「家を買い替えたいけど、何から始めれば良い? 注意点は?」
家の買い替えでお悩みでしょうか?
家の買い替えは、初めてだと分からないことが多くて不安…。
でも金額が大きいし、絶対に失敗したくない。
なるべく家族の負担を軽く、無駄な出費なしで、満足な買い替えをしたい。
そんなあなたに朗報です。
家の買い替えでは、正しい手順とタイミングを守るだけで、ほとんどの失敗を防げます。
なぜなら買い替えの失敗は、そのほとんどが手順を間違えて家を売り急ぎ、安値で手放すパターンだから。
この記事を読むと、正しい手順とタイミングが分かります。
さらに今の家が高値で売れたら、予定よりグレードの高い家に住み替えたり、将来の備えを増やせる可能性も。
今回は、家の買い替えを成功に導く「5つのステップ」について解説します。
あなたの家の買い替えが成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。
この記事のもくじ
【買い替えSTEP1】
全体の流れと予算計画
まず『買い替えの流れと予算を把握する』ことから始めます。
家は人生で一番大きな買い物。
さらに家の買い替えは、「買う」と「売る」を同時に進めるため、単純に買うよりも複雑です。
先ず一連の作業の流れを把握して、具体的にイメージしてみましょう。
家の買い替えの流れをざっくり把握する
正しい家の買い替えの流れはこの様になります。
細かいことはとにかく、先ずは全体の流れをざっくり把握しましょう。

いきなり細かいなぁ

全部理解しなくてもいいから。
まずスタートだけ考えてみよう
まず売却価格を正確に把握する
家の買い替えでは、スタートが最も大切。
今の家が実際にいくらで売れるのか、なるべく正確に把握することが大切です。
全ての予算計画はこの売る価格が元になります。

売る価格を正確に知るためには、どうすれば良いの?

不動産会社に無料査定を依頼するのが定番だよ。
複数(3〜6社)の不動産会社へ無料査定を依頼する
今は都市部を中心に、不動産相場が大きく変動しています。
1年前から数百万円も家の価格が上下している可能性も。
不動産のプロでも、正確な査定が難しいほどの値上がりだと言われます。
だから複数(3〜6社)の不動産会社に査定を依頼して、プロの意見を聴き比べましょう。
なるべく、あなたのエリアで家の売却が得意な不動産会社を選んで下さい。
「うちのエリアで売却が得意な不動産会社なんて知らない…」
そう思うかもしれません。
しかしネットの一括査定サイトを使えば簡単です。
一括査定サイトでは、
- あなたのエリアで売却が得意な不動産会社だけが自動でリストアップされます。
- あなたはリストから不動産会社を選んで査定を依頼するだけ。
査定を依頼しても、かならずしも売却を依頼する必要はありません。「将来的に売却も検討している」という程度で十分です。
一括査定サイトの定番3社
一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。
一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。
この3社以外についてはこちらにまとめています。
すまいValue
- 査定実績:
- 40万件
- 不動産会社数:
- 大手6社・全国890店舗
- 運営会社:
- 大手6社共同運営
大手6社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル・野村の仲介+・三菱地所ハウスネット・小田急不動産)が共同で2016年に設立した一括査定サイト。
6社といっても全国890店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。
売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。
首都圏以外のほとんどの地方都市でも、三井・住友・東急の3社が売却実績のトップ3を独占しています。
2021年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトです。
簡易査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。管理人のコメント
地方では大手より地域密着の中小が強い場合もあるので、3位のHOME4Uも確認した方が良いでしょう。
しかし都市部では「すまいバリュー」が定番です。
特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。優秀な営業マンも数多く抱えています。SRE不動産(旧ソニー不動産)
- 査定実績:
- (2014年開始)
- 不動産会社数:
- 売主側1社(買主側多数)
- 運営会社:
- SREホールディングス株式会社
すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。利用できるエリアは首都圏と関西圏限定です。
あのソニーが始めた不動産会社で、売主だけを担当するエージェント制が特徴。無数にある他の不動産会社が買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。管理人のコメント
大手不動産会社でエージェント制はSRE不動産だけ。話を聞くと売却活動に役立つでしょう。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで査定を依頼することがポイント。まずメールで概算価格を査定してくれます。
HOME4U
- 査定実績:
- 累計40万件(2001年開始)
- 不動産会社数:
- 1,500社
- 運営会社:
- 株式会社NTTデータ・スマートソーシング
日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始依頼、査定累計数40万件と実績も豊富。運営は東証1部上場の株式会社NTTデータのグループ会社。
不動産会社は大小バランスよく登録されているため全国どこでも幅広く依頼ができます。
机上査定を選ぶと、郵送やメールで査定可能。管理人のコメント
HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多いため、自然と査定精度が高くなる仕組みになっています。
ちなみに記入した内容はまた不動産会社と話をするときに修正できます。
あまり真剣に悩まず、とりあえず現時点の希望を書いておく程度で大丈夫。
不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。
【公式サイト】すまいValue
【公式サイト】SRE不動産
【公式サイト】HOME4U
各エリアで最適な組み合わせ

