「タワーマンションを売却するなら、そろそろ売り時?」

タワーマンションを売却するタイミングでお悩みですね。

確かに日銀の金融緩和修正や相続税見直しの影響で、タワマンが値下がりする恐れがあります。

もし価格が下落するなら、下落前に売り抜けたいもの。
売却に最適なタイミングが分かれば理想的ですね。

そんなあなたのために、タワーマンションの売り時について解説します。

この記事ではタワーマンションの売却で絶対に知っておきたい3つの判断基準と注意点をまとめました。

あなたのタワーマンション売却が成功するために、この記事がお役に立てば幸いです。

タワーマンションの売り時3つの判断基準

1990年代後半から続々と増えているタワーマンションですが、売却する方も徐々に増えてきました。

「タワーマンション」という言葉ですが、実は明確な定義はありません。

一般的には、高さが60メートル以上で20階建て以上のマンションを「タワーマンション」と呼んでいます。

タワーマンションに該当するマンションは全国におよそ1400棟あり、38万戸が供給されています。

家博士家博士

タワーマンションの第1号は、東京港区に1971年に完成した『三田綱町パークマンション』とされている。19階建てだけど、高層マンションの先駆けといえるマンションだよ

3つの判断基準とは

タワーマンションの売り時は、大きく分けて次の3つで判断できます。

それぞれ解説します。

判断基準1. マンション相場による売り時

売り時の判断基準1つ目は、マンション相場による売りどき。

今は中古マンション相場が高騰しているため、相場から考えると売り時といえます

高騰している中古マンション相場

不動産価格指数(全国)

不動産価格指数(全国202403)

不動産価格指数とは

不動産相場の価格変動が純粋に分かる指数。国土交通省がアンケートで集めた年間30万件の成約価格を元に、ヘドニック法という統計計算でまとめたもの。3ヶ月前までのデータが毎月末頃に公表される。2010年の平均を100として算出。

中古マンションは約11年で89%も値上がりしています。


日銀の金融緩和が中古マンション価格を大きく引き上げていることが分かります。

ハウスハウス

中古マンションは人気なんだね!


家博士家博士

ところが中古マンションを買う人は増えていないんだ。
逆に売る人が増えて、売りにくくなっているんだよ。

中古マンション価格高騰の原因は、買う人が増えたからではない

中古マンション価格が上昇している理由は、中古マンションを購入する人が増えたからではありません。

中古マンションの成約と売出し戸数の推移
(東京23区)

中古マンションの成約と売出し戸数の推移(東京23区)2023

例として、東京23区の中古マンションでは

  • 売出し戸数は15年で3倍以上に増えている
  • 成約戸数はそこまで増えていない

と分かります。

中古マンション価格は高騰していますが、売り出しても実際に売れるマンションは4戸に1戸程度。

タワーマンションを売るためには、マンション売却に強い不動産会社に依頼することが大切です。

中古マンション価格高騰の原因は、新築マンション価格高騰

中古マンション価格の高騰は、新築マンションの価格高騰が原因です。

東京23区の新築マンション価格は、この10年で61%も上昇しています。

東京23区と区外の新築マンション価格

東京23区と区外の新築マンション価格2023
新築マンション価格が高騰している主な理由は、日銀の金融緩和の影響で住宅ローンが超低金利で借りやすいこと。

例) 35年ローンで月々の支払いが15万円の場合

  • 金利3.0%: 借り入れ総額 3,897万円 
  • 金利0.5%: 借り入れ総額 5,778万円(+48%UP!) 

低金利だと、月々の支払いが同額でも、より多くの金額を借りられます。

さらに低金利が続く予想から、固定金利でなく変動金利を選ぶ人が増えていることも、実質金利の低下を加速。

多くの人が、高い価格でも新築マンションを購入することから、新築マンション価格の高騰が続いているのです。

ハウスハウス

しばらくは低金利が続きそうだから、マンション価格も高値が続くのかな?


