家を売るときには費用がかかります。
家を売るときの費用の目安は、家を売った価格の3.5%〜5%程度ですが、さらに税金がかかる場合も。
家を売る時の費用と税金、あわせてお得な裏技について徹底解説します。
この記事のもくじ
家を売る費用の一覧表
家を売る費用の一覧表です。
例として、2,500万円で家を売却した場合の費用はこの様になります。
- 1. 仲介手数料←費用の大部分がこれ
- 不動産会社に支払う仲介手数料です。
2,500万円×3%+6万円+消費税=891,000円 - 2. 印紙代
- 売買契約書に貼る印紙代です。
10,000円 - 3. 登記費用
- 住宅ローンの抵当権抹消の登記費用です。
38,000円 - 4. 住宅ローンの返済関係
- 住宅ローンの一括返済事務手数料: 4,400円
固定金利の場合は、違約金が別途必要になります。 - 5. 税金
- 住んでいた家を3,000万円以下で売却するので所得税はかかりません。
固定資産税・都市計画税の日割り: -32,000円(受取) - 6. その他
- 古い家を売りやすくするためにハウスクリーニングや最低限のリフォームなどをする場合があります。
合計費用 911,400円
(売却価格2,500万円の3.6%)

家を売るときの費用って結構高いんだね。
消費税は関係ないの?

売主が個人の場合は、消費税は無いんだ。
売主が事業者だと、建物にだけ消費税がかかるよ。
不動産売却で知っておきたい消費税の知識についてまとめました。消費税がかかるか判断する方法として、2つの条件があります。また例外もあるので要注意。合わせて、増税の影響や消費税還付についても解説します。
費用の内訳について、それぞれ詳しく解説します。
1. 仲介手数料
売却費用では、仲介手数料が大部分を占めます。
宅建業法で仲介手数料の上限が決められており、上限以上を受け取ると違法になります。
計算式は、売買価格によって3種類。
●仲介手数料の上限
家の売買価格 | 仲介手数料の計算式 |
---|---|
200万円以下 | 売買価格×5%+消費税 |
200万〜400万円 | 売買価格×4%+2万円+消費税 |
400万円以上 | 売買価格×3%+6万円+消費税 |
400万円以下は同額になった
2018年1月1日から宅建業法が改正され、売主側の不動産会社に限り、売買価格が400万円以下でも400万円と同じ「18万円+消費税」を請求できる様になりました。(低廉な空き家等の売買に関する特例・国土交通省告示)
これは地方を中心として空き家が増加し、400万円以下の不動産が急増しているため。
400万円以下の不動産を売ろうとしても、仲介手数料が安すぎるために不動産会社が扱ってくれないことが多いのです。
ただし増額されたといっても18万円+消費税だけ。
積極的に広告活動をできる金額ではありません。
地方の空き家を売るのは、引き続き難しいことに変わりありません。
田舎で「売れない」と不動産会社に断られた土地でもあきらめないで下さい! 工夫すれば売却できる可能性もまだありますし、他にも方法はあります。売れない土地を手放す3つの方法について解説します。
家の売買価格ごとに仲介手数料を計算すると、この様になります。
家の売買価格 | 仲介手数料(税込) |
---|---|
500万円 | 231,000円 |
1,000万円 | 396,000円 |
1,500万円 | 561,000円 |
2,000万円 | 726,000円 |
2,500万円 | 891,000円 |
3,000万円 | 1,056,000円 |
3,500万円 | 1,221,000円 |
4,000万円 | 1,386,000円 |
5,000万円 | 1,716,000円 |
6,000万円 | 2,046,000円 |
7,000万円 | 2,376,000円 |
8,000万円 | 2,706,000円 |
宅建業法で決まっている仲介手数料は、あくまで上限の金額。
不動産会社は上限より低い金額であれば、自由に仲介手数料を決められますが、実際は法定価格の満額を支払うのが一般的です。
不動産会社へ仲介手数料を支払うタイミングは…
- 売買契約を結ぶ時と引き渡しの時に半金づつ
- 引き渡しの時に全額
のどちらかで、不動産会社によって違います。
ただし売買契約が成立しても、買主都合や特約によって契約が停止・解除された場合は、仲介手数料を支払う必要はありません。
よくあるのが、買主の住宅ローン審査が通らず売買契約が解除される『ローン特約』で売買が成立しない場合。
この場合も、仲介手数料を支払う必要はありません。
売買が成立しなくても仲介手数料が必要な場合もある
- 売買契約後に売主又は買主の事情で契約を解除する場合(手付解除)
- 売買契約の後、手付解除期日(通常30日間)までは、買主は手付金を放棄することで、売主は手付金を返還し、さらに手付金と同額を買主に支払うことで、契約を解除できます。
手付解除の場合は、売買は成立していませんが、仲介手数料を支払わなくてはいけません。 - 売買契約に対してどちらかが守らず契約を解除する場合(違約解除)
- 売買代金を払わなかったり、家を引き渡さないなど契約違反(債務不履行)の場合は、相手方が損害賠償の請求を行い、催告しても履行されない場合は契約を解除できます。
この場合も不動産会社に仲介手数料を支払う必要があります。
手付解除と違約解除について、詳しくはこちらで解説しています。
不動産の売買契約で分かりにくい「手付金」。ここでは手付金の意味や手付解除、相手の契約不履行による契約解除(違約解除)についてまとめました。

