既存住宅売買瑕疵保険イメージ
「家を売る時に『既存住宅売買かし保険』に入ったほうが良いの?」

「既存住宅売買かし保険のメリットは多そうだけど、聞いたことない…」

既存住宅売買かし保険が気になっている方のために、現状をまとめました。

1. 既存住宅売買かし保険のメリットと注意点

「既存住宅売買かし保険(個人間売買タイプ)」とは個人の売り主が中古住宅を個人の買い主に売るときに、瑕疵をカバーできる保険。

国土交通省の主導で、2010年に新しく生まれた保険制度です。

既存住宅売買かし保険のメリット

  • 保険加入前に資格者の検査があるので、保険に入っていることで品質証明になる。
  • 1年間又は5年間、瑕疵に対する修繕等の費用が保険でカバーされる。
  • 築年数が古いと本来は対象外となる、税金の優遇(住宅ローン減税・不動産取得税軽減)が受けられるようになる。
  • これらのメリットから、家が売れやすくなる

既存住宅売買かし保険の注意点

  • 保険に加入するための費用が必要。(通常10万〜20万円程度)
  • 検査の結果、補修が必要だと判断されると、数十万円〜数百万円の補修費用がかかる恐れがある。
  • 戸建住宅では有効だが、マンションでは共有部が適用外で効果が限られる
  • まだ知名度が低い。せっかく保険に入っても、メリットを知らない購入者が多い。
  • 現時点では、大手不動産会社が独自に用意している瑕疵保険の方が知名度が高い。(詳細は後で説明します)

ハウスくんハウスくん

水戸黄門の印籠みたいに、無敵の効果があるわけじゃないんだ。


家博士家博士

熱心に中古戸建を研究している買い主には有効だけど、知名度は高くないのが実情。
地域や築年数にもよるので、まず不動産会社の担当者に相談した方が良いね。

瑕疵についてはこちらの記事で解説しています

2. 仕組み、依頼先、支払い対象等

既存住宅売買かし保険の仕組み

個人の住宅売買における、既存住宅売買かし保険は次のような仕組みになっています。
住宅売買のかし保険の仕組み
(クリックで拡大)
住宅瑕疵担保責任保険協会サイトより

公式サイトの説明動画です。
9分くらいあるので、時間に余裕があれば見て下さい。

  • 売り主が検査機関に申し込む保険。
  • 保険法人と検査機関から検査者が来て、家を検査する。
  • 構造部材と雨漏り関係をチェックして、問題があれば補修しなければいけない。
  • 瑕疵があっても、保障期間中(1年or5年)は免責5万円で保険が適用される

ハウスくんハウスくん

家を検査されるんだね。
問題があれば補修しないといけないのか…。


家博士家博士

保険が5年間の保障なので、その間に問題が起きそうな箇所は補修しなければいけない。

どこで依頼するか

保険の依頼は、直接検査機関に依頼することも可能ですが、面倒です。
一番良いのは、媒介契約を結ぶ不動産会社の担当者に相談してみること。

どこの不動産会社に依頼しても、大元の保険会社は国土交通省が定めたこの5社。

  • (株)住宅あんしん保証
  • 住宅保証機構(株)
  • (株)日本住宅保証検査機構
  • (株)ハウスジーメン
  • ハウスプラス住宅保証(株)

不動産会社によって、提携している保険会社が異なります。
詳しくは住宅瑕疵担保責任保険協会サイトでも確認できます。

保険の支払い対象

重大な欠陥のイメージ

(1)対象となる費用

保証の内容は、補修費用、調査費用、転居・仮住まい費用などが対象となります。
免責5万円で、5万円以上は負担する必要ありません。
補償金額は、最大500万円又は1000万円までとなります。

(2)期間と支払対象

期間は、売買後1年間か5年間のどちらかしか選べません。

支払対象は…

  • 構造耐力上必要な部分
  • 雨水の侵入を防止する部分
  • 給排水管路
  • 給排水設備
  • 電気設備など

詳しくは、保険会社5社でも少し差異があるので、不動産会社に確認したほうが良いでしょう。

保険金額の目安

保険金額は条件によって変わりますが、一般的な住宅であれば検査費用も含めて10万円強〜20万円程度。
これで売却が有利になれば、十分に価値があります。

ハウスくんハウスくん

2018年4月からインスペクションについて法律が変わったけど、関係あるの?


