「不動産の買取で高く売るコツは?」

不動産の買取でお悩みですね。

確かに買取は、簡単に家を売れますが、価格は安くなってしまいます。

せっかく売るなら、買取でもなるべく高く売りたいもの。

そんなあなたのために、不動産の買取で高く売るコツを、プロ投資家がまとめました。

今なら、不動産相場が高騰しているため、買取でも高値で売れるかもしれません。

この記事では、買取で高く売る4つのコツ、買取の注意点を解説します。

この記事を読むことで、初めてでも安心して不動産会社へ買取を依頼できるでしょう。

あなたの不動産の買取が成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。

不動産の買取とは

まず不動産の買取について、簡単に説明します。

買取は不動産会社に売る

買取は不動産を不動産会社(買取業者)に売る方法です。

普通に不動産を売る「仲介」では一般の人が買主なので、売買の相手が違います。

仲介と買取の違いは、こちらのイメージ。
仲介と買取のイメージ

買取のメリット・デメリット

●買取のメリット

  • 最短1週間など早く確実に売れる
  • 売主の契約不適合責任が免除される
  • リフォームや片付けが不要
  • 資金計画が立てやすい
  • 広告しないので、ご近所に内緒で売れる
  • 内覧などの手間がかからない
  • (自社買取なら)仲介手数料が不要
●買取のデメリット・注意点

  • 買取価格が相場の6割〜8割に安くなる
  • ローンを完済できないと買取できない
  • 売れにくい物件だと、買取を断られる場合もある
  • 業者によって価格や条件が大きく違う
  • 費用や税金はかかる

詳しくは、後述の「買取の7つのメリットと5つの注意点」で解説します。

最短1週間で売れるが、価格は相場の6割〜8割に安くなる

買取は、最短1週間で売れますが、買取価格が相場の6割〜8割に安くなってしまいます。

なぜなら不動産会社は買い取った家を相場価格で転売し、差額を利益にするため。

手間やリスクを考えると、相場より2割以上安くないと買取るメリットが無いのです。

買取イメージ

ハウスハウス

買取はそんなに安くなるんだ!


家博士家博士

仲介に比べると早いし、楽だからね。
仲介との違いも知っておこう。

買取と仲介の違い

仲介とは、不動産会社の仲介で一般の人に売るもの。

不動産の売買は仲介が標準です。

仲介
(普通の売買)
買取
買主 一般の人 不動産会社
(買取業者)
売却期間 場合による
(目安3〜6ヶ月程度)
最短1週間
売却価格 ほぼ相場通り 相場より
2〜4割安い

仲介のメリット・デメリット

●仲介のメリット

  • ほぼ相場通りの価格(相場±10%)で売れる
  • 希少性のある物件なら相場より2割以上高値でも売れる場合がある。
  • 売り方を工夫すれば、早く売れる可能性がある
●仲介のデメリット・注意点

  • 需要が少ない物件や、売り方を間違えると、売れ残るリスクがある
  • 売り急いだり、悪質な不動産会社に騙されると、安値で手放すリスクがある
  • 内覧対応など手間がかかる
  • 広告により売り出していることが近隣や知り合いに知られる恐れがある。
  • 仲介手数料がかかる。

仲介は相場価格で売れるが、時間がかかる

仲介ではほぼ相場価格で売れますが、買主を見つけるため、売却には時間がかかります。

売却期間の目安は、適正価格で売り出せば3ヶ月〜6ヶ月と考えると良いでしょう。

ただし人気物件なら数日で売れることもありますし、田舎の過疎地など需要が少ないと長期間売れないこともあります。

仲介では仲介手数料が利益

ちなみに仲介では、不動産会社は仲介手数料で稼ぎます。

仲介(普通の売買)のイメージ
仲介手数料は、『売買価格×3%+6万円+消費税』。
(※売買価格400万円以上の場合)