仲介手数料は安くならないの?

仲介手数料が安くなることはほとんど無いね。
そもそも手数料を値切ることは、あまりオススメできないよ。
仲介手数料は値切らない方がトータルでお得
家を売る時には仲介手数料を値切らない方が、結果として得することになります。
不動産会社に仲介手数料が安くなるかを軽く聞いてみる程度であれば問題ありません。
しかし、しつこく仲介手数料を値切ると、不動産会社からの印象が悪くなります。
不動産会社の担当者も人間ですから、「手数料をきちんと払おうとしない客」に忠義を尽くそうとは思いません。
不動産会社の担当者との信頼関係は、家の売却を成功させるためにとても大切です。
担当者の頑張り次第で、家の売却価格は100万円くらい簡単に変わります。
仲介手数料を数万円をケチった結果、家の売却価格が100万円安くなることになりかねません。
仲介手数料について詳しくはこちらで解説しています。
不動産売買の仲介手数料の相場と値引きについて、必要な知識をまとめました。上手く値引きするコツと裏技も解説しています。
仲介手数料が安い不動産会社は要注意
仲介手数料が安い不動産会社は、安くなった仲介手数料以上に家の価格が下がり、トータルではあなたが損をする恐れがあるので要注意。
最近増えているのが、仲介手数料を半額や無料などとした不動産会社。
仲介手数料を下げている会社は、実績が少なく販売力が弱い不動産会社がほとんどです。
実績豊富な競合不動産会社に負けてしまうため、仕方なく手数料を下げて集客しているのです。
この様な不動産会社は、手数料収入が少ないので、なるべく効率よく家を売ろうとします。
家を売る方法で一番効率よいのは、相場より安く売り出すこと。
だから手数料が安い不動産会社に依頼すると、相場より安い価格で家を売る方針に誘導される恐れがあります。
また売主から取れない分を買主から取ろうと『両手仲介』にこだわり、家が長期間売れず、価格が下る恐れもあります。
売主だけでなく、買主を自社で見つけることで、2倍の仲介手数料を稼ぐ方法。

自然に両手仲介になるのはよくあることで、悪いことではありません。
しかし意図的に両手仲介を狙って、他社の見つけた購入希望者を拒否するのは売主への裏切り行為。
売主からすると、せっかく見つかった購入希望者が知らない間に断られていたことになります。
悪質な不動産会社の行為は、こちらで解説しています。
不動産会社が売主をだます4つの手口と、だまされずに不動産売却を売る3つの方法を解説します。
このように仲介料を安くすると、不動産会社は無理をして利益を捻出することになります。

じゃあ、どこの不動産会社がいいの?

