「仲介手数料の相場は? 値引きできる?」
不動産会社の仲介手数料についてお悩みですね。
確かに不動産会社に支払う仲介手数料は安くしたいもの。
実際に購入時の仲介手数料は値引きできることがよくあります。
この記事で紹介する方法を試してみて下さい。
しかし売却時の仲介手数料は、値引きすると逆に損する恐れもあります。
この記事では、不動産売買の仲介手数料について、購入時と売却時でそれぞれ知っておきたい知識をまとめました。
あなたの不動産売買が成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。
この記事のもくじ
仲介手数料の相場
仲介手数料とは、不動産の売買契約が成立した際、不動産会社に支払う手数料。
家を売却する時と購入する時、どちらの場合でも仲介手数料を支払います。
仲介手数料の相場は?
不動産の売買では、上限いっぱいが相場だね。
仲介手数料の上限は、宅建法と告示で決まっている。
法律の上限いっぱいが相場
不動産売買の仲介手数料の相場は、宅建法の上限いっぱいが相場です。
ただし後で詳しく解説しますが、購入時は値引きできる可能性が高いでしょう。
仲介手数料の早見表
ちなみに家の売買価格ごとに仲介手数料はこちら。
家の売買価格 (税抜) |
仲介手数料 (税込) |
---|---|
500万円 | 231,000円 |
1,000万円 | 396,000円 |
1,500万円 | 561,000円 |
2,000万円 | 726,000円 |
2,500万円 | 891,000円 |
3,000万円 | 1,056,000円 |
3,500万円 | 1,221,000円 |
4,000万円 | 1,386,000円 |
5,000万円 | 1,716,000円 |
6,000万円 | 2,046,000円 |
7,000万円 | 2,376,000円 |
8,000万円 | 2,706,000円 |
上限は宅建法と告示で決まっている
仲介手数料の上限額
家の売買価格 | 仲介手数料の計算式 |
---|---|
200万円以下の部分 | 売買価格×5%+消費税 |
200万〜400万円の部分 | 売買価格×4%+消費税 |
400万円以上の部分 | 売買価格×3%+消費税 |
なんか難しいなぁ
400万円以上の場合は簡易式の方が分かりやすいよ
400万円を超える場合は簡易式が簡単
売買価格が400万円を超える場合は、次の簡易式の方が簡単です。
計算式中の「+6万円」は、400万円以下の部分に対する差額分。
- 表の計算式による仲介手数料
- 200万円以下の部分:200万円×5%+消費税=10万8,000円
200万円〜400万円の部分…200万円×4%+消費税=8万6,400円
400万円〜部分…2,600万円×3%+消費税=84万2,400円
合計…103万6,800円 - 簡易式による仲介手数料
- 3,000万×3%+6万円+消費税=103万6,800円
どちらの式でも、同じ金額になった!
800万円以下は同額になった
2024年7月1日から売買価格が800万円以下でも800万円と同じ「30万円+消費税」を請求できる様になりました。
(参考:空き家等にかかる仲介手数料の特例)
これは地方を中心として空き家が増加し、800万円以下の不動産が急増しているため。
800万円以下の不動産を売ろうとしても、仲介手数料が安すぎるために不動産会社が扱ってくれないことが多いのです。
ただし増額されたといっても30万円+消費税だけ。
積極的に広告活動をできる金額ではありません。
地方の空き家を売るのは、引き続き難しいことに変わりありません。
仲介手数料の値引きは売却と購入で違う
値引きは可能だが交渉が必要
不動産売買の仲介手数料の値引きは、売却時も購入時もどちらも可能です。
仲介手数料に関して法律で決まっているのはあくまで上限だけ。
不動産会社さえ合意すれば半額や無料でもかまいません。
ただし実際は仲介手数料の上限いっぱいの額を支払うことが多く、値引きにはそれなりの交渉が必要です。
購入時の値引きは比較的簡単
不動産を購入するときの仲介手数料は、比較的簡単に値引きできます。
理由として、買主側の不動産会社は売買にかける手間(営業費用)が少ないため。
買主側の作業量は取引全体の2割程度で、残り8割は売主側の不動産会社が作業します。
詳しくは後述の『購入時の仲介手数料の値引き』で解説しています。
売却時の仲介手数料は値引きが難しい
不動産を売却する時は、仲介手数料の値引きが難しくなります。
なぜなら売却時の仲介手数料値引きには注意点があり、無理に値引きすると逆に損する恐れがあるため。
売却時の値引き交渉は、値引きの注意点も理解した上で、冷静に判断しましょう。
売却時の値引きの注意点って何?
