空き家イメージ
「空き家を売るか貸すか、どうしよう…。」

住まなくなった家(空き家)を売るか貸すか、お悩みですね。

空き家を維持すると、費用がかかるし家も傷む。
でも貸すと大変そうだし、売ってしまう方が良いの?
空き家をどうするか、最適な方法を簡単に知りたい…。

そんなあなたに、空き家をどうすべきか簡易診断を用意しました。

この簡易診断では、5つの選択肢からあなたの空き家に最適なものが分かります。

さらにそれぞれの選択肢で、失敗しないための注意点を解説。

あなたの空き家に、最適な選択肢と注意点が分かれば、安心して前に進めるでしょう。

空き家を上手く活用すれば、思わぬ利益がでるかもしれません。

あなたの空き家問題がスッキリ解決し、あなたとご家族に最適な結果となるために、この記事がお役に立てば幸いです。

【簡易診断】空き家を貸す? 売る?

まずこちらの簡易診断を試してみて下さい。

何度でも見直せるので、迷ってもザックリ決めて大丈夫です。

空き家診断チャートnopc

空き家のまま所有 一般賃貸契約 一般賃貸契約 定期借家か期間サブリース 売る 現状か更地で売却

それぞれの注意点とメリット、詳しい解説はこちら。

それぞれ解説します。

選択肢① 空き家のまま所有する

今の空き家を売ったり貸したりせず、空き家のまま所有し続けるという選択肢です。

3つのメリット

空き家で所有する3つのメリット

  1. 家を所有している精神的な安心感がある。
  2. 現状を維持でき、家族の反対が少ない。
  3. 趣味と割り切れば、手間や出費も楽しめる。

ハウスハウス

メリットはなんとなく分かるね。


家博士家博士

やっぱり家族の思い出を考えると、なかなか手放す決断ができないからね。

5つの注意点

それぞれ解説します。

注意点1. 維持管理費用がかかる

ハウスハウス

タレントの松本明子さんが、香川県の実家を25年間空き家で維持したら、合計1,600万円かかったってテレビで見たよ。
【参考】NHKあさイチ・実家との家と土地


家博士家博士

空き家の維持費は意外とかかるんだよ。


空き家を維持すると、次の様な維持管理費用がかかります。

【空き家の維持管理費用】

  • 固定資産税、都市計画税
  • (マンションの場合)管理費、修繕積立金
  • (マンションの場合)場合によって大規模修繕一時金、耐震改修工事費など
  • 火災保険料(空き家でも電気配線からの出火や放火の危険性があります)の支払い
  • 水道光熱費の基本料(家の手入れをするため)
  • 庭木の剪定費用(手入れをしないと、近隣から苦情がくる場合も)
  • 郵便受けのチラシや郵便物の片付け費用
  • 室内の換気や清掃費用(不動産会社などに管理を依頼できます。自分でする場合は、交通費とその手間が必要)
  • 害虫(ゴキブリ、ダニ、ネズミ、ネコ、スズメバチ)が発生した場合の除去費用、近隣への迷惑料
  • 老朽によるトラブル、雨漏りや外壁損傷などの修繕費用(屋根の防水、外壁塗装、ガラスの破損、塀の倒壊など)
  • 瓦や外壁の落下で第3者がケガをしたら損害賠償の費用

維持管理費用を節約するためには、自分で作業すればよいのですが、時間がかかり大変です。
修繕やトラブルがあると、毎週通わないといけないことも。
遠方だと交通費だけでもかなりの金額になってしまいます。

