「共有名義の不動産を売却したいけど、どうすれば良いの?」
共有名義の不動産売却でお悩みですね。
確かに共有名義の不動産を売ると、契約や税金など複雑でトラブルになることがあります。
また共有者が売却に反対していると、そもそも普通に売れないという問題も。
この記事では、共有名義の不動産を売却する4つの方法について、高く売るコツや注意点を分かりやすくまとめました。
また相続と離婚で共有名義の不動産を売却する注意点も解説
あなたの共有名義の不動産をスムーズに売却するために、この記事がお役に立てば幸いです。
この記事のもくじ
共有名義の不動産を売る4つの方法
共有名義の不動産を売る方法は4つあり、「売却に全ての共有者が賛成しているか?」で選択肢が違います。
共有者全員が賛成なら普通に売却
共有者全員が売却に賛成すれば、普通に売却できます。
共有名義のまま、普通に売却しましょう。
- 方法1. 共有名義のまま第3者へ売却
反対する共有者がいれば特殊な方法
共有者の中に売却に反対する人がいて、どうしても説得できない場合、特殊な方法で売るしかありません。
売却方法の選択肢は次の3つ。
- 方法2. (価格が同意できれば)あなたの持分を他の共有者へ売却
→交渉できるならこれ - 方法3. (安くなる覚悟で)専門業者へあなたの持分だけを売却
→これは最終手段 - 方法4. (土地の場合)分筆して売却
→土地はこれが簡単
それぞれ後で詳しく解説します。
共有者で土地を分けて、それぞれ単独の所有者として登記し直すこと。
分筆して売却すれば、自分の所有する土地に関して他の人は関係なくなります。
ただし分筆には費用がかかり、全員が納得することが難しいというデメリットもあります。
共有者が反対すると大変なんだね
反対する人を説得する方法については、こちらで解説しています。
家を売ったほうが良い状況でも、家族や親族が反対してなかなか話を聞いてもらえない。そんな状況を解決するための2つのポイントとは。
それぞれの方法を解説します。
方法1. 共有名義のまま不動産を売却する
共有者全員が売却に賛成なら、共有名義のまま不動産を売却します。
共有名義で売却する5つの注意点
共有名義のまま売却する場合も、基本的な流れは普通の不動産売却と同じ。
ただし共有名義で売却するときは、次の注意点があります。
それぞれ解説します。
注意点1. 契約内容を事前に全員で確認する
共有名義のまま不動産を売却する場合は、契約内容を事前に全員で確認しておきましょう。
なぜなら細かい点で互いの認識がズレて、トラブルになる恐れがあるため。
例えば、
- エアコンを残置するか
- 売却諸費用の合計金額
- 設備の修理費の負担
- 測量費用の負担
- 売却価格の交渉と最終金額
特に金額は、「聞いてなかった」と売買契約当日にモメがち。
ほんのわずかな認識のズレが感情的なもつれになり、後でトラブルになることも多いのです。
注意点2. 売買契約には全員出席が基本
売買契約の手続きには、名義人全員が出席するのが基本。
なぜなら、契約当日に気付いた細かい条件を、後から契約書に手書きで書き加えるケースもあるため。
どうしても出席できないなら代理も可
どうしても出席できない場合は、誰か代理で出席する方法もあります。
ただしできれば出席した方がトラブルにはなりにくいでしょう。
代理人を立てるなら委任状と添付書類(印鑑証明書や本人確認書類など)が必要です。
代理人については、こちらで解説しています。
不動産の売却では、代理権を委任することであなた自身が立ち会わなくても不動産売却ができるようになります。代理人に委任する方法や必要な書類、注意点をまとめました。
注意点3. 売却代金は持分比率で分ける
売却代金は、不動産の持分比率で分けます。
正確には、売却費用がかかるので、代金から費用を引いて残った金額を分けます。
持分比率が分からない場合はどうするの?