売却時の仲介手数料値引きには、3つの注意点がある。
売却時の仲介手数料値引き3つの注意点
売却時の仲介手数料の値引きでは、次の3つの注意点があります。
それぞれ解説します。
注意点1. 売値が安くなる恐れがある
仲介手数料を値引きすると、節約した手数料以上に売値が安くなり、結局損する恐れがあります。
なぜなら仲介手数料を値引きする不動産会社は、実績や売却力で競合に劣り、仕方なく値引きで集客していることが多いため。
また一部の悪質な不動産会社は、手数料の値引きをエサに、売主を騙すこともあります。
一方で実績豊富で優秀な不動産会社に無理に値引きを迫ると、担当者がそれなりの対応で手抜きする恐れも。
いずれにしても売値が安くなってしまい、トータルで損する恐れがあります。
詳しくは、次章の『売却時の手数料値引きで売値が安くなる4つの例』で解説します。
手数料数十万円を値引きしても、売値で数百万円損する
そもそも仲介手数料を値引きできたとしても、節約できるのはせいぜい数十万円程度。
一方の家の売値は、不動産会社次第で百万円単位で大きく変わります。
そのため仲介手数料の値引きよりも、家を高く売る方が、結果的に手元に残る金額は大きくなります。
ええ! でもお客なんだから、手数料を値引きしても普通に売ってくれるでしょ?
担当者は常に物件を5〜10件くらい抱えているから、どうしても優先順は下がる。
あと仲介手数料が安くなった分を、他でカバーすることもあるからね。
注意点2. 売却に有利なサービスが使えなくなる
仲介手数料を値引きすると、売却に有利なサービスが使えなくなってしまいます。
売却に有利なサービスとは、一部の大手不動産会社に売却を依頼すると無料で使えるサービス。
代表的なものに、建物保証・設備保証があります。
建物・設備を最長2年間保証
一部の大手不動産会社では、引き渡し後の建物・設備のトラブルについて、最長2年間の補修費用を無料で保証。
買主は安心して家を購入できるため、家が売れやすくなる効果があります。
買主の中には、建物保証・設備保証がある物件に限定して探す人も居るほど。
売却で大手が有利な大きな理由の一つとなっています。
大手だと無料で2年間も保証してくれるんだ!
他にも様々なサービスがあるよ。
他にも様々なサービスがある
建物・設備保証の他にも様々なサービスがあります。
- 売却保証(買取保証): 3ヶ月など期間限定で売れないと不動産会社が買い取る保証
- つなぎ融資: 家の買い替えで資金を融資
- ホームステージング: 高級家具などで家を演出
- バーチャルリフォーム・バーチャルホームステージング: 最新の3D技術で家の魅力を引き出す
こんなサービスがあるのは、どこの不動産会社?
