「古い家を売るなら、建物は解体して更地に? そのまま売る?」
古い家の売るために、建物を解体すべきかお悩みですね。
実は古い家を売るときに解体しても良いのは3つの条件を全て満たした場合だけ。
それ以外は古い家を残したまま売る方が良いでしょう。
この記事では、古い家を売るときに解体しても良い3つの条件、古い家を売る8つの方法を解説。
さらに古い家が売れないときの対処法、売るときの注意点まで、古い家を売るために必要な知識をまとめました。
あなたの古い家が高値でスムーズに売れるために、この記事がお役に立てば幸いです。
(解体する場合はこちらの別記事をお読み下さい。
⇒家の解体費用と解体前に知っておきたい注意点とは)
この記事のもくじ
古い家を売る8つの方法
古い家を売る方法は、次の8つがあります。
- 買取で売る方法
- 仲介で解体して売る方法
- 仲介でそのまま売る方法
- 特殊な方法
多すぎてよく分からないよ!
順番に解説しよう。
方法1. 解体せず買取
古い家を売るなら、まずあなたが何を優先するかで「仲介」と「買取」の2つの選択肢があります。
手間と時間を節約なら「解体せず買取」
もしあなたが、とにかく手間や時間を節約したい(その分価格は安くなって良い)なら「解体せず買取」が良いでしょう。
買取は最短1週間で売れるが相場より2割以上安くなる
買取は不動産会社が直接買取るので解体は不要、最短1週間で売れます。
ただし価格は相場より2割以上安くなり、さらに解体工事費用もマイナスされます。
買取価格=土地値×60〜80%ー解体費用
また田舎などで売りにくい家だと買取ってもらえません。
どうしても買取で売るなら、とにかく10社20社と多くの不動産会社に無料査定を依頼し、最高値で買取る会社を探しましょう。
買取で売る方法について、詳しくは別記事で解説しています。
不動産の買取は最短1週間で売れますが価格は安くなりがち。しかし今なら高値で買取できるかもしれません。買取で高く売る4つのコツ、失敗しないための注意点を解説します。
手間はかけたくないけど、安くなるのはイヤだな。
だから普通は仲介で一般の人に売るんだ。
高く売るなら「仲介」で普通に売る
よほどの事情がない限り、仲介で普通に売る方が良いでしょう。
需要がある立地なら、仲介でも1割値下げすれば早く売れます。
あえて買取を選ぶメリットは少ないでしょう。
仲介で普通に売るなら解体するべきなの?
仲介で売るときに解体するかは、2つの視点で考えるんだ。
方法2. 解体して更地で売る
解体しても良いかは2つの視点で考える
古い家を売るときに解体した方が良いかは、次の2つの視点で考えます。
- どちらが売りやすいか?
→解体した方が売りやすいなら解体する。 - どちらが手元に多く残るか?
→解体した方が手元に多く残るなら解体する。
なんとなく分かるけど、もっと具体的に教えてよ
具体的には3つの条件がある
解体しても良い3つの条件
古い家を売るときに建物を解体して良いのは、次の3つの条件を全て満たした場合に限られます。
- 確実に相場価格で売れる
- 普通に再建築できる
- 明らかに建物が無価値
それぞれ解説します。
条件1. 確実に相場価格で売れる
古い家を解体して良い条件1つ目は、相場価格で確実に売れる土地であること。
なぜなら解体して売れないと、解体費用が無駄になり、税金が高くなってしまうため。
具体的には、
- 駅から徒歩圏内など、立地が良い。
- 近隣で新築住宅が建てられている。
- 賃貸に出しても、確実に需要がある。
といった土地なら確実に売れるでしょう。
売れないと解体費用が無駄になる
せっかく古い家を解体しても、売れないと解体費用が無駄になってしまいます。
解体費用の目安
木造 | 鉄骨造 |
RC造 (鉄筋コンクリート造) |
|
---|---|---|---|
坪単価 (1坪あたり) |
3万円〜 5万円 |
4万円〜 6万円 |
6万円〜 8万円 |
m2単価 (1m2あたり) |
0.9万円〜 1.5万円 |
1.2万円〜 1.8万円 |
1.8万円〜 2.4万円 |
20坪 (約66m2) |
60万円〜 100万円 |
80万円〜 120万円 |
120万円〜 160万円 |
