「転勤で家を貸すならリロケーションが良い? 注意点は?」

転勤でリロケーションを利用するかお悩みですね。

転勤になった…、家を売るか貸すか…。
家を貸すのは大変そうだけど、リロケーションならどうなの?

そんなあなたに、リロケーションの注意点と知識をまとめました。

リロケーションは、戻る予定が確実な転勤に最適ですが、注意点もあります。

この記事では、リロケーションのメリットと注意点、そして依頼方法と主要な会社を解説しました。

あなたとご家族に最適な選択肢を選び、幸せで満足できる生活を手に入れるために、この記事がお役に立てば幸いです。

リロケーションとは

賃貸に出すイメージ

留守宅を期間限定で貸すサービス

リロケーションとは、転勤などによって留守となった家を、賃貸として期間限定で貸し出すサービス。

リロケーションという名称は、「移転」や「配置転換」を意味する英語Relocationが由来となっています。

戻る予定が確実な転勤に向いている

リロケーションは、戻る予定が確実な転勤に向いています。

なぜならリロケーションは、期間限定で貸す代わりに、家賃が普通より安くなってしまうため。

ハウスハウス

なんでリロケーションは家賃収入が安くなるの?


家博士家博士

リロケーションでは、賃貸契約の種類が違うんだ。

リロケーションは定期借家契約だから安くなる

リロケーションの賃貸契約は、『定期借家契約』という特殊な契約。

定期借家契約は、2000年の借地借家法改正で始まった新しい契約です。

定期借家契約のメリットは、賃貸契約の期間が終わったら、確実に家を明け渡してもらえること。

その代わりに、家賃が相場より安くなってしまいます。

【参考】国土交通省・定期建物賃貸借

ハウスハウス

普通の賃貸契約ではダメなの?


家博士家博士

普通の賃貸契約だと、入居者の意思で退去するまで明け渡してもらえないんだ。

普通の賃貸契約ではオーナー都合で明け渡しできない

普通の賃貸契約では、入居者の意思が優先されるため、オーナーの都合で家を明け渡してもらえません。

なぜなら借地借家法によって、入居者(賃借人)は手厚く保護されているため。

契約期間を2年などにしても、入居者が希望すれば必ず更新されます。

契約の特約に追記しても、入居者に不利な項目は全て無効(借地借家法第30条)。

戻る予定があるなら、普通の賃貸契約でなく、リロケーションなどの定期借家契約を使いましょう

ハウスハウス

戻る予定が分からなければ、普通の賃貸が良いの?


家博士家博士

戻る予定がない転勤なら、まず売却を検討した方が良いね。

戻る予定がない転勤なら売却も検討する

もし戻る予定が分からない転勤なら、売却も考えた方が良いでしょう。

なぜならリロケーションでは家賃が安く、賃しても利益が少ないため。

また普通の賃貸だと、いつ明け渡してもらえるか分かりません。

かといって賃貸中で売却すると、投資物件になり価格が安くなってしまいます。

さらに売却を先延ばしにすると、今の売りどきを逃し、さらに築年数が古くなる分だけ不動産価格が安くなる恐れがあります。

家博士家博士

そもそも住宅ローンが残る家を貸すと4つのリスクがある。

住宅ローンが残っている家を貸す4つのリスク

住宅ローンが残っている家を賃貸に出すと、次の4つのリスクがあります。

住宅ローンで貸す4つのリスク

  1. (空室で家賃収入が無いと)、ローン支払いなど支出が手出しになるリスク
  2. (金融機関に無断で賃貸すると)、ローン規約違反で一括返済を求められるリスク
  3. (金融機関に住宅ローン継続が認めらないと)、金利が高いアパートローンに借り換えになるリスク
  4. (次の家を購入する予定だと)、次の家の住宅ローンが借りられないリスク

賃貸に出すなら、事前に住宅ローンを借りている金融機関に必ず相談しましょう。

金融機関に無断で賃貸に出すと、規約違反でトラブルになる恐れがあります。

詳しくは、こちらの記事を合わせてお読み下さい。


ハウスハウス

住宅ローンが残っている家は、賃貸じゃなく売却した方が良いんだね。


家博士家博士

今は不動産価格が高騰しているから、売却には良いタイミングだよ。

今は不動産価格が高騰している

今は不動産価格が高騰していて、家を売るには良いタイミングです。

不動産価格指数(全国)

