータルではあなたが損をする恐れがあるので要注意です。
実力不足で、仕方なく仲介手数料を値引きしている
最近増えているのが、仲介手数料を半額や無料などとした不動産会社。
仲介手数料の値引きで集客する不動産会社は、実績が少なく販売力が弱い不動産会社がほとんど。
実績豊富な競合不動産会社に負けてしまうため、仕方なく手数料を下げて集客しているのです。
収入を補うため、売主より自社の利益を優先する
この様な不動産会社は、手数料収入が少ないので、なるべく効率よく家を売ろうとします。
家を売る方法で一番効率が良いのは、相場より安く売り出すこと。
だから手数料が安い不動産会社に依頼すると、相場より安い価格で家を売る方針に誘導される恐れがあります。
また売主から取れない分を買主から取ろうと『両手仲介』にこだわり、家が長期間売れず、価格が下る恐れもあります。
売主だけでなく、買主を自社で見つけることで、2倍の仲介手数料を稼ぐ方法。
自然に両手仲介になるのはよくあることで、悪いことではありません。
しかし意図的に両手仲介を狙って、他社の見つけた購入希望者を拒否するのは売主への裏切り行為。
売主からすると、せっかく見つかった購入希望者が知らない間に断られていたことになります。
悪質な不動産会社の行為は、こちらで解説しています。
不動産会社が売主をだます4つの手口と、だまされずに不動産売却を売る3つの方法を解説します。
このように仲介料を安くすると、不動産会社は無理をして利益を捻出することになります。
【お得な裏技】家を買うときは仲介手数料が安くなりやすい
買主側の不動産会社はほとんど作業なし
一方で家を『買う』ときは、仲介手数料が安くなりやすいので、ドンドン交渉しましょう。
なぜなら家を買うときに、不動産会社はほとんど作業をしないため。
不動産の売買では、売却の資料や契約書作成、広告活動など、ほとんどの作業を売主側の不動産会社が負担します。
買主側の不動産会社がすることは、価格交渉など伝言と、売買契約に付いて行く程度。
同じ手数料を受け取るのに、不動産会社の負担は全く違います。
そのため家を買うときの仲介手数料は、交渉しやすいのです。
個人売主の中古住宅を購入するなら、買うときの仲介手数料を交渉してみましょう。
(新築住宅や業者売主の中古住宅では、仲介手数料はそもそもありません。)
交渉は購入を申し込む前
仲介手数料を安くする交渉のポイントはタイミング。
家の購入を申し込む前に、仲介手数料の値下げ交渉をします。
ちなみに、はじめから購入時の仲介手数料を半額又は無料としている不動産会社もあります。
⇒手数料無料のスターフォレスト
2. 印紙代
売買契約の書類に貼る印紙代です。
家を売った価格 | 印紙代 (契約書1通) |
---|---|
100万円超〜500万円以下 | 1,000円 |
500万円超〜1,000万円以下 | 5,000円 |
1,000万円超〜5,000万円以下 | 10,000円 |
5,000万円超〜1億円以下 | 30,000円 |
1億円超〜5億円以下 | 60,000円 |
(参考)国税庁・No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置
不動産会社が印紙の金額を教えてくれるので、郵便局などで印紙を購入します。
印紙は不動産売買契約書には必ず貼らないといけません。
貼らなければ脱税で違法になります。
【お得な裏技】印紙代をタダに
契約書は買主と売主の双方が1部づつ作成して、それぞれ保管するのが一般的。
しかし法律上は1部あれば良いのです。
売主にとっては、自分の権利が無くなった書類ですので、コピーでも良いもの。
売主(あなた)の契約書をコピーにすれば、あなたの印紙代は不要になります。
買主は印紙代を払うので、あらかじめコピーすることは買主側に了承をとった方が良いでしょう。
売主の契約書はコピーで良いんだね。
実際にどうするかは個人の価値観次第だけど、少なくとも法的にはコピーで良いよ。
3. 登記費用
売主負担は抵当権抹消登記など
登記費用は、売主負担と買主負担に分かれます。
一番費用が大きな『所有権の移転の登記』は買主が負担します。
売主(あなた)の負担は、次の登記費用。
費用の内訳は…
- 申請にかかる実費: 約2,000円
(住所変更は更に2,000円) - 司法書士の手数料: 5,000円〜20,000円
(住所変更があればこれの倍額) - あとは交通費など
が請求されます。
相続なら相続登記も必要
相続では、相続登記をしないと家を売却できません。
相続登記費用は20〜30万円かかります。
紛失すると別途必要に
権利証や登記識別情報を紛失した場合は、『資格者代理による本人確認情報の提供の制度』の費用が別途必要に。
具体的な手続きは、不動産会社が手配してくれますが、費用はかかります。
【参考】法務省・新不動産登記法Q&A
登記について詳しくはこちらで解説しています。
家を売る前に必要な準備、書類などについて完全にまとめました! これを読めば、準備は完璧です。
司法書士はどうやって探すの?