家博士家博士

今の低金利は日銀の金融緩和によるものだけど、もう金融緩和も限界なんだ。


ここで注意したいのが、このまま高騰した状態が続くとは考えにくいこと。

マンション相場の高騰が終わる2つ理由

マンション相場の高騰が終わると予想されているのは、次の2つの理由から。

  1. 日銀の金融緩和の限界
  2. 世界的な経済危機と景気悪化

それぞれ解説します。

高騰が終わる理由1. 金融緩和の限界

日銀の金融緩和が限界の今、金利の上昇により不動産価格が下落する恐れがあります。

不動産価格を高騰させた金融緩和が限界に

今の不動産価格高騰は、2013年1月に始まった日銀の異次元金融緩和が引き起こしたもの。
しかし日銀の金融緩和はすでに限界です。
日銀の印刷したお金の量をGDP比で米国・欧州と比較すると、その厳しい現状は明らか。

中央銀行が印刷したお金の量(GDP比)

中央銀行総資産の比較(日米欧)2023年8月

出典:日本銀行内閣府FRBBEAECBEU

金融緩和で日銀が印刷したお金の量は、欧州の約3倍、米国の4倍以上と世界でも異常な量に。

先進国として世界初の実験でしたが、期待したほどの効果は得られず、今は円安などが問題になっています。

ハウスハウス

日本だけ、こんなにお金を印刷したんだ!
でも株や不動産が値上がりしたから、成功したんじゃないの?


家博士家博士

残念ながら、円安で日本円の価値が下がり、結果として日本経済は衰退した。

日本の経済は衰退した

金融緩和によって、日本経済は立ち直るどころか逆に衰退しました。

経済の指標となる「国民一人あたりGDP」は、金融緩和以降に伸びが鈍化。

今や米国の6割まで落ち込み、韓国にも抜かれています。

一人あたりGDPの推移

一人あたりGDPの各国推移

出典:OECD Data

ハウスハウス

確かに金融緩和以降は、日本だけ伸びてない!


家博士家博士

他にも日銀が日本株や国債を買い占めたことで様々な問題が起きている。
今は世界の主要国が金利を上げたから、日銀も金融緩和を終える流れだよ。

すでに世界は金利を上げた

主要国の中央銀行はすでにゼロ金利を解除し、金利を大きく引き上げました。

世界の中央銀行の動向
米国(FRB)

  • 2022年3月 ゼロ金利から利上げ開始
  • 2021年1月 金利5.25〜5.50%で維持

欧州(ECB)

  • 2022年7月 ゼロ金利から11年ぶりの利上げ開始
  • 2023年12月 主要政策金利4.50%で維持

日銀も金融緩和を終え利上げに

日銀も金利を上げ始めています。

すでに日銀は事実上の利上げを3回実施。

これを受けて住宅ローンの固定金利は、2022年末に急上昇しました。

固定金利の推移
(フラット35最頻金利・新機構団信付)

固定金利の推移2024年3月

2024年春には「マイナス金利解除」が予想されており、変動金利も含めて上がり始めそうです。
【参考】日本経済新聞・日銀マイナス金利解除「4月までに」9割

住宅ローンの変動金利が上がり始めると、不動産価格は大きく動き始めるでしょう。

ハウスハウス

変動金利が上がると、不動産価格はどうなるの?