不動産価格指数(全国202404)

不動産価格指数とは

不動産相場の価格変動が純粋に分かる指数。国土交通省がアンケートで集めた年間30万件の成約価格を元に、ヘドニック法という統計計算でまとめたもの。3ヶ月前までのデータが毎月末頃に公表される。2010年の平均を100として算出。

中古マンションは約11年で92%も値上がりしています。

戸建ては上昇していないように見えますが、これは都市部の上昇を、地方の値下がりが打ち消しているため。

戸建ては立地によって、価格の2極化が進んでいます。

また今後は新型コロナショックにより不動産価格の下落も心配です。

今後の方針を考えるために、まず今の家の価格を確認してみると良いでしょう。

家の価格を確認するためには、エリアで売却実績が豊富な不動産会社を3〜6社選び、無料査定を依頼します。

不動産会社の心当たりが無ければ、一括査定サイトを利用すると便利です。

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue
    おすすめ1位
    すまいValueバリュー
    査定実績:
    77万件(2016年開始)
    不動産会社数:
    大手6社(全国875店舗)
    運営会社:
    大手6社共同運営
    三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー
    実績 5.0
    不動産会社 4.5
    運営会社 5.0

    大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国875店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
    2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
    簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
    さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

    管理人のコメント

    地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

  2. 【公式サイト】すまいValue


  3. SRE不動産
    おすすめ2位
    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス(東証PRM)
    実績 4.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 5.0

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
    あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
    さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

    管理人のコメント

    エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

  4. 【公式サイト】SRE不動産


  5. HOME4U
    おすすめ3位
    HOME4Uホームフォーユー
    査定実績:
    累計50万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    2,100社
    運営会社:
    NTTデータ・スマートソーシング
    実績 5.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 4.0

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
    不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
    さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
    ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
    あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

各エリアで最適な組み合わせ



エリア別のオススメ一括査定サイト

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。

  • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。

  • 地方(人口密度が少ない地域)

    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。

必ず戻る転勤では、リロケーションを検討する価値があります。

リロケーションのメリットと注意点を整理しましょう。

リロケーションのメリットと注意点

リロケーションの5つのメリット

リロケーションのメリットはこちら。

それぞれ解説します。

メリット1. 賃貸中のトラブルは管理会社にお任せできる

不動産会社の営業イメージ
リロケーションでは、賃貸中のトラブルの対処を管理会社にお任せできます。

なぜならリロケーション会社は、オーナーが遠方に居る前提で動いてくれるため。

トラブル対応はエアコン故障だけでも大変

転勤や海外赴任で遠方にいる人が、トラブルに対処するのは大変です。

例えばエアコンが壊れただけでも、これだけの対応が必要です。

例)賃貸中にエアコンが壊れた場合の対応

  1. 入居者から現状を確認
  2. 業者を探して修理を手配
  3. 入居者と業者の日程を調整
  4. 当日の修理で分かった交換部品や新品入替などの費用確認と承認
  5. 再度入居者と業者の日程を調整
  6. 最終的な支払い

ハウスハウス

エアコンの修理だけで、こんなに大変なんだね。


家博士家博士

リロケーションでなく普通に賃貸に出しても、管理会社を使えば同じ様に手配してくれる。でもサービスの質に差があるよ。

普通の賃貸だと管理会社の質にバラツキがある

リロケーションと同じ様に、不動産会社に管理を依頼する方法もあります。

しかし普通の賃貸では、管理会社の当たり外れが大きく、きちんと管理してくれる不動産会社を見つけるのは簡単ではありません。

なぜなら1戸だけの管理では、不動産会社の利益はほとんど無く、適当に扱われてしまいがちだから。

不動産会社は、1戸だけの大家より、数十戸を任せてくれる大規模大家を優先します。

そのため、例えば空室が続き心配になって連絡しても、折返しの返事がないことも。

また適当な管理会社だと、勝手に修理を済ませて、後から高額な費用を請求する場合もあります。

リローケーションは1戸単位の賃貸を扱う前提で、管理費が割高なので、管理の質は安定しています。

メリット2. 空き家にするより家賃収入があってお得

家賃収入イメージ
リロケーションは、空き家にするより家賃収入がありお得です。

家賃収入があれば、家を維持する費用を家賃収入から支払えます。

家を維持するためには、次のような支払いが必要です。

  • 固定資産税・都市計画税
  • 修理や補修・草木の手入れなど
  • (住宅ローンがあれば)住宅ローン返済
  • (マンションでは)管理費・修繕積立金
  • 電気・ガス・水道の基本料金
  • 空き家管理の費用又は、定期的に見に行く交通費

