「マンション売却に失敗したらイヤだな…」
マンション売却で失敗することに不安をお感じですね。
確かに初めてのマンション売却だと、何に注意すれば良いのか分からないもの。
この記事では「マンション売却でよくある失敗事例6選」をまとめました。
さらにこれらの失敗を防ぐ効果的な対策も分かりやすく解説。
この記事を読めば、あなたのマンション売却が失敗せず満足な結果になるでしょう。
あなたのマンションを高く売却し、豊かな生活・将来の安心を手に入れるために、この記事がお役に立てば幸いです。
この記事のもくじ
【失敗事例1】安値で買取られる
買取は安くなることを知らなかった
初めての売却で1社だけに相談
初めてマンションを売却することにした吉田さん(仮名)。
「よく分からないし、とりあえず不動産会社にお願いすれば大丈夫だろう」と、たまたま近所で見つけた不動産会社1社に売却を相談しました。
その不動産会社で、マンションを売却する方法として「買取」と「仲介」の2種類があることを教えてもらいます。
吉田さんは「買主がいつ見つかるか分からない仲介よりは、確実に売れる買取が良さそう。」と考え、買取を依頼。
そのまま売却しました。
実は相場より3割以上安く手放していた
ところが数ヶ月後、近所の同じ様な築年数・広さのマンションが、1.5倍の値段で売りに出ていることを、吉田さんは発見!
さらに同じマンション内の部屋が、数ヶ月前に1.5倍くらいの価格で売れていることも分かりました。
つまり吉田さんは、実際の相場より3割〜4割安い価格でマンションを売ってしまっていたのです。
相場より大幅に安く売ってしまったことを後悔するも、取り返しはつかず。
吉田さんのマンションは、買取った不動産会社がリノベーションして、約1.9倍の高値で売りに出されていました。
安値の買取を防ぐ対策
安値の買取を防ぐ対策は2つ。
- 仲介と買取の違いを知る
- 買取は数多くの不動産会社へ査定を依頼する
それぞれ解説します。
対策1-1. 仲介と買取の違いを知る
不動産売却には「仲介」と「買取」の2種類があります。
仲介と買取の違いはこちら。
仲介と買取の違い
仲介 (普通の売買) |
買取 | |
---|---|---|
買主 | 一般の人 | 不動産会社 (買取業者) |
売却期間 | 場合による (目安3〜6ヶ月程度) |
最短1週間 |
売却価格 | ほぼ相場通り | 相場より 2〜4割安い |
「仲介」は不動産会社が売主(あなた)と買主の間を仲立ちをすること。
一方で「買取」は、あなたのマンションを不動産会社が買い取る(自社買取)か、転売業者に仲介するものです。
買取は早く売れるが安くなる
「買取」は好きなタイミングで(最短1週間)で売却でき手間もかかりませんが、売却価格は相場より2割〜4割安くなってしまいます。
なぜなら買取では、不動産会社は相場価格で一般の人に転売し、差額を利益にするため。
不動産会社は赤字の恐れがあるため、相場より2割以上安くないと買取りません。
不動産の買取は最短1週間で売れますが価格は安くなりがち。しかし今なら高値で買取できるかもしれません。買取で高く売る4つのコツ、失敗しないための注意点を解説します。
普通は高く売れる仲介で売る
よほど急ぐ事情がない限り、普通は相場通りに高く売れる仲介で不動産を売ります。
「仲介(普通の売買)」は、買い手を探すための時間(平均3〜6ヶ月程度)と手間がかかりますが、ほぼ相場通りの価格で売れます。
吉田さんは違いを知らないまま買取にしたから、安く売却してしまったんだね
そうだね。
ただし、どうしても急ぐ事情があったり手間をかけたくない場合は、買取を選ぶこともある。
買取では、数多くの不動産会社へ査定を依頼した方が良いよ。
対策1-2. 買取はとにかく多くに査定を依頼
中には相場に近い価格で買取る不動産会社が見つかることも
事情があって売却を急ぐ場合や手間を省きたい場合は、価格が安くなることを承知で「買取」を選びます。
買取で少しでも高く売るためには、10社でも20社でもとにかく数多くの不動産会社に査定を依頼しましょう。
なぜなら多くに査定を依頼すれば、中には相場に近い価格で買取る不動産会社が見つかる可能性があるため。
相場に近い価格で買取る例として、次のようなケースがあります。
- 単純に相場を読み違い、高く査定した。
- 転売の在庫不足など社内の事情で、どうしても買取りたい。
- すでに社内に購入条件に合う客がおり、即転売が可能。
そんなに多くの不動産会社、どうやって探すの?