家博士家博士

金利が上がると、不動産価格は下落する傾向がある。


日銀の金融緩和が限界の今、いずれ金融緩和の終焉があり、不動産価格は下落する恐れがあります。
もし不動産を売却する予定なら、準備しておいたほうが良いでしょう。

高騰が終わる理由2. 世界的な経済危機と景気悪化

景気後退でタワーマンション価格が下落する

景気が後退すると、次の3つの原因からタワーマンション価格が下落します。

  • 消費者心理の悪化
  • 株価下落による逆資産効果
  • 現金需要のためのタワーマンション投げ売り

景気が落ち込めば、どうしても消費より貯蓄に向かうため、タワーマンションを購入する人が減り、マンション価格は下落します。

またタワーマンション購入者は、株式で資産運用をしている人も多いので、株価が下落することで資産が目減りし、やはりタワーマンションを購入する人が減ることに。

さらに、事業を経営しているタワーマンション所有者は、経営が厳しくなるとタワーマンションを売却し現金化して、手元の運転資金を補います。

急いで現金化するために、相場より安く売り出し、それでも売れないと売れるまで価格を下げる、投げ売り状態になりがち。

こうして、景気後退によりタワーマンション価格が下落するのです。

タワーマンション価格は数ヶ月遅れて影響が現れる

景気の動向は、タワーマンション価格に大きく影響しますが、マンション相場へ影響するまでに数ヶ月遅れがあります。

景気を判断するには、まず初めに動く「日経平均株価」「ダウ平均株価」に注目しておきましょう。

特に日経平均株価は、タワーマンション価格と相関性が高くなります。

不動産価格指数(東京・中古マンション)と日経平均株価

不動産価格指数と日経平均の比較2023年12月

まずは今の価格を確認するなら

相場の動きをチェックすると同時に、あなたのタワーマンションが今ならいくらで売れるのか、価格を確認してみましょう。

今はマンションの値動きが激しいため、プロでも査定が難しい状況です。

あなたのマンションの正確な価格を知るためには、マンション売買実績が豊富な不動産会社3〜6社に無料査定を依頼しましょう。

ハウスハウス

マンション売却実績が豊富な不動産会社はどこ?


家博士家博士

都市部は大手3社が強いね。


実績は大手3社が強い

売買仲介件数ランキング上位35社
(2023年3月)

不動産会社の売買仲介件数ランキング2023年3月

不動産売却の実績は、大手3社に偏っています

三井のリハウス住友不動産販売東急リバブルの3社は、仲介件数が2万件を超えており、大手の中でも圧倒的。

都市部で査定を依頼するなら、これら大手3社を中心に考えると良いでしょう。

ハウスハウス

大手3社は別格だね。


家博士家博士

3社もそれぞれ特徴があるから、解説しよう。

【大手1】三井のリハウス
37年連続で売買仲介件数1位

三井のリハウス

  • 店舗数 286店舗
    (首都圏182、関西圏46、中部圏25、札幌9、東北6、中国9、九州9)
  • 三井のリハウスは、37年連続で売買仲介件数1位と業界を代表する不動産会社。

    独自の査定システムは精度が高く、売主の約76%がほぼ提案価格(提案の95%以上)で成約しています。


    多くの購入希望者を抱えるため早く売れることも強みで、売主の65%が2ヶ月以内に成約するほど。

    また担当者のレベルが高いことにも定評があり、顧客満足度は96%と高評価です。

    家博士家博士

    業界を代表する会社だから、初めての売却ならまず話を聞いてみると良いよ。
    他と比較する基準にもなるからね。

    三井のリハウスの無料査定はこちらから
    三井のリハウス

    【大手2】住友不動産販売
    熱心な営業スタイルに定評

    すみふの仲介ステップ

    • 店舗数 234店舗
      (首都圏136、関西圏58、中部東海15、北海道8、東北4、中国7、九州6)

    住友不動産販売(すみふの仲介ステップ)は、営業マンの熱心な営業スタイルに定評があります。

    現在の購入希望者の登録数も公開しており、常に2万人を超える希望者が登録。

    自社ホームページの月間来訪者数は300万件以上、登録物件数は2万8千件以上と十分なスケールメリットもあります。

    家博士家博士

    スマートでクールな営業より人情深く熱心な営業が好みなら、他より出会える可能性が高いかも。


    【大手3】東急リバブル
    東急沿線や大型案件に強み

    東急リバブル

    • 店舗数 216店舗
      (首都圏141、関西圏42、名古屋11、札幌9、仙台6、福岡7)

    東急リバブルは売却に便利なサービスが充実しています。

    例えば予定期間で売れないと査定価格の90%などで買取る「買取保証」は、買い替えで安心。

    またリフォーム込で売り出す「アクティブ売却パッケージ」は、築古マンションを売り出す方法として効果的です。

    家博士家博士

    初めての買い替えや売却で心配なら、話を聞いてみると良いね。

    東急リバブルの無料査定はこちらから
    東急リバブル

    大手にまとめて査定を依頼するなら「すまいValue」

    大手3社にまとめて無料査定を依頼するなら、一括査定サイトの「すまいValue」が便利。

    すまいValueは、大手上位6社(三井のリハウス住友不動産販売東急リバブル野村の仲介+小田急不動産三菱地所の住まいリレー)が共同運営する一括査定サイトです。


    すまいValue

    すまいValueの公式サイトはこちら
    すまいValue

    ハウスハウス

    とりあえず大手3社に査定を依頼すれば良いの?