ハウスハウス

いろいろ手間も費用もかかるんだね。


家博士家博士

管理サービスを使えば、手間は少し省けるよ。

不動産会社の管理サービスが便利

なるべく手間をかけないで空き家を管理するなら、空き家管理サービスが便利。
最近は多くの不動産会社が空き家管理をしています。

【空き家管理サービスの相場】

費用:月額1万円程度〜、
管理内容:
 月1回の巡回
 郵便物やチラシの回収
 空気の入れ替え(1時間程度)
 巡回結果報告など

インターネット検索で「空き家管理」+「〇〇(地域名)」で検索すれば多くの会社がでてきます。

ハウスハウス

管理サービスもお金がかかるね。


家博士家博士

でも、管理せずに放置すると、いろんなリスクがあるよ。

注意点2. 犯罪や放火、不法投棄のリスク

日本では火事の原因1位が「放火及び放火の疑い」で、全国で1日に13件の放火が起きています。

特に空き家は放火で狙われやすいもの。

また空き家は、普通の火災保険に加入できないため、火災時の費用負担も大きくなってしまいます。

また無人だと不審者が侵入したり、犯罪の拠点に利用される恐れも。

庭にゴミを不法投棄されることもよくあります。

ハウスハウス

放火は怖いね。


家博士家博士

確率は低いけど、万が一の被害は大きいから用心した方が良いね。

注意点3. 税金で損する恐れがある

空き家のまま3年過ぎると、税金で損する恐れがあります。

なぜなら空き家になってから3年目の年末までに売却しないと、3,000万円の特別控除がなくなるため。

自宅や相続では3,000万円まで税金が控除される

次のような空き家は、売却した利益が3,000万円まで控除されます。

  • 相続した空き家
  • 自分が住んでいた空き家

相続した空き家はこちらを参考に


自分が住んでいた空き家はこちらを参考に

ハウスハウス

でも空き家を売って、利益なんてあるかな?


家博士家博士

購入時の売買契約書がないと、売却価格のほとんどが利益になってしまうよ。

売買契約書が無いと、ほとんどが利益になる

購入時の売買契約書が無いと、売却価格の5%が取得費となり、売却代金のほとんどが利益(譲渡所得)になってしまいます。


取得費が売却価格(譲渡価格)の5%になると、譲渡所得が極端に大きくなることが分かります。


ハウスハウス

売却価格の90%以上が利益になるのか。
空き家で3年過ぎると税金が取られるなんて、知らなかったなぁ。


家博士家博士

さらに家の価格も値下がりするからね。

注意点4. 価値が下がって売りにくくなる

空き家は建物が痛みやすい

空き家は劣化が早いため、建物が傷みやすく価値が下がります。

空き家はどうしてカビや害虫、シロアリ、湿気などのリスクが増えるため、急速に劣化します。

家の劣化スピートは国土交通省の統計によると、住んだ状態でも

  • 木造戸建て住宅は、築15年で建物の価値が20%に落ちる
  • マンションは年2%のペースで価値が下がる。

空き家はこれ以上に建物の価値が下がると考えましょう。

田舎は立地適正化計画である日突然売れなくなるリスクも

もしあなたの空き家が田舎だと、「立地適正化計画」で「人が住まないエリア」に指定されて売れなくなる恐れがあります。

この「立地適正化計画」とは、分かりやすく説明すると、人が住むエリアを街の中心に集める計画。

人を街の中心に集めるために、街の中心部以外では新たに家が建てられなくなったり、中古住宅の売買がしにくくなるのです。

2014年に施工された「改正都市再生特別措置法」により、地方自治体が「立地適正化計画」を作成しつつあります。

国土交通省の「国土の長期展望」によると、2050年には

  • 5割の地域で、人口が現在の半分以下になる。
  • 2割の地域で、無人化する。

ことが分かっています。

3大都市圏では2022年の生産緑地問題

3大都市圏(首都圏・名古屋圏・関西圏)では、2022年以降に生産緑地が一部解除され住宅になることで、住宅価格が下落する恐れがあります。

解除見込みの生産緑地と住宅着工面積
2022年以降に解除見込の生産緑地面積 新築住宅着工床面積2022年度 割合
東京都 143万m2 884万m2 16%
埼玉県 138万m2 438万m2 32%
千葉県 107万m2 377万m2 28%
神奈川県 75万m2 503万m2 15%
首都圏合計 463万m2 2,202万m2 21%
愛知県 166万m2 481万m2 35%
大阪府 132万m2 491万m2 27%
京都府 57万m2 118万m2 48%
兵庫県 41万m2 258万m2 16%
奈良県 85万m2 59万m2 144%
関西圏合計 315万m2 926万m2 34%

この表で25%を超える地域は、生産緑地の開放が住宅価格に影響する恐れがあります。

人口は急減でも新築は年90万戸で空き家が急増

日本では、空き家が売れにくくなる市場環境です。

なぜなら日本は人口が急激に減っている一方で、新築住宅が年90万戸ペースで次々と建てられているため。

日本人の人口・世帯数と住宅戸数

住宅戸数と世帯数の変化2018年rev3

欧米など他の先進国と違い、日本では新築住宅の建築が規制されていません。

結果として、シンガポール国立大学の研究によると、日本の住宅価格は2010年→2040年の30年で平均46%下がる(価格は半額)と予想されています。

(※出典:Analysis of policy options to address Japan’s declining population, shrinking birthrate, and aging society

