相続イメージ
「相続で不動産を共有名義にするとダメなの?」

不動産の相続で共有名義にするかお悩みですね。

共有名義なら手続きも簡単で、モメる心配も無さそうだと思いがち。

しかし不動産を共有名義にすると、後々トラブルになりやすく、最悪の場合はあなたの子供にまで大きな迷惑をかける恐れもあります。

この記事では、相続で不動産を共有名義にする問題点と、共有名義を避ける方法についてまとめました。

親御さんの相続が上手くおさまり、あなたや親族に最適な結果になるために、この記事がお役に立てば幸いです。

不動産の共有名義とは

複数の人が所有すること

不動産の共有名義とは、1つの不動産を複数の人が所有すること。

相続の場合、複数の相続人がそれぞれ持分の比率で共有し、共有名義で相続登記します。

特に遺産の大部分が自宅だった場合、とりあえず共有名義で法定相続人に分けることがよくあります。

法定相続人の順位と割合は決まっている

相続では、法定相続人の順位と割合が決まっています。

法定相続人の順位と割合

  1. 故人の配偶者は必ず相続人になる。
  2. 配偶者と、第1〜3のどれか1つの順位の人が一緒に相続する。
    第1順位…故人の子供1/2、配偶者1/2
    第2順位…故人の親1/3、配偶者2/3
    第3順位…故人の兄弟1/4、配偶者3/4
  3. 前の順位の人が全くいない場合は、次の順位の人が相続する。
  4. 配偶者がいなければ、その順位の人がすべて相続する。
  5. 一つの順位に複数の人がいる場合は、人数で等分する。
    例)奥さんと子供2人⇒奥さん1/2、子供1/4ずつ

【参考】国税庁・No.4132 相続人の範囲と法定相続分

ただし遺言や遺産分割協議で持分比率は自由に変えられる

相続では、法定相続人が全員同意すれば、相続する財産は自由に決められます。

すべての相続人に最低限の遺留分を請求する権利はありますが、請求せずに相続しないことも自由。

つまり不動産の共有持分も、相続人が全員納得すれば自由に決められます。

民法改正で配偶者居住権が新設された

民法改正(2020年4月施行)によって、新たに配偶者居住権が新設されました。

これにより、所有者が亡くなった不動産に配偶者が無償で住み続けることができます。

他の金融資産と合わせて、不動産は共有名義にすることが多くなるでしょう。
配偶者居住権
【参考】法務省・民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律について(相続法の改正)

ハウスハウス

共有名義は、不動産をそのままで、権利だけ分けられるんだね。
便利そうだけど何が問題なの?


家博士家博士

共有名義には4つの注意点があるんだ

相続で共有名義にする4つの注意点

相続で不動産を共有名義にすると、4つの注意点があります。

それぞれ解説します。

注意点1. 維持費の負担でトラブルになりやすい

相続で不動産を共有名義にすると、維持費の負担でトラブルになりがち。

不動産は所有しているだけで次の様な維持費がかかります。

  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 火災保険、地震保険、その他保険
  • 最低限の水道光熱費
  • 庭木などの手入れ費用
  • 外壁塗装などの定期的な補修費用
  • (マンションでは)管理費
  • (マンションでは)修繕積立金
  • ローンが残っていれば返済(利子、元本)

また賃貸に出すなら

  • (貸して利益が出れば)所得税・住民税他
  • 入居募集の広告料・手数料
  • 賃貸中の設備修理費
  • 退去後のリフォーム費用

ハウスハウス

結構、いろんな費用がかかるんだね。


家博士家博士

空き家にしていると家が傷むし、手入れも大変。
かといって共有人の一人が住むと、費用負担でモメることが多いんだ。

一人が住むと維持費でモメやすい

相続したうちの一人がその家に住むと、維持費で揉めやすくなります。

なぜなら住んでいる人と住んでいない人の間で「家賃を払え」と「税金払え」の対立が起きがちだから。

相続した本人同士は仲が良くても、その配偶者がモメるケースが多いといわれます。

注意点2. 共有者の意見が対立すると何もできなくなる

相続で不動産を共有名義にすると、意見が対立したときに様々なことができません。

それぞれ共有人の判断でできることは、次の範囲に限られます。

1.共有人が単独でできること

共有人が単独でできるのは、

  • 保存行為(修繕や修理)
  • 自己持分の売却

ただし単独でできることは、あくまでも「他の名義人の誰もが不利益にならない場合」に限られます。

2.過半の持分で同意すればできること

共有持分の合計が過半数でできるのは、

  • 管理行為(部分的なリフォームなど)
  • 賃貸契約の締結や解除(建物3年、土地5年)