メリット3. 空き家を管理する手間がかからない

空き家イメージ
リロケーションで貸せば、空き家で必要な『管理の手間』がかかりません。

空き家にしていると、次のような心配があり、一定の管理が必要です。

  • 締め切ることでカビやダニなどが発生する
  • シロアリ被害で家の建て替えが必要になる
  • イタチ・テン・犬・猫による糞害の恐れ
  • 放火や不法侵入、不法投棄の恐れ
  • 庭の草木の手入れ
  • 台風や大雨で家に被害がある恐れ
  • 外壁や瓦などが強風で飛び、通行人が怪我をする恐れ

ハウスハウス

最近は台風被害も多いから、色々心配だね。


家博士家博士

空き家を巡回するサービスもあるけど、月1〜2万円で月1回点検してくれるだけなんだ。

メリット4. (会社によっては)帰任が早まっても3〜6ヶ月で保証される

スケジュールイメージ
リロケーションでは、(会社によりますが)帰任が早まった場合に3〜6ヶ月で入居が保証されます。

ただしリロケーション会社によって条件が違うので、契約前に確認しましょう。

ちなみに普通の賃貸契約だと、入居者が退去するまで、5年でも10年でも待つしかありません。

また定期借家契約は、契約期間が終了すれば退去できますが、契約期間中の途中退去は入居者のみ可能。

オーナーの都合で途中退去はできません。

メリット5. (サブリースなら)空室リスクがない

リロケーションには契約の種類がいくつかありますが、サブリースなら空室で家賃が入らない心配がありません。

ただしサブリースは、家賃が安くなってしまいます。

サブリース契約とは
貸主(サブリース業者)が建物の所有者(オーナー)から借りた物件を入居者に貸す、いわゆる「転貸借」する契約のこと。
空室でも、オーナーに家賃が払われる代わりに、家賃は2〜3割安くなります。
【参考】国土交通省・サブリース住宅標準契約書』について

ハウスハウス

リロケーションは便利だね。


家博士家博士

ただし注意点もあるよ。

リロケーションの5つの注意点

リロケーションには次の5つの注意点があります。

それぞれ解説します。

注意点1. (普通に貸すより)家賃が安い

安くなるイメージ
リロケーションでは、普通借家契約と比べて家賃は安くなります。

なぜならリロケーションは、住める期間が決まっている定期借家契約になり、入居者に避けられるため。

契約期間が短いほど入居者には敬遠され、家賃は安くなります。

具体的な値引き幅はエリアなどにより違いますが、だいたい下記のイメージです。

定期借家で家賃が安くなる例

  • 2年契約の場合…20〜30%引き
    (周辺の家賃相場が10万円の場合、7〜8万円)
  • 3年契約の場合…10〜15%引き
    (周辺の家賃相場が10万円の場合、8万5千円〜9万円)
  • 4年契約の場合…5〜10%引き
    (周辺の家賃相場が10万円の場合、9万円〜9万5千円)

ハウスハウス

2年だと2〜3割か、結構安くなるんだね。


家博士家博士

安くなるだけじゃなく、管理費の支払いも増えるよ

注意点2. (普通に貸すより)管理費が高い

費用イメージ
リロケーションでは、普通の賃貸より管理費が高くなります。

普通の賃貸は、管理費が家賃収入の0〜5%程度。

リロケーションでは、管理費の目安が5〜10%程度。
戸建てかマンションか、転勤先が国内か海外かなど、条件によって違います。

また家賃を毎月送金してもらう振込手数料(法人だと約千円弱)が必要な会社もあります。

契約する前に、手数料などの費用の詳細を確認しましょう。

注意点3. 家が傷む

リフォームイメージ
リロケーションでは、入居者次第で家が傷んでしまうことも。

賃貸に住む人は、所有者に比べて『家をキレイに使う意識』が高くありません。

また丁寧に住む人でも、人が生活する以上は多少の傷や劣化があるもの。

昔は退去時に入居者へ現状回復費用を請求できましたが、最近は大部分がオーナー負担になっています。

国や東京都のガイドラインでもオーナー負担が明記されており、ネットなどで情報が広まっているため請求は困難に。
【参考】国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)
東京都の「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン(改訂版)」