持ち家の27%が空き家予備軍

2025年には団塊の世代が75歳以上になり、多くの人が施設へ入居します。

そうなると空き家は一気に増加。

すでに2018年時点で、全国の居住中の持ち家2,864万戸に対し、779万戸(27%)が65歳以上の高齢者のみの世帯。

実に27%もの住宅が「空き家予備軍」となっているのです。

地方だけでなく、東名阪(東京・名古屋・大阪圏)エリアでも空き家予備軍は370万戸(27%)。

実際にこれだけ空き家が増えると、家を売ろうにも供給過多で売れないことが予想されます。

空き家予備軍の割合(2018年時点)

空き家予備軍

このように人口が減っていく地域の不動産は、売りにくくなる一方です。

ハウスハウス

なんだか大変なことになっているんだね。


家博士家博士

すでに過疎化が進んだ地域、バブル期に建てられた苗場のリゾートマンションなどは、1万円で売り出しても売れないんだ。

いずれ売るなら早いほど高く売れる

とりあえずは空き家のまま所有するとしても、いつかは「売る」か「譲る」か「住む」ことになります。

いずれ住むのであれば、空き家の維持管理を続ける意味もあります。

問題は、「いずれ空き家を「売る」か「譲る」ことになるかも…」となんとなく先送りにしている場合。

いずれ売るなら、早いほど高く売れるでしょう。

ハウスハウス

でも売るのは大変そうだな。


家博士家博士

自分が売らないと、相続で子供に迷惑がかかるよ。

注意点5. 相続で子供に迷惑をかける

子供が管理の費用と手間を負担することに

あなたが亡くなった後は、子供に空き家の所有権が相続され、今度は子供が維持管理をすることになってしまいます。

相続する頃には、空き家はますます売れないため、手放すことも難しくなります。

特定空き家に指定されるリスク

地方自治体があなたの空き家を「特定空き家」に指定すると、最悪の場合は地方自治体が勝手に建物を解体し、その解体費用を請求される恐れも。

また特定空き家の手前となる管理不全空家の勧告を受けると、空き家の固定資産税が6倍になります。

2014年に「空き家対策特別措置法」が成立し、すでに特定空き家として595件が解体されています。(2023年3月末時点)
【参考】国土交通省・空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報

例えば、2018年5月に香川県高松市で市が強制撤去した費用800万円を孫に請求。

また滋賀県野洲市では、マンション解体費用1.2億円が所有者9人に請求されています。
【参考】野洲市・特定空家(美和コーポB棟)行政代執行の今後の予定について


ハウスハウス

空き家を放棄できないの?


家博士家博士

相続放棄で所有権は手放せるけど、管理責任は残るんだ。

相続放棄で全て放棄しても、管理責任だけ残る

不動産の権利を放棄する唯一の方法は「相続放棄」。

相続開始から3ヶ月以内に、家庭裁判所へ申し立てます。

しかし相続放棄では、所有権は放棄できますが、不動産の管理責任は残るので、費用と手間の負担は続くことに。

また不動産だけでなく他の全ての財産を放棄する必要があり、部分的は放棄は難しいことも問題です。

ハウスハウス

他の方法で空き家を放棄できないの?


家博士家博士

不動産の所有権は放棄できないんだ。

不動産の所有権は放棄できない

不動産の所有権(登記)は放棄できません。

必ず代わりの所有者を見つけて、売るか譲る必要があります。

誰かに引き渡すまで空き家の維持管理費用がかかり続けます。

新たに2023年4月から、更地を手放せる制度ができますが、建物解体や10年分の管理費などの費用負担が大きく現実的ではありません。

国や地方自治体に寄付をしようとしても、資産価値のない不動産は受け取ってもらえません。

過去の判例から、不動産の放棄はできないことが分かっています。

不動産を放棄する唯一の方法は、一般社団法人などを設立して所有権を移転してしまうという特殊なスキームですが、この抜け穴もいずれ法規制で閉ざされるでしょう。

ハウスハウス

子供に迷惑をかけないためには、空き家をどうするか真剣に考えた方がいいのか。


家博士家博士

譲るにしても税金と費用がかかるよ

誰かに譲ると税金や費用がかかる

不動産を譲る場合は、不動産の移転登記が必要です。

不動産の移転登記する場合、

  • 司法書士の手数料(4万円〜)
  • 登録免許税(課税標準額×2%)
  • 不動産取得税(相続では不要)