    家博士家博士

    売却予定なら個人の相性もあるから、大手3社以外と比較した方が良い。
    首都圏・関西圏ならエージェント制のSRE不動産(旧ソニー不動産)、それ以外なら地域で実績No.1の会社にも査定を依頼しよう。

    SRE不動産(旧ソニー不動産)
    売主だけを担当するエージェント制

    SRE不動産
    大手と比較するならSRE不動産(旧ソニー不動産)が良いでしょう。

    なぜならSRE不動産は、大手で問題になりがちな両手仲介が無いため。
    (※両手仲介とは売主と買主を同じ不動産会社が担当すること。大手は顧客を多く抱えるため、自然と両手仲介が多くなる。)

    SRE不動産は、業界初のエージェント制で売主だけを担当。
    買主は無数にある他の不動産会社が積極的に探します。

    結果として、大手にも劣らない販売力で、早く高く売れやすいことが最大のメリット。

    ただし営業エリアは首都圏・関西圏限定です。

    家博士家博士

    SRE不動産は業界でも両手仲介無しで知られているから、他社が競って営業してくれる。
    大手と話を聴き比べて、自分に合ってる方を選ぶと良いよ。

    SRE不動産(旧ソニー不動産)の公式サイトはこちら
    SRE不動産

    その他エリアは地域No.1を探す

    大手やSRE不動産の営業エリア外なら、地域で実績No.1の不動産会社を中心に選びましょう。

    実績No.1の不動産会社は、実績をアピールしているのですぐに分かります。

    不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトをいくつか併用すると良いでしょう。

    全国対応の主要な一括査定サイトとして次があります。

    その他、主要な一括査定サイトはこちらでまとめています。

    判断基準2. 税金による売り時

    タワーマンション売り時の2つ目の判断基準は、税金による売りどき。

    主に次のようなタイミングが「売り時」になります。

    それぞれ解説します。

    (1)ローン控除がなくなる『購入から10年超』

    住宅ローン控除があるのは、購入から10年〜13年間。

    控除期間が終わるタイミングも、タワーマンションの売り時のひとつです。

    住宅ローン控除は、ローン残高の1%を所得税から控除できるお得な制度で、最大400万円もの節税効果があります。
    【参考】国土交通省・住宅ローン減税制度の概要