買主が依頼した司法書士に、ついでに依頼するのが一般的だよ。
費用が最小限で済むからね。
【お得な裏技】少額なら先に完済し自分で登記する
もし今の住宅ローン残債が少額なら、先に貯金などで完済して、自分で抵当権抹消登記をしても良いでしょう。
自分で登記すれば、司法書士費用がかからずに済みます。
手続きは、金融機関から郵送される書類と申請書を記入・提出し、オンライン申請も可能です。
売却代金で完済するときは自分で登記できない
ただし売却代金でローンを完済する場合は、自分で、抵当権抹消登記できないのが一般的。
理由として、買主に所有権移転登記をする前に、抵当権を抹消しなくてはいけないため。
ですから自分で登記するためには、売買の前にローンを完済して、抵当権抹消登記を済ませる必要があります。
不動産売却では、抵当権抹消登記が必要です。抵当権抹消登記の方法は3つあり、今の住宅ローンが残っているか、売却でローンが返済できるかで違います。初めて不動産を売却する人が知っておきたい、抵当権と抵当権抹消の知識について解説します。
4. 住宅ローンの返済関係
事務手数料と違約金など
住宅ローンの一括返済事務手数料が、3,000円〜5,000円。
また固定金利の場合は、別途違約金が数%かかる場合もあります。
金額は金融機関毎に違うので、直接金融機関に聞きましょう。
売る前に聞いてもトラブルになる事はありません。
電話でも問い合わせ出来ますので、気軽に聞いてみましょう。
家の売却で銀行へ連絡する最適なタイミングは、4つのケースがあります。連絡のタイミングを間違えるとトラブルになる恐れも。銀行に連絡するタイミングと注意点、連絡後の手続きの流れについて、分かりやすく解説しました。
ローン保証料は返金されることも
住宅ローン保証料を一括で支払っている場合は、残りの期間分が返金されます。
保証料は金融機関によって違い、金額は借入金額の0%〜2%。
住宅ローンを借りたときの金銭消費契約書などに記載されています。
ただし一括払いでなく金利上乗せで保証料を支払っている場合は、返金されません。
また住宅ローン契約時に支払う費用として、他に事務手数料と団信保険料がありますが、これらは戻りません。
5. 税金
費用の他に税金がかかります。
税金はかなり奥が深いですが、簡単な内容であれば不動産会社が教えてくれます。
ただし複雑なケースや節税方法などは、不動産に詳しい税理士に相談したほうが良いでしょう。
税理士の心当たりが無ければ、不動産会社に聞けば紹介してくれます。
所得税、住民税
売却金額によりますが、特例が適用できるかで税額は大きく変わります。
売却価格が3,000万円未満は多くが非課税
売却価格が3,000万円未満は多くの場合非課税です。
なぜなら居住用だと3,000万円までの譲渡所得(不動産を売った儲け)は非課税になる特例「3,000万円の特例」があるため。
【参考】国税庁・No.3302 マイホームを売ったときの特例
また相続した空き家も、3,000万円まで非課税になります。
【参考】国税庁・No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
相続した空き家を売るなら3年目の年末までが有利な場合も。なぜなら税金の特例に期限があるため。相続した空き家の売却で知っておきたい税金の特例と3つの注意点、さらに不動産市場の現状について解説します。
ただし特例を適用するためには確定申告をする必要があります。
売却価格が3,000万円以上は要注意
売却価格が3,000万円以上だと、3000万円の特例を適用しても課税対象になる恐れがあります。
所得税と住民税は、譲渡所得に対して課税されます。
計算方法はこちらで詳しく解説しています。
家を売った時の税金について、知っておくべき知識をまとめました。家を売るのが初めての人でも、税金についてよく分からなくても、この記事を読めば安心!! 家が値下がりして損した場合は税金が戻ってきます!