がかかります。

また空き家の金額(相続税評価額)が110万円を超えると、贈与税もかかります。

まず今の価格を確認してみては

空き家をそのまま維持する決断をする場合も、まず今の売却価格がどのくらいなのか調べてみると良いでしょう。

不動産価格指数(全国)

不動産価格指数(全国202404)

不動産価格指数とは

不動産相場の価格変動が純粋に分かる指数。国土交通省がアンケートで集めた年間30万件の成約価格を元に、ヘドニック法という統計計算でまとめたもの。3ヶ月前までのデータが毎月末頃に公表される。2010年の平均を100として算出。

中古マンションは約11年で92%も値上がりしています。

戸建ては上昇していないように見えますが、これは都心部の戸建てが上昇している分を、地方の戸建ての値下がりが打ち消しているため。

戸建ては立地によって、価格の2極化が進んでいます。

家の価格を正確に知る方法は、複数(3〜6社程度)の不動産会社に無料査定を依頼する方法が一般的。

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利です。

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue
    おすすめ1位
    すまいValueバリュー
    査定実績:
    77万件(2016年開始)
    不動産会社数:
    大手6社(全国875店舗)
    運営会社:
    大手6社共同運営
    三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー
    実績 5.0
    不動産会社 4.5
    運営会社 5.0

    大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国875店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
    2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
    簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
    さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

    管理人のコメント

    地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

  2. 【公式サイト】すまいValue


  3. SRE不動産
    おすすめ2位
    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス(東証PRM)
    実績 4.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 5.0

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
    あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
    さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

    管理人のコメント

    エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

  4. 【公式サイト】SRE不動産


  5. HOME4U
    おすすめ3位
    HOME4Uホームフォーユー
    査定実績:
    累計50万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    2,100社
    運営会社:
    NTTデータ・スマートソーシング
    実績 5.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 4.0

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
    不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
    さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
    ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
    あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

各エリアで最適な組み合わせ



エリア別のオススメ一括査定サイト

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。

  • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。

  • 地方(人口密度が少ない地域)

    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。


ハウスハウス

売れるうちに売っておかないと、将来は子供にまで迷惑がかかるんだね。

選択肢② 一般賃貸契約で他人に貸す

普通に他人に貸すことを「一般賃貸契約」とここでは呼んでいます。

5つのメリット

一般賃貸契約で貸す5つのメリット

  1. 家賃収入で、維持管理費がまかなえる。
  2. 維持管理費で節税できる。
  3. 不動産の賃貸経営を経験でき、将来の可能性がひろがる。
  4. 家を所有している精神的な安心感がある。
  5. 現状を維持でき、家族の反対が少ない。

ハウスハウス

メリットは分かるね。


家博士家博士

ただし施設に入る親の家を貸すと、家賃収入で逆に医療や介護の負担が増える恐れもある。売却すると一時的な所得だけど、家賃収入は継続的な収入になってしまうからね。


5つの注意点

それぞれ解説します。

注意点1. 費用と手間がかかる

空き家を他人に貸した場合、この様な費用がかかります。

  • (マンションの場合)管理費・修繕積立金
  • (戸建ての場合)10年毎の外壁塗装・防水工事費
  • 固定資産税・都市計画税

ここまでは自分が住んでいる場合と同じです。

さらに

  • 入居者が入れ替わる度に、内装のリフォーム・現状復旧
    →家賃2〜6ヶ月分
  • 入居者を見つけるための広告費
    →家賃1〜3ヶ月分
  • 契約更新費用
    →家賃0.5ヶ月分
  • 家賃収入に対する税金(他の収入との合計で税率が上がる)、確定申告の費用
  • 入居中の設備の修理費

