「農地を売りたいけど、いくらで売れるの? 高く売る方法は?」
農地の売却でお悩みですね。
この記事では、次の3つが分かります。
- そもそも農地は売れるのか、農地売却の現実
- 農地を高く売る方法とその費用
- タイプ別の農地を売る手順
農地は売却できますし、条件さえ良ければ高値で売れます。
あなたの農地がスムーズに満足できる価格で売れるために、この記事がお役に立てば幸いです。
農地売却の現実
農地は売れる
農地は売れます。
年間約1.7万件も取引されている
農地は年間約1.7万件も取引されています。
近隣の取引事例を見れば、勇気づけられるかもしれません。
国土交通省の土地総合情報システムで、過去の取引事例を検索できます。
⇒国土交通省・不動産取引価格情報検索
農地の売買件数
(2022年)
全国 | 17,388件 |
---|---|
北海道 | 569件 |
青森県 | 795件 |
岩手県 | 434件 |
宮城県 | 590件 |
秋田県 | 639件 |
山形県 | 591件 |
福島県 | 184件 |
茨城県 | 236件 |
栃木県 | 289件 |
群馬県 | 157件 |
埼玉県 | 85件 |
千葉県 | 500件 |
東京都 | 11件 |
神奈川県 | 88件 |
新潟県 | 958件 |
富山県 | 138件 |
石川県 | 206件 |
福井県 | 200件 |
山梨県 | 8件 |
長野県 | 0件 |
岐阜県 | 487件 |
静岡県 | 705件 |
愛知県 | 264件 |
三重県 | 201件 |
滋賀県 | 259件 |
京都府 | 209件 |
大阪府 | 44件 |
兵庫県 | 444件 |
奈良県 | 155件 |
和歌山県 | 0件 |
鳥取県 | 187件 |
島根県 | 303件 |
岡山県 | 551件 |
広島県 | 511件 |
山口県 | 316件 |
徳島県 | 320件 |
香川県 | 245件 |
愛媛県 | 387件 |
高知県 | 283件 |
福岡県 | 597件 |
佐賀県 | 394件 |
長崎県 | 323件 |
熊本県 | 805件 |
大分県 | 358件 |
宮崎県 | 915件 |
鹿児島県 | 1,315件 |
沖縄県 | 132件 |
農地は売れるんだね!
でも、農地のままだと安くなるし、売れない恐れもある。
農地のままだと安く売りにくい
農地は農家しか買えない
農地は売れます。
しかし農地のままだと、価格は安くなり、最悪売れない恐れもあります。
なぜなら農地のまま売却すると、購入できるのは農家(就農者)だけだから。
農地は食糧生産を担う大切な土地なので、国が農地法で厳しく制限しているのです。
【参考】農林水産省・農地制度
農地は農家しか買えないんだ!
買い手の農家が減っているから、余計に農地は売るのが難しい。
農地の地価は20年以上も下落が続いているんだ
農地の地価は長く下落している
農地の価格は長年下落が続いており、純農業地域で28年連続、都市的農業地域で30年連続の下落。
農地の価格は、立地や利用方法(畑・田んぼ)によって違いますが、目安として一般社団法人全国農業会議所の「令和4年田畑売買価格等に関する調査結果」によると、全国の平均価格(10アールあたり)は次の通り。
- 純農業地域(主に農村部)
- 田んぼ:108万3千円(前年比1.4%減)
畑:80万2千円(前年比1.2%減) - 都市的農業地域(主に都市部とその周辺地域)
- 田んぼ:287万9千円(前年比1.3%減)
畑:275万4千円(前年比1.1%減)
10アール=1,000m2
10アール=約300坪(991.74m2)
10アール=約1反(991.74m2)
田んぼ1枚が10アールのイメージ。10アールで年平均約500kgの米が穫れる。
都市部でも、10アール(1,000m2)で約300万円弱にしかなりません。
買い手も減って価格も下落し続けていのか…。
高く売る方法はないの?