エリアで実績が豊富な不動産会社を3〜6社選んで、話を聴き比べると良いよ。
不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると簡単だよ
一括査定サイトの定番3社
一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。
-
おすすめ1位
すまいValue - 査定実績:
- 40万件(2016年開始)
- 不動産会社数:
- 大手6社(全国900店舗)
実績 5.0 不動産会社 4.5 運営会社 5.0 大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国900店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細 -
おすすめ2位
SRE不動産(旧ソニー不動産)- 査定実績:
- (2014年開始)
- 不動産会社数:
- 売主側1社(買主側多数)
- 運営会社:
- SREホールディングス(東証PRM)
実績 4.0 不動産会社 4.0 運営会社 5.0 すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細管理人のコメント
エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。
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おすすめ3位
HOME4U - 査定実績:
- 累計50万件(2001年開始)
- 不動産会社数:
- 2,100社
- 運営会社:
- NTTデータ・スマートソーシング
実績 5.0 不動産会社 4.0 運営会社 4.0 日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細管理人のコメント
HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。
【公式サイト】すまいValue
【公式サイト】SRE不動産
【公式サイト】HOME4U
各エリアで最適な組み合わせ
あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。
- 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)
- その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)
- 地方(人口密度が少ない地域)
【お得な裏技】家を買うときは仲介手数料が安くなりやすい
一方で家を『買う』ときは、仲介手数料が安くなりやすいので、ドンドン交渉しましょう。
なぜなら、家を買うときに、不動産会社はほとんど仕事をしていないため。(笑)
不動産の売買では、売却の資料や契約書作成、広告活動など、ほとんどの作業を売主側の不動産会社が負担します。
買主側の不動産会社がすることは、価格交渉など電話の伝言と、売買契約に付いて行く程度。
同じ手数料を受け取るのに、不動産会社の負担は全く違います。
そのため、家を買うときの仲介手数料は、交渉しやすいのです。
個人売主の中古住宅を購入するなら、買うときの仲介手数料を交渉してみましょう。
(新築住宅や業者売主の中古住宅では、仲介手数料はそもそもありません。)
仲介手数料を安くする交渉のポイントはタイミング。
家の購入を申し込む前に、仲介手数料の値下げ交渉をします。
ちなみに、はじめから購入時の仲介手数料を半額又は無料としている不動産会社もあります。
⇒手数料無料のスターフォレスト
【お得な裏技】仲介手数料並みの金額を受け取る方法
築年数5年以上の戸建住宅に限定される話です。
実はほとんど知られていませんが、築5年以上の戸建住宅の70%以上で平均80万円を受け取る方法があります。
一見被害がない普通の戸建住宅でも、台風・大雨・雪によって軽微な損傷を受けています。
あなたの火災保険で、被害を申請するだけで、平均80万円の見舞金が支払われるというもの。
点検から申請まで、完全に成功報酬で依頼でき、もちろん完全に合法です。
詳しくはこちら
⇒台風・大雪・地震の物件被害調査プログラム

こんなこと本当に可能なの?