これら費用は損金として節税に使えますが、家賃収入で利益がでた場合は所得税を納める必要があります。

ハウスハウス

費用が色々かかるんだね。
家賃収入があっても、手残りは少ないのか。


家博士家博士

さらに貸すだけで売却価格が安くなるよ。

注意点2. 売却価格が安くなる

空き家を賃貸に出すと、投資物件(オーナーチェンジ)となり、売却価格が安くなります。

普通の住居用に比べると、投資物件はザックリ5%〜20%安くなるイメージ。

貸した瞬間に売却価格は下がります。

注意点3. 家賃と売却価格が年々安くなる

空き家を賃貸に出した場合、築年数が古くなるにつれて家賃と売却価格が安くなります。

家賃の下落スピードは、平均で年1%が相場。

売却価格の下落は家賃以上に速く、平均で年1.5%〜3%下落します。

ハウスハウス

確かに建物が古くなると、家賃は安くなるね。


家博士家博士

収益物件では、家賃収入をベースに利回りで売却価格が決まる。
利回りが高くなることで、売却価格は家賃以上に早く値下がりするんだ。

注意点4. オーナー都合で入居者を追い出せない

一般賃貸契約では、オーナーの都合で入居者を追い出せません。

高く売却するためには、投資物件でなく住居用の空き家で売ったほうが有利です。

しかし入居者の意思で退去するまで、オーナーは待つしかありません。

ハウスハウス

売りたくても、賃貸中だと安くなる。
でも入居者を追い出すのは無理だから、待つしかないのか。


家博士家博士

住まなくなって3年経つと税金で損する恐れもある。

注意点5. 税金で損する恐れもある

住まなくなって3年後の年末を過ぎると、税金で損する恐れがあります。

詳しくは、先述の「税金で損する恐れがある」で解説しています。

賃貸については、こちらで詳しく解説しています。

賃貸に出すなら不動産会社に相談する

賃貸に出すなら、近隣で賃貸に強い不動産会社へ相談します。

不動産会社に管理を依頼するときは、費用として次がかかります。

  • 入居時に家賃1ヶ月分
  • 家賃の3%〜5%
  • 契約更新料

複数の不動産会社の話を聴き比べて、信頼できそうな会社を選ぶと良いでしょう。

NTTデータグループのHOME4Uならまとめて相談できる

HOME4U賃貸

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賃貸の実績が豊富な優良企業が全国70社以上参画。

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【HOME4U】賃貸経営

選択肢③ 定期借家か期間サブリースで賃貸

空き家として誰も住まない期間が1年以上あるなら、定期借家が可能です。

期間サブリースは、会社によって様々ですが、ある程度都心部であれば2年程度から可能です。

定期借家とは
賃貸契約の時点で〇〇年で退居すると決めた「期限付きの賃貸契約」のこと。
入居者に不利な契約なので家賃は相場より10%〜20%安くなる。
普通の一般賃貸契約では入居者の権利が強く、入居者の意向で退去するまで契約は更新される。
【参考】国土交通省・定期建物賃貸借
期間サブリースとは
不動産会社に期間限定で貸す契約。
不動産会社は定期借家で個人に貸して、差額で利益を得ます。
だから家賃は定期借家よりさらに2〜3割下がり、手数料もとられるが、一切手間がかからず、空室リスクもないことがメリット。

7つのメリット

定期借家・期間サブリース7つのメリット

  1. 家賃収入で、維持管理費がまかなえる。
  2. 維持管理費で節税できる。
  3. 不動産の賃貸経営を経験でき、将来の可能性がひろがる。
  4. 家を所有している精神的な安心感がある。
  5. 現状を維持でき、家族の反対が少ない。
  6. (期間サブリースは)空き家リスクがなく、手間もかからない。
  7. いずれ誰かが住む時に、スムーズに入居できる。

8つの注意点

定期借家・期間サブリース8つの注意点

    一般賃貸契約と同じ注意点として

  1. 費用と手間がかかる
  2. 売却価格が安くなる
  3. 家賃と売却価格が年々安くなる
  4. オーナー都合で入居者を追い出せない
  5. 税金で損する恐れもある
  6. さらに定期借家・期間サブリースだけの注意点として

  7. 一般賃貸契約より家賃が安く、売却価格も安い
  8. (定期借家は)一般賃貸契約より空室リスクが高い
  9. (期間サブリースは)都心部のみで地方や田舎は難しい

一般賃貸契約と同じ注意点は、先述の「選択肢② 一般賃貸契約で他人に貸す」で解説しています。

  1. 費用と手間がかかる
  2. 売却価格が安くなる
  3. 家賃と売却価格が年々安くなる
  4. オーナー都合で入居者を追い出せない
  5. 税金で損する恐れもある