3.全員同意しないとできないこと

共有人が全員同意しないとできないのは、

  • 変更行為(大規模なリフォーム、土地に建物を建てるなど)
  • 全体の売却

例えば収益不動産では、意見の対立からリフォームができず、空室が増えるケースがあります。

また不動産を売却したくても、反対する共有人がいると売れません。

ようやく全員が同意して売れるようになった時には、維持管理できず価値が下がり、安値で手放すなんてケースもあります。

注意点3. 子が相続するとさらに大変

相続で共有名義になった不動産を子供が相続すると、さらに名義人が増えて、不動産の維持管理や売却は更に難しくなります。

共有人が増えて売却できなくなるリスク

共有人がどれだけ増えても、売却には全員の同意が必要です。

例えば、最初は数人で共有していた物件が相続され、気づけば10人以上が共有していることも。

共有人が増えるほど同意は難しくなり、中には売却価格に同意しない人や、ハンコ代で10万円を請求する人などもでてきます。

さらには音信不通の人もいると、ますます売却は困難に。

共有名義の結果、売るに売れない負動産になってしまう恐れがあります。

知らずに後から固定資産税や解体費用を請求されるリスク

共有名義が相続された結果、相続人が共有していることすら知らないケースも多くあります。

これらの土地を所有していることが都道府県に知られると、さかのぼって過去の固定資産税を請求される恐れも。

特に相続登記されずに2次相続される不動産で多く、所有者不明土地として社会問題になりつつあります。

国土交通省の平成28年度データによると、所有者不明となっている土地の面積は約410万haと、九州の面積(368万ha)以上。

各種法改正も進み、そろそろ所有者から税金や管理費用を徴収する動きがあるかもしれません。
【参考】国土交通省・所有者不明土地等対策

ハウスハウス

固定資産税って、所有期間中の全額を請求されるの?

家博士家博士

固定資産税は5年で時効だから、判明した時点から遡って5年分を支払うことになる

ただし自治体から差押えや納税の催促等があると時効が中断するため、5年以上前からの固定資産税を請求される恐れもあります。

また「特定空き家」に指定されると、行政代執行で解体され、解体費用を請求される恐れも。

特定空き家については、こちらで解説しています。

持分を投資家に売り安値で手放すリスク

相続で所有者が増えると、誰かが持分を第三者に売ってしまう恐れもあります。

自己持分の売却は単独でも可能。

共有名義の持分を購入するのは、不動産に精通した投資家で、かなり安値で購入します。

投資の目的は、他の共有人の持分を安値で買い増し、最終的に全てを手に入れて高値で売り抜けること。

このように共有名義の不動産がさらに相続されると、ますます問題が複雑になってしまう恐れがあります。

共有名義の不動産売却については、こちらで解説しています。

注意点4. 遺産分割後にトラブルになりやすい

相続で不動産を共有名義にすると、遺産分割協議は楽ですが、結局遺産分割後にトラブルが起きやすくなります。

なぜなら夫婦や親子でも考え方は違い、「損」か「得」かは感情の問題になってしまうため。

お互いが納得できる妥協案を出すのは難しいので、最後に残るのは損したと感じる側の恨みになりがちです。

遺産は少額な方がモメやすい

「遺産が高額な場合にモメるのでは?」と思うかもしれませんが、実は少額の方がモメるもの。

実際に、家庭裁判所の遺産分割調停件数(2018年度)を見ると、相続争いの76%は遺産が5,000万円以下。

全体の33%が1,000万円以下の相続争いとなっており、少額だから大丈夫とも言えないことがよく分かります。

家庭裁判所の遺産分割調停件数(2018年度)

相続争いの総件数7,507件のうち、

  • 遺産1,000万円以下の件数・・・2,448件(34%)
  • 遺産5,000万円以下の件数・・・3,097件(43%)
  • 遺産1億円以下の件数・・・780件(11%)
  • 遺産5億円以下の件数・・・490件(7%)
  • 遺産5億円超の件数・・・42件(0.6%)

出典: 司法統計

ハウスハウス

不動産の共有名義は問題が多いんだね。
他にどんな方法があるの?