あなたのエリアで最適な一括査定サイトの組み合わせはこちら。

不動産会社に無料査定を依頼したら、次は予算(諸費用と税金)を確認しよう。
【買い替えSTEP2】
費用と税金を確認
家の買い替えには、費用がかかり、場合によっては税金が高額になるケースもあります。
予算計画には、ザックリで良いので費用と税金を含めておきましょう。
内容として、次の3つで分けて考えます。
家の買い替えの費用と税金
- 家を売るときの費用
→目安は売却価格の約3.5〜5%程度 - 家を売った利益にかかる税金(所得税・住民税)
→無い場合が多いがケースによって様々 - 家を買うときの費用
→目安は購入価格の約3〜10%程度
それぞれ詳しく解説します。
家を売るときの費用
家を売るときの費用は、目安として売却価格の約3.5%〜5%程度。
諸経費は細かい計算になります。
実際の取引では、不動産会社が全て計算してくれますので、ざっくりとだけ知っておきましょう。
諸費用をまとめるとこちら。
- 仲介手数料(売買価格×3%+6万+消費税)←大部分がこれ
- 収入印紙代(5千円〜3万円)
- 登記費用(0〜5万円)
- 住宅ローンの返済関係(3千円〜数十万円)
- その他(引越、ゴミ代、修理やリフォーム費)
費用の大部分は、不動産会社に支払う仲介手数料。
もし家を売る前に、大規模な修理やリフォームをする場合は、さらに大きな費用がかかります。
家を売るときの費用について、詳しくはこちらの記事で解説しています。

仲介手数料が半額になる不動産会社の広告を見たけど、どうなの?

売却で仲介手数料が極端に安い不動産会社は要注意。
結局、安くなった仲介手数料以上に家が安くなり、トータルで損することが多いんだ。

じゃあ仲介手数料を値切ったらどうなの?

媒介契約の前に、軽く聞いてみる程度にした方がいいね。
あまりしつこく仲介手数料を値切ると『それなりの客』として、担当者も相応の対応をする。
担当者の頑張り次第で、家の売値は百万円くらい簡単に変わるからね。
仲介手数料については、こちらで詳しく解説しています。
家を売った利益にかかる税金(所得税・住民税)
家を売った利益にかかる税金(所得税・住民税)は、ザックリと次の3つのパターンに分けられます。
- そもそも利益(譲渡所得)が無い場合
→税金なし - 新しい家の住宅ローン控除を使わない場合
→特例で3,000万円まで税金なし - 新しい家の住宅ローン控除を使う場合
→税金があるかも
税金は「3,000万円の特別控除」をつかえば、ほとんどの人はかかりません。
ただし新しい家で住宅ローン控除を使う場合は、「3,000万円の特別控除」と併用できないので、注意が必要です。
また家を売って損した場合は、税金が戻ってくる場合もあります。
税金の計算と住宅ローン控除との関係について、詳しくはこちらで解説しています。
購入時の売買契約書が無いと、税金が高くなる
注意したいのは、購入時の売買契約書が無い場合。
購入時の売買契約書がないと、家の取得費が「売却価格×5%」と極端に安くなります。
取得費が安くなると、利益(譲渡所得)が実際よりに大きくなってしまい、税金が高額になる恐れがあります。
家を買う費用
家を買う費用は、不動産会社の仲介の有無、住宅ローンの割合で大きく違います。
新築分譲マンションでは、目安として購入価格の3〜5%。
新築建売戸建、中古住宅では、目安として5〜10%。
詳細としては次になります。
- 仲介手数料(売買価格×3%+6万+消費税)
※中古の場合 - 売買契約の収入印紙代(5千円〜3万円)
- 登記費用
- 登録免許税:土地評価額×2%、建物評価額×0.1〜2%
- 司法書士手数料:5万〜15万円
- 住宅ローン関係
- 保証料・事務手数料:ローン総額の約2%
- 印紙代:5千〜3万円
- 火災保険及び地震保険:実費
- 団体信用生命保険:実費
- 税金
- 不動産取得税:固定資産税評価額×0%〜4%(軽減措置による)
- 固定資産税、都市計画税:日割り計算でその年の残額を精算します。
- 建物分の消費税:建物には消費税がかかりますが、価格表示に含まれている場合が多いです。
- その他(新築物件の手数料や積立一時金、引越、修理やリフォーム費)
購入時の費用で大きいのは、不動産会社への仲介手数料と、ローン関係費用。
ただし新築分譲住宅や宅建業者売主の物件は、仲介手数料がかかりません。
家を買うときの費用について、詳しくはこちらで解説しています。

