「家を売る前に、リフォームは必要?」
家の売却前にリフォームをするかお悩みですね。
確かに内装が古くて売れない家は、リフォームで売りやすくなります。
しかしリフォームにかかった費用を売却価格に上乗せできないと、トータルで損する結果に。
この記事では、売却前にリフォームすべきか、国土交通省の調査結果から検証します。
リフォームについてあなたの疑問が解決し、家の売却が成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。
この記事のもくじ
個人は売却前にリフォームしないのが正解
結論からいうと、個人で家を売る場合、基本的にはリフォームをしない方が正解です。
個人のリフォーム成功率は17.6%
国土交通省の調査によると、家を売る前にリフォームをした結果、成功した割合は…
- 不動産会社(転売業者)が売主: 74.8%
- 個人が売主: 17.6%
個人で家を売る前にリフォームしても、成功するのは2割以下と難しいことが分かります。

でもリフォームした方が、家は売れやすくなるんじゃないの?

売れやすくなるのは確かだね。
でもリフォームにかかった費用以上に売値が高くならないと、成功とはいえないんだ
成功とはリフォーム費用以上に高く売れること
ここでリフォームの成功とは、リフォームにかかった費用以上に売却価格が高くなること。
次のイメージです。
しかしリフォームをしたのに、リフォーム費用より売却価格を高くできない場合、売却で損をすることになります。
次のイメージです。
最低限の修繕や部分リフォームは必要な場合も
なおここで売却前にしない方が良いリフォームとは、ある程度しっかりしたリフォーム(50万円以上)のこと。
売却に必要な最低限の修繕・部分リフォーム(50万円未満)は有効な場合も多いので、不動産会社に相談したほうが良いでしょう。
最低限の修繕については、こちらの別記事をお読み下さい。
家の売却前に最低限の補修は必要ですが、部分的な補修で十分です。売却前の補修・リペアの程度を知る方法とお得な補修方法について解説します。

そうかぁ、リフォームしても損することがあるんだ。

個人は失敗することが多いね。
不動産会社が成功しているのには、ちゃんと理由があるんだ。
不動産会社がリフォームで成功する3つの理由
ここでの不動産会社とは、「転売業者・買取再販業者」などといわれる、中古住宅を買取り一般の人に転売する業者のことです。
この不動産会社(転売業者・買取再販業者)がリフォームに成功する理由は次の3つ。
それぞれ解説します。
理由1. スケールメリットで工事費が安いから
不動産会社がリフォームに成功する理由は、個人に比べて不動産会社のリフォーム工事費用が圧倒的に安いため。
不動産会社のリフォーム単価は、個人が発注する場合の6割〜8割です。
不動産会社のリフォーム単価が安い理由は、リフォーム工事の件数が多く、リフォーム業者と安定して取引があるため。
大規模な会社は、自社で職人を抱えてリフォーム業をしているところもあります。

リフォーム費用が安いなんてズルいなー

不動産会社は年間何十件も安定して工事を依頼するからね。リフォーム業者が優遇するのは仕方ないよ。
個人で安くリフォームするなら相見積もりで
業者価格ほど安くなりませんが、個人でリフォーム費用を少しでも安くするなら、最低でも3社以上から相見積もりをとりましょう。
相見積もりならホームプロが最大手
- 対応エリア: 全国
- 相見積り: 最大8社比較
- 登録会社数: 1,200社
ホームプロは、10年連続でリフォームサイト利用者数1位(リフォーム産業新聞による)
日本初のリフォーム会社紹介サイトとして、2001年のサービス開始から利用会員数が累計80万人以上、累計成約件数10万件以上、累計取扱高2,000億円という、ダントツの実績があります。
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電話や訪問などで直接営業される心配がありません。
リフォーム業者の比較サイトをまとめ、おすすめ4社をピックアップ。リフォーム比較サイトなら、あなたのエリアで実績が豊富なリフォーム業者に、まとめて相見積もりを依頼できます。また見積比較や業者選びの注意点も解説しました。
理由2. 再販リフォームのノウハウが豊富だから
さらに転売業者は、管理労力をかけてリフォームコストを削っています。
リフォーム費用を安くするために、事前にしっかりプランを練り、ムダなリフォームは避けているのです。
先ほどの国土交通省の調査によると、不動産会社(転売業者)は、
- 平均313万円程度のリフォーム金額で
- 平均479万円を売り値に上乗せしています。
リフォーム経験があれば分かると思いますが、313万円で出来る工事は限られます。
この限られた予算で最大限の価値向上をするために、転売業者はポイントを絞ってリフォームを徹底管理。
例えば使用する材料も、目立たない壁紙や下地材は安価な材料にするなど、メリハリを付けて工事をしています。