家博士家博士

相続で共有名義を避けるには3つの方法があるよ。

共有名義を避ける3つの方法

相続で不動産を共有名義にしないためには、3つの方法があります。

共有名義を避ける3つの方法
  1. 現物分割
  2. 代償分割(価格賠償)
  3. 代金分割(換価分割)←これがモメにくい

それぞれ解説します。

方法1.現物分割

不動産のまま分割する方法

一つ目の方法は、不動産のままで持分比率で分ける方法。

しかし現実的に難しい方法です。

というのも建物はそもそも分割できません。

土地の場合は「分筆」というやり方がありますが、価値の評価が難しため、相続人同士で正しく分けることが困難なのです。

現物分割する場合は、不動産鑑定士など専門家に相談しないと難しいでしょう。

分筆については、こちらも合わせてお読み下さい。

方法2.代償分割(価格賠償)

一人が相続し、代償金を支払う

2つ目は不動産を特定の人が相続し、他の相続人へ代償金を支払う方法。

相続した不動産は単独名義になるので、共有名義は避けられます。

しかし代償分割の問題点として、不動産を相続した本人は他の相続人へ代償金を支払うため、多額の資金が必要という点があります。

代償分割については、こちらで解説しています。

方法3.代金分割(換価分割)

売却して代金を分ける

3つ目は不動産を売却し、代金を持分に応じて各相続人で分ける方法。

3つの選択肢の中では一番簡単な方法です。

相続税の期限が厳しい

しかし、売却によって得られたお金を相続税の納税費用に充てる場合は、期限が厳しいという注意点も。

期限があるために売り急いでしまうと安くなるため、売却価格でもモメる恐れもあります。

家博士家博士

相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内。
こうした期限がある分、どうしても厳しくなってしまうんだ

大手では相続税の建て替えなどのサービスもある

一部の大手不動産会社(住友不動産販売等)では、相続税の支払い期限までに売れないと、相続税を建て替えるサービスがあります。

また相続全てをトータルでサポートする三井のリハウスなどもあります。

不動産会社に売却を依頼するときは、相続サポートも含めて検討すると良いでしょう。

高く売るには優秀で信頼できる不動産会社を選ぶ

不動産を高く売るためには、優秀で信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。

具体的には、次の手順で探すと良いでしょう。

  1. エリアで売買実績が豊富な不動産会社を選ぶ
  2. 3〜6社へ無料査定を依頼して話を聴き比べ、信頼できそうなところを選ぶ

ハウスハウス

売買実績が豊富な不動産会社はどこ?


家博士家博士

都市部なら大手3社が強いね。


実績は大手3社が強い

売買仲介件数ランキング上位36社
(2024年3月)

不動産会社の売買仲介件数ランキング2024年3月

不動産売却の実績は、大手3社に偏っています

三井のリハウス住友不動産販売東急リバブルの3社は、仲介件数が2万件を超えており、大手の中でも圧倒的。

都市部で査定を依頼するなら、これら大手3社を中心に考えると良いでしょう。

ハウスハウス

大手3社は別格だね。


家博士家博士

3社もそれぞれ特徴があるから、解説しよう。

【大手1】三井のリハウス
38年連続で売買仲介件数1位

三井のリハウス

  • 店舗数 277店舗
    (首都圏174、関西圏45、中部圏25、札幌9、東北6、中国9、九州9)
  • 三井のリハウスは、38年連続で売買仲介件数1位と業界を代表する不動産会社。

    独自の査定システムは精度が高く、売主の約76%がほぼ提案価格(提案の95%以上)で成約しています。


    多くの購入希望者を抱えるため早く売れることも強みで、売主の65%が2ヶ月以内に成約するほど。

    また担当者のレベルが高いことにも定評があり、顧客満足度は96%と高評価です。

    家博士家博士

    業界を代表する会社だから、初めての売却ならまず話を聞いてみると良いよ。
    他と比較する基準にもなるからね。

    三井のリハウスの無料査定はこちらから
    三井のリハウス

    【大手2】住友不動産販売
    熱心な営業スタイルに定評

    すみふの仲介ステップ

    • 店舗数 203店舗
      (首都圏114、関西圏55、中部東海10、北海道8、東北3、中国7、九州6)