売主にとっては、約4%程度の仲介手数料を支払っても、相場通りの価格で売れる仲介の方が手元に残る金額は大きくなります。

一般の売買の流れやコツについて、こちらで詳しく解説しています。

ハウスハウス

買取と仲介のメリットだけ、合体できればなぁ。


家博士家博士

完全ではないけど、買取保証なら買取と仲介の両方のメリットがあるよ。

買取には買取保証(売却保証)もある

『買取保証』は期間限定で売り出し、売れないと買取

買取保証イメージ
買取保証(売却保障)とは…

  • 3ヶ月間など期間限定で普通の売買(仲介)として売り出す
  • 期間中に売れなければ、不動産会社が買取る

というもの。

買取保証のメリット・デメリット

●買取保証のメリット

  • 売却の期限を確定できる
  • 仲介期間は相場通りの価格で売り出せる
  • 不動産会社を選ぶ基準が分かりやすい
●買取保証のデメリット

  • ごく一部の大手不動産会社しかない
  • 利用には築年数やエリアなど不動産会社の指定条件がある
  • 買取価格は査定価格の最大90%など相場より安い
  • 仲介期間中の売り出し価格に制限がある
  • 短期間で売るため、仲介でじっくり売るよりは安くなる恐れがある

買取保証について、詳しくは次章「買取で高く売るコツ」で詳しく解説しています。

ハウスハウス

買取保証は良さそうだね!
でも3ヶ月待てなければ、即時買取しかないのか。


家博士家博士

買取でも今なら相場に近い高値で売れる可能性があるよ

今なら買取でも高く売れる可能性がある

今の不動産市況では、買取でも高値で売却できる可能性があります。

高く売れる理由1. 不動産相場が高騰

今は都市部を中心に不動産相場が高騰しています。

不動産価格指数(全国)

不動産価格指数(全国)2023年2月

不動産価格指数とは

不動産相場の価格変動が純粋に分かる指数。国土交通省がアンケートで集めた年間30万件の成約価格を元に、ヘドニック法という統計計算でまとめたもの。3ヶ月前までのデータが毎月末頃に公表される。2010年の平均を100として算出。

マンションは、約10年で83%も値上がりしています。

一戸建ては高騰していないように見えますが、都市部の一戸建てが値上がりした分を、地方の一戸建ての値下がりが打ち消しているため。

一戸建ても、都市部では大きく値上がりしています。

今の相場なら1〜2割値下げしても高値

今は相場が高騰しているので、買取で2割値下げしても、数年前の相場価格で売却できるでしょう。

都心部で2013年以前に購入した家なら、購入時より値上がりしているかもしれません。

業者が値上がりを見込んで買取る場合も

また買取業者が転売時の値上がりを見込んで、今の相場に近い価格で買取る場合もあります。

今の相場を知るためには、まずいくらで売れるか今の売却価格を確認してみると良いでしょう。

ハウスハウス

確かにこれだけ相場が高騰していると、少しくらい安くなっても利益がありそうだね。


家博士家博士

こんなに値上がりしたのは、バブル以来初めてだよ

高く売れる理由2. 買取物件が減って競争が激化

コロナ禍で買取物件が急減し、業者間の仕入れ競争が激化しています。

買取件数は1.5倍に増えたが、コロナで急減

2013年からコロナ前の2019年で買取が1.5倍に増え、買取再販業者が乱立しました。

しかしコロナ禍で売り出し件数が減ると同時に、買取物件の数が急減。

業者が増えたにも関わらず、買取物件は2013年と同じ水準まで減っています。

そのため不動産の買取に価格競争が起き、以前より相場に近い価格で買取られることも増えています。

買取件数の推移(全国)

買取件数の推移(全国)
(出典:公益財団法人不動産流通センター・不動産業統計集

ハウスハウス

買取業者の競争が厳しいから、買取価格も高くなってるんだね


家博士家博士

そうだね。特に古いマンションを安く買取ってリノベーションする会社が増えているよ。


このように今は買取でも高く売れる可能性があるといえます。

では次に、買取で不動産を高く売るためのコツについて解説します。

買取で高く売る4つのコツ

買取で高く売るためには4つのコツがあります。

コツ1. なるべく多くに査定を依頼する

買取で高く売るためには、なるべく多くの不動産会社へ査定を依頼しましょう。

相場に近い価格の不動産会社が見つかるかもしれない

10社、20社となるべく多くの不動産会社へ査定を依頼すれば、相場に近い価格で査定する不動産会社が見つかる可能性が高くなります。

今は買取再販業者の競争が激化しているため、買取物件が不足しています。

買取業者の中には、仕入れ不足や決算などの社内事情によって、赤字覚悟で買取るところも。

また単純に査定ミスで、高値の査定を提示する場合もあります。

ハウスハウス

そんなに多くの不動産会社へ依頼するのは大変だね。
どうやって不動産会社を探せば良いの?


