「空き家を売らないと。でも大変そう、メンドウだな…」
空き家の売却でお悩みですね。
「空き家のまま持っていても、税金や維持費がかかる…。
もし空き家をサクッと高値で売却できれば理想的なのに。」
そんなあなたに、空き家の売却で必要な知識を、分かりやすくまとめました。
もしいつか手放す予定の空き家なら、少しでも早く手放した方が手元に残る資産は増えるもの。
また今は空き家対策として国が税制優遇しているため、空き家を売るなら良いタイミングです。
この記事では、最小限の手間で空き家を高く売却する方法を解説します。
この記事に挙げた注意点さえ気をつければ、あなたの空き家を簡単に売ることができ、手元に残るお金も増えることでしょう。
また空き家の売却に最適なタイミングと税金についても、わかりやすく解説します。
あなたの空き家売却が成功するために、この記事がお役に立てれば幸いです。
空き家を売る3つの方法
空き家を売る方法として、大きく次の3つの方法があります。
空き家を売る3つの方法
- 不動産会社の買取
→安くなっても良いから手間を省きたいならコレ - 解体して土地を売る
→立地が比較的良く、建物が傷んでいるならコレ - 不動産会社の仲介で普通に売る
→高く売るならコレがオススメ!
それぞれ解説します。
方法1. 不動産会社による買取
不動産会社による買取では、不動産会社又は転売専門業者が、空き家を直接買取ります。
仲介(普通の売買)とは次のような違いがあります。
買取と仲介(普通の売買)の違い
買取りのメリットは、
- 買い主を探す必要がないので、時間も手間もかからない。
- 古い建物や残置物があっても解体や片付けせずにそのまま買取ってもらえる。
一方で買取のデメリットは、
- 価格が相場の6〜8割に安くなってしまう。
- 不動産会社は転売目的なので、過疎地など需要がない空き家は買取できない

価格がそんなに安くなるんだ!
なんとか高く売るにはどうすればいいの?

とにかく数多くの不動産会社へ、買取価格の査定を依頼することだね
買取で少しでも高く売るには、10社、20社と数多くの不動産会社へ買取の価格査定を依頼し、最も高く買ってくれるところを選びましょう。
不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを並用すると良いでしょう。
一括査定サイトは、こちらで紹介しています。
買取については、こちらで詳しく解説しています。
方法2. 建物を解体して土地を売る
築年数が古かったり状態が悪くて、そのまま空き家を使うことが難しい場合は、解体して更地で売るという選択肢も。
解体費用の相場は次の通り。
- 木造…2〜4万円/坪+付帯工事費
- 鉄骨造…3〜5万円/坪+付帯工事費
- 鉄筋コンクリート造(RC造)…4〜6万円/坪+付帯工事費
ただし建物を解体すると、再建築できない場合や、擁壁のやり直しで莫大な費用がかかるケースもあります。
解体を決断する前に、必ず複数の不動産会社に意見を聞きましょう。
解体については、こちらで詳しく解説しています。
方法2. 不動産会社の仲介で普通に売る
空き家を高く売るなら、この方法が良いでしょう。
空き家を普通に売る場合、売却期間は平均3〜6ヶ月かかりますが、価格は相場通りで売却することができます。
少し手間はかかりますが、この後の注意点で解説する内容を守れば、最小限の手間で売却できます。
普通に売る場合の注意点は次章で紹介します。
空き家を売却するときの2つの注意点
空き家を売却するときの注意点は次の2つ。
- 最初に複数の不動産会社に意見を聴く
- 不動産会社選びに8割の力を費やす
それぞれ詳しく解説します。
注意点1. 最初に複数の不動産会社に意見を聞く
空き家の売却を最小限の手間で成功するためには、はじめが肝心です。
最初に空き家を売り出す前に、必ず複数の不動産会社に意見を聴きましょう。
不動産会社の担当者にも、空き家の知識が豊富な人と不慣れな人がいます。
1社だけに聞いたり、自分で調べて決めてしまうと、最悪の場合、売却できなくなったり、余計な費用が数百万円発生する恐れもあります。
途中で不動産会社や売却方法を切り替えると、手間も大変。
最初に少し手間をかけることで、あとがグッと楽になります。
再建築不可で解体すると売れなくなる
たとえば安易に建物を解体したところ、実は再建築不可だったというケース。
再建築不可とは、今ある建物を解体してしまうと再び建物を建築できない土地のこと。
多くの場合は、道路に接する幅が2m以上という接道義務に反していることが原因になります。
再建築不可の土地では、建物を解体してしまうと、新しい建物が建てられないため、土地の価値は大きく下がってしまいます。
再建築不可については、こちらで詳しく解説しています。
まだまだ落とし穴は無数にある
再建築不可の様な落とし穴は、この他にも無数にあります。
例えば、次の様な場合。
- 解体したら擁壁(ようへき)を作り直す費用が1千万以上発生
- 埋蔵文化財包蔵地だったので発掘調査で1年かかった
- 既存不適格で建物の面積が半分になった
- セットバックで敷地が1m狭くなった
- 土地が借地権だった
- 登記簿の権利が共有名義だった
擁壁は、隣り合う敷地に高低差がある土地に造られる、土を支える壁のような構造物。
古い擁壁は、今の建築基準法に適応していないため、建物を建て替える場合は、擁壁も作り直すことになります。
擁壁の作り直しには数百万円から1千万円程度かかることもあり、大きな負担になってしまいます。
埋設文化財包蔵地では、新しい建物を建てる前に調査があり、遺跡が見つかると工事が遅れます。
また借地権であれば大家との協議が必要になり、共有名義だと全員の同意を得なければなりません。
このように、空き家の売却には不動産の専門知識がないと判断を間違うことが多いのです。

