移住住みかえ支援機構
マイホームを資産として有効に活用するための支援が主な業務である、移住・住みかえ支援機構。

「マイホーム借上げ制度」という魅力的な制度があるものの、知名度や利用率はかなり低いのが現状。

なぜ、移住・住みかえ支援機構の利用率は低いのか、原因となっているデメリットなどについて解説します。

移住・住みかえ支援機構とは

移住・住みかえ支援機構(JTI)とは、家を「社会の財産」として長く活用することを目指す一般社団法人。

協賛社員には不動産会社や住宅メーカー、金融機関などが含まれています。

これまでのように「建てては壊す」ではなく、マイホーム借り上げ制度を通して「財産として活用する」ことを目指しています。

【参考】 一般社団法人 移住・住みかえ支援機構

マイホーム借上げ制度が魅力的

マイホーム借上制度
JTIの一番の特徴であるマイホーム借上げ制度。

これは、50歳以上のシニア層を対象にマイホームを借上げ、賃貸住宅として貸し出すシステムです。

マイホームが空き家となっても空室時保証賃料が支払われるので、安定した収入が得られます。

ハウスくんハウスくん

空き家として放置するのではなく、うまく活用して収入が得られるってことなんだね

家博士家博士

そう。まさに、家を財産として活用しているんだ

借り上げ制度の魅力は安定収入だけではありません。

JTIが借上げて転貸するため、入居者と直接関わる必要なし。

家賃未払いへのトラブル対応などもJTIがやってくれます。

さらに、賃貸契約は契約期間3年の定期借家契約。

契約期間が3年とはっきり決まっている上に更新もないため、契約期間満了後には家に戻ることも可能。

家に戻るつもりがなければ売却することもできます。

また、借上げ時の改修費用や住み替え先の購入資金を、賃料を担保としたローンでまかなうことも可能。

ローンが利用しにくくなる退職後でも利用できる点がメリットです。

最低家賃保証型もスタート

最低保証賃料
2014年11月からは、最低家賃保証型のマイホーム借上げ制度もスタート。

そもそもマイホーム借上げ制度には「空室時家賃保証」がありますが、保証賃料は数年毎に見直されます。

ハウスくんハウスくん

どうして数年毎に見直されるの?

家博士家博士

賃貸市場の変動や、借り上げている住宅の経年劣化などが主な要因だよ。この空室時家賃保証賃料は、最初の査定時の下限85%を目処としているんだ

保証賃料は見直される前提なので、場合によっては当初の保証賃料より安くなることもあるのです。

一方、最低家賃保証型の場合は、あらかじめ契約時に最低保証額を決定。

保証期間中は賃貸市場が変動しても、最低保証額を下回ることはありません。

なお、保証期間は最長35年。

物件によって期間は変わります。

50歳未満でも利用できる方法も

マイホーム借上げ制度が利用できるのは50歳以上のシニア層。

しかし、50歳未満であってもこの制度を利用できる方法がいくつかあります。

「かせるストック」認定の家

JTIでは、一定の基準を満たす新築住宅を「かせるストック」として認定しています。

「かせるストック」の認定基準は次の通り。

「かせるストック」の認定基準

1.住宅の品質確保の促進等に関する法律に基づく住宅性能表示(新築住宅)を取得し、以下の3条件を満たすこと。

  • 劣化対策等級:3等級
  • 維持管理対策等級:3等級
  • 耐震等級:2等級以上

2.長期優良住宅であること

新築住宅購入時に「かせるストック」の認定を受けた住宅であれば、50歳未満でも「マイホーム借上げ制度」が利用できるのです。

年齢要件の特例

「かせるストック」以外にも、50歳以上という年齢要件を除外する特例制度がいくつかあります。

・再起支援特例
急な減収などにより、住宅ローンの返済が厳しくなった場合の特例
・定期借地特例
売却が難しい定期借地に建てられた家に適用される特例
・海外転勤者向け特例
海外転勤者が対象となる特例
・相続空き家特例
家を相続したけれど、しばらく住む予定のない空き家オーナーが対象となる特例
・生前相続特例
親子で同居しており、すでに名義が子供になっている場合に適用される特例
家博士家博士