不動産の一括査定サイトを利用すると便利だよ。
一括査定サイトをいくつか併用すれば簡単
もし不動産会社に心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利です。
一括査定サイトでは、数分の入力でまとめて最大6社程度に無料査定を依頼可能。
さらに一括査定サイトをいくつか併用すれば、20社以上の会社に簡単に査定依頼できます。
大手の運営する一括査定サイトとして主要なものは、
その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。
不動産一括査定サイト、主要16社を徹底比較し、ランキングでまとめました。
【失敗事例2】不動産会社選びを失敗
最高値の査定価格だけで選んで失敗
できるだけ高くマンションを売りたいと考えていた斉藤さん(仮名)。
複数の不動産会社に査定を依頼し、一番高い査定額を出してくれた不動産会社にマンションの売却を依頼しました。
高値で売り出しても反響なし
「多くの会社が2,500万円前後だったのに、ここは3,200万円で売ると言ってくれた。思っていた以上にいい値段で売れそうだ」
そう思っていた斉藤さんでしたが、相場より高すぎる価格で売り出したため、マンションを売り出しても内覧や問い合わせの反響はなし。
不動産会社に電話しても、「今は時期が悪いので…」と何も対策を考えてくれません。
結局8ヶ月後に1,000万円もの値下げで売ることに
売り出して3ヶ月経っても、問い合わせが数件あっただけで内覧すらないため、300万円値下げし2,900万円に価格修正することになりました。
しかし、それでも反響は悪く、1ヶ月後に200万円の再値下げで2,700万円に。
さらに1ヶ月後には200万円の再々値下げで2,500万円という事態に。
その後も購入希望者は現れず、結局毎月値下げして8ヶ月がかりで合計1,000万円値下げし、2,200万円でようやく売却できたのでした。
斎藤さんが憤慨して、「査定価格は何だったのか!」と不動産会社に問い詰めても、不動産会社は「相場の地合いが悪い」「急に競合が安い価格で売り出した」など言い訳ばかり。
斎藤さんは、選んだ不動産会社が間違いだったと悔やむしかありませんでした。
契約もバタバタで不慣れな様子
さらに「やっと買い手が見つかった」とホッとしたのもつかの間。
不動産会社は、売却時の契約書作成にも不慣れな様子でバタバタし、「明日の昼までに書類をください」と前日の夜にお願いされることも。
斎藤さんの失敗は、実績が豊富で優秀な不動産会社か調べずに、ただ「高く売る」という言葉だけを鵜呑みにして、不動産会社を選んでしまったことが原因です。
不動産会社選びの失敗を防ぐ3つの対策
マンション売却で不動産会社選びの失敗を防ぐ対策は3つ。
- 仲介は不動産会社選びに時間をかける
- 査定は売却実績が豊富な不動産会社3〜6社に依頼する
- 不動産会社選びは査定価格だけでなく、話を聴き比べる
それぞれ解説します。
対策2-1. 不動産会社選びに時間をかける
仲介のマンション売却は、不動産会社選びに時間をかけましょう。
なぜなら不動産会社を選んだ時点で売却が成功するか8割決まるため。
仲介のマンション売却では、実際の売却活動のほとんどが不動産会社にお任せです。
あなたができることは、(後で解説する)内覧の対応と最終的な判断くらい。
しかも最終的な判断ですら、不動産会社のアドバイスを元に判断します。
だからあなたがマンション売却で最も力を入れるべき点は「不動産会社選び」なのです。
不動産会社を選ぶ作業は少々手間がかかりますが、マンション売却にかける労力の8割をここに注ぎましょう。
よし! 不動産会社選びを頑張るよ!