税率は所有期間によって違う
所有していた期間で税率が変わります。
(所得税には復興特別所得税も含みます。)
期間は売却した年の1月1日時点で、相続では所有期間を合算できます。
所有期間 | 短期譲渡所得 (1月1日で5年以下) | 長期譲渡所得 (1月1日で5年超) | 長期の軽減税率特例 (1月1日で10年超で特例を選択する場合) |
---|---|---|---|
税率 (所得税) |
30.63% | 15.315% | 6千万円以下分:10.21% 6千万円超分:15.315% |
税率 (住民税) |
9.0% | 5.0% | 6千万円以下分:4.0% 6千万円超分:5.0% |
税率 (合計) |
39.63% | 20.315% | 6千万円以下分:14.21% 6千万円超分:20.315% |
参考:No.3211 短期譲渡所得の税額の計算・国税庁
参考:No.3208 長期譲渡所得の税額の計算・国税庁
参考:No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例
5年を超えるかで税率が全然違うんだね!
そうなんだ。長い期間住んでいるほど、税率は低くなるよ
家の買い替えは要注意
家を買い換える場合は、3,000万円の特例を使うと、新しい家の住宅ローン減税が併用できない場合があるので要注意。
新しい家の住宅ローン減税と比べて、どちらが節税効果があるかで、特例を選ぶ必要があります。
家の買換えで、住宅ローン控除(減税)は使えるのか? 最大400万円を損しないため、簡易判断チャートを元に税金対策について解説します。
また買い替えでは、別に『特定居住用財産の買換え特例』があります。
これは譲渡所得が繰り越せるという特例。
次の不動産を売るまで、税金が待ってもらえるという制度です。
【参考】国税庁・No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例
もし家を売って損をした場合、その家を5年以上所有していれば、損失を3年間繰り越して節税できます。
【参考】国税庁・No.3370 マイホームを買換えた場合に譲渡損失が生じたとき
家の買い換えは、どうすれば良いのか難しいね。
本来は税理士に相談するのが一番だけど、この程度の話なら不動産会社の営業マンに聞けば教えてくれるよ
【お得な裏技】夫婦で6,000万円まで節税
マイホームを売った場合、利益(譲渡所得)が3,000万円まで非課税になる「3,000万円の特例」。
この特例は、家が夫婦の共同名義だった場合、1人あたり3,000万円で合計6,000万円まで非課税にできます。
値上がりが期待できる家を購入する場合は、共同名義にした方が節税額は大きくなります。
ただし今の家がどちらか一方の名義の場合は、共同名義にするかは慎重に検討した方が良いでしょう。
単独の名義から共同名義にすると、次の費用がかかります。
- 贈与税(婚姻期間20年超で2,000万円まで非課税)
- 不動産取得税
- 登録免許税
- 司法書士に支払う登記費用
- 税理士に支払う相談料
【お得な裏技】家を売って損したら税金が戻ってくる
5年以上住んでいたマイホームであれば、家を売って損した分が節税になり、確定申告をすると税金が戻ってきます。
正確には
- 家を売ったことによる損失(図で損失A)
- 売却価格から返済できる住宅ローン残債の不足分(図で損失B)
- 給与所得など他の所得と相殺(損益通算)できる。
- 1年で損益通算しきれなければ、翌年以降最大3年まで繰り越せる。
というもの。
その結果、サラリーマンなら給与で源泉徴収されていた所得税と住民税が戻ってきます。
家を売っても住宅ローンが返せないオーバーローンでは、損失の一部が税金が戻ります。確定申告で少しでも損失を取り戻しましょう。
税金が戻ってくるのは嬉しいね。
確定申告が必要だから、忘れずにね。
【お得な裏技】固都税は関東式がお得
固都税(固定資産税・都市計画税)は引き渡しの日割りで清算し、引き渡し以降の分が売主に戻ってきます。