大手4社だね。
大手4社のサービス
不動産会社の自社サービスが充実しているのは、大手4社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル・野村の仲介+)です。
大手4社のサービス比較
三井のリハウス | 住友不動産販売 | 東急リバブル | 野村の仲介+ | |
---|---|---|---|---|
建物調査・保証 | ○ | ○ | ○ | △OP |
設備調査・保証 | ○ | ○ | ○ | △OP |
買取保証 (売却保証) |
× | × | ○ | ○ |
自社買取 | × | × | ○ | × |
リースバック | × | × | ○ | × |
アクティブ売却パッケージ | × | × | ○ | × |
つなぎ融資 | ○ | ○ | ○ | ○ |
除菌・消臭 | × | × | ○ | × |
補修(リペア) | × | ○ | ○ | △OP |
掃除 | × | ○ | ○ | △OP |
3Dウォークスルー | ○ | △ | △OP | △ |
CGリフォーム | ○ | ○ | △OP | △OP |
バーチャルホームステージング | ○ | ○ | △OP | ○ |
ホームステージング | × | ○ | △OP | △OP |
プロカメラマンの撮影 | ○ | ○ | △OP | ○ |
荷物預かり・不用品処分 | × | × | △OP | △OP |
土地保証(埋設物撤去保証) | × | × | ○ | △OP |
土地保証(地盤調査保証) | × | × | ○ | × |
擁壁調査保証 | × | × | ○ | × |
仮測量 | × | ○ | ○ | × |
土地ステージング | × | △草刈りのみ | × | △OP |
相続税立替 | × | ○ | ○ | ○ |
※各サービスは各社で適用条件あり
※OPはオプションサービスでいずれかを選ぶ
大手4社だとこんなサービスがあるんだね。
でも仲介手数料を値引きすると、これらのサービスが使えなくなることが多い。
サービスの条件に、規程の仲介手数料を支払うことが含まれているからね。
注意点3. トラブルに巻き込まれる恐れがある
売却時の仲介手数料を値引きすると、トラブルに巻き込まれる恐れもあります。
なぜなら仲介手数料の値引きで不動産会社を選ぶと、売買実績が少ない不動産会社を選んでしまいがちだから。
売買実績が少ない不動産会社は、担当者の知識と経験が不足しているため、売却でトラブルになる恐れがあるのです。
トラブルの多くは売却後に起きる
トラブルの多くは売却後に起きます。
具体的には次のような事例。
- マンションの管理規約の説明不足(ペット条件・リフォーム制約)で、買主から契約解除を請求される。
- 戸建ての売却後に雨漏りやシロアリ被害が見つかり、補修費用を請求される。
- 土地の売却後に、埋設物や軟弱地盤・土壌汚染が見つかり、対策費用を請求される。
売買実績が豊富な不動産会社であれば、これらを全て契約文書に盛り込んで、トラブルを未然に防いでくれます。
個人間売買もトラブルになりがち
仲介手数料を節約する方法として、不動産会社を介さずに個人売買する方法もあります。
ただし個人間売買は、仲介手数料が安くなる以上に手間がかかり、トラブルになりがち。
再建築不可や瑕疵など訴訟に発展するリスクも高いため、親戚間の売買などを除き当サイトではおすすめしません。
個人間売買について詳しくはこちらの記事で解説しています。
直接個人間で家を売買することは可能ですが、意外と手間がかかり、運が悪ければトラブルになる恐れもあります。ここでは個人で家を売買するメリットとデメリット、失敗しないための個人間売買の流れをまとめました。
売却時は値引きすると、売値が安くなったり、サービスが使えず、トラブルになることもあるのか。
でもホントに売値が安くなるの?