不動産会社ならできるの?
それじゃあ売却を依頼する不動産会社にお願いすれば良いの?

売買の媒介をしている不動産会社には難しいんだ
媒介契約を結ぶ不動産会社には難しい
売却を依頼する不動産会社は、リフォームコストを転売業者レベルまで削減できません。
理由は2つあります。
売買仲介の不動産会社はリフォーム単価が安くない
不動産会社だからといって、かならずしもリフォーム単価が安いわけではありません。
転売業者は大量の工事を発注しているからリフォーム単価が安いのです。
普通の不動産会社の場合は、個人がリフォーム会社に直接頼むより高い場合もあります。
売買仲介は利益が少なく手が回らない
売買仲介では利益がわずか(3%+6万円)なのでリフォームのコスト削減まで手が回りません。
リフォームコストを下げるノウハウを駆使するためには、計画や工事管理に大変手間がかかります。
転売業者場合、売却価格に上乗せされた金額全てが利益になりますが、売買仲介ではわずか3%+6万円。
1人の営業マンは同時に複数の売却案件を抱えるため、手間をかけてリフォーム価格を抑えるのが難しいのが現実です。

不動産会社といっても、転売業者と売買仲介では得意分野が違うんだね。

家の価格が500万円高くなっても、売買仲介の手数料は15万円増えるだけだからね。
それより1件でも多くの不動産を売った方が利益になる。
理由3. 不動産会社は売却で有利だから
売却前のリフォームで、個人より不動産会社が高く売れる理由には、売却で有利だからということもあります。
不動産会社が売主だと、個人の売主とは次の点で違います。
この様に、そもそも不動産会社は個人の売主に比べて有利なので、高く売れるのです。

でもリフォーム無しで本当に売れるの?

リフォームしない状態でも買う人はいるよ。
リフォーム無しでも売れる
買主の約2割は自分でリフォームしたい
買主の19.4%はリフォームをする予定で購入しています。
中古住宅を購入した人へのアンケート調査によると、購入理由は複数回答で次のような理由でした。
- 希望エリアだったから(69.7%)
- 手頃な価格だったから(69.7%)
- 良質な物件だったから(51.0%)
- 新築にはこだわらなかったから(33.1%)
- 早く入居できるから(27.5%)
- リフォームするつもりだったから(19.4%)

自分でリフォームしたい買主も多いんだね。

自分でリフォームした方が、好みの内装にできるからね。
自分でリフォームした方が好みの内装にできる
買主は自分でリフォームした方が好みの内装にできます。
特に予算が限られていると、自らの価値観で優先順位を付けて振り分けられるメリットは大きいでしょう。
ちなみに購入後にリフォームした内容はこちらでした。
- 内装(壁・床): 81.5%
- トイレ: 70.2%
- キッチン: 48.3%
- 浴室・洗面: 47.7%
- 冷暖房(床暖房など): 32.5%
- 建具(窓・扉など): 21.2%
(社団法人 不動産流通経営協会「不動産流通業に関する消費者動向調査」2014年)

そうか!
そもそも買う人は自分好みにリフォームしたい人が多いんだ。

特に最近はリフォームを楽しむ人が増えている。
実際に個人の売主では、9割以上がリフォーム無しで売れているよ。
個人の9割以上がリフォームせず売却している
実際に個人売主の9割以上が、リフォームをせずに売却しています。
(出典:不動産流通業に関する消費者動向調査2014年)

9割がリフォーム無しでも売れているんだ!
じゃあ買主はみんなリフォームしているの?