持分比率は不動産会社が調べてくれるけど、自分でも登記で確認できるよ。
登記・供託オンライン申請システムなら、オンラインで送付請求できるんだ。
【参考】法務局・登記事項証明書等の請求にはオンラインでの手続が便利です
登記については、こちらで詳しく解説しています。
不動産売却で「そういえば登記はどうなっていたっけ?」と思ったら。あなたが登記を確認した方が良いのか、そして登記を調べる方法、具体的にチェックすべきポイントについてまとめました。
注意点4. 税金の3,000万円の特例は1人あたり
マイホームの売却では、利益(譲渡所得)が3000万円までは特例で非課税ですが、この特例は1人あたり。
つまり共有名義では、それぞれ1人あたり3000万円まで非課税になります。
【参考】国税庁・No.3302 マイホームを売ったときの特例
不動産を売却した利益(譲渡所得)は次のイメージ。
不動産売却の譲渡所得について、詳しくはこちらも合わせてお読み下さい。
家を売った時の税金について、知っておくべき知識をまとめました。家を売るのが初めての人でも、税金についてよく分からなくても、この記事を読めば安心!! 家が値下がりして損した場合は税金が戻ってきます!
ただし買い替えでは住宅ローン控除と併用できない
ただし家を買い替える場合は、3000万円の特例と新しい家の住宅ローン控除は併用できません。
どちらがお得か比較して、一方だけ適用するしかありません。
家を買い替える場合の特例については、こちらで詳しく説明しています。
家の買換えで、住宅ローン控除(減税)は使えるのか? 最大400万円を損しないため、簡易判断チャートを元に税金対策について解説します。
相続した空家も特例あり
相続した不動産を売却した場合も同様に3000万円の特例があります。
相続によって空き家になった不動産を相続人が売却した場合、適用条件を満たせば譲渡所得から3,000万円を控除可能です。
【参考】国税庁・No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例
相続の特例について、こちらで詳しく説明しています。
相続した空き家を売るなら3年目の年末までが有利な場合も。なぜなら税金の特例に期限があるため。相続した空き家の売却で知っておきたい税金の特例と3つの注意点、さらに不動産市場の現状について解説します。
注意点5. 売却前に単独名義にする必要はない
共有名義の不動産を売る前に、単独名義にする必要はありません。
むしろ共有のままの方がメリットは多いです。
単独名義にすると手続きがスムーズになる一方、次のデメリットがあります。
デメリット1. 所有権移転登記・不動産取得税などの費用がかかる
共有名義から単独名義に変更する際には、所有権移転登記が必要。
所有権移転登記には登録免許税(国税庁・No.7191 登録免許税の税額表)、司法書士費用(4万〜6万円)がかかります。
また不動産取得税(東京都・不動産取得税)もかかります。
デメリット2. 相応の金額を支払わないと贈与税の対象になる
売買せずに(無償で)名義変更してしまうと、贈与とみなされ贈与税の対象になります。
贈与税には110万円の控除があるものの、税率が高いため結果的に損してしまう恐れがあります。
ということは、単独名義にするなら贈与でなく売買した方が良いんだね
そうだけど、売買するなら身内でも売買契約が必要だよ
この他にも、後で想定外の価格で売れた場合にトラブルになりやすいという心配もあります。
デメリット3. 税金の特例が1人分しか使えない
共有名義の不動産を売却した場合は、共有者それぞれに特例が適用されます。
たとえば、3人で共有している不動産を売却した場合は、3,000万円×3人で9,000万円相当の控除が受けられるということです。
しかし、単独名義にしてしまうと、特例が受けられるのは名義人1人だけ。
3,000万円相当の控除しか受けられません。
とにかく売却前に単独名義にせず、共有名義のまま売却した方が良いよ
共有名義のまま高く売る3つのコツ
- 買取でなく仲介で普通に売る
- 査定時に全員が賛成していると伝える
- 優秀で信頼できる不動産会社を選ぶ
それぞれ解説します。
コツ1. 買取でなく仲介で普通に売る
共有名義の不動産を高く売却するなら、買取でなく仲介で普通に売りましょう。
なぜなら買取では、最短1週間で売却できますが、価格が相場の6〜8割に安くなってしまうため。
買取では、買い取った不動産を相場価格で転売するため、相場より2割以上安くなるのです。