ただ売ればいいと思っていたけれど、売る前にきちんと調べる必要があるんだね

そう。場合によっては専門家でも見落とすことがあるほど、不動産は難しいんだ。
だから自分で判断しないのはもちろん、複数の不動産会社に意見を聴くことが大事なんだよ

複数の不動産会社に聴いておけば、どこか1社が見落としても、他の会社が気づいてくれるということだね
注意点2. 不動産会社選びに8割の力を費やす
空き家の売却が成功するかどうかは、不動産会社選びで8割が決まります。
なぜなら、優秀で信頼できる不動産会社に出会えれば、売却に関するほとんどはお任せできるため。
なるべく手間をかけずに、空き家を高く売るためには、不動産会社選びに8割の力を費やしましょう。

優秀で信頼できる不動産会社なんて、どうやって探せば良いの?

売買実績が豊富な不動産会社に絞って3〜6社の話を聴き比べると良いよ。
優秀で信頼できる不動産会社を探す方法
優秀で信頼できる不動産会社を探す方法はこちら。
- エリアで売買実績が豊富な不動産会社3〜6社に無料査定を依頼する。
- 査定価格だけでなく、話を聴き比べて、一番信頼できそうな不動産会社を選ぶ。
優秀な不動産会社とは、「エリアで売買実績が豊富な不動産会社」。
信頼できる不動産会社とは、「話を聴き比べて、信頼できそうな不動産会社」
しっかり話を聴き比べるためには、最低でも3社以上、多くても6社程度が良いでしょう。

エリアで売却実績が豊富な不動産会社を知らなかったら?