高く売るなら、農地でなく宅地として売ろう。
農地を転用して宅地化すれば、誰でも買えるようになるからね。
農地を高く売る宅地化だが条件次第
農地を高く売る方法として最も効果的なのが、住宅地に転用する「宅地化」。
農地を宅地化すれば、家を買う一般の人々(エンドユーザー)が購入できるため、価格は数倍〜数十倍に跳ね上がります。
ただし宅地化には3つの条件が必要。
目安としては、市街地に近い農地ほど宅地化しやすくなります。
それぞれ解説します。
宅地化の条件1. 立地基準
立地基準とは農地の区分。
農地には次の5つの区分があり、区分によって転用が許可されるか決まります。
【立地基準と転用の許可について】
- 農用地区域内農地…原則不許可
- 甲種農地…原則不許可
- 第1種農地…原則不許可
- 第2種農地…周辺の他の土地に代えられなければ許可
- 第3種農地…原則許可
このように立地基準では「第2種農地」か「第3種農地」でなければ、宅地転用できません。
まずはあなたが所有している農地がどの区分に分類されているのか、確認してみましょう。
市町村役場の農業委員会に問合せれば、教えてもらえます。
【参考】農林水産省・農業委員会について
また農林水産省でも農地転用の相談窓口を設けています。
【参考】農林水産省・農地転用許可制度について
宅地化の条件2. 一般基準
一般基準は、農地転用後に土地が有効活用できるかを判断するもの。
貴重な農地をつぶすため、「とりあえず更地にしたい」といった安易な目的では許可されません。
次のような基準で許可するか判断されます。
【一般基準の概要】
- 申請目的を実現できる資力や信用がある
- 転用する農地の関係地権者から同意を得ている
- 転用許可後速やかに申請目的のために使う見込みがある
- 許認可が必要な事業で許認可を受けられる見込みがある
- 事業のために必要な協議を行政と行っている
- 転用する農地と一体に使用する土地を利用できる見込みがある
- 事業の目的に適正な広さの農地である
- 周囲の農地等への影響に適切な措置を講じる見込みがある
- 一時的な転用では農地に戻されることが確実と認められる
- 農業用排水施設の有する機能に支障を生じる恐れがない
- 土砂の流出や崩落等、災害を発生させる恐れがない
【参考】農地転用許可制度の概要
売るために転用するのは認められない
一般基準で、ただ売るための転用は認められません。
国はできれば農地のままにしておきたいため、単に「売却したい」という理由では転用できないのです。
転用が許可されるのは、立地基準を満たし、かつ転用後にふさわしい事業計画がある場合。
事業計画の立案や判断が難しい場合は、不動産会社に相談してみると良いでしょう。
宅地化の条件3. 建築可能性・採算性
建物が建てられる土地か(建築可能性)
建物を建てるためには、様々な法律・条例による制限をクリアする必要があります。
具体的には、
などがあります。
宅地化費用より高く売れるか(採算性)
さらに宅地化にかかる費用以上の価格で売れるなければ、農地を宅地化する意味がありません。
そのため宅地化にかかる概算費用を計算し、土地の予想価格を知る必要があります。
宅地化の費用が高額になるケースとして、次があります。
建物が建てられるか確認したり、概算費用を計算するのって、かなり大変そう…
個人では大変だけど、不動産会社さえ決まれば、あとは不動産会社にお任せできるんだ
売却予定なら全て不動産会社が調べてくれる
農地を売却する予定なら、宅地化の調査は全て不動産会社にお願いできます。
●不動産会社にお任せできる調査
- 具体的な規制の内容
- 建築可能な建物の要件など市区町村の役所で確認が必要ですが、不動産会社が調査してくれます。
- 建築基準法に適合するかどうかの調査
- 接道が2m以上あるかなど、建築基準法で家が建てられるかどうか確認してもらえます。
- インフラ状況の確認
- 上下水道や電気、ガス、通信など、インフラの整備状況も確認してもらえます。
- 宅地化の概算費用算出と売却価格査定
- これは宅地化できて、売値がそれなりに高くなる可能性がある場合に限り、計算してもらえます。
不動産会社によって、どこまで対応してくれるか温度差もあるため、複数の不動産会社に話を聞いたほうが良いでしょう。
不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利です。
全国対応の主要な一括査定サイトとして次があります。
その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。
不動産一括査定サイト、主要16社を徹底比較し、ランキングでまとめました。
宅地化する費用ってどれくらいかかるの?
擁壁や盛り土、インフラ整備がどの程度必要かで全く違うんだ。
宅地化の費用
農地の宅地化には、「転用許可・届出」「工事」「転用後の登記申請」3つの段階があり、それぞれ費用がかかります。
ザックリ概算でいくらかかるの?