例えば、再起支援特例や海外転勤者向け特例を利用して、賃料収入をローン返済にあてるという使い方もできるんだ。まさに、家の有効活用だよ

ハウスくんハウスくん

なるほど。賃貸契約も3年の定期借家契約だから、海外転勤などの場合でも使いやすそうだね

老後に移住を考えるなら、第2の年金として魅力的

空室時でも保証賃料があるJTIのマイホーム借上げ制度。

定期的・安定的に収入が得られるため、まさに「第2の年金」と言えるでしょう。

最近は定年退職後に移住を考えるシニアも増えています。

こうした人にとっては「マイホームを活用して収入が得られる」ため、魅力的な制度なのです。

ところが利用率はかなり低い

とても魅力的な制度であるマイホーム借上げ制度。

しかし、実際の利用率はかなり低くなっています。

2018年12月時点の賃貸募集件数は全国でもわずか37件。

ほとんどの都道府県で募集物件は0件なのです。

ハウスくんハウスくん

全国で37件はさすがに少なすぎる気が・・・

家博士家博士

国土交通省の調査によると、平成25年時点の住宅総数はおよそ6,000万戸。持家比率は61.8%だから、賃貸住宅の総数は約3,700万戸。それに対して37件だからね・・・

魅力的な制度があるにもかかわらず、JTIがあまり利用されていないのはなぜなのでしょうか。

実はJTIにはデメリットもあるのです。

移住・住みかえ支援機構のデメリット

JTIの主なデメリットには、費用や賃料に関することなどが挙げられます。

制度を利用するために初期費用が必要

住宅借上げ制度が利用できる家は、あらかじめJTIが指定する業者の建物診断や耐震診断を受ける必要があります。

こうした建物診断や耐震補強工事の費用はオーナーが負担。

自治体によっては補助が受けられることもありますが、ある程度の初期費用が必要になるのです。

相場よりかなり安い賃料

賃料については地域の賃貸相場の動向や状況などをもとに査定し、JTIが承認することで決まる仕組み。

しかし、定期借家であることや空室保証があるため、どうしても相場より安い賃料となってしまいます。

さらに、賃料がそのまま手取りになるわけではありません。

賃料から15%が運営費として差し引かれるため、実際の手取りは賃料の85%となるのです。

家博士家博士

運営費15%のうち、5%は物件管理費用に、残り10%が空室時の保証準備積立と機構の運営費になるんだ

ハウスくんハウスくん

便利な制度だけど、いろいろ手間が省ける分、普通に賃貸に出すより収入は少なくなるってことなんだね

空室時保証賃料はさらに安くなる

空室時保証賃料は、入居募集時の査定額の下限85%を目処に設定。

つまり、通常の家賃よりもさらに少ない額しか入らないことになります。

空室時保証賃料は毎年安くなり、家賃は3年または退去ごとに安くなる

空室時保証賃料も家賃も見直しがあります。

空室時保証賃料については、原則として毎年見直し。

家賃については、3年ごとの入居者との再契約時または入居者退室時に見直されます。

基本的に家の価値は年々減少していくため、家賃が上がることもないもの。

つまり、基本的には家賃見直しのたびに、家賃が安くなってしまうのです。

なお、空室時保証賃料が変更された場合には、書面でオーナーに通知されることとなっています。

空室時保証賃料は1人目の入居者が入ってから

マイホーム借上げ制度の利用開始時期は、最初の入居者が入居した時点から。

そのため、1人目の入居者が入るまでは空室時保証賃料の支払いもありません。

制度に申し込めばすぐに賃料収入が発生するわけではないので、その点には注意しておきましょう。

一般募集との併用不可