    マンション評論家の中には、10年毎に新築マンションを買い換える手法を推奨している人もいるほど。

    ちなみに令和4年(2022年)以降の入居は、税制改正で大幅に改正され、控除率0.7%で期間13年間、最大控除額も変更されました。

    (2)特例が使えなくなる『住まなくなってから3年目の年末』

    自宅の売却は3,000万円まで控除される

    タワーマンションを売却して利益が出ると課税されますが、自宅の売却では、譲渡所得から3,000万円が控除される特例があります。

    この特例があるおかげで、ほとんどの人はタワーマンションを売却しても税金は発生しません。

    ただしこの特例が受けられるのは「転居してから3年後の12月31日までに譲渡した場合」

    所有しているタワーマンションにあなたが住んでいない場合、この要件を満たさないと3,000万円の特別控除は受けられません。

    買い替えでは新しい家の住宅ローン控除と併用不可

    ただし家を買い換える場合は、新しい家の住宅ローン控除と3,000万円の特別控除は合わせて利用できません。

    どちらかお得な方を選んで使わないといけないので、注意が必要がです。

    (3)課税対象なら『税率が下がる5年超、10年超』

    タワーマンションを売却して利益(譲渡所得)があり、所得税と住民税の課税対象になる場合は、『税率が下がる5年超、10年超』も売りどき。

    特に、買い替えなどで3,000万円の特別控除が使えないケースでは課税対象になりがちです。

    家博士家博士

    税率が変わるタイミングは5年。
    5年を超えて所有していれば『長期譲渡所得』となって、税率が約半分に下がるんだ

    また、所有期間が10年を超えると「10年超所有軽減税率の特例」の対象にもなります。

    この特例が適用されると、譲渡所得6,000万円以下の部分について、税率は14.21%まで軽減(所得税が10.21%、住民税が4%)。

    譲渡所得6,000万円を超える部分については、20.315%です。

    なお、この特例は「3,000万円の特別控除」と併用OKです。

    ●譲渡所得の税率
    所有期間 短期譲渡所得
    (1月1日で5年以下)
    長期譲渡所得
    (1月1日で5年超)
    長期の軽減税率特例
    (1月1日で10年超で特例を選択する場合)
    税率
    (所得税)
    30.63% 15.315% 6千万円以下分:10.21%
    6千万円超分:15.315%
    税率
    (住民税)
    9.0% 5.0% 6千万円以下分:4.0%
    6千万円超分:5.0%
    税率
    (合計)
    39.63% 20.315% 6千万円以下分:14.21%
    6千万円超分:20.315%

    参考:No.3211 短期譲渡所得の税額の計算・国税庁
    参考:No.3208 長期譲渡所得の税額の計算・国税庁
    参考:No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例

    期間とは、売却した年の1月1日時点で、5年所有していたかどうか。

    譲渡所得と納税について、さらに詳しくはこちらの記事をお読み下さい。

    (4)相続税の節税封じが波及する恐れも

    タワーマンション購入者の中には、相続税の節税が目的の人も居ます。

    なぜならタワーマンションは、相続税の課税評価額が安い一方で実売価格が高いため、差額を利用して相続税を節税できるため。

    最高裁が否認、税務署も通達改正を調整中

    しかし2022年4月19日に、最高裁が路線価を利用した節税を否認する判決を出しました。
    【参考】日本経済新聞・相続マンション、路線価認めず課税「適法」 最高裁判決
    市場価格と相続税評価額の乖離の事例

    評価額が市場価格の最低6割に上がる

    すでに国税庁はタワマン節税を封じる見直し案を2023年6月30日に発表。

    相続税評価額が市場価格の最低6割に上がる予定です。
    マンション相続税見直し案

    マンションの約65%は相続税評価額が市場価格の半額以下。

    特にタワーマンションの高層階は3割以下も多く、相続税は大幅に増税される見込みです。

    高層階や高額マンションは要注意

    タワマン節税を封じられる影響で、これまで相続税の節税目的で購入していた一部のタワマン所有者が、売りに出す恐れがあります。

    特に高額な高層階では影響があるかもしれません。

    相続目的の購入者が多い物件・エリアでは、用心しておきましょう。

    判断基準3. タワーマンションによる売り時

    タワーマンション売り時として判断基準の3つ目は、タワーマンション自体による売りどき。

    それぞれ解説します。

    (1)(賃貸中なら)空室になったタイミング

    もし所有しているタワーマンションを賃貸に出している場合は、入居者が退出して空室になったタイミングが売りどきです。

    なぜなら貸している状態で売り出すと、投資用物件となり価格が安くなってしまうため。

    空室なら、居住目的の一般消費者(エンドユーザー)が購入するため、相場通りの価格で売ることができます。

    詳しくはこちらで解説しています。

    (2)(リフォームを考えているなら)リフォームする前

    内装のリフォームを考えているなら、リフォームする前も売りどきです。

    なぜなら、リフォーム費用を売却価格に上乗せすることが難しく、トータルでは損をするため。

    リフォームで家の売却に失敗するイメージ

    国土交通省の調査でも、個人が売主の場合は、リフォームせずに売ったほうが良いことが分かっています。


    ハウスハウス

    リフォームして新しくすれば売れそうな感じもするけれど、そういうわけではないんだ

    家博士家博士

    このままの状態では売れそうにない…と考えるなら、まず不動産会社に相談した方が良いよ

    (3)大規模修繕で修繕積立金不足が問題になる前

    多くのタワーマンションでは修繕積立金が不足しており、大規模修繕のタイミングで問題が発覚します。

    なぜなら、タワーマンションの大規模修繕には次の様な問題があるためです。

    タワーマンションの大規模修繕の問題点

    • 従来の仮設足場が使えず、ゴンドラなどを利用するため、修繕工事費用が高くなる
    • 大規模修繕事例がまだ少なく、適正価格が分かりにくいため、修繕工事費用の見積りが高額になりがち
    • 購入当初から、必要な修繕積立金の値上げをしていない
    • 近年の工事費高騰や消費税率上昇にも関わらず、長期修繕計画を定期的に見直していない
    • 大規模修繕工事を管理会社に丸投げしているため、工事費が1.5倍〜2倍以上に膨らんでいる
    家博士家博士