場所や農地の状況によって費用は大きく変わるんだ。
トータル数万円程度で済むこともあれば、数百万円以上かかることもある。
転用許可・届出にかかる費用
農地転用の際には転用許可のための届出が必須です。
届出自体に費用はかかりませんが、申請に必要な書類を揃える際に数千円〜の費用がかかります。
また測量が必要な場合は数十万円かかるケースも。
費用の内訳について、詳しく解説します。
土地の登記事項全部証明書(数百円)
一通につき600円の交付手数料(窓口の場合)が必要。
オンラインで申請すれば、480円(窓口受取の場合)または500円(郵送の場合)でOKです。
土地の位置図(数百円)
申請時の添付書類のひとつに、土地がどこに位置するのかを示す地図(位置図)が必要です。
特に指定はありませんが、法務省の「地図(公図)」を取得するなら、手数料として450円。
自治体の役所で「都市計画図」や「農業振興地域区域図」を取得するなら、数百円の手数料がかかります。
設置しようとする施設の位置を明らかにした図面(0〜数千円)
転用する土地に建物や道路、用排水施設などを設置しようとする場合は、どこに設置するのかを示す図面が必要です。
ただ、この図面を作成するのに資格等は必要ないため、自分自身で作成してもOK。
この場合は費用もかかりません。
一方、行政書士などの専門家に依頼する場合は、依頼料として数千円程度かかります。
資力や信用があることを証明する書類(0〜数百円)
資力や信用があることを証明するための書類も、申請時に必要な書類のひとつ。
預貯金通帳の写しを利用する場合は、費用はかかりません。
預貯金通帳の写しではなく、残高証明書や融資証明書を利用する場合は、発行手数料がかかります。
残高証明書なら700〜900円程度。
融資証明書の場合は、数千円〜1万円程度かかります。
農地が土地改良区内にある場合(数千円〜数万円)
転用を希望する農地が土地改良区内にある場合は、「地区除外申請書」と「土地改良区の意見書」も必要。
「土地買改良区の意見書」は一件につき数千円の交付手数料がかかります。
さらに、こうした書類を提出する場合は決済金の支払いも必要になり、その額は1平方メートル当たり100〜500円程度。
広い農地を転用する場合は決済金も高額になってしまいます。
なお、この手続きは代行も可能で、専門家へ依頼可能。
依頼料は数千円〜1万円程度です。
その他必要書類の取得費用(約1万〜百数十万円)
ここまでは法律で提出が定められている書類。
他に各自治体が提出を義務付けている書類もあります。
自治体によって書類の内容は異なりますが、住民票など発行手数料がかかるものが多く、総額で1万円程度みておくと良いでしょう。
また書類を揃えて提出する作業を行政書士へ依頼すると、15〜20万円程度必要です。
このほかにも、土地によっては測量が必要で、かなり高額になる恐れもある
測量は、標準的な宅地30〜100坪で数十万円〜百万円程度。
土地が広く、境界が複雑なほど費用は高くなります。
測量については、こちらで解説しています。
土地や戸建住宅の売買に必要になる測量。初心者でも分かりやすく、具体的な内容と費用、実際はどこまでするのかをまとめました。
工事にかかる費用
工事にかかる費用も、農地の状況によって大きく変わります。
東京都の場合、工事費は10アールあたり数千〜数十万円。
かなり差がありますが、数千円で済むのは「市街化区域内の農地」かつ「生産緑地内の農地」の場合。
それ以外では最低でも数万円かかります。
また道路よりも低い土地の場合は、道路とほぼ同じ高さにするために盛り土や土留が必要。
こうした土工事だけで、数百万円かかることもあります。
大まかな工事費用を知るには、見積もりを取るしかないのかな?