一括査定サイトを利用すると便利だよ
一括査定サイトでは、エリアで売買実績が豊富な不動産会社が自動でリストアップされます。
あなたはそのリストから選び、まとめて査定依頼が可能。
全国対応の一括査定サイトを利用すれば、自宅にいながら離れた場所にある不動産会社も探せます。
一括査定サイトの定番3社
一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。
一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。
この3社以外についてはこちらにまとめています。
すまいValue
- 査定実績:
- 40万件
- 不動産会社数:
- 大手6社・全国890店舗
- 運営会社:
- 大手6社共同運営
大手6社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル・野村の仲介+・三菱地所ハウスネット・小田急不動産)が共同で2016年に設立した一括査定サイト。
6社といっても全国890店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。
売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。
首都圏以外のほとんどの地方都市でも、三井・住友・東急の3社が売却実績のトップ3を独占しています。
2021年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトです。
簡易査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。管理人のコメント
地方では大手より地域密着の中小が強い場合もあるので、3位のHOME4Uも確認した方が良いでしょう。
しかし都市部では「すまいバリュー」が定番です。
特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。優秀な営業マンも数多く抱えています。SRE不動産(旧ソニー不動産)
- 査定実績:
- (2014年開始)
- 不動産会社数:
- 売主側1社(買主側多数)
- 運営会社:
- SREホールディングス株式会社
すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。利用できるエリアは首都圏と関西圏限定です。
あのソニーが始めた不動産会社で、売主だけを担当するエージェント制が特徴。無数にある他の不動産会社が買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。管理人のコメント
大手不動産会社でエージェント制はSRE不動産だけ。話を聞くと売却活動に役立つでしょう。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで査定を依頼することがポイント。まずメールで概算価格を査定してくれます。
HOME4U
- 査定実績:
- 累計40万件(2001年開始)
- 不動産会社数:
- 1,500社
- 運営会社:
- 株式会社NTTデータ・スマートソーシング
日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始依頼、査定累計数40万件と実績も豊富。運営は東証1部上場の株式会社NTTデータのグループ会社。
不動産会社は大小バランスよく登録されているため全国どこでも幅広く依頼ができます。
机上査定を選ぶと、郵送やメールで査定可能。管理人のコメント
HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多いため、自然と査定精度が高くなる仕組みになっています。
ちなみに記入した内容はまた不動産会社と話をするときに修正できます。
あまり真剣に悩まず、とりあえず現時点の希望を書いておく程度で大丈夫。
不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。
【公式サイト】すまいValue
【公式サイト】SRE不動産
【公式サイト】HOME4U
各エリアで最適な組み合わせ

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。
空き家売却の流れ
実際に空き家を売却するときは、次のような流れで進んでいきます。
- 複数の不動産会社に査定を依頼する
↓(1〜2週間) - 不動産会社を選び媒介契約を結ぶ
↓(数日) - 売却活動(広告・内覧・価格調整)
↓(平均約2.5ヶ月、通常は3〜6ヶ月を想定、ゴミ処分や建物解体はこの期間に) - 価格交渉・買付申込
↓(約1週間) - 売買契約
↓(約1ヶ月) - 引っ越し・精算
↓ - 確定申告・納税(精算の翌年2月中旬〜3月中旬)
売却活動期間が平均の2.5ヶ月程度で済んだとしても、査定依頼から精算までは4ヶ月半ほどかかります。
売却活動期間を6ヶ月と想定するなら、全体で7ヶ月半〜8ヶ月は見ておくと良いでしょう。
意外に時間がかかると思うかもしれませんが、時間的余裕があるほど高値で売却できる可能性も高くなります。
余裕を持って売却できるよう、なるべく早く動き始めましょう。
空き家の売却では税金に要注意
空き家の売却では、税金に要注意。
特に空き家を購入したときの価格が分からない場合や、証明する資料がない場合は税金が高額になります。
空き家を売却した利益には税金がかかる
売却価格から家の取得にかかった費用や、売却にかかった費用を差し引いた残りが譲渡所得です。
譲渡所得のイメージ
譲渡所得と減価償却費の計算については、こちらで詳しく紹介しています。
国税庁の解説もわかりやすいです。
【参考】国税庁・No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)
特に購入時の価格が不明だと利益が大きくなる
空き家の取得費が分からない、又は証明する書類が無い場合は、利益が大きくなってしまうため要注意。
取得費が不明な場合は「売却価格の5%」を取得費とみなして計算します。
→2,500万円×5%=125万円が取得費となる。
売却費用:100万円とすると
譲渡所得は
2,500万円-100万円-250万円=2,150万円
なんと譲渡所得が2,150万円になってしまうのです。

ほとんど利益(譲渡所得)になってしまうの?
そんなの不公平だよ!