買主の約4割が購入後にリフォームしているよ。
買主の約4割が購入後にリフォームしている
国土交通省の調査によると、買主の約4割(39.2%)が中古住宅購入後にリフォームしています。
(出典:国土交通省・住宅市場動向調査令和3年度)

残りの約6割は、リフォームしていないの?

築浅だったり、買取再販業者の売主もあるからね。
買取再販業者は7割以上がリフォームを実施
買取再販業者はマンション74.5%、戸建住宅74.3%でリフォームを実施して再販しています。
(出典:国土交通省・参考資料より)
やはり買取再販業者は、低コストでリフォームして、目一杯価格を高く設定して売る方が、利益を最大化できます。
中古住宅のオープンハウスは多くが綺麗にフルリフォームされた状態ですが、このほとんどは買取再販業者の再販売です。

リフォーム無しでも売れるんだね。
でも不動産会社にリフォームを勧められたらどうしよう?

他の不動産会社にも意見を聞いてみた方が安心だね。
もし不動産会社にリフォームを勧められたら?
他の不動産会社の意見も聞いてみる
もし不動産会社からリフォームを勧められたら、他の不動産会社の担当者の意見も聞いたほうが良いでしょう。
他の不動産会社も同意見でリフォームを勧めるのであれば、リフォームすべきと判断できます。
部分的な劣化や汚れが目立つ場合は、最低限のリフォームが必要な場合もあります。
また競合が多いと、差別化を図るためにポイントを絞って最低限のリフォームをするケースも。
リフォームする場合は、過去のリフォーム事例を確認して、本当に必要なリフォームだけに絞りましょう。
売却実績が豊富な不動産会社3社以上に
リフォームについて意見を聞くなら、売却実績が豊富な不動産会社を選びます。
なぜなら売却実績が豊富な不動産会社であれば、必要なリフォームを的確に判断できるため。
ただし担当者の当たり外れもあるので、3社以上に聞く方が確実です。

売買実績が豊富な不動産会社ってどこなの?

不動産会社の心当たりが無ければ、一括査定サイトを利用すると便利だよ。
一括査定サイトの定番3社
一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。
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おすすめ1位
すまいValue - 査定実績:
- 40万件(2016年開始)
- 不動産会社数:
- 大手6社(全国900店舗)
実績 5.0 不動産会社 4.5 運営会社 5.0 大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国900店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
2023年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細 -
おすすめ2位
SRE不動産(旧ソニー不動産)- 査定実績:
- (2014年開始)
- 不動産会社数:
- 売主側1社(買主側多数)
- 運営会社:
- SREホールディングス(東証PRM)
実績 4.0 不動産会社 4.0 運営会社 5.0 すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細管理人のコメント
エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。
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おすすめ3位
HOME4U - 査定実績:
- 累計50万件(2001年開始)
- 不動産会社数:
- 2,100社
- 運営会社:
- NTTデータ・スマートソーシング
実績 5.0 不動産会社 4.0 運営会社 4.0 日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績50万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細管理人のコメント
HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。
【公式サイト】すまいValue
【公式サイト】SRE不動産
【公式サイト】HOME4U
各エリアで最適な組み合わせ
あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。
- 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)
- その他の都市(札幌・仙台・名古屋・福岡など)
- 地方(人口密度が少ない地域)
まとめ
個人が売主の場合は、売却前にリフォームをしない方が、トータルで得になりがちです。
ただし部分的なリフォームは必要な場合もあるので、不動産会社に相談しましょう。
不動産会社に相談するなら、エリアで売買実績が豊富な3社以上に無料査定を依頼して下さい。
リフォームをする場合はこちらも合わせてお読み下さい。
リフォーム・リノベーションでよくある5つの失敗と失敗しないための6つの注意点を解説します。あなたの大切な家が、リフォームよって取り返しのつかない失敗をしないために、この記事がお役に立てば幸いです。
マンションのリフォームやリノベーションは多くの法律やルールが関係するため、思わぬ失敗をすることも。中古マンションをリフォーム・リノベーションする際の注意点や失敗例をまとめました。
あなたの家の売却が成功することを、心よりお祈りしております!