家博士家博士

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトをいくつか利用すると簡単だよ。


主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。

コツ2. 自社買取なら仲介手数料が不要

査定価格を比較するときに注意したいのは、自社買取なら仲介手数料(売却価格の3%+6万円+消費税)が不要だということ。

買取できる不動産会社には次の3種類があります。

  1. 買取を専門にする不動産会社
  2. 自社で買取も仲介も両方する不動産会社
  3. 1に仲介する不動産会社←これは要注意



ハウスハウス

どれを選べば良いの?


家博士家博士

1か2だね。
3だと仲介手数料が余計にかかるんだ


それぞれ解説します。

タイプ1. 買取を専門にする不動産会社

不動産の買取・転売を専門にしている不動産会社は「再販業者」「転売業者」などと呼ばれています。

具体的には、カチタスフジ住宅インテリックスなどが販売戸数で上位。

タイプ2. 自社で買取も仲介も両方する不動産会社

一般の不動産会社でも、多くが買取を手掛けています。

一般の不動産会社で実績が多いのは、大京穴吹不動産、オークラヤ不動産などがあります。

転売実績のランキングはこちら

タイプ3. 1に仲介する不動産会社

このタイプは、仲介手数料を余計に支払うことになるので要注意。
自社買取と提携業者買取の違い
仲介専門の不動産会社で買取を利用すると、余計に仲介手数料がかかります。

仲介手数料は、売却価格×3%+6万円+消費税。
(※売却価格400万円以上の場合)

仲介手数料を計算すると次になります。

仲介手数料の早見表
家の売買価格
(税抜)
仲介手数料
(税込)
1,000万円 396,000円
2,000万円 726,000円
3,000万円 1,056,000円
4,000万円 1,386,000円
5,000万円 1,716,000円

仲介で売れずに買取するときは要注意

また買取で注意したいのは、不動産会社に仲介を依頼し、なかなか売れずに買取に切り替えるケース。

仲介を依頼した不動産会社が、かなり安い価格で買取業者へ売る恐れがあります。

なぜなら仲介を依頼した不動産会社が、買取業者に安い価格で売り、代わりに転売時に仲介する「ダブル両手」があるため。

ダブル両手とは
買取再販業者が再販売するときも同じ仲介不動産会社へ依頼すること。
仲介不動産会社は仲介手数料を4倍(両手×2)受け取るメリットがあります。
手数料4倍イメージ