なぜなら固定資産税は、1月1日時点の所有者に対して、その年の固定資産税が請求されるため。
このとき関東と関西で日割りの起算日が違い、関東は1月1日、関西は4月1日が一般的。
このときの起算日を関西式にすれば、より多くの金額が戻ってきます。
どちらにするかは商習慣で決まっているだけなので、交渉する価値はあるでしょう。
固定資産税と都市計画税の精算について、詳しくはこちらで解説しています。
不動産売却で戻ってくるお金があります。しかし受け取るための手続きが必要だったり、少しの知識で金額が変わることも。家を売る前に知っておきましょう。
6. その他
場合によって必要になる費用として、次のようなものがあります。
測量費(境界確定)
戸建てで築年数が古かったり、隣地との境界があいまいな場合、買主から境界確定測量を求められる場合があります。
土地の境界を確定するためには、隣地の所有者と現地で立ち会い、双方が境界を確認して署名捺印するという作業が必要。
道路や用水路との境界は、市区町村などの立ち会いが必要な場合も。
この様な境界確定測量は、土地家屋調査士に依頼します。
費用は30万円位から、測量の難度や立ち会いの回数などによって変わります。
また地価が高い場合には、公簿面積(登記簿に記載の面積)が正しいか、測量で確認することを求められる場合もあります。
買主が特に要求しない場合は、測量や境界確定をせずに、公簿面積のまま売買できます。
土地家屋調査士は、不動産会社に聞くと紹介してくれます。
土地や戸建住宅の売買に必要になる測量。初心者でも分かりやすく、具体的な内容と費用、実際はどこまでするのかをまとめました。
家を高く売る費用
家を高く売るために、次のような費用をかける場合があります。
ハウスクリーニング
室内の清掃が必要であれば、ハウスクリーニング業者を利用した方が良い場合もあります。
家の査定に掃除は必要? 家の売却で必要な掃除と、査定価格を高くするための2つのポイントをまとめました。
リフォーム費用
あまりにも室内の損傷がひどい場合は最低限のリフォームをした方が良い場合もあります。
また買主がリフォームを条件に価格交渉してくる事もあります。
家を売る前にリフォームは必要? 売却前のリフォームについて、国土交通省の調査結果から検証します。
剪定費用
植栽をきれいにするなら、剪定費用もかかります。
解体費用
家を解体して更地で売る場合は解体費用がかかります。
ただし古い擁壁や再建築不可など、解体すると売れにくくなる土地もあるので注意しましょう。
家の解体費用の相場、解体費用を安くする4つのコツを解説。また解体前に知っておきたい5つの注意点をまとめました。
アスベスト調査費用
アスベストの心配がある場合はアスベスト調査費用もかかります。
ただし補助金があるので、負担は小さいでしょう。
土壌汚染調査費用
過去に工場やガソリンスタンドだった場合は、土壌汚染調査をする場合もあります。
土地売却で知っておきたい、土壌汚染の知識についてまとめました。
地盤調査費用
地震による液状化や沈下があったエリアでは、地盤調査をする場合もあります。
家・土地を売却する際に、どういった場合に地盤調査が必要なのかまとめました。
インスペクション・瑕疵保険
建物によっては、建物の検査(インスペクション)を受ける費用や既存住宅売買瑕疵保険の費用をかける方が売れやすい場合もあります。
既存住宅売買かし保険は売却に有利ですが、2022年改正で税制メリットは消滅。さらに4つの注意点があり、無料で利用できる大手の保証の方が利用者は多いのが現実です。詳しく解説します。
耐震診断や耐震補強工事
旧耐震の家を売りやすくするために、耐震診断や耐震補強工事をする方法もあります。
ホームステージング
ホームステージングとは、空き家で売る場合に家具などで家をイメージアップさせる方法。
築浅のマンションなどで有効です。
ホームステージングは家を早く高く売るために有効ですが、注意点もあります。ホームステージングの効果と費用、お得にホームステージングを利用する方法などを徹底解説します。
難しくてよく分からないけど、どこまで費用をかければいいの?