ここでは注意点6〜8について解説しましょう。

注意点6. 一般賃貸契約より家賃が安く、売却価格も安い

契約期間が短いほど家賃は安くなる

空き家を定期借家・期間サブリースで貸すと、一般賃貸契約より家賃が安くなります。

定期借家の家賃は契約期間が短いほど安くなり、

  • 2年契約の場合…20〜30%引き
  • 3年契約の場合…10〜15%引き
  • 4年契約の場合…5〜10%引き

期間サブリースはさらに20%〜40%ほど安くなります。

家賃が安くなった分だけ売却価格も安くなる

空き家を賃貸に出すと、投資物件として売ることになり、売却価格は家賃に比例して決まります。

そのため定期借家・期間サブリースで家賃が安くなった分だけ、売却価格も下がることに。

高く売るためには、入居者が契約終了後に退去してから、住居用として売り出す必要があります。

注意点7. (定期借家は)一般賃貸契約より空室リスクが高い

定期借家は空室リスクが高くなります。

なぜなら定期借家は入居者に不利な契約で、入居者に敬遠されやすいため。

そのため定期借家だと、一般賃貸契約で同じ条件の競合より家賃を下げる必要があります。

注意点8. (期間サブリースは)都心部のみで地方や田舎は難しい

期間サブリースは、都心部の賃貸需要が高いエリアしか利用できません。

地方や田舎では、空室リスクが高いため、不動産会社に断られるでしょう。

駅近の築浅マンションなど、賃貸需要が高い空家であれば、問題なく利用できます。

定期借家・期間サブリースについては、こちらで詳しく解説しています。

定期借家・期間サブリースなら不動産会社に相談する

空き家を定期借家・期間サブリースで賃貸に出すなら、近隣で賃貸に強い不動産会社へ相談します。

不動産会社に管理を依頼するときは、費用として次がかかります。

  • 入居時に家賃1ヶ月分
  • 家賃の3%〜5%
  • (定期借家は)契約更新料

複数の不動産会社の話を聴き比べて、信頼できそうな会社を選ぶと良いでしょう。

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選択肢④ 築年数が浅いうちに売る

2つのメリット

築年数が浅いうちに売る2つのメリット

  1. 維持管理の負担から解放される。
  2. 不動産相場の高騰により、思わぬ高値で売れる可能性がある。

ハウスハウス

空き家を売るのって大変そうだけど…


家博士家博士

不動産会社選びさえ間違えなければ、空き家を売るのは簡単。
今は都市部を中心に相場が高騰しているから、高値で売るチャンスだよ。

4つの注意点

それぞれ解説します。

注意点1. 売却方法を間違えると安値で手放す恐れも

買取でなく仲介が基本

空き家を高く売るためには、不動産会社の買取でなく、仲介で一般の買主に売りましょう。

なぜなら買取では、価格が相場より2割以上安くなってしまうため。

買取のメリットは短期で現金化できることですが、買取できる空き家なら相場より1割下げれば仲介でも短期で売れます。

仲介で売るなら不動産会社選びが大切

空き家を仲介で売るなら、不動産会社選びが大切。

売却が成功するかは、不動産会社選びで8割が決まります。

不動産会社を選ぶときは、

  • その地域で売却実績の豊富な不動産会社を選ぶこと。
  • 複数の不動産会社へ査定を依頼し、話を聴き比べること。

不動産会社は最低でも3社、可能であれば6社程度に査定を依頼しましょう。

不動産会社から査定価格を受け取ったら、価格だけでなくしっかり話を聞き比べます。

話を聞き比べることで、不動産会社や営業マンの違いが自然と分かり、信頼できそうな不動産会社が判断できます。

事前に情報収集すると売出し後も不安にならない

空き家を売り出す前に複数の不動産会社の意見を聞くと、売り出した後で後悔したり不安になりません。

不動産会社1社だけの話を聞いた場合、売り出して反響が悪いと、
「本当はリフォームをした方が良かったんじゃないか…」
「売り出し価格が高すぎたんじゃないか…」
と思ってしまうもの。

逆にすぐに売れてしまうと
「もっと高い価格で売り出したほうが良かったんじゃないか…」
と後悔するでしょう。

ハウスハウス

査定価格と同時に不動産会社の話を聞き比べることが大切なんだね。
でも、不動産会社ってどうやって探せばいいの?