家博士家博士

お、よく知ってるね。
インスペクションと関係が深いけど、まだどのくらい影響あるかよく分からないんだ。

3. インスペクションとの関係

2018年4月から宅建業法が改正され、不動産会社のインスペクションに関して規定ができました。

インスペクションとは

インスペクションとは、建築の専門家による建物の状態を確認する検査のこと。
欧米では売買の際にインスペクションをすることが一般的で、インスペクターという職業もあります。

インスペクションについてはこちらの記事で解説しています。

具体的には、不動産会社にこちらが義務化されました。

  • 売り主と媒介契約を結ぶ時に、インスペクション事業者をあっせんできるかどうかを媒介契約書に記載する。
  • 売買契約の重要事項説明で、インスペクションの実施の有無と結果について記載する。
  • 売買契約時に建物の状況について、売り主と買い主の双方が確認した旨を記載した書面を交付する。

宅建業法の改正のポイントはこちら。

  • インスペクション自体が義務化されたのではない。
  • インスペクションについて必ず説明されるので、買い主も売り主も広く知るようになった。
  • 結果としてインスペクションがどの程度増えるかは、まだ分からない。

インスペクションにも課題は多い

インスペクションの講習を終了した有資格者が、目視で確認するだけのインスペクション。

現実的には、木造戸建て住宅では、柱や梁など主要部材は壁の中に隠れているため、目視点検では限界があります。

実際に経験年数20年を超える一級建築士に聞いたところ、
「外装の傷みや傾きは分かるけど、部材をつなぐ金物の不備など内部の瑕疵は分からない。内装を撤去しない限り、目視だと限界はある。」
という回答でした。

宅建業法の改正後はどうなるか

宅建業法の改正により、インスペクションが広く知られることは間違いありません。

しかし、その結果「既存住宅売買かし保険」が知られる様になるかどうかはまだ分かりません。

いまのところ、現場の声にリアルタイムに接している不動産会社の担当者の意見を聞くことが一番よさそうです。

4. 不動産会社の独自サービスの方が知名度は高い

実は、大手不動産会社が独自で用意している瑕疵保険サービスの方が、知名度が高く人気もあるのが現状です。

「既存住宅売買かし保険」は良い制度ですが、今のところ知名度がなかなか上がっていないのが実情。

実際に家を買った人の話でも、不動産会社を選んだ決め手を聞くと「瑕疵担保責任保険サービスが良かったから」という回答がありました。

大手が先行している建物・設備の瑕疵保障

大手不動産会社イメージ
大手不動産会社の瑕疵保障には次の様なものがあります。

三井のリハウス

建物チェック&サポートサービス

保証期間
3ヶ月
※買い主に対して2年まで保障
対象物件
媒介契約締結時点で築30年以内の一戸建て・マンション
連棟構造の建物(タウンハウス、テラスハウス等)、店舗、店舗併用住宅、賃貸併用住宅、事務所ではないこと
対象範囲
雨漏り・建物構造上主要な部位の木部の腐食・シロアリの害・給排水管の故障
サポート上限金額
雨漏り・建物構造上主要な部位の木部の腐食・給排水管の故障
→上限450万円(税込・免責金額なし)
シロアリの害
→上限50万円(税込・免責金額なし)

設備チェック&サポートサービス

保証期間
7日間
※買い主に対して2年まで保障
対象物件
媒介契約締結時点で築30年以内の一戸建て・マンション
店舗、店舗併用住宅、賃貸併用住宅、事務所ではないこと
対象範囲
40項目の住宅設備
サポート上限金額
製造から15年以内の設備 : 20万円(税抜)
製造から15年超~30年の設備 : 3~10万円(税抜)