不動産の買取は最短1週間で売れますが価格は安くなりがち。しかし今なら高値で買取できるかもしれません。買取で高く売る4つのコツ、失敗しないための注意点を解説します。
コツ2. 査定時に全員が賛成していると伝える
共有名義の不動産を高く売るためには、不動産会社へ査定を依頼するときに、名義人全員が売却に賛成していることを伝えましょう。
なぜなら共有名義は、不動産会社にとって売却に手間がかかるリスクがあるため。
不動産会社の中には、手間を嫌がって売却を断るために、査定価格を低めにしたり、査定すら断る会社も。
確かに、不動産会社がせっかく手間をかけて査定しても、共有者が反対していればそもそも売れません。
あらかじめ共有名義でも売却に問題ないと説明すれば、不動産会社も普通の不動産として扱ってくれます。
コツ3. 優秀で信頼できる不動産会社を選ぶ
共有名義の不動産売却が成功するかは、不動産会社選びで8割が決まります。
売却を成功するためには、優秀で信頼できる不動産会社を選びましょう。
優秀で信頼できる不動産会社を選ぶ手順は、
- エリアで売買実績が豊富な不動産会社を選ぶ
- その中から3〜6社の不動産会社へ無料査定を依頼して、話を聴き比べる
実績が豊富な不動産会社はどこ?
都市部なら大手3社が強いね。
実績は大手3社が強い
売買仲介件数ランキング上位36社
(2024年3月)
不動産売却の実績は、大手3社に偏っています
三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブルの3社は、仲介件数が2万件を超えており、大手の中でも圧倒的。
都市部で査定を依頼するなら、これら大手3社を中心に考えると良いでしょう。
大手3社は別格だね。
3社もそれぞれ特徴があるから、解説しよう。
【大手1】三井のリハウス
38年連続で売買仲介件数1位
(首都圏174、関西圏45、中部圏25、札幌9、東北6、中国9、九州9)
三井のリハウスは、38年連続で売買仲介件数1位と業界を代表する不動産会社。
独自の査定システムは精度が高く、売主の約76%がほぼ提案価格(提案の95%以上)で成約しています。
多くの購入希望者を抱えるため早く売れることも強みで、売主の65%が2ヶ月以内に成約するほど。
また担当者のレベルが高いことにも定評があり、顧客満足度は96%と高評価です。
業界を代表する会社だから、初めての売却ならまず話を聞いてみると良いよ。
他と比較する基準にもなるからね。
⇒三井のリハウス
三井のリハウスは36年連続で不動産売買の仲介件数第1位の大手不動産会社。ただし注意点もあります。あなたが家の売却を任せて大丈夫か、注意点と評判を分かりやすく解説します。
【大手2】住友不動産販売
熱心な営業スタイルに定評
- 店舗数 203店舗
(首都圏114、関西圏55、中部東海10、北海道8、東北3、中国7、九州6)
住友不動産販売(すみふの仲介ステップ)は、営業マンの熱心な営業スタイルに定評があります。
現在の購入希望者の登録数も公開しており、常に2万人を超える希望者が登録。
自社ホームページの月間来訪者数は300万件以上、登録物件数は2万8千件以上と十分なスケールメリットもあります。
スマートでクールな営業より人情深く熱心な営業が好みなら、他より出会える可能性が高いかも。
住友不動産販売「すみふの仲介 ステップ」は、売買仲介件数が業界2位の大手。家の売却ならぜひ候補に入れたい1社ですが、注意点もあります。住友不動産販売のメリットと注意点を分かりやすく解説、そして利用者の評判を紹介します。
【大手3】東急リバブル
東急沿線や大型案件に強み
- 店舗数 220店舗
(首都圏141、関西圏45、名古屋11、札幌10、仙台6、福岡7)
東急リバブルは東急電鉄系の不動産会社ですが、全国に店舗を持つのが特徴。
東急電鉄沿線はもちろん、法人営業や投資物件にも強みを持っています。
東急リバブルは不動産の売買実績でトップ3の1社。しかし注意点もあります。東急リバブルを利用する前に知るべき注意点・メリット、そして実際に利用した人の評判をまとめました。
大手にまとめて査定を依頼するなら「すまいValue」
大手3社にまとめて無料査定を依頼するなら、一括査定サイトの「すまいValue」が便利。
すまいValueは、大手上位6社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル・野村の仲介+・小田急不動産・三菱地所の住まいリレー)が共同運営する一括査定サイトです。
⇒すまいValue
とりあえず大手3社に査定を依頼すれば良いの?