家を買うときも仲介手数料かぁ〜
これは安くなるの?

買う時は交渉してみる価値はある。
方法は次の2つ。
家を買うときの仲介手数料の交渉方法
- 仲介手数料の値引きを条件に、売却を依頼する不動産会社へ「購入の仲介」も依頼する方法。
- 売り主の不動産会社(元付け)に直接問合せて、買い付けを申込む前に値引き交渉する方法。

どちらかというと1の方が交渉しやすいよ。
【買い替えSTEP3】
バランスを考える
家の買い替えでは、4つの要素
- 相場
- 事情
- 希望条件
- 資金
をバランスよく考慮する必要があります。
相場より事情を優先
相場に合わせて家を売買するのではなく、あなたの事情を優先して家を買い替えることをお勧めします。
家の買い替えでは、今までの家を売る代わりに新しい家を買うので、相場の影響は考える必要ありません。
子供の成長に合わせて買い替える場合は、やはり子供のことを優先して考える方が良いでしょう。
また親御さんとの同居などでも、お互いの最適な環境を用意することが大切です。
一応、今の不動産相場を知っておきましょう。
今は不動産の売り時
不動産相場は、都心部を中心に大きく上昇していましたが、今後は新型コロナショックで下落する恐れがあります。
不動産相場は、国土交通省の発表するデータを見ると分かります。
不動産価格指数(全国)

「不動産価格指数」とは
不動産価格指数とは、純粋に不動産相場の価格変動を見ることができる指数。
国土交通省がヘドニック法という統計計算手法で、年間30万件の不動産売買成約価格から築年数や立地などの余計な要素を取り除き、純粋な価格変動をまとめたもの。
3ヶ月前の売買実績を毎月末に公表。
マンションは、約8年で52%も値上がりしています。
戸建住宅も都心部では値上がりしていますが、地方や郊外で値下がりしているため、全体ではあまり値上がりしていません。
都市部・地方ともに、最寄り駅からの距離が近いと値上がり傾向
戸建て住宅では、国税庁が毎年発表する公示地価も参考になります。
3大都市圏でも、地方圏でも、最寄り駅からの距離が近いほど値上がりしていました。
最寄り駅距離別の公示地価変動率
(3大都市圏・2018年)
最寄り駅距離別の公示地価変動率
(地方圏・2018年)
公示地価は、国土交通省が毎年全国に定めた標準地約3万地点を対象に、1月1日時点の1平方メートル当たりの価格を3月頃に発表するもの。
都道府県の発表する基準地価と合わせて、土地取引の指標になります。
公示地価は、国土交通省の土地総合情報システム 地価公示・都道府県地価調査にアクセスすると調べられます。
⇒国土交通省地価公示・都道府県地価調査
長期的には相場は予想が難しい
いろいろデータを説明しましたが、結局相場は長期的に予想できません。
短期的には、今回の新型コロナショックで、都市部のマンションなどで一定の下落はありそうです。
しかし5年10年スパンで新型コロナショック後に不動産価格がどうなるのか、現時点では誰にも予想できません。
相場はあくまで参考程度に考えたほうが良いでしょう。
当面のマンション相場については、こちらで解説しています。
希望条件と資金
新しい家に求める条件には色々なことがあると思います。
家族で話し合ううちに段々盛り上がって、大豪邸が必要になるかもしれません。
一方で、予算は限られてきます。
出来れば余裕資金も多めに残した方が良いでしょう。
ここで大切なのは、新しい家の条件に優先順位をつけること。
本当に家族の幸せに必要なことを優先にして下さい。
どうしても欲張ってしまいがちですが、家族みんなで話し合って、本当に必要な条件を見極めましょう。
賃貸住宅という選択肢もあり
優先事項と予算のバランスがどうしてもとれない時は、今の高騰している相場を考えて、賃貸住宅へ一度住んでみることもひとつの手段です。
賃貸住宅に住んでいる間に相場が下落すれば、思わぬ利益が発生します。
もしかしたら、予算と優先事項のバランスが思ったより早くとれるかもしれません。
賃貸住宅と言っても、例えばURの賃貸などは分譲と同等の仕様で礼金も不要。
民間賃貸物件でも、探せば満足できる物件は見つかるものです。
子供の成長に合わせて、6年だけ賃貸に住まうという方もいらっしゃいます。
色々な選択肢があります。