売値が安くなる代表的な例として、次の4つがあるよ
売却時の手数料値引きで売値が安くなる4つの例
売却時に仲介手数料を節約して、売値が安くなる例として次の4つがあります。
それぞれ解説します。
例1. 自社買取で相場より2割以上安くなる
不動産会社による自社買取では仲介手数料がありませんが、売値が相場より2割以上安くなってしまいます。
ちなみに他社の買取業者に仲介されると、安くなった上に仲介手数料を取られるので、買取では自社買取の不動産会社を選ぶ方がお得です。
不動産会社による即時買取について、詳しくはこちらの記事で解説しています。
不動産の買取は最短1週間で売れますが価格は安くなりがち。しかし今なら高値で買取できるかもしれません。買取で高く売る4つのコツ、失敗しないための注意点を解説します。
買取はそんなに安くなるんだ。
よほど事情がない限り、普通に仲介で売る方が良いよ。
仲介でも1割下げれば、早く売れるからね。
例2. 販売力が弱い不動産会社で安くなる
売却で仲介手数料の大幅な値引きを目玉に集客している不動産会社は、注意したほうが良いでしょう。
なぜなら仲介手数料を大幅に値引きする不動産会社は、実績豊富な競合不動産会社に負けるため、仕方なく手数料を下げて集客していることが多いため。
売れずに値下げする結果になりがち
この様な不動産会社は、販売のノウハウがなく、ただネットに広告を出すだけになりがち。
さらに問い合わせへの対応も悪いため、せっかくの買主も逃してしまう恐れがあります。
結果としてなかなか売れず、値下げして相場より安く手放すことになりかねません。
安く売る方が不動産会社は効率的
不動産会社にとっては、家を高く売るより、値下げして早く売ったほうが効率よく稼げます。
例えば売値を300万円値下げしても、不動産会社の受け取る仲介手数料は(半額だと)4万5,000円しか安くなりません。
無理に高く売るより、値下げして早く売って件数を増やした方が不動産会社は利益が増えるのです。
だから手数料が安い不動産会社に依頼すると、相場より安い価格で家を売る方針に誘導される恐れがあります。
不動産会社は値下げして早く売る方が良いんだね。
安いと簡単に売れるからね。
悪質な不動産会社は、さらに安く売ろうとすることもあるよ。
例3. 悪質な不動産会社に騙される
仲介手数料の値引きをエサに集客している不動産会社の中には、一部ですが悪質な不動産会社もあります。
両手仲介を狙って『囲い込み』される恐れ
悪質な不動産会社は、売主から取れない分を買主から取ろうと『囲い込み』をします。
囲い込みされると家が売れにくくなり、販売は長期化。
売れないと値下げする結果になりがちです。
他社の見つけた買主を、売主に無断で不動産会社が断ること。
売主だけでなく、買主を自社で見つけて買主からも仲介手数料を稼ぐ『両手仲介』が目的。
自然に両手仲介になるのはよくあることで、悪いことではない。しかし囲い込みは明らかに売主への裏切り行為で、売主には悪いことしかない。
さらに悪質だと大幅値下げで買取業者へ仲介
さらに悪質な不動産会社は、相場より2割以上安く値引きさせた上で、提携する買取業者に仲介します。
悪質な不動産会社は、買取業者が転売するときにも両手仲介する『W両手』で手数料を4倍受け取ることが目的。
W両手を条件に、相場より安く買取業者に売却します。
もっと悪質な担当者は、買取業者から個人的にキックバックを受け取ることもあります。
悪質な不動産会社の行為は、こちらで解説しています。
不動産会社が売主をだます4つの手口と、だまされずに不動産売却を売る3つの方法を解説します。
悪質な不動産会社は怖いなぁ。
多くないけど一部には悪質な会社も居るから、知っておくと安心だよ。
例4. 担当者の手抜きで相場より値下げ
それなりに実績の豊富な不動産会社の場合、仲介手数料の強引な値引きは、担当者の手抜きにつながる恐れがあります。
なぜなら仲介手数料の値引きを強要すると、担当者の社内評価を下げ、担当者のやる気を削るため。
具体的には、次の状態になります。
↓
営業担当者の評価が社内で下がる
↓
営業担当者のあなたへの好感度が下がり、売却の手を抜く
↓
家がなかなか売れず最終的に値下げせざるを得ない状況に追い込まれる
↓
あなたの家の売値が数百万円安くなる
でもお客なんだから、仲介手数料が値引きされても、ちゃんと売ってくれるでしょ?
