アパートイメージ
大家さんのお仕事、お疲れ様です。

トラブル対応や空室の客付けなど、アパート経営は大変ですよね。

そんなアパート経営で、ついつい日々の忙しさから先延ばしにしがちなのは、出口戦略つまり売却です。

そろそろアパートを手放そうかなと思っていても、つい面倒で来月、来年と先送りに。

その結果、相場が下落して売り時を逃すことになりかねません。

ひどい場合は、アパート売却のタイミングを間違え、今までの利益が吹き飛ぶくらいの損をすることも。

つまりアパート経営は「購入時」や「経営中」と同じくらい、いかに上手く「売却」するかが重要なのです。

しかしアパートを売却するなんて、なかなか経験できないこと。

初めてのアパート売却でよく分からないまま売却すると、買い叩かれて失敗してしまう恐れもあります。

この記事では、大家歴8年で20戸以上の売却経験を元に、あなたがアパートの売却を成功させるために、知っておきたい売却時の注意点と高く売るコツを全力でまとめました。

今は売り時! 相場は高騰している

今、アパート価格は、高騰しています。

国土交通省が発表している「不動産価格指数」をみてみましょう。

不動産価格指数(マンション・アパート(一棟))

不動産価格指数(マンション・アパート一棟)2019年3月

「不動産価格指数」とは

不動産価格指数とは、純粋に不動産相場の価格変動を見ることができる指数。

国土交通省がヘドニック法という統計計算手法を利用し、年間30万件の不動産売買成約価格から築年数や立地などの余計な要素を取り除き、純粋な価格変動をまとめたものです。

不動産価格指数によると、マンション・アパート一棟の価格指数は、日銀の金融緩和発表(2013年1月)以降の約5年半で、地方でも都市部でも約30〜40%も上昇しています!

ハウスくんハウスくん

この5年ほどで30〜40%も上昇しているなんて!
売却のタイミングとしては良いタイミングと言えそうだね

家博士家博士

そうだね。
もし売却を考えているなら、このタイミングを逃さない方が良い。

ハウスくんハウスくん

それにしても、アパート一棟を売るにはどうすればいいの?
マイホームを売る以上に難しそう…

家博士家博士

アパート売却の機会は決して多くないし、分からないこともたくさんあると思うんだ。
まずは売却の流れからチェックしておこう

アパート売却の流れ

アパート経営イメージ
アパート売却の流れとしては、大まかに次の7つのステップを踏んでいきます。

それぞれ解説します。

STEP1.無料査定を依頼する

査定依頼イメージ
まずは3〜6社の不動産会社に無料査定を依頼します。

複数の会社に依頼する理由は、主に2つ。

理由1.不動産会社によって査定価格に差がある

不動産会社によって、査定価格には差があります。

極端な場合は、査定額に20%の差が出ることもあるほど。

そもそも一棟アパートの様な収益物件では、家賃収入に対する表面利回りで売却価格を査定します。

年間家賃収入÷表面利回り = 査定価格

各不動産会社は、最近の売買成約事例から利回りを推定しますが、ここで不動産会社によって差がつくのです。

例えば、都心部の築浅アパートであれば利回り 6%前後、地方の築古アパートであれば利回り18%といったイメージ。

しかし利回りが1%変わるだけでも、査定価格は大きく変わります。

例)年間家賃収入 500万円の一棟アパート

  • 利回り6%→ 8,333万円
  • 利回り7%→ 7,143万円

なんと利回り1%の違いで査定価格の差は1,190万円!

理由2. 不動産会社の話を聴き比べると信頼できる不動産会社を見つけやすい

アパート売却の成功は不動産選びで8割が決まります。

では信頼できる優秀な不動産会社を見極めるためには、どうすれば良いのでしょうか?