売却予定なら個人の相性もあるから、大手3社以外と比較した方が良い。
首都圏・関西圏ならエージェント制のSRE不動産(旧ソニー不動産)、それ以外なら地域で実績No.1の会社にも査定を依頼しよう。
SRE不動産(旧ソニー不動産)
売主だけを担当するエージェント制
大手と比較するならSRE不動産(旧ソニー不動産)が良いでしょう。
なぜならSRE不動産は、大手で問題になりがちな両手仲介が無いため。
(※両手仲介とは売主と買主を同じ不動産会社が担当すること。大手は顧客を多く抱えるため、自然と両手仲介が多くなる。)
SRE不動産は、業界初のエージェント制で売主だけを担当。
買主は無数にある他の不動産会社が積極的に探します。
結果として、大手にも劣らない販売力で、早く高く売れやすいことが最大のメリット。
ただし営業エリアは首都圏・関西圏限定です。
SRE不動産は業界でも両手仲介無しで知られているから、他社が競って営業してくれる。
大手と話を聴き比べて、自分に合ってる方を選ぶと良いよ。
⇒SRE不動産
SRE不動産(旧ソニー不動産)の口コミや評判、裏事情などから、あなたがソニー不動産を利用すべきなのか徹底評価しました。
その他エリアは地域No.1を探す
大手やSRE不動産の営業エリア外なら、地域で実績No.1の不動産会社を中心に選びましょう。
実績No.1の不動産会社は、実績をアピールしているのですぐに分かります。
不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトをいくつか併用すると良いでしょう。
全国対応の主要な一括査定サイトとして次があります。
その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。
不動産一括査定サイト、主要16社を徹底比較し、ランキングでまとめました。
共有者全員が売却に同意していない場合は、3つの売り方から最善と思われるものを選びます。
まず『あなたの持分を共有者へ売る方法』から見ていきましょう。
方法2. あなたの持分を共有者へ売る
価格をいくらにするか
自分の持分を共有者へ売る場合、最も難しいのが価格をいくらにするのか。
基本は不動産会社の査定価格を平均する
正しい不動産価格を知るためには、不動産会社の査定価格を利用する方法が一般的です。
具体的な手順はこちら。
- 複数(3社以上)の不動産会社へ無料査定を依頼
- 各社の査定価格の平均値を正しい価格とする
- その価格を持分比率で割る
不動産会社に相談すると、売却に反対する共有者を説得してもらえる可能性もあります。
また思わぬ高値の査定価格で、共有者の気が変わり、売却することになるかもしれません。
不動産会社は、こういった権利関係について経験豊富なので、不動産会社に査定を依頼すると同時に、相談してみましょう。
ポータルサイトの売出し価格は、売残り価格で参考にならない
不動産ポータルサイトなどから、近隣の売り出し価格を見て価格を決めるのはトラブルになりがち。
なぜならポータルサイトなどで掲載されているのは「売り出し価格」であくまで売主の希望価格、簡単に言うと「売れ残っている価格」だから。
実は、不動産の売却では、売り出してもその半分以上が結局売れずに売却を諦めるもの。
売却できた不動産も、多くが価格交渉の結果、売り出し価格より安い価格で売買されます。
つまり正確な不動産価格を知るためには、実際に売買が成立した「成約価格」を知る必要があるのです。
ところが成約価格が登録されたデータベース「レインズ」は、不動産会社しか使えません。