担当者も人間だし、他にも物件を多く抱えて忙しいからね。
不動産の売却では、ほとんどが不動産会社にお任せで、売主のできることは限られる。
ここまでの注意点と事例から、売却時の仲介手数料を値引きするコツをまとめました。
売却時の手数料値引きのコツ
媒介契約前に軽く交渉する程度にしておく
基本的に仲介手数料の値引きを交渉するのは、媒介契約前に軽く交渉する程度にした方が良いでしょう。
媒介契約後は交渉が難しいので、交渉を考えているなら媒介契約前に交渉します。
中小の方が値引きしやすいが、売値が安くなるリスクも
相手が大手不動産会社の場合は、売却に有利な自社サービスを利用できなくなることもあり、交渉に応じてもらえることは少ないでしょう。
地元密着の中小不動産会社の方が手数料の値引きは通りやすいですが、売値が安くなる恐れもあります。
いずれにしてもあまり仲介手数料の値引きにこだわると、結果的に損しかねません。
あくまでも「軽く交渉する程度」にしておきましょう。
大きなミスをした後も交渉の余地はあり
あまり無いことですが、不動産会社が致命的なミスをした場合、例えば買主の申込みを逃した場合などは、仲介手数料の割引を交渉してみても良いでしょう。
この場合も、あくまで担当者のやる気を無くさないように、上手く交渉する必要があります。
売却時は高く売ることを考えた方が成功しやすい
不動産の売却では、仲介手数料を無理に値下げするより、高く売ることを考えたほうが成功しやすいでしょう。
不動産を高く売るためには、優秀で信頼できる不動産会社を選びます。
なぜなら不動産の売却は、不動産会社選びで8割が決まるため。
不動産の売却ではほとんどが不動産会社にお任せなので、売主ができることは不動産会社選びくらいなのです。
高く売るためには、不動産会社選びが大切なんだね。
優秀で信頼できる不動産会社の探し方
- エリアで売買実績が豊富な不動産会社に絞る
- 上記の3〜6社に無料査定を依頼して、査定価格と話を聴き比べる
エリアで売買実績が豊富な不動産会社は、査定の精度が高くなります。
また今は都市部を中心に不動産価格が高騰しているため、不動産のプロでも査定が難しい状態。
不動産価格指数(全国)
不動産価格指数とは
不動産相場の価格変動が純粋に分かる指数。国土交通省がアンケートで集めた年間30万件の成約価格を元に、ヘドニック法という統計計算でまとめたもの。3ヶ月前までのデータが毎月末頃に公表される。2010年の平均を100として算出。
中古マンションは約11年で98%も値上がりしています。
戸建ては上昇していないように見えますが、これは都心部の戸建てが上昇している分を、地方の戸建ての値下がりが打ち消しているため。
戸建ては立地によって、価格の2極化が進んでいます。
不動産会社によって査定価格に差が出るため、1社だけでなく最低3社以上に査定を依頼しましょう。
ただし数が多すぎると対応が大変なので、多くても6社程度が良いでしょう。
売買実績が豊富な不動産会社はどこ?