良い不動産会社を見極めるポイントは「比較すること」なんです。

アパートの売却が初めてでも、複数の不動産会社の話を聴き比べ比較するることで、なんとなく信頼できる不動産会社が分かってきます。

「熱心に売却に取り組んでくれそうだな。」
「なんだか質問しても不親切だな。」
という具合に、不動産会社の担当者の雰囲気は、比較することでよく分かります。

そもそも不動産会社にはそれぞれ得意分野があり、マイホームの売買は得意でも、アパート一棟となると実績が少ない…なんて不動産会社も。

そんな不動産会社も、話を聴き比べると簡単に見抜くことができます。

そのため、査定価格そのものを比較するのはもちろんですが、査定価格の根拠や売却戦略を聞き比べることも重要。

不動産会社選びで8割が決まると考えて、じっくり時間をかけましょう

ハウスくんハウスくん

でもどこの不動産会社を選べば良いの?


家博士家博士

不動産会社の心当たりがなければ、ネットの一括査定サイトを利用するのが定番だよ。
スマホからでも、数分で無料査定を依頼できるんだ。

STEP2.査定依頼と同時に相場の確認と情報収集

査定依頼と同時に自分でもやっておきたいのが、相場の確認といった情報収集。

まずは近隣アパートの売り出し価格をチェックしましょう。

今は投資用不動産の情報もインターネットで簡単に調べられるもの。

次のようなサイトが参考になります。

ただし、これらのサイトに掲載されている価格はあくまでも売り出し価格で、売り主の希望価格。

実際に売買が成立する価格(成約価格)は、これより低い価格になります。

成約価格を知るためには、成約情報が登録されているレインズをチェックしますが、残念ながらレインズは不動産会社しか利用できません。

レインズとは
国土交通省の指定流通機関である、不動産流通機構が運営するデータベース。
過去の取引事例、現在の売り出し物件情報が登録されています。
不動産会社しか利用できません。
(参考)家を売るときに知っておきたい「レインズ」のこと

不動産会社に無料査定を依頼する理由は、レインズの成約事例を知るためでもあるのです。

一応、個人でも成約価格の概算を見ることができるサイトはありますが、あくまで参考にしかなりません。

【参考】国土交通省・不動産取引価格情報検索

ハウスくんハウスくん

成約価格を知るためには、結局レインズが見れる不動産会社に査定を依頼するしかないんだね。

家博士家博士

競合の売出し価格を知るだけでも参考になるから、築年数や規模が近い物件の利回りはチェックしておこう。

STEP3.不動産会社の選定・媒介契約

不動産会社の査定価格が全て出そろって、話を聴き比べたら、一番信頼できそうな不動産会社と媒介契約を結びます。

家博士家博士

不動産会社との媒介契約は3種類。
アパート売却が初めてなら、専任媒介契約で1社と契約するのがおすすめ。
不動産売却に詳しいのであれば、一般媒介契約で複数の不動産会社と契約するのも良いかな

ハウスくんハウスくん

契約方法で何か変わってくるの?

家博士家博士

専任媒介契約は、契約できる不動産会社は1社に限られるけれど、自分自身で買主を探して直接取引することもできるんだ。
一般媒介契約は複数の不動産会社と契約が結べるなど制約も少ないけれど、場合によっては売却活動に本腰を入れてくれない…なんてことも。
だから、不動産に詳しい人に向いているってわけ

【媒介契約の比較】

項目一般媒介契約専任媒介契約専属専任
媒介契約
特徴自由な契約一般的な契約厳しい契約
こんなタイプの人向き不動産の売却経験がある人普通の人多少損でもお任せしたい人
実際の契約の多さ
(2015年東日本の実績)
29%46%
一番多い
25%
他社との媒介契約××
自分で見つけた相手との直接契約×
契約の有効期間制限なし
(行政指導により3ヶ月が一般的)
最長3ヶ月最長3ヶ月
指定流通機構(レインズ)への登録×
登録義務なし

契約から7日以内

契約から5日以内
業務処理状況の報告義務規定なし14日に1回以上7日に1回以上
ハウスくんハウスくん

なるほど。ちなみに、不動産会社の規模も重要だったりするの?