国土交通省の指定流通機関である、不動産流通機構が運営するデータベース。
過去の取引事例、現在の売り出し物件情報が登録されています。
不動産会社しか利用できません。
(参考)家を売るときに知っておきたい「レインズ」のこと
不動産鑑定士の価格調査という方法もある
不動産会社を利用したくない場合は、費用がかかりますが不動産鑑定士に価格調査を依頼する方法もあります。
費用の相場は、戸建て住宅で13万円〜、マンションで15万円〜。
ただし不動産鑑定士はレインズを見ることができず、実際の不動産売買には詳しくないため、実売価格とは多少誤差があります。
詳しくは、こちらで解説しています。
個人が不動産の鑑定評価(査定)を不動産鑑定士に依頼する場合、「不動産鑑定評価」と「価格調査」の2種類があります。それぞれの違い、不動産鑑定士を探す方法や費用の相場について分かりやすくまとめました。
土地は地価公示と路線価でも推定できる
土地だけなら、地価公示と路線価で、ある程度は価格が推定できます。
土地の価格を知る方法について、詳しくはこちらの記事も合わせてお読み下さい。
土地の価格は5種類あり目的によって使い分けます。土地の価格の5種類の違いと使い分け方、あなたの土地の価格の調べ方をまとめました。
価格が市場価値と違いすぎると贈与税の対象になることも
共有者へ売るときに、市場価値より安すぎる場合は贈与とみなされてしまい、贈与税の対象になる事も。
適切な価格かどうかを判断するのは容易ではないのです。
特に高額な土地では、税理士などに相談した方が良いよ。
税務署は法務局(登記する所)から不動産の所有権移転情報を入手しています。
特に親子や兄弟姉妹の間の移転については、時価と乖離(かいり)した売買が行われがちなので、念入りにチェックされます。
金額が大きな場合や不安な場合は、税務署や税理士に相談しましょう。
所有権移転登記、各種税金はある
共有者間での売買であっても、所有権移転登記や税金があります。
所有権移転登記の費用や税金として、次のものがあります。
- 登録免許税
→固定資産税評価額の2%(各種軽減あり)
国税庁・No.7191 登録免許税の税額表 - 司法書士費用
→4〜6万円 - 印紙税
→1万〜3万円
国税庁・No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置 - 不動産取得税
→固定資産税評価額の3%or4%(各種軽減あり)
東京都・不動産取得税 - 所得税・住民税
→利益があった場合のみ所得税・住民税がかかります。各種特例で非課税になる可能性もあります。
所有権の移転登記で必要なのが、登録免許税と司法書士費用。
印紙税は、売買契約書に貼る印紙の費用です。
不動産取得税は、売買後6ヶ月〜1年くらいで都道府県から納税通知が届きます。
所得税・住民税は、売買翌年の2月中旬〜3月中旬に確定申告して、納税します。
家を売った時の税金について、知っておくべき知識をまとめました。家を売るのが初めての人でも、税金についてよく分からなくても、この記事を読めば安心!! 家が値下がりして損した場合は税金が戻ってきます!
共有者に自分の持分を売る場合は、不動産会社は使わないの?
自分の持分を売る時でも、不動産会社を使うことも多い。
価格設定が難しいこともあって、不動産会社の一括査定を利用するから、そのままお任せする人も多いんだ。
方法3. あなたの持分だけを専門業者へ売る
自分の持分だけを専門業者へ売却できます。
他の共有名義人の同意がなくても売却可能。
しかし価格が大幅に安くなるため、あくまでも最後の手段と考えた方が良いでしょう。
専門業者しか買わないの?