住友不動産販売

瑕疵保証

保証期間
3ヶ月
※買い主に対して2年まで保障
対象物件
媒介契約締結時点で築30年以内の一戸建て・マンション
自己居住用物件に限る。また賃貸中、3ヶ月以上の空家、別荘、併用住宅、瑕疵担保責任免責物件ではないこと
対象範囲
雨漏り・建物構造上主要な部位の木部の腐食・シロアリの害・給排水管の故障
サポート上限金額
雨漏り・建物構造上主要な部位の木部の腐食・給排水管の故障
→上限200万円(税込・免責5万円)
シロアリの害
→上限50万円(税込・免責金額なし)

設備保障

保証期間
7日間
※買い主に対して2年まで保障
対象物件
媒介契約締結時点で築30年以内の一戸建て・マンション
対象範囲

売買契約締結時に対象不動産に設置されており、所定の「設備表」の「設備の有無」欄に「有」と記載された「主要設備」および「その他の設備」で、引渡時までに故障・不具合等が発生していないもの。(※)
引渡時の動作・目視確認の結果、故障・不具合等が発生していないと認められたもの。
※「設備表」の「設備の有無」欄に「有」と記載された「主要設備」および「その他の設備」であっても、「設備表」内に故障・不具合の指摘がある機器・箇所については対象外。

サポート上限金額
製造から10年以内の設備 : 10万円(税抜)
製造から10年超の設備 : 2~6万円(税抜)

東急リバブル

建物保障

保証期間
3ヶ月
※買い主に対して2年まで保障
対象物件
媒介契約締結時点で築30年以内の一戸建て、マンションは専有面積(壁芯)30㎡以上で築年数不問

瑕疵担保責任免責不動産および事業用不動産、賃貸用不動産(募集中含む)を除く。
外部委託検査会社の検査員による建物・専有部分の検査を受け、適合の判定を受けること(一戸建のシロアリ検査は専門業者による)
※不適合の判定の場合、その部分を除いて保証可
その他諸条件あり

対象範囲
【一戸建】
構造耐力上主要な部分、雨漏り、シロアリの害、給排水管の故障
【マンション】
雨漏り、シロアリの害、給排水管の故障
サポート上限金額
雨漏り・建物構造上主要な部位の木部の腐食・給排水管の故障
→上限500万円(税込・免責金額なし)
シロアリの害
→上限50万円(税込・免責金額なし)

住宅設備保障

保証期間
7日間
※買い主に対して2年まで保障
対象物件
「リバブルあんしん仲介保証(建物保証)」を利用する一戸建・マンション
対象範囲
32種類の住宅設備
サポート上限金額
製造から15年以内の設備 : 15万円(税抜)
製造から15年超~30年の設備 : 3万円(税抜)

野村の仲介+

建物保障(戸建て)

保証期間
3ヶ月
※買い主に対して築後5年以内は引渡後5年間/築後5年超~8年以内は引渡後4年間/築後8年超~12年以内は引渡後3年間/築後12年超は引渡後2年間。
対象物件
媒介契約締結時点で築30年以内の一戸建て

瑕疵担保責任免責不動産および事業用不動産、賃貸用不動産(募集中含む)を除く。
媒介締結後、原則2週間以内に建物検査を実施できること
※野村の仲介+(PLUS)売却サポートの内、適用条件を満たすいずれか1つのサービスを選択する
その他諸条件あり

対象範囲
構造耐力上主要な部分、雨漏り、シロアリの害、給排水管の故障、地震による損壊
サポート上限金額
上限500万円(税別)

住宅設備保障(マンション)

保証期間
7日間
※買い主に対して築後5年以内は引渡後5年間、築後5年超~8年以内は引渡後4年間、築後8年超~12年以内は引渡後3年間、築後12年超は引渡後2年間
対象物件
昭和58年1月以降竣工のマンション、居住用物件であること(賃貸中は除く)
※野村の仲介+(PLUS)売却サポートの内、適用条件を満たすいずれか1つのサービスを選択する
その他諸条件あり
対象範囲
32種類の住宅設備
サポート上限金額
製造から10年以内の設備 : 10万円(税抜)
製造から10年超の設備 : 2〜10万円(税抜)

※各社のサービスは予告なしに変更する可能性がありますので、契約前に必ずご確認下さい。

まとめ

既存住宅売買瑕疵保険は、まだ完全に市場に浸透していないため、利用する前に信頼できる不動産会社に意見を聞くことをオススメします。

こういった新しい制度は、首都圏などは比較的早く浸透しますが、地方ではなかなか知られないという傾向も。

買い手の最新の動向を知っている、売買実績の豊富な不動産会社の意見が一番信用できます。

あなたの家の売却が成功することをお祈りしております!