家博士家博士

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトが便利だよ

主要な一括査定サイトはこちらで紹介しています。

空き家の売却方法については、こちらで詳しく解説しています。

注意点2. 共有名義では全員の同意が必要

空き家が共有名義の場合は、全員が売却に同意しないと売却できません。

共有名義の持ち分だけでも一応売却できますが、価格はかなり安くなってしまいます。

注意点3. 親の家は成年後見人が必要な場合も

親の名義の家は、たとえ子供でも勝手に売却できません。

本人の意思がしっかりしていれば、代理人として売却できます。

しかし本人が認知症などで判断能力がないと診断されると、家庭裁判所に申し出て成年後見人制度を利用する必要があります。

成年後見人制度では、後見人と裁判所が売却を認めないと売却できません。

注意点4. 税金がかかる恐れもある

住まなくなって3年以内なら3,000万円まで非課税

空き家でも、住まなくなってから3年以内であれば、3,000万円の特別控除が使えます。

詳しくは、先述の「税金で損する恐れがある」で解説しています。

特別控除が使えなかったり、3,000万円超だと税金がかかる

空き家の売却で特別控除が使えなかったり、3,000万円超だと税金がかかります。

特に購入時の売買契約書が無いと、取得費が売却価格の5%になり、利益が多くなる恐れも。

税金についてはこちらで詳しく解説しています。

売却するなら複数の不動産会社に相談する

空き家を売却するなら、複数の不動産会社に無料査定を依頼して、信頼できる不動産会社を選びましょう。

具体的には、

  1. エリアで売買実績が豊富な不動産会社に絞る
  2. 上記の3〜6社に無料査定を依頼して、査定価格と話を聴き比べる

エリアで売買実績が豊富な不動産会社は、査定の精度が高くなります。

また今は都市部を中心に不動産価格が高騰しているため、不動産のプロでも査定が難しい状態。

不動産会社によって査定価格に差が出るため、1社だけでなく最低3社以上に査定を依頼しましょう。

ただし数が多すぎると対応が大変なので、多くても6社程度が良いでしょう。

ハウスハウス

エリアで売買実績が豊富な不動産会社は、どうやって探すの?


家博士家博士

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利だよ


一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue
    おすすめ1位
    すまいValueバリュー
    査定実績:
    77万件(2016年開始)
    不動産会社数:
    大手6社(全国875店舗)
    運営会社:
    大手6社共同運営
    三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー
    実績 5.0
    不動産会社 4.5
    運営会社 5.0

    大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国875店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
    2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
    簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
    さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

    管理人のコメント

    地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

  2. 【公式サイト】すまいValue


  3. SRE不動産
    おすすめ2位
    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス(東証PRM)
    実績 4.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 5.0

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
    あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
    さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

    管理人のコメント

    エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

  4. 【公式サイト】SRE不動産


  5. HOME4U
    おすすめ3位
    HOME4Uホームフォーユー
    査定実績:
    累計50万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    2,100社
    運営会社:
    NTTデータ・スマートソーシング
    実績 5.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 4.0

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
    不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
    さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
    ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
    あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

各エリアで最適な組み合わせ



エリア別のオススメ一括査定サイト

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。

  • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。

  • 地方(人口密度が少ない地域)

    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。

選択肢⑤ 「現状のまま」又は「解体」の両方で売却を検討

リフォームしても住めない様な築古の戸建ては、建物を残したまま「古屋付土地」として売るか、解体して「更地」として売ります。

3つのメリット

「現状のまま」又は「解体」で売却する3つのメリット

  1. 立地が良ければ古屋付土地でも売れる。
  2. 立地が悪くても、更地だと売れやすい。
  3. 瑕疵(契約不適合)の心配がない。

3つの注意点

それぞれ解説します。

注意点1. 解体前に不動産会社の意見を聞く

空き家を解体する前に、なるべく複数の不動産会社に意見を聞きましょう。

なぜなら解体すると余計売りにくくなるケースがあるため。

立地によって建物を解体した方が良いかは変わります。

中には一度建物を取り壊してしまうと、新しい建物が建てられなくなる土地(建築基準法で「再建築不可」の土地)も。

担当者も経験が浅いと知らない場合があるため、複数の不動産会社に意見を聞くほうが安全です。

ハウスハウス

再建築不可の土地だと、空き家を壊してしまうと何も建てられなくなるの?