せっかくの買い替えだから、じっくり探した方が良いもんね

UR賃貸は、礼金も仲介手数料もないから、買い替えの仮住まいにおすすめだよ
【買い替えSTEP4】
売りながら探す又は買ってから売る
家の売却と購入のタイミングですが、あなたの事情によって次のどちらかになります。
- 先に家を売り出して家を探す『売却先行』
- 先に家を購入してから売り出す『購入先行』

どちらが良いの?

まだ住宅ローンが残っているなら、売却先行でダブルローンを避ける方が安全だね。
逆に資金に余裕があれば、購入先行の方が楽だよ。
それぞれメリットとデメリットを整理しよう。
売却先行と購入先行はどちらが良いか
まずそれぞれのメリット・デメリットを整理しましょう。
先に売り出す『売却先行』
- メリット
- 先に売却価格が確定するので、新しい家の資金計画が立てやすい。
- (ローンが残っていても)購入時の住宅ローンが借りやすい(新規と同じ扱い)
- (ローンが残っていても)売り急がずに余裕をもって売却できるため、高値売却を狙える。
- デメリット
- タイミングよく家が見つからないと仮住まいになるリスクがある。
- 住みながら売るので内覧対応が大変。
- こんな人に向いている
- まだ住宅ローンが多く残っており、資金の余裕が少ない人。
- なるべく安全で確実な方法を選びたい人
先に買う『購入先行』
- メリット
- タイミングを気にせずに家選びを優先できる。
- 仮住まいが不要で引っ越しもスムーズ。
- 空き家で売れは内覧対応が楽だし、即入居可なら売れやすい。
- デメリット
- (ローンが残っていると)家が売れるまでダブルローンが続く。(ダブルローン中は元本猶予の金融機関もある)
- (ローンが残っていると)購入時の住宅ローンが条件付き(1年以内に売却など)で金融機関も限られる。
- なかなか売れないと、売り急いで安値で手放す結果になる恐れがある。
- 売却価格が確定せずに家を購入するので、資金に余裕が必要。
- こんな人に向いている
- 住宅ローン完済済み、又は資金に余裕がある人。
- 快適に住み替えするために、多少のリスクは覚悟できる人。

住宅ローンが残っているなら、売却先行が安全なんだね。

そうだね。
ちなみに購入先行で買い替え特約をつける方法もあるけど、人気物件は買えないからおすすめできないよ。
購入先行では、新しい家の売買契約に「買い替え特約」をつける方法がありますが、購入で不利になります。
買い替え特約とは、今の家が売れない場合に、新しい家の売買契約をキャンセルできるというもの。
家を買い替える人にとっては魅力的な特約です。
しかし買い替え特約は、家の売り主からは嫌われがち。
なぜなら家が売れない場合、売買契約がキャンセルされてしまい、また買い主を探す必要があるからです。
結果として他の買い主が優先されてしまうため、人気物件を購入できなくなる恐れがあります。

でも売却先行で、買主が現れたのに家が見つからなかったららどうするの?