退去時の現状回復費用として、家賃数ヶ月分かかると考えておきましょう。

注意点4. (会社によっては)契約期間が変更できない

変更できないイメージ
管理会社によっては、あらかじめ定められた契約期間が変更できません。

また最低契約期間が決まっている会社もあります。

予定より転勤期間が早まると、帰任後しばらく賃貸住宅で暮らすことになりかねません。

リロケーションの契約前に、契約期間の変更も確認しておきましょう。

注意点5. (サブリース以外では)空室リスクがある

空室リスクイメージ
リロケーションに出しても、入居者が見つからずに空室の間は、家賃収入が無く管理費の支払いだけ続くことに…

これでは空き家を有効活用するどころか、ただの負担になってしまいます。

特に定期借家は、入居期間が決まっているため、家賃を下げても入居者が見つかりにくい問題があります。

ハウスハウス

じゃあ、サブリース契約なら良いの?


家博士家博士

サブリースは家賃がさらに安くなるよ


空室リスクを避けるためには、サブリース契約を選ぶ方法もあります。

しかしサブリース契約の家賃は、定期借家よりさらに2〜3割安くなり、相場の半値以下になることも。

入居者が退去した後の現状復旧費用を含めると、元が取れない恐れもあります。

現状復旧費用の目安を確認して、賃貸の収支をシミュレーションした方が良いでしょう。

以上、リロケーションのメリットと注意点を解説しました。

次にリロケーションを利用する場合の依頼方法です。

リロケーションの依頼方法

リロケーションの依頼は、遅くとも家を空ける1〜2か月前までには済ませたいもの。

入居者募集から実際の入居までは数ヶ月かかることもあるため、転勤が決まったらなるべく早めに動きましょう。

リロケーションを依頼する際の大まかな流れは次の通り。

リロケーションの依頼方法
① リロケーション会社に相談する

② 賃料や敷金、礼金といった契約条件の打合せ

③ (必要に応じて)リフォーム工事

④ 入居者の募集開始、入居者決定

⑤ リロケーション会社との契約書締結(入居者決定前の場合もあり)

⑥ 入居者との賃貸借契約締結(転貸ではなし)

⑦ 物件の引き渡し

⑧ 家賃の受取り(管理費等が差し引かれて送金される)

入居者の募集方法などは会社によっても変わります。

入居者がすぐに見つかるかどうかは、会社の腕の見せどころ。

複数のリロケーション会社から話を聞き、管理費などの費用はもちろん、入居者の募集方法なども聞き比べるようにしましょう。

リロケーション会社の選び方

リロケーション会社を選ぶ基準は次の2つ。

  1. 会社としての実績と信頼性で問題ないか?
  2. 契約内容は希望通りか?

それぞれ解説します。

基準1. 実績と信頼性は問題ないか?