30坪 (約99m2) |
90万円〜 150万円 |
120万円〜 180万円 |
180万円〜 240万円 |
40坪 (約132m2) |
120万円〜 200万円 |
160万円〜 240万円 |
240万円〜 320万円 |
50坪 (約165m2) |
150万円〜 250万円 |
200万円〜 300万円 |
300万円〜 400万円 |
※1平方メートル=0.3025坪
解体期間は、業者の選定や近所へのあいさつ回りなども含めると、最低でも1ヶ月程度は必要。
また建材にアスベストが利用されていると、費用はさらに高くなります。
家の解体費用の相場、解体費用を安くする4つのコツを解説。また解体前に知っておきたい5つの注意点をまとめました。
解体すると税金が高くなる
また家を解体すると土地の固定資産税と都市計画税が高くなります。
住宅用地の特例
固定資産税 | 都市計画税 | |
---|---|---|
小規模住宅用地 住戸1戸あたり200m2まで |
課税標準×1/6×1.4% | 課税標準×1/3×0.3% |
一般住宅用地 住戸1戸あたり200m2超 |
課税標準×1/3×1.4% | 課税標準×2/3×0.3% |
更地 建物解体後 |
課税標準×1.4% | 課税標準×0.3% |
古い家を解体すると、この表で赤字になっている「住宅用地の特例」がなくなり、税金が高くなります。
ちなみに判断は1月1日時点なので、解体するなら年を越した方が税金は有利。
解体せずに残しておけば、売れない場合も税金を抑えられるよ。
建物を残して「古家付き土地」でも売れる
ちなみに確実に売れる土地であれば、建物を残したまま「古家付き土地」でも売れます。
また急いで売りたいなら、まず売り出して、売りながら解体しても良いでしょう。
あくまで解体した方がスムーズに売れやすいという程度にすぎません。
確かに売れないリスクも考えると、解体も慎重に考えたほうが良いね。
そもそも解体すると再建築が難しい土地もあるからね。
条件2. 普通に再建築できる
古い家を解体して良い条件2つ目は、新しい建物が普通に再建築できること。
古い家があったんだから、再建築できるのでは?
ところが再建築が難しい土地もあるんだ。
古い家を解体すると、新しい建物の再建築が難しい具体例はこちら。
- 再建築不可
- 高さ2m以上の古い擁壁
- (影響が大きな)既存不適格
- (属人的な建築許可の)市街化調整区域
- その他特殊な事例
それぞれ簡単に解説します。
再建築が難しい例1. 再建築不可
再建築不可とは、現在ある建物を壊してしまうと、新たな建物を建てられないこと。
再建築不可の多くは、「建築基準法上の道路」に幅2m以上接していない接道義務違反。
また面積が100m2以下の最小面積未満もあります。
再建築不可の不動産を売却する前に、知っておきたい知識と売却方法をまとめました。
再建築が難しい例2. 高さ2m以上の古い擁壁
擁壁とは、高低差がある土地の境に設けられる壁のこと。
古い擁壁があると、新しい建物の建築許可条件として、擁壁の造り直しや対策工事が求められます。
高さ2m以上の擁壁は建築基準法などの適用を受けるため、多額の工事費がかかる恐れも。
また隣接住戸の状態によっては、擁壁の造り直しができない場合もあります。
擁壁の土地・戸建ては売れない? 確かに不動産売買では擁壁が問題になることがあります。擁壁の土地・戸建てを売却する際に知っておきたい知識を分かりやすく解説します。
再建築が難しい例3. (属人的な建築許可の)市街化調整区域
市街化調整区域で今の家が属人的な建築許可の場合、新たに建物を建築できない恐れがあります。
市街化調整区域とは、都市計画で都市化(市街化)を抑制されている地域。
田舎で周りが田畑などであれば、市街化調整区域の恐れがあります。
市街化調整区域では、建築可能な建物に規制があり、自由に建物を建てられません。
今の家が「農業を営む者の家」など属人的な条件で認められている場合は、新たな所有者が家を建てられない恐れがあります。
市街化調整区域の土地は売れます。ただし制限があるために売りにくいのも確か。市街化調整区域の土地が売りにくい3つの理由、売却する2つの方法について解説します。