手間はかかるけど、回避する方法はいくつかあるよ。
取得費が不明な場合の対策
取得費が不明な場合の対策として、次の方法があります。
- 税制優遇(特別控除)を利用する。
- 売買契約書のコピーや再取得
- 市街化指数を利用するなど、特殊な方法を使う
それぞれ解説します。
方法1. 税制優遇(特別控除)を利用する。
一番簡単なのは、税制優遇(特別控除)を利用する方法。
多くの場合、譲渡所得が3,000万円までは、特別控除で非課税にできます。
詳しくは次章で解説します。
方法2. 売買契約書のコピーや再取得
例えば、売買契約書を紛失した場合は、コピーや再発行する方法があります。
詳しくは、こちらで説明しています。
市街化指数を利用するなど、特殊な方法を使う
過去の判例から、市街地化指数を利用する裏ワザもあります。
この場合は、不動産に詳しい税理士に依頼する必要があります。
市街地価指数などを使って、当時の購入価格を推定計算する方法で、平成12年11月16日裁決で認められています。
市街地価指数とは、全国主要198都市で選定された宅地の調査地点について、年2回不動産鑑定士が指数化したもの。
昭和11年から旧日本勧業銀行が宅地価格を調査し、昭和34年から日本不動産研究所が承継し、有料web会員になると閲覧できます。
(計算式)売却金額×購入時の市街地価指数÷売却時の市街地価指数
公式サイトはこちら
⇒市街地価指数

減価償却費って何?

建物が古くなって価値が減った分のことだよ。
計算方法が決まっているよ
減価償却費の計算方法についてはこちらを参考に
参考:No.3261 建物の取得費の計算・国税庁
参考:No.2100 減価償却のあらまし・国税庁
空き家を売却するタイミングで大切な税金の話
空き家の売却には最適なタイミング・時期があり、それには税金が大きく影響します。
知っておきたいのは次の2つ。
- 税制優遇(特別控除)が受けられる期限
- 税率が低くなるタイミング
最適なタイミングを逃すと優遇が受けられなかったり、税率が高くなって支払う税金が高くなってしまうのです。
1. 税制優遇(特別控除)が受けられる期限
自宅と相続の2つの特例
空き家の売却では税制優遇(特別控除)が受けられます。
空き家の売却における税制優遇(特別控除)には、主に7種類ありますが、次の2つのいずれかを利用することが多いでしょう。
- マイホーム(居住用財産)を売った場合の3,000万円の特別控除の特例
- 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例(上限3,000万円)
- 公共事業などのために土地建物を売った場合の5,000万円の特別控除の特例
- 特定土地区画整理事業などのために土地を売った場合の2,000万円の特別控除の特例
- 特定住宅地造成事業などのために土地を売った場合の1,500万円の特別控除の特例
- 平成21年及び平成22年に取得した国内にある土地を譲渡した場合の1,000万円の特別控除の特例
- 農地保有の合理化などのために土地を売った場合の800万円の特別控除の特例
この税制優遇を受けるには、次の期限までに売却する必要があります。
自宅は「住まなくなった日から3年目の12月31日」
もともと自分が住んでいたけれど、転勤などの事情により現在は空き家になっている「マイホーム空き家」の場合。
マイホーム空き家を売却したときは、譲渡所得から3,000万円を控除できます。
この場合は、住まなくなった日から3年目の12月31日が期限です。
→2020年12月31日が優遇を受けられる期限になる
【参考】国税庁・No.3302 マイホームを売ったときの特例
相続した実家は「相続から3年目の12月31日」
親だけが住んでいた実家を相続した「相続空き家」の場合。
相続空き家を売却したときは、譲渡所得から3,000万円を控除できます。
この場合は、相続から3年目の12月31日が期限になります。
→2021年12月31日が優遇を受けられる期限になる
ただし、相続の場合は築年数など他にもいくつか条件があります。
- 昭和56年5月31日以前に建てられたものであること
- 売却代金が1億円以下であること
- 売却するまでの間、他の人に貸したり事業に使ったりしていないこと
【参考】国税庁・No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
詳しくはこちらで解説しています。
2. 税率が低くなるタイミング
空き家を売却した譲渡所得には、所得税と住民税がかかります。
税率は所有期間5年・10年を境に低くなる
所得が増えると所得税の税率が上がるイメージがあるかもしれませんが、譲渡所得に関しては違います。
給与など他の所得とは合算せず、譲渡所得だけで納税額を計算する税金(分離課税)になっているのです。
税率は譲渡所得額ではなく、不動産の所有期間が長いほど低くなります。
具体的には、所有期間が5年または10年を超えると、税率が下がります。
具体的な税率は次の通りです。
譲渡所得の税率
- 短期譲渡所得:所得税30%(30.63%)、住民税9%
- 長期譲渡所得:所得税15%(15.315%)、住民税5%
- 10年超の場合:6,000万円以下の部分が所得税10%(10.21%)、住民税4%になる
※カッコ内は復興特別所得税を含めた額、2037年まで
所有期間が5年以下だと「短期譲渡所得」に、5年超だと「長期譲渡所得」になります。
マイホーム空き家の場合は10年を超えていれば軽減税率が適用されるため、10年も一つのタイミングです。
【参考】国税庁・No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例
所有期間の計算に注意
所有期間の計算で間違いやすいのですが、所有期間とは「毎年1月1日時点の所有期間」のこと。
実質保有期間とは異なります。
→実質保有期間は5年3ヶ月を超えているが、2018年1月1日時点では4年7ヶ月で「5年以下」
例2:2013年12月20日に不動産を取得し、2019年1月10日に売却した場合
→実質保有期間は5年と21日ですが、2019年1月1日時点では5年と11日で「5年超」