で、何をすれば良いの?
複数の不動産会社に無料査定を依頼して、その中から良さそうなところを選ぶんだ。
対策2-2. 査定は売却実績が豊富な3〜6社に依頼
マンション売却は、まず不動産会社に無料査定を依頼することから始まります。
査定を依頼する不動産会社は、エリアでマンション売却実績が豊富な不動産会社3〜6社に絞りましょう。
担当者の当たり外れもあるので、少なくとも3社以上が安全。
ただしじっくり不動産会社の話を聴くために、多くても6社程度にした方が良いでしょう。
無料査定を依頼する不動産会社は「あなたのエリアでマンション売却実績が豊富な不動産会社」を選びます。
売却実績が豊富な不動産会社はどこなの?
都市部なら大手3社が強いね
都市部は大手トップ3社を中心に選ぶ
実績は大手3社が強い
売買仲介件数ランキング上位36社
(2024年3月)
不動産売却の実績は、大手3社に偏っています
三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブルの3社は、仲介件数が2万件を超えており、大手の中でも圧倒的。
都市部で査定を依頼するなら、これら大手3社を中心に考えると良いでしょう。
大手3社は別格だね。
3社もそれぞれ特徴があるから、解説しよう。
【大手1】三井のリハウス
38年連続で売買仲介件数1位
(首都圏174、関西圏45、中部圏25、札幌9、東北6、中国9、九州9)
三井のリハウスは、38年連続で売買仲介件数1位と業界を代表する不動産会社。
独自の査定システムは精度が高く、売主の約76%がほぼ提案価格(提案の95%以上)で成約しています。
多くの購入希望者を抱えるため早く売れることも強みで、売主の65%が2ヶ月以内に成約するほど。
また担当者のレベルが高いことにも定評があり、顧客満足度は96%と高評価です。
業界を代表する会社だから、初めての売却ならまず話を聞いてみると良いよ。
他と比較する基準にもなるからね。
⇒三井のリハウス
三井のリハウスは36年連続で不動産売買の仲介件数第1位の大手不動産会社。ただし注意点もあります。あなたが家の売却を任せて大丈夫か、注意点と評判を分かりやすく解説します。
【大手2】住友不動産販売
熱心な営業スタイルに定評
- 店舗数 203店舗
(首都圏114、関西圏55、中部東海10、北海道8、東北3、中国7、九州6)
住友不動産販売(すみふの仲介ステップ)は、営業マンの熱心な営業スタイルに定評があります。
現在の購入希望者の登録数も公開しており、常に2万人を超える希望者が登録。
自社ホームページの月間来訪者数は300万件以上、登録物件数は2万8千件以上と十分なスケールメリットもあります。
スマートでクールな営業より人情深く熱心な営業が好みなら、他より出会える可能性が高いかも。
住友不動産販売「すみふの仲介 ステップ」は、売買仲介件数が業界2位の大手。家の売却ならぜひ候補に入れたい1社ですが、注意点もあります。住友不動産販売のメリットと注意点を分かりやすく解説、そして利用者の評判を紹介します。
【大手3】東急リバブル
東急沿線や大型案件に強み
- 店舗数 220店舗
(首都圏141、関西圏45、名古屋11、札幌10、仙台6、福岡7)
東急リバブルは東急電鉄系の不動産会社ですが、全国に店舗を持つのが特徴。
東急電鉄沿線はもちろん、法人営業や投資物件にも強みを持っています。
東急リバブルは不動産の売買実績でトップ3の1社。しかし注意点もあります。東急リバブルを利用する前に知るべき注意点・メリット、そして実際に利用した人の評判をまとめました。
大手にまとめて査定を依頼するなら「すまいValue」
大手3社にまとめて無料査定を依頼するなら、一括査定サイトの「すまいValue」が便利。
すまいValueは、大手上位6社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル・野村の仲介+・小田急不動産・三菱地所の住まいリレー)が共同運営する一括査定サイトです。
⇒すまいValue
とりあえず大手3社に査定を依頼すれば良いの?