    タワーマンションの建設ラッシュは1999年以降だから、大規模修繕工事の事例がまだ少ないんだ。
    これから問題が増えると予想されているよ。

    タワーマンションの建設時期

    タワーマンション建設時期
    出典;国土交通省・マンション政策の現状と課題

    築15年以降の大規模修繕で大きな差が出る可能性も

    大規模修繕では築後12〜15年周期で実施されるものですが、重要なのは2回目以降の大規模修繕。

    なぜなら、2回目以降の大規模修繕は1回目以上に工事費がかかるからです。

    家博士家博士

    1回目の大規模修繕は外壁塗装くらいで済むけれど、2回目になると設備の更新も必要になってくる。
    だから、2回目以降の大規模修繕は費用がかかるんだ

    しかし、多くのタワーマンションで修繕積立金が不足しているという試算も。

    修繕積立金には国が必要額の目安を公表していますが、タワーマンションの8割弱は未達であるとも言われています。

    修繕積立金の目安

    (例)エルザタワーの大規模修繕
    埼玉県川口市のエルザタワー(1998年完成・55階建・高さ185m・650戸)は2015年〜2017年にかけて第1回目の大規模修繕工事を実施。
    工事費は1戸あたり200万円(総額12億円)で一般のマンションの2倍。
    7階までを足場、8階以上は特殊なゴンドラを使用。
    近いうちに、給湯・暖冷房システムの改修で20億円がかかる予定という。

    実は雨漏りリスクが高いタワーマンション

    あまり知られていませんが、タワーマンションは外壁からの雨漏りリスクが高いと言われています。

    タワーマンションの外壁は、軽量のコンクリートパネルを窓枠などと組み合わせることで作られていきます。

    建材の間を埋めるのはコーキング剤ですが、コーキング剤は経年劣化が避けられません。

    さらにタワーマンションでは風雨や日照の影響が大きく、コーキングの劣化が早く進みます。

    コーキング剤が劣化するとそこから雨水が入り込みやすくなり、雨漏りの原因となるのです。

    こうした雨漏りは、タワーマンションの高層階に多いとされています。

    雨漏りが頻発すると、売却価格に影響する恐れもあります。

    (4)管理組合の機能不全が表面化する前

    一部のタワーマンションでは、管理組合の機能不全が問題になり始めています。

    多種多様な所有者がいるため管理組合の意見統一が難しい

    投資家イメージ
    マンションの大規模修繕や修繕積立金の修正など、重大な決定には、区分所有者の3/4以上の賛成が必要です。

    しかしタワーマンションには、多種多様な所有者がるため、この賛成が難しいという問題があります。

    必要な大規模修繕や、修繕積立金の増額などができないと、徐々にマンションの資産価値が下がっていきます。

    主なタワーマンションの所有者

    • 居住用に購入する人
    • 相続税対策に購入する人
    • 投資用に購入する人
    • 海外に在住する人
    • 再開発前の地権者
    ハウスハウス

    タワーマンションの購入が、相続税対策になるの?