不動産会社にお任せしても良いね。
自分で見積もりを取る場合は、信頼できる業者に依頼しよう。
役所の都市計画課や土木事務所に問合せてみるのもオススメだよ
転用後の登記申請にかかる費用
宅地に転用した後は、登記上の地目を「農地」から「宅地」に変更します。
地目変更の手続きは添付書類も転用許可書でOKなので、難易度も低め。
自分で登記申請すれば費用は数百円程度で済みます。
手続きを土地家屋調査士など専門家に依頼する場合は、依頼料が4万円程度から。
地目変更だけでなく分筆など特別な手続きが必要なら、最低でも30万円程度かかります。
転用後は固定資産税が高くなる
直接、宅地化にかかる費用ではありませんが、農地から宅地に転用すると固定資産税が高くなります。
そもそも農地は収益性が低い土地。
そのため、宅地と比べて固定資産税がかなり低くなっているのです。
一般農地と呼ばれる農村部にある農地であれば、10アールあたりの固定資産税額は1,000円未満! 生産緑地の場合も同様で、かなり安くなっているんだ。これは『農地課税』と呼ばれる課税方法によるもの。それが宅地になると課税方法も変わるから、注意しておこう
農地を売る手順
農地を売る場合にまずすべきが、農地転用が可能かどうか調査すること。
とりあえず立地基準で第2種農地・第3種農地であれば、あとは不動産会社にお任せでも大丈夫です。
調査結果によって手順が変わります。
転用可能(第2種農地・第3種農地)の場合
農地転用が可能な場合は、次のような手順となります。
- 3社以上の不動産会社へ無料査定を依頼し、話を聞き比べる
↓ - 媒介契約
↓ - 広告宣伝活動
↓ - 売買契約(転用許可を停止条件とする)
↓ - 転用許可申請
↓ - 許可前に所有権移転仮登記
↓ - 許可後に精算・所有権移転本登記
不動産会社はどうやって探せばいいの?
不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトが便利だよ
一括査定サイトの定番3社
一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。
一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。
この3社以外についてはこちらにまとめています。
-
おすすめ1位.
すまいValue - 査定実績:
- 87万件(2016年開始)
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実績 5.0 不動産会社 4.5 運営会社 5.0 大手6社が共同で運営する一括査定サイト。6社といっても全国841店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。首都圏以外でもほとんどの都市で、三井・住友・東急の3社が実績トップを独占しています。
2024年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして定番になっています。
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HOME4U - 査定実績:
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実績 5.0 不動産会社 4.0 運営会社 4.0 日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始から累計で査定実績55万件と実績は十分です。運営はNTTデータ(東証プライム上場)のグループ会社なので安心。
不動産会社は大小バランスよく登録されており、幅広く査定を依頼できます。机上査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。
さらに詳しくはこちら⇒HOME4Uの詳細管理人のコメント
HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多く、自然と査定精度が高くなる仕組み。
ちなみに記入した内容は、後で不動産会社と話すときに修正できます。
あまり悩まずとりあえず現時点の希望を書いておけば問題ありません。
不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。 -
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SUUMO - 査定実績:
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転用不可(第2種農地・第3種農地以外)の場合
農地転用が不可だった場合は、近隣で買ってくれる人を探すところから始めます。
- 自力で買ってくれる人を探す
↓ - 売買契約(売買許可を停止条件とする)
↓ - 売買許可申請
↓ - 許可前に所有権移転仮登記
↓ - 許可後に精算・所有権移転本登記
【参考】農林水産省・農地の売買・貸借・相続に関する制度について
どうしても売れない場合は、農地を貸す農地中間管理機構(農地バンク)という選択肢もあります。
⇒農林水産省・農地中間管理機構(農地バンク)
太陽光発電用地等にできる可能性も
どうしても売れない農地など荒廃農地は、太陽光発電の用地に利用できる可能性もあります。