買取業者は、少しでも安く買うためになるべく同業者との競争を避けて、こういった仕入れルートを築いているのです。

ハウスハウス

売主はメリットがないけど、仲介する不動産会社はメリットが大きいんだ。


家博士家博士

買取なら自社で買取する不動産会社を選ぼう。

コツ3. 買取保証(売却保証)で期間限定で売る

数ヶ月の時間がかけられるのであれば、買取保証も良いでしょう。

買取保証とは期間限定で売出し、期間内に家が売却できないと不動産会社が買取ってくれる保証のこと。
買取保証イメージ

売出し期間中は高値で売出すチャンスもあり、売れ残っても「買取保証額」で買い取ってもらえるため安心です。

買取保証は一部の大手不動産会社のみ

ただし買取保証は一部の大手しか扱っていません。

買取保証がある大手は、東急リバブル野村の仲介+など。

また小田急沿線であれば、小田急不動産、東京都心ではSRE不動産(旧ソニー不動産)もあります。

買取保証のある大手に無料査定を依頼するなら

買取保証のある大手にまとめて無料査定を依頼するなら、すまいValueが便利。

すまいValueは大手6社で共同運営する一括査定サイトで、買取保証の大手3社にまとめて査定を依頼できるのはすまいValueしかありません。

すまいValue

すまいValueの公式サイトはこちら
すまいValue

SRE不動産は、個別に無料査定を依頼すればよいでしょう。

SRE不動産(旧ソニー不動産)の公式サイトはこちら
SRE不動産

コツ4. 仲介(普通の売買)の見積り査定とも比較する

買取する予定でも、買取価格だけでなく普通に仲介で売る価格も確認しましょう。

買取価格の相場は仲介の2割引

なぜなら買取価格の目安は、仲介で普通に売る価格の2割〜4割引だから。

買取価格が妥当なのか、仲介の価格と比較すると判断しやすいのです。

相場より1割下げれば仲介でも短期間で売れる

もし相場より2割以上安い買取価格になる場合は、相場より1割程度値下げして仲介で売っても良いでしょう。

需要がある程度ある物件なら、数日で売れる可能性があります。

正確には、売買契約から引き渡しまでさらに1ヶ月程度はかかりますが、買取でも遅い業者ならそれくらいかかります。

仲介で早く売る方法は、こちらで解説しています。

査定を依頼するときの備考欄に記入する

仲介と買取の両方で査定価格を知るためには、査定を依頼するときに、備考欄へ『買取と仲介の両方の査定価格を教えて下さい』と記入します。

仲介の査定価格は大手が正確

仲介の査定価格は、大手不動産会社の方が正確です。

一括査定サイトを利用して、大手を中心に3社以上に査定を依頼しましょう。

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue
    おすすめ1位
    すまいValueバリュー
    査定実績:
    40万件(2016年開始)
    不動産会社数:
    大手6社(全国900店舗)
    運営会社:
    大手6社共同運営
    三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所ハウスネット
    実績 5.0
    不動産会社 4.5
    運営会社 5.0

    大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国900店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
    2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
    簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
    さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

    管理人のコメント

    地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

  2. 【公式サイト】すまいValue


  3. SRE不動産
    おすすめ2位
    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス(東証PRM)
    実績 4.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 5.0

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
    あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
    さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

    管理人のコメント

    エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

  4. 【公式サイト】SRE不動産


  5. HOME4U
    おすすめ3位
    HOME4Uホームフォーユー
    査定実績:
    累計50万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    2,100社
    運営会社:
    NTTデータ・スマートソーシング
    実績 5.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 4.0

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
    不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
    さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
    ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
    あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

各エリアで最適な組み合わせ



エリア別のオススメ一括査定サイト

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。

  • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。

  • 地方(人口密度が少ない地域)

    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。

ここまで、買取で高く売るための4つのコツについて解説しました。

まだ迷っているなら、改めて買取のメリットと注意点を整理しましょう。

買取の7つのメリットと5つの注意点

買取の7つのメリット

詳しく解説します。

メリット1. 最短1週間など早く確実に売れる

買取は、不動産会社と価格が決まれば最短で数日後には現金化できます。

もし家の買い替えや相続などで売却を急ぐ場合、「買取」はとても助かる手段でしょう。

仲介で普通に売る場合は、3ヶ月〜6ヶ月が目安。

不動産会社の査定価格は3ヶ月で売れる予想価格です。

成約日数は平均70〜80日、売却全体で約4ヶ月前後

仲介で売り出した場合の成約日数(首都圏2022年平均)は、

  • マンション: 71.4日
  • 戸建て: 81.2日

引き渡しまで含めた全体では約4ヶ月前後、内訳はこちらのイメージです。

平均の売却期間(首都圏・2022年)

売却期間イメージ(首都圏2022年)

今はコロナで競合が減って早く売れる

今はコロナの影響で売り出す競合が減っているため、成約日数が短くなっています。

平均成約日数の推移(首都圏)

売出しから成約までの日数の推移(首都圏平均)

ハウスハウス

不動産を売るのに、こんなに長くかかるんだ…


家博士家博士

買取なら都合に合わせて引き渡しのスケジュール調整もできるよ。

引き渡しスケジュールは自由

買取は、引き渡しのスケジュールを自由に調整できます。

例えば、子供の学校が終わる3月まで引き渡しを待ってもらったり、転勤の都合で数ヶ月待ってもらうことも可能。

一般の売買では、買主が見つかったら約1ヶ月で引き渡します。

引き渡し時期を延長できますが、値下げ交渉の要因となったり、家が売れ残る原因になりかねません。

メリット2. 売主の契約不適合責任が免除される

買取は「契約不適合責任(瑕疵担保責任)」がないため、あとから余計な費用を請求されるリスクががありません。

一般の売買では、引き渡しが終わった後も、売主に契約不適合責任があります。

ハウスハウス

契約不適合責任ってなに?