家博士家博士

アパートを買うのは、融資がつく優良な投資家。
だから、多くの優良投資家を顧客として抱えている大手不動産会社の方が有利だよ

STEP4.販売活動

不動産会社の媒介契約が終わると、いよいよアパートの販売活動スタート!

ハウスくんハウスくん

よし! 頑張るぞ!
何からするの?


家博士家博士

実は、この先の作業はほとんど不動産会社にお任せするだけなんだ。
信頼できる不動産会社と出会うことができれば、この先の手順はサラッと軽く読み流すだけでいいよ。

アパートの販売活動として、具体的にはウェブサイトやポータルサイトへの物件情報掲載、レインズへの登録、投資家への物件案内などが行われます。

販売活動が始まると、購入希望者からの問合せや買付の申し込みも入るように。

購入希望者から「この価格で購入したい」という、価格交渉もあります。

ここで一つ覚えておきたいのが、買付申し込みは先着順ではないという点。

最初に申込んだ人と契約をしなければならないという決まりはありません。

そのため、複数の買付申し込みがあった場合は売主であるあなたが優先順を付けることができます。

ハウスくんハウスくん

どういう人を優先すればいいの?

家博士家博士

優先するのは、

  1. 購入希望額が高い買主
  2. 融資が確実に受けられそうな買主
  3. 現金購入又はローン特約なしの買主

を優先するのがオススメだよ。
ちなみに、融資が確実に受けられそうな人は、投資規模が大きくて金融機関との関係ができている投資家だね。
他にも上場企業の正社員など属性の高い人は、金融機関によるけど年収の10倍くらいまでは融資も受けやすいよ。


ハウスくんハウスくん

スルガ銀行の問題で融資に影響はあるの?


家博士家博士

貯金の額をウソの資料で増やしたり、売買契約を書き換えてフルローンを受けてきた人は、今はローンが借りれずアパートを買えなくなっている。
だから全体的にアパート価格は下がり始めているんだ。
またスルガ銀行しか融資しないエリアのアパートは、購入できる人がいなくなったので、価格が大きく下がっているよ。


STEP5.売買契約

あなたと購入希望者との間で話がまとまれば、いよいよ売買契約の締結となります。

知っておきたいのは、まず手付金について。

手付金の目安とルール

売買契約の際に買主から手付金を受け取りますが、この手付金は後の精算時に売買代金の一部になります。

この手付金の金額ですが、特に決まりはなく、一般的に目安は売買代金の3〜5%程度。

もし買主の都合で売買契約を破棄した場合は、あなたが手付金そのまま受け取る「手付放棄」に、逆にあなたの都合で売買契約を破棄した場合は、手付金を返却してさらに同額を支払う「手付倍返し」になります。

手付金について、詳しくはこちらで解説しています。

また売買契約では、瑕疵と重要事項説明も注意したいポイント。

瑕疵と重要事項説明

後のトラブルを避けるために、売買契約に添付される重要事項説明には、瑕疵になる恐れがあることを全て記入しましょう。

築古物件であれば、売却後のトラブルを避けるために瑕疵担保免責で売るようにします。

瑕疵にあたるかどうかは、不動産会社に相談して決めます。

最後にローン特約についても押さえておきましょう。

ローン特約は要注意

アパートの売買契約では、多くの場合でローン特約がつきます。

ローン特約とは、買主がローン審査に通らなかった場合に売買契約が解除できるという特約で、売主は買主から受け取った手付け金を返還しなくてはいけません。

ローン特約がある場合は、どこの金融機関からいくらの融資を受ける予定なのか確認し、買主がローン審査に通る可能性を不動産会社に確認してもらいましょう。

買主がローン審査に通る可能性が低い場合は、無駄に売却期間が延びるだけなので、違う買主を見つけた方が良いでしょう。

また、今はスルガ問題で金融機関のローン審査が大きく変わっています。

例えば、銀行向けに別の契約書を作成して欲しいと依頼してくる買主などは、断ったほうが良いでしょう。

STEP6.引き渡し

無事に売買契約まで終われば、あとは引き渡しの準備をします。

引き渡しは契約から1〜3か月後が一般的。

具体的な段取りは不動産会社が行ってくれるので、指示に従って必要書類などの準備をしておきましょう。

STEP7.確定申告・納税

引き渡しが終われば全て終了!