複数の不動産会社に意見を聞くと良いよ。
複数の不動産会社へ無料査定を依頼して、話を聞き比べるんだ。
売却で戻るお金もある
費用と同時に、売却で戻るお金もあります。
- 固定資産税・都市計画税の清算金(1年分の日割り)
- (マンションでは)管理費・修繕積立金・駐車場などの清算金(1ヶ月分の日割り)
- 火災保険料や地震保険料の払い戻し
- 住宅ローン保証料
- (損失があれば損益通算で)税金
不動産売却で戻ってくるお金があります。しかし受け取るための手続きが必要だったり、少しの知識で金額が変わることも。家を売る前に知っておきましょう。
【お得な裏技】とにかく相見積もりを取る
売却で費用がかかる場合、なるべく相見積もりをとることで、費用を抑えられます。
業者の心当たりがなければ、一括見積もりサービスを使うと良いでしょう。
リフォーム業者の比較サイトをまとめ、おすすめ4社をピックアップ。リフォーム比較サイトなら、あなたのエリアで実績が豊富なリフォーム業者に、まとめて相見積もりを依頼できます。また見積比較や業者選びの注意点も解説しました。
外壁塗装の一括見積もりサイトを徹底比較し、オススメそして各サイトの特徴をまとめました。さらに見積の比較や業者選びで注意したいポイントも解説。この記事を読めば、スムーズに外壁塗装ができるでしょう。
解体工事の一括見積もりを比較して、おすすめをランキングしました。また見積もりの比較で知っておきたい注意点も解説。これを読めば解体業者がサクッと簡単に選べます。
【お得な裏技】貰い損ねた保険料を受け取る方法
築年数5年以上の戸建住宅に限定されますが、築5年以上の戸建住宅の70%以上で平均80万円の火災保険の保険金が受け取れます。
一見被害がない普通の戸建住宅でも、台風・大雨・雪によって軽微な損傷を受けているもの。
被害を申請すれば、平均80万円の保険金が支払われ、売却前に家を修理できます。
詳しくはこちら
⇒【火災保険申請事務局】
火災保険の保険金で家の修理ができるんだね!
火災保険で家の修理費用を格安・無料ですませる方法があります。築5年以上の一戸建てなら、約7割で平均100万円の保険金が下りています。あなたの支払った保険料を、上手く活用しましょう。
まとめ
家の売却では、売却価格の3.5%〜5%程度の費用がかかります。
内訳は、
それぞれ裏技があるので、活用して下さい。
あなたの不動産売却が成功することを、心よりお祈りしております。
家の売却が成功するかどうかは、不動産会社選びで8割が決まるといわれます。
優秀で信頼できる不動産会社を選ぶためのポイントは…
- エリアで不動産売却の実績が豊富な不動産会社を選ぶこと。
- 複数(3〜6社)の不動産会社に査定を依頼し、話を聴き比べること。
実績が豊富な不動産会社はどこ?