家博士家博士

例えば、雨漏りや排水管の詰まり、設備の故障などがあった場合に、売主が費用を負担することだよ

建物3ヶ月、設備1週間は費用を請求される恐れも

契約不適合責任の期間は、通常は建物3ヶ月、設備1週間が一般的。

ただし築年数が30年を超えるような古い戸建ては、免責(責任を負わない)も可能です。

民法改正で名前が代わり、瑕疵担保責任→契約不適合責任になりました。

契約不適合責任(瑕疵担保責任)について詳しくはこちら。

メリット3. リフォームや片付けが不要

買取業者は何らかの工事をする

買取では、売却前にリフォームする必要がありません。

なぜなら不動産会社は、転売前に何らかの工事をして、なるべく利益を最大化するため。

マンションの場合、不動産会社はリフォームしてからリノベーション物件として転売します。

また戸建ての場合は、リフォームするか、更地にして建て替えてから新築建売で売るケースのいずれか。

いずれにしても売主はリフォームする必要ありません。

ゴミや残置物の片付け費用は買取価格からマイナスされる

さらにゴミや不要な家具など残置物もそのままで買取してもらえます。

ただしこれらの片付け費用は買取価格からマイナスされることが一般的なので、できれば自分で片付けてから買取した方が高く売れやすいでしょう。

仲介でも売却前のリフォームは不要

実は仲介でも、売却前にリフォームは不要です。

なぜならリフォーム費用をそのまま売却価格に上乗せできず、損することが多いため。

国土交通省の調査でも、個人の売主はリフォームに失敗することが分かっています。

個人のリフォームは、工事単価が高いこともあり、リフォームするほど損する恐れがあるのです。

売却前のリフォームについて詳しくはこちら

メリット4. 資金計画が立てやすい

買取の場合は、売却価格がすぐに決まり、契約不適合責任も免除されるため、資金計画が立てやすいこともメリット。

また売却時期も調整できるので、次に購入する家のつなぎ融資や、住宅ローンの2重払いといった心配もありません。

一方仲介では、実際に売れるまでいくらで売れるか分かりませんし、いつ売れるのかも分かりません。

ローンの残額があったり、次に家を購入する場合は、資金計画が大きく狂う恐れがあるのです。

メリット5. ご近所に内緒で売れる

買取は広告宣伝をしないため、ご近所に知られず内緒で売れます。

査定の内覧だけ注意すればバレない

査定で業者が家に内覧しに来るときだけ、近所に分からないよう注意すれば、買取で近所に知られるリスクはありません。

訪問時間を調整したり、インターホンで会社名をいわず名前だけですぐに家に入ってもらうなど、事前にお願いすれば良いでしょう。

仲介では内緒で売ると売れにくい

もし仲介でご近所に知られないように売ると、広告が制限され、売れにくくなります。

その結果、売却期間が長期化して、結局値下げする恐れも。

仲介で売るなら、近所に内緒で売らない方が良いでしょう。

内緒で売る方法について詳しくはこちらも参考に

メリット6. 内覧などの手間がかからない

買取の場合は、売買の査定で一度内覧するだけなので、手間がかかりません。

仲介では内覧対応が大変

仲介では、購入希望者が何回も内覧をします。

買主が決まるまで、毎週末2組や3組の内覧があることも。

中には同じ人が何回も来たり、同じ様な質問を何度もされたり。

住みながら家を売る場合、内覧は大きなストレスになります。

ハウスハウス

買取は、なんにもしなくて良いから楽で良いね!