買主と交渉するか、仮住まいになるね。
売却先行で先に家が売れたら?
先に家を売り出す『売却先行』では、新しい家が見つからずタイミングがずれると、次のどちらかを選ぶしかありません。
- 買主と交渉して引き渡しを遅らせる又は売却を中止する
- 賃貸などに仮住まいする

買主次第だけど、買主が了解してくれれば、新しい家の引き渡しまで住み続けることができる。
『引き渡し猶予』という特約をつけて売買契約をするんだ。
ダメなら、一旦どこかに仮住まいするしかないね。

引き渡しを遅らせれば、引越しは1度で済むけど、新しい家を選ぶのが難しそうだね。

売却価格に不満がないなら、仮住まいでじっくり満足できる家を探す方がオススメだね。
仮住まいについては、こちらで詳しく解説しています。

でも購入先行で先に家を買っても、家が売れないと大変だね。

特に住宅ローンが残っているとダブルローンが問題になるよ。
購入先行でなかなか家が売れないと?
先に家を買う『購入先行』で、家がなかなか売れないと家の維持費がかかります。
特に今の家の住宅ローンが残っているとダブルローンが問題に。
ダブルローンの期間は自分で調整できないため、家が売れないと精神的にもキツい期間が続く恐れも。
またダブルローンの融資条件で、1年以内の売却などが決まっていると、期限が迫ると値下げするしかありません。
焦って売り急ぐと、相場より安い価格で手放す結果になってしまいます。
住宅ローンや維持費の2重払い(ダブルローン)イメージ

ダブルローンで何か対策はあるの?

金融機関によっては、ダブルローン期間中の元本返済を猶予してくれるよ。
金融機関によっては元本猶予も
金融機関によっては、ダブルローン期間中の元本返済を猶予してくれるところもあります。
ダブルローンの扱いは金融機関によって様々なので、不動産会社に紹介してもらうと良いでしょう。
例えばフラット35などは、今の家を売り出している証拠として不動産会社との媒介契約書があればOK。
逆に厳しい金融機関では、今の家が売れた『売買契約書』を求められる場合もあります。
ダブルローンの期間についても、3ヶ月、半年、1年以内など条件は様々。
ダブルローンについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

でも普通は売れるまでどのくらい時間がかかるの?

売却にかかる期間は4〜4.5ヶ月くらいが平均だよ。
売却期間は平均4〜4.5ヶ月
ちなみに首都圏の中古戸建住宅と中古マンションの平均売却期間はこちら。
- 中古マンション: 約4ヶ月
- 中古戸建て住宅: 約4.5ヶ月
売却期間の内訳はこちら。
国土交通省の指定流通機関である、不動産流通機構が運営するデータベース。
過去の取引事例、現在の売り出し物件情報が登録されています。
不動産会社しか利用できません。
(参考)家を売るときに知っておきたい「レインズ」のこと