なぜなら農林水産省が、2021年3月に荒廃農地での要件を緩和したため。
【参考】農林水産省・再生可能エネルギー発電設備を設置するための農地転用許可
従来は、太陽光発電を設置しても「平均収穫量8割以上」の要件がありましたが、これが荒廃農地では撤廃されました。
今後は全国の荒廃農地28万ヘクタールのうち13万ヘクタールが、太陽光発電用地として利用される可能性があります。
自分で土地の活用方法を探すなら、こちらの資料請求などを試すと良いでしょう。
⇒【無料】資料請求【タウンライフ土地活用】
農地を売るなら急いだ方が良い
日本の人口は急減し、農業には逆風が続く
日本の人口は2008年にピークを迎えた後、現在は急激に減少しており、高齢化が進んでいます。
日本の長期人口変化
この人口減少と高齢化は、食料を生産する農業にとって厳しい逆風となっています。
3大都市圏(首都圏・名古屋圏・関西圏)は生産緑地問題も
3大都市圏では、生産緑地が2022年以降に一部解除されて宅地化されるため、宅地の価格下落が懸念されています。
2022年に解除見込みの生産緑地面積 | 新築住宅着工床面積2021年度 | 割合 | |
---|---|---|---|
東京都 | 156万m2 | 870万m2 | 18% |
埼玉県 | 133万m2 | 440万m2 | 30% |
千葉県 | 98万m2 | 378万m2 | 26% |
神奈川県 | 63万m2 | 493万m2 | 13% |
首都圏合計 | 450万m2 | 2,181万m2 | 21% |
愛知県 | 152万m2 | 514万m2 | 30% |
大阪府 | 124万m2 | 485万m2 | 26% |
京都府 | 54万m2 | 128万m2 | 42% |
兵庫県 | 41万m2 | 258万m2 | 16% |
奈良県 | 79万m2 | 60万m2 | 132% |
関西圏合計 | 298万m2 | 931万m2 | 32% |
この表で25%を超える地域は、生産緑地の開放が住宅価格に影響する恐れがあります。
生産緑地については、こちらで詳しく解説しています。
2022年以降に生産緑地が宅地化され、都市部の住宅価格が値下がりする問題。不動産業界でも意見が2分されていましたが、ようやく影響が見えてきました。信頼できる統計から地域別の影響を解説します。
増え続ける空き家
日本では人口が急激に減っていますが、新築住宅が次々と建てられています。
日本人の人口・世帯数と住宅戸数
結果として、空き家率は2018年時点で13.6%に。
持ち家の27%が空き家予備軍
2025年には団塊の世代が75歳以上になり、多くの人が施設へ入居します。
そうなると空き家は一気に増加。
すでに2018年時点で、全国の居住中の持ち家2,864万戸に対し、779万戸(27%)が65歳以上の高齢者のみの世帯。
実に27%もの住宅が「空き家予備軍」となっているのです。
地方だけでなく、東名阪(東京・名古屋・大阪圏)エリアでも空き家予備軍は370万戸(27%)。
実際にこれだけ空き家が増えると、家を売ろうにも供給過多で売れないことが予想されます。
空き家予備軍の割合(2018年時点)
そもそも、今でもすでに売れないエリアがあることも事実。それも、東京に近いエリアですら、ものすごい勢いで地価が下落していたりするんだ
首都圏でも地価下落は始まっている
例えば、千葉県松戸市にある小金原団地は、1969年に整備された大規模な団地(賃貸・分譲併せておよそ3000戸)です。
築年数は49年。
建物の老朽化だけでなく高齢化も進んでおり、周辺地域の高齢化率は50%に届く勢いとなっています。
周辺エリアの地価下落率はこの10年で26%。
築40年以上の大規模団地の中でも、最大の下落率となりました。
「首都圏だから大丈夫」と、悠長なことを言っていられない状況になっているのです。
シンガポール国立大学の研究によると、日本の住宅価格は2010年→2040年の30年で平均46%下がる(価格は半額)と予想されています。
地方は立地適正化計画と過疎化
一方、地方では「立地適正化計画」という計画が進んでいます。
これは人口が減少しても公共インフラを維持するために、「人が住むエリア」を中心に集めるという政策。
立地適正化計画で、人が住まないエリアに指定されると、ある日突然不動産が無価値になるリスクもあります。
そもそも地方では、宅地化して売却するにも、特に家を購入する若い世代が減っており、ますます売りにくくなっています。
国土交通省の「国土の長期展望」によると、2050年には
- 5割の地域で、人口が現在の半分以下になる。
- 2割の地域で、無人化する。
ことが分かっています。
そうでなくても、日本の農地面積は1960年から約60年間の間、減少する一方。
日本の耕地面積推移
残念ながら、今後もこの流れは続くと考えた方が良いでしょう。
まとめ
農地は売れますが、できれば宅地化した方が高く売れます。
宅地化の3つの条件は、
このうち立地基準で第2種・第3種農地であれば、宅地転用できるかもしれません。
まず不動産会社3社以上に無料査定を依頼して、相談してみると良いでしょう。
不動産会社の心当たりが無ければ、一括査定サイトを利用すると簡単です。
あなたの農地売却が成功することを、心よりお祈りしております!
一括査定サイトの定番3社
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