…ではなく、確定申告と納税まで済んで終わりです。

個人でアパート経営をしている場合は、アパート引き渡しの翌年2月中旬から3月中旬の間に確定申告をします。

法人の場合は、決算月から2ヶ月以内が申告期限です。

おそらくすでにアパート経営で毎年確定申告しているはずですから、税理士の先生に相談すれば問題ないかと思います。

相続で急にアパート経営を引き継いだ場合は、うっかり申告と納税を忘れることがないように気を付けておきましょう。

アパート売却では、マイホームの売却に比べて税金の特例が少ないですが、次の場合は特例を利用できる可能性があります。

  • アパートを売却して、別の事業用資産を買い換えた場合
  • 平成21〜22年(2009〜2010年)にアパートを取得した場合

それぞれこちらの国税庁のサイトを御覧ください。
【参考】国税庁・No.3405 事業用の資産を買い換えたときの特例
【参考】国税庁・No.3225 平成21年及び平成22年に取得した土地等を譲渡したときの1,000万円の特別控除

アパートを高く売るコツ

アパートを高く売るイメージ
売却を決めたら、次に目指すのは高く売ること。

投資用物件であるアパートの場合、収益力を上げておくことが高く売るコツになります。

空室率を下げる

アパートを高く売るために、売却時は「満室」を目指しましょう。

マイソク(広告)に「現況満室」と書くだけで、反響が全然違いますし、融資も受けやすくなります。

ただし満室にするために、家賃を下げるのは避けて下さい。

家賃はなるべく下げない

アパートの売却価格は、利回りで決まるため、家賃が下がると売却価格も下がります。

例えば利回り10%の場合、家賃が5,000円下がると、
-5,000円×12ヶ月÷10%=-60万円
つまり売却価格は60万円安くなってしまいます。

家賃を下げずに空室を埋める方法として、次の手段が有効です。

  • 地元の客付け不動産会社へ足を運んで良い関係を築く。
  • 内装の現状復旧で差別化を図る。
  • 敷金や礼金を下げる。
  • 1ヵ月や2ヶ月のフリーレントをつける。
  • 入居祝金として入居者へ商品券を渡す。
  • 不動産会社に支払う広告費を競合の+1〜2ヶ月に増やす。
  • 不動産会社の担当者へ成約報酬を支払う。

アパート売却を考えると、家賃を下げるより、こういった方法で空室を埋める方が、トータルでは利益が増えます。

家博士家博士

アパートのような投資物件は、収益力によって価格に差が出るんだ。
だから、高く売るためには収益力を上げておくことが何よりも大事。
ここはマイホームの売却とは大きく違うところだから、準備しておこう