    家博士家博士

    タワーマンションの高層階は価格が高額だけど、相続税の評価額は低いんだ。
    だから、高層階で高額な部屋ほど相続税対策の効果が高くなる。
    これを狙って購入する人も多いんだよ

    相続税対策について
    この相続税対策が問題視され始めたことを受けて、2017年度には税制が改正されました。
    しかし内容をよく見てみると、節税額に対してわずかな調整にすぎません。
    相続税は実質的に「変化なし」で、効果がないのが現実です。
    海外在住者について
    特に中国人投資家が投資目的で購入するパターンが多くなっています。
    1人で数戸所有する投資家も珍しくなく、中国人投資家への対応に苦慮する管理組合も多いのです。
    投資用の購入者について
    中国人投資家に限らず、日本人であっても投資の意識が高い人が多いのも事実。
    この様な購入者が多いと、仮に値崩れやトラブルがあれば、一気に売りに出されるリスクもあります。
    ハウスハウス

    とにかく、いろいろな人がタワーマンションを購入しているってことなんだね

    家博士家博士

    そう。日本人だけでなく海外の投資家も購入していたりするから、修繕積立金の見直しや管理体制について、意見の一致が難しいのもリスクの一つなんだ。こうした部分は、所有者から一定の同意を得なければならないからね

    管理の質で物件が2分化する予想もある

    2分化するイメージ
    多種多様な所有者がいるため、特に管理面についてはマンションによって大きく差が出ることも予想されます。

    しかし一方で、一部のタワーマンションでは、積極的なリーダーが管理組合を上手に運営しているケースもあります。

    今後は管理組合の質によって、タワーマンションの資産価値に大きな差がついていくと予想されています。

    こうした現状は少しずつ明らかになってきており、今後はメディアなどで大きく取り上げられることも予想されます。

    ハウスハウス

    修繕費用が足りないと困るけど、負担が増えるのも嫌だから、意見の統一が難しいね。


    家博士家博士

    そうだね。どんなに設備や眺望が良いマンションでも、管理が行き届かなければ資産価値も下がってしまう。
    マンションの資産価値は、管理組合の運営にも左右されるんだ。

    (5)長周期パルスなど未知の地震リスク

    地震イメージ
    もう一つ知っておきたいリスクが地震です。

    長周期地震に弱いタワーマンション

    これまでは「地震に強い」とされてきたタワーマンション。

    しかし長周期地震動と呼ばれるゆっくりとした揺れに対しては、逆に弱いことが分かってきました。

    2011年の東日本大震災では、東京都内の高層ビルで高層階が大きな揺れとなりました。
    長周期地震動による被害

    長周期地震動では高層階が大きく揺れるため、高層階の家具や内装・エレベーターに被害が出やすくなります。

    こういった被害が分かってきているため、2023年2月から長周期地震動の発生も緊急地震速報に加えられました。
    【参考】気象庁・長周期地震動について

    長周期パルスなど破壊の恐れも

    また2016年4月の熊本地震で観測された「長周期パルス」と呼ばれる特殊な揺れは、タワーマンションのような超高層マンションを一撃で破壊する恐れがあります。

    【参考】NHK・MEGACRISISⅡ 第1集 都市直下地震 新たな脅威 “長周期パルス”の衝撃

    長周期パルスは、これまでほとんど研究されてこなかった未知の地震。

    こういった現在の免震技術では対策が難しい“未知の地震”に対するリスクも、タワーマンション特有のリスクとなるでしょう。
    【参考】長周期・長時間地震動と長周期パルスに対する超高層ビルの対策

    まとめ

    ここまで『タワーマンションの売り時はいつ? 知っておきたい判断基準と注意点まとめ』として解説してきました。

    タワーマンションの売りどきには、次の3つの判断基準があります。

    ●マンション相場による売りどき
    今はマンション相場が高騰しており、そろそろ風向きが変わると予想する専門家が多い状況。
    ●税金による売りどき
    1. ローン控除がなくなる『購入から10年超』
    2. 3,000万円の特例などが使えなくなる『住まなくなってから3年目の年末』
    3. 課税対象なら『税率が下がる5年超、10年超』
    4. 相続税の節税封じが波及する恐れも
    ●タワーマンションによる売りどき
    1. (賃貸中なら)空室になったタイミング
    2. (リフォームを迷っているなら)リフォームする前
    3. 大規模修繕で修繕積立金不足が問題になる前
    4. 管理組合の機能不全が表面化する前
    5. 長周期パルスなど未知の地震リスク

    今のマンション相場を考えると、多くのタワーマンションオーナーは売却すると利益があるはず。

    まずは今の売却価格を確認してみてはいかがでしょうか。

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