ごく一部の人しか知らないけど、多くの人は保険を受け取り損ねているんだ。
不動産投資をしている人なんかは、上手に利用しているよ。
火災保険で家の修理費用を格安・無料ですませる方法があります。築5年以上の一戸建てなら、約7割で平均100万円の保険金が下りています。あなたの支払った保険料を、上手く活用しましょう。
2. 印紙代
売買契約の書類に貼る印紙代です。
家を売った価格 | 印紙代(契約書1通あたり) |
---|---|
100万円超〜500万円以下 | 1,000円 |
500万円超〜1,000万円以下 | 5,000円 |
1,000万円超〜5,000万円以下 | 10,000円 |
5,000万円超〜1億円以下 | 30,000円 |
1億円超〜5億円以下 | 60,000円 |
(参考)国税庁・No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置
印紙代は税制改正のたびに頻繁に変わるので、最新情報を確認する必要があります。
令和2年度税制改正により、令和4年3月末まで上記の印紙税になっています。
不動産会社が印紙の金額を教えてくれるので、印紙自体は郵便局などで購入します。
印紙は不動産売買契約書には必ず貼らないといけません。
貼らなければ脱税で違法になります。
【お得な裏技】印紙代をタダに
契約書は買主と売主の双方が1部づつ作成して保管するのが一般的。
しかし法律上は1部あれば良いのです。
売主にとっては、自分の権利が無くなった書類ですので、本書である必要はありません。
コピーでも良いのです。
これで費用を節約できます。
売主(あなた)の契約書をコピーにすれば、あなたの印紙代は不要になります。
もちろん買主は印紙代を払うので、あらかじめコピーすることは契約前に相手にも了承しておいてもらった方が良いでしょう。

契約書はコピーで良いんだね。

特に売った方からすると、コピーで十分だよね。
3. 登記費用
登記費用は、売主負担と買主負担に分かれます。
一番費用が大きな『不動産移転登記』は買主が負担します。
売主(あなた)の負担になるのは、次の登記費用。
- 住宅ローンの抵当権抹消登記
- 登記の住所が実際と違う場合は変更登記
費用の内訳は…
- 申請にかかる実費: 約2,000円
(住所変更は更に2,000円) - 司法書士の手数料: 5,000円〜20,000円
(住所変更があればこれの倍額) - あとは交通費など
が請求されます。
相続では、相続登記をしないと家を売却できません。
相続登記費用は20〜30万円かかります。
また権利証や登記識別情報を紛失した場合は、『資格者代理による本人確認情報の提供の制度』の費用が別途必要に。
具体的な手続きは、不動産会社が手配してくれます。
【参考】法務省・新不動産登記法Q&A
登記について詳しくはこちらで解説しています。
家を売る前に必要な準備、書類などについて完全にまとめました! これを読めば、準備は完璧です。

司法書士はどうやって探すの?