メリット7. (自社買取なら)仲介手数料が不要

自社買取の不動産会社であれば、買取の仲介手数料は不要です。

ただしそれ以上に買取価格は安くなるので、トータルでは仲介の方が手元に多く残ります。

また買取業者に仲介する不動産会社だと、買取で安くなる上に、仲介手数料までかかるので注意しましょう。

買取の5つの注意点

詳しく解説します。

注意点1. 買取価格が相場の6割〜8割に安くなる

買取の最大のデメリットは価格が相場の6割〜8割に安くなること。

買取のメリットは、全て売却価格に反映されます。

最短1週間で売れる → その分安くなる
契約不適合責任なし → その分安くなる
手間がかからない → その分安くなる
と考えて下さい。

ハウスハウス

相場の6〜8割は安いなぁ…


家博士家博士

住宅ローンを全額返済できないと買取できないから要注意だよ

注意点2. ローンを完済できないと買取できない

買取に限りませんが、売却代金と貯金などで住宅ローンを完済できないと家を売れません。

なぜなら住宅ローンの抵当権を抹消しないと、家を買取ってもらえないため。

オーバーローンでは貯金などで補う

買取金額が住宅ローンの残債より安い場合は、貯金などで補う必要があります。

家の売却価格がローン残債に足りない状態を「オーバーローン」といいます。

オーバーローンイメージ

貯金などで補えないなら仲介で高く売る

買取価格でローンを完済できない場合は、仲介で高く売ることを考えた方が良いでしょう。

仲介なら工夫しだいで相場より高く売れる可能性もあります。

オーバーローンの対策はこちらでまとめています。

注意点3. 買取を断られる場合もある

転売できない物件は買取できない

不動産会社は転売が目的なので、転売して売れない不動産は買取りません。

田舎の過疎地や築年数が古くて立地が悪い家など、断られる恐れがあります。

仲介で売るのが難しい物件は、買取りで不動産会社を探すのも難しいでしょう。

不動産会社によるので、複数に当たってみる

ただし不動産会社によって判断は違います。

もし買取で1社に断られても、他に買取ってくれる不動産会社が見つかるかもしれないので、諦めずに何社か当たってみましょう。

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトをいくつか併用すると手間がかかりません。

どうしても売れなければ譲る選択肢も

どうしても売れない場合は、無料で譲るという選択肢もあります。

みんなの0円物件なら、費用がかからず、無料で欲しい人に譲れます。

注意点4. 業者によって価格や条件が大きく違う

買取では、買取業者によって買取価格や買取条件が大きく違います。

価格は相場の6割〜8割

買取の価格は相場の6割〜8割に安くなります。

不動産会社は転売して利益を得るため、相場より2割以上安く買うのが一般的。

それ以上は、不動産会社がリスクと相場の先行きをどう考えるかで変わります。

また不動産会社の中には、査定ミスや社内事情で相場に近い価格で買取るところも。

少しでも多く査定を依頼すれば、その分相場に近い高値で査定する不動産会社が見つかる可能性も高くなります。

買取条件も違う

買取では、買取価格だけでなく、買取条件も会社によって違います。

特に契約から引き渡し・入金のスケジュールは1週間から1ヶ月まで様々なので、よく確認しましょう。

また残置物を残して良いかなど、引き渡しの条件も違います。

価格だけでなく、あなたの希望条件に合うのか、契約前によく確認して下さい。

注意点5. 費用や税金はかかる

買取でも、費用や税金はかかります。

具体的にはこちら。

  • 印紙代
  • 抵当権抹消費用(住宅ローンがあれば)
  • 住宅ローン事務手数料など(住宅ローンがあれば)
  • 税金(譲渡所得があれば)
費用は多くない

印紙代は、売買契約書に貼る印紙の代金です。

印紙代

  • 売買価格100万〜500万円→   印紙代1,000円
  • 売買価格500万〜1,000万円の場合→  印紙代5,000円
  • 売買価格500万〜1,000万円の場合→  印紙代5,000円
  • 売買価格1,000万〜5,000万円の場合→ 印紙代20,000円
  • 売買価格5,000万〜1億円の場合→   印紙代30,000円