売却予定なら個人の相性もあるから、大手3社以外と比較した方が良い。
首都圏・関西圏ならエージェント制のSRE不動産(旧ソニー不動産)、それ以外なら地域で実績No.1の会社にも査定を依頼しよう。
SRE不動産(旧ソニー不動産)
売主だけを担当するエージェント制
大手と比較するならSRE不動産(旧ソニー不動産)が良いでしょう。
なぜならSRE不動産は、大手で問題になりがちな両手仲介が無いため。
(※両手仲介とは売主と買主を同じ不動産会社が担当すること。大手は顧客を多く抱えるため、自然と両手仲介が多くなる。)
SRE不動産は、業界初のエージェント制で売主だけを担当。
買主は無数にある他の不動産会社が積極的に探します。
結果として、大手にも劣らない販売力で、早く高く売れやすいことが最大のメリット。
ただし営業エリアは首都圏・関西圏限定です。
SRE不動産は業界でも両手仲介無しで知られているから、他社が競って営業してくれる。
大手と話を聴き比べて、自分に合ってる方を選ぶと良いよ。
⇒SRE不動産
SRE不動産(旧ソニー不動産)の口コミや評判、裏事情などから、あなたがソニー不動産を利用すべきなのか徹底評価しました。
その他エリアは地域No.1を探す
大手やSRE不動産の営業エリア外なら、地域で実績No.1の不動産会社を中心に選びましょう。
実績No.1の不動産会社は、実績をアピールしているのですぐに分かります。
不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトをいくつか併用すると良いでしょう。
全国対応の主要な一括査定サイトとして次があります。
その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。
不動産一括査定サイト、主要16社を徹底比較し、ランキングでまとめました。
対策2-3. 査定価格だけでなく話を聴き比べる
不動産会社に無料査定を依頼した後は、仲介を依頼する不動産会社を選びます。
仲介を依頼する不動産会社決めるときは、査定価格だけで判断せず、査定根拠や話を聴き比べて選びましょう。
あえて高値で査定する悪質な不動産会社に注意
不動産会社の中には、ごく一部ですが契約を取る目的で、あえて極端に高額な査定価格を提示する悪質な不動産会社がいます。
こうした悪質な不動産会社を選んでも、結局は売れずに時間が過ぎるだけで、最後は相場より安値に値下げする恐れも。
ただしそういった不自然な高値査定は、話を聴き比べると簡単に見抜けます。
特に査定根拠を聞けば、明らかに他社より根拠が弱いことが明らか。
不動産会社を選ぶときは、話を聴き比べて信頼できそうな不動産会社を選びましょう。
【失敗事例3】囲い込まれて大幅値下げ
買い替えで売り急ぎ、最後は買取業者へ
先に新しいマンションを買って売り出した
子供が自立したことをきっかけに、夫婦二人で暮らすのにちょうど良いマンションへ買い替えることにした林さん(仮名)。
「今のマンションはファミリータイプで人気もあるし、問題なく売却できるだろう」と、売却より先にマンションを買う「買い先行」で進めることにしました。
複数の不動産会社に査定を依頼し、査定価格が一番高い不動産会社へ依頼。
3ヶ月で値下げもさらに安く買取業者へ売ることに
買い替えもうまくいきそうだと安心していた林さんですが、3ヶ月経っても売れません。
少し不安になった林さんは200万円値下げすることに。
すると、不動産会社から「あと400万円下げれば、即買取する業者がいる」との連絡が入りました。
すでに良い物件を見つけ、買いたいマンションを押さえていた林さんは、止むを得ず買取に応じることに。
後で知人に聞くと「囲い込みではないか?」と言われてしまったのでした。
売却の仲介を依頼した不動産会社が、他社の紹介する購入希望者に対して「売却済み」など嘘をつき断ること。