不動産会社が紹介してくれるよ。
どこで探しても司法書士の手数料は似たようなものだしね。
4. 住宅ローンの返済関係
住宅ローンの一括返済事務手数料が、3,000円〜5,000円。
また固定金利の場合は別途違約金が数%かかる場合もあります。
金額は金融機関毎に違うので、直接金融機関に聞く方が一番確実です。
売る前に聞いてもトラブルになる事はありません。
電話でも問い合わせ出来ますので、気軽に聞いてみましょう。
家の売却で銀行へ連絡する最適なタイミングは、4つのケースがあります。連絡のタイミングを間違えるとトラブルになる恐れも。銀行に連絡するタイミングと注意点、連絡後の手続きの流れについて、分かりやすく解説しました。
5. 税金
費用の他に税金がかかります。
税金はかなり奥が深いです。
簡単な内容は、不動産会社が教えてくれます。
ただし複雑なケースや節税方法などは、不動産に詳しい税理士に相談したほうが良いでしょう。
税理士の心当たりが無ければ、不動産会社に聞けば紹介してくれます。
固定資産税・都市計画税
固定資産税・都市計画税は、日割りで清算します。
取引日によって金額が変わります。
固定資産税は、1月1日時点の所有者に対して、その年の固定資産税が請求されます。
この1月1日時点の所有者があなたなので、固定資産税の日割り分を買主から受け取る事が出来ます。
ちょっと嬉しいですね。
細かい話ですが、関東と関西で日割りの起算日が違います。
関東は1月1日、関西は4月1日を起算日として、日割り計算をします。
固定資産税と都市計画税の精算について、詳しくはこちらで解説しています。
不動産売却で戻ってくるお金があります。しかし受け取るための手続きが必要だったり、少しの知識で金額が変わることも。家を売る前に知っておきましょう。
所得税、住民税
売却金額によります。
特例が適用できるかどうかで税額も大きく変わります。
かなり難解なので、不動産会社や税理士に聞いた方が良いでしょう。
(1)売却価格が3,000万円未満の場合
非課税です。
居住用だと3,000万円までの譲渡所得(不動産を売った儲け)には税金がかかりません。
これを「3,000万円の特別控除の特例」といいます。
【参考】国税庁・No.3302 マイホームを売ったときの特例
ただし家を買い換える場合は、後に書いてある様に、新しい家のローン控除が使えなくなるため、注意が必要です。
相続した空き家についても、平成28年から3,000万円までは非課税になりました。
【参考】国税庁・No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
相続した空き家を売るなら3年目の年末までが有利な場合も。なぜなら税金の特例に期限があるため。相続した空き家の売却で知っておきたい税金の特例と3つの注意点、さらに不動産市場の現状について解説します。
(2)売却価格が3,000万円以上の場合
家の所有期間が、売却した年の1月1日時点で5年を超えるかで、税率が約2倍違います。
(相続では被相続人の所有期間と合算できます。)
- ●所有期間が5年以下
- 税額=(売却金額ー(取得費+売却費用)ー3000万円)×39.63%
※「5年以下」とは売却した年の1月1日時点で所有期間が5年以下の場合。
【参考】No.3211 短期譲渡所得の税額の計算・国税庁 - ●所有期間が5年超
- 税額=(売却金額ー(取得費+売却費用)ー3000万円)×20.315%
※「5年超」とは売却した年の1月1日時点で所有期間が5年超の場合。
【参考】No.3208 長期譲渡所得の税額の計算・国税庁 - ●所有期間が10年超
- 譲渡所得が6000万円以下の部分は税率20.315%→14.21%。
※「10年超」とは売却した年の1月1日時点で所有期間が10年超の場合。
【参考】No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例
※税率は、所得税・住民税・復興特別所得税を合計したものです。
取得費は建物の減価償却で年々減る
ここで注意したいのは、取得費は昔買った金額ではない事。
建物の価値は年々古くなって減っているので、減価償却という計算をしないといけません。
減価償却(定額法)のイメージ
土地の金額は変わらないので、建物だけ減価償却を計算します。
建物には法定耐用年数というものが決まっていて、住居として利用していた場合はその1.5倍、住居用の木造だと33年、軽量鉄骨造だと40年、鉄筋コンクリート造だと70年となります。
この期間で価値が10%になると考えて下さい。
減価償却についてさらに詳しくはこちら
減価償却と償却費は税金の計算に必要です。家を売ったときの減価償却について、具体例で分かりやすく解説します。
建物の金額ですが、当時の売買契約書に建物金額と土地金額が記載されている場合はそれを適用します。
契約書に記載がない場合は、固定資産税の土地と建物の比率を参考にします。
あまりにも古くて資料が無い場合や、取得金額が不明な場合は、売却金額の5%を取得費とすることも出来ます。
(これだとかなり取得金額が低いので、当時の標準建築価額から推定する方法もあります。)
譲渡所得の計算について詳しくはこちら
家を売った時の税金について、知っておくべき知識をまとめました。家を売るのが初めての人でも、税金についてよく分からなくても、この記事を読めば安心!! 家が値下がりして損した場合は税金が戻ってきます!
家の買い替えは要注意
家を買い換える場合は、3,000万円の特例を使うと、新しい家の住宅ローン減税が併用できない場合があるので要注意。
新しい家の住宅ローン減税と比べて、どちらが節税効果があるかで、特例を選ぶ必要があります。
家の買換えで、住宅ローン控除(減税)は使えるのか? 最大400万円を損しないため、簡易判断チャートを元に税金対策について解説します。
また買い替えでは、別に『特定居住用財産の買換え特例』があります。
これは譲渡所得が繰り越せるという特例。
次の不動産を売るまで、税金が待ってもらえるという制度です。
【参考】国税庁・No.3355 特定のマイホームを買い換えたときの特例
もし家を売って損をした場合、その家を5年以上所有していれば、損失を3年間繰り越して節税できます。
【参考】国税庁・No.3370 マイホームを買換えた場合に譲渡損失が生じたとき