まず会社として実績と信頼性に問題ないかを確認しましょう。

具体的には次の内容をチェックします。

管理戸数と営業年数

実績が豊富な会社は、管理戸数と営業年数を公表しています。

管理戸数は多いところで十万戸以上の規模になります。

少なくとも数千戸は無いと不安なところ。

営業年数は、2000年の借地借家法改正以降の参入が多いですが、ある程度長いほうが安心です。

法人契約の数

リロケーションの実績が豊富な会社は、転勤が多い法人と提携しています。

多いところでは1万社以上と契約していることも。

法人契約が多いほど、集客力もあるので安心です。

募集ルートと提携不動産会社

入居者の募集ルートは、提携法人と通常の広告、そして提携不動産会社の営業があります。

主要な不動産ポータルサイト(SUUMO、HOME’S、athome)への掲載は少なくとも必要ですし、それ以外の集客の強みがあるほど良いでしょう。

契約の選択肢が豊富か

実績が豊富な会社は、契約の選択肢も豊富です。

次章で解説する契約の種類が、選択肢として選べる会社の方が、あなたに最適な条件を選びやすいでしょう。

海外転勤への対応

海外転勤では、所得税の源泉徴収が必要な場合もあります。

その場合は、確定申告で税金が戻ってくるのでその代行手続きをしてくれる会社が良いでしょう。

また国内に代理人が居ないと、契約できない会社も多くあります。

いずれも海外転勤に慣れている会社なら対応しているので、確認しておきましょう。

【参考】国税庁・非居住者に対する課税

営業担当・窓口の対応は信頼できるか

営業担当や窓口の対応が信頼できるかも大切です。

リロケーションは、初めて賃貸に出すオーナーが多いので、契約内容で分からないことも多く不安なもの。

契約前に分からないことを全てクリアにしておかないと、後でトラブルになる恐れがあります。

また2021年6月に「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」(サブリース新法)が施行され、賃貸住宅管理業の登録が始まりました。

それだけサブリースに関するトラブルは多く、社会問題化しています。

複数の会社に話を聴き比べて、信頼できる会社を選びましょう。

基準2. 契約内容は希望通りか?

リロケーション契約の内容は様々で、会社によって大きく違います。

あなたの希望する内容で契約できるか、次の内容をチェックしましょう。

サブリース(転賃借)か管理のみか

リロケーションの契約は、サブリース(転賃借)と受託管理(代行)の2種類に分かれます。

サブリース方式

サブリース方式

受託管理方式

受託管理方式

出典:公益財団法人日本賃貸住宅管理協会

サブリースは空き家や滞納のリスクがなく、確実に毎月家賃が入ります。

一方で家賃は相場より2〜3割安くなってしまうデメリットも。

駅から徒歩7分以内や築浅のマンションなど、賃貸需要が多い物件ではサブリースでなく、受託管理(代行)で契約する方が手取りが多いかもしれません。

空室期間の見込みもヒアリングして、サブリースか管理のみか決めると良いでしょう。

契約期間は希望通りか、明渡保証の有無

リロケーションでは、定期借家契約が基本です。

普通賃貸契約では、入居者がいつまでも明渡してくれない恐れがあるので、必ず定期借家契約で契約しましょう。

また定期借家契約では、契約期間が自由に選べます。

契約期間が短いと、明渡しがスムーズになるメリットがありますが、その分だけ家賃は相場より安くなってしまいます。

あなたの戻る予定に合わせて、それより少し短い期間で契約できれば理想的でしょう。

また明渡し保証があれば、万が一明渡しが遅れても、費用を保証してもらえます。

明渡し保証についても確認しておきましょう。

家賃滞納保証の有無

サブリースでない場合は、家賃の滞納保証についても確認しましょう。

最近は保証会社を利用して入居者の滞納を保証するケースが多いですが、保証会社も小さなところだと倒産リスクがあります。

2008年には保証会社リプラスが倒産して、家賃が回収できない事件もありました。

使っている保証会社も確認しておきましょう。

設備修理費用の負担条件

リロケーション会社によっては、設備修理費用を一定金額まで負担してくれる会社もあります。

ただし築年数や金額の上限など利用には条件があり、また管理費が高くなってしまうデメリットも。

他の条件と比較して、判断すると良いでしょう。

家賃の査定価格

リロケーション会社によって、家賃の査定価格も違います。

あなたの希望する条件ならいくらで貸せるか、複数の会社に査定を依頼した方が、相場が分かるでしょう。

家賃相場をまとめて査定できる一括査定サイトもあります。

次に具体的にリロケーションを利用できる会社を紹介します。

主要なリロケーション会社

主要なリロケーション会社は、次の3社があります。

リロケーション・インターナショナル(リロの留守宅管理)

リロ

  • 社宅管理件数18万件
  • 提携法人1万社以上
  • 賃貸期間: 2年〜6年で設定可
  • 賃料支払保証、施設賠償責任保険付帯、退去査定支払い保証、明渡し保証、買取保証(事故時の物件買取)