家博士家博士

そうなんだ。
隣の土地の所有者に安値で買い取ってもらうしかなくなるよ。

注意点2. 解体費用がかかる

解体費用は地方によっておおよその相場が決まっています。

解体費用の目安

木造 鉄骨造 RC造
(鉄筋コンクリート造)
坪単価
(1坪あたり)
3万円〜
5万円
4万円〜
6万円
6万円〜
8万円
m2単価
(1m2あたり)
0.9万円〜
1.5万円
1.2万円〜
1.8万円
1.8万円〜
2.4万円
20坪
(約66m2
60万円〜
100万円
80万円〜
120万円
120万円〜
160万円
30坪
(約99m2
90万円〜
150万円
120万円〜
180万円
180万円〜
240万円
40坪
(約132m2
120万円〜
200万円
160万円〜
240万円
240万円〜
320万円
50坪
(約165m2
150万円〜
250万円
200万円〜
300万円
300万円〜
400万円

※1平方メートル=0.3025坪

ただしアスベストや残置基礎、古井戸など予想外の費用がかかる恐れもあります。

注意点3. 更地にして売れないと固定資産税が高くなる

家を解体すると、固定資産税と都市計画税が高くなります。

なぜなら住宅の敷地は、いわゆる「住宅用地の特例」と呼ばれる軽減措置で、固定資産税や都市計画税が軽減されているため。

(参考)住宅用地の特例措置

小規模住宅用地
住宅用地で住宅1戸につき200m2までの部分

  • 固定資産税:1/6
  • 都市計画税:1/3
一般住宅用地
小規模住宅用地以外の住宅用地

  • 固定資産税:1/3
  • 都市計画税:2/3

【参考】東京都主税局・固定資産税・都市計画税(土地・家屋)

建物を解体して更地にすると、この特例の適用対象外になるため、土地の固定資産税が3〜6倍に、都市計画税が1.5〜3倍になります。

もちろん建物が無くなるので、建物分の固定資産税と都市計画税は安くなるのですが、トータルでは納税額が3〜4倍になります。

売却するなら複数の不動産会社に相談する

空き家を売却するなら、複数の不動産会社に無料査定を依頼して、信頼できる不動産会社を選びましょう。

具体的には、

  1. エリアで売買実績が豊富な不動産会社に絞る
  2. 上記の3〜6社に無料査定を依頼して、査定価格と話を聴き比べる

エリアで売買実績が豊富な不動産会社は、査定の精度が高くなります。

また今は都市部を中心に不動産価格が高騰しているため、不動産のプロでも査定が難しい状態。

不動産会社によって査定価格に差が出るため、1社だけでなく最低3社以上に査定を依頼しましょう。

ただし数が多すぎると対応が大変なので、多くても6社程度が良いでしょう。

ハウスハウス

エリアで売買実績が豊富な不動産会社は、どうやって探すの?


家博士家博士

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利だよ


主要な一括査定サイトはこちらで紹介しています。

まとめ

ここまで空き家を売るか貸すか、簡易診断と5つの選択肢について解説しました。

空き家を所有し続けると、これからますます売りにくくなり、相続で子供にまで迷惑をかける恐れがあります。

将来戻る予定がない空き家は、なるべく早く売却した方が良いでしょう。

今は都市部を中心に、不動産価格が高騰しています。

エリアによっては1年で数百万円も価格が上がっている可能性もあるため、まず今の価格を確認してみましょう。

家の価格を正確に知る方法は、複数(3〜6社程度)の不動産会社に無料査定を依頼する方法が一般的。

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利です。

あなたの空き家に最適な選択肢が見つかり、ご家族の幸せに役立つことをお祈りしております!


一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue
    おすすめ1位
    すまいValueバリュー
    査定実績:
    77万件(2016年開始)
    不動産会社数:
    大手6社(全国875店舗)
    運営会社:
    大手6社共同運営
    三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー
    実績 5.0
    不動産会社 4.5
    運営会社 5.0

    大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国875店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
    2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
    簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
    さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

    管理人のコメント

    地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

  2. 【公式サイト】すまいValue


  3. SRE不動産
    おすすめ2位
    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス(東証PRM)
    実績 4.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 5.0

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
    あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
    さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

    管理人のコメント

    エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

  4. 【公式サイト】SRE不動産


  5. HOME4U
    おすすめ3位
    HOME4Uホームフォーユー
    査定実績:
    累計50万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    2,100社
    運営会社:
    NTTデータ・スマートソーシング
    実績 5.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 4.0

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
    不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
    さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
    ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
    あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

各エリアで最適な組み合わせ



エリア別のオススメ一括査定サイト

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。

  • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。

  • 地方(人口密度が少ない地域)

    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。