制約の多い共有名義を買う人は、プロだけだね。
専門業者は、一括査定サイトで探すと良いでしょう。
全国対応の主要な一括査定サイトとして次があります。
その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。
不動産一括査定サイト、主要16社を徹底比較し、ランキングでまとめました。
共有名義を積極的に買取るサービスも
共有名義など訳あり不動産を積極的に買い取るサービスもあります。
WISH(ウィッシュ)
WISH(ウィッシュ)は、共有名義や再建築不可などの訳あり物件を中心に買取る不動産会社。
普通の不動産会社で断られた物件でも、買取できます。
⇒【WISH(ウィッシュ)】
方法4. 土地を分筆して売る
分筆とは、一つの土地を分けて、それぞれ単独の所有権を登記すること。
もともと共有名義の土地でも分筆すれば個人の土地となるため、個人の意思で自由に土地を売却できるようになります。
分筆の注意点
分筆すれば個人で売却できますが、分筆には注意点もあります。
注意1. 接道次第で土地の価値が変わる
土地の価値に大きく影響するのが、その土地に接する道路(接道)です。
なぜなら、接道の有無によって建物が建てられる土地かどうかが変わるから。
道路に接していない土地は建物が建てられないため、その土地は無価値に。
旗竿地にするといった工夫次第では建物が建てられるようになりますが、価値は低くなります。
土地は接している道路(接道)が土地の価値に大きく影響します。知っておきたい道路と土地の基本についてまとめました。
注意2. とにかく分け方が難しい
持分比率に応じて土地を分けるのが望ましいところですが、面積は簡単に分けられたとしても、価値を比率に応じて分けるのは至難の業。
前に書いた通り、土地の価値は接道の有無だけでも大きく変わります。
どう分けるかが一番難しく、トラブルになりやすいのです。
注意3. 共有者の同意が必要
分筆した後の土地は個人の意思だけで売却できますが、分筆するためには共有者の同意が必要です。
「売却には反対だけど、分筆なら賛成」ということであれば良いのですが、そうでなければ説得するか別の方法を考えるしかありません。
注意4. そもそも分けられない土地もある
例えば多くの住宅地では、土地の最低限度が決まっており100m2以下に分筆できないため、人数×100m2未満の土地は分筆できません。
地域によっては100m2以上で最大200m2という最低限度の場合もあるので、市区町村役所の都市計画課や建築指導課へ確認が必要です。
すでに不動産会社が決まっている場合は、不動産会社が調べてくれます。
分筆によって100平方メートル未満となる土地は、地域によっては売れなくなる可能性があります。不動産会社ですら間違う最低限度について解説します。
分筆も簡単にできるというわけではないんだね
そもそも分筆するかどうかや、どう分けるかといった部分で揉める可能性もあるからね。
分筆することに同意が得られたなら、次の手順に沿って手続きを進めよう
分筆の手順
手順1. 測量及び境界確定
まずはどう分けるかを決めたうえで、測量と境界確定を行います。
測量や境界確定には費用がかかります。
手順2. 分筆登記申請
分筆登記申請には申請書の他、添付書類として筆界確認書(境界確認書や境界の同意書など)と地積測量図が必要です。
分筆したとはいえ土地自体はまだ共有名義のままなので、分筆登記は共有者全員で行います。
添付書類として筆界確認書や地積測量図が必要だから、事前に測量などを行うんだね
そう。それから、分筆登記には登録免許税も必要。費用は、分筆登記後の筆数×1,000円だよ
例えば、分筆登記後に土地が三筆になれば、登録免許税は3,000円です。
なお、分筆登記は土地家屋調査士が行います。
手順3. 所有権移転登記
分筆登記が済んでも、分筆後の土地は共有名義のままの状態。
所有権移転登記を行うことで初めて、それぞれの土地が単独名義の土地となります。
所有権移転登記は司法書士が行い、登録免許税が必要です。
相続した不動産を共有名義で売却する場合
土地の所有者が亡くなり複数人で相続したような場合も、その土地は共有名義となります。
この場合、売買契約の前に済ませておかなければならないのが相続登記。
なお、遺産分割協議において相続した土地の売却が決まった場合は、複数の相続人がいたとしても代表者一人の名義で登記し、共有持分にあたる金額を他の相続人に支払う方法が一般的です。
一人の名義で登記すると、贈与とみなされる可能性があるんじゃないの?