    住友不動産販売(すみふの仲介ステップ)は、営業マンの熱心な営業スタイルに定評があります。

    現在の購入希望者の登録数も公開しており、常に2万人を超える希望者が登録。

    自社ホームページの月間来訪者数は300万件以上、登録物件数は2万8千件以上と十分なスケールメリットもあります。

    家博士家博士

    スマートでクールな営業より人情深く熱心な営業が好みなら、他より出会える可能性が高いかも。


    【大手3】東急リバブル
    東急沿線や大型案件に強み

    東急リバブル

    • 店舗数 220店舗
      (首都圏141、関西圏45、名古屋11、札幌10、仙台6、福岡7)

    東急リバブルは東急電鉄系の不動産会社ですが、全国に店舗を持つのが特徴。

    東急電鉄沿線はもちろん、法人営業や投資物件にも強みを持っています。

    大手にまとめて査定を依頼するなら「すまいValue」

    大手3社にまとめて無料査定を依頼するなら、一括査定サイトの「すまいValue」が便利。

    すまいValueは、大手上位6社(三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー)が共同運営する一括査定サイトです。


    すまいvalue

    すまいValueの公式サイトはこちら
    すまいValue

    ハウスハウス

    とりあえず大手3社に査定を依頼すれば良いの?


    家博士家博士

    売却予定なら個人の相性もあるから、大手3社以外と比較した方が良い。
    首都圏・関西圏ならエージェント制のSRE不動産(旧ソニー不動産)、それ以外なら地域で実績No.1の会社にも査定を依頼しよう。

    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    売主だけを担当するエージェント制

    SRE不動産
    大手と比較するならSRE不動産(旧ソニー不動産)が良いでしょう。

    なぜならSRE不動産は、大手で問題になりがちな両手仲介が無いため。
    (※両手仲介とは売主と買主を同じ不動産会社が担当すること。大手は顧客を多く抱えるため、自然と両手仲介が多くなる。)

    SRE不動産は、業界初のエージェント制で売主だけを担当。
    買主は無数にある他の不動産会社が積極的に探します。

    結果として、大手にも劣らない販売力で、早く高く売れやすいことが最大のメリット。

    ただし営業エリアは首都圏・関西圏限定です。

    家博士家博士

    SRE不動産は業界でも両手仲介無しで知られているから、他社が競って営業してくれる。
    大手と話を聴き比べて、自分に合ってる方を選ぶと良いよ。

    SRE不動産(旧ソニー不動産)の公式サイトはこちら
    SRE不動産

    その他エリアは地域No.1を探す

    大手やSRE不動産の営業エリア外なら、地域で実績No.1の不動産会社を中心に選びましょう。

    実績No.1の不動産会社は、実績をアピールしているのですぐに分かります。

    不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトをいくつか併用すると良いでしょう。

    全国対応の主要な一括査定サイトとして次があります。

    その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。

    「小規模宅地の特例」を使う場合は、申告後に売却

    節税のために「小規模宅地の特例」を適用する場合は、申告時点で不動産を保有していなくてはいけません。(ただし、配偶者は除く)。

    「小規模宅地の特例」とは、相続税の評価額を圧縮し、相続税を節税できる特例です。

    【参考】国税庁・No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)

    そのため、「小規模宅地の特例」を利用して代金分割する場合は、次の手順になります。

    1. (売却を前提として)共有財産で申告
    2. 共有名義で相続登記
    3. 申告後に売却して、売却代金を持分比率で分ける

    なお所有権が移転するのは引き渡しのタイミングなので、申告期限前に売買契約を結んでも引き渡しが申告期限後であれば問題ありません。

    ハウスハウス

    相続をどうするか決めるのも大変だね。
    いつまでに決めたら良いの?