まず家の価格を確認してみては

これから家の売却を考えているなら、今の家の価格を確認してみてはいかがでしょうか。

今は都市部を中心に、不動産価格が高騰しています。

不動産価格指数(全国)

不動産価格指数(全国)2019年6月

「不動産価格指数」とは

不動産価格指数とは、純粋に不動産相場の価格変動を見ることができる指数。

国土交通省がヘドニック法という統計計算手法で、年間30万件の不動産売買成約価格から築年数や立地などの余計な要素を取り除き、純粋な価格変動をまとめたもの。

都市部のマンションは、この6年で45%も値上がりしています。

一戸建ても、平均では値上がりしていないように見えますが、都市近郊は値上がりしています。

エリアによっては1年で数百万円も価格が上がっている可能性も。

家の価格を正確に知るためには、不動産会社に無料査定を依頼するのが一般的です。

不動産会社の心当たりがなければ、一括査定サイトを利用すると便利です。

一括査定サイトの定番3社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。

一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。

この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue

    すまいバリュー
    実績5.0
    不動産会社4.5
    運営会社5.0
    査定実績:
    18万件(開始後2年合計)
    不動産会社数:
    大手6社・全国840店舗
    運営会社:
    大手6社共同運営

    大手6社(三井不動産リアルティ・住友不動産販売・東急リバブル・野村不動産アーバンネット・三菱地所ハウスネット・小田急不動産)が共同で2016年10月に立ち上げた一括査定サイト。
    6社といっても全国840店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。
    売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。
    首都圏以外のほとんどの地方都市でも、三井・住友・東急の3社が売却実績のトップ3を独占しています。
    2019年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして、「すまいValue」が新定番となっています。

    管理人のコメント

    地方では大手より地域密着の中小不動産会社の方が強い場合もあるため、地方の郊外から外れたエリアではLIFULL HOME'S又はHOME4Uも確認してみたほうが良いでしょう。
    しかし都市部の方は「すまいバリュー」が現状では最強の一括査定サイトです。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。優秀な営業マンも数多く抱えています。
    机上査定と訪問査定が選べる点もおすすめ。

  2. 【公式サイト】すまいValue

  3. LIFULL HOME'S

    LIFULL HOMESイメージ
    実績4.5
    不動産会社4.5
    運営会社5.0
    査定実績:
    非公開(サイト利用者476万人)
    不動産会社数:
    1,777社
    運営会社:
    株式会社LIFULL

    運営は、HOME'SのテレビCMでおなじみの東証1部上場 株式会社LIFULL。2008年にマンション専用でサービスを開始。2011年から戸建ても含めて売却査定ができる仕様に。参加会社数が多く、特に地元密着系の中小不動産会社が多数登録しています。

    管理人のコメント

    不動産会社を選ぶ際に、各社の特徴(買取保障、瑕疵保証制度あり、半数以上がベテランなど)がアイコンで表示されるので、選びやすいシステムです。
    訪問査定ではなく机上査定を希望する場合は、不動産会社へのメッセージ欄で伝えると良いでしょう。
    選ぶ会社の数は3社〜6社がオススメです。

  4. 【公式サイト】LIFULL HOME'S

  5. HOME4U

    HOME4Uイメージw330
    実績5.0
    不動産会社4.0
    運営会社5.0
    査定実績:
    累計35万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    1,300社
    運営会社:
    株式会社NTTデータ・スマートソーシング

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始依頼、査定累計数35万件と実績も豊富。運営は東証1部上場の株式会社NTTデータのグループ会社。
    不動産会社は大小バランスよく登録されているため幅広く依頼ができます。

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多いため、自然と査定精度が高くなる仕組みになっています。
    ちなみに記入した内容はまた不動産会社と話をするときに修正できます。
    あまり真剣に悩まず、とりあえず現時点の希望を書いておく程度で大丈夫。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼すると良いでしょう。

  6. 【公式サイト】HOME4U