再建築が難しい例4. (影響が大きな)既存不適格
既存不適格とは、法令の変更によって建築当時は適法だった建物が、今の法令では違法になっていること。
既存不適格で多いのは、建物の床面積(容積率)や建築面積(建ぺい率)が制限を超えているケース。
この場合は、新たに建てる建物の床面積が今より小さくなります。
既存不適格も少しなら問題ありませんが、床面積が極端に減ると売りくくなる恐れも。
また浄化槽の既存不適格では、新たな浄化槽が認められず、多額の下水工事費用が発生する場ケースもあります。
再建築が難しい例5. その他特殊な事例
この他に再建築が難しくなる事例として次があります。
- ●(撤去困難な)埋設物
- 古井戸や浄化槽など、撤去できる普通の埋設物なら問題ありません。
しかし防空壕など撤去が困難な埋設物があると、再建築に多額の費用がかかる恐れがあります。
土地売却での埋設物トラブルを避ける対策として、簡単にできて効果的な方法を紹介します。さらに土地売却前に知っておきたい埋設物の責任や瑕疵、また埋設物の調査方法や撤去費用を分かりやすく解説します。 - ●(極端な)軟弱地盤
- 軟弱地盤で地盤改良や杭基礎が必要になるケース。
既存の建物が建っていたのでリスクは低いですが、2000年の建築基準法改正で地盤調査が必要になりました。
地耐力が不足していると地盤改良や杭基礎が必要になります。
家・土地を売却する際に、どういった場合に地盤調査が必要なのかまとめました。 - ●土壌汚染リスク
- 以前に危険物取扱工場やガソリンスタンド、クリーニング施設があると、土壌汚染のリスクがあります。
土壌汚染では多額の改良費用がかかる恐れがあります。
土地売却で知っておきたい、土壌汚染の知識についてまとめました。 - ●埋蔵文化財包蔵地
- 埋蔵文化財包蔵地では、工事前に発掘調査を行う場合があり再建築工事に時間がかかるリスクがあります。また建物の基礎形状に制限があると、盛土工事が必要だったり、平屋しか建てられない恐れもあります。
埋蔵文化財包蔵地は売れにくいと思われがちですが、簡単に売れるケースもあり条件次第です。埋蔵文化財包蔵地の土地売却で知っておきたい知識、そして高く売る方法と早く売る方法を解説します。 - ●都市計画道路がかかっている
- 都市計画道路がかかっている土地は、新築を建てる買主に避けられる恐れがあります。
都市計画道路がかかる土地の売却で知っておきたいことや、そもそも都市計画道路とはどういったものなのかをまとめました。 - ●セットバックで大きな影響がある
- 既存の道路幅が狭く、建替えでセットバックが必要なケース。道路の対面が水路だと、2m以上のセットバックするケースもあり、残りの土地の形状によっては売りにくくなります。
土地は接している道路(接道)が土地の価値に大きく影響します。知っておきたい道路と土地の基本についてまとめました。
多すぎて読む気しないよ。
全て自分で調べるのは難しいから、不動産会社に聞いたほうが早いし確実だね。
条件3. 明らかに建物が無価値
古い家を解体して良い条件3つ目は、建物が明らかに劣化しており、価値が無いこと。
なぜなら築古でも価格が安ければ最低限のリフォームで住み続ける買主もいるため。
特に地価が安い場合は、築古でも安く買いたい買主がいるため、購入されやすい傾向に。
少しでも買主の幅を広げるなら、古い家を残して売った方が売れやすいのです。
詳しく知れば知るほど、解体して良いかますます判断できないよ!
解体の判断はプロでも難しいレベルなんだ。
複数の不動産会社に意見を聴き比べるのが確実だね。
判断は複数の不動産会社の意見を聴き比べる
古い家を売るときに解体して良いかは、不動産のプロでも経験が浅いと判断を間違えるほど難しいレベル。
3つの条件を自分で判断するのは難しいでしょう。
そのため複数の不動産会社に意見を聞いた方が確実です。
具体的には、エリアで売買実績が豊富な不動産会社3〜6社に無料査定を依頼して、話を聴き比べると良いでしょう。
いざ売却するときに、依頼する不動産会社を選ぶ作業も兼ねられます。
エリアで売買実績が豊富な不動産会社は、どうやって探せば良いの?