家の買い換えは、どうすれば良いのか難しいね。

本来は税理士に相談するのが一番だけど、この程度の話なら不動産会社の営業マンに聞けば教えてくれるよ
【お得な裏技】夫婦で6,000万円まで節税
マイホームを売った場合、利益(譲渡所得)が3,000万円まで非課税になる「3,000万円の特別控除の特例」。
この特例は、家が夫婦の共同名義だった場合、1人あたり3,000万円で合計6,000万円まで非課税にすることが可能。
値上がりが期待できる家を購入する場合は、共同名義にした方が節税額が大きくなるんです。
ただし今の家がどちらか一方の名義の場合は、共同名義にするかは慎重に検討した方が良いでしょう。
単独の名義から共同名義にすることで、次のような費用がかかってしまいます。
- 贈与税(婚姻期間20年超で2,000万円まで非課税)
- 不動産取得税
- 登録免許税
- 司法書士に支払う登記費用
- 税理士に支払う相談料
【お得な裏技】家を売って損したら税金が戻ってくる
5年以上住んでいたマイホームであれば、家を売って損した分が節税になり、確定申告をすると税金が戻ってきます。
正確には
- 家を売ったことによる損失(図で損失A)
- 売却価格から返済できる住宅ローン残債の不足分(図で損失B)
- 給与所得など他の所得と相殺(損益通算)できる。
- 1年で損益通算しきれなければ、翌年以降最大3年まで繰り越せる。
というもの。
その結果、サラリーマンなら給与で源泉徴収されていた所得税と住民税が戻ってきます。
家を売っても住宅ローンが返せないオーバーローンでは、損失の一部が税金が戻ります。確定申告で少しでも損失を取り戻しましょう。

税金が戻ってくるのは嬉しいね。

確定申告が必要だから、忘れずにね。
6. その他
場合によって必要になる費用として、次のようなものがあります。
測量費
戸建てで築年数が古かったり、隣地との境界があいまいな場合、買主から境界確定測量を求められる場合があります。
土地の境界を確定するためには、隣地の所有者と現地で立ち会い、双方が境界を確認して署名捺印するという作業が必要。
道路や用水路との境界は、市区町村などの立ち会いが必要な場合も。
この様な境界確定測量は、土地家屋調査士に依頼します。
費用は30万円位から、測量の難度や立ち会いの回数などによって変わります。
また地価が高い場合には、公簿面積(登記簿に記載の面積)が正しいか、測量で確認することを求められる場合もあります。
買主が特に要求しない場合は、測量や境界確定をせずに、公簿面積のまま売買できます。
土地家屋調査士は、不動産会社に聞くと紹介してくれます。
測量について詳しくはこちら
土地や戸建住宅の売買に必要になる測量。初心者でも分かりやすく、具体的な内容と費用、実際はどこまでするのかをまとめました。
家を高く売る費用
測量の他にも、家を高く売るために、こんな費用をかける場合があります。
- 室内の掃除が必要な場合はハウスクリーニングの費用。
家の売却での内覧には15のポイントがあります。内覧で家を売るために、知っておきたい知識をまとめました。 - あまりにも室内の損傷がひどい場合は最低限のリフォーム費用。買主がリフォームを条件に価格交渉してくる事もあります。
家を売る前にリフォームは必要? 売却前のリフォームについて、国土交通省の調査結果から検証します。 - 植栽を綺麗にするための剪定費用
- 家を解体して更地で売る場合は解体費用
家の解体費用の相場、解体費用を安くする4つのコツを解説。また解体前に知っておきたい5つの注意点をまとめました。 - アスベストの心配がある場合はアスベスト調査費用
- 過去に工場やガソリンスタンドだった場合は土壌汚染調査費用
土地売却で知っておきたい、土壌汚染の知識についてまとめました。 - 地震による液状化や沈下があったエリアでは地盤調査費用
家・土地を売却する際に、どういった場合に地盤調査が必要なのかまとめました。 - 建物の検査(インスペクション)を受ける費用や既存住宅売買瑕疵保険の費用
既存住宅売買かし保険は売却に有利ですが、2022年改正で税制メリットは消滅。さらに4つの注意点があり、無料で利用できる大手の保証の方が利用者は多いのが現実です。詳しく解説します。 - 旧耐震の家を売りやすくするには、耐震診断や耐震補強工事の費用
もし新耐震の戸建てを売る予定で、2000年の耐震基準に適合しないなら急いだ方が良いかもしれません。木造戸建ての売却で知っておきたい「2000年基準」についてまとめました。