実質保有期間が5年を超えていても、所有期間で計算すると5年以下になることがあるんだね

そう。このタイミングで税率も大きく変わるから、計算を間違えないようにしよう
取得費が分からない場合は大きな違いに
取得費が不明な場合で、特例が利用できないと、税率の違いが大きく影響します。
→2,500万円×5%=125万円が取得費となる。
取得費125万円、仲介手数料などの諸費用を90万円とした場合の税金は次の通り。
譲渡所得=2,500万円-125万円-90万円=2,285万円
長期譲渡所得・・・約464万円(所得税約350万円、住民税約114万円)
短期譲渡所得・・・約906万円(所得税約700万円、住民税約206万円)
2,500万円で売却した家を125万円で購入したとは考えにくいのですが、分からない以上は仕方ありません。
取得費が不明な場合は、取得費が安くなってしまうため、税金が高額になる恐れがあるのです。

税金がかなり高くてびっくり!

でも、このケースでも3,000万円の控除が使えるなら譲渡所得はマイナスになるから、税金はかからないんだ。税制優遇は、空き家の売却をしやすくするためのものなんだね
空き家の相場
あくまでも目安ですが、固定資産税評価額または路線価を使って、空き家の相場を知ることができます。
1. 固定資産税から推定する方法
不動産の所有者に毎年届く固定資産税通知書。
この通知書に記載された固定資産税評価額から、大まかな相場が計算できます。
(※あくまでざっくりとした参考にしかなりません。)
土地の価格の目安
土地の価格の目安=固定資産税評価額÷0.7
人気のある住宅地や都心なら、この数字より高めに。
過疎地や交通が不便な場所なら、この数字より安くなります。
建物の値段の目安
建物の価格の目安=固定資産税評価額÷0.6
築年数が古い建物でも、固定資産税評価額がゼロになることはありません。
しかし建物は時間の経過とともに劣化していくため、不動産取引においては築古物件の価値はゼロになることも。
そのため古い物件では固定資産税評価額より安くなると考えておきましょう。
一方で新築や築浅物件なら、固定資産税評価額より高くなる可能性もあります。
2. 路線価から推定する方法
路線価とは、毎年7月ごろに国税局が発表する土地の相場を知るための指標の一つ。
道路に接している土地1㎡あたりの評価額のことです。
路線価を見てみると、道路に数字とアルファベットが表示されているのが分かります。
この数字がその道路に接する土地1㎡あたりの価格で、千円単位で表示。
アルファベットは借地権割合で今回は関係がないので、気にしなくてOKです。