不動産会社の心当たりが無ければ、一括査定サイトを使うと簡単だよ。
一括査定サイトの定番3社
一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。
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おすすめ1位
すまいValue - 査定実績:
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実績 5.0 不動産会社 4.5 運営会社 5.0 大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国841店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
2024年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
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おすすめ2位
SRE不動産(旧ソニー不動産)- 査定実績:
- (2014年開始)
- 不動産会社数:
- 売主側1社(買主側多数)
- 運営会社:
- SREホールディングス(東証PRM)
実績 4.0 不動産会社 4.0 運営会社 5.0 すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細管理人のコメント
エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。
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おすすめ3位
HOME4U - 査定実績:
- 累計55万件(2001年開始)
- 不動産会社数:
- 2,300社
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- NTTデータ・スマートソーシング
実績 5.0 不動産会社 4.0 運営会社 4.0 日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績55万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
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HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。
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- 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)
- その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)
- 地方(人口密度が少ない地域)
安くても良いから時間と手間を省くなら買取、高く売るなら不動産会社に意見を聴き比べるってことだね。
基本はそうだね。
次は解体せずに売る方法を解説しよう。
方法3〜5. 解体せずに仲介で売る方法
古い家を売るときに、解体せずに売る方法として次の3つがあります。
- 方法3. 中古住宅として売る
- 方法4. 古家付き土地で売る
- 方法5. 手を加えて売る
まず方法3と4の違いを整理するね。
方法3.中古住宅と方法4.古家付き土地の違い
買主が多い方で売り出す
中古住宅と古家付き土地の違いは、売り出す名称だけで、中身はほぼ同じです。
どちらが良いかは、買主がどちらが多いかで判断しましょう。
傾向としては、
- 土地の価格が
安い→中古住宅
高い→古家付き土地 - 建物の劣化が
それほど進んでいない→中古住宅
かなり進んでいる→古家付き土地
の方が買主が多くなります。
実際の判断は、複数の不動産会社に意見を聞いたほうが良いでしょう。
いずれも契約不適合責任免責で売る
古い家を解体せずに売るときは、契約不適合責任免責(瑕疵担保免責)で売ります。
なぜなら通常不動産の売買では、売却から3ヶ月など一定期間は、売主が契約不適合責任(瑕疵担保責任)を負うため。
契約不適合責任期間に建物の不具合(瑕疵)が見つかると、補修費用は売主負担になってしまいます。
古い家の場合、売却価格のほとんどが土地価格で建物価格はほぼ無いため、免責で売るのが一般的。
売主が黙っていても普通の不動産会社なら免責にしますが、一応売主として確認しましょう。
家の売却で心配な「瑕疵(かし)」、売却後に修理費などを請求される「契約不適合責任」。その具体例と対策について解説します。
方法5. 手を加えて売る方法とは
古い家を売るときに、必要であれば手を加えて売れやすくする場合もあります。
例えば次の様なテクニックがあります。
テクニック1. 既存住宅売買瑕疵保険
既存住宅売買瑕疵保険を付けて売れば、古い家でも買主が安心して購入できるため、家が売れやすくなります。
ただしデメリットとして、インスペクション(建物診断)費用や補償に必要な補修費用がかかることがあります。
詳しくはこちらの別記事で解説しています。
既存住宅売買かし保険は売却に有利ですが、2022年改正で税制メリットは消滅。さらに4つの注意点があり、無料で利用できる大手の保証の方が利用者は多いのが現実です。詳しく解説します。
テクニック2. 耐震基準適合診断書
耐震基準適合診断書は、旧耐震基準の建物を耐震診断して、必要なら耐震改修工事を行うもの。
買主が安心して購入でき、住宅ローンも借りやすくなります。
耐震基準適合証明書の注意点、取得すべきか判断する方法を解説します。耐震基準適合証明書より他の方法を選んだほうが良いケースもあるので知っておきましょう。
テクニック3. フラット35適合証明
フラット35適合証明をつけると、フラット35で購入する買主に売れやすくなります。