古い家を売りやすくするために、どこまで費用をかければいいの?

価格査定を依頼するときに、複数の不動産会社の意見をヒアリングして決めるいいよ。
一括査定サイトを利用すると、複数の不動産会社へ簡単に査定を依頼できる。
ホームステージングという新しい売り方
ホームステージングとは、空き家で売る場合にわざと家具を配置して、家をイメージアップさせる方法。
アメリカなどでは一般的になっている方法ですが、日本ではまだほとんど浸透していません。
ホームステージングについて詳しくはこちら
ホームステージングは家を早く高く売るために有効ですが、注意点もあります。ホームステージングの効果と費用、お得にホームステージングを利用する方法などを徹底解説します。
大手不動産会社では、有料オプションとしてホームステージングを選ぶことができます。
興味がある方は、大手不動産会社(三井のリハウス、住友不動産販売、東急リバブル)などに話を聞いてみてください。
一括査定サイトのすまいValueを利用すると、大手不動産会社にまとめて査定を依頼できます。
引越しや不用品処分
引越しや不用品の処分費用は一括業者見積もりをおすすめします。
なるべく一度に処分した方が費用は安くなります。
戻ってくるお金もある
費用と同時に、売却で戻ってくる金額も知っておきましょう。
不動産売却で戻ってくるお金があります。しかし受け取るための手続きが必要だったり、少しの知識で金額が変わることも。家を売る前に知っておきましょう。
信頼できる不動産会社を見つけましょう
不動産の売買は専門的な知識が欠かせません。
家の売却が成功するかどうかは、不動産会社選びで8割が決まるといわれます。
もし不動産会社選びで失敗すれば、売却が長期化したり、安値で家を失う恐れも。
そんな失敗を防ぐために、優秀で信頼できる不動産会社を選びましょう。
優秀で信頼できる不動産会社を選ぶためのポイントは…
- エリアで不動産売却の実績が豊富な不動産会社を選ぶこと。
- 複数(3〜6社)の不動産会社に査定を依頼し、話を聴き比べること。
もし不動産会社の心当たりが無ければ、一括査定サイトを利用すると便利です。
一括査定サイトの定番3社
一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。
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おすすめ1位
すまいValue - 査定実績:
- 40万件(2016年開始)
- 不動産会社数:
- 大手6社(全国900店舗)
実績 5.0 不動産会社 4.5 運営会社 5.0 大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国900店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細 -
おすすめ2位
SRE不動産(旧ソニー不動産)- 査定実績:
- (2014年開始)
- 不動産会社数:
- 売主側1社(買主側多数)
- 運営会社:
- SREホールディングス(東証PRM)
実績 4.0 不動産会社 4.0 運営会社 5.0 すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細管理人のコメント
エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。
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おすすめ3位
HOME4U - 査定実績:
- 累計50万件(2001年開始)
- 不動産会社数:
- 2,100社
- 運営会社:
- NTTデータ・スマートソーシング
実績 5.0 不動産会社 4.0 運営会社 4.0 日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細管理人のコメント
HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。
【公式サイト】すまいValue
【公式サイト】SRE不動産
【公式サイト】HOME4U
各エリアで最適な組み合わせ
あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。