    家博士家博士

    決める期限は相続財産の総額によって違うんだ。

    決める期限は相続財産の総額による

    遺産の分割を決める期限は、相続財産の総額により次のどちらか。

    相続財産の総額が、

    • 基礎控除以下の場合
      →期限なし(申告も不要)
    • 基礎控除以上で特例を適用する場合や納税する場合
      →10ヶ月以内

    相続財産の総額が基礎控除以下の場合

    相続税の基礎控除額は次の式で求められます。

    基礎控除=3,000万円+600万円×法定相続人の数

    相続財産が基礎控除額以下だった場合は申告も納税もないので、申告期限もありません。

    相続財産とは

    この様なものが相続財産になります。

    • 現金
    • 預貯金
    • 不動産(土地・家屋)
    • 株式・投資信託
    • 債権(国債・公債・社債など)
    • 未回収の賃金など
    • 自動車
    • 貴金属
    • ゴルフ会員権
    • 借地権・借家権

    ※保険(生命保険・損害保険・自動車保険など)は、死亡保険金の受取人が指定されているものは、受取人固有の財産で、相続財産にはなりません。

    相続税のかからない財産

    1. 墓地・墓碑・仏壇・仏具
    純金製の仏具で相続税対策をする方もいます。
    2. 生命保険
    相続人の受け取り金額のうち、500万円×法定相続人数までは非課税
    【参考】国税庁・No.4114 相続税の課税対象になる死亡保険金
    3. 死亡退職金
    相続人の受け取り金額のうち、500万円×法定相続人数までは非課税
    【参考】国税庁・No.4117 相続税の課税対象になる死亡退職金
    4. 寄付金

    【参考】国税庁・No.4108 相続税がかからない財産

    相続財産の総額が基礎控除以上の場合

    相続財産の総額が基礎控除以上の場合は、遺産分割協議で10ヶ月以内に決めて、申告・納税しなくてはいけません。

    注意したいのは、特例で非課税になる場合も、特例を適用するために、10ヶ月以内に申告をする必要があること。

    申告をしないと、特例は適用できません。

    主な相続税の特例

    1. 配偶者の税額の軽減
    配偶者の相続は、法定相続分又は1億6千万円まで非課税
    (ただし相続開始10ヶ月以内に遺産分割をして遺産を受け取っている場合)
    【参考】国税庁・
    2. 小規模宅地の特例(特定居住用宅地等)
    故人の配偶者や同居していた親族などが、居住用の宅地を相続すると、330m2までは土地の評価額が8割減額(他に事業用宅地の減額もあり)
    【参考】国税庁・No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)
    3. 未成年者控除
    未成年の場合は、満18歳になるまで1年に付き10万円を控除
    【参考】国税庁・No.4164 未成年者の税額控除
    4. 障害者控除
    障害のある方の場合、満85歳になるまで1年につき10万円を控除(特別障害者の場合は20万円)
    【参考】国税庁・No.4167 障害者の税額控除
    5. 相次相続控除
    今回の相続開始前10年以内に相続税を払っていたら、2回目の相続税から一定額を控除
    【参考】国税庁・No.4168 相次相続控除
    6. 贈与税の控除
    相続開始前3年以内に支払った贈与税は相続税から控除
    【参考】国税庁・No.4161 贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)
    ハウスハウス

    10ヶ月以内に分割協議が終わらなかったら?