相続時に関しては、贈与とみなされることはないんだ。
ただし、遺産分割協議書などには便宜上、代表者一人の名義で登記していることなどを明記しておくのがオススメ。
税務署に対して、きちんとした理由があることを伝えておくのが安心だよ
複数名義にしておいた方が有利な場合もある
売却価格が高額な場合は、複数名義のままで売却する方が有利な場合もあります。
これは、複数名義のままなら「空き家の3,000万円の特別控除」も複数人で利用できるため。
一人の名義にしてしまうと控除額は3,000万円ですが、複数名義の場合は名義人それぞれ3,000万円の控除が受けられるのです。
例えば、4人で共有している不動産であれば、3,000万円×4人で1億2,000万円相当の控除が受けられるよ
まずは不動産会社に査定を依頼して、いくらで売却できそうなのかを確認してみるのがオススメです。
離婚で共有名義不動産を売却する場合
離婚によって、共有名義の不動産を売却することもあります。
この場合、まず確認しておきたいのが売却価格と住宅ローン残高。
なぜなら、住宅ローンがオーバーローンになっているケースが多いからです。
オーバーローンのままでは売却できないため、不足分を他の共有財産で支払うか、無担保ローンで借り換える必要があります。
離婚で不動産を売却する場合は、こちらも合わせてお読み下さい。
離婚の財産分与で一番難しい不動産の財産分与。理由は、価格が明確でなく、税金や諸費用が複雑なこと。もめないための方法を解説します。
なお、結婚前の貯金や親からの援助を不動産取得時の頭金にした場合、その分は財産分与の対象外となります。
これは結婚前の貯金や親からの援助は夫婦の共有財産ではなく、特有財産として扱われるため。
特有財産については、出した方に権利があります。
離婚での頭金については、こちらの記事で詳しく解説しています。
離婚の財産分与では、家の頭金についてモメることがあります。計算方法を分かりやすく図解で説明します。
まとめ
共有名義の不動産を売る方法には次の4つ。
- 方法1. 共有名義のまま第3者へ売却
- 方法2. (価格が同意できれば)あなたの持分を他の共有者へ売却
→交渉できるならこれ - 方法3. (安くなる覚悟で)専門業者へあなたの持分だけを売却
→これは最終手段 - 方法4. (土地の場合)分筆して売却
→土地はこれが簡単
信頼できる不動産会社のサポートがあれば、それほど難しくはありません。
信頼できる不動産会社を探すには、エリアで実績が豊富な不動産会社3〜6社へ無料査定を依頼して、話を聴き比べると良いでしょう。
都市部なら大手3社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル)が実績豊富。
とりあえず1社だけ査定を依頼するなら、38年連続で実績1位の三井のリハウスが良いでしょう。
⇒三井のリハウス
大手にまとめて査定を依頼するなら、大手6社が共同運営するすまいValueが便利です。
⇒すまいValue
大手と比較するなら、首都圏・関西圏は両手仲介のないSRE不動産(旧ソニー不動産)
⇒SRE不動産
首都圏・関西圏以外の都市部で大手と比較する場合や、大手の営業エリア外の地方では、一括査定サイトを利用すると良いでしょう。
全国対応の一括査定サイトとして定番はこちら。
その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。
不動産一括査定サイト、主要16社を徹底比較し、ランキングでまとめました。
あなたの不動産売却が成功することを、心よりお祈りしております!