家賃滞納があれば解決しておく

いくら満室であっても、その中に家賃滞納者がいればアパートの魅力も落ちてしまいます。

アパートを高く売るためにも、売却前に滞納の問題を解決しておきましょう。

保証会社などを利用している場合、家賃を保証会社が肩代わりしていて実際の滞納に気付かないこともあります。

まずは現状把握から始め、滞納者がいれば管理会社と相談しながら対処しましょう。

大規模修繕については不動産会社と相談

外壁塗装イメージ
外壁塗装や屋上の防水工事など、アパートの状態によっては大規模修繕を実施した方が良いこともあります。

しかし、実施すべきかどうかの判断は難しいところ。

まずは不動産会社とも相談し、必要があると判断された場合には実施しておきましょう。

外壁塗装が明らかに必要な場合は、外壁塗装の一括比較サイトを利用すると、費用を押さえることができます。

外壁塗装の一括比較サイトとしては、例えばこちらなどがあります。
プロヌリ

複数の不動産会社に査定を依頼する

競争イメージ
アパートを高く売るためには、複数の不動産会社に査定を依頼しましょう。

特にアパートの様な投資物件の売却では、優良な投資家を顧客として多く抱える大手不動産会社が有利。

大手不動産会社に査定依頼するなら「すまいValue」がおすすめ。

不動産会社の中でも特に実績が豊富な大手不動産会社6社に一括査定依頼ができるのは、この「すまいValue」だけ。

一括査定サイトを利用するときは、どんな不動産会社と提携しているか確認しておくことも重要です。

アパート売却のポイント

ポイントのイメージ
アパートの売却は、そもそもの購入希望者層や売却時に必要な資料、売却にかかる費用など、マイホームの売却とは異なる点がたくさんあります。

購入者は投資家

投資家イメージ
アパートの購入を希望する人は、自分自身が住むためではなく投資目的での購入です。

そのため、マイホームと違って1人(1社)の投資家が何棟も購入するといった特徴も。

だから有力投資家を顧客として多く抱える大手不動産会社の方が、アパート売却には有利です。

よくある間違いとして、アパートをネットで広く広告しても、購入を申し込んでくるのはローン審査になかなか通らない投資家の方が多いということ。

実は投資物件の場合、ネットで広く広告するよりも、金融資産や別事業がしっかりあって確実に融資が受けられる優良投資家に「限定情報」として売り込む方が、高く売れやすくなります。

投資家は大手不動産会社を利用していることが多いため、売却する場合も大手不動産会社が有利。

仲介業者を選ぶ際は、大手不動産会社を優先して選ぶ方が、有力な投資家へ情報が伝わりやすくなります。

ちなみに、一般的には需要が少ないイメージの築古アパートも、優良投資家には、建物の減価償却による節税目的で購入してもらえます。

ハウスくんハウスくん

木造の築古物件を購入すれば、節税できるの?


家博士家博士

減価償却費を計上することで節税できるんだ。
法定耐用年数を超えた資産(ここではアパート)の償却年数は、法定耐用年数の20%。
木造建物の法定耐用年数は22年だから、それを超えた物件の償却年数は4年になる。
つまり1年あたりに計上できる減価償却費が多くなって、節税効果が得られるというわけ


ハウスくんハウスくん

アパートを購入する目的も、実はいろいろあるんだね…奥が深い!

高く売れるアパートとは?

収益力があるイメージ
アパートの価格は収益力によって決まります。

収益力が高いアパートの特徴は次の通り。

入居率が高い

入居率が高ければ、融資も受けやすくなり、購入する人も増えます。

もし年間の平均入居率が高い場合は、過去の平均入居率を売却広告に記入すると反響が増えるので、不動産会社にお願いしてみましょう。

利回りが高い

利回りが高いということは、家賃収入が高いということ。

アパート売却を考えているなら、その準備として戦略的に家賃を高くすることを考えましょう。

競争力がある

競争力がある物件とは、競合が少なく需要が高いエリアにある物件。

必然的に空室リスクが低く、入居率も高くなるため、投資家にも人気が高くなります。

資産価値が高い

アパートの価格は土地+建物価格。

このうち、建物部分は築年数の経過とともに資産価値も右肩下がりで下落していきますが、土地部分は下落しません。

つまり、資産価値が高いアパートとは土地価格が高いアパートということ。

土地価格は、路線価と地価公示を利用して自分で調べることができるので、確認しておきましょう。

家博士家博士

土地価格や競争力については自分でどうにかするのも難しいけれど、入居率や利回りは工夫次第で改善できる。
アパートを高く売るためには、準備も必要なんだ。

用意しておく資料について

登記識別情報
アパート売却では次のような資料が必要になります。

  • 権利証または登記識別情報
  • 建築確認証、検査済証
  • 固定資産税評価証明書、固定資産税納税通知書
  • レントロール
  • 建物図面(各階平面図、立面図、間取り図)
  • (中古で購入した場合)購入時の契約書と重要事項説明書
  • (手元にある場合)修繕履歴一覧表
  • 現入居者との賃貸借契約書、保証会社との契約書
  • 境界確定図
  • 共有部の水道光熱費
  • 管理会社との契約書