都市部は大手3社が強いね。
実績は大手3社が強い
売買仲介件数ランキング上位36社
(2024年3月)
不動産売却の実績は、大手3社に偏っています
三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブルの3社は、仲介件数が2万件を超えており、大手の中でも圧倒的。
都市部で査定を依頼するなら、これら大手3社を中心に考えると良いでしょう。
大手3社は別格だね。
3社もそれぞれ特徴があるから、解説しよう。
【大手1】三井のリハウス
38年連続で売買仲介件数1位
(首都圏174、関西圏45、中部圏25、札幌9、東北6、中国9、九州9)
三井のリハウスは、38年連続で売買仲介件数1位と業界を代表する不動産会社。
独自の査定システムは精度が高く、売主の約76%がほぼ提案価格(提案の95%以上)で成約しています。
多くの購入希望者を抱えるため早く売れることも強みで、売主の65%が2ヶ月以内に成約するほど。
また担当者のレベルが高いことにも定評があり、顧客満足度は96%と高評価です。
業界を代表する会社だから、初めての売却ならまず話を聞いてみると良いよ。
他と比較する基準にもなるからね。
⇒三井のリハウス
三井のリハウスは36年連続で不動産売買の仲介件数第1位の大手不動産会社。ただし注意点もあります。あなたが家の売却を任せて大丈夫か、注意点と評判を分かりやすく解説します。
【大手2】住友不動産販売
熱心な営業スタイルに定評
- 店舗数 203店舗
(首都圏114、関西圏55、中部東海10、北海道8、東北3、中国7、九州6)
住友不動産販売(すみふの仲介ステップ)は、営業マンの熱心な営業スタイルに定評があります。
現在の購入希望者の登録数も公開しており、常に2万人を超える希望者が登録。
自社ホームページの月間来訪者数は300万件以上、登録物件数は2万8千件以上と十分なスケールメリットもあります。
スマートでクールな営業より人情深く熱心な営業が好みなら、他より出会える可能性が高いかも。
住友不動産販売「すみふの仲介 ステップ」は、売買仲介件数が業界2位の大手。家の売却ならぜひ候補に入れたい1社ですが、注意点もあります。住友不動産販売のメリットと注意点を分かりやすく解説、そして利用者の評判を紹介します。
【大手3】東急リバブル
東急沿線や大型案件に強み
- 店舗数 220店舗
(首都圏141、関西圏45、名古屋11、札幌10、仙台6、福岡7)
東急リバブルは東急電鉄系の不動産会社ですが、全国に店舗を持つのが特徴。
東急電鉄沿線はもちろん、法人営業や投資物件にも強みを持っています。
東急リバブルは不動産の売買実績でトップ3の1社。しかし注意点もあります。東急リバブルを利用する前に知るべき注意点・メリット、そして実際に利用した人の評判をまとめました。
大手にまとめて査定を依頼するなら「すまいValue」
大手3社にまとめて無料査定を依頼するなら、一括査定サイトの「すまいValue」が便利。
すまいValueは、大手上位6社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル・野村の仲介+・小田急不動産・三菱地所の住まいリレー)が共同運営する一括査定サイトです。
⇒すまいValue
とりあえず大手3社に査定を依頼すれば良いの?
売却予定なら個人の相性もあるから、大手3社以外と比較した方が良い。
首都圏・関西圏ならエージェント制のSRE不動産(旧ソニー不動産)、それ以外なら地域で実績No.1の会社にも査定を依頼しよう。
SRE不動産(旧ソニー不動産)
売主だけを担当するエージェント制
大手と比較するならSRE不動産(旧ソニー不動産)が良いでしょう。
なぜならSRE不動産は、大手で問題になりがちな両手仲介が無いため。
(※両手仲介とは売主と買主を同じ不動産会社が担当すること。大手は顧客を多く抱えるため、自然と両手仲介が多くなる。)
SRE不動産は、業界初のエージェント制で売主だけを担当。
買主は無数にある他の不動産会社が積極的に探します。
結果として、大手にも劣らない販売力で、早く高く売れやすいことが最大のメリット。
ただし営業エリアは首都圏・関西圏限定です。
SRE不動産は業界でも両手仲介無しで知られているから、他社が競って営業してくれる。
大手と話を聴き比べて、自分に合ってる方を選ぶと良いよ。
⇒SRE不動産
SRE不動産(旧ソニー不動産)の口コミや評判、裏事情などから、あなたがソニー不動産を利用すべきなのか徹底評価しました。
その他エリアは地域No.1を探す
大手やSRE不動産の営業エリア外なら、地域で実績No.1の不動産会社を中心に選びましょう。
実績No.1の不動産会社は、実績をアピールしているのですぐに分かります。
不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトをいくつか併用すると良いでしょう。
全国対応の主要な一括査定サイトとして次があります。
その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。
不動産一括査定サイト、主要16社を徹底比較し、ランキングでまとめました。