けっこう時間がかかるんだね

そうだね。
十分な売却期間がない場合は、期間限定で売る「売却保証」という方法もあるよ。
大手不動産会社の売却保証は買い替えに便利
大手不動産会社では、一定期間だけ普通に売り出して、売れなければ不動産会社が買い取る「売却保証(買い換え保証)」という制度を用意しています。
期限までに家を売ってしまいたい場合は、とても便利な制度ですが、買取価格は査定価格の最大90%など下がってしまうデメリットもあります。
主な大手不動産会社の売却保証
大手不動産会社の売却保証をまとめました。
三井のリハウスの売却保障
対象物件 | 首都圏・関西圏・中部圏の営業エリア内 土地・戸建・マンション(専用住宅) |
---|---|
物件基準 | 【土地・戸建】 ・敷地面積40㎡以上 ・指定の建物調査を実施する場合あり。 【マンション】 ・専有面積40㎡以上 ・1981年(昭和56年)6月1日以降の建築確認取得物件 ※一般的な住宅ローンの通常利用が可能であること |
対象者 | 専属専任媒介(期間3ヶ月間)を締結した個人の方(宅建業者除く) |
保証金額 | 1億円以内かつ査定価格の90%以内 |
保証期間 | 3ヶ月間 |
適用条件 | 規定の審査後の保証開始。 予め、提示した販売計画に基づき、売却活動を実施。 媒介契約締結日から1ヶ月目、2ヶ月目に媒介価格(売出価格)を変更。 他にも諸条件あり。 |
※売却前でも新居への入居ができるつなぎ融資の利用が可能。
住友不動産販売の売却保障
対象物件 | 営業エリア内 自己所有の居住用の不動産 |
---|---|
物件基準 | 【土地・戸建】 ・敷地面積40m2以上。 ・建物調査を実施する場合あり。 【マンション】 ・専有面積40m2以上 ・新耐震基準(1981年(昭和56年)6月1日以降の建築確認取得物件) ・自主管理を除く ※土地・戸建・マンションとも建築基準法等に適合し、一般的な住宅ローンが利用可能な物件であること。 |
対象者 | 専属専任媒介を締結した方 |
保証金額 | 1億円以内かつ査定価格の90%以内 |
保証期間 | 3ヶ月間 |
適用条件 | 規定の審査後の保証開始。 予め、提示した販売計画に基づき、売却活動を実施。 他にも諸条件あり。 |
東急リバブルの売却保障
対象物件 | 東京、神奈川、埼玉、千葉および札幌、仙台、名古屋、福岡、関西圏の営業エリア内 個人の居住用の土地・一戸建・マンション |
---|---|
物件基準 | 【土地】 ・敷地面積40m2以上。 【戸建】 ・敷地面積40m2以上。 ・築30年以内(但し築年数に応じた制限あり)。 ・建物調査を実施する場合あり。 【マンション】 ・専有面積30㎡以上 ・築30年以内 ※土地・戸建・マンションとも法令及び条例に適合し、一般的な住宅ローンが利用可能な物件であること。 |
対象者 | 専属専任・専任媒介契約を締結した方 |
保証金額 | 1億円以内かつ査定価格の90%以内 |
保証期間 | 3ヶ月以上6ヶ月未満 |
適用条件 | 規定の審査後の保証開始。 予め、提示した販売計画に基づき、売却活動を実施。 他にも諸条件あり。 |
※再販売を行った結果、利益が出た場合、その利益を売主様に還元する利益還元制度あり。
※売却前でも新居への入居ができる立替払い制度の利用が可能。
野村の仲介+の買換保障
対象物件 | 営業エリア内 個人の居住用の土地・一戸建・マンション |
---|---|
物件基準 | 【戸建・土地】 ・敷地面積40m2以上。 【マンション】 ・専有面積30m2以上 ・築30年以内 ※土地・戸建・マンションとも法令及び条例に適合し、一般的な住宅ローンが利用可能な物件であること。 |
対象者 | 専属専任媒介契約を締結した方 |
保証金額 | 1億円以内かつ査定価格の90%以内 |
保証期間 | 最長1年 ※保証期間は個別に審査 |
適用条件 | 規定の審査後の保証開始。 予め、提示した販売計画に基づき、売却活動を実施。 他にも諸条件あり。 |
※再販売を行った結果、利益が出た場合、その利益を売主様に還元する利益還元制度あり。
※売却前でも新居への入居ができるつなぎ融資の利用が可能。
これら4社にまとめて査定を依頼する場合は、一括査定サイト「すまいValue」を利用すると便利です。
一度にまとめて無料査定を依頼できます。
すまいValueの公式サイトはこちら
⇒すまいValue
購入先行でつなぎ融資を利用する方法も
家を売った資金を購入に充てる場合は、家が売れるまでの間は売却保証とセットになっている「つなぎ融資」を利用する方法もあります。
つなぎ融資イメージ
つなぎ融資については、こちらで詳しく解説しています。
今の家のローンが返せない場合は住み替えローン
今の家を売っても、住宅ローンを全額返せない「オーバーローン」の場合は、住み替えローンを利用するのがおすすめ。
今のローンの不足分を、新しい家のローンにまとめることが可能です。
住み替えローンのイメージ
住み替えローンでは売りと買いのタイミングを合わせる必要があります。
この場合も先に売り出すのが基本です。
住み替えローンについて詳しくはこちら
【買い替えSTEP5】
スケジュールに余裕をもつ
あなたの家をすこしでも有利な条件で売るためには、売り急がないことが大切です。
売り急ぐ=安く処分すると考えて、スケジュールには余裕をもって計画しましょう。
売り急ぐと損をする
家を売り急ぐと安くなる例として、典型的なのは『不動産会社による買取』です。
不動産会社の買取では、最短1週間程度で売れますが、買取価格は相場の6〜8割に安くなってしまいます。