これは不動産会社が、自社で購入希望者を見つけて、1回の取引で2倍の仲介手数料得るために行う違法行為。
売り主にデメリットしかありません。
悪質な不動産会社について、詳しくはこちらで解説しています。
不動産会社が売主をだます4つの手口と、だまされずに不動産売却を売る3つの方法を解説します。
囲い込みされない2つの対策
マンション売却で囲い込みされない対策は次の2つ。
- 売りやすいマンションは、2〜3社と一般媒介契約
- 1社に依頼する場合は「信頼できる不動産会社」を選ぶ
それぞれ解説します。
対策3-1. 売りやすいマンションは一般媒介で2〜3社に依頼
売りやすい人気マンションであれば、一般媒介契約で2社〜3社に売却を依頼しましょう。
売りやすいマンションとは、具体的には「築10年以内の築浅マンション」や「駅徒歩7分以内の駅近マンション」などです。
媒介契約は3種類あり、一般媒介のみ複数に依頼可
不動産会社にマンション売却の仲介を依頼する媒介契約(ばいかいけいやく)には、3種類あります。
ちなみに、不動産会社と結ぶ媒介契約3種類の違いはこちら。
【媒介契約の違い】
項目 | 一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任 媒介契約 |
---|---|---|---|
特徴 | 自由な契約 | 一般的な契約 | 厳しい契約 |
こんなタイプの人向き | 不動産の売却経験がある人 | 普通の人 | 多少損でもお任せしたい人 |
実際の契約数 (2022年実績) |
33% | 51% 一番多い |
16% |
他社との媒介契約 | ◯ | × | × |
自分で見つけた相手との直接契約 | ◯ | ◯ | × |
契約の有効期間 | 制限なし (行政指導により3ヶ月が一般的) |
最長3ヶ月 | 最長3ヶ月 |
指定流通機構(レインズ)への登録 | × 登録義務なし |
◯ 契約から7日以内 |
◯ 契約から5日以内 |
業務処理状況の報告義務 | 規定なし | 14日に1回以上 | 7日に1回以上 |
一般媒介契約では、囲い込みをされることがありません。
なぜなら囲い込みをすると、売るのに時間がかかり、その間に他社に売却されてしまって手数料収入を失うリスクがあるため。
不動産会社は、売り主と買い主が売買契約を締結しないと、1円も仲介手数料が受け取れません。
詳しくはこちらで解説しています。
一般媒介契約は、複数の不動産会社と並行して契約できるので、早く高く売れやすいという意見もあります。しかし一般媒介には注意点も多く、売却を成功するにはちょっとしたコツも必要。失敗しないための注意点、向いている物件などをまとめました。
対策3-2. 1社に依頼するなら「信頼できる不動産会社」に
売りにくいマンションは1社だけに依頼する
築20年超や駅から遠いなど、売却に時間がかかりそうなマンションでは、専任媒介契約で1社に依頼した方が良いでしょう。
なぜなら売りにくいマンションでは、不動産会社に頑張って売ってもらう必要があるため。
専任媒介契約で1社に絞って契約した方が、不動産会社は頑張って売ってくれます。
専任媒介で1社に依頼する場合は、「信頼できる不動産会社」を選ぶことで、囲い込みを防ぐことができます。
信頼できる不動産会社とは
信頼できる不動産会社とは、次の2つを参考にすると良いでしょう。
- コンプライアンス(法令遵守)が徹底されている大手不動産会社
- あなたが話を聴き比べて信頼できると感じた不動産会社
大手の囲い込みは昔の話
確かに10年ほど前までは、大手でも囲い込みをしていると週刊誌が取り上げていました。
しかし大手各社ではここ数年でコンプライアンス(法令遵守)が徹底され、囲い込みの心配はほぼ無くなっています。
逆に中小不動産会社の方が、囲い込みのリスクは高いでしょう。
囲い込みについて質問するだけで効果あり