いざという時に慌てないよう、あらかじめ準備しておきましょう。

アパート売却にかかる費用

コストイメージ
アパート売却にかかる費用は、売却価格の3.5〜5%程度と税金。

そのほとんどが不動産会社へ支払う仲介手数料です。

アパート売却の費用

仲介手数料
400万円以上の売買では、物件価格の3%+6万円。
売却の場合は仲介手数料を値切らない方が良いでしょう。
ローン返済の手数料
金融機関によって異なり、ローン残高の1~7%程度
抵当権抹消の登録免許税
不動産1個につき1,000円
抵当権抹消にかかる司法書士報酬
1~2万円程度
譲渡所得税
所有期間が5年以下の場合…所得税30%、住民税15%
所有期間が5年を超える場合…所得税15%、住民税9%
印紙税
契約金額によって異なる(2020年3月31日までは軽減措置あり)
消費税
ただし、建物の消費税は課税業者でなければ納税義務なし

この他に境界が確定していない場合は、測量と境界確定の費用が必要になります。

アパートの売り時とは

高く売るイメージ
最後にアパートの売り時について。

アパート経営のような不動産投資によって利益を出すには、売却のタイミングが大事!

次のようなタイミングが「アパートの売り時」と言えます。

相場が上昇しているとき

今はアパート価格が高騰しています。

相場が高騰しているときは、売却するには最適なタイミング。

ただし、上昇局面にあるからと言って「もう少し待てばさらに上がるだろう」と安易に考えない方が良いでしょう。

相場は予想することが難しく、特にアパートのように売却に数ヶ月かかる資産は、ピークで売り抜けるのが難しいのです。

建物の減価償却が終わったタイミング

建物の減価償却が終わると、その分を経費として計上できなくなります。

その結果、税金として支払う額が増えることに。

減価償却が終わってしまうと節税効果もなくなってしまうため、売り時の一つのタイミングと言えます。

デッドクロス

デッドクロスとは、ローン返済額のうち元金返済額と減価償却費が逆転してしまっている状態のこと。

元金返済額…ローン返済に伴って現金は出ていくが、元金は経費にできない(経費計上できるのは支払利息のみ)

減価償却費…実際に現金が出ていくわけではないが、経費にできる(年を追うごとに減価償却費は減っていく)

「元金返済額<減価償却費」であれば問題ありませんが、「元金返済額>減価償却費」となればデッドクロスに陥っていることになります。

デッドクロスに陥ってしまうと「ローン返済によって手元から現金は出ていくが、経費が少ないために帳簿上は利益が出ている」状態に。

帳簿上では黒字なので、当然、税金も納めなければなりません。

手元に残っている現金は少ないのに高額な所得税を納めなければならなくなり、最悪の場合は黒字倒産も…。

デッドクロスが発生すると納税額が高くなってしまうため、ここも一つの売却のタイミングとなります。

満室になっているタイミング

「高く売れるアパート」でも書いた通り、満室のアパートは収益力が高いため、売却価格も高くなります。

売却のタイミングとしても良いタイミングです。

所有期間が5年を超えたとき

譲渡所得がプラスの場合は譲渡所得税が発生しますが、その税率は所有期間が5年を超えると安くなります。

所得税は50%減(30%→15%)、住民税も約半分(9%→5%)です。

これはアパートを親などから相続した場合も同様。

相続してから5年を超えると税率が安くなります。

つまり、5年を超えれば利益が出たとしても納税額を抑えることができるというわけです。

ハウスくんハウスくん

単に相場が上がっているから売り時! というわけではないんだね

家博士家博士

アパート経営になると税金も大きく関係してくるからね。
そして売り時も大事だけれど、より有利な条件で売却できる不動産会社を見つけるのも大切だよ。

一括査定サイトの定番3社+1社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。

一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。

この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue

    すまいバリュー
    実績5.0
    不動産会社4.5
    運営会社5.0
    査定実績:
    年間36万件
    不動産会社数:
    大手6社・全国840店舗
    運営会社:
    大手6社共同運営