例えば「300C」と表示されている道路に面している土地があれば、1㎡あたりの価格が30万円であることが分かるんだ

その土地が100㎡だとしたら、土地価格の目安は3,000万円ってことになるんだね
ただし実際に計算する際は、その土地が道路とどのように接しているかによって補正を加えることになります。
1つの道路にだけ接している場合と2つの道路に接している場合では、2つの道路に接している方が土地の使い勝手も良くなりますよね。
こうした部分を考慮するために、様々な補正を加えて価格を計算していくのです。
また、路線価はあくまでも土地の価格に関するもの。
建物価格は計算できない点に注意してください。
路線価については、こちらで詳しく解説しています。
不動産会社の査定が一番正確
空き家の相場を知るためには、やはり不動産会社に無料査定を依頼する方法が一番正確です。
できれば1社だけでなく、3社〜6社へ査定を依頼すると、より正確な相場がわかります。
空き家売却の費用
空き家の売却では、次のような費用が発生し、あなたが負担することになります。
- 売却自体にかかる費用(不動産会社へ支払う仲介手数料・印紙税・登記費用など)
- 残置物やゴミの処分費用
- (建物を解体する場合)建物解体費用
- (隣地との境界が確定していない場合は)測量費用
- その他条件により、擁壁、埋設物、地盤改良、土壌汚染などの費用
自治体によっては家の解体に補助金を出しているところもあるため、まずは役所に問い合わせてみましょう。
他にも土地面積や隣接する土地との境界を明確にするための測量費用や、地面の下に埋まっている埋設物の撤去費用、軟弱地盤が見つかった場合の改良費用などが発生することもあります。
売却の費用については、こちらも参考に。
まとめ
空き家を売却するなら、税制優遇が受けられるうちに早めに動くのがポイント。
税率も所有期間が5年・10年を超えると変わり、マイホーム空き家なら10年超で軽減税率が適用されます。
空き家の売り方には「買取」「普通に売却」「建物を解体し更地で売却」の3通りがありますが、どれにするかは複数の不動産会社の意見を聴いてから。
複数の不動産会社の意見を聴くときは、一括査定サイトを利用して相談するのが便利です。
そして何よりも力を入れたいのが不動産会社選び。
「実家が遠くにあるけれど、仕事も忙しいから頻繁には帰れない」
そんなあなたでも実績があって信頼できる不動産会社を選べば、あとはお任せで大丈夫。
一括査定サイトを活用しながら良い不動産会社を見つけて、空き家の売却を成功させてください。
あなたの空き家売却が成功することをお祈りしております!
一括査定サイトの定番3社
一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。
一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。
この3社以外についてはこちらにまとめています。
すまいValue
- 査定実績:
- 40万件
- 不動産会社数:
- 大手6社・全国890店舗
- 運営会社:
- 大手6社共同運営
大手6社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル・野村の仲介+・三菱地所ハウスネット・小田急不動産)が共同で2016年に設立した一括査定サイト。
6社といっても全国890店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。
売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。
首都圏以外のほとんどの地方都市でも、三井・住友・東急の3社が売却実績のトップ3を独占しています。
2021年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトです。
簡易査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。管理人のコメント
地方では大手より地域密着の中小が強い場合もあるので、3位のHOME4Uも確認した方が良いでしょう。
しかし都市部では「すまいバリュー」が定番です。
特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。優秀な営業マンも数多く抱えています。SRE不動産(旧ソニー不動産)
- 査定実績:
- (2014年開始)
- 不動産会社数:
- 売主側1社(買主側多数)
- 運営会社:
- SREホールディングス株式会社
すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。利用できるエリアは首都圏と関西圏限定です。
あのソニーが始めた不動産会社で、売主だけを担当するエージェント制が特徴。無数にある他の不動産会社が買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。管理人のコメント
大手不動産会社でエージェント制はSRE不動産だけ。話を聞くと売却活動に役立つでしょう。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで査定を依頼することがポイント。まずメールで概算価格を査定してくれます。
HOME4U
- 査定実績:
- 累計40万件(2001年開始)
- 不動産会社数:
- 1,500社
- 運営会社:
- 株式会社NTTデータ・スマートソーシング
日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始依頼、査定累計数40万件と実績も豊富。運営は東証1部上場の株式会社NTTデータのグループ会社。
不動産会社は大小バランスよく登録されているため全国どこでも幅広く依頼ができます。
机上査定を選ぶと、郵送やメールで査定可能。管理人のコメント
HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多いため、自然と査定精度が高くなる仕組みになっています。
ちなみに記入した内容はまた不動産会社と話をするときに修正できます。
あまり真剣に悩まず、とりあえず現時点の希望を書いておく程度で大丈夫。
不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。
【公式サイト】すまいValue
【公式サイト】SRE不動産
【公式サイト】HOME4U
各エリアで最適な組み合わせ

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。