それでも不安な場合は、不動産会社に「囲い込みについて、御社の考えを教えて下さい。」とストレートに聞いてみましょう。
売主が囲い込みを知っているだけで、不動産会社は囲い込みしにくくなります。
話を聴き比べると自然と信頼できる不動産会社が分かる
口の上手い不動産会社が嘘をついているか見分けられないのでは、と不安に思うかもしれません。
しかし複数の不動産会社に話を聴くことで、自然と信頼できる不動産会社は分かります。
さらに信頼できる不動産会社を見抜く裏技もあります。
「買取」と「仲介」の2種類の査定価格を依頼する裏技も
信頼できる不動産会社を見抜く裏技として、「買取」と「仲介」の2種類の査定価格を依頼する方法があります。
なぜなら「買取」と「仲介」の査定価格では、それぞれ不動産会社の「本音」と「建前」が分かるため。
「買取」の査定価格は、不動産会社が自社で買取って転売して利益を得るため、「本音」の低い査定価格になります。
一方で「仲介」の査定価格は、「売れるであろう予想価格」に過ぎず、その価格で売れると不動産会社が保証するものではありません。
つまり「買取」と「仲介」の査定価格の差が極端に大きい不動産会社は要注意。
中には一部ですが、媒介契約を取るために、あえて売れない高い「建前」の査定価格を提示する不動産会社があるのです。
悪質な会社の価格差イメージ
不動産の売却では、相見積もりは売却成功を左右する大切な作業。しかし多くの人が相見積もりを失敗しています。ここでは不動産売却で間違えやすい「買取」と「仲介」の相見積もりの違いから、相見積もりのコツを分かりやすく解説します。
媒介契約の期間を1ヶ月とする方法も
それでも不安な場合は、媒介契約の期間を1ヶ月にして、不動産会社にプレッシャーをかける方法もあります。
契約期間は、宅建法で決まっている上限の3ヶ月が一般的ですが、売り主が希望すれば自由に決められます。
もし3ヶ月の契約にして途中で一方的に解約した場合、不動産会社から広告費用の実費を請求される恐れがあります。
不動産の売却で不動産会社は変更できます。ただし変更には4つの注意点が。不動産会社を変更した方が良い4つのケース、トラブルの相談先、実際に変更して売却した人の体験談をまとめました。
【失敗事例4】内覧の失敗で売却が長期化
人気物件なので内覧を軽視し適当に対応
内覧は週1日のみ、掃除せず収納は見せない
篠田さん(仮名)が売ることにしたのは、駅徒歩5分で築7年と条件が良いマンション。
問い合わせも多く、短期間で売却できそうな雰囲気です。
しかし篠田さんは、自分の予定を優先してしまい、内覧を土日のうち1日だけしか可能にしませんでした。
さらに忙しくて掃除に手が回らず、内覧では生活感が丸出し。
家の中に物が多いため、一部の収納は見せられないことに。
購入者が他物件に流れ、売れ残り物件に
購入希望者は、内覧のスケジュールが調整できず、諦めて他のマンションを内覧して、結局他のマンションを購入するパターンばかり。
たまたま都合がついて内覧できても、見られない場所があることで、購入を決断できません。
さらに長期間売りに出ているため、何か悪い事情でもあるのでは、と売れ残りイメージがついてしまい、徐々に問い合わせも減ってきました。
篠田さんのマンションは、反響は良かったものの、内覧に失敗して売却が長期化してしまったというパターンです。
内覧で失敗を防ぐ3つの対策
マンション売却で内覧の失敗を防ぐ対策は3つ。
- 相手の予定を優先する
- 掃除は必須、ハウスクリーニングもあり
- 物はなるべく減らし、すべての部屋・収納を見せる
対策4-1. 買主の予定を優先する
内覧は多少無理をしてでも買主の予定を優先しましょう。
買主にとって内覧は、物件を実際に見られる重要な決め手になるもの。
スケジュールが合わないと、他の物件に流れてしまうリスクも高くなります。
また昼に見たい買主は、夜に内覧しても購入を決断できません。