都市部は大手3社が強いね。
実績は大手3社が強い
売買仲介件数ランキング上位36社
(2024年3月)
不動産売却の実績は、大手3社に偏っています
三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブルの3社は、仲介件数が2万件を超えており、大手の中でも圧倒的。
都市部で査定を依頼するなら、これら大手3社を中心に考えると良いでしょう。
大手3社は別格だね。
3社もそれぞれ特徴があるから、解説しよう。
【大手1】三井のリハウス
38年連続で売買仲介件数1位
(首都圏174、関西圏45、中部圏25、札幌9、東北6、中国9、九州9)
三井のリハウスは、38年連続で売買仲介件数1位と業界を代表する不動産会社。
独自の査定システムは精度が高く、売主の約76%がほぼ提案価格(提案の95%以上)で成約しています。
多くの購入希望者を抱えるため早く売れることも強みで、売主の65%が2ヶ月以内に成約するほど。
また担当者のレベルが高いことにも定評があり、顧客満足度は96%と高評価です。
業界を代表する会社だから、初めての売却ならまず話を聞いてみると良いよ。
他と比較する基準にもなるからね。
⇒三井のリハウス
三井のリハウスは36年連続で不動産売買の仲介件数第1位の大手不動産会社。ただし注意点もあります。あなたが家の売却を任せて大丈夫か、注意点と評判を分かりやすく解説します。
【大手2】住友不動産販売
熱心な営業スタイルに定評
- 店舗数 203店舗
(首都圏114、関西圏55、中部東海10、北海道8、東北3、中国7、九州6)
住友不動産販売(すみふの仲介ステップ)は、営業マンの熱心な営業スタイルに定評があります。
現在の購入希望者の登録数も公開しており、常に2万人を超える希望者が登録。
自社ホームページの月間来訪者数は300万件以上、登録物件数は2万8千件以上と十分なスケールメリットもあります。
スマートでクールな営業より人情深く熱心な営業が好みなら、他より出会える可能性が高いかも。
住友不動産販売「すみふの仲介 ステップ」は、売買仲介件数が業界2位の大手。家の売却ならぜひ候補に入れたい1社ですが、注意点もあります。住友不動産販売のメリットと注意点を分かりやすく解説、そして利用者の評判を紹介します。
【大手3】東急リバブル
東急沿線や大型案件に強み
- 店舗数 220店舗
(首都圏141、関西圏45、名古屋11、札幌10、仙台6、福岡7)
東急リバブルは東急電鉄系の不動産会社ですが、全国に店舗を持つのが特徴。
東急電鉄沿線はもちろん、法人営業や投資物件にも強みを持っています。
東急リバブルは不動産の売買実績でトップ3の1社。しかし注意点もあります。東急リバブルを利用する前に知るべき注意点・メリット、そして実際に利用した人の評判をまとめました。
大手にまとめて査定を依頼するなら「すまいValue」
大手3社にまとめて無料査定を依頼するなら、一括査定サイトの「すまいValue」が便利。
すまいValueは、大手上位6社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル・野村の仲介+・小田急不動産・三菱地所の住まいリレー)が共同運営する一括査定サイトです。
⇒すまいValue
とりあえず大手3社に査定を依頼すれば良いの?
売却予定なら個人の相性もあるから、大手3社以外と比較した方が良い。
首都圏・関西圏ならエージェント制のSRE不動産(旧ソニー不動産)、それ以外なら地域で実績No.1の会社にも査定を依頼しよう。
SRE不動産(旧ソニー不動産)
売主だけを担当するエージェント制
大手と比較するならSRE不動産(旧ソニー不動産)が良いでしょう。
なぜならSRE不動産は、大手で問題になりがちな両手仲介が無いため。
(※両手仲介とは売主と買主を同じ不動産会社が担当すること。大手は顧客を多く抱えるため、自然と両手仲介が多くなる。)
SRE不動産は、業界初のエージェント制で売主だけを担当。
買主は無数にある他の不動産会社が積極的に探します。
結果として、大手にも劣らない販売力で、早く高く売れやすいことが最大のメリット。
ただし営業エリアは首都圏・関西圏限定です。
SRE不動産は業界でも両手仲介無しで知られているから、他社が競って営業してくれる。
大手と話を聴き比べて、自分に合ってる方を選ぶと良いよ。
⇒SRE不動産
SRE不動産(旧ソニー不動産)の口コミや評判、裏事情などから、あなたがソニー不動産を利用すべきなのか徹底評価しました。
その他エリアは地域No.1を探す
大手やSRE不動産の営業エリア外なら、地域で実績No.1の不動産会社を中心に選びましょう。
実績No.1の不動産会社は、実績をアピールしているのですぐに分かります。
不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトをいくつか併用すると良いでしょう。
全国対応の主要な一括査定サイトとして次があります。
その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。
不動産一括査定サイト、主要16社を徹底比較し、ランキングでまとめました。
購入時の仲介手数料は値引きできる可能性あり
不動産を購入するときは、仲介手数料を値引きできる可能性があります。
元付け業者に交渉する
不動産を購入するときの仲介手数料を値引きするなら、元付け業者を狙うことがポイントです。
なぜなら元付け業者なら、売主・買主の双方から仲介手数料があり、値引き交渉に応じやすいため。
元付け業者とは、売主と媒介契約を結んで、売却の依頼を受けている不動産会社のこと。
一方で物件を探している人に物件探しや購入サポートを行う不動産会社を「客付け」といいます。
元付けと客付けって別の業者になるの?