入居者募集に関する注意点としては、制度を利用する場合は一般募集できない点も挙げられます。

契約時にどちらを利用するか決める必要があるのです。

なお、制度利用の場合、利用開始となるまでにかかる時間で最も多いのが3〜5ヶ月。

もちろん物件によって状況は異なりますが、多少時間がかかることは覚悟しておいたほうがよさそうです。

低い知名度と集客力

募集物件件数が非常に少ないことからも分かるように、そもそもこの制度自体、あまり知られていません。

知名度が低いため、集客力も弱いと考えられます。

さらに一般募集との併用ができないため、JTIのサイトで物件情報を調べた人にしか募集できません。

せっかくの良い制度なのに残念です。

維持管理費用はオーナー負担

マイホーム借上げ制度を利用していても、維持管理費用はオーナーが負担することになります。

具体的には家の修理や補修、設備の修理費用や、マンションの管理費・修繕積立金など。

入居者やJTIが負担してくれるわけではありません。

※ただし、故意に設備を故障させたり、通常の使用方法に反する使い方があった場合は、入居者が補修・修理費用を負担することになります。

基本的には良い制度

ここまで見たきたように、JTIにはデメリットもありますが、家を資産として長く活用するJTIの方針は、日本の空き家問題などを解決するために非常に有効です。

今後はJTIの様々なデメリットが改善され、利用者が増えることを願います。

しかし現状では、JTIを利用するよりも、他の選択肢を選んだ方が良い場合もあるでしょう。

例えば、立地が良い人気エリアであれば、空室リスクも低いため、JTIの制度を利用するより普通に賃貸した方が良いでしょう。

なぜなら家賃相場通りの賃料収入を得られる可能性が高いからです。

また郊外や地方であれば、所有し続けるよりも早く売却した方が、手元に残る額が多くなることも。

今後は急激な人口減少や高齢化によって、売却が難しくなる家が増えると予想されます。

日本では人口が急激に減っていますが、新築住宅が次々と建てられています。

日本人の人口・世帯数と住宅戸数

住宅戸数と世帯数の変化

結果として、空き家率は2013年時点で13.5%に。

2025年には団塊の世代が75歳以上になり、多くの人が施設へ入居します。

そうなると空き家は一気に増加。

すでに現時点で東名阪エリアでは、65歳以上の高齢者だけが住む戸建て住宅とマンション(空き家予備軍)が336万戸あると言われています。

全国では持ち家3179万戸に対し、705万戸が65歳以上の高齢者のみの世帯。
実に22%もの住宅が「空き家予備軍」となっているのです。

これだけ空き家が増えると、家を売ろうにも供給過多で売れない可能性が高いでしょう。

家博士家博士

そもそも、今でもすでに売れないエリアがあることも事実。それも、東京に近いエリアですら、ものすごい勢いで地価が下落していたりするんだ

例えば、千葉県松戸市にある小金原団地は、1969年に整備された大規模な団地(賃貸・分譲併せておよそ3000戸)です。

築年数は49年。

建物の老朽化だけでなく高齢化も進んでおり、周辺地域の高齢化率は50%に届く勢いとなっています。

周辺エリアの地価下落率はこの10年で26%。

築40年以上の大規模団地の中でも、最大の下落率となりました。

「首都圏だから大丈夫」と、悠長なことを言っていられない状況になっているのです。

シンガポール国立大学の研究によると、

  • 日本の住宅は2030年に空き家率30%、空き家戸数2,000万戸を超える。(1/3が空き家に)
  • 日本の住宅価格は2040年には、2010年比で平均46%下がる。(価格は半額に)