買主の希望する日時でなるべく合わせましょう。
内覧は数少ない「売り主が努力するポイント」
内覧は、マンション売却で数少ない「売り主が努力するポイント」。
内覧の対応が難しい場合は、先に賃貸住宅に仮住まいし、空き家にする方法もあります。
もし売主が内覧できちんと対応しない場合、努力して集客しお客を連れてきた不動産会社からダメな売主として軽く扱われてしいかねません。
そうならないためには、内覧対応をしっかりして、さらに内覧終了後に内覧者の反応を聞いたり、次回に向けた改善点がないか、担当者に聞いてみるのもよいでしょう。
改善点を教えてもらえれば、次はもっといい対応ができるよね
そう。アドバイスを求めるということは、担当者にとっても「売主がしっかり対応してくれているから、自分も頑張ろう」と刺激にもなるんだ
対策4-2. 掃除は必須、ハウスクリーニングもあり
内覧では最低限の掃除が必須です。
掃除の程度は「大切なお客様をお迎えする」という感覚があれば、まずはOK。
特に水回りは掃除の違いが出やすいので、念入りに掃除しましょう。
手が回らない場合や、自力では難しい掃除は、ハウスクリーニングを利用してもよいでしょう。
対策4-3. 物はなるべく減らし、すべての部屋・収納を見せる
物が少ないと好印象で掃除も楽
物が少ないだけで部屋の印象は良くなります。
また物を減らしておくと掃除も楽。
売却が始まると内覧の申し込みが入る度に大掃除するのも大変なので、なるべく物を減らしましょう。
全ての部屋・収納を見せる
内覧でありがちな失敗として、1部屋や収納に物を詰め込み、そこを見せられないケースがあります。
内覧では全ての部屋・収納を見せましょう。
どうしても物が収まらなければ、トランクルームを借りる方法もあります。
内覧については、こちらで詳しく解説しています。
家の売却での内覧には15のポイントがあります。内覧で家を売るために、知っておきたい知識をまとめました。
【失敗事例5】価格交渉で失敗
値下げの余地なしで売り出した
せっかく見つかった買主も値下げできず交渉決裂
中田さんはマンションを売出してから6ヶ月後、4回目の内覧でようやくマンションの購入申し込みがありました。
しかし購入希望者から「200万円値下げしてほしい」との価格交渉が。
相手は「交渉に応じてもらえれば即決する」と言っていますが、買い替えの予算を考えると、これ以上値下げはできません。
結局折り合いがつかず、中田さんは断るしかありませんでした。
売却活動がうまく進んでも価格交渉で失敗すると、改めて買い手を探すことになります。
価格交渉で失敗しない2つの対策
価格交渉で失敗しない2つの対策はこちら。
- 値下げの余裕を考えて売り出す
- 買い替えは費用も考えて予算計画を立てる
対策5-1. 値下げの余裕を考えて売り出す
売り出し価格を設定する際は、ある程度値下げの余裕を持っておきましょう。
不動産の売却では、価格交渉がよくあります。
例えば「相場は3,000万円。2,700万円までなら下げられるけれど、最初は高めの3,200万円で売り出す」といった具合です。
しっかりした不動産会社であれば、価格の設定についてきちんと教えてくれるので、安心してください。
価格の設定については、こちらで解説しています。
不動産の売り出し価格の決め方、価格調整のタイミングなど、売却戦略の考え方について分かりやすく解説します。
対策5-2. 買い替えは費用も考えて予算計画を立てる
家の売買では、物件の代金以外に諸費用がかかります。
費用の目安は、新築で購入物件価格の3〜5%、中古で5〜10%程度。
原則として現金で支払うため、この分も考慮して予算計画を立てましょう。
購入費用については、こちらで解説しています。
家を買う時に必要な「費用」について詳しくまとめました。
【失敗事例6】買主都合の契約流れ
買主がローン審査に落ちる