    大手6社(三井不動産リアルティ・住友不動産販売・東急リバブル・野村不動産アーバンネット・三菱地所ハウスネット・小田急不動産)が共同で2016年10月に立ち上げた一括査定サイト。
    6社といっても全国840店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。
    売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。
    首都圏以外のほとんどの地方都市でも、三井・住友・東急の3社が売却実績のトップ3を独占しています。
    2019年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして、「すまいValue」が新定番となっています。

    管理人のコメント

    地方では大手より地域密着の中小不動産会社の方が強い場合もあるため、地方の郊外から外れたエリアではLIFULL HOME'S又はHOME4Uも確認してみたほうが良いでしょう。
    しかし都市部の方は「すまいバリュー」が現状では最強の一括査定サイトです。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。優秀な営業マンも数多く抱えています。
    机上査定と訪問査定が選べる点もおすすめ。

  2. 【公式サイト】すまいValue

  3. HOME4U

    HOME4Uイメージw330
    実績5.0
    不動産会社4.0
    運営会社5.0
    査定実績:
    累計35万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    1,300社
    運営会社:
    株式会社NTTデータ・スマートソーシング

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始依頼、査定累計数35万件と実績も豊富。運営は東証1部上場の株式会社NTTデータのグループ会社。
    不動産会社は大小バランスよく登録されているため幅広く依頼ができます。

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多いため、自然と査定精度が高くなる仕組みになっています。
    ちなみに記入した内容はまた不動産会社と話をするときに修正できます。
    あまり真剣に悩まず、とりあえず現時点の希望を書いておくと良いでしょう。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼した方がよいでしょう。

  4. 【公式サイト】HOME4U

  5. LIFULL HOME'S

    LIFULL HOMESイメージ
    実績4.5
    不動産会社4.5
    運営会社5.0
    査定実績:
    非公開(サイト利用者476万人)
    不動産会社数:
    1,798社
    運営会社:
    株式会社LIFULL

    運営は、HOME'SのテレビCMでおなじみの東証1部上場 株式会社LIFULL。2008年にマンション専用でサービスを開始。2011年から戸建ても含めて売却査定ができる仕様に。参加会社数が多く、特に地元密着系の中小不動産会社が多数登録しています。

    管理人のコメント

    不動産会社を選ぶ際に、各社の特徴(買取保障、瑕疵保証制度あり、半数以上がベテランなど)がアイコンで表示されるので、選びやすいシステムです。
    訪問査定ではなく机上査定を希望する場合は、不動産会社へのメッセージ欄で伝えると良いでしょう。
    選ぶ会社の数は3社〜6社がオススメです。

  6. 【公式サイト】LIFULL HOME'S

都市部では「おうちダイレクト」を並用で

都市部では、すまいvalueと並用して「おうちダイレクト」を利用してみましょう。

おうちダイレクト

おうちダイレクトは、ネット大手のyahoo(ヤフー)とソニー不動産が運営する一括査定サービス。

登録されている不動産会社は、大手フランチャイズ系を中心に法人及び団体が9つ、合計2000店舗以上とかなりの規模。

おうちダイレクトを並用するメリットは、つぎの3種類の不動産会社へ査定依頼できること。

  1. 地域の売買情報に特化した地元密着系不動産会社
  2. ネットワーク力が強いフランチャイズ系不動産会社
  3. 片手仲介に特化したソニー不動産

このうち1〜2社だけでも意見を聴くことで、すまいvalueの大手不動産会社があなたに合っているのか、迷いなく判断できるでしょう。

エリアによっては、大企業より販売実績のある不動産会社も登録されています。

また、おうちダイレクトではyahooがネット広告をサポートするため、ネット広告力が強いことも大きなメリットといえます。

ただしサービス提供エリアは、首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)、札幌、そしてマンションのみ愛知県と福岡市。

これ以外のエリアは、NTTデータのHOME4Uを試してみて下さい。

おうちダイレクトの無料査定依頼はこちら
おうちダイレクト一括査定