    家博士家博士

    終わらなくても期限内に申告しないといけないんだ。


    分割協議が期限までに終わらなかった場合は、民法などに規定されている割合に従い相続されたとして、一旦、申告・納税します。

    その際、申告書には「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付。

    そして3年以内に遺産分割協議を成立させ、最初に申告した税額よりも実際の税額が少ない場合には、分割協議の成立から4ヶ月以内に「更正の請求」をします。

    【参考】国税庁・No.4208 相続財産が分割されていないときの申告

    なお、10ヶ月以内に遺産が未分割の場合、最初の申告・納税時点では配偶者の税額軽減や小規模宅地の特例などが適用されません。

    しかし申告期限後3年以内の分割見込書を添付しておけば、更正の請求時に特例が適用されます。

    家博士家博士

    何もしないまま10ヶ月で未分割だと、本来は使える特例が使えず税金が増えてしまうんだ

    共有名義にするなら事前に決めておく

    共有名義の注意点を理解した上で共有名義にする場合は、後のトラブルを避けるために次の内容を事前に決めておきましょう。

    共有名義で決めておく項目

    ・管理について
    不動産は適切に管理しなければ、劣化が進み価値が下がってしまいます。
    誰が管理するのか、また費用負担はどうするのか決めておきましょう。
    ・誰かが住む場合
    名義人のうち誰かが住む場合は、たとえ身内であっても契約書を交わしておきましょう。
    賃料の支払いについても、きちんと決めておきます。
    ・収益物件の場合
    収益物件は賃料をどう分けるかだけでなく、管理責任の分担を決めておくこと。
    振り込みのルールも明確にしておきます。
    ・将来の売却時期の目安
    あらかじめ売却時期の目安を決めておきます。
    「何年後」など大まかでも構わないので、売却時期の目安を決めておきましょう。

    まとめ

    以上、ここまで相続で不動産を共有名義にする注意点、避ける方法などを解説してきました。

    相続トラブルを避ける対策は生前にしかできないものが多く、亡くなった後ではほとんどありません。

    亡くなった後に遺族ができることは、なるべく不動産の共有名義は避け、遺産分割協議で決めてしまうこと。

    「分割協議は大変だから」と安易に共有名義にしてしまうと、トラブルになる恐れがあります。

    それでも共有名義にする場合は、事前に内容を取り決めましょう。

    今は都市部を中心に、不動産価格が大きく値上がりしています。

    これから遺産分割協議をするなら、まずは今の不動産価格を確認してから話し合いましょう。

    不動産価格を確認するなら、エリアで売買実績が豊富な不動産会社3〜6社に無料査定を依頼します。

    不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利です。

    一括査定サイトの定番3社

    一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。 一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。 この3社以外についてはこちらにまとめています。

    1. すまいバリュー
      おすすめ1位
      すまいValueバリュー
      査定実績:
      87万件(2016年開始)
      不動産会社数:
      大手6社(全国841店舗)
      運営会社:
      大手6社共同運営
      三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー
      実績 5.0
      不動産会社 4.5
      運営会社 5.0

      大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国841店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
      2024年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
      簡易査定を選べば郵送やメールで概算価格の査定が可能。
      さらに詳しくはこちら⇒すまいValueの詳細

      管理人のコメント

      地方では大手より中小が強いエリアもあるため、HOME4USUUMOが良い場合もあります。
      しかし都市部では「すまいバリュー」が現状で最強の一括査定サイトでしょう。
      特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。営業マンの質もワンランク上です。

    2. 【公式サイト】すまいValue


    3. SRE不動産
      おすすめ2位
      SRE不動産(旧ソニー不動産)
      査定実績:
      (2014年開始)
      不動産会社数:
      売主側1社(買主側多数)
      運営会社:
      SREホールディングス(東証PRM)
      実績 4.0
      不動産会社 4.0
      運営会社 5.0

      すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。ただし利用できるエリアは首都圏と関西圏のみ。
      あのソニーが始めた不動産会社で、大手で唯一のエージェント制を採用。他の不動産会社が積極的に買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。またAI査定に定評があり、千社以上に技術を提供するほど。まずメールで概算価格だけ査定できます。
      さらに詳しくはこちら⇒SRE不動産の詳細

      管理人のコメント

      エージェント制は売主だけ担当し、買主は他の不動産会社が探すため、複数に売却を依頼するのに近い効果が期待できます。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで利用がオススメ。

    4. 【公式サイト】SRE不動産


    5. HOME4U
      おすすめ3位
      HOME4Uホームフォーユー
      査定実績:
      累計55万件(2001年開始)
      不動産会社数:
      2,300社
      運営会社:
      NTTデータ・スマートソーシング
      実績 5.0
      不動産会社 4.0
      運営会社 4.0

      日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績55万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
      不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
      さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細

      管理人のコメント

      HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
      ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
      あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
      不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

    6. 【公式サイト】HOME4U

    各エリアで最適な組み合わせ



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    • 首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)、関西圏(大阪・兵庫・京都・奈良)

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    • 地方(人口密度が少ない地域)

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    あなたのご家族の相続が、円満に解決することをお祈りしております。