抵当権抹消費用は、不動産価格によりますが5万円前後。

住宅ローンの事務手数料は銀行によって違うので、銀行へ確認が必要です。

銀行には遅くとも引き渡しの2週間以上前に連絡しておきましょう。

銀行への連絡のタイミングについてはこちら

税金は非課税がほとんど

税金は非課税がほとんどです。

なぜなら自宅の売却では「3,000万円の特例」があるため、利益が3,000万円までは非課税となるため。

ただし家を買い換える場合は、新しい家の住宅ローン控除と3,000万円の特例を併用できないので要注意。

家を買い替える場合の税金について詳しくはこちら

ちなみに不動産売却の利益を「譲渡所得」と呼びます。

譲渡所得がある場合は、確定申告をして、税金を納めなければいけません。譲渡所得の計算は少し面倒な計算になります。

譲渡所得イメージ
税金の計算について詳しくはこちら

また特例により税金がかからない場合でも、確定申告は必要ですので、売却の翌年2月中旬〜3月中旬に忘れず確定申告をしましょう。


ハウスハウス

なんだか税金とか難しいなぁ…


家博士家博士

信頼できる不動産会社と出会えれば、この程度の簡単な税金のことなら教えてくれるよ。

買取に向いているケース

買取イメージ
買取に向いているケースはこちら。

安くなっても良いから急ぐ、手間をかけたくない場合

価格が安くなっても良いので、事情があって売却を急ぐ場合や、手間をかけたくない場合は、買取が向いています。

買取なら、最短1週間で、家に残置物などがあっても買取ってもらえます。

遠方でも買取なら最小限の手間で売れるでしょう。

事故や瑕疵などで売りにくい家

火事、自殺などの事故があると、家の価格が大きく下がります。

家を売る時は、事故について告知する義務があるので、隠せません。

価格を下げてもイメージが悪く、なかなか売れないことも多いのです。

そういった家は買取を選択する方が良いケースもあります。

不動産会社は、建物を大幅にリフォームしたり、建替えたりすることで、上手く対処して転売します。

もちろん買取でも、事故について告知する義務はあります。

相続した家やゴミ屋敷など片付けが大変な家

買取では、家の中の残置物をそのまま残して買取してもらえます。

もし相続した家がゴミ屋敷になっていたりした場合、家の中の残置物が多く、片付けが大変です。

個人で片付けるのが難しい場合は、片付け専門業者へ依頼することになりますが、数十万円〜200万円近くかかる場合も。

片付けの立会いなどで時間も労力もかかります。

片付けた後も内装が傷んでいれば、大幅なリフォームが必要になり、さらに多くの費用がかかります。

家があまりにも大変な状況なら、買取を選ぶほうが良いでしょう。

家博士家博士

ゴミの処理費用分だけ、買取価格は安くなるけどね。

まとめ

ここまで『不動産の「買取」で高く売るコツ・注意点を分かりやすく解説』として不動産の買取について解説しました。

今は不動産価格が高騰しているため、買取で安くなったとしても高値で売却できる可能性があります。

またコロナ禍で買取物件が急減して競争が激化しているため、相場に近い価格での買取も期待できるでしょう。

買取で高く売るための4つのコツは、

  1. なるべく多くに査定を依頼する
  2. 自社買取なら仲介手数料が不要
  3. 買取保証(売却保証)で期間限定で売る
  4. 仲介の査定価格と比較する

あなたの不動産の買取が成功することを、心よりお祈りしております。

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue
    おすすめ1位
    すまいValueバリュー
    査定実績:
    40万件(2016年開始)
    不動産会社数:
    大手6社(全国900店舗)
    運営会社:
    大手6社共同運営
    三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所ハウスネット
    実績 5.0
    不動産会社 4.5
    運営会社 5.0

    大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国900店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
    2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
    簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
    さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

    管理人のコメント

    地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

  2. 【公式サイト】すまいValue


  3. SRE不動産
    おすすめ2位
    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス(東証PRM)
    実績 4.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 5.0

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
    あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
    さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

    管理人のコメント

    エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

  4. 【公式サイト】SRE不動産


  5. HOME4U
    おすすめ3位
    HOME4Uホームフォーユー
    査定実績:
    累計50万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    2,100社
    運営会社:
    NTTデータ・スマートソーシング
    実績 5.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 4.0

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
    不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
    さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
    ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
    あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

各エリアで最適な組み合わせ



エリア別のオススメ一括査定サイト

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。

  • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。

  • 地方(人口密度が少ない地域)

    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。