1984年に日本で初めてリロケーションサービスを始めた会社で、実績も豊富。

取引先は大手企業を中心に法人1万社以上で、入居者の多くがこうした大手企業の社員です。

全国の広いエリアで対応可能。

3ヶ月前の解約通知で、急な帰任でも安心です。

オプションサービスとして、上限5万円までの設備メンテフリーサービス、海外赴任の特定確定申告サポートサービスなどもあり。

リロケーションだけでなく、普通賃貸契約の賃貸管理もあります。

公式サイトはこちら
リロの留守宅管理

東急住宅リース(東急リバブル)

東急住宅リース

  • 賃貸管理戸数約10万件
  • 提携法人421社
  • 賃料支払保証、明渡し保証

東急リバブルなど、東急グループの賃貸住宅管理事業を統合してできた東急住宅リース。

大手不動産会社のグループ企業だけあって、安心感があります。

定期借家契約となるリロケーション以外にも、転勤を機に普通借家契約で貸して投資物件とするプランも。

オプションサービスとして、上限5万円までの設備メンテフリーサービスもあり。

関東・関西・仙台エリアで利用可能。

各種費用や契約詳細が明示されており、安心して利用できます。

公式サイトはこちら
東急住宅リース

ダーウィン

ダーウィン

  • 賃貸管理戸数 非公開
  • 提携法人 非公開
  • 賃料支払保証、明渡し保証

契約者の70%が法人企業なので、入居者のほとんどがこうした企業の社員。

対応エリアは関東および関西となります。

解約通知は3ヶ月前なので、急な帰任でも安心して自宅に帰れます。

オプションサービスとして、設備メンテフリーサービスもあり。

公式サイトはこちら
ダーウィン

一括査定サイトもある

複数の不動産会社へ賃料の査定を依頼できる一括査定サイトもあります。

HOME4U賃貸

NTTデータグループのHOME4Uなら、あなたにピッタリの管理会社が探せます。

賃貸の実績が豊富な優良企業が全国70社以上参画。

あなたの条件に応じて、サブリースや定期借家も相談できます。

NTTデータグループのHOME4U一括無料相談はこちらから
【HOME4U】賃貸経営

まとめ

ここまで『リロケーションは転勤に最適? 失敗しないために知っておきたい注意点とは』として解説してきました。

リロケーションは、戻る予定が確実な転勤に最適な選択肢です。

ただしリロケーション会社によって条件が違うので、複数の会社に話を聴き比べて選びましょう。

また戻る予定がない転勤であれば、売却も考えた方が良いでしょう。

普通の賃貸という選択肢もありますが、デメリットも多いのでよく比較して決断してください。

あなたとご家族の幸せに最適な家の選択肢が見つかり、転勤が成功されることを、心よりお祈りしております!

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue
    おすすめ1位
    すまいValueバリュー
    査定実績:
    77万件(2016年開始)
    不動産会社数:
    大手6社(全国875店舗)
    運営会社:
    大手6社共同運営
    三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー
    実績 5.0
    不動産会社 4.5
    運営会社 5.0

    大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国875店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
    2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
    簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
    さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

    管理人のコメント

    地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
    しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

  2. 【公式サイト】すまいValue


  3. SRE不動産
    おすすめ2位
    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    査定実績:
    (2014年開始)
    不動産会社数:
    売主側1社(買主側多数)
    運営会社:
    SREホールディングス(東証PRM)
    実績 4.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 5.0

    すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
    あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
    さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

    管理人のコメント

    エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

  4. 【公式サイト】SRE不動産


  5. HOME4U
    おすすめ3位
    HOME4Uホームフォーユー
    査定実績:
    累計50万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    2,100社
    運営会社:
    NTTデータ・スマートソーシング
    実績 5.0
    不動産会社 4.0
    運営会社 4.0

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
    不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
    さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
    ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
    あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U

各エリアで最適な組み合わせ



エリア別のオススメ一括査定サイト

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

  • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてエージェント制のSRE不動産にも話を聞くと良いでしょう。

  • その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)

    →まずすまいValueで大手に、あわせてHOME4Uでエリアに特化した中小にも話を聞くと良いでしょう。

  • 地方(人口密度が少ない地域)

    →まずHOME4Uで探し、数が少なければSUUMOHOME’Sも使ってみると良いでしょう。