別の業者になる事もあれば、一つの業者が元付けと客付けの両方を担うこともあるんだ。
一つの業者が元付け・客付けの両方を担うことを『両手』と呼ぶよ
買付申込みの前に交渉すると通りやすい
なお購入時の交渉のタイミングとしては、買付申し込み前が良いでしょう。
なぜなら「仲介手数料の値引きを条件に購入を即決する」と交渉できるため。
競合がいると値引きは難しい
元付け業者でも、同じ物件を購入する競合がいると仲介手数料の値引きは難しくなります。
こうした物件で仲介手数料を値引きすると、競合を優先されて購入できない恐れも。
仲介手数料の値引き交渉をする場合は、競合がいるのか探りを入れてから判断したほうが良いでしょう。
元付け業者が見つからない場合の裏技
売り主側の元付け業者が見つからない場合の裏技として、特殊な不動産会社があります。
特殊な不動産会社は、次の手順であなたの仲介手薄料を無料又は半額にしてくれます。
- あなたが買いたい物件を特殊な不動産会社へ伝える。
- 不動産会社が売主を探して、購入希望者がいることを告げ、売主と媒介契約を結ぶ。
- 売買が成立する。売主は仲介手数料を全額支払うが、あなたは無料又は半額で済む。
これを「抜き行為」といい、不動産会社の間では嫌われるものですが、違法ではありません。
こういった特殊な不動産会社はいくつかありますが、例えばこちらがあります。
⇒スターフォレスト
仲介手数料が無料や半額の不動産会社もあるんだ!
物件によってはできない場合もあるから、とりあえず問い合わせて見ると良いよ。
仲介手数料で知っておきたい知識
売主が課税業者だと税抜ベースで計算する
売主が消費税課税業者の場合は、仲介手数料を税抜ベースで計算します。
なぜなら売買価格が建物の消費税を含んだ税込み価格になっているため。
消費税は建物価格だけにかかり、土地価格には消費税がありません。
仲介手数料の計算は「税抜き価格」で計算します。
普通に個人が売主の場合は、消費税がかからないので売買価格で仲介手数料を計算して問題ありません。
土地と建物の価格の比率は、一般的に固定資産税の納税通知書にかかれている「土地」と「建物」の比率を根拠に計算します。
建物の価格を計算する方法は、こちらで詳しく解説しています。
減価償却と償却費は税金の計算に必要です。家を売ったときの減価償却について、具体例で分かりやすく解説します。
支払うタイミングは交渉できる
仲介手数料を支払うタイミングは、
- 引渡し時に全額
- 売買契約締結時に半額、引渡し時に半額
のどちらかが一般的。
しかしタイミングや支払う割合は交渉できます。
多くの不動産会社は、引き渡し時に全額でお願いしても了承してくれるでしょう。
ちなみに売買契約時は、売主が手付金を受け取るため、売主はこの手付金から支払えます。
不動産の売買契約で分かりにくい「手付金」。ここでは手付金の意味や手付解除、相手の契約不履行による契約解除(違約解除)についてまとめました。
売買契約後の解除で仲介手数料がかかるケースもある
売買契約を結んだ後に契約を解除した場合、解除の理由によって仲介手数料がかかる場合もあります。
手付解除と違約解除は仲介手数料が必要
手付解除では売買契約自体が一度成立しているため、不動産会社には仲介手数料の請求権があるとされます。
「手付解除」とは、契約締結後、相手が契約の履行に着手するまでの間に「手付金放棄(買主側)」や「手付倍返し(売主側)」によって、契約を解除すること。
また契約に違反した場合の「違約解除」の場合も同様。
契約自体は一度成立しているため、こちらも仲介手数料が必要です。
特約による停止は仲介手数料が不要
「住宅ローン特約」や「買い替え特例などの停止条件」によって契約が白紙解除となった場合は、仲介手数料も不要です。
これは「白紙解除」なので、そもそも「契約が成立しなかった」となるため。
すでに仲介手数料を一部または全額支払っている場合は、返還してもらえます。
そもそも仲介手数料が不要な場合
ちなみに、そもそも仲介手数料が不要なケースとして、次の2つがあります。
- 業者が売主の場合
- 売主代理の場合
宅建業者が売主の場合は仲介によって契約が成立するわけではないため、仲介手数料も不要。
売主代理の場合は、売主との取り決め次第で不要になります。
不動産会社の仕事量は売主側が8割
そもそも不動産の仕事量は、売却時が8割で、購入時は2割程度です。
だから売却時は仲介手数料を価格交渉しにくいの?