中古住宅をフラット35で購入するためにはフラット35適合証明が必要なので、通常は買主が取得します。
しかし場合によっては取得できない家もあるため、事前に取得すると売却に有利になるのです。
実際に中古住宅を購入した買主の1割以上がフラット35を利用しています。
フラット35適合証明は家を高く売るために有効ですが、家のタイプによって効果も違います。フラット35で売れやすくなる家について分かりやすく解説します。また知っておきたい注意点、適合証明を取得する方法についてもまとめました。
テクニック4. リフォームする
家の劣化が部分的なら、その部分だけリフォームする方法もあります。
ただし個人が売主でリフォームすると、工事単価が高く、範囲も広くなってしまい、結局損しがち。
リフォームするなら、不動産会社と相談して、必要最小限に抑えたほうが良いでしょう。
家を売る前にリフォームは必要? 売却前のリフォームについて、国土交通省の調査結果から検証します。
テクニック5. 分筆して売る
土地が広い場合は、土地を分割(分筆)して売る方法もあります。
土地を分筆するなら土地家屋調査士に依頼しますが、土地は分け方によって価値が大きく変わります。
まず不動産会社に相談して、分筆のプランを決めた方が良いでしょう。
古い家を売るにも、いろんなテクニックがあるんだね。
どのテクニックが良いかは、複数の不動産会社に意見を聞いたほうが良いね。
解体せずに売るときの注意点も知っておこう。
古い家を解体せずに売る注意点
古い家を解体せずに売るときは、注意点もあります。
注意点1. 値引き交渉で解体費用分の値下げを求められる
古い家を残して売ると、値引き交渉で解体費用分の値下げを求められるリスクがあります。
といって、解体して更地で売る価格になるだけなので、仕方のないこと。
解体費用を極端に高く見積もってないかだけ注意しましょう。
注意点2. 更地渡しはトラブルになる恐れも
解体して更地渡しを条件に売却するときは、トラブルになりがちです。
なぜなら地中の埋設物に気づかなかったり、コンクリートガラの混在をどこまで許容するか曖昧だから。
解体では完全に埋設物を撤去することが難しいため、新築工事を初めてから気付くことがよくあります。
施主が同じであれば新築施工業者もあまり強く要求しないのですが、売主が解体して買主が新築する場合は費用を要求することも。
更地渡しでは、売買契約で責任の詳細を決めておいたほうが良いでしょう。
注意点3. 免責範囲を明確にする
古い家を解体せずそのまま売却するときも、免責範囲を明確にしておきましょう。
建物はもちろん、解体後の地中埋設物も免責にした方が良いでしょう。
注意点3. 解体を面倒と感じる買主から敬遠される
古い家を解体せずに売ると、解体を面倒に感じる買主から敬遠されてしまいます。
特に不動産に詳しくない一般の人ほど、更地だけを探しがち。
相場より高く買うのはこういった一般の人なので、確実に更地で売れるなら解体した方が高く売れる傾向があります。
注意点4. 売れないと維持管理に手間がかかる
古い家を残すと、売れない場合に維持管理に手間がかかります。
税金だけを考えると家が残っている方が安いのですが、家が残っていると家の手入れが余計にかかることに。
劣化が進むと自治体から解体を求められることもあります。
方法6〜8. 特殊な方法
方法6. 古民家なら専門業者で売る
もし古い家が立派な古民家なら、古民家に住みたい買主を探すと良いでしょう。
古民家を探す買主が見るサイトとして例えば次があります。
方法7. 空き家バンクに登録する
国や自治体が運営する空き家バンクに登録する方法です。
ただし空き家バンクの利用は低迷しているので、これだけに期待せず他の方法と併用した方が良いでしょう。
以前は地方自治体がバラバラに空き家バンクを運営しており見にくかったのですが、国土交通省が主導して全国版が運営されています。
方法8. 隣人・近隣に売る
地方では意外と効果があるので、他の方法と併用して探してみて下さい。
特に隣人は購入するメリットが大きいので検討してくれる可能性が高いでしょう。
近隣で購入する人を探すなら、郵便局やスーパー、農協などの掲示板で探す方法もあります。
買主が見つかれば個人で売買しても良いですが、できれば不動産会社を間に入れて売買した方が安全です。
買主が決まっていれば、仲介手数料を半額などに交渉できます。
まとめ
古い家を売る方法は次の8つあります。
- 買取で売る方法
- 仲介で解体して売る方法
- 仲介でそのまま売る方法
- 特殊な方法
いずれにしても、まず複数の不動産会社に意見を聴き比べたほうが良いでしょう。
エリアで売買実績が豊富な不動産会社3〜6社に無料査定を依頼して、最適な売却方法を聞いて見て下さい。
あなたに最適な方法が見つかり、古い家の売却が成功することを心よりお祈りしております。
一括査定サイトの定番3社
一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。
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おすすめ1位
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エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。
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おすすめ3位
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実績 5.0 不動産会社 4.0 運営会社 4.0 日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績55万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
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