苦労しながらも、7ヶ月かけてマンション売却の契約を交わすことができた相良さん(仮名)。
後は、マンションの引き渡しと残金の決済を残すだけの状況でした。
しかし売買契約から1週間後に、不動産会社から「契約が白紙撤回になった」との連絡が入ります。
というのも、購入予定者がローン本審査に落ちてしまったため、ローン特約により契約が自動的に流れてしまったのです。
買主は買い替えで今の家が売れなかった
ローン特約とは「ローン審査に通らなければ契約を白紙撤回する」という売買契約の停止条件で、住宅ローンを利用する売買契約では一般的なもの。
ただし通常は住宅ローンの仮審査に通っていれば、本審査で落ちることはほとんどありません。
どうやら今回の購入予定者は、今住んでいる家を売却して、その代金を相良さんのマンション購入に充てる「買い替え」の予定だった様子。
そのため、購入予定者は住宅ローン仮審査に通っていたものの、融資の必要条件に今の家を売却することが入っていたのです。
相良さんのマンション購入を申し込んだ時点で、家の購入申し込みはあったものの、売買契約はまだ終わっていない状態。
結果として家の売却が流れたため、ローンの審査に通らなかったのです。
買主の都合で契約が流れてしまい、相良さんは再度売り出すことになってしまいました。
ちなみに売買実績の豊富な不動産会社であれば、この様なトラブルはまずありません。
買主都合の契約流れを防ぐ2つの対策
- 契約前に購入者の仮審査状況と融資条件を確認
- 買主が買い替えの場合は、売却の進捗も確認
それぞれ解説します。
対策6-1. 契約前に仮審査状況と融資条件を確認
住宅ローンは、仮審査(事前審査)と本審査の2段階で審査されます。
仮審査をする理由は、ローンが借りられるかどうか、ある程度の目星をつけるため。
仮審査に通らなければ本審査に進めず、家も買えません。
しっかりした不動産会社であれば、売買契約前に相手の仮審査状況を確認し、怪しい場合はアドバイスしてくれます。
対策6-2. 買主が買い替えの場合は、売却の進捗も確認
買主が買い替えで今の家の売却が融資条件の場合は、売却の進捗も確認しましょう。
目安として、少なくとも今の家に買付申し込みが入っていることが必要条件。
売却が進んでいないなら、その買主を断って他の買主を探すほうが安全です。
もし買主の今の家の売却が流れると、あなたの家も売れません。
その期間に他の買主が見つかっていた可能性を考えると、無駄に時間が過ぎることになります。
まとめ
ここまでマンション売却のよくある失敗事例6選とその対策を紹介しました。
マンション売却の失敗は、事前に対策を知っていれば多くが防げます。
また何より大切なのは、優秀で信頼できる不動産会社を選ぶこと。
不動産会社選びさえ間違えなければ、多くのトラブルは防げます。
まず優秀で信頼できる不動産会社を探すことから始めてみて下さい。
都市部なら大手3社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル)が実績豊富。
とりあえず1社だけ査定を依頼するなら、38年連続で実績1位の三井のリハウスが良いでしょう。
⇒三井のリハウス
大手にまとめて査定を依頼するなら、大手6社が共同運営するすまいValueが便利です。
⇒すまいValue
大手と比較するなら、首都圏・関西圏は両手仲介のないSRE不動産(旧ソニー不動産)
⇒SRE不動産
首都圏・関西圏以外の都市部で大手と比較する場合や、大手の営業エリア外の地方では、一括査定サイトを利用すると良いでしょう。
全国対応の一括査定サイトとして定番はこちら。
その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。
不動産一括査定サイト、主要16社を徹底比較し、ランキングでまとめました。
あなたの不動産売却が成功することを、心よりお祈りしております!