そうだね。交渉するなら購入時の方が現実に見合っているんだよ。
売主側の不動産会社の作業
不動産売買の作業は、売主側の不動産会社がほとんどを分担しています。
具体的にはこちら。
- ・現地調査
- 物件に関する書類調査や売主ヒアリング、日照・眺望・臭気・騒音・接道などの状況、周辺施設やインフラ、境界、建物状態などを調査します。
マンションの場合はさらに、管理人へのヒアリングと管理状態、管理組合運営状況、長期修繕計画と大規模修繕に関する調査も実施します。 - ・法務局調査
- 法務局調査は大きく分けて、権利関係と財務関係の2種類があります。
権利関係では現状との比較や売る前に必要な手続きの確認を実施。
必要に応じて、司法書士や土地家屋調査士など専門家の手配も行います。
財務関係では抵当権や根抵当、共同担保について確認します。 - ・役所調査
- 役所調査では法令上の規制に関する調査がメイン。
再建築の可否や既存適格の可否、建築可能な建物についての調査を行います。
また、インフラの調査も併せて行います。 - ・不動産の査定や売却計画の提案、媒介契約
- ・マイソクの作成、レインズ掲載、広告宣伝活動
- ・問合せ対応、内覧日程調整および立ち会い、価格交渉
- ・重要事項説明の作成、売買契約
- ・引き渡し、精算
- ・アフターフォロー、瑕疵保証など
買主側の不動産会社は紹介と交渉だけ
買主側の不動産会社は、紹介と交渉だけで、作業量は圧倒的に少ないのです。
- レインズにて希望条件に合う物件の検索と紹介
- 資金計画の提案、金融機関紹介と融資凱旋
- 問合せ、内覧立ち会い、価格交渉
- 重要事項説明、売買契約
- 引き渡し、精算
- アフターフォロー、瑕疵保証など
確かに、売主側の方が圧倒的に多いんだね!
そう。購入時の方が仲介手数料の交渉がしやすいのも、よく分かるんじゃないかな。
実際に売主の中には無理に仲介手数料を節約して、損する人が多いよ。
まとめ
不動産売買の仲介手数料は、購入時なら元付けを探して交渉すれば値引きできる可能性があります。
ただし売却時はあまり値下げにこだわるより、高く売ることを考えたほうが良いでしょう。
高く売るためには、優秀で信頼できる不動産会社を探すことが大切。
不動産の売却は、不動産会社選びで8割が決まるといわれます。
優秀で信頼できる不動産会社を見つけるためには、エリアで売買実績が豊富な不動産会社3〜6社に無料査定を依頼して話を聴き比べましょう。
都市部なら大手3社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル)が実績豊富。
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不動産一括査定サイト、主要16社を徹底比較し、ランキングでまとめました。
あなたの不動産売却が成功することを、心よりお祈りしております!