たった一人の買主が見つかれば良い
不動産の価格には、ある程度の相場はありますが、定価がありません。
どんなに相場から外れた価格でも、買ってくれる人が一人見つかれば売買は成立します。
運が悪いと、相場通りの価格で売りだしても、買主が見つかるまで数ヶ月かかる場合があります。
もし売りだして翌週に売れたという場合は、売り出し価格が安すぎたのかもしれません。
平均売却期間は4〜4.5ヶ月ですから、スケジュールには余裕をもっておきましょう
相場より2割高く売れることもある
運が良ければ、相場から2割くらい高くても売れることがあります。
例えば、
- 立地が特に良かったり
- 展望が良かったり
- ルーフバルコニーが広かったり
個人の好みが合えば、価格は相場を大きく外れることがあります。
まとめ
ここまで『家の買い替えここに注意、成功への5ステップ』として、家の買い替え手順と注意点を解説しました。
買い替えSTEP
- STEP1. 全体の流れと予算計画を把握する
- STEP2. 諸費用と税金を確認する
- STEP3. バランスを考える(相場より事情を優先し、希望条件と資金について計画)
- STEP4. 売りながら探す又は買ってから売る
- STEP5. スケジュールに余裕をもつ(売り急ぐと損をする)
まずは今の家がいくらで売れそうか、不動産会社へ無料査定を依頼すると良いでしょう。
不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利です。
家の買い替えは、人生の節目を飾る重要なイベント。
あなたの家の買い替えが成功することを、心よりお祈りしております!
一括査定サイトの定番3社
一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。
一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。
この3社以外についてはこちらにまとめています。
すまいValue
- 査定実績:
- 40万件
- 不動産会社数:
- 大手6社・全国890店舗
- 運営会社:
- 大手6社共同運営
大手6社(三井のリハウス・住友不動産販売・東急リバブル・野村の仲介+・三菱地所ハウスネット・小田急不動産)が共同で2016年に設立した一括査定サイト。
6社といっても全国890店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。
売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。
首都圏以外のほとんどの地方都市でも、三井・住友・東急の3社が売却実績のトップ3を独占しています。
2021年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトです。
簡易査定を選ぶと郵送やメールで査定可能。管理人のコメント
地方では大手より地域密着の中小が強い場合もあるので、3位のHOME4Uも確認した方が良いでしょう。
しかし都市部では「すまいバリュー」が定番です。
特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。優秀な営業マンも数多く抱えています。SRE不動産(旧ソニー不動産)
- 査定実績:
- (2014年開始)
- 不動産会社数:
- 売主側1社(買主側多数)
- 運営会社:
- SREホールディングス株式会社
すまいValueと合わせて利用したいのが、SRE不動産(旧ソニー不動産)。利用できるエリアは首都圏と関西圏限定です。
あのソニーが始めた不動産会社で、売主だけを担当するエージェント制が特徴。無数にある他の不動産会社が買主を探してくれるため、高値でスムーズに売れやすいメリットがあります。管理人のコメント
大手不動産会社でエージェント制はSRE不動産だけ。話を聞くと売却活動に役立つでしょう。ただし一括査定でなく1社だけの査定なので、すまいValueとセットで査定を依頼することがポイント。まずメールで概算価格を査定してくれます。
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- 累計40万件(2001年開始)
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- 1,500社
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- 株式会社NTTデータ・スマートソーシング
日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始依頼、査定累計数40万件と実績も豊富。運営は東証1部上場の株式会社NTTデータのグループ会社。
不動産会社は大小バランスよく登録されているため全国どこでも幅広く依頼ができます。
机上査定を選ぶと、郵送やメールで査定可能。管理人のコメント
HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多いため、自然と査定精度が高くなる仕組みになっています。
ちなみに記入した内容はまた不動産会社と話をするときに修正できます。
あまり真剣に悩まず、とりあえず現時点の希望を書いておく程度で大丈夫。
不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。
【公式サイト】すまいValue
【公式サイト】SRE不動産
【公式サイト】HOME4U