国土交通省の「国土の長期展望」によると、2050年には

  • 6割の地域で、人口が現在の半分以下になる。
  • 2割の地域で、無人化する。

ことが分かっています。

JTIの制度はあくまでも選択肢の一つ。

将来的にマイホームをどうするのか(住む予定があるかどうか等)、そして立地なども考えた上で、最適な方法を選ぶことが大切です。

今後の方針を考えるためには、まず今の家の価格を確認してみると良いでしょう。

家の価格を確認するためには、エリアで売却実績が豊富な不動産会社を3〜6社選び、無料査定を依頼します。

不動産会社の心当たりが無ければ、一括査定サイトを利用すると便利です。

一括査定サイトの定番3社+1社

一括査定サイトは主要なものだけでも10社以上ありますが、定番はほぼ決まっています。

一括査定サイトの定番となっている3社はこちら。

この3社以外についてはこちらにまとめています。

  1. すまいValue

    すまいバリュー
    実績5.0
    不動産会社4.5
    運営会社5.0
    査定実績:
    年間36万件
    不動産会社数:
    大手6社・全国840店舗
    運営会社:
    大手6社共同運営

    大手6社(三井不動産リアルティ・住友不動産販売・東急リバブル・野村不動産アーバンネット・三菱地所ハウスネット・小田急不動産)が共同で2016年10月に立ち上げた一括査定サイト。
    6社といっても全国840店舗あるため、ほぼ全ての地域をカバーしています。
    売却実績も豊富で、特に首都圏では家を売却した3人に2人がこの6社を利用しているほど。
    首都圏以外のほとんどの地方都市でも、三井・住友・東急の3社が売却実績のトップ3を独占しています。
    2019年現在、大手6社は他の一括査定サイトからほぼ撤退したため、これら大手に査定を依頼できる唯一の一括査定サイトとして、「すまいValue」が新定番となっています。

    管理人のコメント

    地方では大手より地域密着の中小不動産会社の方が強い場合もあるため、地方の郊外から外れたエリアではLIFULL HOME'S又はHOME4Uも確認してみたほうが良いでしょう。
    しかし都市部の方は「すまいバリュー」が現状では最強の一括査定サイトです。
    特に大手トップ3社(三井・住友・東急)の情報量、査定精度、販売力はやはり別格。優秀な営業マンも数多く抱えています。
    机上査定と訪問査定が選べる点もおすすめ。

  2. 【公式サイト】すまいValue

  3. HOME4U

    HOME4Uイメージw330
    実績5.0
    不動産会社4.0
    運営会社5.0
    査定実績:
    累計35万件(2001年開始)
    不動産会社数:
    1,300社
    運営会社:
    株式会社NTTデータ・スマートソーシング

    日本初の不動産一括査定サイト。2001年のサービス開始依頼、査定累計数35万件と実績も豊富。運営は東証1部上場の株式会社NTTデータのグループ会社。
    不動産会社は大小バランスよく登録されているため幅広く依頼ができます。

    管理人のコメント

    HOME4Uでは査定依頼の記入欄が多いため、自然と査定精度が高くなる仕組みになっています。
    ちなみに記入した内容はまた不動産会社と話をするときに修正できます。
    あまり真剣に悩まず、とりあえず現時点の希望を書いておくと良いでしょう。
    不動産会社はかなり絞られて紹介されるので、なるべく多くに査定を依頼した方がよいでしょう。

  4. 【公式サイト】HOME4U

  5. LIFULL HOME'S

    LIFULL HOMESイメージ
    実績4.5
    不動産会社4.5
    運営会社5.0
    査定実績:
    非公開(サイト利用者476万人)
    不動産会社数:
    1,798社
    運営会社:
    株式会社LIFULL

    運営は、HOME'SのテレビCMでおなじみの東証1部上場 株式会社LIFULL。2008年にマンション専用でサービスを開始。2011年から戸建ても含めて売却査定ができる仕様に。参加会社数が多く、特に地元密着系の中小不動産会社が多数登録しています。

    管理人のコメント

    不動産会社を選ぶ際に、各社の特徴(買取保障、瑕疵保証制度あり、半数以上がベテランなど)がアイコンで表示されるので、選びやすいシステムです。
    訪問査定ではなく机上査定を希望する場合は、不動産会社へのメッセージ欄で伝えると良いでしょう。
    選ぶ会社の数は3社〜6社がオススメです。

  6. 【公式サイト】LIFULL HOME'S

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